JP4237364B2 - プレス成形性に優れたアルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、成形性に優れる、自動車ボディシート等に好適なアルミニウム合金板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の燃費向上を目的とした車体軽量化の要望が高まっており、軽量化手段の一つとして自動車ボディシート等へのアルミニウム合金板の使用が行われている。自動車のボディシート用材料としては、プレス成形性に優れるだけではなく、塗装焼付後の強度や、耐食性等に優れることが要求される。
現在使用されている自動車ボディシ−ト用アルミニウム合金としては、非熱処理型のAl−Mg系合金と、熱処理型のAl−Mg−Si系とが用いられている。
【0003】
Al−Mg系合金は、Mg含有量の増加とともに延性が向上することから、成形性に優れたアルミニウム合金として、我が国では自動車ボデイパネルに多用されている。しかしながら、Al−Mg系合金では、Al−Mg−Si系合金より成形性は優れているものの、プレス成形の際にストレッチャー−ストレイン模様が現れて表面品位を損なう場合があることや、塗装焼付時に軟化してしまい、耐デント性に劣るという問題点がある。
【0004】
一方、Al−Mg−Si系合金で本質的にストレッチャー−ストレイン模様はほとんど出現しないことや、塗装焼付工程の熱処理を活用して降伏強度の上昇も図り得るという長所を有するが、Al−Mg系合金に比べて成形性に劣るという問題点があり、自動車ボディパネル用としては、その適用に限界があった。
このように自動車ボデイパネル用アルミニウム合金としては、プレス成形性に優れるとともに、プレス後の表面品位にも優れ、塗装焼付によって十分な強度がえられることが求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような要求特性に対して、例えば特開平1−287244号公報では、時効硬化性を有するAl−Cu−Mg−Si系合金を芯材として、良好な成形性を有し、かつストレッチャー−ストレイン模様も問題のない純Alを皮材としたアルミニウム合金合わせ板が提案されており、プレス成形性と塗装焼付硬化性が両立されている。しかしながら、合わせ板では製造コストが高くなるとともに、端面において異種金属接触腐食を起こす懸念がある。
本発明は、単板で5000系合金に匹敵するプレス成形性を有するとともに、塗装焼付によって十分な強度が得られる自動車用アルミニウム合金板を提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記の目的を達成するために、先ずアルミニウム合金板の成形性に及ぼす材料因子について種々検討した。その結果、Al−Mg−Si系をベースにCuを添加した合金において、溶体化後室温近傍の温度で形成される溶質原子から構成されるクラスター(以下低温クラスター)を形成させると、(TS−YS)値が高くなり、その値が130MPa以上あれば5000系合金と同等あるいはそれ以上のプレス成形性が得られることを見出した。
しかし、この低温クラスターは、塗装焼付時のG.P.ゾーンの析出を阻害し、塗装焼付け処理時には大きな強度上昇は期待できないが、合金成分および製造方法を特定することによって、塗装焼付により軟化してしまうAl−Mg系合金を上回る、十分な強度が得られることもわかった。
【0007】
本発明は上記の知見に基づいて得られたもので、その要旨とするところは、
(1)mass%で、Mg:0.1〜0.6%、Si:1.2超〜1.7%、Mg+Si:2%以下、Cu:0.5〜1.5%、Ti:0.005〜0.15%、B:0.0001〜0.05%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、かつ、プレス前のTS(引張強さ)とYS(0.2%耐力)において、(TS−YS)の値が130MPa以上であるアルミニウム合金板の製造方法であって、前記成分組成からなるアルミニウム合金板を冷間圧延後、450〜580℃の温度で溶体化処理を施した後に15℃/s以上の冷却速度で室温以上70℃以下まで冷却した後に、室温で1日以上放置し、その後50〜120℃の温度で1〜50時間の熱処理を、さらに行うことを特徴とするプレス成形性に優れたアルミニウム合金板の製造方法。
(2)mass%で、Mg:0.1〜0.51%、Si:1.2超〜1.7%、Mg+Si:2%以下、Cu:0.5〜1.5%、Ti:0.005〜0.15%、B:0.0001〜0.05%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、かつ、プレス前のTS(引張強さ)とYS(0.2%耐力)において、(TS−YS)の値が130MPa以上であるアルミニウム合金板の製造方法であって、前記成分組成からなるアルミニウム合金板を冷間圧延後、450〜580℃の温度で溶体化処理を施した後に15℃/s以上の冷却速度で室温以上70℃以下まで冷却した後に、引き続き室温以上70℃以下の温度に1〜100時間保持することを特徴とするプレス成形性に優れたアルミニウム合金板の製造方法。
【0008】
(3)mass%で、Mn:0.03〜0.4%、Cr:0.02〜0.15%、Fe:0.03〜0.3%、Zn:0.03〜1%のうち1種または2種以上を、さらに含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載のプレス成形性に優れたアルミニウム合金板の製造方法、である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明者らは、上記の目的を達成するために、先ずアルミニウム合金板の成形性に及ぼす材料因子について種々検討した結果、合金板の(TS−YS)値(ここでTSは引張強さ、YSは0.2%耐力)を高めると、プレス成形性が向上することを見出した。次に、ストレッチャー−ストレイン模様の発生もなく、また時効硬化性を有するAl−Mg−Si系合金において、プレス成形性に及ぼす溶質原子の存在状態、合金成分および製造条件の影響について鋭意検討した。
【0010】
種々検討の結果、Al−Mg−Si系合金にCuを添加した合金において、MgおよびSiの成分範囲およびCuの添加量を特定し、溶体化後室温近傍の温度で形成される、溶質原子からなると考えられる低温クラスターを形成させると130MPa以上の(TS−YS)値が得られ、5000系合金と同等クラスの成形性が得られること、そして140MPa以上であれば5000系合金以上のプレス成形性が得られることを見出した。したがって、より高い成形性を確保するためには合金の(TS−YS)値を140以上とすることが好ましい。
【0011】
また、一般的な塗装焼付け条件である170から180℃程度の温度で30分間足らずの熱処理では、この低温クラスターは比較的安定に存在するために、溶質原子の過飽和固溶量を減少させ、G.P.ゾーンの析出を阻害してしまう。その結果、塗装焼付け処理時には大きな強度上昇は期待できないが、合金成分および製造方法を特定することによって、塗装焼付により軟化してしまう5000系合金以上の十分な強度が得られることもわかった。
【0012】
本発明における好適な成分組成範囲の限定理由について説明する。
Mg、Si、Cu、Mg、Si、Cuは本発明の必須の基本成分であり、微細な低温クラスターを形成して、高いプレス成形性ならびに十分な塗装焼付硬化性を得るために含有させる。
成分範囲としては、Mg:0.1〜0.6mass%、Si:1.2超〜1.7mass%、Cu:0.5〜1.5mass%で、かつ、Mg+Si≦2mass%とした。Mgが0.1mass%未満、Siが1.2mass%未満、Cuが0.5mass%未満では、130MPa以上の(TS−YS)値が得られず、十分なプレス成形性および塗装焼付け効果性が得られない。
【0013】
また、Mgが0.6mass%超、Siが1.7mass%超、Cuが1.5mass%超、かつMg+Si>2mass%では、(TS−YS)値向上効果は飽和するだけでなく、溶体化処理の際にMg2 Si、Si、Al−Cu−Mg−Si系化合物等の第2相が結晶粒界上に析出するとともに、0.2%耐力が高くなり、ヘム曲げ性が大きく低下してしまう。なお、Mgの上限は、本発明の実施例の表1のNo.3に基づいて、0.51mass%以下とした。
本発明においては、さらに必要に応じて、Ti、B、Mn、Cr、Fe、Znのうち1種類以上を含有させてもよい。
【0014】
TiとBは、微量添加により鋳塊の結晶粒を微細化してプレス成形性等を改善する効果を有するので、Tiの含有量は0.005〜0.15mass%、Bの含有量は0.0001〜0.05mass%の範囲に規定するのが好ましい。それぞれの含有量がTi:0.15mass%、B:0.05mass%を超えると粗大な晶出物を形成し、成形性が劣化するので、それぞれ0.15mass%、0.05mass%を上限とするのが好ましい。またそれぞれの含有量がTi:0.005mass%未満、B:0.0001mass%未満では鋳塊の結晶粒微細化効果が十分に得られなくなってしまうので、それぞれ0.005mass%、0.0001mass%を下限とするのが好ましい。
【0015】
Mn、Cr、Fe、Znは強度向上および結晶粒の微細化によってプレス成形性を向上させる効果を有するので、それぞれMn:0.03〜0.4mass%、Cr:0.02〜0.15mass%、Fe:0.03〜0.3mass%、Zn:0.03〜1%の範囲で含有させるとよい。
このうち、Mn、Cr、Feは、いずれも強度向上と結晶粒の微細化によりプレス成形性を向上させる元素であり、その含有量としてMnが0.4mass%、Crが0.15mass%、Feが0.3mass%を超えると粗大晶出物が生成し、成形性がかえって低下させてしまう。また、その含有量としてMnが0.03mass%、Crが0.02mass%、Feが0.02mass%未満では上記の効果が十分に得られなくなってしまうので、上述の範囲内の添加とした。
【0016】
また、Znは、強度向上によりプレス成形性を向上させる効果を有する。その含有量が0.03mass%未満では上記の効果が不十分であり、1mass%を超えると強度上昇が大きくなりすぎてプレス成形性がかえって低下してしまうので、0.03〜1%の範囲内とした。
上記元素の他、通常のアルミニウム合金と同様、不可避的不純物が含有されるが、その量は本発明の効果を損なわない範囲であれば許容される。
【0017】
また、製造方法としては、溶体化処理後室温まで急冷して溶質原子を過飽和に固溶させ、室温近傍の時効により低温クラスターを形成させる方法を基本とする。そして室温時効だけでは溶質原子の拡散が遅く短時間では十分な強度特性が得られない場合には、室温時効後に50〜120℃の温度範囲で引き続き熱処理を行うことが有効である。
さらに、低温クラスター形成温度域が約70℃以下であることから、溶体化処理後に室温以上70℃以下の低温クラスター温度範囲に急冷し、その温度範囲にて時効する方法も有効である。
【0018】
本発明のアルミニウム合金板の好適な製造方法について詳しく説明する。
本発明のアルミニウム合金は、常法に従って鋳造、熱間および冷間圧延を施すが、低温クラスターを形成させて優れた成形性を得るためには、冷間圧延後、450〜580℃の範囲内の温度で溶体化処理を施して15℃/s以上の冷却速度で室温以上70℃以下まで冷却することが有効である。上記工程の溶体化処理条件としては、450℃以下の温度では成形性向上ならびに塗装焼付硬化性確保(時効硬化)に寄与する溶質原子がAl母相中に十分に固溶せずに、第2相として析出してしまうために、成形性向上ならびに塗装焼付硬化性の確保が得られず、またヘム曲げ性を低下させてしまう。一方、溶体化温度が580℃を越えると、部分溶解が生じてしまうおそれがある。そのために溶体化処理温度は450〜580℃の範囲内とした。また、上記の溶体化温度での保持については、溶質原子の固溶が十分に行われるのならば、保持なし(溶体化処理温度到達後、すぐに冷却)でも、ある程度の保持時間をとっともよい。
【0019】
溶体化処理後の冷却速度を15℃/s未満にすると、冷却中に第2相が析出し、ヘム曲げ性が低下するとともに、溶質原子の過飽和固溶量が減少してしまい、プレス成形性向上に有効な低温クラスター形成量が少なくなるとともに、塗装焼付硬化能も低下してしまう。そのため、溶体化処理温後の冷却速度は15℃/s以上とした。
また、溶体化処理後に冷却する温度範囲の規定理由としては、70℃を越えると低温クラスターではなくG.P.ゾーンが形成されてしまい、室温以下では低温クラスターは形成されるものの、溶質原子の拡散が遅く低温クラスターの形成に長時間を要してしまうためである。ここでの室温とは、概ね25℃である。
【0020】
第二に、冷間圧延後、450〜580℃の範囲内の温度で溶体化処理を施して15℃/s以上の冷却速度で室温まで冷却した後、室温で1日以上放置し、その後50〜120℃の温度範囲で1〜50時間の熱処理を施すことが、優れた成形性を得るために有効である。
上記工程の溶体化処理温度および冷却速度条件の設定理由は前述した理由と同じである。溶体化後室温での放置時間が1日未満であると、成形性向上に寄与する低温クラスターの形成量が少なくなってしまう。
【0021】
また、1日以上の室温時効だけでは溶質原子の拡散が遅く、短期間では十分な強度特性が得られず、工業的な生産性の観点で問題が生じる場合がある。その場合には、室温時効後に50〜120℃の温度範囲で引き続き熱処理を行うことが有効である。本熱処理の範囲の規定理由としては、50℃未満、1時間未満の処理では、十分な強度上昇が得られず、120℃超、50時間超では逆に強度上昇が大きくなりすぎてしまうためである。
【0022】
第三に、溶体化処理後室温以上70℃以下の温度まで冷却した後、引き続き室温以上70℃以下の温度で1〜100時間の保持を行うことが、優れた成形性を得るために有効である。
溶体化処理後に冷却する温度範囲の規定理由としては、70℃を越えると低温クラスターではなくG.P.ゾーンが形成されてしまい、室温以下では低温クラスターは形成されるものの、溶質の拡散が遅く低温クラスターの形成に長時間を要してしまうためである。
【0023】
さらに、保持時間の規定理由としては、1時間未満では低温クラスター形成量が不十分であり、100時間以上では強度上昇が大きくなりすぎてしまうためである。
このようにして得られたアルミニウム合金板は、プレス成形性に優れ、かつ塗装焼付後にも5000系合金と同等以上の十分な強度が得られる。したがってこのようなアルミニウム合金板は自動車のボディシート用として好適である。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例で説明する。
(実施例1)
表1に示すような成分組成を有する合金を、通常の方法で溶解・鋳造、圧延して板厚1mmの板にした。そして上記圧延板に対して550℃で20秒保持の溶体化処理を施した後室温まで30℃/sの平均冷却速度で空冷して、アルミニウム合金板を製造した。製造後、10日間室温に放置した後に、引張特性、成形性(深絞り試験、球頭張出試験)を調査した。さらに塗装焼付硬化性を評価するために、プレスにより受ける加工に相当する2%の予ひずみを与えた後に塗装焼付処理に相当する170℃で20分の熱処理を行い、耐力を調査した。それらの調査結果を表2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
本発明は5000系合金に匹敵する良好な成形性と、5000系合金と同等以上のほぼ十分な塗装焼付硬化性を有するアルミニウム合金板の提供を目的としていることから、合金板の成形性能として、限界絞り比:2.03以上、エリクセン値:10.3以上、好ましくは限界絞り比:2.05以上、エリクセン値:10.5以上を目標とした。また、塗装焼付硬化性としては塗装焼付け後の耐力:140MPa以上を目標とした。
【0027】
表2より、本発明のアルミニウム合金板1〜17は、成形性に優れ、かつ塗装焼付後の強度も130MPa以上であることがわかる。また本発明以外の成分を有する比較例の合金18、19では成形性が低く、また塗装焼付硬化性も低い。一方、合金20〜25では、塗装焼付硬化性はあるものの、本発明成分から外れているために成形性が劣っている。
すなわち、本発明によれば、良好な成形性と十分な塗装焼付硬化性を兼ね備えたアルミニウム合金板を製造することが可能となる。
【0028】
【表2】
【0029】
(実施例2)
表1の発明合金5の1mm厚の圧延板に対して、550℃で20秒保持の溶体化処理を施した後に冷却速度を制御して室温まで空冷した。空冷後、室温放置の後に、引き続き熱処理を行った。溶体化後の平均冷却速度、空冷から熱処理までの放置時間、室温放置後の熱処理条件を表3に示す。
このようにして製造したアルミニウム合金板に対して、実施例1で行ったものと同様な調査を実施した。その調査結果を表4に示す。製造条件▲1▼は冷却速度が小さすぎて十分な過飽和固溶体が得られなかったため、製造条件▲3▼は溶体化後の室温での放置が不十分であったに、良好な成形性が得られなかったものである。また、製造条件▲5▼は熱処理が不十分であったために初期強度が低く、塗装焼付後の耐力が不足してしまい、製造条件▲8▼は熱処理による強度上昇が大きすぎて、成形性が劣化してしまった。
このように、本発明の製造条件で処理を行ったものは上述の比較例の製造条件に対して、成形性に優れるとともに、十分な塗装焼付硬化量も備わっていることがわかる。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
(実施例3)
表1の発明合金5の1mm厚の圧延板に対して、550℃で10秒保持の溶体化処理を施した後に25℃/sの平均冷却速度である温度まで空冷した。空冷後、引き続き熱処理を行った。溶体化後の空冷温度および引き続き行う熱処理の条件を表5に示す。
このようにして製造したアルミニウム合金板に対して、実施例1で行ったものと同様な調査を実施した。その調査結果を表6に示す。
表6に示すように、本発明内の製造条件で処理を行ったものは上述の比較例の製造条件に対して、成形性に優れるとともに、十分な塗装焼付硬化量も備わっていることがわかる。
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、成形性に優れるとともに、十分な塗装焼付硬化性を有しており、成形性および焼付後の耐デント性が必要とされる自動車ボディ用などに好適なアルミニウム合金板が提供できるので、自動車重量の軽量化に大いに寄与できる。したがって、本発明の産業上の価値は極めて高いといえる。
Claims (3)
- mass%で、
Mg:0.1〜0.51%、
Si:1.2超〜1.7%、
Mg+Si:2%以下、
Cu:0.5〜1.5%、
Ti:0.005〜0.15%、
B :0.0001〜0.05%
を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、かつ、プレス前のTS(引張強さ)とYS(0.2%耐力)において、(TS−YS)の値が130MPa以上であるアルミニウム合金板の製造方法であって、前記成分組成からなるアルミニウム合金板を冷間圧延後、450〜580℃の温度で溶体化処理を施した後に15℃/s以上の冷却速度で室温以上70℃以下まで冷却した後に、室温で1日以上放置し、その後50〜120℃の温度で1〜50時間の熱処理を、さらに行うことを特徴とするプレス成形性に優れたアルミニウム合金板の製造方法。 - mass%で、
Mg:0.1〜0.51%、
Si:1.2超〜1.7%、
Mg+Si:2%以下、
Cu:0.5〜1.5%、
Ti:0.005〜0.15%、
B :0.0001〜0.05%
を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、かつ、プレス前のTS(引張強さ)とYS(0.2%耐力)において、(TS−YS)の値が130MPa以上であるアルミニウム合金板の製造方法であって、前記成分組成からなるアルミニウム合金板を冷間圧延後、450〜580℃の温度で溶体化処理を施した後に15℃/s以上の冷却速度で室温以上70℃以下まで冷却した後に、引き続き室温以上70℃以下の温度に1〜100時間保持することを特徴とするプレス成形性に優れたアルミニウム合金板の製造方法。 - mass%で、
Mn:0.03〜0.4%、
Cr:0.02〜0.15%、
Fe:0.03〜0.3%、
Zn:0.03〜1%
のうち1種または2種以上を、さらに含有することを特徴とする請求項1または2に記載のプレス成形性に優れたアルミニウム合金板の製造方法。
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