JP4228562B2 - 電子写真用キャリア及びそれを用いた現像剤、及びその現像方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁性キャリアを用いてトナーを帯電させる2成分タイプの電子写真現像法に用いられる電子写真用磁性キャリア、および電子写真用現像剤、および現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真用磁性キャリアに求められる特性には種々のものがあるが、その中で重要な特性の一つに、現像剤を作成する際に混合して用いるトナー、あるいはその現像剤を装置内で使用し、印刷を継続してゆく際に補給するトナーを速やかに帯電させること、すなわちトナーの帯電立上がり性を良好にならしめるキャリアであることがあげられる。印刷中に新たなトナーが現像剤中に補給され、そのトナーの帯電が速やかに立上がらない場合には、帯電不良のトナーが発生し、本来現像されるべきでない非画像部にもトナーが付着してバックグラウンドを汚してしまう。これをカブリという。このトナーの帯電不良を無くし、カブリを防止するために様々の工夫がなされている。特にキャリアについてはコア材である磁性粒子の剤質、粒子の大きさ(粒径)、表面被覆剤の有無および被覆樹脂の種類、熱処理等が種々検討されている。これらを検討することで、トナーに対する帯電性能や現像剤の電気抵抗を最適化し、カブリを減らす工夫がなされている。
【0003】
これまでの検討例としては以下のものがある。特開昭47−17435公報にはフッソ樹脂を用いることが記載されている。特開昭60−19156公報では、シランカップリング剤を用いることで画像濃度不足、画像カブリ対策をすると記載されている。特開昭61−204643公報にはシリコーン樹脂中に導電剤を添加することが提案されている。
【0004】
特開昭64−91144公報には、シリコーン樹脂被覆キャリアにおいてトナーに対する摩擦帯電量を1.2〜2.5倍となるまであらかじめ機械的撹拌を加えるメカノケミカル処理を施すことで、かぶり、濃度むら、かすれなどの無い良好な画像が得られると記載されている。特公平6−73030公報では、フッソ樹脂中にフッソ樹脂粉末を分散した被覆層をコア材表面に担持させたキャリアについて、カブリが少なく、帯電量の経時安定性に優れるとしている。特開平11−125934公報には、シリコーン樹脂で被覆されたキャリアに機械的衝撃力を加えて現像剤の帯電量を1.5倍にすることで、初期から安定した帯電量が得られ、高濃度でかぶりの無い高品質な画像が長期にわたって得られると記載されている。
【0005】
しかし、カブリの問題は複雑であり、現在においても普遍的なカブリの解決法は見いだされていない。また、キャリアにはトナーを素早く目標の帯電量にまで帯電させるだけでなく、その帯電量を印刷中保持することも求められる。それは印刷時の画像濃度を一定に保つためである。この両者(カブリの解消と画像濃度の保持、すなわち帯電立ち上がりと帯電量保持)を両立させる方法は種々検討されているが、これまで満足な技術は見出されていない。
【0006】
ところで、トナーとキャリア間の帯電機構については種々検討されているが、その1つとして両者の表面のエネルギ−準位の差により、トナーとキャリアが接触したときに電子のやりとりが起こり、その結果トナーが帯電するという機構が考えられている。この表面のエネルギー準位を仕事関数という。一般に仕事関数が異なる2つの物質が接触した場合は、仕事関数の小さい方が電子を放出しやすい(正帯電しやすい)傾向にある。
【0007】
この仕事関数の測定法には種々の方法が提唱されているが、一般的には、測定対象物に種々の波長の光を照射して、その時に対象物から放出される光電子を測定するという方法がとられている。光電子は、ある一定水準以上のエネルギーを持つ波長の光を照射しないと放出されないので、光の波長(エネルギー)と光電子放出量の関係から、光電子の放出が始まる最小のエネルギー値が求められる。一般的には、このときのエネルギー値を測定対象物の仕事関数としている。照射光としては、よりエネルギーの大きいX線や電子線がよく用いられ、また、光電子の精密な観察のために真空中で測定される。
【0008】
しかし近年、光源に紫外線を用い、空気中で対象物に光を照射して仕事関数を測定する低エネルギー電子計数方式を用いた装置が開発され、トナー、キャリア、およびこれらを混合した現像剤の分野でも同装置を利用した仕事関数に関する検討が進められている。たとえば特開平9−106108公報では、トナーとキャリアの仕事関数の関係を規定している。特許第2954786号公報では、フルカラートナー各色の仕事関数差を特定することで色再現性に優れたトナーができるとされている。
【0009】
しかしながら、仕事関数は帯電性能の1つの目安ではあるものの、それだけでは現像装置内におけるキャリア及びトナーの帯電挙動を解明するのは不十分であり、特に現像剤中のトナーの帯電立ち上がりについては仕事関数だけでは判断できない。仕事関数で規定された前記先行技術のキャリア及びトナーにおいても、カブリの解消と画像濃度の保持、すなわち帯電立ち上がりと帯電量保持を両立させる満足な技術は見出されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち本発明は、電子写真用キャリアについて、トナーを素早く目標の帯電量にまで帯電させるだけでなく、その目標帯電量を印刷中保持することで、カブリと画像濃度、すなわち帯電立ち上がりと帯電量保持を両立させることのできるキャリアを提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、カブリの発生が無く、均一な画像濃度において長時間の印刷ができる電子写真用現像剤を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、トナーの帯電立ち上がりと帯電量保持を両立させることのできるキャリアを用いた電子写真用現像剤による現像方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。即ち、本発明は上記課題を解決するために、磁性粒子の表面を樹脂で被覆した電子写真用キャリアであって、式 (B)>(−19.4)×(A)+31 [式中、(A)は、キャリア中の炭素含有重量%を意味し、(B)は、光電子放出数(CPS)の平方根(CPS)1/2と励起エネルギー(eV)の比を意味する]を満足する電子写真用キャリアを提供するものである。
【0014】
また、本発明者等は、少なくとも着色剤とバインダー樹脂を含有するトナーと、前記電子写真用キャリアとを含有する電子写真用現像剤を提供するものである。
【0015】
また、本発明者らは前記電子写真用現像剤を用いて静電荷像を現像する現像方法を提供するものである。
【0016】
本発明によれば、上記の式を満たす電子写真用キャリアを用いることで、トナーの帯電の立ち上がりが改善され、また帯電量が初期の帯電量に到達するまでの時間が短くなる。その結果、カブリの低減と、印刷時の画像濃度を一定に保つことが可能となる。
【0017】
本発明者らは、キャリア中の炭素含有重量%である(A)と光電子放出数(CPS)の平方根(CPS)1/2と励起エネルギー(eV)の比である(B)の相関関係を調べるために、種々のキャリア及びトナーからなる二成分現像剤のサンプルを作製し、トナーの帯電挙動及び印字状態を調査した。キャリアにおいては、キャリア表面の被覆樹脂の種類又は被覆量を変え、あるいは、キャリア製造時におけるシェアの強度又は表面処理方法等を変えてサンプルを製造した。また、トナーにおいては、帯電制御剤の種類及び含有量を変えてサンプルを作製した。調査結果について、横軸を(A)、縦軸を(B)として図を作成すると図3の通りになる。図3には帯電挙動及び印字特性が優れる現像剤に用いられたキャリアは○印で、両方の特性がやや良好な現像剤に用いられたキャリアは□印で、また、両方の特性が劣る現像剤に用いられたキャリアは×印によりプロットされている。本発明者らは、図3から、(B)が(B)=[(−19.4)×(A)+31]で示される直線の上側であると、つまり、(B)が[(−19.4)×(A)+31]で算出される値よりも大きいと良好な現像剤特性が得られることを見出して本発明を完成させた。
【0018】
その際の(A)は、以下の装置、条件にて、酸素気流中でキャリアを燃焼させた時に発生する二酸化炭素および一酸化炭素量を測定し、その量から計算したキャリアの炭素量をいう。
より詳しくは、(A)とは、表面が樹脂で被覆されたキャリアを燃焼した際に発生する二酸化炭素および一酸化炭素の量を測定し、その測定結果を基に該キャリア中に含有されていた炭素原子の総重量を求めて、その炭素原子の総重量を燃焼前の該キャリアの重量で除することにより求められる値である。したがって、本発明における(A)とは樹脂被覆キャリア中の炭素含有重量%を意味する。
装置:金属中炭素分析装置 EMIA−110(堀場製作所 製)
試料重量:0.5g
燃焼温度:1250℃
測定時間:30秒
測定温度:25℃
測定湿度:60%
【0019】
また、(B)の測定は、以下の様に実施する。
【0020】
装置:AC−1(理研計器製)
光量:500nW
陽極電圧:3300〜3450V
対象物と検出器の距離:1mm
測定範囲:6.0〜3.8eV
測定時間:10秒/1ポイント
測定温度:25℃
測定湿度:60%
【0021】
さらに、本発明で用いる低エネルギー電子分光装置及び同装置の測定値から求める(B)につき説明する。本発明で規定する(B)を求めるために用いる低エネルギー電子分光装置は、前記の理研計器製AC−1である。図1にAC−1の装置の模式的な構成図を示す。UV光源は、500nWの光源を用いる。このランプから出た光をモノクロメータにより200〜360nmの任意の波長に分光し、サンプル表面に照射する。200〜360nmの光はエネルギーに換算すると、おのおの6.2〜3.4eVとなるが、本発明では単色化された入射光のエネルギー範囲を6.0〜3.8eVとした。この光をエネルギーの低い方から高い方に向かってスイープしていくと、あるエネルギーで光電効果による光電子放出が始まる。この時のエネルギー値が一般に光電的仕事関数(仕事関数)といわれる値である。サンプルから放出された光電子は、空気中の酸素分子を電離し、イオン化した酸素分子は低エネルギー電子計数装置(検出器)内部に運ばれ、そこで光電子を放出することにより、結果としてサンプルから放出された光電子数が計数される。ここで、放出された光電子放出数の平方根(CPS)1/2と励起エネルギー(eV)の関係は図2に示す様になる。図2に示された傾きB[(CPS)1/2/(eV)]が本発明における式中の(B)である。
つまり、図2中の傾きB[(CPS)1/2/(eV)]が光電子放出数(CPS)の平方根(CPS)1/2と励起エネルギー(eV)の比であり、本発明における式中の(B)を意味する。
なお、(CPS:Count Per Second)は、試料表面から放出される1秒間あたりの光電子数である。また、上記の励起エネルギー(eV)とはサンプルが受けた光エネルギー量である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明で使用しうる電子写真用キャリアは樹脂で磁性粒子の表面を被覆したキャリアである。キャリアのコア材となる磁性粒子としては、酸化鉄粉、マグネタイト、フェライトが使用できる。中でもフェライトを使用するのが好ましく、特にマンガンを含有するフェライトは帯電性と電気抵抗のバランスが良く好ましい。
【0023】
コア材の形状は球状、鱗粉状、ポテト状等、流動性、電気抵抗と帯電性のバランスで任意に使用できる。中でも特に、球状のコア材がキャリアとなった場合、流動性が高く好ましい。平均粒径は一般的には10〜500μmであるが、高解像度画像を印刷するためには30〜110μmが好ましい。
【0024】
また、これらのコア材を被覆するコーティング樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテルポリビニルケトン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、スチレン/アクリル共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂あるいはその変性品、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリルポリオール樹脂等が使用できる。
【0025】
これらの中でも、特にシリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂が帯電安定性、被覆強度等に優れ、より好適に使用し得る。つまり本発明で用いられる樹脂被覆キャリアは、コア材としてフェライトを用い、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂で被覆された樹脂被覆磁性キャリアであることが好ましい。中でも、特にシリコン樹脂がキャリア表面にトナ−が固着しにくく好ましい。また必要に応じて樹脂被覆後に架橋反応させることで被覆膜の強度や帯電量を調整することもできる。そして、被覆樹脂はキャリア全面を均一に被覆していてもよく、また、斑点状に一部のコア材が露出するように被覆していてもよい。
【0026】
また、被覆樹脂中には導電性調整剤(カーボンブラックなど)、4級アンモニウム塩、触媒などを加えてもよい。例えば、上記の被覆樹脂中に分散させる導電性調整剤としては、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、SiC、TiC、等の金属炭化物、BN、NbN、TiN等の金属窒化物、MoB、CrB、TiB2等の金属ホウ化物、ZnO、PiO2、SnO2等の金属酸化物、Al、Ni等の金属微粉末を用いることができる。上記導電性調整剤の数平均径は0.01〜5μm、好ましくは0.05〜3μm程度が適当である。これは、透過型電子顕微鏡により測定される。特に上記の中でもカーボンブラックが好ましい。
【0027】
樹脂被覆キャリアの作製方法を下記にしめす。
(1)コア材である磁性粒子に樹脂を被覆して、樹脂被覆キャリアを作製する方法。
キャリアのコア材表面への樹脂の被覆方法は特に手段を選ぶものではないが、樹脂の溶液中に浸漬する浸漬法、樹脂溶液をキャリアのコア材表面へ噴霧するスプレー法、あるいはコア材を流動エアーにより浮遊させた状態で噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でコア材と樹脂溶液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法などが挙げられる。樹脂溶液中に使用される溶剤は樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が使用できる。ただし、この際、被覆した樹脂によりコア材同士がくっつく問題がある。
(2)熱架橋タイプの樹脂(シリコーン樹脂等)の場合、150〜300度の温度で熱処理を施す。これにより樹脂の架橋が進み、膜強度が向上するが、やはりキャリア同士がくっつく問題がある。
(3)キャリアにシェアをかけ、ほぐす(解砕処理)。
【0028】
上記の製造例により、樹脂被覆キャリアが製造されるが、前記の如く被覆樹脂によりコア材(磁性粒子)同士が凝集するという問題が生じやすい。凝集したキャリアをほぐすために、以下のような解砕処理が行われる。解砕の方法には種々の方法があるが、例えば、密閉できる容器中にキャリアと必要に応じてジルコニアビ−ズ等硬質ビ−ズを一緒に入れ、混合、撹拌する。工業的にはヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、Wコーン型ブレンダー等でキャリアにシェアをかけてほぐし、所定の粒度分布をもつキャリアとする。
【0029】
本発明における樹脂被覆キャリアは、例えば、上記の方法により製造されるが、(A)と(B)の関係を前記の式を満たすように調整するには、必要に応じて、樹脂被覆キャリア製造時、あるいは製造後に以下のように処理するとよい。
(1)解砕処理時におけるキャリアにかけるシェアを調整する。
例えば、解砕時の処理時間、処理速度、処理強度、処理方法を適宜選択することにより、解砕処理時におけるキャリアにかけるシェアを調整する方法がある。一般的には、シェアを強くした方が、(B)の値は大きくなる。
(2)通常の解砕処理後、イオンスパッタ装置などを用いて、ドライエッチング処理を施すことにより(B)の値は大きくなる。
【0030】
ここで、樹脂被覆量を多くして(A)を大きくすれば前記の式の右辺は小さくなるのであるが、樹脂被覆量の増大に伴い、一般的には、(B)が小さくなり、樹脂被覆量を必要以上に大きくするのは好ましくない。通常樹脂被覆量は炭素量として0.05〜3.0%である。好ましくは0.1〜1.5%が良い。特に0.3〜0.9%が良い。
【0031】
本発明において用いられるトナーは特に限定されるものではない。本発明で使用するトナーの結着樹脂としては、通常、トナーにおいて結着樹脂として用いられているもので有れば特に限定すること無く使用することができ、例えば、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アミド系樹脂、ポリカーボネイト樹脂、エポキシ系樹脂、並びにこれらのグラフト重合体及びそれらの混合物などを上げることができる。
【0032】
それらの中でも、帯電安定性、保存安定性、定着特性、あるいは有彩色の有機顔料等を含むカラートナー用樹脂として用いた場合の色再現性等を考慮するとポリエステル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体樹脂が好適に使用しうる。
【0033】
本発明で用いられるトナーのバインダー樹脂であるポリエステル樹脂は、例えばジカルボン酸とジオールを通常の方法で脱水縮合して得られる。ジカルボン酸としては、例えば無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、アジピン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルボン酸又はその誘導体が挙げられる。
【0034】
また、ジオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘導体、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘導体、等が挙げられる。
【0035】
さらに、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドランダム共重合体ジオール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体ジオール、エチレンオキサイド−テトラハイドロフラン共重合体ジオール、ポリカプロカクトンジオール等のジオールを用いることも出来る。
【0036】
また、必要に応じ、例えばトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等の三官能以上の芳香族カルボン酸またはその誘導体を、あるいはソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリメチロールベンゼン等の三官能以上のアルコールを、あるいは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ基を有するビニル化合物の重合体、あるいは共重合体、エポキシ化レゾルシノール−アセトン縮合物、部分エポキシ化ポリブタジエン、半乾性もしくは乾性脂肪酸エステルエポキシ化合物の一種以上のもの等、の三官能以上の多価エポキシ化合物を併用することも出来る。
【0037】
上記ポリエステル樹脂は、触媒の存在下、上記の原料成分を用いて脱水縮合反応或いはエステル交換反応を行うことにより得ることができる。この際の反応温度及び反応時間は、特に限定されるものではないが、通常150〜300℃で2〜24時間である。
【0038】
上記反応を行う際の触媒としては、例えば酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート等を適宜使用する事が出来る。
【0039】
また、ポリエステル樹脂としては、二成分現像用トナーとして適正なガラス転移点、溶融粘度特性を有していれば良く、その粘度が1×105ポイズとなる温度が95℃以上のものが良好な定着性を示すので好ましいが、中でも、その粘度が1×105ポイズとなる温度が95〜170℃のものが低温における定着性も良好なのでより好ましく、その粘度が1×105ポイズとなる温度が95〜160℃のものが、特に好ましい。
【0040】
一方、ガラス転移温度(Tg)は40℃以上のものが好ましく、中でも、Tgが45〜85℃のものが特に好ましい。さらに、酸価については30以下が望ましく、中でも、10以下が特に望ましい。酸価が高すぎると帯電量の低下を招き所期の帯電量が得られない。
【0041】
また、スチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体樹脂に用いられるスチレンモノマーとしては、例えばスチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-スルホンスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等がある。
【0042】
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートの如きアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレートの如き脂環族(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレートの如き芳香族(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの如き水酸基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロキシエチルホスフェートの如きリン酸基含有(メタ)アクリレート;2-クロロエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ3-クロロプロピル(メタ)アクリレート、2,3-ジブロモプロピル(メタ)アクリレートの如きハロゲン原子含有(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレートの如きエポキシ基含有(メタ)アクリレート;2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレートの如きエーテル基含有(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの如き塩基性窒素原子又はアミド基含有(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
【0043】
また、これらと共に共重合可能な不飽和化合物も必要に応じ用いることができる。例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸の如きカルボキシル基含有ビニルモノマー;スルホエチルアクリルアミドの如きスルホ基含有ビニルモノマー;(メタ)アクリロニトリルの如きニトリル基含有ビニルモノマー;ビニルメチルケトン、ビニルイソプロペニルケトンの如きケトン基含有ビニルモノマー;N-ビニルイミダゾール、1-ビニルピロール、2-ビニルキノリン、4-ビニルピリジン、N-ビニル2-ピロリドン、N-ビニルピペリドンの如き塩基性窒素原子又はアミド基含有ビニルモノマー等を使用することができる。
【0044】
また、架橋剤を上記ビニルモノマーに対して0.1〜2重量%の範囲で使用してもよい。架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0045】
あるいは前記カルボキシル基含有ビニルモノマーを共重合せしめたスチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体を用いた樹脂においては、金属塩を用いて架橋樹脂とすることもできる。金属塩としてはAl、Ba、Ca、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Hg、Mg、Mn、Ni、Pb、Sn、Sr、Zn等のハロゲン化物、水酸化物、酸化物、炭酸化物、カルボン酸塩、アルコキシレート、キレート化合物等がある。架橋反応は溶媒の存在下に加熱攪拌することにより行うことができる。
【0046】
スチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体の製造方法としては通常の重合方法を採ることが可能で、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等、重合触媒の存在下に重合反応を行う方法が挙げられる。
【0047】
重合触媒としては、例えば、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられ、その使用量はビニルモノマー成分の0.1〜10.0重量%が好ましい。
【0048】
上記スチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体樹脂としては、二成分現像用トナーとして適正なガラス転移点、溶融粘度特性を有していれば良く、その粘度が1×105ポイズとなる温度が95℃以上のものが定着性が良好で好ましいが、なかでも、その粘度が1×105ポイズとなる温度が95〜170℃のものが低温における定着性も良好なのでより好ましく、その粘度が1×105ポイズとなる温度が95〜160℃のものが、特に好ましい。
【0049】
一方、スチレン−(メタ)アクリル酸エステルの共重合体樹脂のガラス転移温度(Tg)は40℃以上のものが好ましく、中でも、Tgが45〜85℃のものが特に好ましい。
【0050】
また、酸価については30以下が望ましく、15以下であることが特に望ましい。酸価が高すぎると帯電量の低下を招き所期の帯電量が得られない。
【0051】
本発明における電子写真用キャリアと共に用いて現像剤を作製するトナーとしては、特に、正帯電性、負帯電性トナーのどちらかに限定されるものではないが、ポリエステル樹脂を含む正帯電性トナ−はスチレンアクリル系トナーより正帯電性になりにくく、また、長時間の印刷において安定した正の帯電性能が得られにくく、例えばカブリが発生しやすい問題があるので、本発明のキャリアと組み合わせて用いると特に有効である。
【0052】
また、低融点で直鎖状のポリエステル樹脂と高融点の分岐あるいは架橋ポリエステル樹脂とを組み合わせて用いると、低温定着性および高温での耐オフセット性がさらに優れたトナーが得られ好ましい。分岐もしくは架橋ポリエステル樹脂は3価以上の多価カルボン酸あるいは多価アルコールを用いて製造することができる。
【0053】
本発明に用いることのできるトナーの着色剤としては、例えばカーボンブラック、種々の有機顔料、無機顔料、染料などが用いられ、特に限定するものでは無いが、一例として下記のものが上げられる。
【0054】
着色剤としては以下の周知のものがあげられる。黒の着色剤としては製法により分類されるファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックが、青系の着色剤としてはフタロシアニン系のC.I.Pigment Blue 15−3、インダンスロン系のC.I.Pigment Blue 60等が、赤系の着色剤としてはキナクリドン系のC.I.Pigment Red 122、アゾ系のC.I.Pigment Red 22、C.I.Pigment Red 48:1、C.I.Pigment Red 48:3、C.I.Pigment Red 57:1等が、黄系の着色剤としてはアゾ系のC.I.Pigment Yellow 12、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 14、C.I.Pigment Yellow 17、C.I.Pigment Yellow 97、C.I.Pigment Yellow 155、イソインドリノン系のC.I.Pigment Yellow 110、ベンズイミダゾロン系のC.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 154、C.I.Pigment Yellow 180、C.I.Pigment Yellow 185等がある。着色剤の含有量は、1重量部から20重量部の範囲内にある。これらの着色剤は1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0055】
樹脂と着色剤との重量割合は特に制限されないが、通常樹脂100重量部当たり、着色剤1〜30重量部、好ましくは1〜10重量部である。
【0056】
また、特に、上記の有彩色着色剤を用いてカラートナーを製造するにはカラー画像の発色性、透明性に優れるという点でポリエステル樹脂を用いることが望ましい。ポリエステル樹脂はスチレンアクリル樹脂に比較して、より強靱であり現像装置内でのストレスに耐え、なおかつ低融点であるという特性を持ちカラートナー用樹脂として適している。
【0057】
本発明に用いるトナーは、正帯電性、あるいは負帯電性トナーに限定されるわけではないが、必要に応じて種々の帯電制御剤を用いることができる。例えば、正帯電性帯電制御剤としては、トリフェニルメタン系染料、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩化合物、又はアミノ基を含有する樹脂、等を用いることができるが、ニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩化合物を併用して用いることが特に望ましい。4級アンモニウム塩化合物としては、ボントロンP−51;(オリエント化学製)、TP−302、TP−415、TP−610;(保土谷化学製)が好ましい。
【0058】
ニグロシン系染料と4級アンモニウム塩化合物を併用する場合は1/9〜9/1の使用比率であることが好ましく、2/8〜8/2であることがより好ましい。ニグロシン系染料は正帯電付与能力が高いが、帯電の均一性・安定性に劣り、単独で使用するとカブリが発生しやすくシャープネスが不足した印刷画像となる。4級アンモニウム塩化合物は帯電の均一性・安定性が優れているが、正帯電付与能力が低く、単独で使用するよりもニグロシン系染料と併用することにより、連続印刷時にカブリのない鮮明な印刷画像が安定して得られる。ニグロシン系染料の使用比率が1より低いとトナーに十分な帯電が得られず紙への転写効率が低下する。その結果、ベタ部の均一性、及び画線の解像力の劣る画像となる。また、低帯電であることが影響してトナー飛散が増加する。使用比率が9より多いと帯電量が高くなりすぎ、連続印刷においてカブリの多い低濃度・低画質の現像剤となる。
【0059】
このようにどちらかが多すぎても少なすぎても最適な帯電量が得られず、結果として低濃度・低画質の印刷物となりトナー飛散が発生する現像剤となる。両者の比率を適宜調節する事により最適の帯電量が得られ、カブリが無く、画線の輪郭がはっきりとした高濃度かつ高品位の印刷が可能な、トナー飛散の無い長寿命の現像剤を得ることができる。
【0060】
負帯電性帯電制御剤としてはトナーに負帯電性を付与する化合物であれば、特に限定されるものではないが、アゾ系金属錯体(塩)、サリチル酸系金属錯体(塩)、ベンジル酸金属錯体(塩)、テトラフェニル金属錯体(塩)、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、樹脂系帯電制御剤であることが好ましい。
【0061】
アゾ系金属錯体(塩)としては、「BONTORON S−34」、「BONTORON S−44」(以上 オリエント化学(株))等が挙げられる。
サリチル酸系金属錯体としては、「BONTORON E−81」、「BONTORON E−84」、「BONTORON E−88」(以上 オリエント化学(株))、「TN−105」(保土谷化学製)等が挙げられる。ベンジル酸金属錯体としては、「LR−147」「LR−297」(日本カーリット(株))等が挙げられる。テトラフェニル系金属錯体としては、「COPY CHARGE NX」(クラリアント(株))等が挙げられる。カリックスアレン型化合物としては、「BONTORON E−89」、「BONTORON F−21」(以上 オリエント化学(株))が挙げられる。環状ポリサッカライドとしては、「COPY CHARGE NCA」(クラリアント(株))が挙げられる。樹脂系帯電制御剤としては、「FCA−1001−NS」(藤倉化成(株))、「COPY LEVEL NCS」(クラリアント(株))等が挙げられる。
【0062】
本発明の電子写真用キャリアと共に用いるトナーとして適しているのは、ポリエステル樹脂をバインダー樹脂とした正帯電性のトナーであり、正帯電性の帯電制御剤を含有するトナーであることが望ましい。
【0063】
帯電制御剤の含有量はバインダー樹脂100重量部当たり0.3〜10重量部用いることが好ましく、より好ましくは1〜5重量部である。
【0064】
更にヒートロール定着用途では、トナーのヒートロール付着汚れ(オフセット)によるトラブル防止を目的として、離型効果を高める助剤として、種々のワックス類が必要に応じて使用され、例えばモンタン酸エステルワックスの如き天然ワックス、高圧法ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系ワックスが使用出来る。
【0065】
以上の中でも特に本発明では、カルナウバワックス、モンタン系エステルワックス、ライスワックス及び/又はカイガラムシワックスを用いることが特に好ましい。これらのワックスは、特に、ポリエステル樹脂に最も良好な分散性を示し、定着性、耐オフセット性の改善が顕著である。
【0066】
カルナウバワックスとしては精製により遊離脂肪酸を除去した脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスを用いることが好ましい。脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスの酸価としては8以下が好ましく、より好ましくは酸価5以下である。脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスは従来のカルナウバワックスより微結晶となりポリエステル樹脂中での分散性が向上する。モンタン系エステルワックスは鉱物より精製されたものであり、精製によりカルナウバワックスと同様に微結晶となりポリエステル樹脂中での分散性が向上する。モンタン系エステルワックスでは酸価として特に30以下であることが好ましい。
【0067】
また、ライスワックスは米ぬかロウを精製したものであり、酸価は13以下であることが好ましい。カイガラムシワックスはカイガラムシ(別名イボタロウムシ)の幼虫が分泌する蝋状成分を、例えば、熱湯に溶かし、上層を分離後冷却固化して、あるいはそれを繰り返すことにより得ることができる。このような手段により精製されたカイガラムシワックスは固体状態において白色であり、極めてシャープな融点を示し本発明におけるトナー用ワックスとして適している。精製により酸価は10以下となり、トナー用として好ましいのは5以下である。
【0068】
上記ワックスは単独で用いても組み合わせて用いても良く、バインダー樹脂に対して0.3〜15重量部、好ましくは1〜5重量部含有させることにより良好な定着オフセット性能が得られる。0.3重量部より少ないと耐オフセット性が損なわれ、15重量部より多いとトナーの流動性が悪くなり、また、キャリア表面に付着することによりスペントキャリアが発生し、トナーの帯電特性に悪影響を与えることになる。
【0069】
また、上記の天然ワックス以外では合成エステルワックスも好適に使用できる。合成エステルワックスの中にはペンタエリスリトールのテトラベヘニン酸エステル等がある。なお、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックスも併用して用いることができる。
【0070】
本発明で用いることのできるトナーは、特定の製造方法に依らず極めて一般的な製造方法に依って得る事ができるが、例えば樹脂と着色剤とを、樹脂の融点(軟化点)以上で溶融混練した後、粉砕し、分級することにより得ることが出来る。
【0071】
具体的には例えば、上記の樹脂と着色剤とを必須成分として、2本ロール、3本ロール、加圧ニーダー、又は2軸押し出し機等の混練手段により混合する。この際、樹脂中に、着色剤が均一に分散すればよく、その溶融混練の条件は特に限定されるものではないが、通常80〜180℃で30秒〜2時間である。着色剤は樹脂中に均一に分散するようにあらかじめフラッシング処理、あるいは樹脂と高濃度で溶融混練したマスターバッチを用いても良い。
【0072】
次いで、それを冷却後、ジェットミル等の粉砕機で微粉砕し、風力分級機等により分級するという方法が挙げられる。
【0073】
トナー母体を構成する粒子の平均粒径は、特に制限されないが、通常5〜15μmとなる様に調整される。
【0074】
通常、この様にして得られたトナー母体に対しては、外添剤が、例えばヘンシェルミキサー等の混合機を用いて混合される。
【0075】
外添剤は、例えばトナーの流動性向上、帯電特性改良などトナー母体の表面改質のために用いられるもので、二酸化珪素、酸化チタン、アルミナ等の無機微粉体及びそれらをシリコーンオイルなどの疎水化処理剤で表面処理したもの、樹脂微粉体等が用いられる。
【0076】
シリカとしては、二酸化珪素のうちで疎水性等を有するものが挙げられ、二酸化珪素を各種のポリオルガノシロキサンやシランカップリング剤等で表面処理したものが挙げられる。例えば、次のような商品名で市販されているものがある。
Figure 0004228562
また、外添剤の使用割合はトナー母体に対して、通常0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0077】
これらのシリカは、異なる平均粒子径の2種以上を併用してもよい。また、シリカの使用割合はトナー母体に対して、通常0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0078】
以上により製造されるトナーと本発明による電子写真用キャリアは混合されて電子写真用現像剤となるが、両者を混合する際の重量割合は特に制限されるものではないが、通常キャリア100重量部当たり、トナー0.5〜15重量部である。
【0079】
本発明の電子写真用キャリア及びそれを用いた静電荷像現像用トナーは、通常の二成分現像方式の現像装置で使用することができるが、特に高速処理の現像方式である20m/分以上の、更には30m/分以上の高速機に好適に用いることができる。特に45m/分以上の高速機であっても、カブリの発生が無く、均一な画像濃度において長時間の印刷ができる電子写真用現像剤を提供することができる。
【0080】
【実施例】
次に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例及び比較例中、「%」は特に明記しない限り「重量%」を表す。
【0081】
(実施例1)
(キャリアの作成)
トルエン100重量部中にカーボンブラック(ケッチェンブラックEC;ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)1部、メチルシリコン樹脂(SR−2410;東レダウシリコン(株)製)10部を溶解して被覆剤用塗料を調整する。フェライトコア材200g(平均粒径100μm)を準備し、流動床(スパイラルフロー)を用いて上記塗料を被覆剤量/コア材=2/10の割合(重量)で混合しながら塗布した。十分に乾燥の後、250℃で3時間処理した。その後、上記工程で出来上がった樹脂被覆されたフェライト100gと直径2mmのジルコニアビーズ250gを500mlのポリ瓶に入れ、毎分100回転の速度でボールミル架台上にて3時間攪拌し、キャリアAを得た。
【0082】
(比較例1)
250℃で3時間処理するまでは実施例1と同様にキャリアを製造し、その後、ジルコニアビーズで15分間攪拌し、キャリアBを得た。
【0083】
(実施例2)
流動床でコートする時、コート剤量/コア材=5/10の割合で塗布した以外は実施例1と同様に処理をしてキャリアCを得た。
【0084】
(比較例2)
実施例2の250℃で3時間処理するまでは実施例2と同様にキャリアを製造し、その後、ジルコニアビーズで15分間攪拌し、キャリアDを得た。
【0085】
(実施例3)
流動床でコートする時、コート剤量/コア材=10/10の割合で塗布した以外は実施例1と同様に処理をしてキャリアEを得た。
【0086】
(比較例3)
実施例3の250℃で3時間処理するまでは実施例3と同様にキャリアを製造し、その後、ジルコニアビーズで15分間攪拌し、キャリアFを得た。
【0087】
(実施例4)
比較例3と同様にキャリアを作成の後、イオンスパッタ装置を用いて2時間ドライエッチング処理を施し、キャリアGを得た。
【0088】
(樹脂合成例1)
テレフタル酸 2.0モル部
イソフタル酸 2.5モル部
トリメリット酸 0.5モル部
ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 4.0モル部
エチレングリコール 1.2モル部
を攪拌器、コンデンサー、温度計をセットした四つ口フラスコに入れ、窒素ガス気流下、全酸成分に対して0.07重量部のジブチル錫オキサイドを添加し、脱水縮合により生成した水を除去しながら、220℃にて15時間反応させ、樹脂(ア)を得た。得られたポリエステル樹脂(ア)の粘度が1×105ポイズとなる温度は155℃、DSC法によるTgは62℃、酸価は10であった。
【0089】
粘度が1×105ポイズとなる温度の測定は、定荷重押出し形細管式レオメータ(島津フローテスターCFT−500C)で行った。測定条件は、ピストン断面積1cm2 、シリンダ圧力0.98MPa、ダイ長さ1mm、ダイ穴径1mm、測定開始温度50゜C、昇温速度6℃/min、試料重量1.5gである。
【0090】
(樹脂合成例2)
スチレン 320重量部
ブチルアクリレート 60重量部
メタアクリル酸 20重量部
アゾビスイソブチロニトリル 4重量部
キシレン 600重量部
【0091】
を丸底フラスコに投入し、窒素ガス雰囲気中で80℃で約10時間反応させた後、130℃迄加温し重合を終了した。その後、アルミニウムイソプロポキシド12重量部を添加し、約1時間反応させた後、180℃迄加温すると共に真空ポンプにて0.5mmHg迄減圧して溶剤を除去し、樹脂(イ)を得た。
【0092】
得られたキレート架橋型スチレンアクリル樹脂の粘度が1×105ポイズとなる温度は145℃、DSC法によるTgは61℃、酸価は5であった。
【0093】
Figure 0004228562
をヘンシェルミキサーで混合し、2軸混練機で混練する。このようにして得た混練物を粉砕、分級して体積平均粒子径10.1ミクロンの「トナー原体A」を得た。
【0094】
・上記「トナー原体A」 100重量部
・シリカHDK3050EP(ワッカーケミカルズ(株)) 1重量部
をヘンシェルミキサーで混合の後、篩いを通して「トナーA」を得た。
【0095】
Figure 0004228562
をヘンシェルミキサーで混合し、2軸混練機で混練する。このようにして得た混練物を粉砕、分級して体積平均粒子径10.2ミクロンの「トナー原体B」を得た。
【0096】
・上記「トナー原体B」 100重量部
・シリカHDK3050EP(ワッカーケミカルズ(株)) 1重量部
をヘンシェルミキサーで混合の後、篩いを通して「トナーB」を得た。
【0097】
(評価1:炭素量 および 傾きの測定)
上記実施例1,2,3,4および比較例1,2,3について(A)を測定した。またAC−1を用いて(B)の測定を実施した。結果を表1に示す。
測定結果をもとに本発明で規定する式の右辺を計算した結果も併せて記す。
【0098】
(表1)
【0099】
【表1】
Figure 0004228562
【0100】
このように実施例1,2,3,4は本発明で規定する式を満たしているが、比較例1,2,3は満たしていない。
【0101】
(評価2:帯電量立ち上がりの測定)
<現像剤の調整>
・上記「トナーA」 6重量部
・キャリアA 114重量部
を直径5cm高さ6cmの円柱型ポリエチレン容器中に混合して「現像剤(A/A)」を調整した。
【0102】
以下同様に表2の各種現像剤を調整した。
【0103】
(表2)
【0104】
0
【表2】
Figure 0004228562
【0105】
上記現像剤の入ったポリエチレン容器を115rpmで3分間攪拌した後、ブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル製)で帯電量を測定した。さらに7分攪拌(計10分)し、同様に帯電量を測定した。結果を表3にまとめる。
【0106】
(表3)
【0107】
【表3】
Figure 0004228562
【0108】
このようにキャリアA、C、E、Gを用いた現像剤では帯電の立ち上がりが早く、また帯電量が安定している。一方キャリアB、D、Fを用いた現像剤は帯電の立ち上がりが遅く、特に現像剤(A/F)では負帯電となっている。
【0109】
(評価3:印字評価)
評価2にて10分攪拌した現像剤を市販のコピー機(XC−810 富士ゼロックス製)を用いて印字評価を行った。
【0110】
(表4)
【0111】
【表4】
Figure 0004228562
【0112】
このようにキャリアA、C、E、Gを用いた場合、カブリのないきれいな画像が得られるが、キャリアB、D、Fを用いた場合、カブリがひどい結果となった。
【0113】
【発明の効果】
このように本発明の電子写真用キャリアは、トナーと混合して電子写真用現像剤とした場合、現像剤中のトナーを素早く目標の帯電量にまで帯電させるだけでなく、その目標帯電量を印刷中保持することで、カブリと画像濃度、すなわち帯電立ち上がりと帯電量保持を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】低エネルギー電子分光装置であるAC−1の装置構成を示す模式図。
【図2】光電子放出数の平方根(CPS)1/2と励起エネルギー(eV)の関係、及び傾きB[(CPS)1/2/(eV)]を示す図。
【図3】キャリア中の炭素含有重量%である(A)と光電子放出数(CPS)の平方根(CPS)1/2と励起エネルギー(eV)の比である(B)の相関関係を示す図。

Claims (8)

  1. 磁性粒子の表面を樹脂で被覆した電子写真用キャリアであって、式
    (B)>(−19.4)×(A)+31
    [式中、(A)は、キャリア中の炭素含有重量%を意味し、(B)は、光電子放出数(CPS)の平方根(CPS)1/2と、仕事関数を越えるエネルギー範囲の励起エネルギー(eV)の比を意味する]
    を満足する電子写真用キャリア。
  2. 前記磁性粒子の表面を被覆する樹脂が、導電性調整剤を含有する樹脂である請求項1に記載の電子写真用キャリア。
  3. 前記導電性調整剤が、カーボンブラックである請求項2に記載の電子写真用キャリア。
  4. 前記磁性粒子の材質がフェライトである請求項1記載の電子写真用キャリア。
  5. 前記樹脂がシリコーン樹脂である請求項1記載の電子写真用キャリア。
  6. 少なくとも着色剤とバインダー樹脂を含有するトナーと、請求項1記載のキャリアとを含有する電子写真用現像剤。
  7. 前記トナーのバインダー樹脂がポリエステル樹脂である請求項6記載の電子写真用現像剤。
  8. 前記トナーが正帯電性の帯電制御剤を含有する請求項6記載の電子写真用現像剤。
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