JP4228254B2 - 電磁駆動式バルブ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば内燃機関の吸排気バルブとして用いられる電磁駆動式バルブ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、内燃機関の吸排気バルブを電磁石で駆動する電磁駆動式の吸排気バルブ装置が研究されている。この電磁駆動式の吸排気バルブ装置は、例えば米国特許第5711259号公報(図8参照)に示すように、エンジンのシリンダヘッド10に、吸気(排気)ポート11を開閉するバルブ12のシャフト13を組み付け、閉弁期間中には、バルブ12を閉側スプリング14によって閉弁位置に保持する。そして、弁シャフト13の上方には、可動鉄心15を上下動自在に配置し、この可動鉄心15の上下両側に、閉側コイル16と開側コイル17を所定間隔を隔てて配置し、閉弁期間中には、上側の閉側コイル16に保持電流を流して、図8(a)に示すように、可動鉄心15を閉弁側(上側)に吸着保持する。一方、開弁する時には、上側の閉側コイル16の保持電流を遮断して、下側の開側コイル17に駆動電流を流し、図8(b)に示すように、可動鉄心15を開弁側(下側)に移動させることで、弁シャフト13を閉側スプリング14に抗して下側に押してバルブ12を開弁させる。
【0003】
エンジン運転中は、弁シャフト13が高熱にさらされて熱膨張するため、弁シャフト13と可動鉄心15との間に、弁シャフト13の熱膨張を吸収するためのクリアランス19を設けることで、バルブ12が確実に全閉状態となるように設計されている。従って、閉弁状態から開弁する時には、まず、可動鉄心15のみがクリアランス19分だけ下方に移動し、可動鉄心15が弁シャフト13の上端に衝突した後に、両者が一体となって下方に移動してバルブ12を開弁させる。この構成では、バルブ12の動き始めが可動鉄心15の動き始めよりもクリアランス19分だけ遅れるため、バルブ12の開弁タイミングを正確に制御するには、クリアランス19による遅れを考慮する必要がある。このクリアランス19は、エンジン運転中に弁シャフト13の熱膨張量の変化(温度変化)に応じて変化するため、クリアランス19による遅れを考慮するには、エンジン運転中にクリアランス19を検出する必要がある。
【0004】
また、閉弁状態から開弁する場合、まず、上側の閉側コイル16の保持電流を遮断して、上側の開側スプリング18の押し下げ力によって可動鉄心15のみをクリアランス19分だけ下方に移動させ、可動鉄心15が弁シャフト13の上端に衝突して、可動鉄心15が下側の開側コイル17に近付いた時点で、下側の開側コイル17に駆動電流を流して、その電磁吸引力により可動鉄心15を開側コイル17側に吸着してバルブ12を全開状態に保持する。この際、閉側コイル16の残留磁気や可動鉄心15の軸15aと軸受20とのフリクション等によって可動鉄心15の動き始めのタイミングが変化するため、その変化に応じて開側コイル17の通電開始タイミングを変化させることが好ましい。
【0005】
例えば、開側コイル17の通電開始タイミングが遅くなり過ぎると、可動鉄心15を開側コイル17側に吸着(キャッチ)できない、いわゆるキャッチミスが発生する。このキャッチミスを防ぐために、開側コイル17の通電開始タイミングを早めに設定すると、その分、通電時間を長くしなければならず、消費電力が増加する(閉弁時にはバルブ12の着座時の激突音が大きくなる原因にもなる)。従って、キャッチミス防止と消費電力低減等を両立させるには、可動鉄心15の動き始めのタイミングを基準にして開側コイル17の通電開始タイミングを正確に制御する必要があり、そのためには、可動鉄心15の動き始めを正確に検出する必要がある。
【0006】
そこで、米国特許5742467号公報では、閉側コイル16の保持電流を遮断した直後に、残留磁気エネルギによって該閉側コイル16に誘導される電圧(フライバック電圧)を検出し、このフライバック電圧の波形の極小点のタイミングを可動鉄心15の動き始めとして検出するようにしている。これは、可動鉄心15と閉側コイル16との間のギャップの変化による磁束変化によってフライバック電圧の波形が変化する特性に着目し、フライバック電圧の波形から可動鉄心15の動き始めを検出するものである。
【0007】
しかし、この公報の技術では、可動鉄心15と弁シャフト13との間のクリアランス19を検出できないため、クリアランス19による遅れを考慮した通電制御を行うことができない。
【0008】
そこで、米国特許5711259号公報では、閉側コイル16の保持電流を遮断した直後のフライバック電圧(図9参照)を検出し、可動動鉄心15が弁シャフト13に衝突した時に可動鉄心15の動きが急変することで発生するフライバック電圧の不規則な変化を検出して、可動鉄心15が弁シャフト13に衝突するタイミングt2 を検出する。この場合、フライバック電圧の波形の極小点のタイミングt1 が可動鉄心15の動き始めのタイミングとなるため、t2 −t1 から可動鉄心15と弁シャフト13との間のクリアランス19を検出することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、可動鉄心15と弁シャフト13との間のクリアランス19は、弁シャフト13の熱膨張を吸収するための非常に小さな隙間であるため、可動鉄心15が動き始めるタイミングt1 と、弁シャフト13に衝突するタイミングt2 とが非常に接近して、可動鉄心15の動き始めによる電圧変化と、可動鉄心15と弁シャフト13との衝突による電圧変化とを正確に判別することが困難となり、クリアランス19(t2 −t1 )を精度良く検出することができない。しかも、保持電流を遮断した瞬間に大きなフライバック電圧が発生するため、駆動回路のスイッチング素子の耐圧を高める必要があり、その分、高価なスイッチング素子を用いる必要があり、駆動回路が高価になってしまう欠点もある。
【0010】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、可動子の動き始めと、可動子と弁シャフトとの間のクリアランスとを分離して精度良く検出できると共に、駆動回路のスイッチング素子の耐圧を下げることができて、コストダウンすることができ、しかも、消費電力を低減することができる電磁駆動式バルブ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の電磁駆動式バルブ装置は、還流電流発生手段により、開弁タイミング及び/又は閉弁タイミングの少し前から閉側/開側コイルに保持電流を流すための電圧印加を終了して該コイルに環流電流を流し、この環流電流を環流電流検出手段により検出すると共に、検出した環流電流の波形に基づいて、動作開始タイミング検出手段により可動子の動き始めを検出する。そして、可動子の動き始めが検出された時に、フライバック電圧発生手段により環流電流を遮断して該コイルにフライバック電圧を発生させ、このフライバック電圧をフライバック電圧検出手段により検出すると共に、検出したフライバック電圧の波形に基づいて、クリアランス検出手段により可動子と弁シャフトとのクリアランスを検出する。
【0012】
この構成では、環流電流の波形から可動子の動き始めを検出し、可動子の動き始めを検出した時点で、環流電流を遮断するため、環流電流の波形には可動子と弁シャフトとの衝突の影響(クリアランスの影響)が全く現れない。これにより、環流電流の波形から可動子の動き始めを精度良く検出することができる。しかも、可動子が動き始めた後にフライバック電圧を発生させて、そのフライバック電圧の波形からクリアランスを検出するため、フライバック電圧の波形に可動子の動き始めによる電圧変化が重畳しない。このため、クリアランスが微小であっても、可動子の動き始めの影響を全く受けずに、フライバック電圧からクリアランスを精度良く検出することができる。これにより、本発明では、環流電流とフライバック電圧とから可動子の動き始めとクリアランスとを分離して精度良く検出できる。
【0013】
また、可動子の動き始めが検出されるまでには、環流電流が環流回路の抵抗分で消費されて減少するため、環流電流の遮断により発生するフライバック電圧は保持電流(環流電流の初期値に相当)の遮断により発生するフライバック電圧と比較してかなり低くなる。このため、駆動回路のスイッチング素子の耐圧を従来よりも下げることができ、その分、安価なスイッチング素子を用いることができて、コストダウンの要求も満たすことができる。しかも、可動子の動き始めを検出した時点で、環流電流を遮断するため、環流電流による残留磁気力により可動子の動きが妨げられることもなく、反対側のコイルが可動子をキャッチするための電力を少なくすることができ、消費電力も低減できる。
【0014】
ところで、開弁状態から閉弁する時には、まず、弁シャフトと可動子が当接した状態で両者が一体に閉弁側に移動し、弁体が弁座に着座した後は、可動子が弁シャフトから離れて閉側コイル側に吸着保持される。従って、閉弁する時には、開弁する時とは異なり、可動子が弁シャフトと衝突しないため、フライバック電圧の波形に、閉弁する時のような大きな変化は現れない。但し、閉弁する時に、弁体が弁座に着座した後(可動子が弁シャフトから離れた後)は、弁シャフトを付勢する閉弁スプリングのばね力が可動子に作用しなくなるため、その前後で、可動子の動きが変化してフライバック電圧の波形に小さな変化が生じるが、このような小さな変化を検出するには、非常に高精度な検出回路を用いる必要があり、コストアップしてしまう。
【0015】
そこで、請求項2のように、閉弁状態から開弁する時のみにクリアランスを検出するようにすると良い。つまり、クリアランスの変化は、弁シャフトの熱膨張量の変化(温度変化)によって生じるものであるから、比較的緩やかな変化となる。従って、内燃機関の吸排気バルブのように、開弁と閉弁を高速で交互に繰り返すシステムでは、開弁時のクリアランスと、その直後の閉弁時のクリアランスとは、実質的に同一となるため、開弁時にクリアランスを検出すれば、その直後の閉弁時のクリアランスを検出する必要はなく、開弁時のクリアランスの検出値をそのまま閉弁時のクリアランスの情報として用いることができる。しかも、前述したように、開弁時のクリアランスは比較的検出しやすいため、比較的安価な検出回路で精度良くクリアランスを検出することができる。
【0016】
但し、開弁状態から閉弁する時でも、閉側コイルの通電開始タイミングがずれると、可動子のキャッチミスが発生するため、請求項3のように、開弁状態から閉弁する時には、環流電流に基づいて可動子の動き始めの検出のみを行うことが好ましい。つまり、閉弁する時でも、開弁する時と同様に、保持電流の遮断後に環流電流が発生するため、環流電流から可動子の動き始めを精度良く検出することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を内燃機関の電磁駆動式吸排気バルブ装置に適用した一実施形態を図1乃至図7に基づいて説明する。まず、図1及び図2に基づいて電磁駆動式吸排気バルブ装置全体の構造を説明する。バルブハウジング21の下部には、吸気(又は排気)ポート22が形成され、このポート22の開口周縁部に円環状の弁座23が取り付けられている。バルブハウジング21の中心部には、バルブ24(弁体)を支持する弁シャフト25が軸受部材26を介して上下方向に摺動自在に挿通支持され、その上下動によりバルブ24がポート22を開閉する。弁シャフト25の上部に嵌着固定されたスプリング受け部材27とバルブハウジング21内のスプリング収容室28の底面部との間に閉側スプリング29が挟み込まれ、この閉側スプリング29の押し上げ力によって弁シャフト25が閉弁側(上側)に付勢され、閉弁中は、この閉側スプリング26の押し上げ力によってバルブ24が閉弁状態に保持される。
【0020】
一方、バルブハウジング21の上側部には、電磁駆動装置30が組み付けられている。この電磁駆動装置30のハウジングは、非磁性の上ハウジング31と非磁性の下ハウジング32とから成り、上下の各ハウジング31,32に、閉側コイル33が装着された閉側コア34と、開側コイル35が装着された開側コア36とが所定の間隔を隔てて対向するように組み付けられている。閉側コア34と開側コア36との間には、両者の間隔を一定に保つための非磁性の環状スペーサ37が挟み込まれ、この環状スペーサ37の内側に平板状の可動鉄心38が上下動自在に収容されている。この可動鉄心38の中心部には、プランジャ39が上下方向に貫通固定され、このプランジャ39がハウジング31,32の中心部に形成された貫通孔40,41に上下方向に摺動自在に挿通支持されている。尚、可動鉄心38とプランジャ39とから特許請求の範囲でいう可動子が構成されている。
【0021】
上ハウジング31の上面中央部に形成された円筒部42には、開側スプリング43を収容したスプリングケース44が組み付けられている。このスプリングケース44内には、プランジャ39の上端部に固定されたスプリング受け部材45が上下動自在に収容され、このスプリング受け部材45とスプリングケース44の上面部との間に開側スプリング43が挟み込まれ、この開側スプリング43の押し下げ力によってプランジャ39が開弁側(下側)に付勢されている。
【0022】
閉弁時には、上側の閉側コイル33に駆動電流を流して、図1に示すように、可動鉄心38を閉側コア34の下面に吸着保持する。この状態では、プランジャ39と弁シャフト25との間に、これらの熱膨張を吸収するためのクリアランス46が形成され、バルブ24の閉弁状態が閉側スプリング26の押し上げ力のみによって保持される。
【0023】
一方、開弁時には、下側の開側コイル35に駆動電流を流して、図2に示すように、可動鉄心38を開側コア36の上面に吸着して、プランジャ39で弁シャフト25を閉側スプリング29に抗して押し下げ、バルブ24を開弁状態に保持する。
【0024】
次に、図3に基づいて閉側/開側コイル33,35の通電を制御する駆動制御回路49の構成を説明する。閉側/開側コイル33,35のプラス端子は、共にハイサイドスイッチ50を介して例えば36Vの高電圧電源51のプラス端子に接続され、且つ、逆電流防止ダイオード52と定電流スイッチ53を介して例えば12Vのバッテリ54のプラス端子に接続されている。更に、閉側/開側コイル33,35のプラス端子は、フライバック用のダイオード55を介して接地されている。
【0025】
一方、閉側/開側コイル33,35のマイナス端子は、それぞれ、閉側/開側駆動スイッチ56,57と閉側/開側検出抵抗58,59を介して接地されている。各検出抵抗58,59の両端の電位が各差動増幅回路60,61の両入力端子に入力され、各差動増幅回路60,61の出力端子から各検出抵抗58,59の両端の電位差に応じた電圧が出力される。閉側/開側コイル33,35に流れる電流は、各検出抵抗58,59にも流れるため、各検出抵抗58,59の両端の電位差を各検出抵抗58,59の抵抗値で除算すれば、閉側/開側コイル33,35に流れる電流(初期駆動電流、保持電流、環流電流)が求められる。これら検出抵抗58,59と差動増幅回路60,61とから、特許請求の範囲でいう環流電流検出手段が構成されている。各差動増幅回路60,61の出力電圧は、定電流制御回路62とフェイル判定回路63に入力され、更に、入出力回路66を介してエンジン制御回路65にも入力される。
【0026】
定電流制御回路62は、閉弁/開弁状態を保持するために、バッテリ54から閉側/開側コイル33,35にほぼ一定の保持電流(図4参照)を流し続けるための回路であり、保持電流の検出値(差動増幅回路60,61の出力電圧)が保持電流上限設定値以上になった時に、オフ信号を出力し、保持電流下限設定値以下になった時に、オン信号を出力する。この定電流制御回路62の出力信号はドライブ回路64に入力される。
【0027】
ドライブ回路64は、定電流制御回路62の出力信号とエンジン制御回路65の出力信号に基づいて前述した各スイッチ50,53,56,57を駆動して、閉側/開側コイル33,35の通電を制御する。この制御の詳細については後述する。尚、各スイッチ50,53,56,57は、MOSFET等のスイッチング素子により構成されている。
【0028】
フェイル判定回路63は、差動増幅回路60,61の出力電圧(閉側/開側コイル33,35の電流の検出値)に基づいて、キャッチミス等の異常(フェイル)の有無を判定し、フェイル発生時にフェイル信号を入出力回路66を介してエンジン制御回路65に出力する。エンジン制御回路65は、フェイル判定回路63からフェイル信号が入力された時に、フェイルが発生した気筒の点火や燃料噴射を停止して、バックファイヤー、アフターファイヤー等を防止する。
【0029】
また、閉側/開側コイル33,35のマイナス端子側には、後述する環流電流の遮断直後に発生するフライバック電圧を検出するフライバック電圧検出回路67(フライバック電圧検出手段)が設けられ、このフライバック電圧検出回路67の出力信号が入出力回路66を介してエンジン制御回路65に入力される。
【0030】
以上のように構成した駆動制御回路49とエンジン制御回路65は、特許請求の範囲でいう通電制御手段として機能し、閉側/開側コイル33,35の通電を制御する。以下、この通電制御を図3乃至図5を用いて説明する。ここで、図4は閉弁状態から開弁し、その後、開弁する時の動作を示すタイムチャート、図5は閉弁状態から開弁する時の環流電流、フライバック電圧、クリアランス46の関係を説明するタイムチャートである。
【0031】
図3において、高電圧電源51の通電路をオン/オフするハイサイドスイッチ50は、エンジン制御回路65から出力されるハイサイドスイッチ信号によって制御される。開弁/閉弁を切り換える時に、可動鉄心38を閉側/開側コア34,36に吸着(キャッチ)するのに必要な時間T1 ,T2 だけ、ハイサイドスイッチ50がオンされ、高電圧電源51から高電圧(36V)が閉側/開側コイル33,35のプラス端子に印加される。これ以外の時は、このハイサイドスイッチ50はオフ状態に維持される。
【0032】
一方、バッテリ54の通電路をオン/オフする定電流スイッチ53は、閉弁/開弁状態を保持するために、バッテリ54から閉側/開側コイル33,35にほぼ一定の保持電流を流し続けるためのスイッチであり、そのオン/オフが定電流制御回路62の出力信号によって制御される。尚、保持電流の終了タイミング(環流開始タイミング)は、エンジン制御回路65から出力される閉側/開側駆動信号のオフタイミングによって制御される。
【0033】
また、閉側/開側コイル33,35のマイナス端子に接続された閉側/開側駆動スイッチ56,57は、エンジン制御回路65から出力される閉側/開側駆動スイッチ信号によって制御される。閉側駆動スイッチ56のオン期間中に、閉側コイル33に電流(初期駆動電流、保持電流、環流電流)が流れ、開側駆動スイッチ57のオン期間中に、開側コイル35に電流(初期駆動電流、保持電流、環流電流)が流れる。
【0034】
次に、図4を用いて閉側/開側コイル33,35の通電制御を詳しく説明する。閉弁状態を保持し続ける時(図4のt0 以前)は、閉側駆動スイッチ56がオンで、且つ、ハイサイドスイッチ50がオフに維持された状態で、定電流スイッチ53のオン/オフを小刻みに繰り返して、バッテリ54から閉側コイル33にほぼ一定の保持電流を流し続ける。このとき、閉側駆動信号はオン状態に維持される。
【0035】
この後、開弁タイミングの所定時間前のタイミングt0 で、閉側駆動信号がオフに切り換えられる。これ以後は、定電流スイッチ53がオフ状態に維持され、保持電流の供給(バッテリ電圧の印加)が終了するが、閉側駆動スイッチ56は引き続きオン状態に維持される。このため、保持電流終了後に、それまでに閉側コイル33に蓄積された磁気エネルギが、閉側コイル33→閉側駆動スイッチ56→閉側検出抵抗58→グランド線→ダイオード55→閉側コイル33の経路(閉側環流回路)で環流して閉側コイル33に環流電流が流れる。この機能が特許請求の範囲でいう環流電流発生手段に相当する役割を果たす。
【0036】
この環流電流のエネルギは、上記閉側環流回路の抵抗分で徐々に消費されるため、図5に示すように、時間の経過に伴って環流電流が徐々に低下する。この環流電流が閉側コイル33に流れる間は、閉側コア34から可動鉄心38に閉弁方向の電磁吸引力が作用するため、環流電流がある程度低下するまでは、引き続き可動鉄心38が閉側コア34に吸着された状態(閉弁状態)が維持される。そして、環流電流による閉弁方向の電磁吸引力が開側スプリング43の押し下げ力よりも小さくなった時点で、開側スプリング43の押し下げ力により可動鉄心38が閉側コア34から引き離されて下方に移動する。
【0037】
可動鉄心38が動き始めると、可動鉄心38と閉側コア34との間のギャップの変化によって磁束が変化し、この磁束変化が環流電流の変化として現れて、環流電流の低下が止まる。これにより、可動鉄心38の動き始めのタイミングt1 で環流電流の波形が極小点となる。従って、エンジン制御回路65は、環流電流の波形が極小点(環流電流の波形の一次微分値が0)となるタイミングt1 を検出し、このタイミングt1 で可動鉄心38が動き始めたと判断する。この機能が特許請求の範囲でいう動作開始タイミング検出手段に相当する役割を果たす。
【0038】
エンジン制御回路65は、可動鉄心38の動き始めのタイミングt1 を検出した時点で、閉側駆動スイッチ56をオフさせて環流電流を遮断する。これにより、図5に示すように、残留磁気エネルギによって閉側コイル33にフライバック電圧が発生する。このフライバック電圧は、閉側コイル33のマイナス端子側でフライバック電圧検出回路67によって検出され、エンジン制御回路65に取り込まれる。エンジン制御回路65は、このフライバック電圧の波形から可動鉄心38のプランジャ39が弁シャフト25に衝突するタイミングt2 を次のようにして検出する。
【0039】
つまり、閉弁状態から開弁する時には、まず、可動鉄心38とプランジャ39のみがクリアランス46分だけ下方に移動し、プランジャ39が弁シャフト25の上端に衝突した後に、両者が一体となって下方に移動してバルブ24を開弁させる。この際、可動鉄心38のプランジャ39が弁シャフト25に衝突した時に可動鉄心38の動きが急変して磁束が変化するため、その磁束変化がフライバック電圧の変化として現れる。本発明者の実験結果によれば、環流電流遮断後のフライバック電圧の波形に現れる複数回の変曲点のうちの3回目の変曲点のタイミングt2 が、可動鉄心38のプランジャ39が弁シャフト25に衝突するタイミングt2 となることが判明している。
【0040】
従って、エンジン制御回路65は、環流電流遮断後のフライバック電圧の波形に現れる3回目の変曲点(フライバック電圧の波形の2次微分値が0となる点)のタイミングt2 を検出し、このタイミングt2 でプランジャ39が弁シャフト25に衝突したと判断する。そして、可動鉄心38が動き始めてからプランジャ39が弁シャフト25に衝突するまでの時間(t2 −t1 )を算出し、図5に示すように、この時間(t2 −t1 )がクリアランス46に応じて変化する関係を利用して、この時間(t2 −t1 )からクリアランス46を算出する。この機能が特許請求の範囲でいうクリアランス検出手段に相当する役割を果たす。
【0041】
そして、プランジャ39が弁シャフト25に衝突して、可動鉄心38が開側コア36に近付いた時点t3 (図4参照)で、開側駆動信号をオンに切り換えて、ハイサイドスイッチ50をオンすると共に、開側駆動スイッチ57をオンする。これにより、高電圧電源51から高電圧(36V)が開側コイル35に印加されて、開側コイル35に比較的大きな初期駆動電流が流され、それによって発生する比較的大きな電磁吸引力で可動鉄心38が開側コア36に吸着(キャッチ)される。
【0042】
この場合、可動鉄心38の動き始めのタイミングが閉側コイル33の残留磁気やプランジャ39のフリクション等によって変化することを考慮し、エンジン制御回路65は、可動鉄心38の動き始めのタイミングt1 に基づいて、マップ又は演算式により開側コイル35の通電開始タイミングt3 を補正して、可動鉄心38のキャッチミスを防止する。
【0043】
また、エンジン制御回路65は、可動鉄心38を開側コア36に確実に吸着するための初期駆動電流の通電時間T1 (ハイサイドスイッチ50のオン時間)をエンジン回転数や吸入空気量等のエンジン運転条件によって設定し、これをクリアランス46(t2 −t1 )に応じてマップ又は演算式により補正する。例えば、クリアランス46(t2 −t1 )が大きくなるほど、キャッチミスが発生しやすくなるため、クリアランス46(t2 −t1 )が大きくなるほど、初期駆動電流の通電時間T1 を長くするように補正して、キャッチミスを防止する。
【0044】
初期駆動電流の通電時間T1 が設定時間に達すると、ハイサイドスイッチ50がオフされ、開側コイル35への高電圧(36V)の印加が停止される。これにより、開側コイル35に流れる電流が低下し、その電流値が保持電流下限設定値以下になると、定電流スイッチ53がオンされて、バッテリ電圧(12V)が開側コイル35に印加され、開側コイル35に保持電流が流される。その後、この保持電流が保持電流上限設定値以上になった時に、定電流スイッチ53がオフされ、開側コイル35へのバッテリ電圧の印加が停止される。以後、このような定電流スイッチ53のオン/オフが小刻みに繰り返されて、バッテリ54から開側コイル35にほぼ一定の保持電流が流し続けられ、可動鉄心38が開側コア36に吸着された状態(開弁状態)に保持される。
【0045】
その後、閉弁タイミングの所定時間前のタイミングt4 で、開側駆動信号がオフに切り換えられる。これ以後は、定電流スイッチ53がオフ状態に維持され、保持電流の供給(バッテリ電圧の印加)が終了するが、開側駆動スイッチ57は引き続きオン状態に維持される。このため、保持電流終了後に、それまでに開側コイル35に蓄積された磁気エネルギが、開側コイル35→開側駆動スイッチ57→開側検出抵抗59→グランド線→ダイオード55→開側コイル35の経路(開側環流回路)で環流して開側コイル35に環流電流が流れる。
【0046】
この環流電流のエネルギは、上記開側環流回路の抵抗分で徐々に消費されるため、時間の経過に伴って環流電流が徐々に低下する。この環流電流が開側コイル35に流れる間は、開側コア36から可動鉄心38に開弁方向の電磁吸引力が作用するため、環流電流がある程度低下するまでは、引き続き可動鉄心38が開側コア36に吸着された状態(開弁状態)が維持される。そして、環流電流による開弁方向の電磁吸引力が閉側スプリング29の押し上げ力よりも小さくなった時点で、閉側スプリング29の押し上げ力により可動鉄心38が開側コア36から引き離されて上方に移動する。
【0047】
閉弁する時も、開弁するときと同じく、可動鉄心38が動き始めると、可動鉄心38と開側コア36との間のギャップの変化によって磁束が変化し、この磁束変化が環流電流の変化として現れて、環流電流の低下が止まる。これにより、可動鉄心38の動き始めのタイミングt5 で環流電流の波形が極小点となる。従って、エンジン制御回路65は、環流電流の波形が極小点となるタイミングt5 を検出し、このタイミングt5 で可動鉄心38が動き始めたと判断する。
【0048】
エンジン制御回路65は、可動鉄心38の動き始めのタイミングt5 を検出した時点で、閉側駆動スイッチ56をオフさせて環流電流を遮断する。これにより、残留磁気エネルギによって開側コイル35にフライバック電圧が発生する。
【0049】
開弁状態から閉弁する時には、まず、弁シャフト25と可動鉄心38のプランジャ39が当接した状態で両者が一体に閉弁側(上側)に移動し、バルブ24が弁座23に着座した後は、プランジャ39が弁シャフト25から離れて閉弁側に移動する。従って、閉弁する時には、開弁する時とは異なり、プランジャ39が弁シャフト25と衝突しないため、フライバック電圧の波形に、閉弁する時のような大きな変化は現れない。従って、閉弁する時には、クリアランス46の検出は行わない。
【0050】
クリアランス46の変化は、弁シャフト25の熱膨張量の変化(温度変化)によって生じるものであるから、比較的緩やかな変化となる。従って、内燃機関の吸排気バルブのように、開弁と閉弁を高速で交互に繰り返すシステムでは、開弁時のクリアランス46と、その直後の閉弁時のクリアランス46とは、実質的に同一となるため、開弁時にクリアランス46を検出すれば、その直後の閉弁時のクリアランス46を検出する必要はなく、開弁時のクリアランス46の検出値をそのまま閉弁時のクリアランス46の情報として用いることができる。
【0051】
エンジン制御回路65は、閉弁する時も、開弁する時と同じく、可動鉄心38の動き始めのタイミングt5 に基づいて、マップ又は演算式により閉側コイル33の通電開始タイミングt6 を補正する。そして、この通電開始タイミングt6 で、閉側駆動信号をオンに切り換えて、ハイサイドスイッチ50をオンすると共に、閉側駆動スイッチ56をオンする。これにより、高電圧電源51から高電圧(36V)が閉側コイル33に印加されて、閉側コイル33に比較的大きな初期駆動電流が流され、それによって発生する比較的大きな電磁吸引力で可動鉄心38が閉側コア34に吸着(キャッチ)される。
【0052】
閉弁時も、開弁時と同じく、初期駆動電流の通電時間T2 (ハイサイドスイッチ50のオン時間)をエンジン回転数や吸入空気量等のエンジン運転条件によって設定して、これを直前の開弁駆動時に検出したクリアランス46(t2 −t1 )を用いてマップ又は演算式により補正する。
【0053】
初期駆動電流の通電時間T2 が設定時間に達すると、ハイサイドスイッチ50がオフされ、閉側コイル33への高電圧(36V)の印加が停止される。この後は、定電流スイッチ53のオン/オフが小刻みに繰り返されて、バッテリ54から閉側コイル33にほぼ一定の保持電流が流し続けられ、可動鉄心38が閉側コア34に吸着された状態(閉弁状態)に保持される。
以上説明した閉側/開側コイル33,35の通電制御は、エンジン制御回路65によって図6及び図7に従って実行される。
【0054】
図6は閉弁状態から開弁する時の制御の流れを示すフローチャートである。本プログラムでは、まずステップ101で、開弁タイミングの所定時間前のタイミングt0 になるまで待機し、このタイミングt0 になった時点で、ステップ102に進み、閉側駆動信号をオフに切り換えて、定電流スイッチ53をオフして保持電流の供給(バッテリ電圧の印加)を終了し、閉側コイル33に環流電流を流す。
【0055】
この後、ステップ103で、環流電流の波形が極小点になったか否かで、可動鉄心38が動き始めたか否かを判定し、可動鉄心38が動き始めるまで待機する。そして、環流電流の波形が極小点になった時点t1 で、可動鉄心38が動き始めたと判断し、ステップ104に進んで、この可動鉄心38の動き始めのタイミングt1 をエンジン制御回路65のRAM(図示せず)に記憶する。
【0056】
そして、次のステップ105で、閉側駆動スイッチ56をオフさせて環流電流を遮断し、閉側コイル33にフライバック電圧を発生させる。この後、ステップ106で、フライバック電圧の波形に3回目の変曲点が現れたか否かで、プランジャ39が弁シャフト25に衝突したか否かを判定し、3回目の変曲点が現れるまで待機する。そして、フライバック電圧の波形に3回目の変曲点が現れた時点t2 でプランジャ39が弁シャフト25に衝突したと判断し、ステップ107に進んで、プランジャ39が弁シャフト25に衝突したタイミングt2 をRAMに記憶する。
【0057】
この後、ステップ108で、可動鉄心38が動き始めてからプランジャ39が弁シャフト25に衝突するまでの時間(t2 −t1 )を算出し、この時間(t2 −t1 )からクリアランス46を算出する。そして、次のステップ109で、可動鉄心38の動き始めのタイミングt1 に基づいて、マップ又は演算式により開側コイル35の通電開始タイミングt3 を補正すると共に、開弁駆動時の初期駆動電流の通電時間T1 (ハイサイドスイッチ50のオン時間)を、クリアランス46(t2 −t1 )に応じてマップ又は演算式により補正する。この後、ステップ110で、補正後の通電開始タイミングt3 で開側コイル35への高電圧(36V)の印加を開始し、その後、時間T1 経過後に、高電圧の印加を停止して開側コイル35に保持電流を流して、バルブ24を開弁状態に保持する。
【0058】
図7は開弁状態から閉弁する時の制御の流れを示すフローチャートである。本プログラムでは、ステップ201〜205で、上述した開弁駆動時と同じく、閉弁タイミングの所定時間前のタイミングt4 で、開側コイル35に環流電流を流し、この環流電流の波形が極小点になった時点t5 で、可動鉄心38が動き始めたと判断し、このタイミングt5 をRAMに記憶する。
【0059】
この後は、開弁駆動時とは異なり、クリアランス46の検出を行わずに、ステップ206に進み、可動鉄心38の動き始めのタイミングt5 に基づいて、マップ又は演算式により閉側コイル33の通電開始タイミングt6 を補正すると共に、閉弁駆動時の初期駆動電流の通電時間T2 (ハイサイドスイッチ50のオン時間)を、直前の開弁駆動時に検出したクリアランス46(t2 −t1 )を用いて、マップ又は演算式により補正する。この後、ステップ207で、補正後の通電開始タイミングt6 で閉側コイル33への高電圧(36V)の印加を開始し、その後、時間T2 経過後に、高電圧の印加を停止して閉側コイル33に保持電流を流して、バルブ24を閉弁状態に保持する。
【0060】
以上説明した本実施形態では、開弁タイミングの少し前から閉側コイル33に流す保持電流を終了して環流電流を流し、この環流電流の波形から可動鉄心38の動き始めを検出し、可動鉄心38の動き始めを検出した時点で、環流電流を遮断してフライバック電圧を発生させ、このフライバック電圧の波形からクリアランス46を検出する。この検出方法では、フライバック電圧の波形に可動鉄心38の動き始めによる電圧変化が重畳しないため、クリアランス46が微小であっても、可動鉄心38の動き始めの影響を全く受けずに、フライバック電圧からクリアランスを精度良く検出することができる。これにより、環流電流とフライバック電圧とから可動鉄心38の動き始めとクリアランス46とを分離して精度良く検出できる。
【0061】
しかも、検出した可動鉄心38の動き始めに応じて、通電開始タイミングを補正するようにしたので、可動鉄心38の動き始めのタイミングが残留磁気やフリクション等によって変化しても、それに応じて通電開始タイミングを適正化することができ、キャッチミスを防止することができる。更に、検出したクリアランス46に応じて初期駆動電流の通電時間を補正するようにしたので、弁シャフト25の熱膨張量の変化(温度変化)によってクリアランス46が変化しても、そのクリアランス46の変化の影響を受けない高精度な開弁/閉弁駆動の制御が可能となり、キャッチミス防止、閉弁時のバルブ24の着座時の激突音低減を実現できる。
【0062】
また、可動鉄心38の動き始めが検出されるまでには、環流電流が環流回路の抵抗分で消費されて減少するため、環流電流の遮断により発生するフライバック電圧は、保持電流(環流電流の初期値に相当)の遮断により発生するフライバック電圧と比較してかなり低くなる。このため、駆動スイッチ56,57等のスイッチング素子の耐圧を従来よりも下げることができ、その分、安価なスイッチング素子を用いることができて、コストダウンの要求も満たすことができる。しかも、可動鉄心38の動き始めを検出した時点で、環流電流を遮断するため、環流電流による残留磁気力により可動鉄心38の動きが妨げられることもなく、反対側のコイルが可動鉄心38をキャッチするための電力を少なくすることができ、消費電力も低減できる。
【0063】
尚、検出した可動鉄心38の動き始めに応じて、初期駆動電流の通電時間を補正するようにしても良く、また、検出したクリアランス46に応じて通電開始タイミングを補正するようにしても良く、要は、可動鉄心38の動き始めやクリアランス46に応じて通電開始タイミングや初期駆動電流の通電時間等の駆動条件を補正するようにすれば良い。
【0064】
また、本実施形態では、ハイサイドスイッチ50と定電流スイッチ53を設けて、初期駆動電流の期間と保持電流の期間とで、電源電圧を高電圧電源51とバッテリ54とで切り換えるようにしたが、定電流スイッチ53を省略して、ハイサイドスイッチ50を定電流スイッチとして兼用し、閉側/開側コイル33,35に保持電流を流す際に、ハイサイドスイッチ50のオン/オフを小刻みに繰り返して、高電圧電源51から閉側/開側コイル33,35にほぼ一定の保持電流を流し続けるようにしても良い。また、高電圧電源51の電圧も36Vに限定されず、適宜変更しても良いことは言うまでもない。
【0065】
ところで、図8に示す従来の電磁駆動式吸排気バルブ装置は、閉側/開側コイル16,17の内周側に開側/閉側スプリング18,14を配置しているため、バルブ装置の径方向寸法が大きくなる欠点がある。このため、1気筒当たりのバルブ数が多くなると、バルブ装置の取り付けが困難となり、少ないバルブ数のエンジンにしか取り付けることができない。
【0066】
これに対し、本実施形態では、閉側/開側コイル33,35の軸方向両側に、開側/閉側スプリング43,29を配置しているため、バルブ装置の径方向寸法を小さくすることができ、1気筒当たりのバルブ数が多いエンジンにも取り付けることができる。
【0067】
但し、本発明は、図8の構造のバルブ装置にも適用して実施しても良く、それによって、本発明の目的を十分に達成することができる。
尚、フライバック電圧は、本実施形態のように、閉側/開側コイル33,35のマイナス側で検出することが望ましいが、プラス側で検出するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における電磁駆動式バルブ装置の閉弁時の状態を示す縦断面図
【図2】電磁駆動式バルブ装置の開弁時の状態を示す縦断面図
【図3】駆動制御回路の構成を示す回路図
【図4】電磁駆動式バルブ装置の動作を説明するタイムチャート
【図5】主要部の動作を説明するタイムチャート
【図6】開弁駆動制御プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図7】閉弁駆動制御プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図8】(a)は従来の電磁駆動式バルブ装置の閉弁時の状態を示す縦断面図、(b)は開弁時の状態を示す縦断面図
【図9】従来のフライバック電圧の波形を示す図
【符号の説明】
22…ポート、23…弁座、24…バルブ(弁体)、25…弁シャフト、29…閉側スプリング、33…閉側コイル、34…閉側コア、35…開側コイル、36…開側コア、38…可動鉄心(可動子)、39…プランジャ(可動子)、43…開側スプリング、46…クリアランス、49…駆動制御回路(通電制御手段)、50…ハイサイドスイッチ、51…高電圧電源、53…定電流スイッチ、54…バッテリ、56…閉側駆動スイッチ、57…開側駆動スイッチ、58…閉側検出抵抗(環流電流検出手段)、59…開側検出抵抗(環流電流検出手段)、60,61…差動増幅回路(環流電流検出手段)、62…定電流制御回路、63…フェイル判定回路、65…エンジン制御回路(通電制御手段,動作開始タイミング検出手段,クリアランス検出手段,環流電流発生手段,フライバック電圧発生手段)、67…フライバック電圧検出回路(フライバック電圧検出手段)。

Claims (3)

  1. 弁シャフトを有する弁体と、
    前記弁体を閉弁位置に保持する閉側スプリングと、
    閉弁時に前記弁シャフトの先端からクリアランス分だけ離れた位置に移動し、開弁時に前記弁シャフトを前記閉側スプリングに抗して開弁方向に押して前記弁体を開弁させる可動子と、
    前記可動子を閉弁側に駆動する閉側コイルと、
    前記可動子を開弁側に駆動する開側コイルと、
    閉弁期間中に前記閉側コイルに保持電流を流して前記可動子を閉弁側に保持し、開弁期間中に前記開側コイルに保持電流を流して前記可動子を開弁側に保持する通電制御手段と を備えた電磁駆動式バルブ装置において、
    開弁タイミング及び/又は閉弁タイミングの少し前から前記保持電流を流すための電圧印加を終了して該コイルに環流電流を流す還流電流発生手段と、
    前記環流電流を検出する環流電流検出手段と、
    前記環流電流検出手段により検出した環流電流の波形に基づいて前記可動子の動き始めを検出する動作開始タイミング検出手段と、
    前記動作開始タイミング検出手段により前記可動子の動き始めが検出された時に前記環流電流を遮断して該コイルにフライバック電圧を発生させるフライバック電圧発生手段と、
    前記フライバック電圧を検出するフライバック電圧検出手段と、
    前記フライバック電圧検出手段により検出したフライバック電圧の波形に基づいて前記可動子と前記弁シャフトとのクリアランスを検出するクリアランス検出手段と
    を備えていることを特徴とする電磁駆動式バルブ装置。
  2. 前記クリアランス検出手段は、閉弁状態から開弁する時のみに前記クリアランスを検出することを特徴とする請求項1に記載の電磁駆動式バルブ装置。
  3. 開弁状態から閉弁する時には、前記動作開始タイミング検出手段による前記可動子の動き始めの検出のみを行い、前記クリアランス検出手段による前記クリアランスの検出を行わないことを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁駆動式バルブ装置。
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