JP4237559B2 - 電子機器 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、ポータブルコンピュータ等の電子機器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
例えば、ポータブルコンピュータ等の電子機器においては、コンピュータ本体の内底部にメインプリント基板を設け、このメインプリント基板の上部にキーボードを配置し、このキーボードをトップカバーとしてのキーボードホルダによってコンピュータ本体に固定している。また、コンピュータ本体にはヒンジによってディスプレイユニットを有するディスプレイハウジングが開閉自在に枢支されている。
【０００３】
また、コンピュータ本体の内部にはサブプリント基板が設けられ、このサブプリント基板にはキーボードの制御キーに関する表示をなすアイコンの光源となる複数個の発光ダイオード（ＬＥＤ）を取付けられている。コンピュータ本体の上部にはキーボードを保持するキーボードホルダが設けられ、このキーボードホルダには電源スイッチのオン・オフ等を表示する表示部が設けられ、この表示部にはレンズが設けられている。
【０００４】
また、サブプリント基板の発光ダイオードとレンズとは上下方向に離間しているために、発光ダイオードとレンズとの間には、発光ダイオードの光をレンズに導くために透明プラスチックからなる導光体が配置されている。従って、発光ダイオードが発光すると、光は導光体を介してレンズに導かれ、キーボードホルダの上面の表示部が光るようになっている（例えば、特許文献１及び２参照）。
【０００５】
また、導光体は、各種部品を搭載するプラスチックからなるホルダに設けられているが、導光体とホルダとは別部材である。そして、このホルダにはプリント基板上の電源スイッチとコンピュータ本体の上部に設けられた電源ボタンを中継するための構造体、サブプリント基板を取付けるための台座及びコンピュータ本体の上部から下部へハーネスを挿通する挿通部が一体に設けられている。
【０００６】
さらに、キーボードホルダにスピーカボックスを備え、テレビの音声を発生させたり、コンパクトディスクをセットして音声を再生して楽しむことができるものも普及している。さらに、電子メールを受信したことを表示したり、音響を楽しむ際に、そのタイトルを表示したり、さらにコンピュータの起動時にアプリケーションを表示することができるようになっている。
【０００７】
一方、ポータブルコンピュータは、携帯に便利なように、筐体の薄型化、軽量化のため、筐体の内部には各種電子部品が密集して配置されており、外部入出力コネクタ等も限られたスペースに配置されている一方で、コネクタは、こじり等に対する耐性が要求されている。
【０００８】
【特許文献１】
特許第３３８２０７３号公報 （図１７及び明細書の［０１９４］〜［０１９６］）
【０００９】
【特許文献２】
特開平８−６６７０号公報 （図３及び明細書の［０１７６］〜［０１７７］）
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のように構成されたポータブルコンピュータによると、発光ダイオードはメインプリント基板とは別部材のサブプリント基板に設けられているため、構造的に複雑となっている。
また、基板の各種部品を搭載するためのホルダと、発光ダイオードの光をキーボードホルダに設けられたレンズに導く導光体とは別部材である。しかも、ホルダには前記各種部品が密集して取付けられる。従って、部品点数が多く、また導光体をホルダに取付けるための工数がかかり、コストアップの原因となっている。
【００１１】
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、部品を搭載するためのホルダと、発光部の光を導く導光体とを一体とし、部品点数及び組立て工数の削減によりコストダウンを図ることができる電子機器を提供することにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る電子機器は、
機器本体と、前記機器本体内に設けられた発光部と、前記機器本体内に設けられ、部品を搭載する少なくとも一つの取付け部を有する透明な部品搭載ホルダと、前記発光部からの光を前記機器本体上に導く導光体と、を備えている。
前記部品搭載ホルダは、(1)前記導光体が貫通する孔と、(2)前記孔の内側面と前記導光体との間を連結して、前記導光体を前記孔の内部に保持するブリッジ状の結合部と、を有し、前記導光体および前記結合部が前記部品搭載ホルダと一体に成形されていることを特徴としている。
【００１３】
前記構成によれば、部品を搭載するためのホルダと、発光部の光を導く導光体とを一体とし、部品点数及び組立て工数の削減によりコストダウンを図ることができる。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【００１５】
図１〜図９は第１の実施形態を示し、図１は電子機器としてのポータブルコンピュータのディスプレイハウジングを開いた状態の斜視図、図２はキーボードの一部を省略したコンピュータ本体の平面図である。図1及び図２に示すように、ポータブルコンピュータ１は、機器本体としてのコンピュータ本体２と、このコンピュータ本体２にヒンジ３によって回動可能に支持されたディスプレイユニット４とから構成されている。コンピュータ本体２は、扁平な箱状の筐体５を有しており、この筐体５は、上部開口の角皿状のベース６と、このベース６の上部開口を覆う平板状のカバー７とから構成されている。
【００１６】
カバー７の上面にはパームレスト８、キーボード取付け部９が設けられ、キーボード取付け部９にはキーボード１０が設けられている。キーボード１０は、トップカバーとしてのキーボードホルダ１１によってカバー７に固定されている。このキーボードホルダ１１にスピーカボックス１１ａが左右対称的に設置されている。
【００１７】
また、図６に示すように、コンピュータ本体２のヒンジ３側における側部には複数の外部入出力コネクタ１２が設置されており、これら外部入出力コネクタ１２相互間には隙間１２ａが設けられている。
【００１８】
図３〜図５に示すように、ベース６の内底部には回路基板としてのメインプリント基板１３が設けられている。メインプリント基板１３の一部、すなわち、コンピュータ本体２のヒンジ３に偏倚した位置には電源スイッチ１４が実装されている。さらに、メインプリント基板１３には電源スイッチ１４と隣接してアイコンの光源となる複数個、本実施形態では４個の発光部としての発光ダイオード１５が等間隔に一列に実装されている。また、メインプリント基板１３には発光ダイオード１５と隣接してフレキシブルコード用コネクタ１６が実装されている。
【００１９】
さらに、メインプリント基板１３の上部にはメインプリント基板１３に実装された電源スイッチ１４、発光ダイオード１５及びフレキシブルコード用コネクタ１６等に対応して部品搭載ホルダ１７が設けられている。この部品搭載ホルダ１７には複数の取付け孔（図示しない）が設けられ、これら取付け孔には固定ねじ１８が挿通され、部品搭載ホルダ１７はメインプリント基板１３に対して固定されている。
【００２０】
部品搭載ホルダ１７は、図７〜図９に示すように、透明プラスチックによって一体に形成されており、一端部側には電源スイッチ１４と対向するボタン取付け部１９が、中間部には発光ダイオード１５と対向する導光体取付け部２０が、さらに他端部側にはフレキシブルコード用コネクタ１６と対向して台座としてのサブプリント基板取付け部２１が設けられている。
【００２１】
まず、部品搭載ホルダ１７に設けられたボタン取付け部１９について説明すると、部品搭載ホルダ１７の上面には構造体としての上部開口の矩形状の囲い壁２２が一端に設けられ、この外周壁には補強リブ２３が設けられている。さらに、囲い壁２２に囲まれた底部２４には透孔２５が設けられている。囲い壁２２には押しボタン式の電源ボタン２６が上下動自在に収納され、この電源ボタン２６は透孔２５を貫通する操作軸２７を介して電源スイッチ１４に連結されている。
【００２２】
電源ボタン２６の上面にはボタン操作部２８が設けられ、このボタン操作部２８はキーボードホルダ１１に設けられた開口部２９から上面に露出している。従って、ボタン操作部２８を押しボタン式に操作することにより、電源スイッチ１４をオン・オフできるようになっている。
【００２３】
次に、部品搭載ホルダ１７に設けられた導光体取付け部２０について説明すると、４個一列の発光ダイオード１５に対向して長孔３０が設けられている。この長孔３０には部品搭載ホルダ１７と一体で、かつ４個の発光ダイオード１５に対向して導光体３１が設けられている。これら導光体３１は上部に向かって先細の円柱形状であり、基端大径部３１ａは発光ダイオード１５に接近し、上端小径部３１ｂはキーボードホルダ１１に発光ダイオード１５と対応して設けられたレンズ３２と接触して設けられている。
【００２４】
さらに、導光体取付け部２０の長孔３０の長手方向に沿う内側面と４個の導光体３１の上下方向の中間部とは導光体取付け部２０と一体に設けられたブリッジ状の結合部３３によって連結されている。従って、導光体３１は長孔３０の内部で結合部３３のみで連結されており、周囲にはギャップ３４が設けられている。
【００２５】
次に、部品搭載ホルダ１７に設けられたサブプリント基板取付け部２１について説明すると、サブプリント基板取付け部２１の基板取付け面３５は、ボタン取付け部１９より１段高く形成されている。この基板取付け面３５にねじ孔３６と複数個の位置決め突起３７が設けられている。
【００２６】
サブプリント基板３８は電子部品３９やフレキシブルコード用コネクタ４０が実装されている。サブプリント基板３８にはねじ孔３６と対応して取付け孔４１と位置決め突起３７と対応して位置決め孔４２が設けられている。そして、サブプリント基板３８は位置決め孔４２を位置決め突起３７に嵌合して位置決めした状態で、固定ねじ４３を取付け孔４１に挿通してねじ孔３６にねじ込むことにより固定されている。
【００２７】
図５に示すように、サブプリント基板３８のフレキシブルコード用コネクタ４０とメインプリント基板１３のフレキシブルコード用コネクタ１６とはフレキシブルコード４４によって電気的に接続されている。
【００２８】
図６及び図９に示すように、サブプリント基板取付け部２１の下面には基板取付け面３５に対して直角に下方へ突出し、曲げ剛性を高める複数のプレート状の補強部材４５が設けられている。この補強部材４５はコンピュータ本体２に設けられた複数の外部入出力コネクタ１２の相互間に形成された隙間１２ａに差し込まれている。従って、外部入出力コネクタ１２に加わるこじりに対し、外部入出力コネクタ１２の耐性を得るために部品搭載ホルダ１７の補強部材４５によって補強していると同時に補強部材４５は部品搭載ホルダ１７自体の変形を防止するリブの役目をしている。
【００２９】
さらに、図３に示すように、部品搭載ホルダ１７のサブプリント基板取付け部２１の近傍には上下方向に貫通するトンネル状の挿通部４６が一体に設けられている。この挿通部４６はキーボードホルダ１１に設けられたスピーカボックス１１ａに接続されたスピーカハーネス、アンテナハーネス等のハーネス４７を部品搭載ホルダ１７の上部から下部へ挿通配線できるようになっている。
【００３０】
このように構成されたポータブルコンピュータ１によれば、透明プラスチックによって一体に成形された部品搭載ホルダ１７にはボタン取付け部１９、導光体取付け部２０、サブプリント基板取付け部２１及びハーネス４７を挿通する挿通部４６が一体に設けられている。しかも、導光体取付け部２０には各発光ダイオード１５と対向する導光体３１が結合部３３を介して一体に設けられている。
【００３１】
従って、アイコンの光源となる発光ダイオード１５から照射された光は導光体３１の下端部から上端部に向かって導光され、レンズ３２を介してキーボードホルダ１１上に表示される。つまり、部品搭載ホルダ１７は、電源ボタン２６、サブプリント基板３８等を搭載するホルダでありながら、部品搭載ホルダ１７と導光体３１を透明プラスチックによって一体に成形することにより、発光ダイオード１５から照射される光をレンズ３２に導く光ガイドとしての役目を果たしている。
【００３２】
従って、部品点数が削減できるとともに、組立て工数を削減できることから、コストダウンを図ることができる。
【００３３】
図１０は第２の実施形態を示し、第１の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態は、部品搭載ホルダ１７と導光体３１を透明プラスチックによって一体に成形するとともに、導光体３１の上端小径部３１ｂにシボ加工を施して光を拡散する光拡散部５０を設けたものである。光拡散部５０はキーボードホルダ１１に設けられた透孔５１を貫通してキーボードホルダ１１の上面に露出して表示部を構成している。
【００３４】
本実施形態によれば、導光体３１に光拡散部５０を一体に設けたことにより、レンズ３２が不要となり、部品点数をさらに削減できるとともに、組立て工数を削減できるという効果がある。
【００３５】
また、前記実施形態においては、コンピュータ本体２のヒンジ３側に部品搭載ホルダ１７を設け、この部品搭載ホルダ１７に発光ダイオード１５と対向する導光体３１を一体に設けた場合について説明した。しかし、コンピュータ本体２のパームレスト８側にアイコンの光源となる発光ダイオード１５を設けた場合においても、部品搭載ホルダ１７に導光体３１を透明プラスチックによって一体に成形することが可能である。しかも、この場合、部品搭載ホルダ１７の一部にコンピュータ本体２の前方へ一体に延出する導光体を設け、発光ダイオード１５の光をコンピュータ本体２の前端面の表示部に表示することもできる。
【００３６】
なお、電子機器としてポータブルコンピュータについて説明したが、この発明はポータブルコンピュータに限定されるものではなく、各種情報処理装置、電子機器に適用できる。
【００３７】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、電子機器の部品点数および組立て工数を削減でき、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 この発明の第１の実施形態を示し、ポータブルコンピュータのディスプレイハウジングを開いた状態の斜視図。
【図２】 同実施形態のコンピュータ本体の平面図。
【図３】 同実施形態を示し、図２のＡ−Ａ線に沿う断面図。
【図４】 同実施形態を示し、図２のＢ−Ｂ線に沿う断面図。
【図５】 同実施形態を示し、部品搭載ホルダの組込み状態を示す平面図。
【図６】 同実施形態を示し、図５のＣ−Ｃ線に沿う断面図。
【図７】 同実施形態を示し、部品搭載ホルダの組込み状態を示す斜視図。
【図８】 同実施形態を示し、部品搭載ホルダの平面図。
【図９】 同実施形態を示し、部品搭載ホルダの側面図。
【図１０】 この発明の第２の実施形態を示し、部品搭載ホルダの組込み状態を示す縦断側面図。
【符号の説明】
２…機器本体（コンピュータ本体）、５…筐体、９…キーボード取付け部、１０…キーボード、１１…トップカバー（キーボードホルダ）、１５…発光部（発光ダイオード）、１７…部品搭載ホルダ、１９，２１…取付け部（ボタン取付け部、サブプリント基板取付け部）、３０…孔（長孔）、３１…導光体、３３…結合部。

Claims (9)

1. 機器本体と、
   前記機器本体内に設けられた発光部と、
   前記機器本体内に設けられ、部品を搭載する少なくとも一つの取付け部を有する透明な部品搭載ホルダと、
   前記発光部からの光を前記機器本体上に導く導光体と、を具備し、
   前記部品搭載ホルダは、
   前記導光体が貫通する孔と、
   前記孔の内側面と前記導光体との間を連結して、前記導光体を前記孔の内部に保持するブリッジ状の結合部と、を有し、
   前記導光体および前記結合部は、前記部品搭載ホルダと一体に成形されていることを特徴とする電子機器。
2. 請求項１の記載において、前記孔の内部に位置する前記導光体の周囲にギャップが設けられていることを特徴とする電子機器。
3. 請求項２の記載において、前記導光体は、前記発光部と対向する一端部と、前記機器本体に設けられたレンズと対向する他端部とを有することを特徴とする電子機器。
4. 請求項２の記載において、前記導光体は、前記発光部と対向する一端部と、前記機器本体の上面に露出する他端部とを有し、この他端部に光拡散部が一体に設けられていることを特徴とする電子機器。
5. 請求項３又は請求項４の記載において、前記導光体の一端部は、前記導光体の他端部よりも径が大きいことを特徴とする電子機器。
6. 請求項１の記載において、前記機器本体に複数の外部入出力コネクタが設けられ、前記部品搭載ホルダは、前記外部入出力コネクタの間の隙間に差し込まれる補強部材を有することを特徴とする電子機器。
7. キーボード取付け部を有する筐体と、
   前記キーボード取付け部に設けられたキーボードと、
   前記キーボードを前記筐体に固定するトップカバーと、
   前記筐体内に設けられ、部品を搭載する少なくとも一つの取付け部を有する透明な部品搭載ホルダと、
   前記筐体内に設けられた発光部と、
   前記発光部からの光を前記トップカバー上に導く導光体と、を具備し、
   前記部品搭載ホルダは、
   前記導光体が貫通する孔と、
   前記孔の内側面と前記導光体との間を連結して、前記導光体を前記孔の内部に保持するブリッジ状の結合部と、を有し、
   前記導光体および前記結合部は、前記部品搭載ホルダと一体に成形されていることを特徴とする電子機器。
8. 請求項７の記載において、前記トップカバーは、前記発光部に対応して設けられたレンズを有し、前記導光体は、前記発光部の光を前記レンズに導くことを特徴とする電子機器。
9. 請求項７の記載において、前記導光体は、前記発光部と対向する一端部と、光拡散部が一体に設けられた他端部とを有し、前記光拡散部が前記トップカバーの上面に露出していることを特徴とする電子機器。

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