JP4230217B2 - 転写装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加工材に対して予め定める形状を転写する転写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子および液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイの作製におけるパターン転写方法として、ミクロンまたはサブミクロンサイズの構造をパターン化できるフォトリソグラフィ法および電子ビームリソグラフィ法が用いられる。具体的なパターンの形成工程としては、金属の薄膜が形成されるシリコン基板およびガラス基板の表面に、スピンコート装置などの塗布装置を用いてフォトレジストを塗布する。次に露光装置を用いて、フォトマスクを介してパターン形状を露光し、フォトレジストにパターンを転写する。さらに現像装置を用いて現像して、レジストパターンを形成する。その後、ウエットエッチングおよびドライエッチングなどによって、基板に形成される薄膜をエッチングする。最後に、基板のレジストを剥離して、基板にパターンが形成される。このようにフォトリソグラフィ法によってパターンを形成する場合、複数の装置が必要であるだけでなく、露光装置などの高価な装置が必要となるために、設備投資に対するコストの負担が大きいという問題がある。
【0003】
また他のパターン転写方法としては、プラズマディスプレイの作製に用いられるスクリーン印刷法がある。スクリーン印刷法では、50マイクロメートル〜100マイクロメートル以上のパターンを転写する場合に有効であり、フォトリソグラフィ法を用いる場合に比べて、高価な露光装置が不要となるので、装置に対するコストを低くすることができる。しかしスクリーン印刷法は、スクリーン版の精度および印刷精度等が低く、微細パターンを形成する場合には用いることができない。
【0004】
これらのパターン転写方法の課題を改善する第1の従来技術として、精度の良好な転写版を用いて微細パターンを転写する微細パターン複製方法がある(たとえば特許文献1参照)。この方法では、原版としてフォトリソグラフィ法でパターニングしたレジストを用い、レジストの表面形状を複製するために、ポリジメチルシロキサン(略称:PDMS)樹脂をレジスト表面に塗布して硬化させ、それを剥がすことで転写版を作製する。この転写版にインクを付けて、転写版を基板に押付けてパターンを転写し、ミクロンオーダーの微細パターン転写を実現している。
【0005】
また第2の従来技術として、パターンの母型が形成される樹脂層と、前記樹脂層内に配置される硬質の補強材とを有する転写版がある(たとえば特許文献2参照)。このように補強材によって転写版の剛性を高めると、転写版の自重による変形を防止できるので、転写版の面積を大きくすることに起因する転写不良を改善できる。
【0006】
また第3の従来技術として、シート状の版を張架したフレームを傾斜させて前記版の傾斜下端側を基板の一端部に接近させた後、この版の傾斜下端側をプレスロールによって基板に接触させて、前記プレスロールを基板の表面に沿うように基板の他端部方向に移動させるとともに版の傾斜下端側が順次基板に近接するように前記プレスロールの移動に同期してフレームの傾斜角度を変化させる
パターン転写方法がある(たとえば特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−328338号公報(第1−2頁、図1)
【特許文献2】
特開平10−12545号公報(第4−5頁、図7、図12)
【特許文献3】
特開2002−36499号公報(第3頁、図1−図3)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前述の第1の従来技術では、転写版として樹脂を用いているので、転写版の剛性が低くて伸縮性に富む。面積の大きな基板にパターンを転写する場合には、転写版を大きくする必要があり、転写版が大きくなると、転写版の自重および転写版を基板に押付けるときの押付け圧力によって転写版が大きく変形し、精度良くパターンを転写することが非常に困難になる。またパターン転写時の押付け圧力が転写版の転写面内で異なると、樹脂製の転写版は伸縮性に富むために、パターン転写寸法が転写時にばらつき、所定の転写精度を得ることができない。
【0009】
また前述の第2の従来技術では、転写版の自重による変形を防止できるけれども、パターン転写時の押付け圧力が転写面内で異なる。これは押付け時の転写版の傾斜および押付け圧力のむらなどに起因する。したがって第2の従来技術を用いても、良好な転写精度を得ることは困難である。
【0010】
また前述の第3の従来技術では、シート状の版を張架しているために、張力による版の長手方向の変形が生じるだけでなく、プレスロールによる厚み方向の圧力によっても、版の厚み方向に垂直な方向の変形が生じるので、パターン転写寸法が転写時にばらつき、所定の転写精度を得ることができない。
【0011】
したがって本発明の目的は、被加工材に対して予め定める形状を高精度に転写することができる転写装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被加工材に対して予め定める形状を転写する転写装置において、
転写すべき形状を有する凸部が厚み方向一方側の表面部に形成されるレリーフ層と、
前記レリーフ層の厚み方向他方側の表面部に連結され、厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有する異方性構造層とを備える転写版を含み、
前記異方性構造層は、弾発性を有し、厚み方向に貫通する複数の透孔が形成される第1の層部分と、厚み方向に貫通し、前記第1の層部分の透孔よりも大きな透孔が形成される第2の層部分とを有し、
第1および第2の層部分は、第1の層部分の透孔と第2の層部分の透孔とが連通するようにして、積層されることを特徴とする転写装置である。
【0013】
本発明に従えば、転写版には、異方性構造層が備えられる。異方性構造層は、厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有し、転写すべき形状を有する凸部が厚み方向一方側の表面部に形成されるレリーフ層の厚み方向他方側の表面部に連結される。被加工材に対して予め定める形状を転写するとき、転写版のレリーフ層の凸部を被加工材に当接させて、転写版の厚み方向に外力を与える。このとき異方性構造層の厚み方向に垂直な方向の変形量は、厚み方向の変形量よりも小さいので、異方性構造層の厚み方向に垂直な方向に変形することによって、異方性構造層からレリーフ層に与えられる厚み方向に垂直な方向に与えられる力を、異方性構造層の厚み方向に垂直な方向の変形量と厚み方向の変形量とが等しい場合に比べて、小さくすることができる。これによってレリーフ層の厚み方向に垂直な方向の変形が抑制されるので、パターン転写時の押付け圧力がレリーフ層の凸部が形成される表面部内で均一となり、被加工材に対して予め定める形状を高精度に転写することができる。
【0017】
また、異方性構造層において、第1の層部分に形成される厚み方向に貫通する透孔と、第2の層部分に形成される厚み方向に貫通し、前記第1の層部分の透孔よりも大きな透孔とが連通するようにして、第1および第2の層部分が積層される。このように連通する第1の層部分の透孔と第2の層部分の透孔とによって、異方性構造層に、厚み方向に延びるとともに、厚み方向に垂直な方向の寸法が変化するような異方性を持たせることができる。また異方性構造層の第1の層部分は弾発性を有するので、厚み方向に外力が与えられると、厚み方向に容易に変形することができる。
【0018】
また本発明は、被加工材に対して予め定める形状を転写する転写装置において、
転写すべき形状を有する凸部が厚み方向一方側の表面部に形成されるレリーフ層と、
前記レリーフ層の厚み方向他方側の表面部に連結され、厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有する異方性構造層とを備える転写版を含み、
前記異方性構造層は、弾発性を有する弾発材から成る弾発層部分と、厚み方向に垂直な方向に延びて配置され、非伸縮性を有する繊維強化材を有する非伸縮層部分とが積層されて形成され、
前記弾発層部分は、厚み方向に貫通する複数の透孔が形成され、
前記非伸縮層部分は、複数の繊維強化材が相互に間隔をあけて配置され、繊維強化材間に、弾発層部分の透孔に連通する気孔領域が形成されることを特徴とする転写装置である
【0019】
本発明に従えば、異方性構造層は、弾発性を有する弾発材から成る弾発層部分と、厚み方向に垂直な方向に延びて配置され、非伸縮性を有する繊維強化材を有する非伸縮層部分とが積層されて形成される。これによって異方性構造層に厚み方向の外力が与えられると、弾発層部分が変形するけれども、非伸縮層部分によって弾発層部分の厚み方向に垂直な方向の変形が規制される。したがって異方性構造層の厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有することを実現できる。
【0020】
また弾発層部分は、厚み方向に貫通する複数の透孔が形成され、非伸縮層部分は、複数の繊維強化材が相互に間隔をあけて配置され、繊維強化材間に、弾発層部分の透孔に連通する気孔領域が形成される。このように連通する弾発層部分の透孔と非伸縮層部分の気孔領域とによって、異方性構造層に、厚み方向に延びる異方性を持たせることができる。
【0021】
また本発明は、被加工材に対して予め定める形状を転写する転写装置において、
転写すべき形状を有する凸部が厚み方向一方側の表面部に形成されるレリーフ層と、
前記レリーフ層の厚み方向他方側の表面部に連結され、厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有する異方性構造層とを備える転写版を含み、
前記異方性構造層は、弾発性を有する弾発材から成る弾発層部分と、厚み方向に垂直な方向に延びて配置され、非伸縮性を有する繊維強化材を有する非伸縮層部分とが積層され
前記弾発層部分は、厚み方向に貫通する複数の透孔が形成され、
前記非伸縮層部分は、複数の繊維強化材が相互に間隔をあけて配置され、繊維強化材間に、弾発層部分の透孔に連通する気孔領域が形成されることを特徴とする転写装置である
【0022】
本発明に従えば、異方性構造層は、弾発性を有する弾発材から成る弾発層部分と、厚み方向に垂直な方向に延びて配置され、非伸縮性を有する繊維強化材を有する非伸縮層部分とが積層される。これによって異方性構造層に厚み方向の外力が与えられると、弾発層部分が変形するけれども、非伸縮層部分によって弾発層部分の厚み方向に垂直な方向の変形が規制される。したがって異方性構造層の厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有することを実現できる。
【0024】
また、弾発層部分は、厚み方向に貫通する複数の透孔が形成され、非伸縮層部分は、複数の繊維強化材が相互に間隔をあけて配置され、繊維強化材間に、弾発層部分の透孔に連通する気孔領域が形成される。これによって厚み方向に外力が与えられたとき、非伸縮層部分の気孔領域の内空間に臨む弾発層部分が、前記内空間に充填されるように変形するので、異方性構造層は、厚み方向に容易に変形することができる。
【0025】
また本発明は、前記非伸縮層部分は、前記弾発層部分と同一の弾発材中に繊維強化材が埋設されることを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、非伸縮層部分は、弾発層部分と同一の弾発材中に繊維強化材が埋設されるので、非伸縮層部分は、厚み方向に外力が与えられたとき、厚み方向の変形可能であることと、厚み方向に垂直な方向の変形が規制されることとを、同時に実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態の転写装置10を示す正面図である。図2は、転写装置10を示す側面図である。転写装置10は、たとえばガラスおよび半導体から成る基板15などの被加工材に対して、たとえば回路パターンなどの予め定める形状を転写する装置である。転写装置10は、ステージ11、転写版12、固定板13および加圧ローラ14を含んで構成される。
【0028】
ステージ11は、略鉛直上向きに臨み、略水平に延びる乗載面11aを有し、基板15が水平方向に変位することを規制するようにして、基板15を前記乗載面11aに乗載可能である。転写版12は、基板15に転写すべき形状を有する凸部21が形成される。転写版12の詳細な説明は後述する。固定板13は、断面形状が円弧状となるような湾曲した板材であり、転写版12に連結される状態で、転写版12を保持する。したがって、固定板13が転写版12を保持している状態では、転写版12は、断面形状が円弧状となるような湾曲した形状となる。
【0029】
加圧ローラ14は、円柱形状であり、その軸線L14がステージ11の乗載面11aに平行にして配置され、ステージ11に向かう方向に変位可能にして、前記軸線L14まわりに回転自在にして支持される。また転写装置10には、ステージ11の乗載面11aと加圧ローラ14の軸線L14との距離を測定する距離センサ14aが、加圧ローラ14に図示しないモータなどの駆動手段からの回転駆動力を伝達する回転軸14bに設けられる。また転写装置10には、ステージ11の乗載面11aに与えられる上下方向の圧力を測定する圧力センサ11bが、ステージ11の所定の箇所に設けられる。
【0030】
図3は、転写版12および固定板13を示す断面図である。転写版12は、レリーフ層20および異方性構造層30を備える。レリーフ層20には、転写すべき形状を有する凸部21が厚み方向一方側の表面部である第1表面部22に形成される。異方性構造層30は、レリーフ層20の厚み方向他方側の表面部である第2表面部23に連結され、厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有する。また異方性構造層30には、気孔領域として空孔39が形成されている。このような空孔39が形成されていることによって、異方性構造層30は、伸縮異方性を有することができる。異方性構造層30において、厚み方向に外力が与えられたとき、厚み方向に垂直な方向の変形量の厚み方向の変形量に対する比率は、たとえば0.05以上、0.3以下である。
【0031】
図4は、レリーフ層20を作製する工程を模式的に示す図である。まずチタンおよびアルミニウムなどの金属薄膜が蒸着された原盤用基板の厚み方向一方側の表面にフォトレジストを塗布し、フォトマスクを介してパターン形状を露光して現像して、レジストパターンを形成する。そして前記レジストパターンを介して、金属薄膜をエッチングして、フォトレジストを除去することによって、図4(1)に示す、レジストパターンのあった部分が残余の部分よりも外方に突出するような凹凸を有する表面部が形成される転写用原盤24が作製される。
【0032】
続いて図4(2)に示すように、アルミニウムなどの金属から成る環状の外周型枠部材25を、転写用原盤24の前記表面部の外周部分に密着させる。さらに外周型枠部材25と転写用原盤24の前記表面部とに臨む空間に、ポリジメチルシロキサン(略称:PDMS)樹脂などのシリコンゴム26を流し込む。シリコンゴム26が硬化してから、外周型枠部材25と共に転写用原盤24から離脱させて、図4(3)に示すようなレリーフ層20が作製される。
【0033】
レリーフ層20の作製は、スリットコート法およびスピンコート法などによってPDMS樹脂を転写用原盤24の前記表面部に塗布し、PDMS樹脂が硬化した後に、転写用原盤24から離脱するようにしてもよい。
【0034】
図5は、異方性構造層30および転写版12を作製する工程を模式的に示す図である。まず図5(1)に示すように、複数の第1フィルム31および第2フィルム32を用いる。第1フィルム31および第2フィルム32は、弾発性を有する、たとえばポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂から成るフィルムである。第1および第2フィルム31,32の厚み方向の寸法は、たとえば20マイクロメートル以上、200マイクロメートルの範囲で設定される。
【0035】
第1フィルム31には、厚み方向に貫通する複数の第1透孔33が、全面にわたって均等に分布するように形成される。第1透孔33は、その内径の寸法が、たとえば40マイクロメートル以上、100マイクロメートル以下の範囲で設定される。第2フィルム32には、厚み方向に貫通し、前記第1フィルム31の第1透孔33よりも大きな複数の第2透孔34が、全面にわたって均等に分布するように形成される。第2透孔34は、その内径の寸法が、たとえば0.1ミリメートル以上、1ミリメートル以下の範囲で設定される。
【0036】
続いて第1フィルム31の第1透孔33と第2フィルム32の第2透孔34とが連通するようにして、第1フィルム31と第2フィルム32とを交互に厚み方向に積層し、第1フィルム31と第2フィルム32とを熱圧着することによって、図5(2)に示すような異方性構造層30が作製される。このような異方性構造層30において、第1フィルム31が第1の層部分となり、第2フィルム32が第2の層部分となる。本実施の形態において、異方性構造層30の厚み方向の寸法は、たとえば10ミリメートル程度である。続いて、接着剤によって、異方性構造層30の厚み方向一方側の表面部とレリーフ層20の第2表面部23とを連結して、図5(3)および図6に示すような転写版12が作製される。
【0037】
図6は、転写版13を示す断面図である。異方性構造層30には、図6に示すように、第1フィルム31の第1透孔33と第2フィルム32の第2透孔34とによって、厚み方向に延びるとともに、厚み方向一方から他方に向かうにつれて、厚み方向に垂直な方向の寸法が変化するような空孔39が形成される。前記空孔39は、異方性構造層30の厚み方向に延びて貫通しているけれども、厚み方向に垂直な方向には貫通していない。
【0038】
固定板13は、詳細に述べると、図3に示すように、中空構造の外枠体13aと、前記外枠体13aの内空間に充填され、通気性を有する多孔質の発泡金属13bとを含む。外枠体13aにおける転写版13の異方性構造層30の厚み方向他方側の表面部に連結される部分には、前記内空間と外枠体13aの外空間とを連通する噴出口13cが、異方性構造層30の空孔39に対応する位置に形成される。また外枠体13aの側部には、前記内空間と外空間とを連通する導入口13dが形成される。本実施の形態において、固定板13の外枠体13aおよび発泡金属13bは、ステンレス鋼製である。
【0039】
基板15に形状転写を行うとき、ポンプなどの気体供給手段から所定の圧力で供給される乾燥空気および窒素ガスなどの気体を、固定板13の外枠体13aの導入口13dを介して固定板13の内空間に導入させる。前記内空間に導入された気体は、発泡金属13bを通過して、噴出口13cを介して異方性構造層30の空孔39に流入する。異方性構造層30は、空孔39に流入した気体によって、内部が風船のように加圧される状態になる。したがって気体を導入する圧力を調整することによって、異方性構造層30の厚み方向に垂直な方向の変形量に対する厚み方向の変形量を制御することができる。
【0040】
図7は、基板15への形状の転写および加工の工程を模式的に示す図である。また図1および図2をも併せて参照する。まず、図7(1)に示すように、金属薄膜15aが厚み方向一方側の表面部に設けられる基板15を、ステージ11の乗載面11aに乗載して固定し、基板15の上方に固定板13に保持される転写版12を、転写版12の凸部が基板15に臨むようにして配置する。転写版12のレリーフ層20の凸部21に、レジスト材料16を塗布する。レジスト材料16は、たとえばアルカンチオール(化学式:CH3(CH2)n−1SH)をエタノール溶媒に溶かした溶液であってもよい。本実施の形態では、アルカンチオールとして、ヘキサデカンチオール(化学式:CH3(CH2)15SH)を用いた。また本実施の形態において、基板15は、金を蒸着して形成される金属薄膜15aが設けられるガラス基板である。
【0041】
その後、基板15に転写版12を前記基板15の金属薄膜15aに当接させて、前記金属薄膜15aに凸部21に塗布されているレジスト材料16を転写する。このとき固定板13の上方に配置される加圧ローラ14によって、転写版12が固定板13とともに基板15に押付けられる。このとき転写版12のレリーフ層20の凸部21の、加圧ローラ14の軸線L14の下方に配置される部分が、基板15に当接する。
【0042】
そして距離センサ14aによって測定されるステージ11の乗載面11aと加圧ローラ14の軸線L14との距離、および圧力センサ11bによって測定されるステージ11の乗載面11aに与えられる圧力に基づいて、転写版12が基板15に所定の圧力で、基板15の一表面全体にわたって均一な圧力で当接するように、ステージ11の乗載面11aと加圧ローラ14の軸線L14との距離、および転写版12の異方性構造層30の空孔39に流入させる気体の圧力を制御しながら、加圧ローラ14を軸線L14まわりの矢符A方向に回転し、水平方向一方向Bに変位させる。これによって転写版12のレリーフ層20の凸部21は、加圧ローラ14の軸線L14の下方に配置される部分が基板15に対して滑ることなく常に当接しながら角変位して、図7(2)に示すように、基板15の金属薄膜15aの表面全体に、凸部21に塗布されているレジスト材料16が転写される。
【0043】
このように形状の転写を行う場合には、9キロパスカル以上、30キロパスカル以下(約0.1以上、0.3キログラム重毎平方センチメートル以下)程度の圧力を転写版12から基板15に与える必要がある。平板状の転写版を用いて、一辺が1メートル角程度の大型の基板の厚み方向一方側の表面全体にレジスト材料を転写するためには、1トン程度の荷重を与える必要がある。このような基板の前記表面全体において均一に加圧するためには、制御が複雑となり、このような制御を実現できる機構および回路が複雑かつ大型になり、転写装置が大きくなる。これに対して、本実施の形態のように転写版12を、断面形状が円弧状となるような湾曲した形状にすることによって、転写版12を基板15に当接させる圧力を小さくして、均一な圧力で形状を転写できる。またこのような制御も単純になるので、このような制御を実現できる機構および回路も単純かつ小規模になり、転写装置10を小型化できる。
【0044】
続いて、図7(3)に示すように、エッチング液で基板15の金属薄膜15aをエッチングする。その後、レジスト材料16を除去することによって、図7(4)に示すように、基板15の表面部が3次元的に加工され、たとえば回路パターンが形成される。このように基板15に形状を転写するときに、均一な圧力で転写版12が基板15に当接する機構を有しているので、転写精度の低下を抑制することができる。
【0045】
以上のように本実施の形態の転写装置10によれば、転写版12には、異方性構造層30が備えられる。異方性構造層30は、厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有し、転写すべき形状を有する凸部21が第1表面部22に形成されるレリーフ層20の第2表面部23に連結される。基板15に対して予め定める形状を転写するとき、転写版12のレリーフ層20の凸部21を基板15に当接させて、加圧ローラ14によって転写版12の厚み方向に外力を与える。このとき異方性構造層30の厚み方向に垂直な方向の変形量は、厚み方向の変形量よりも小さいので、異方性構造層30の厚み方向に垂直な方向に変形することによって、異方性構造層30からレリーフ層20に与えられる厚み方向に垂直な方向に与えられる力を、異方性構造層30の厚み方向に垂直な方向の変形量と厚み方向の変形量とが等しい場合に比べて、小さくすることができる。これによってレリーフ層30の厚み方向に垂直な方向の変形が抑制されるので、パターン転写時の押付け圧力がレリーフ層30の凸部21が形成される第1表面部22内で均一となり、基板15に対して予め定める形状を高精度に転写することができる。
【0046】
また本実施の形態の転写装置10によれば、異方性構造層30は、空孔39が形成されて伸縮異方性を有する。厚み方向に外力が与えられたとき、異方性構造層30の空孔39を除く部分の厚み方向に垂直な方向の変形は、前記空孔39に臨む空間の容積を小さくするような変形となる。これによって異方性構造層30全体として見ると、厚み方向に外力が与えられたときの、異方性構造層30の厚み方向に垂直な方向の変形を抑制することができる。
【0047】
また本実施の形態の転写装置10によれば、異方性構造層30において、第1フィルム31に形成される厚み方向に貫通する第1透孔33と、第2フィルム32に形成される厚み方向に貫通し、前記第1透孔33よりも大きな第2透孔34とが連通するようにして、複数の第1および第2フィルム31,32が交互に積層される。このように連通する第1透孔33と第2透孔34とによって、異方性構造層30に、厚み方向に延びるとともに、厚み方向に垂直な方向の寸法が変化するような空孔39を形成することができる。また異方性構造層30の第1フィルム31は、弾発性を有するので、厚み方向に外力が与えられると、厚み方向に容易に変形することができる。
【0048】
本実施の形態において、第1および第2フィルム31,32は、ポリエチレン樹脂から成るフィルムを用いたけれども、これに限ることはない。第1および第2フィルム31,32は、熱可塑性樹脂から成るフィルムであればよく、たとえばポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)樹脂、およびポリエーテルサルホン(略称:PES)樹脂などの熱可塑性樹脂であってもよい。また第1および第2フィルム31,32は、熱可塑性樹脂に熱硬化性材料およびゴム系材料を組合わせた構成であってもよい。
【0049】
また本実施の形態において、シリコンゴム26としてPDMS樹脂を用いたけれども、これに限ることはない。シリコンゴム26として、たとえばフルオロシリコンゴムおよびフッ素ゴムを用いてもよい。
【0050】
また本実施の形態において、レジスト材料16としてアルカンチオールを用いたけれども、これに限ることはない。エッチングする材料に応じて、レジスト材料16として、アルキルシロキサンおよびアルキルトリクロロシランなどを用いてもよい。
【0051】
また本実施の形態において、固定板13の外枠体13aの内空間に発泡金属13bが充填されるとしたけれども、これに限ることはない。前記発泡金属13bの代わりに、通気性を有する多孔質の発泡樹脂を充填してもよい。また前記外枠体13aの噴出口13cから均一にガスが噴出するように、前記内空間に整流板を設けるようにしてもよい。
【0052】
また本実施の形態において、異方性構造層30の一側部に、空孔39に連通し、異方性構造層30内の空気の圧力が、所定の圧力以上になると、前記空孔39と異方性構造層30の外部空間とを連通するような圧力弁を設ける構成にしてもよい。これによって異方性構造層30に気体を導入する圧力の調整を容易にして、異方性構造層30の厚み方向に垂直な方向の変形量に対する厚み方向の変形量を容易に制御することができる。
【0053】
本実施の形態において、空孔39を気孔領域としたけれども、発泡材料などの気孔を有する材料を用いて気孔領域を実現するようにしてもよい。
【0054】
図8は、本発明の第2の実施形態の転写装置50を示す正面図である。図9は、転写装置50を示す側面図である。転写装置50は、たとえばガラスおよび半導体から成る基板55などの被加工材に対して、たとえば回路パターンなどの予め定める形状を転写する装置である。転写装置50は、ステージ51、転写版52、固定板53および加圧ローラ54を含んで構成される。
【0055】
ステージ51は、略鉛直上向きに臨み、略水平に延びる乗載面51aを有し、基板55が水平方向に変位することを規制するようにして、基板55を前記乗載面51aに乗載可能である。転写版52は、基板55に転写すべき形状を有する凸部61が形成される。転写版52の詳細な説明は後述する。固定板53は、断面形状が円筒形状となるような筒材であり、その外周部に転写版52を巻回して保持する。したがって固定板53が転写版52を保持している状態では、転写版52は、断面形状が円筒形状となる。
【0056】
加圧ローラ54は、円柱形状であり、その軸線L54がステージ51の乗載面51aに平行にして配置され、ステージ51に向かう方向に変位可能にして、前記軸線L54まわりに回転自在にして支持される。加圧ローラ54は、その外周部に、転写版52が巻回されて保持する固定板53が巻回されて保持する。また転写装置50には、ステージ51の乗載面51aと加圧ローラ54の軸線L54との距離を測定する距離センサ54aが、加圧ローラ54に図示しないモータなどの駆動手段からの回転駆動力を伝達する回転軸54bに設けられる。また転写装置50には、ステージ51の乗載面51aに与えられる上下方向の圧力を測定する圧力センサ51bが、ステージ51の所定の箇所に設けられる。
【0057】
図10は、転写版52および固定板53を示す断面図である。転写版52は、レリーフ層60および異方性構造層70を備える。レリーフ層60には、転写すべき形状を有する凸部61が厚み方向一方側の表面部である第1表面部62に形成される。異方性構造層70は、レリーフ層60の厚み方向他方側の表面部である第2表面部63に連結され、厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有する。また異方性構造層70には、気孔領域として空孔79が形成されている。このような空孔79が形成されていることによって、異方性構造層70は、伸縮異方性を有することができる。異方性構造層70において、厚み方向に外力が与えられたとき、厚み方向に垂直な方向の変形量の厚み方向の変形量に対する比率は、たとえば0.05以上、0.3以下である。
【0058】
図11は、レリーフ層60を作製する工程を模式的に示す図である。まずシリコンウエハから成る原盤用基板の厚み方向一方側の表面部を熱酸化することによって、前記表面部に酸化膜を形成する。次に前記酸化膜の上に、たとえばポリメチルメタアクリレート(略称:PMMA)樹脂などのフォトレジストを、スピンコート法によって塗布して、焼成して、レジスト層を形成する。続いて、電子線描画装置を用いて、前記レジスト層の全面にパターン形状を描画露光して、キシレンを用いて現像を行い、レジストパターンを形成する。そして前記レジストパターンを介して、フッ酸を用いて原盤用基板の酸化膜をエッチングして、酸素プラズマのアッシングによってレジストを除去することによって、図11(1)に示す、レジストパターンのあった部分が残余の部分よりも外方に突出するような凹凸を有する表面部が形成される転写用原盤64が作製される。
【0059】
続いて図11(2)に示すように、アルミニウムなどの金属から成る環状の外周型枠部材65を、転写用原盤64の一表面部の外周部分に密着させる。さらに外周型枠部材65と転写用原盤64の一表面部とに囲まれる空間に、ポリジメチルシロキサン(略称:PDMS)樹脂などのシリコンゴム66に硬化剤を加えて流し込む。シリコンゴム66が硬化してから、外周型枠部材65と共に転写用原盤64から離脱させて、図11(3)に示すようなレリーフ層60が作製される。
【0060】
図12は、異方性構造層70および転写版52を作製する工程を模式的に示す図である。まず図12(1)に示すように、複数のガラス繊維71および樹脂繊維72を用いる。繊維強化材であるガラス繊維71は、ガラスから成る繊維であって、非伸縮性を有する。樹脂繊維72は、たとえばポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂から成る繊維である。前記ガラス繊維71を縦糸とし、前記樹脂繊維72を横糸として、前記ガラス繊維71が相互に間隔をあけて配置するともに、前記樹脂繊維72が相互に間隔をあけて配置して、これらの繊維71,72を平織することによって、織物体73を形成する。織物体73において、ガラス繊維71は、樹脂繊維72に対して垂直に配置される。ガラス繊維71は、直径の寸法が、たとえば20マイクロメートル以上、200マイクロメートル以下の範囲で設定される。樹脂繊維72は、直径の寸法が、たとえば20マイクロメートル以上、300マイクロメートル以下の範囲で設定される。ガラス繊維71および樹脂繊維72の直径は、後述する熱圧着のために、樹脂繊維72がガラス繊維72よりも、やや大きい寸法としている。
【0061】
続いて、2つの織物体73を、一方の織物体73のガラス繊維71の延びる方向が、他方の織物体73のガラス繊維71の延びる方向に対して垂直になるように配置するとともに、一方の織物体73のガラス繊維71が、他方の織物体73の樹脂繊維72に重なり合うように配置して、これら2つの織物体73を積層して、プレスしながら加熱して樹脂繊維72を軟化させるような熱圧着を行って、非圧縮材74を形成する。非圧縮材74は、厚み方向に垂直な方向には非伸縮性を有する。
【0062】
続いて、複数の非圧縮材74ならびに複数の有孔フィルム75および無孔フィルム77を用いる。弾発材である有孔フィルム75および無孔フィルム77は、弾発性を有する、たとえばポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂から成るフィルムである。有孔フィルム75および無孔フィルム77の厚み方向の寸法は、たとえば20マイクロメートル以上、200マイクロメートルの範囲で設定される。有孔フィルム75には、厚み方向に貫通する複数の透孔76が、全面にわたって均等に分布するように形成される。透孔76は、その内径の寸法が、たとえば10マイクロメートル以上、100マイクロメートル以下の範囲で設定される。
【0063】
そして図12(3)に示すように、有孔フィルム75の透孔76と非圧縮材74のガラス繊維71間の空孔とが連通するようにして、有孔フィルム75と非圧縮材74とを交互に積層する。このとき異方性構造層70の厚み方向一方側の表面部となる部分を、無孔フィルム77とし、異方性構造層70の厚み方向他方側の表面部となる部分を、有孔フィルム75として積層する。有孔フィルム75と非圧縮材74とを熱圧着するとともに、無孔フィルム77と非圧縮材74とを熱圧着することによって、異方性構造層70が作製される。このような異方性構造層70において、有孔フィルム75および無孔フィルム77が弾発層部分となり、非圧縮材74が非圧縮層部分となる。本実施の形態において、異方性構造層70の厚み方向の寸法は、たとえば6ミリメートル程度である。
【0064】
続いて、接着剤によって、異方性構造層70の無孔フィルム77とレリーフ層60の第2表面部63とを連結して、図12(4)に示すような転写版52が作製される。このように作製した異方性構造層70において、ガラス繊維71は、異方性構造層70の厚み方向に垂直な方向に延びて配置される。また異方性構造層70には、図10に示すように、有孔フィルム75の透孔76と非圧縮材74のガラス繊維71間の空孔とによって、厚み方向に延びるとともに、厚み方向一方から他方に向かうにつれて厚み方向に垂直な方向の寸法が変化するような異方性を有する空孔79が形成される。
【0065】
固定板53は、詳細に述べると、図10に示すように、中空構造の外枠体53aと、前記外枠体53aの内空間に充填され、通気性を有する多孔質の発泡金属53bとを含む。外枠体53aにおける転写版53の異方性構造層70の厚み方向他方側の表面部に連結される部分には、前記内空間と外枠体53aの外空間とを連通する噴出口53cが、異方性構造層70の空孔79に対応する位置に形成される。また外枠体53aの側部には、前記内空間と外空間とを連通する導入口53dが形成される。本実施の形態において、固定板53の外枠体53aおよび発泡金属53bは、ステンレス鋼製である。
【0066】
基板55に形状転写を行うとき、ポンプなどの気体供給手段から所定の圧力で供給される乾燥空気および窒素ガスなどの気体を、固定板53の外枠体53aの導入口53dを介して固定板53の内空間に導入させる。前記内空間に導入された気体は、発泡金属53bを通過して、噴出口53cを介して異方性構造層70の空孔79に流入する。異方性構造層70は、空孔79に流入した気体によって、内部が加圧される状態になる。したがって気体を導入する圧力を調整することによって、異方性構造層70の厚み方向に垂直な方向の変形量に対する厚み方向の変形量を制御することができる。また異方性構造層70は、厚み方向に垂直な方向に延びる非伸縮性を有するガラス繊維71によって、厚み方向に垂直な方向に変形することが規制される。
【0067】
図13は、基板55への形状の転写および加工の工程を模式的に示す図である。また図8および図9をも併せて参照する。まず、図13(1)に示すように、金属薄膜55aが厚み方向一方側の表面部に設けられる基板55を、ステージ51の乗載面51aに乗載して固定し、基板55の上方に加圧ローラ54に巻回される固定板53に巻回されて保持される転写版52を、転写版52の凸部が基板55に臨むようにして配置する。転写版52のレリーフ層60の凸部61に、レジスト材料56を塗布する。本実施の形態において、基板55は、クロムをスパッタ成膜して形成される金属薄膜55aが設けられるガラス基板である。また本実施の形態において、レジスト材料56は、たとえばオクタデシルトリクロロシラン(略称:OTS)をヘキサン溶媒で希釈した溶液であってもよい。
【0068】
その後、基板55に転写版52を前記基板55の金属薄膜55aに当接させて、前記金属薄膜55aに凸部61に塗布されているレジスト材料56を転写する。このとき固定板53の上方に配置される加圧ローラ54によって、転写版52が固定板53とともに基板55に押付けられる。このとき転写版52のレリーフ層60の凸部61の、加圧ローラ54の軸線L54の下方に配置される部分が、基板55に当接する。
【0069】
そして距離センサ54aによって測定されるステージ51の乗載面51aと加圧ローラ54の軸線L54との距離、および圧力センサ51bによって測定されるステージ51の乗載面51aに与えられる圧力に基づいて、転写版52が基板55に所定の圧力で、基板55の一表面全体にわたって均一な圧力で当接するように、ステージ51の乗載面51aと加圧ローラ54の軸線L54との距離、および転写版52の異方性構造層70の空孔79に流入させる気体の圧力を制御しながら、加圧ローラ54を軸線L54まわりの矢符C方向に回転し、水平方向一方向Dに変位させる。これによって転写版52のレリーフ層60の凸部61は、加圧ローラ54の軸線L54の下方に配置される部分が基板55に対して水平方向に滑ることなく常に当接しながら回転し、図13(2)に示すように、基板55の金属薄膜55aの表面全体に、凸部61に塗布されているレジスト材料56が転写される。
【0070】
このように形状の転写を行う場合には、9キロパスカル〜30キロパスカル(約0.1以上0.3キログラム重毎平方センチメートル以下)程度の圧力を転写版52から基板55に与える必要がる。平板状の転写版を用いて、一辺が1メートル角程度の大型の基板の厚み方向一方側の表面全体にレジスト材料を転写するためには、1トン程度の荷重を与える必要がある。このような基板の表面全体において均一に加圧するためには、制御が複雑となり、このような制御を実現できる機構および回路が複雑かつ大型になり、転写装置が大きくなる。これに対して、本実施の形態のように転写版52を、断面形状が円筒形状にすることによって、転写版52を基板55に当接させる圧力を小さくして、均一な圧力で形状を転写できる。またこのような制御も単純になるので、このような制御を実現できる機構および回路も単純かつ小規模になり、転写装置50を小型化できる。
【0071】
続いて、図13(3)に示すように、硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸からなるクロムエッチング液を用いて基板55の金属薄膜55aをエッチングする。その後、レジスト材料56を除去することによって、図13(4)に示すように、基板55の表面部が3次元的に加工され、たとえば回路パターンが形成される。このように基板55に形状を転写するときに、均一な圧力で転写版52が基板55に当接する機構を有しているので、転写精度の低下を抑制することができる。
【0072】
以上のように本実施の形態の転写装置50によれば、転写版52には、異方性構造層70が備えられる。異方性構造層70は、厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有する。転写すべき形状を有する凸部61が第1表面部62に形成されるレリーフ層60の第2表面部63に、前記異方性構造層70が連結される。基板55に対して予め定める形状を転写するとき、転写版52のレリーフ層60の凸部61を基板55に当接させて、転写版52の厚み方向に外力を与える。このとき異方性構造層70の厚み方向に垂直な方向の変形量は、厚み方向の変形量よりも小さいので、異方性構造層70の厚み方向に垂直な方向に変形することによって、異方性構造層70からレリーフ層60に与えられる厚み方向に垂直な方向に与えられる力を、異方性構造層70の厚み方向に垂直な方向の変形量と厚み方向の変形量とが等しい場合に比べて、小さくすることができる。これによってレリーフ層60の厚み方向に垂直な方向の変形が抑制されるので、パターン転写時の押付け圧力がレリーフ層60の凸部61が形成される第1表面部62内で均一となり、基板55に対して予め定める形状を高精度に転写することができる。
【0073】
また本実施の形態の転写装置50によれば、異方性構造層70は、弾発性を有する有孔フィルム75および無孔フィルム77から成る弾発層部分と、厚み方向に垂直な方向に延びて配置され、非伸縮性を有するガラス繊維71を有する非伸縮材74とが積層される。これによって異方性構造層70に厚み方向の外力が与えられると、有孔フィルム75および無孔フィルム77が変形するけれども、非伸縮材74によって、有孔フィルム75および無孔フィルム77の厚み方向に垂直な方向の変形が規制される。したがって異方性構造層70が、厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有することを実現できる。
【0074】
また本実施の形態の転写装置50によれば、有孔フィルム75は、厚み方向に貫通する複数の透孔76が形成され、非伸縮材74は、複数のガラス繊維71が相互に間隔をあけて配置され、ガラス繊維71間に、有孔フィルム75の透孔76に連通する空孔79が形成される。これによって厚み方向に外力が与えられたとき、空孔79の内空間に臨む有孔フィルム75および無孔フィルム77が、前記内空間に充填されるように変形するので、異方性構造層70は、厚み方向に容易に変形することができる。
【0075】
本実施の形態において、異方性構造層70の空孔79に臨む空間は空洞になっているとしたけれども、たとえば前記空孔79に臨む空間に発泡樹脂を設けてもよい。
【0076】
図14は、本発明の第3の実施形態の転写装置における転写版80を作製する工程を模式的に示す図である。本実施の形態の転写装置は、前述の第1および第2実施形態の転写装置10,50における転写版12,52を除いては、同様の構成であるので、同様の構成については説明を省略し、第1および第2実施形態の転写装置10,50とは異なる転写版80についてだけ以下に説明する。
【0077】
まず図14(1)に示すように、複数のガラス繊維81を用いる。繊維強化材であるガラス繊維81は、ガラスから成る繊維であって、非伸縮性を有する。ガラス繊維81を相互に間隔をあけて一方向に延びるように配置し、このように配置された複数のガラス繊維81の上に、さらにガラス繊維81を相互に間隔をあけて前記一方向に対して垂直な他方向に延びるように配置する。換言すれば、ガラス繊維81は、格子状に配置される。本実施の形態において、ガラス繊維81は、直径の寸法が、たとえば10マイクロメートル以上、200マイクロメートル以下の範囲で設定される。ガラス繊維81は、縦横に延びるガラス繊維を織った織物状の構造にしてもよい。
【0078】
続いて、図14(2)に示すように、弾発材である、たとえばポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂82を溶融させて、熱可塑性樹脂82に前述の格子状に配置されるガラス繊維81を埋設して、フィルム83を形成する。フィルム83は、熱可塑性樹脂82の弾発性によって、厚み方向に伸縮性を有し、ガラス繊維81の非伸縮性によって、厚み方向に垂直な方向に非伸縮性を有する。フィルム83は、その厚み方向の寸法が、たとえば30マイクロメートル以上、1000マイクロメートル以下の範囲となるように設定される。
【0079】
続いて、図14(3)に示すように、複数のフィルム83を積層して、熱溶着して、異方性構造層84が作製される。このとき隣り合うフィルム83は、ガラス樹脂81の交差部分が、互いに厚み方向に並ばないようにして熱溶着される。またこのとき、隣り合う2つのフィルム83は、一方のフィルム83において他方のフィルム83に隣接するガラス繊維81の延びる方向と、他方のフィルム83において一方のフィルム83に隣接するガラス繊維81の延びる方向とが垂直になるようにして、熱溶着される。これによって、異方性構造層84において、隣り合うフィルム83は、ガラス樹脂81の交差部分が、互いに厚み方向に並ぶ場合にくらべて、厚み方向に外力が与えられたときの異方性構造層84の厚み方向の変形量を大きくすることができる。このような異方性構造層80において、熱可塑性樹脂82が弾発層部分となり、ガラス繊維81を含む熱可塑性樹脂82の一部分が非圧縮層部分となる。本実施の形態において、異方性構造層70の厚み方向の寸法は、たとえば6ミリメートル程度である。
【0080】
続いて、接着剤によって、異方性構造層84とレリーフ層85の第2表面部とを連結して、図12(3)に示すような転写版80が作製される。このように作製した異方性構造層84において、ガラス繊維81は、異方性構造層84の厚み方向に垂直な方向に延びて配置される。レリーフ層85は、前述の第1および第2の実施形態の転写装置10,50におけるレリーフ層20,60と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0081】
以上のように本実施の形態の転写装置によれば、転写版80の異方性構造層84は、弾発性を有する熱可塑性樹脂82から成る弾発層部分と、厚み方向に垂直な方向に延びて配置され、非伸縮性を有するガラス繊維81を有する非伸縮層部分とが積層される。これによって異方性構造層84に厚み方向の外力が与えられると、弾発層部分が変形するけれども、非伸縮層部分によって弾発層部分の厚み方向に垂直な方向の変形が規制される。したがって異方性構造層84が、厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有することを実現できる。
【0082】
また本実施の形態の転写装置によれば、非伸縮層部分は、弾発層部分と同一の熱可塑性樹脂82中にガラス繊維81が埋設されるので、非伸縮層部分は、厚み方向に外力が与えられたとき、厚み方向の変形可能であることと、厚み方向に垂直な方向の変形が規制されることとを、同時に実現することができる。
【0083】
本実施の形態の転写装置において、異方性構造層84は、ガラス繊維81が熱可塑性樹脂82に埋設されて形成されるフィルム83を積層して作製するとしたけれども、これに限ることはない。たとえば前記フィルム83とポリエチレン樹脂からなる樹脂フィルムとを交互に積層して溶着して、異方性構造層を作製するようにしてもよい。これによって、フィルム83に埋設されるガラス繊維81の交差部分の配置を考慮する必要がなく、容易に異方性構造層を作製することができる。
【0084】
また、たとえばガラス繊維81を相互に間隔をあけて一方向に延びるように配置し、このように配置された複数のガラス繊維81の上に、さらにガラス繊維81を相互に間隔をあけて前記一方向に対して垂直な他方向に延びるように配置するようなことを繰り返して、格子状のガラス繊維81の積層体を作製する。その後、熱可塑性樹脂82を溶融させて、熱可塑性樹脂82に前記積層体を埋設して異方性構造層84を作製するようにしてもよい。また熱可塑性樹脂82の代わりに、熱可塑性樹脂に発泡剤を混合して形成する発泡樹脂を用いてもよい。
【0085】
また本実施の形態の転写装置において、ガラス繊維81を用いたけれども、これに限ることはない。ガラス繊維81の代わりに、樹脂に比べて伸縮性の低い金属製の板材を用いてもよい。このような金属として、たとえばアルミニウムおよびステンレス鋼を用いてもよい。
【0086】
図15は、本発明の第4の実施形態の転写装置における基板91への形状の転写および加工の工程を模式的に示す図である。本実施の形態の転写装置は、前述の第1および第2実施形態の転写装置10,50における転写版12,52のレリーフ層20,60を除いては、同様の構成であるので、同様の構成については説明を省略し、第1および第2実施形態の転写装置10,50とは異なるレリーフ層90と、前記レリーフ層90を用いた基板91への形状の転写および加工の工程ついて以下に説明する。また本実施の形態の転写装置の構成は、レリーフ層90を除いて、第1の実施形態の転写装置10と同様であるとし、同一の参照符号を付すものとする。
【0087】
本実施の形態のレリーフ層90は、図15(1)に示すように、ステンレス鋼製のレリーフ用基板の一表面部に、チタンなどの金属薄膜を形成し、前記金属薄膜上にフォトレジストを塗布し、フォトマスクを介してパターン形状を露光して現像して、レリーフ用基板の一表面部に凸部92を形成することによって作製される。
【0088】
前記レリーフ層90を用いる基板91への形状の転写および加工の工程は、まず、図15(1)に示すように、二酸化珪素(化学式:SiO)膜93が一表面部に設けられ、さらに前記二酸化珪素膜93の上にレジスト材料94が塗布されるシリコン基板91を、ステージ11の乗載面11aに乗載して固定し、シリコン基板91の上方に固定板13に保持される転写版12を、転写版12の凸部92がシリコン基板91に臨むようにして配置する。前記レジスト材料94は、たとえばアクリル樹脂であるPMMAであり、スピンコート法などによって100ナノメートル程度の厚みで、二酸化珪素膜93の上に塗布される。
【0089】
続いて、シリコン基板91を摂氏175度程度に加熱して、塗布されているレジスト材料94を軟化させる。そして図15(2)に示すように、レリーフ層90を所定の圧力で軟化している状態のレジスト材料94に押付ける。レジスト材料94が冷却した後に、レリーフ層90をレジスト材料94から離脱させると、図15(3)に示すように、レジスト材料94に凸部92に基づく形状が転写される。
【0090】
続いて、図15(4)に示すように、レジスト材料94をマスクとして、二酸化珪素膜93をエッチングする。その後、図15(5)に示すように、アセトンを用いてレジスト材料94を除去することでシリコン基板91の一表面部が3次元的に加工され、たとえば回路パターンが形成される。レリーフ層90をレジスト材料94から離脱させたとき、レリーフ層90に押付けられて、二酸化珪素膜93が露出している部分に、レジスト材料94がわずかに残る場合がある。このような場合、レジスト材料94全体を、酸素(化学式:O)によるリアクティブイオンエッチング(略称:RIE)で薄く表面エッチングを行う。これによってわずかに残っているレジスト材料94が確実に除去され、高精度の形状転写を実現できる。
【0091】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、異方性構造層の厚み方向に垂直な方向の変形量は、厚み方向の変形量よりも小さいので、異方性構造層の厚み方向に垂直な方向に変形することによって、異方性構造層からレリーフ層に与えられる厚み方向に垂直な方向に与えられる力を、異方性構造層の厚み方向に垂直な方向の変形量と厚み方向の変形量とが等しい場合に比べて、小さくすることができる。これによってレリーフ層の厚み方向に垂直な方向の変形が抑制されるので、パターン転写時の押付け圧力がレリーフ層の凸部が形成される表面部内で均一となり、被加工材に対して予め定める形状を高精度に転写することができる。
【0093】
た、連通する第1の層部分の透孔と第2の層部分の透孔とによって、異方性構造層に、厚み方向に延びるとともに、厚み方向に垂直な方向の寸法が変化するような気孔領域を形成することができる。また異方性構造層の第1の層部分は弾発性を有するので、厚み方向に外力が与えられると、厚み方向に容易に変形することができる。
【0094】
また本発明によれば、異方性構造層に厚み方向の外力が与えられると、弾発層部分が変形するけれども、非伸縮層部分によって弾発層部分の厚み方向に垂直な方向の変形が規制される。したがって異方性構造層の厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有することを実現できる。また連通する弾発層部分の透孔と非伸縮層部分の気孔領域とによって、異方性構造層に、厚み方向に延びる異方性を持たせることができる。
【0095】
また本発明によれば、異方性構造層に厚み方向の外力が与えられると、弾発層部分が変形するけれども、非伸縮層部分によって弾発層部分の厚み方向に垂直な方向の変形が規制される。したがって異方性構造層の厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有することを実現できる。
【0096】
た、厚み方向に外力が与えられたとき、非伸縮層部分の気孔領域の内空間に臨む弾発層部分が、前記内空間に充填されるように変形するので、異方性構造層は、厚み方向に容易に変形することができる。
【0097】
また本発明によれば、非伸縮層部分は、弾発層部分と同一の弾発材中に繊維強化材が埋設されるので、非伸縮層部分は、厚み方向に外力が与えられたとき、厚み方向の変形可能であることと、厚み方向に垂直な方向の変形が規制されることとを、同時に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の転写装置10を示す正面図である。
【図2】転写装置10を示す側面図である。
【図3】転写版12および固定板13を示す断面図である。
【図4】レリーフ層20を作製する工程を模式的に示す図である。
【図5】異方性構造層30および転写版12を作製する工程を模式的に示す図である。
【図6】転写版13を示す断面図である。
【図7】基板15への形状の転写および加工の工程を模式的に示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の転写装置50を示す正面図である。
【図9】転写装置50を示す側面図である。
【図10】転写版52および固定板53を示す断面図である。
【図11】レリーフ層60を作製する工程を模式的に示す図である。
【図12】異方性構造層70および転写版52を作製する工程を模式的に示す図である。
【図13】基板55への形状の転写および加工の工程を模式的に示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態の転写装置における転写版80を作製する工程を模式的に示す図である。
【図15】本発明の第4の実施形態の転写装置における基板91への形状の転写および加工の工程を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10,50 転写装置
12,52,80 転写版
20,60,85 レリーフ層
21,61,92 凸部
30,70,84 異方性構造層
31 第1フィルム
32 第2フィルム
33 第1透孔
34 第2透孔
39,79 空孔
71,81 ガラス繊維
75 有孔フィルム
76 透孔
82 熱可塑性樹脂

Claims (4)

  1. 被加工材に対して予め定める形状を転写する転写装置において、
    転写すべき形状を有する凸部が厚み方向一方側の表面部に形成されるレリーフ層と、
    前記レリーフ層の厚み方向他方側の表面部に連結され、厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有する異方性構造層とを備える転写版を含み、
    前記異方性構造層は、弾発性を有し、厚み方向に貫通する複数の透孔が形成される第1の層部分と、厚み方向に貫通し、前記第1の層部分の透孔よりも大きな透孔が形成される第2の層部分とを有し、
    第1および第2の層部分は、第1の層部分の透孔と第2の層部分の透孔とが連通するようにして、積層されることを特徴とする転写装置。
  2. 被加工材に対して予め定める形状を転写する転写装置において、
    転写すべき形状を有する凸部が厚み方向一方側の表面部に形成されるレリーフ層と、
    前記レリーフ層の厚み方向他方側の表面部に連結され、厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有する異方性構造層とを備える転写版を含み、
    前記異方性構造層は、弾発性を有する弾発材から成る弾発層部分と、厚み方向に垂直な方向に延びて配置され、非伸縮性を有する繊維強化材を有する非伸縮層部分とが積層されて形成され、
    前記弾発層部分は、厚み方向に貫通する複数の透孔が形成され、
    前記非伸縮層部分は、複数の繊維強化材が相互に間隔をあけて配置され、繊維強化材間に、弾発層部分の透孔に連通する気孔領域が形成されることを特徴とする転写装置。
  3. 被加工材に対して予め定める形状を転写する転写装置において、
    転写すべき形状を有する凸部が厚み方向一方側の表面部に形成されるレリーフ層と、
    前記レリーフ層の厚み方向他方側の表面部に連結され、厚み方向に外力が与えられたときの厚み方向に垂直な方向の変形量が、厚み方向の変形量よりも小さい伸縮異方性を有する異方性構造層とを備える転写版を含み、
    前記異方性構造層は、弾発性を有する弾発材から成る弾発層部分と、厚み方向に垂直な方向に延びて配置され、非伸縮性を有する繊維強化材を有する非伸縮層部分とが積層され
    前記弾発層部分は、厚み方向に貫通する複数の透孔が形成され、
    前記非伸縮層部分は、複数の繊維強化材が相互に間隔をあけて配置され、繊維強化材間に、弾発層部分の透孔に連通する気孔領域が形成されることを特徴とする転写装置。
  4. 前記非伸縮層部分は、前記弾発層部分と同一の弾発材中に繊維強化材が埋設されることを特徴とする請求項記載の転写装置。
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