JP4231157B2 - はんだ粉末とその製造方法、およびソルダーペースト - Google Patents

はんだ粉末とその製造方法、およびソルダーペースト Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラックスとともにソルダーペースト(はんだペースト)として用いるためのはんだ粉末に関し、さらに、このはんだ粉末の製造方法と、はんだ粉末とフラックスとを含むソルダーペーストに関する。
【0002】
【従来の技術】
本明細書では、当業者間での慣用に従い、例えば、63重量%のSnと残部Pbとからなる組成を63Sn−Pbと表示し、また例えば、8重量%のZnと3重量%のBiと残部Snとからなる組成をSn−8Zn−3Bi等と表示する。
【0003】
電子部品をはんだ付けする方法としては、鏝付け法、浸漬法、リフローソルダリング法(以下、「リフロー法」ともいう)等が挙げられるが、ICチップ等の表面実装には、面実装部品のリード間にブリッジが発生しにくく、かつ生産性にも優れているリフロー法が採用される。通常、リフロー法では、はんだ合金の粉末とフラックスとを混和したソルダーペーストが、メタルマスクやシルクスクリーンを用いて所定のはんだ部位に印刷され、リフロー炉で加熱されて、はんだ付けが行われる。
【0004】
リフロー法等によるはんだ付けには、Sn−Pb合金が一般に用いられてきた。Sn−Pb合金は、共晶組成の溶融温度が低いために(63Sn−Pbにおいて溶融温度183℃)はんだ付け温度も220〜230℃程度と低い。このため、電子部品が熱損傷するおそれが少ない。また、Sn−Pb合金は、はんだ付け性も良好である。しかし、このはんだ合金はPbを含むため、廃棄された電子機器から流出したPbが、地下水等を経由して人体に悪影響を及ぼすことが懸念されている。このような事情から、Sn−Ag合金、Sn−Sb合金、Sn−Bi合金、Sn−Zn合金等が鉛フリーのはんだ合金として提案されている。
【0005】
Sn−Ag合金では、最も溶融温度の低い組成がSn−3.5Agの共晶組成であり、その溶融温度は221℃である。この場合、はんだ付け温度は260〜270℃程度にまで高くなる。Sn−Sb合金では、最も溶融温度の低い組成がSn−5Sbであるが、この組成の溶融温度は、固相線温度が235℃、液相線温度が240℃となる。この場合、はんだ付け温度は、Sn−3.5Ag合金よりもさらに高い280〜300℃となる。Sn−Bi合金では、共晶組成Sn−58Biにおいて共晶温度が139℃である。この共晶温度は十分に低いが、Sn−Bi合金は脆くて硬いため、はんだ付け部における引張強度等の機械的特性に問題がある。
【0006】
Sn−Zn合金では、共晶組成Sn−9Znにおいて共晶温度が199℃である。この共晶温度は、従来の63Sn−Pb共晶はんだの共晶温度183℃に近い。しかも、Sn−Zn合金は機械的特性にも優れている。
【0007】
しかし、Sn−Zn合金も、はんだ付け性には問題がある。そこで、Sn−Zn合金のはんだ付け性を改良するとともに、機械的強度をさらに向上させるために、Sn−Zn合金に、Ag、Cu、Bi、In、Ni、P等を適宜添加したSn−Zn系はんだ合金が提案されている(例えば、特開平9−253882号公報)。
【0008】
また、Sn−Zn系合金は、合金中のZnの活性が強いために、隣接するはんだ粒子同士がくっつきやすくペーストとして使用するときに増粘する傾向がある。ソルダーペーストの増粘が過度に至ると、ペーストの基板への印刷が困難となる。Sn−Zn系合金はZnの表面が酸化されやすいために、合金の融点も上昇する傾向がある。そこで、Sn−Zn系のはんだ合金の粉末とともに用いるフラックス中の活性剤(例えばアミンハロゲン化水素酸塩)の量を増やすことにより、ペーストの粘度を低下させる方法が提案されている。
【0009】
また、特開平9−327789号公報には、ペースト粘度の経時変化を抑制するために改良したフラックスが提案されている。同公報に開示されているフラックスには、リンゴ酸、酒石酸のようなカルボキシル基と水酸基とを含む有機酸が含まれている。これらの有機酸は、Znと反応することによりZnとフラックス成分に含まれる他の高分子との反応を抑制してフラックス中の粘度の上昇を緩和する。また上記フラックスには、フタル酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の有機化合物が含まれている。これらの有機化合物は、Sn−Zn系はんだ合金の表面に付着することにより、合金の反応を抑制する。
【0010】
さらに、特開平8−215884号公報には、フラックスとの混合前に、はんだ合金の粉末自体をコーティングすることが試みられている。同公報には、具体的な方法として、粒径10〜45μmのBi−43Snはんだ合金の粉末を、ベンゾチアゾール誘導体、アミン類、チオ尿素等の腐食抑制剤の水溶液に浸漬させる方法が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−253882号公報に開示されているように、微量成分を添加して特性を改善したSn−Zn系はんだ合金であっても、リフロー法では、はんだ付け性が十分ではなかった。具体的には、はんだ付け部が完全に濡れずにプリント基板の銅箔ランド部がそのまま残るという問題があった。また、半導体のリードの間に銅箔ランド部からソルダーペーストが流れ出し、はんだボールとなってプリント基板に付着するという問題もあった。
【0012】
また、ソルダーペーストの粘度を低下させるためにフラックス中の活性剤の量を増加させると、はんだ付けの後に残存した活性剤が経年変化により白化し、強度や導電率が低下するという問題が生じる。
【0013】
また、特開平9−327789号公報に記載のように、フラックス中の成分によりはんだ合金の粒子をコーティングしたのでは、同じくフラックス中に含まれる活性成分とはんだ粉末との接触を効果的には防止できない。
【0014】
特開平8−215884号公報には、具体的にはSn−Bi合金のみが記載されており、Znのように活性が高い金属を含むソルダーペーストの増粘を防止するために適した材料や方法は記載されていない。
【0015】
上記公報に記載されているような従来の方法では、Sn−Zn系はんだ合金の経時変化を十分に抑制できない。増粘を十分に抑制できないと、いわゆるポットライフが短くなり、また、スクリーン印刷により基板上に適用するときにはんだ粉末がメッシュを通り抜けにくくなってマスク等の目詰まりを起こすという問題も生じる。
【0016】
そこで、本発明は、SnとZnとを含んでいながらも、はんだ付け性が良好であって、フラックス中の活性成分と合金成分との反応を抑制できるはんだ粉末およびその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、SnとZnとを含んでいながらも、はんだ付け性が良好であって、経時変化も抑制されたソルダーペーストを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のはんだ粉末は、フラックスとともにソルダーペーストを構成するはんだ粉末であって、SnおよびZnを含み、表面に有機酸が付着していることを特徴とする。
【0018】
本発明のはんだ粉末によれば、フラックスとともに用いたときにも、はんだ付け性が良好であって、フラックス中の活性成分との反応が抑制される。
【0019】
本発明の第1のソルダーペーストは、上記記載のはんだ粉末とフラックスとを含むことを特徴とする。また、本発明の第2のソルダーペーストは、はんだ粉末とフラックスとを含むソルダーペーストであって、前記はんだ粉末がSnおよびZnを含み、前記フラックスが0.5〜10重量%の非イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明のソルダーペーストによれば、はんだ付け性が良好であって、経時変化も抑制される。
【0021】
さらに、本発明のはんだ粉末の製造方法は、有機酸で飽和した溶液を調製する工程と、SnおよびZnを含むはんだ粉末と前記溶液とを接触させることにより、前記はんだ粉末の表面に前記有機酸を付着させる工程とを含むことを特徴とする。
【0022】
ここで、有機酸で飽和した溶液とは、有機酸が溶解限度に存在する溶液(飽和溶液)またはそれ以上存在する溶液(過飽和溶液)をすべて含む。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
はんだ粉末としてはSn−Zn系合金が用いられるが、この合金にはBiが添加されていることが好ましい。溶融温度をSn−Pb系合金の溶融温度程度にまで低下できるからである。Sn−Zn−Bi系合金の組成としては、重量%により表示して、Sn:70〜95%、Zn:5〜30%、残部Biが好ましい。さらにはAgを含むSn−Zn−Bi−Ag系合金であってもよく、その具体的組成としては、重量%により表示して、Zn:2〜10%、Bi:10〜30%、Ag:0.05〜2%、残部Snが好ましい。
【0024】
また、はんだ粉末は、特に制限されないが、平均粒径が10μm〜100μmであることが好ましい。
【0025】
有機酸塩は、脂肪酸塩であることが好ましく、炭素数が11以上の脂肪酸塩がさらに好ましい。このような脂肪酸塩としては、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸塩から選ばれる少なくとも1つの脂肪酸の塩が挙げられる。これらの脂肪酸塩は汎用性が高く安全でもある。
【0026】
また、有機酸塩は、はんだ付け部におけるフラックス残渣の信頼性を考慮すると、フラックスに含まれている有機酸の塩が好ましい。有機酸塩は、併用するフラックスに応じて適宜選択すればよいが、例えば、フタル酸、クエン酸およびステアリン酸から選ばれる少なくとも一つの有機酸の塩であることが好ましい。
【0027】
また、有機酸塩は、金属として、アルカリ金属を除く金属を含むことが好ましく、有機酸と遷移金属を含む塩基との塩であることがさらに好ましい。
【0028】
有機酸塩は有機酸銅であることが好ましく、具体的には、フタル酸銅、クエン酸銅、ラウリン酸銅、ミリスチン酸銅、パルミチン酸銅、ステアリン酸銅を好適に使用できる。有機酸銅は、はんだ付け性の向上に特に効果を発揮する。また、はんだ付け性の改善のためには、はんだ粉末の表面の5%以上に有機酸銅等の有機酸塩を付着させることが好ましい。はんだ付け性の改善に有機酸銅が適しているのは、銅と錫との良好な親和性が寄与しているためと考えられる。
【0029】
ソルダーペーストの経時変化を十分に抑制したい場合には、はんだ粉末の表面に、有機酸塩を連続した薄膜として付着させることが好ましい。有機酸塩の薄膜によりはんだ粒子の表面を被覆すれば、フラックス中の活性成分とはんだ合金との反応は効果的に抑制される。薄膜の好ましい膜厚は0.1μm〜10μm、特に0.1μm〜5μmである。
【0030】
Sn−Zn系合金のはんだ粉末には、フラックス中の活性成分とZnとの反応により増粘し、銅箔等への濡れ性が低下するという問題があった。しかし、有機酸塩により被覆すれば、Znの酸化等が生じにくくなるとともに、はんだの濡れ性の低下を抑制することも可能となる。従って、濡れ性を確保するためにフラックスに添加される活性剤の量を削減できる。ハロゲン化水素酸塩等の活性剤は、はんだ付け後の白化の原因となっていたが、被覆したSn−Zn系合金はんだ粉末と、活性剤の添加量を抑制した(例えばフラックスの10重量%以下、好ましくは3重量%以下)フラックスとを組み合わせて用いると、はんだ付け部分の劣化を抑制する観点からも好ましい結果が得られる。また、フラックス中の活性剤量の削減は、いわゆるポットライフを長期化する観点からも好ましい。
【0031】
また、ソルダーペーストの経時変化の抑制を重視する場合には、有機酸銅も効果があるが、有機酸塩がはんだ合金に含まれる金属と同じ金属を含むことが好ましい。親和性がよく強固なコーティングが得られやすいからである。特に好ましい有機酸塩であるステアリン酸塩について例示すれば、はんだ合金としてSn−Zn−Bi系合金を用いる場合には、有機酸塩は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ビスマスが特に好ましい。また、Sn−Zn−Bi−Ag系合金を用いる場合、有機酸塩としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ビスマス、ステアリン酸銀が特に好ましい。
【0032】
有機酸塩を付着させたはんだ粉末とともに用いるフラックスとしては、従来から用いられてきたフラックスを特に制限することなく用いることができる。フラックスは、一般に、松脂(基剤)、活性剤、溶剤等を含み、さらに具体的には、基剤として天然ロジン、重合ロジン等を、活性剤として塩酸ジエチルアミン等のアミンハロゲン化水素酸塩を、溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等を含む。また、フラックスには、適宜チキソ剤等が添加される。
【0033】
フラックスは、非イオン性界面活性剤を含んでいることが好ましい。非イオン性界面活性剤の添加は、はんだ付け性の改善および増粘の抑制に効果がある。非イオン性界面活性剤の添加量は、フラックスの0.5〜10重量%が好ましい。
【0034】
非イオン性界面活性剤を添加したフラックスを用いると、非イオン性界面活性剤がはんだ粉末の周囲に結合してはんだ粉末同士の凝集を防止するため、ソルダーペーストの増粘の抑制に効果がある。また、リフロー法において酸化を防止して、はんだボールの発生を抑制することもできる。
【0035】
有機酸塩が付着していないSn−Zn系合金はんだ粉末とともに用いる場合、非イオン性界面活性剤は、フラックスの0.5〜10重量%の範囲で添加される。添加量が0.5重量%より少ないと添加の効果が十分に得られない。一方、添加量が10重量%を超えるとはんだ付け性が逆に阻害される。
【0036】
非イオン性界面活性剤は、非イオン性であれば特に限定されないが、ポリオキシエチレンセチルエーテル(例えば、日光ケミカルズ株式会社製「BC―40TX」)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(例えば同社製「TO−10M」)等を使用できる。
【0037】
次に、有機酸が付着したはんだ粉末の製造方法について説明する。
はんだ粉末は、遠心噴霧法、ガス噴霧法等の従来から用いられてきた方法により作製することができる。
【0038】
はんだ粉末とともに、有機酸塩で飽和した溶液が調製される。溶媒は、適用する製造方法に応じて適宜選択される。例えば、はんだ粉末を溶液中に分散させることにより、はんだ粉末の表面に有機酸塩を付着させる方法では、その有機酸塩が可溶である溶媒が好ましい。このような溶媒としては、例えば有機酸塩が脂肪酸塩である場合には、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒が挙げられる。また、ケロシン等の石油系溶剤を用いてもよい。有機酸の飽和溶液は、例えば有機酸塩を溶媒に過飽和となる状態にまで溶解させ、この過飽和溶液をろ過することにより調製できる。また、ろ過せずに、有機酸の過飽和溶液として用いてもよい。さらに、有機酸塩の飽和溶液を調製し、これを過飽和状態に至らせながら有機酸塩をはんだ粉末の表面に析出させてもよい。
【0039】
一方、有機酸で飽和した溶液をはんだ粉末に吹き付けることにより、はんだ粉末の表面に有機酸塩を付着させる方法では、有機酸塩が可溶である溶媒に限らず、微溶ないし不溶である溶媒を用いてもよい。例えば、好ましい有機酸銅であるステアリン酸銅はメタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコールにはほとんど溶けない。しかし、低級アルコールは、乾燥による除去や取り扱いが容易であり、しかも低コストで使用できるため、量産には好適である。この方法では、好ましくは、有機酸塩の過飽和溶液が使用される。
【0040】
(第1の実施形態)
以下、はんだ粉末の製造方法の第1の実施形態を説明する。ここでは、自由落下するはんだ粉末に、有機酸塩の過飽和溶液を吹き付けて、有機酸塩を付着する方法について説明する。
【0041】
本実施形態では、図1に示すように、連続して落下するはんだ粉末11に、有機酸銅の過飽和溶液13が吹きつけ装置12から霧状に吹き付けられて、はんだ粉末11の表面に過飽和溶液が付着する。溶液が付着したはんだ粉末14は、吹き付け装置12から過飽和溶液が吹き付けられる部分からさらに落下して、熱風乾燥機15の間を通過する際に加熱される。この加熱により、はんだ粉末の表面から溶媒が蒸発し、有機酸塩が付着したはんだ粉末16が製造される。この方法は、製造効率に優れており、過飽和溶液の濃度と吹きつけ量とを調整すれば、はんだ粉末の表面に形成する有機酸塩の量を容易に制御できるという利点も有する。
【0042】
はんだ粉末の表面処理方法としては、メッキ等も考えられる。しかし、メッキでは、メッキ液の制御やはんだ粉末の保持が困難であり、結果としてコストが高くなる。しかし、上記方法では、はんだ粉末の保持が不要であり、飽和溶液をはんだ粉末に均一に噴霧しさえすればよい。このように、上記方法によれば、飽和溶液の濃度と乾燥温度との管理をするだけで、有機酸塩が均一に付着したはんだ粉末を低コストで量産できる。
【0043】
また、はんだ粉末の分級を組み合わせて上記方法を実施すれば、さらに製造効率が向上する。この場合、はんだ粉末11は、例えば所定の径を超えるはんだ粉末を除去しながら上記径以下のはんだ粉末を落下させる、ふるい17等の分級手段から供給される。このように、上記方法は、はんだ粉末の製造工程と連続して実施することにより、さらに効率的に実施できる。
【0044】
(第2の実施形態)
以下、はんだ粉末の製造方法の第2の実施形態を説明する。ここでは、はんだ粉末を有機酸塩の過飽和溶液に浸漬させて、はんだ粉末の表面に有機酸塩を付着させる方法について説明する
【0045】
本実施形態では、はんだ粉末を浸漬した有機酸塩の過飽和溶液を所定時間攪拌することにより、はんだ粉末の表面に有機酸塩を析出させる。この場合、有機酸塩の析出量は、過飽和溶液の濃度、はんだ粉末の添加量、撹拌時間等により制御される。表面に有機酸塩を付着させたはんだ粉末は、溶液から取り出して乾燥させ、溶媒を除去する。
【0046】
一例として、ステアリン酸銅をSn−Zn系合金粉末の表面に付着させる方法について説明する。エタノール300mlにステアリン酸銅9gを添加した過飽和溶液に、はんだ粉末90gを添加し、マグネットスターラを用いて約800rpmで15分間撹拌する。その後、さらに過飽和溶液とはんだ粉末とを分別し、はんだ粉末を60℃に保持した炉で30分間乾燥させる。こうして得たはんだ粉末の表面を走査型電子顕微鏡で観察すると、図2に示すように、はんだ粉末の表面にステアリン酸銅が析出していた。ステアリン酸銅は、はんだ粉末の表面の10%程度を覆っていた。
【0047】
なお、図2に示したように、有機酸塩をはんだ粉末の表面全面にではなく部分的に付着させておくだけでも、大気中のリフロー法において、Znの酸化防止には効果がある。すなわち、有機酸塩が部分的に付着したはんだ粉末とフラックスを混和して調製したソルダーペーストをプリント基板に印刷し、リフロー炉にて加熱すると、プリント基板の温度が上昇して有機酸塩の融点(例えば、ステアリン酸銅の融点120℃)に至ると、有機酸塩がはんだ粉末を覆い、大気中に酸素によるZnの酸化を防止する。こうして、リフロー法におけるはんだボールの発生が抑制される。
【0048】
したがって、特に限定されないが、はんだ粒子の表面に部分的に付着させる場合には、有機酸塩の融点は、Sn−Zn系合金はんだ粒子の融点よりも低いことが好ましい。
【0049】
(第3の実施形態)
以下、はんだ粉末の製造方法の第3の実施形態について説明する。ここでは、有機酸塩の飽和溶液にはんだ粉末を浸漬させ、その後、この飽和溶液に有機酸塩の溶解度を低下させる操作を施す方法について説明する。
【0050】
有機酸塩の溶解度低減のための操作は、溶解度を左右する諸条件の少なくとも1つを変更することにより行われる。このような操作としては、温度や圧力の変更、飽和溶液への新たな溶質、溶媒の投入等が挙げられる。これらの操作のうちの少なくとも1つが、条件の急激な変化を避けながら飽和溶液に適用される。
【0051】
上記に例示したように、溶媒として有機溶媒を用い、有機酸塩として炭素数11以上の脂肪酸塩を用いた場合の飽和溶液には、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコールを添加すれば、有機酸塩の溶解度を低下させることができる。特に、これらアルコールを飽和溶液に徐々に滴下していけば、有機酸塩の溶解度が緩やかに下降し、有機酸塩を徐々に析出させることができて好ましい。
【0052】
本実施形態によれば、有機酸塩の飽和溶液から、有機酸塩をはんだ粒子表面へと徐々に析出させることにより、はんだ粒子の表面に薄膜状のコーティングを形成できる。この析出過程は、はんだ粒子が溶液中に分散した状態を保っているように、溶液を攪拌しながら行うことが好ましい。
【0053】
こうして、はんだ粉末を構成する個々の粒子を被覆するコーティングが施される。この薄膜状のコーティングは、厚さの均一性に優れた有機被膜であり、例えば膜厚が0.1〜5μm、さらには0.1〜2μmと薄くてもはんだ粒子表面全体を覆う膜として形成することができる。
【0054】
このように、本実施形態で説明した方法は、表面が有機酸塩の被膜で覆われたはんだ粉末の製造に適している。
【0055】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
【0056】
(実施例1)
本実施例では、Sn−8Zn−3Bi合金からなる径が20μm〜40μmの球形のはんだ粉末を、上記第2の実施形態で説明したように、ステアリン酸銅をエタノールに溶解させた過飽和溶液に浸漬させて、表面にステアリン酸銅を析出させたはんだ粉末を作製した。こうして表面処理したはんだ粉末、または表面処理をしていないはんだ粉末を用いて、以下に示す所定のフラックスと混合してソルダーペーストを調製した。
【0057】
[サンプル1]
・フラックス:10重量%
ロジン(松脂) 50重量%
硬化ひまし油(チキソ剤) 5重量%
ジフェニールグアニジンHBr(活性剤) 2重量%
α−テレビネオール(溶剤) 43重量%
・ステアリン酸銅処理はんだ粉末:90重量%
【0058】
[サンプル2]
・フラックス:10重量%
ロジン(松脂) 48重量%
硬化ひまし油(チキソ剤) 5重量%
ジフェニールグアニジンHBr(活性剤) 2重量%
α−テレビネオール(溶剤) 40重量%
非イオン性界面活性剤(BC−40TX) 5重量%
・未処理はんだ粉末:90重量%
【0059】
[サンプル3]
・フラックス:10重量%
ロジン(松脂) 48重量%
硬化ひまし油(チキソ剤) 5重量%
ジフェニールグアニジンHBr(活性剤) 2重量%
α−テレビネオール(溶剤) 40重量%
非イオン性界面活性剤(BC−40TX) 5重量%
・ステアリン酸銅処理はんだ粉末:90重量%
【0060】
[サンプル4]
・フラックス:10重量%
ロジン(松脂) 50重量%
硬化ひまし油(チキソ剤) 5重量%
ジフェニールグアニジンHBr(活性剤) 2重量%
α−テレビネオール(溶剤) 43重量%
・未処理はんだ粉末:90重量%
【0061】
[サンプル5]
・フラックス:10重量%
ロジン(松脂) 43重量%
硬化ひまし油(チキソ剤) 5重量%
ジフェニールグアニジンHBr(活性剤) 2重量%
α−テレビネオール(溶剤) 35重量%
非イオン性界面活性剤(BC−40TX) 15重量%
・未処理はんだ粉末:90重量%
【0062】
上記各ソルダーペーストを用いて信頼性試験を行った。試験基板は、材質がガラスエポキシであり、はんだ付けするランド部が銅めっきであるプリント配線基板を用いた。このプリント配線基板に、厚さが180μmであってエッチングにより所定のパターンに開口部を形成したメタルマスクと、金属スキージとを用いてソルダーペーストを印刷した。表面実装するための電子部品としては、0.65mmピッチで100ピンを有し、Pdめっきを施したリードを有する半導体装置を用いた。この半導体装置を、ソルダーペーストを印刷したランド部にマウントし、大気熱風リフロー炉を用いて、はんだ付け部の最高温度が210℃となるように、はんだを溶融させてプリント配線基板に接合した。
【0063】
はんだ粉末の酸化の程度は、はんだ付け後、半導体リード1本あたりの周囲に発生したはんだボールの数により評価した。はんだボールの数が少ないほど、はんだ粉末の酸化が抑制されていることになる。評価は、半導体リード1本あたりのはんだボールの数により、少ない順に、A、B、C、Dとして評価した。
【0064】
また、ソルダーペーストの経時変化は、密閉容器に収容したソルダーペーストを25℃の恒温槽に放置し、マルコム式粘度測定機で測定した粘度変化により評価した。粘度変化が少なく所定粘度に至るまでの放置期間が長いほどソルダーペーストの経時変化が抑制されている。粘度が初期に比べて100Pa・s上がるまでの日数を測定した。以上の結果を表1に示す。
【0065】
Figure 0004231157
【0066】
表1に示したように、サンプル1では、ステアリン酸銅をはんだ粉末に付着させたことにより、未処理はんだ粉末を用いたサンプル4よりも、はんだボールの発生とソルダーペーストの経時変化とがともに抑制されている。また、サンプル2でも、非イオン性界面活性剤をフラックス中に適量(5重量%)添加したことにより、非イオン性界面活性剤を添加していないサンプル4よりも、はんだボール発生数とペースト経時変化とがともに抑制されている。サンプル1と2とを比較すると、はんだボール発生数の抑制にはステアリン酸銅の付着の効果が大きく、ペースト経時変化の抑制には非イオン性界面活性剤の効果が大きい。最も良好な結果が得られたのは、有機酸銅を付着させたはんだ粉末と非イオン性界面活性剤を添加したフラックスとを用いたサンプル3であった。
【0067】
その一方、非イオン性界面活性剤を15重量%添加したサンプル5では、はんだボールの発生数は却って増加した。これは、非イオン性界面活性剤が、溶融したはんだ粉末が銅箔部に濡れ広がることを妨げたためと考えられる。
【0068】
なお、はんだボールの発生状況を、図3(サンプル1)、図4(サンプル2)、図5(サンプル3)および図6(サンプル4)に示す。このように、両サンプルでは、半導体のリードの周囲に発生したはんだボールの数に大きな差異が認められた。
【0069】
(実施例2)
本実施例によるはんだ粉末のコーティング工程の概略を図7に示す。以下、この工程について説明する。
【0070】
まず、1000ml(780g)のケロシンをマグネティックスターラにより約700rpmで撹拌しながら、これに7.8gのステアリン酸亜鉛を加えた。投入したステアリン酸亜鉛の量は、この化合物のケロシンに対する溶解限界を超えており、溶液は白濁した。この溶液を、メッシュ径8μmのろ紙によりろ過してステアリン酸亜鉛のケロシン飽和溶液を得た。
【0071】
次に、この飽和溶液をマグネティックスターラで上記と同様に攪拌しながら、78gのSn−8Zn−3Bi系合金はんだ粉末を加えた。はんだ粉末の平均粒径は約30μmとした。なお、このはんだ粉末を走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、個々のはんだ粒子はほぼ球形であった。
【0072】
さらに、この飽和溶液を上記と同様に攪拌し続けながらエタノールを少量ずつ滴下した。エタノールを10ml程度滴下した時点から液が白濁し始めた。所定量のエタノールを滴下した後、白濁した溶液を再度ろ過し、ろ紙上の残留物を80℃の炉で8時間乾燥させて薄膜で覆われたはんだ粉末を得た。なお、エタノールの滴下速度は約2ml/分、エタノールの滴下総量は10ml〜100mlの範囲から選択した。
【0073】
エタノール滴下量を100mlとして得たはんだ粉末Aおよび同滴下量を10mlとして得たはんだ粉末Bを走査型電子顕微鏡を用いて観察した。結果を図8および図9にそれぞれ示す。はんだ粉末がほぼ均一にコーティングされ、球状の粒子形状が保たれていることがわかる。また、FE−SEM(Field Emission Scanning Microscope;電界放射電子顕微鏡)により、はんだ粉末Aのコーティング厚みは約2μm、はんだ粉末Bのコーティング厚みは約1μmであることが確認できた。
【0074】
コーティングの膜厚は、滴下するエタノールの量を増すほど厚くなる。また、膜厚は、撹拌時間(エタノール滴下後の攪拌時間)が長くなるほど、温度が低いほど、厚くなることも確認された。なお、図8および図9に示したはんだ粉末は、室温(約25℃)下、撹拌時間10分間として得たものである。
【0075】
コーティングの材質を確認するために、コーティング前後のはんだ粉末についてFT−IR(Fourier-Transform Infra-Red Spectroscopy;フーリエ変換赤外分光器)により吸収スペクトルを測定した。コーティング前のスペクトルを図10にコーティング後のスペクトルを図11にそれぞれ示す。図11に示すように、コーティングしたはんだ粉末では、図8では観察されないステアリン酸のC−H振動による吸収ピークが2890cm-1付近に観察された。
【0076】
一方、上記と同様、1000mlのケロシンに7.8gのステアリン酸亜鉛を加えて得た過飽和溶液に、78gの上記はんだ粉末を浸漬させた。0.5時間静置した後、この溶液をろ過し、残留物を乾燥させてはんだ粉末Cを得た。このはんだ粉末Cを走査型電子顕微鏡を用いて観察した結果を図12に示す。図12に示したように、はんだ粉末Cに形成されたコーティングは不均一で、一方では塊状の析出体が付着したはんだ粒子が認められ、他方では完全にコーティングされていないはんだ粒子が存在した。このように、単にはんだ粉末を溶液に浸漬させたのでは均一なコーティングが得られないことが確認された。
【0077】
以上より得たはんだ粉末A〜Cおよびコーティングを施さない上記はんだ粉末Dを用いてソルダーペーストを調製した。はんだ粉末とフラックスとの組み合わせを表2に示す。また、用いたフラックスの組成を表3に示す。
【0078】
Figure 0004231157
【0079】
Figure 0004231157
【0080】
フラックスAおよびフラックスBの活性剤の含有割合は、はんだ粉末Aおよびはんだ粉末Dを用いた場合に、スクリーン印刷できる範囲内で同程度の粘度となるように定めた。表2に示したように、必要とされる活性剤の量は、フラックスBにおいて多量となった。
【0081】
ソルダーペーストA〜Dについて、各々ポットライフを測定した。ここでポットライフとは、ペーストの粘度が基板への印刷が困難とならない程度(概略400Pa・s程度以下)に保持されている期間である。ここでは、ポットライフを、室温で放置した場合に、ソルダーペーストの粘度が200Pa・sから400Pa・sへと増加するまでに要する時間として定める。ポットライフの測定結果を表4に示す。
【0082】
Figure 0004231157
【0083】
表4に示したように、コーティングが均一で厚いほうがポットライフが長くなった。はんだ粒子表面のZnの酸化が抑制され、粒子同士の結合が抑制されることにより、ペーストの増粘が抑制されたためである。
【0084】
また、ソルダーペーストA〜Dにより、メタルマスク(150〜200μm厚のステンレスをレーザーエッチングにより穴開けしたもの)を用いたスクリーン印刷を試みた。ソルダーペーストC以外についてはマスクの通過に問題はなかったが、ソルダーペーストCは1回目は印刷は可能であるものの、マスクが目詰まりを起こし、それ以降連続して印刷することが困難となった。これは、コーティングが不均一であり、はんだ粉末の酸化が進行してはんだ粒子同士のくっつきにより増粘したためである。
【0085】
次に、ソルダーペーストA、BおよびDを回路基板にスクリーン印刷し、大気中でリフローソルダリングを行った。形成した各はんだ付け部分について、亜硫酸ガス試験を実施した。亜硫酸ガス試験は、40℃で10ppmの亜硫酸ガスを含む空気中に100時間放置した後のはんだ付け部分を白化の有無を目視により確認することにより行った。その結果、ソルダーペーストAおよびBについては白化は認められなかったが、ソルダーペーストDによるはんだ付け部分には白化が認められた。これは、コーティングしたはんだ粉末を用いたソルダーペーストAおよびBでは、ソルダーペーストDに比較して活性剤の量を低減することができたためである。
【0086】
以上から、飽和溶液からのコーティング剤の析出工程を制御しながら実施することにより、Znを含むはんだ合金の粒子に、各粒子が原形を保持することができる程度に膜厚の均一性に優れた薄膜をコーティングできることが確認できた。この薄膜状のコーティングは、はんだ粒子の表面を完全に覆いながらも、スクリーン印刷への適用を阻害するものとはならない。また、このような薄膜状のコーティングが形成されたはんだ粉末を用いることにより、ソルダーペーストの活性剤の量を低減させることも可能となり、はんだ付け後のはんだ部分の白化防止、ポットライフの向上等を実現することができた。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、SnとZnとを含んでいながらも、はんだ付け性が良好であって、フラックス中の活性成分と合金成分との反応が効果的に抑制できるはんだ粉末が提供できる。また、SnとZnとを含んでいながらも、はんだ付け性が良好であって、経時変化も抑制されたソルダーペーストを提供できる。このソルダーペーストは、大気中でのリフローソルダリングを適用することもできる。本発明は、実用性に優れた鉛フリーのはんだ粉末およびソルダーペーストを提供するものとして、産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のはんだ粉末の製造に用いる装置の構成例を示す図である。
【図2】 本発明のはんだ粉末の一例を走査型電子顕微鏡で観察した写真である。
【図3】 本発明のソルダーペーストを用いて実装した半導体リード部近傍の状態の一例を示す写真である。
【図4】 本発明のソルダーペーストを用いて実装した半導体リード部近傍の状態の一例を示す写真である。
【図5】 本発明のソルダーペーストを用いて実装した半導体リード部近傍の状態の一例を示す写真である。
【図6】 従来のソルダーペーストを用いて実装した半導体リード部近傍の状態の一例を示す図である。
【図7】 本発明のはんだ粉末の製造方法の工程の一例を示す図である。
【図8】 本発明のはんだ粉末の一例を走査型電子顕微鏡で観察した写真である。
【図9】 本発明のはんだ粉末の別の一例を走査型電子顕微鏡で観察した写真である。
【図10】 本発明のはんだ粉末作製に用いたはんだ合金についてFT−IRで測定して得た吸収スペクトルである。
【図11】 図10にスペクトルを示したはんだ合金に薄膜をコーティングして作製したはんだ粉末を同じくFT−IRで測定して得た吸収スペクトルである。
【図12】 比較のために実施例で作製したはんだ粉末を走査型電子顕微鏡で観察した写真である。
【符号の説明】
11 はんだ粉末
12 吹き付け装置
13 過飽和溶液
14 溶液が付着したはんだ粉末
15 熱風乾燥機
16 有機酸塩が付着したはんだ粉末
17 ふるい

Claims (18)

  1. フラックスとともにソルダーペーストを構成するはんだ粉末であって、SnおよびZnを含み、表面に有機酸が付着していることを特徴とするはんだ粉末。
  2. 前記はんだ粉末は、さらにBiを含む請求項1に記載のはんだ粉末。
  3. 前記有機酸が脂肪酸である請求項1または2に記載のはんだ粉末。
  4. 前記脂肪酸が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸から選ばれる少なくとも1つの脂肪酸の塩である請求項3に記載のはんだ粉末。
  5. 有機酸が遷移金属を含む請求項1〜4のいずれかに記載のはんだ粉末。
  6. 表面の5%以上に有機酸銅を付着させた請求項に記載のはんだ粉末。
  7. 前記有機酸の薄膜によりはんだ粉末を被覆した請求項1〜5のいずれかに記載のはんだ粉末。
  8. 前記有機酸の薄膜が0.1μm〜10μmの膜厚を有する請求項に記載のはんだ粉末。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載のはんだ粉末と、フラックスとを含むことを特徴とするソルダーペースト。
  10. 前記フラックスが非イオン性界面活性剤を含む請求項に記載のソルダーペースト。
  11. 前記非イオン性界面活性剤がフラックスの0.5〜10重量%である請求項10に記載のソルダーペースト。
  12. 前記フラックスが活性剤を含み、前記活性剤が前記フラックスの10重量%以下である請求項請求項11のいずれかに記載のソルダーペースト。
  13. 有機酸で飽和した溶液を調製する工程と、SnおよびZnを含むはんだ粉末と前記溶液とを接触させることにより、前記はんだ粉末の表面に前記有機酸を付着させる工程とを含むことを特徴とするはんだ粉末の製造方法。
  14. 前記有機酸で飽和した溶液をはんだ粉末に吹き付けることにより、前記はんだ粉末の表面に前記有機酸を付着させる請求項13に記載のはんだ粉末の製造方法。
  15. 落下するはんだ粉末に有機酸で飽和した溶液を吹き付け、さらに落下する前記はんだ粉末を加熱することにより、前記はんだ粉末の表面から前記溶液中の溶媒を除去する請求項14に記載のはんだ粉末の製造方法。
  16. 有機酸で飽和した溶液中にはんだ粉末を分散させることにより、前記はんだ粉末の表面に前記有機酸を付着させる請求項13に記載のはんだ粉末の製造方法。
  17. 有機酸で飽和した溶液における前記有機酸の溶解度を低下させることにより、はんだ粉末の表面に前記有機酸を析出させる請求項16に記載のはんだ粉末の製造方法。
  18. 有機酸で飽和した溶液にアルコールを滴下することにより、前記溶液における有機酸の溶解度を低下させる請求項17に記載のはんだ粉末の製造方法。
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