JP4235405B2 - 電子写真装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置に関し、詳細には、複数ビームの時間をおいた重なりを実現して、ビームの重なりを防止し、相反則不軌の寄与を小さくして、画像品質の良好な画像を高速で処理することのできる電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置は、一般的に、感光体が使用されており、感光体のなかでも、負極性帯電の有機感光体(OPC)が使用される。このOPCとしては、4層で構成されるドラム状のものが代表的である。OPCは、その一番内側が、感光体を支える支持体であり、支持体は、導電性が必須であるため、アルミニウムが用いられることが多い。支持体の外側にUL(Under Layer )と呼ばれるバリア層が形成されており、バリア層は、支持体からCGLに電荷が注入するのを防いでいる。ULの外側にはCGL(Carrier Generate Layer)と呼ばれる層が形成されており、この層がいわゆる感光層であって、感光層であるCGLは、光が照射されると、電子とキャリアのペアを発生させる。CGLの外側にCTL(Carrier Transfer Layer)が形成されており、CTLは、CGLで発生したキャリアを通過させる層であって、CGL、CTL内に電解を発生させるために外側に電荷を保持する機能も合わせて有している。
【0003】
電子写真装置では、まず、OPCが、スコロトロンや帯電ローラ等の帯電装置で、負極性に均一に帯電され、次に、狙った場所にのみ光が当てられると、CGLが電子とキャリアのペアを発生させて、この発生されたキャリアが、表面の負電荷を中和させて、静電気の潜像が形成される。このとき、照射される光が強ければ強いほど、多くのキャリアが発生し、より多くの負電荷を中和するため、コントラストの大きい潜像が形成される。
【0004】
このようなOPCを用いた画像形成装置としては、レーザプリンタやレーザ式デジタル複写装置等が知られており、レーザプリンタは、主に半導体レーザを光源とした電子写真プリンタである。
【0005】
このような画像形成装置においては、レーザ光源としての半導体レーザから出射したレーザビームを回転ミラー(ポリゴンミラー)に照射し、その反射光をOPC表面に走査させて、かつ、レーザをON/OFF(オン/オフ)または強度をコントロールすることにより、OPC上に潜像を形成する。
【0006】
そして、画像形成装置、例えば、レーザプリンタにおいて、そのプリント速度を向上させるために、従来、上記回転ミラーの回転速度を上げたり、多角形柱からなる回転ミラー(ポリゴンミラー)をより多くの面を有する多角形にしたりする方法が取られてきているが、さらに高速化が進むと、複数の半導体レーザを用いることが行われるようになってきており、さらに、複数のレーザ素子を一つの基板上に等間隔に形成されたいわゆるマルチレーザアレイを用いるようになってきている。
【0007】
マルチレーザアレイのように、1つのチップ上にn個の発光源を設けると、従来のn倍の速度の書き込みが可能になる。マルチレーザアレイのレーザは、等間隔に一直線状に発光源であるレーザ素子が並んで配設されている方が利用しやすいが、一直線上にレーザ素子が並んでいないものでも利用することができる。
【0008】
そして、一直線状に並んだレーザ光源から出射されたレーザをOPC上に照射したときのOPC上のビームスポット群のなす直線は、OPC表面をビームが走査する方向との角度が垂直直角であることが利用しやすいが、直角である必要はなく、その角度を変えることによって、OPC上のビーム間隔を変える、すなわち、書込密度を変えることができる。また、マルチレーザアレイを用いた場合、複数のビームが近接しているため、ポリゴンミラーの同一面に入射し、レーザビームは、ほぼ同時にOPCに照射される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来マルチレーザアレイを用いると、以下のような不具合があった。
【0010】
例えば、4つのレーザ素子を有する4レーザアレイを用いて、周期的な横線を書く場合、図12に示すように、各レーザに1、2、3、4とナンバーを振ったとき、レーザ1、2で線を書き、レーザ3、4、1では書かず、2、3で線を書き、4、1、2では書かず、という繰り返しを行なうと、図12に示すように、一見、2本線の繰り返しのように見えるが、実際には、隣り合ったビームが重なり合っているため、2本分の幅の1本線に見える。このようなパターンを書くと、レーザ4、1で書かれた線は、他の線よりも濃く見える。すなわち、図12の場合には、4本毎に濃い線が現れ、横線群の中に周期的な柄が見えてしまうことになる。
【0011】
このようにレーザ4、1で書かれた線が濃く見えるのは、以下のような理由によるものと考えられる。すなわち、レーザ4、1で書かれる線以外の線は、ポリゴンミラーの同一面で反射されたビームによって書かれたものであり、ほぼ同時にOPCに照射されるが、レーザ4、1で書かれた線は、まず、レーザ4で書かれ、その後、ポリゴンミラーの次の面で反射されたレーザ1で書かれる。すなわち、ポリゴンミラーが一面分回転する時間だけの間をおいて、2回に分けて書き込まれたことになる。
【0012】
そして、OPCは、その電荷発生層であるCGLに光が当たると、電子とキャリアが発生するが、そこに電界があると、その電界に沿って、電子とキャリアは離れ離れになって移動するが、ある比率で、電子とキャリアは再結合してしまう。再結合したキャリアは、静電潜像の形成には寄与せず、この再結合比率が高いのは、▲1▼発生したキャリアと電子が高密度なとき、及び、▲2▼周囲の電界が弱いときである。
【0013】
上記の場合、レーザ4、1で書き込まれたとき以外の線は、2つのビームがほぼ同時にOPCに照射されているので、2つのビームの重なり部分のキャリアと電子の密度が高い。一方、レーザ4、1で書き込まれた部分は、やや時間を置いて2回に分けてビーム照射がなされているので、キャリアと電子の密度は比較的低い。そのため、キャリアと電子の再結合比率が比較的低いと考えられる。
【0014】
すなわち、レーザ4、1の方が、多くのキャリアで潜像が形成されるので、コントラストの大きい潜像が得られ、現像されると濃い線となる。
【0015】
このように、上記不具合が生じるのは、感光体(OPC)上の隣り合うビームが、ほぼ同時に重なる場合と、ポリゴンミラーが一面分回転する時間Tpだけの間をおいて重なる場合があるからである。ところが、マルチレーザアレイの場合、全てのレーザビームを常にほぼ同時に感光体上に照射させることはできない。
【0016】
そこで、本発明は、全ての隣り合うビームが、ポリゴンミラーが一面分回転する時間Tp以上の時間をおいて重なるようにすることで、上記問題を解消することができることから、副走査方向のドット最小ピッチをp(1200dpiであれば25.4mm/1200=21μm)としたとき、複数の光源によるビームの感光体上の副走査方向距離がmp(mは2以上の自然数)になるようなマルチビームアレイを使用して、1回の走査で、隙間の開いたビーム照射を行ない、次の走査で、隙間を埋めるという処理を行なうことにより、時間をおいた重なりを実現して、ビームの重なりを防止し、相反則不軌の寄与を小さくして、画像品質の良好な画像を高速で処理することのできる電子写真装置を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の電子写真装置は、1つのチップ上に複数の発光源の配列されたレーザダイオードアレイの当該各発光源から出射されたレーザビームを、回転多面鏡で周期的に変更させ、副走査方向に回転する感光体上に副走査方向に位置差を有して主走査方向に照射し、当該感光体面上に静電潜像を形成する電子写真装置において、前記発光源の数をn(n≧2)、前記感光体上で隣り合う当該各発光源からのレーザビームの副走査方向の間隔をd、前記回転多面鏡による走査1回分の時間で前記感光体の進む量をLとしたとき、L=nd/k(kは前記発光源の数nと互いに素である2以上の自然数)の関係にあり、前記感光体が、反転現像用であって、均一に帯電された後に、前記発光源からのレーザビームの走査で露光された後、地肌部の現像位置における表面電位をVd、最高濃度画像部の現像位置における表面電位をVl、とし、露光条件1で露光したときの露光後の電位がVlになる露光量をSとし、露光条件2で露光量Sを露光したときの表面電位をV2としたとき、V2−Vlの絶対値Vkが30V以上の感光体であり、前記露光条件1が、表面電位Vdに帯電させた前記感光体を静止させて、放射照度104μW/m2で露光しながら、透明プローブを用いて電位を測定する露光条件で、前記露光条件2が、前記感光体の表面速度を157mm/s、当該感光体上のレーザビームのスポットの副走査径を85μm、走査線ピッチを63.5μm、レーザ露光後15.7mmの位置に表面電位計のプローブを置いて、非露光部の電位がVdとなるように当該感光体を帯電して露光する露光条件であることにより、上記目的を達成している。
【0025】
また、例えば、請求項に記載するように、前記電子写真装置は、前記複数の発光源からのレーザビームの前記感光体上の副走査径の平均値をDとし、副走査方向のドット最小ピッチをpとしたとき、Vk・D/p>150を満たすものであってもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0030】
図1〜図7は、本発明の電子写真装置の一実施の形態を示す図であり、図1は、本発明の電子写真装置の一実施の形態を適用した画像形成装置1の光走査光学系10の斜視図である。
【0031】
図1において、光走査光学系10は、レーザ光源としてのLD(半導体レーザ)アレイ11、コリメートレンズ12、アパーチャ13、シリンドリカルレンズ14、ポリゴンミラー15、Fθレンズ16、面倒れ補正用レンズ17、反射ミラー18、感光体ドラム19、同期ミラー20及び同期検知センサ21等を備えており、矢印Xは、主走査方向を、矢印Yは、副走査方向を、矢印Zは、X方向及びY方向に直交する方向であって、LDアレイ11の複数の発光源の配列方向を示している。
【0032】
LDアレイ11は、図2に示すように、Z方向に並んだ複数個の発光源を有しており、各発光源は、当該発光源から出射されたレーザビームが感光体ドラム19に照射されたときに、感光体ドラム19の表面に副走査方向(感光体ドラム19の回転方向)Yに所定ピッチ(位置差)をもった複数本のレーザビーム照射軌跡が描かれる状態で配設されている。
【0033】
すなわち、LDアレイ11は、ヘテロダイン接合面1Aに、複数個(図2では、図示の都合上、2個)の発光源が配列されており、各発光源から射出されるレーザビームは、図2に示すように、B1、B2(発光源が2個の場合)となる。なお、以下の説明では、LDアレイ11が4個の発光源を有する場合について説明するが、LDアレイ11の備えている発光源は、4個に限るものではなく、2個、3個、または、5個以上の発光源を有していてもよい。すなわち、LDアレイ11は、主走査方向にほぼ同一位置で感光体ドラム19の回転方向である副走査方向Yに所定距離離れ、個別に変調制御可能な複数個の発光源が1つのチップ上に配列されており、LDアレイ11の各発光源は、それぞれ画像データに応じて変調されたレーザビームを射出(発光)する。したがって、光走査光学装置10は、マルチビーム光走査光学装置である。
【0034】
再び、図1において、LDアレイ11から出射された複数本のレーザビームは、コリメートレンズ12、アパーチャ13及びシリンドリカルレンズ14を通過して、細径の横断面が所定形状のレーザビームに整形されて、ポリゴンミラー15に照射される。
【0035】
すなわち、LDアレイ11から出射された複数本のレーザビームは、コリメートレンズ12により平行光束とされ、次に、書込ドット(走査密度)の大きさに応じたスリットを持つアパーチャ13により余分なレーザビームがカットされて平行光束に整形される。アパーチャ13により整形された各平行光束は、シリンドリカルレンズ14で主走査方向の画像書込用の各レーザビームとしてそれぞれ感光体ドラム19の表面(感光体面)で所定の大きさになるように集光され、ポリゴンミラー15に照射される。
【0036】
ポリゴンミラー15は、所定の高速回転速度で連続回転し、入射されるレーザビームを、反射ミラー18方向に反射(偏向)して、主走査方向(感光体ドラム19の軸方向)Xに繰り返し移動走査する。このポリゴンミラー15で反射されたレーザビームは、一対のFθレンズ16で等角運動から等速運動に変換され、面倒れ補正用レンズ17で面倒れ補正が行なわれた後、反射ミラー18に入射され、反射ミラー18で角度を変えられて、感光体ドラム19の表面に所定ビーム径でスポット状に結像される。
【0037】
また、ポリゴンミラー15で反射された感光体ドラム19上に主走査される直前のレーザビームは、感光体ドラム19の表面に対する主走査書込領域外(所定主走査幅の外)の主走査始点側のレーザ光路に設けられた同期ミラー20にも入射され、同期ミラー20で反射されたレーザビームは、同期検知センサ21に入射される。同期検知センサ21は、入射されるレーザビームを検知し、同期検知信号を生成して出力する。
【0038】
そして、図3に示すように、感光体ドラム19上を走査する直前の4本のレーザビームB1、B2、B3、B4と同期検知センサ21とは、主走査方向及び副走査方向において、図示の関係を有している。なお、同期検知センサ21は、感光体ドラム19の表面に対する主走査書込領域外のレーザビームを検知してレーザビーム検知信号を出力する光センサ(例えば、フォトダイオード)と、そのレーザビーム検知信号に従って主走査方向の書込開始位置を規定する(主走査方向の位置合わせを行なう)ための同期検知信号を生成して出力する同期検知信号発生器と、を有している。
【0039】
そして、上記感光体ドラム19は、図4にその断面図を示すように、導電性支持体31上に、電荷発生材料を主成分とする感光層である電荷発生層32と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層33とが積層された構成となっている。
【0040】
導電性支持体31は、体積抵抗1010 Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状または円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板及びそれらを押し出し、引き抜き等の工法で素管化した後、切削、超仕上げ、研摩等の表面処理を施した管等である。また、特開昭52−36016号公報に記載されているエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトを、導電性支持体31として用いてもよい。
【0041】
また、導電性支持体31は、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものであってもよい。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、または、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは、導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体等を用いることができる。また、結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を用いることができる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエン等に分散して塗布することにより、設けることができる。
【0042】
さらに、導電性支持体31としては、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)等の素材に上記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けたものも用いることができる。
【0043】
次に、感光層である電荷発生層32は、チタニルフタロシアニンを必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波等を用いて分散し、これを導電性支持体31上に塗布して、乾燥することにより形成される。
【0044】
電荷発生層32には、必要に応じて結着樹脂が用いられ、この結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を用いることができる。特に、ポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタールは、好適である。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対して、0〜500重量部、好ましくは、10〜300重量部が適当である。
【0045】
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等を挙げることができるが、特に、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が好適である。また、塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
【0046】
電荷発生層32の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは、0.1〜2μmである。
【0047】
電荷輸送層33は、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないしは分散し、これを電荷発生層32上に塗布、乾燥することにより形成する。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0048】
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2、4、7−トリニトロ−9−フルオレノン、2、4、5、7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2、4、5、7−テトラニトロキサントン、2、4、8−トリニトロチオキサントン、2、6、8−トリニトロ−4H−インデノ〔1、2−b〕チオフェン−4−オン、1、3、7−トリニトロジベンゾチオフェン−5、5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
【0049】
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または、2種以上が混合して用いられる。
【0050】
電荷輸送層33の結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0051】
そして、本実施の形態の感光体ドラム19では、感光層の形成後も感光層中に含まれる水分量/テトラヒドロフラン量比が1/50〜1/0.5を維持することが必要であり、大気中の水分を感光層が吸収することは好ましくない。従って、結着樹脂の吸水率は、0.30%以下が好ましい。
【0052】
上記結着樹脂のなかでもポリカーボネートは、耐摩耗性、静電特性に優れた樹脂であり、かつ、水の吸水率が他の結着樹脂と比較して小さいことから、チタニルフタロシアニン中に含まれる水分子の吸着が少なく結晶型を維持する上で非常に良好な樹脂である。特に、図5に示すような構造を繰り返し単位として表されるビスフェノールZ型ポリカーボネートが好ましい。
【0053】
電荷輸送物質の量は、結着樹脂100重量部に対して、20〜300重量部、好ましくは、40〜150重量部が適当である。
【0054】
また、電荷輸送層33の膜厚は、5〜100μm程度とすることが好ましい。溶剤としては、少なくともテトラヒドロフランを含むが、塗工性等の他の特性に対応して、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、水等のテトラヒドロフランと混ざる溶媒を適宜混合してもよい。
【0055】
そして、上述のように、電荷輸送層33の形成に際して、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解または分散したものを上記電荷発生層32上に塗布した後に乾燥するが、このときの乾燥温度は、110〜140℃であり、乾燥時間は、10〜40分である。
【0056】
また、本実施の形態の感光体ドラム19では、電荷輸送層33中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものを、そのまま使用でき、その使用量としては、結着樹脂に対して、0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー、あるいは、オリゴマーを用いることができ、その使用量としては、結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0057】
さらに、本実施の形態の感光体ドラム19では、導電性支持体31と感光層である電荷発生層32との間に、下引き層を設けてもよい。下引き層は、一般には、樹脂を主成分とするが、これらの樹脂は、その上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等を用いることができる。また、下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等を目的として、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示される金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。これらの下引き層は、上記感光層と同様に、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。さらに、下引き層としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもでき、また、下引き層には、Al23を陽極酸化で設けたもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物及びSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも用いることができ、さらに、公知のものを用いることもできる。
【0058】
そして、下引き層の膜厚は、0〜5μmが適当である。
【0059】
また、本実施の形態の画像形成装置1は、図6に示すような書込制御部40を備えており、書込制御部40は、LVDS部41、ビデオ信号処理部(ビデオ制御部)42、PLL IC43、PM部44a、44b、44c、44d、LD駆動回路(LDD)45a、45b、45c、45d及びAPC制御部46等を備えている。
【0060】
LVDS(Low Voltage Differential Signaling)部41は、小振幅の差動信号(クロック)を利用した高速伝送回路であり、図示しないコントローラからの8ビットのビデオ信号(画像データ)をクロックに同期してビデオ信号処理部42へ高速伝送する。
【0061】
ビデオ信号処理部42は、LVDS部41からのビデオ信号を4チャンネル分のビデオ信号であるチャンネル(ch)1、2、3、4のビデオ信号に変換した後、同期検知センサ21からの同期検知信号の入力時点を基準タイミングとして、PLL IC43からの画素クロック(書込クロック)に同期してチャンネル1、2、3、4のビデオ信号をそれぞれPM回路44a、44b、44c、44dに出力する。
【0062】
PLL(Phase Locked Loop)IC43は、同期検知センサ21からビデオ信号処理部42経由で送られてくる同期検知信号の入力時点を基準タイミングとして、図示しないコントローラからのPLL基準クロックに同期して画素クロックを生成し、ビデオ信号処理部42へ出力する。
【0063】
PM部(パルス幅変調回路)44aは、ビデオ信号処理部42からのチャンネル1のビデオ信号に基づいてパルス幅変調を行ない、チャンネル1の変調信号を生成してLD駆動回路45aへ出力する。PM部44bは、ビデオ信号処理部42からのチャンネル2のビデオ信号に基づいてパルス幅変調を行ない、チャンネル2の変調信号を生成してLD駆動回路45bへ出力する。
【0064】
PM部44cは、ビデオ信号処理部42からのチャンネル3のビデオ信号に基づいてパルス幅変調を行ない、チャンネル3の変調信号を生成してLD駆動回路45cへ出力する。PM部44dは、ビデオ信号処理部42からのチャンネル4のビデオ信号に基づいてパルス幅変調を行ない、チャンネル4の変調信号を生成してLD駆動回路45dへ出力する。
【0065】
LD駆動回路45aは、PM部44aからのチャンネル1の変調信号に応じてLDアレイ11のチャンネル1の発光源を変調(ON/OFF)制御し、対応するレーザビームを発生させる。LD駆動回路45bは、PM部44bからのチャンネル2の変調信号に応じてLDアレイ11のチャンネル2の発光源を変調制御し、対応するレーザビームを発生させる。
【0066】
LD駆動回路45cは、PM部44cからのチャンネル3の変調信号に応じてLDアレイ11のチャンネル3の発光源を変調制御し、対応するレーザビームを発生させる。LD駆動回路45dは、PM部44dからのチャンネル4の変調信号に応じてLDアレイ11のチャンネル4の発光源を変調制御し、対応するレーザビームを発生させる。
【0067】
APC制御部(Automatic Power Control )46は、LDアレイ11の各発光源(LD)の光量を一定に制御する回路であり、LDアレイ11に内蔵されている図示しない光センサ(PD=Photo Detector)の出力信号(PD信号)を、順次切り換える発光源(同期検知センサ21に同期検知信号を生成させるために発光を行なう発光源)を駆動するLD駆動回路45a、45b、45c、45dへ順次フィードバックすることにより、各発光源の光量補正を順次行なう。なお、各発光源(LD)は、温度変動に対する光量変動が大きいため、光量を一定に保持するための光量補正が必要になる。
【0068】
同期検知センサ21は、感光体ドラム19上を走査する直前のレーザビームが検知領域に入射されると、当該レーザビームを検知してローレベル「L」の同期検知信号を生成して出力し、上記レーザビームが検知領域を出て主走査書込領域(有効走査領域)に向かうときに、同期検知信号をハイレベル「H」に復帰する(同期検知信号DPの出力を停止させる)。
【0069】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態の画像形成装置1は、感光体ドラム19の回転を制御して、マルチビームアレイであるLDアレイ11を使用して、1回の走査で、隙間の開いたビーム照射を行ない、次の走査で、隙間を埋めるという処理を行なうことにより、時間をおいた重なりを実現して、ビームの重なりを防止し、相反則不軌の寄与を小さくして、画像品質の良好な画像を高速で処理する。
【0070】
すなわち、画像形成装置1は、通常の画像形成動作では、画像形成開始が指示されると、図示しないコントローラが、図示しないポリゴンモータを回転駆動してポリゴンミラー15を所定の回転速度で回転させるとともに、ビデオ信号を書込制御部40に送出する。
【0071】
書込制御部40は、そのビデオ信号処理部42が、コントローラからLVDS部41を介して送られてくるビデオ信号に基づいて、各PM部44a、44b、44c、44d及びLD駆動回路45a、25b、25c、25dを介してLDアレイ11の各発光源をそれぞれ変調駆動させ、感光体ドラム19の予め帯電された表面上に静電潜像を生成させる。
【0072】
その後、画像形成装置1は、感光体ドラム19の表面上に生成された画像を図示しない現像装置からトナーを供給して、静電潜像を現像して可視像化し、可視像化したトナー画像を給紙部から給紙される用紙上に、図示しない転写装置により転写し、トナー像の転写の完了した用紙を定着部に搬送して、定着部で加熱・加圧して定着させた後、画像の定着された用紙を画像形成装置1の装置外に排紙させる。
【0073】
そして、本実施の形態の画像形成装置1は、LDアレイ11が、4つの発光源を有しており、この各発光源の相隣り合う発光源から出射されて感光体ドラム19上に照射されるレーザビームの副走査方向の間隔をd、ポリゴンミラー15による走査1回分の時間で、感光体ドラム19が回転する量をLとしたとき、次式を満足するように、LDアレイ11の駆動制御を行う。
【0074】
L=nd/k・・・(1)
ここで、nは、LDアレイ11の発光源の数(n≧2)、kは、2以上の自然数で、nと互いに素である。
【0075】
いま、本実施の形態の画像形成装置1のLDアレイ11は、光源数nが、「4」であるので、ポリゴンミラー15による走査1回分の時間で、感光体ドラム19が回転する量をLとしたとき、感光体ドラム19の回転量に対して、次式を満足するように、LDアレイ11の各発光源の点灯を制御する。
【0076】
L=4d/3
このように制御すると、LDアレイ11の4つの光源をLD1、LD2、LD3、LD4とすると、各光源LD1〜LD4で感光体ドラム19上に形成されるラインは、図7に示すようになる。図7において、M1、M2、M3、M4は、それぞれ使われる順番のポリゴンミラー15のナンバーであり、Lineは、感光体ドラム19上に最終的に形成されるラインのナンバーである。
【0077】
画像形成装置1は、図7において、ポリゴンミラー15の最初のミラー面M1で、line1、4、7、10のラインを書き、ポリゴンミラー15の次のミラー面M2で、line5、8、11、14のラインを書く、というように書き進める。
【0078】
したがって、ラインが重複したり、漏れることなく、かつ、隣り合うラインが同時に書かれることも防止することができ、相反則不軌の寄与を小さくして、異常画像が発生すること防止して、画像品質の良好な画像を高速で処理することができる。
【0079】
また、本実施の形態の画像形成装置1は、感光体ドラム19として、均一に帯電された後に、レーザビームが照射されることで露光されると、地肌部分の現像位置における表面電位をVd、最高濃度画像部の現像位置における表面電位をV1としたとき、表面電位Vdに帯電された感光体ドラム19を静止させて放射照度104 μW/m2 で露光しながら透明プローブで測定した露光後の電位がV1になるような露光光量をSとし、感光体ドラム19の表面速度を157mm/s、感光体ドラム19上のレーザビームのスポットの副走査径を85μm、走査線ピッチを63.5μm(400dpi相当)、レーザビーム露光後の15.7mmの位置に表面電位計のプローブを置き、非露光部の電位がVdとなるように感光体ドラム19を帯電して、露光量Sを露光したときの感光体ドラム19の表面電位をV2としたときに、V2−V1の絶対値Vkが30V以上の感光体ドラム19を使用している。
【0080】
すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム19が、反転現像用であって、均一に帯電された後に、発光源からのレーザビームの走査で露光された後、地肌部の現像位置における表面電位をVd、最高濃度画像部の現像位置における表面電位をVl、とし、露光条件1で露光したときの露光後の電位がVlになる露光量をSとし、露光条件2で露光量Sを露光したときの表面電位をV2としたとき、V2−Vlの絶対値Vkが30V以上の感光体ドラム19であり、露光条件1が、表面電位Vdに帯電させた感光体ドラム19を静止させて、放射照度104μW/m2で露光しながら、透明プローブを用いて電位を測定する露光条件であって、露光条件2が、感光体ドラム19の表面速度を157mm/s、感光体ドラム19上のレーザビームのスポットの副走査径を85μm、走査線ピッチを63.5μm、レーザ露光後15.7mmの位置に表面電位計のプローブを置いて、非露光部の電位がVdとなるように感光体ドラム19を帯電して露光する露光条件である。
【0081】
したがって、飛び越し走査の効果を発揮させて、相反則不軌の寄与をより一層適切に小さくすることができ、異常画像が発生すること防止して、画像品質の良好な画像を高速で処理することができる。
【0082】
さらに、本実施の形態の画像形成装置1は、その光走査光学系10において、複数のレーザビームの感光体ドラム19上の副走査径(ピークパワーの1/e2 のパワー部の直径)の平均値をDとし、副走査方向のドット最小ピッチをpとしたとき、F値が次式を満たすものとなっている。
【0083】
F=Vk・D/p>150
すなわち、相反則不軌は、感光体ドラム19の特性である上記V2−V1の絶対値Vk、ビーム間ピッチp及びレーザビームの副走査径Dが関連している。
【0084】
そこで、本実施の形態の走査光学系10では、上述のように、F=Vk・D/p>150としているので、飛び越し走査の効果を適切に発揮させることができ、相反則不軌の寄与をより一層適切に小さくし、異常画像が発生すること防止して、画像品質の良好な画像を高速で処理することができる。
【0085】
また、本実施の形態の画像形成装置1は、その光走査光学系10において、複数のレーザビームの感光体ドラム19上の副走査径(ピークパワーの1/e2 のパワー部の直径)の平均値をDとし、副走査方向のドット最小ピッチをpとしたとき、F値が次式を満たすものとなっている。
【0086】
F=Vk・D/p>220
したがって、飛び越し走査の効果をより一層適切に発揮させることができ、相反則不軌の寄与をより一層適切に小さくし、異常画像が発生すること防止して、画像品質の良好な画像を高速で処理することができる。
【0087】
【実施例】
次に、本発明の画像形成装置の実施例について説明する。この実施例の説明で用いる部は、全て重量部である。
【0088】
本実施例では、以下の手順で感光体ドラムを作成した。この感光体ドラムの作成で用いるチタニルフタロシアニン顔料の基本構造の一般式は、図8に示すような基本構造を有している。なお、図8の一般式において、X1 、X2 、X3 、X4 は、各々独立に各種ハロゲン原子を表し、n、m、l、kは、各々独立的に0〜4の数字を表している。
【0089】
また、電荷輸送物質としては、図9に示す構造式を有する物質を使用する。
【0090】
まず、感光体ドラムの素管となるアルミニウム・シリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液を塗布し、130℃で、20分間乾燥を行って、4.0(μm)の下引き層を形成した。
【0091】
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタン 15部
アルキッド 4部
メラミン 3部
2−ブタノン 50部
次に、上記下引き層上に、下記の電荷発生層用塗工液を塗布し、65℃で、20分間乾燥を行って、0.2(μm)の電荷発生層を形成した。
【0092】
〔電荷発生層用塗工液〕
チタニルフタロシアニン粉末(図8参照) 3部
ポリビニルブチラール 2部
2−ブタノン 140部
さらに、上記電荷発生層上に、下記の電荷輸送層用塗工液を塗布し、130℃で、20分間乾燥を行って、24(μm)の電荷輸送層を形成して、感光体ドラムを作製した。
【0093】
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 10部
電荷輸送物質(図9参照) 8部
テトラヒドロフラン 75部
上記の手順で作成した感光体ドラムは、上記V2−V1の絶対値Vkが、110Vであった。
【0094】
この感光体ドラムに対して、4つの発光源を備えたLDアレイで、ピッチpと副走査ビーム径Dを変えたとき、飛び越し走査の結果は、図10に示すようなものであった。
【0095】
図10の○、△、×は、飛び越し走査を行わなかったときの不具合を示しており、○は、周期的な柄が見えない場合であり、△は、周期的な柄が目立たない場合であり、×は、周期的な柄が目立つ場合である。
【0096】
図10から分かるように、F値が、157以上になると、△になり、F値が、222以上になると、×になる。
【0097】
また、V2−V1の絶対値Vkが、Vk=70Vの感光体ドラムについても同様に飛び越し走査を検査したところ、図11に示すような結果であった。
【0098】
図11と図10を比較して分かるように、Vk=70Vの場合においても、おおむねF値に対する、飛び越し走査の結果は、同様であった。
【0099】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0100】
【発明の効果】
発明の電子写真装置によれば、確実に相反則不軌が発生する感光体を使用する場合に、飛び越し走査の効果を発揮させて、相反則不軌の寄与をより一層適切に小さくすることができ、異常画像が発生すること防止して、画像品質の良好な画像を高速で処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真装置の一実施の形態を適用した画像形成装置の光走査光学系の概略構成斜視図。
【図2】図1のLDアレイの拡大斜視図。
【図3】図1の同期検知センサとレーザビームの関係を示す図。
【図4】図1の感光体ドラムの拡大断面図。
【図5】図4の感光体ドラムの結着樹脂としてのビスフェノールZ型ポリカーボネートの構造図。
【図6】図1の画像形成装置の書込制御部の回路ブロック構成図。
【図7】図1の光走査光学系でのLDアレイの各発光源のレーザビームとポリゴンミラーのミラー及び感光体ドラム上のラインの関係を示す図。
【図8】実施例の感光体ドラムの電荷発生層の作成に用いられるチタニルフタロシアニンの基本構造式を示す図。
【図9】実施例の感光体ドラムの電荷発生層の作成に用いられる電荷輸送物質の構造式を示す図。
【図10】実施例の特性値Vk=110Vの感光体ドラムに対して4つの発光源を備えたLDアレイでピッチと副走査ビーム径を変えたときの飛び越し走査の結果を示す図。
【図11】特性値Vk=70Vの感光体ドラムに対して4つの発光源を備えたLDアレイでピッチと副走査ビーム径を変えたときの飛び越し走査の結果を示す図。
【図12】従来の電子写真装置で4つのレーザ素子を有する4レーザアレイを用いて描いた周期的な横線の状態を示す図。
【符号の説明】
1 画像形成装置
10 光走査光学系
11 LDアレイ
12 コリメートレンズ
13 アパーチャ
14 シリンドリカルレンズ
15 ポリゴンミラー
16 Fθレンズ
17 面倒れ補正用レンズ
18 反射ミラー
19 感光体ドラム
20 同期ミラー
21 同期検知センサ
31 導電性支持体
32 電荷発生層
33 電荷輸送層
34 感光層
40 書込制御部
41 LVDS部
42 ビデオ信号処理部
43 PLL IC
44a、44b、44c、44d PM部
45a、45b、45c、45d LD駆動回路
46 APC制御部

Claims (2)

  1. 1つのチップ上に複数の発光源の配列されたレーザダイオードアレイの当該各発光源から出射されたレーザビームを、回転多面鏡で周期的に変更させ、副走査方向に回転する感光体上に副走査方向に位置差を有して主走査方向に照射し、当該感光体面上に静電潜像を形成する電子写真装置において、
    前記発光源の数をn(n≧2)、前記感光体上で隣り合う当該各発光源からのレーザビームの副走査方向の間隔をd、前記回転多面鏡による走査1回分の時間で前記感光体の進む量をLとしたとき、L=nd/k(kは前記発光源の数nと互いに素である2以上の自然数)の関係にあり、
    前記感光体が、反転現像用であって、均一に帯電された後に、前記発光源からのレーザビームの走査で露光された後、地肌部の現像位置における表面電位をVd、最高濃度画像部の現像位置における表面電位をVl、とし、露光条件1で露光したときの露光後の電位がVlになる露光量をSとし、露光条件2で露光量Sを露光したときの表面電位をV2としたとき、V2−Vlの絶対値Vkが30V以上の感光体であり、
    前記露光条件1が、表面電位Vdに帯電させた前記感光体を静止させて、放射照度104μW/m2で露光しながら、透明プローブを用いて電位を測定する露光条件で、前記露光条件2が、前記感光体の表面速度を157mm/s、当該感光体上のレーザビームのスポットの副走査径を85μm、走査線ピッチを63.5μm、レーザ露光後15.7mmの位置に表面電位計のプローブを置いて、非露光部の電位がVdとなるように当該感光体を帯電して露光する露光条件であること
    を特徴とする電子写真装置。
  2. 前記電子写真装置は、前記複数の発光源からのレーザビームの前記感光体上の副走査径の平均値をDとし、副走査方向のドット最小ピッチをpとしたとき、Vk・D/p>150を満たすことを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
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