JP4235505B2 - 等速自在継手の外輪の内表面の焼入れ方法 - Google Patents

等速自在継手の外輪の内表面の焼入れ方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、底つき筒体の筒部の内表面の焼入れ、たとえば自動車の動力伝達機構に使用される等速自在継手の外輪の内表面の焼入れに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の変速機から車輪に至る動力伝達機構においては、操舵装置や車輪の懸架装置の動きに追従して動力を伝達するために等速自在継手が使用されている。等速自在継手は内輪と外輪との間でボールが転動するようになっているが、外輪は例えば図1に示すような外観になっている。この外輪1の内面2は必要な表面硬さを得るため高周波による表面焼入れが行なわれる。
【0003】
図1に示したような筒状の等速自在継手外輪の場合、すなわち軸方向で断面形状が変化しない場合は高周波焼入れは通常は図2に示すような移動焼入れによって行なわれる。すなわち図2は等速自在継手外輪の軸方向に平行な断面を示しているが、焼入れすべき内面2に沿った形状のコイル3を焼入れすべき区間の下端から上方に向かって矢印のように順次一定速度で移動して加熱を行なう。そして散水装置4がコイルの下側に隣接した状態で移動するようになっており、加熱された部分に順次水を掛けて焼入れする。なおボールが転動するのは等速自在継手外輪の内面全体ではなくレース部だけであるが、上記のようなコイルの配置のため焼入れは内表面の全周に亘ってなされる。
【0004】
本発明の焼入れ方法が対象とする底つき筒体は上記のような等速自在継手外輪を典型的な例とするものであり、以下の説明は原則として等速自在継手外輪を対象として行なう。なお等速自在継手外輪の例でも見るように、本発明でいうところの底つき筒体において底部は必ずしも塞がった底を形成している必要は無く、筒部の一端の周囲と連続して底面が形成されておれば、その底面の中央部に穴が開いていたり、さらに小径の円筒が接続していたりしても良い。
【0005】
このようにして等速自在継手外輪のレース部の表面を通常の方法で移動焼入れした場合、側面の周方向位置によって焼入れ深さは異なるが、軸方向の焼入れ区間全長にわたって表面から一定の深さの硬化層が生ずる。このとき焼入れ歪が通常必ず発生するが、軸方向の位置によって変形量が相違するような複雑な変形が発生することが多い。たとえば図6は従来から通常行なわれているの移動焼入れの方法で行なった場合の変形の例を示すグラフであって、横軸は焼入れ前後の寸法差すなわち焼入れによる変形量、縦軸は底面と反対側の端部からの軸方向位置すなわち図2における下端からの距離を示している。測定個所は図5に示す等速自在継手外輪の軸方向と直角な断面図(図1のものとは形状がやや異なっている)において3つある溝5における対向する面間の距離、すなわちトラック径6について測定し、3つの溝の測定値を平均している。これを見ると上部では変形量がややマイナスすなわち縮んでいるが、全体的には下方に行くに従ってプラスすなわち広がる形に変形している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような表面焼入れのさいに生ずる材料の変形については、大きい場合には研磨量を大きくして修正しなければならないなど、使用にさいして障害になるので制限を設けている。現在行なわれている表面焼入れの方法においては、変形量が制限の限界ぎりぎりのことが多く、個々の材料のばらつきによっては変形が制限量を超えることもある。したがって本発明においては等速自在継手外輪の内面の表面焼入れなどにおいて、焼入れに伴う変形をできるだけ小さくすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するものであって、高周波加熱コイルと冷却手段とを軸方向に移動しつつ加熱して水冷する移動焼入れによる等速自在継手の外輪の内表面の焼入れにおいて、焼入れする区間のうち、等速自在継手の外輪の底面側の端から焼入れする区間の全長に対して10%以上50%までの長さの区間における前記移動の速度を、残りの長さの区間における移動の速度より20%以上大きくすると共に、前記移動の速度の変化に対応して高周波加熱コイルへの供給電力を変化させることにより、焼入れ硬化層の深さを焼入れする区間内において同じに維持することを特徴とする等速自在継手の外輪の内表面の焼入れ方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明者は等速自在継手外輪などの底つき筒体の筒部の内表面を移動焼入れするときの条件を変えて種々試験し、焼入れに伴う変形をできるだけ小さくすることを検討した。焼入れにより歪が発生する機構としては素材の残留応力による歪、焼入れ時に熱応力による歪、変態応力による歪が考えられる。残留応力による歪に関しては、先に例として示した等速自在継手外輪は鍛造によって製造されたものであるから、鍛造によって材料が延伸された時の残留応力が内在している。これが表面焼入れのときの温度上昇によってその部分の残留応力が開放され、材料内部の応力のバランスが変化して歪を発生させる。
【0009】
熱応力による歪については、たとえば薄い板の全厚を加熱して冷却するような場合であれば、加熱時に自由に膨張し、冷却時に自由に収縮するので熱応力による歪は発生しない。しかし等速自在継手外輪の内表面の焼入れにおいては焼入れ温度への加熱により内面は膨張し内径が広がる変形をするが、高温になると材料は軟化して強度が無いので表面以外の部分による拘束力のため熱膨張に見合う量の変形は生じない。しかし冷却されると熱膨張すべきであった分も含めての収縮が起きるので最終的には内面寸法が縮まる変形をする。また変態応力による歪については、焼入れされて内面がマルテンサイト変態すると体積が膨張するので内面寸法が広がる変形をする。
【0010】
実際の焼入れによる歪は上記の残留応力、熱応力、変態による歪が合成された状態で発生することになる。そこで本発明が対象とする等速自在継手の外輪などの内表面の焼入れにおいて、これらの歪発生原因がどのように関わっているかが問題になるが、残留応力の開放による歪の影響が大きいと考えられる。すなわち図6に焼入れによる変形量を示した例の場合、焼入れ条件そのものは移動焼入れされた区間全体に亘って同じであるから、熱応力、変態による歪は焼入れされた区間に全体に亘って同様に働いている筈である。しかし図6のように焼入れ区間の位置によって寸法が広がる個所と縮む個所とがあるのは残留応力による歪の影響が大きいものと考えられる。残留応力による歪が膨張方向に働くか収縮方向に働くかは、焼入れ区間の位置によって変わることがあり得るからである。さらに歪の大きさに関しては素材の形態による拘束力の影響が大きいと考えられる。すなわち等速自在継手外輪などの底つき筒体の筒部の焼入れにおいては、底部による拘束力が働くので同じ歪応力が働いても底部に近い個所では変形量が小さくなる。
【0011】
そこで本発明者は等速自在継手外輪の内表面の焼入れのさい、加熱条件によって歪の発生がどのように変化するか種々調査した。その結果、加熱条件としてはコイルの移動速度が影響を及ぼすことが判明した。図7は加熱コイルの移動の速度を図6より大きくしたときの変形量を示したものであって、測定個所は図6の場合と同じである。この場合移動速度を大きくすることにより距離当たりの加熱電力が減少するので、高周波加熱コイルへの供給電力を増大して焼入れ硬化層の厚さを同等に維持した。この場合は歪のパターンすなわち軸方向位置による膨張変形、収縮変形の状況は基本的に図6の場合と変わり無いが、その程度が変化し変形量が全体的に減少している。一方改めて図示しないが、加熱コイルの移動の速度を図6の場合より小さくした場合は、軸方向位置による膨張変形、収縮変形の状況は図6の場合と変わり無いが変形量は全体に増大する。
【0012】
ここでさらに焼入れする区間内で加熱コイルの移動速度を変化させることを試み、歪の発生状況について調査した。図4は先に示した図6の場合において、焼入れする区間のうち底面に至る一部分の区間7における移動の速度を大きくしたときの変形量を示したものであって、測定個所は図6の場合と同じである。この場合移動速度を大きくした区間7においては距離当たりの加熱電力が減少するので、高周波加熱コイルへの供給電力を増大して焼入れ硬化層の深さを焼入れする全区間内において同等に維持した。図4の例で注目されるのは、移動速度を大きくした底面に近い区間7では以前に収縮していたのが膨張すなわちプラスの変形に転じていることである。このようにコイルの移動の速度を焼入れする区間内の位置に対応して変化させると、焼入れする区間全体で変えた場合と異なり変形のパターンすなわち膨張、収縮の位置関係が変化することが判明した。
【0013】
上記のようなことから本発明は、加熱コイルの移動の速度を焼入れする区間内の位置に対応して変化させると共に、前記移動の速度の変化に対応して高周波加熱コイルへの供給電力を変化させることにより、焼入れ硬化層の厚さを焼入れする区間内において同等に維持するものである。これにより底つき筒体に筒部の内表面の移動焼入れにおいて、歪の発生状況を有効に変化させて全体の歪量を小さくできる。このような加熱コイルの移動の速度を変えると区間位置における膨張、収縮のパターンが変化する理由であるが、残留応力の開放状況の変化が関係していると推定される。焼入れする区間全体についてコイルの移動速度を変えても区間位置における膨張、収縮のパターンがあまり変化せず、たとえば収縮していた個所がコイルの移動速度の変化により膨張に転ずるといったことがないことから、先に述べたように熱歪や変態歪に対するコイルの移動速度の影響は比較的少ないものと考えられる。すなわち焼入れする区間全体に亘って熱歪や変態歪の比率が変化した場合、焼入れする区間全体に亘って膨張か収縮のいずれかの傾向が一様に加重されて現われる筈である。しかし現実にはそうならないことから、残留歪の影響が大きいと考えられる。
【0014】
そこで焼入れ区間のうちの一部の区間についてコイルの移動速度を速くすると、この区間では残留応力の開放が少なくなるので、その区間における歪の発生自体が少なくなる。このため図6に示したようにこの区間8が収縮歪の発生傾向にあるとき、焼入れによる収縮が少なくなる。このため隣接する膨張歪の個所に引きずられて図4に示した区間7のように最終的にはやや膨張するようになると考えられる。また本発明は焼入れの対象物として底つき筒体としているが、底の部分は隣接する円筒部分に拘束力を及ぼし、焼入れ歪を減少するように作用する。また底つき筒体は通常は鍛造によって製造されるが、複雑な変形過程を経ることになるので残留応力も円筒部分の長さ方向について一様でない。本発明はこのような素材を焼入れするのに有効な技術である。
【0015】
ところで上記のように焼入れ区間のうちの一部の個所でコイルの移動速度を速くすると、その個所では移動距離当たりの投入される電力量が減少する。このためそのままではその個所の焼入れ深さが浅くなる。これを補償するためには、コイルの移動速度の変化に対応して、高周波加熱コイルへの供給電力を変化させることにより移動距離当たりの加熱エネルギーを同等に維持すれば良い。この場合においてコイルの電力の変化による歪の発生状況の変化は少ない。したがって焼入れ区間のうちの一部の個所でコイルの移動速度を変化させることによって歪の発生状況を変化させつつ、これによる焼入れ硬化層の深さの変化を回避できる。
【0016】
上記のように加熱コイルの移動の速度の変化に対応して高周波加熱コイルへの供給電力を変化させることにより焼入れ硬化層の深さは同じに維持するにも拘らず、歪の発生状況が加熱コイルの移動の速度に依存する理由であるが、熱サイクルの時間の要因が歪の発生に大きく影響するためと考えられる。すなわち加熱された材料はコイルと一緒に移動する水噴射ノズルにより冷却されるが、コイルの移動速度が遅くなれば冷却開始の時間も遅くなるため、その間に熱拡散が進行し広い範囲に熱が及ぶことになる。これに対しコイルの電力を大きくした場合には急速に焼入れ温度に加熱されてその温度範囲も広がり焼入れ硬化層の深さも大きくなるが、冷却開始の時間は早いので熱拡散の範囲はコイルの移動速度を遅くした場合より狭くなる。このため加熱コイルの移動距離当たりの投入電力が増大してもコイルの電力による場合は歪の量が増大しないものと考えられる。つまり材料内において焼入れ温度よりも低い温度に加熱された部分においても残留応力の開放は進行するため、熱サイクルの時間が長い条件では残留応力の開放がより進行するものと推定される。
【0017】
上記のように加熱コイルの移動の速度と高周波加熱コイルへの供給電力を焼入れする区間内の位置に対応して変化させる具体的な方法であるが、焼入れする区間の全長を2以上に分割し、それぞれの区間において、前記移動の速度と高周波加熱コイルへの供給電力が隣接する区間における移動の速度および供給電力と異なるようにすると良い。先に図4に示した例においては焼入れする区間の全長を2分割しており、筒体の底面側の端から34%の長さの区間における移動の速度を残りの長さの区間における移動の速度より60%大きくしている。等速自在継手外輪等の内表面の焼入れについては、焼入れする区間の全長に対して筒体の底面側の端から10%以上50%の位置で2分割し、底面側の区間の移動速度を残りの長さの区間における移動の速度より20%以上大きくすれば良い。区間の分割位置が底面側から10%以上50%の位置より外れると充分な効果が得られず、また底面側の区間の移動速度を大きくする割合が残りの長さの区間における移動の速度の20%未満では充分な効果が得られない。なお前記移動速度を大きくする割合の上限は2.5倍迄で充分である。なお加熱コイルの移動速度および供給電力の変更は先の例のようには急変させず、連続的に変化させても良い。
【0018】
【実施例】
等速自在継手外輪の内表面の焼入れを行なった。図2に示したよう方法で移動焼入れにより行なったが、焼入れする部分の軸方向の距離は50mmであって、底部と反対側の端部から16mm入った位置から奥の部分について焼入れをした。なお部材の材質はS45Cで、コイル電源の周波数は60kHzである。図5の等速自在継手外輪の横断面において示したトラック径6が表面焼入れによってどのように変化するかを調べたが、図3のグラフは横軸が焼入れ前のトラック径の平均値、縦軸が底面と反対側の端部からの軸方向位置を示している。1つの部材での3つのトラック径間のばらつき、さらには複数の部材間でのばらつきはあるが、傾向はほとんど同じであって図3はこれらの平均値である。これを見ると焼入れ前においても軸方向位置についてトラック径が均等では無く、底部に近い位置ではやや寸法が大きくなっている。
【0019】
先に示した図4は本発明の方法によって焼入れしたときのトラック径の寸法の変化量を部材の軸方向の位置によって示しており、焼入れ後の実寸法は図3に示したような焼入れ前の寸法に図4に示す変化量を加えたものになる。図4の例においては、底面がある側から17mmの区間(焼入れする区間の長さ50mmの34%)のコイルの移動速度を14mm/秒、残りの区間のコイルの移動速度を8.75mm/秒とした(底面がある側の区間の速度が60%増し)。すなわち底面がある側に向かって焼入れを進行するに当たり、移動の速度を途中から速くした。また焼入れ硬化層の深さを硬度450HV以上の範囲とし(焼入れ前の硬度約300HV)、焼入れした全区間において硬化層が表面から1.9mmに維持されるように加熱コイルの電圧を調節した。すなわちコイル移動速度を大きくした区間のコイル電圧が180Vに対し残りの区間のコイル電圧は120Vである。
【0020】
一方、先に示した図6は従来の方法である比較例であって、焼入れしたときのトラック径の寸法の変化量を部材の軸方向の位置によって示している。コイルの移動速度およびコイル電圧は焼入れする全区間に亘って一定で、それぞれ7.5mm/秒、100Vである。部材の種類などその他の条件は図4のものと同じであって、硬化層の深さも同じである。また先に示した図7も比較例であってコイルの移動速度、コイル電圧を全区間に亘って一定のまま変えたものである。すなわちコイルの移動速度およびコイル電圧はそれぞれ12mm/秒、150Vである。その他の条件は図4や図6の場合と同じであって、硬化層の深さも同じである。
【0021】
図4の本発明の例においては表面焼入れによる寸法変化は全区間において膨張方向になっているが、その量の変動は比較的小さい。これに対して図6の比較例においては表面焼入れによる寸法変化は膨張方向の区間と収縮方向の区間とがあり、寸法変化の量とその区間位置による変動が大きい。また図7の比較例においてはコイルの移動速度を全区間で大きくしたため寸法変化の量は小さくなっているが、膨張方向の区間と収縮方向の区間がある点は図6の例と変わり無く、その結果区間位置による寸法変化の量の変動がかなり大きい。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように本発明は等速自在継手外輪など底つき筒体の筒部の内表面を移動焼入れするにあたり、コイルの移動の速度と高周波加熱コイルへの供給電力を焼入れする区間内の位置に対応して変化させることにより、焼入れ硬化層の厚さを焼入れする区間内において同等に維持しつつ、焼入れに伴う変形をできるだけ小さくすることができる。これにより大量生産品において個々の部材間の寸法のばらつきを減少し、寸法修正のための研磨量の減少などにより生産能率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】等速自在継手外輪の外観図
【図2】移動焼入れによる高周波焼入れを説明する断面図
【図3】焼入れ前のトラック径の平均値を示すグラフ
【図4】本発明の方法によって焼入れしたときのトラック径の寸法の変化量を示すグラフ
【図5】等速自在継手外輪の軸方向と直角な断面図
【図6】比較例の方法によって焼入れしたときのトラック径の寸法の変化量を示すグラフ
【図7】比較例の方法によって焼入れしたときのトラック径の寸法の変化量を示すグラフ
【符号の説明】
1 等速自在継手外輪
2 内面
3 コイル
4 散水装置
5 溝
6 トラック径
7、8 区間

Claims (1)

  1. 高周波加熱コイルと冷却手段とを軸方向に移動しつつ加熱して水冷する移動焼入れによる等速自在継手の外輪の内表面の焼入れにおいて、焼入れする区間のうち、等速自在継手の外輪の底面側の端から焼入れする区間の全長に対して10%以上50%までの長さの区間における前記移動の速度を、残りの長さの区間における移動の速度より20%以上大きくすると共に、前記移動の速度の変化に対応して高周波加熱コイルへの供給電力を変化させることにより、焼入れ硬化層の深さを焼入れする区間内において同じに維持することを特徴とする等速自在継手の外輪の内表面の焼入れ方法。
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