JP4227716B2 - エレクトロクロミック素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、調光ガラスなどの透過型素子、自動車等の防眩ミラー、装飾用ミラー等の反射型素子、表示素子などとして有用なエレクトロクロミック素子に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来の調光ガラスなどに使用されるエレクトロクロミック素子(以下、EC素子と略称する)は、例えば、酸化タングステン(WO3)のようなエレクトロクロミック活性物質を、透明導電膜上に真空蒸着法などで成膜し、これを発色剤とし て用いているものが知られている(特開昭63−18336号公報)。
しかしながら、このEC素子は、エレクトロクロミック活性物質の成膜を、真空下で行わなければならないため製造コストが高騰し、大面積のEC素子を得るためには大型の真空装置が必要となる。また、酸化タングステンを用いる場合には青色の発色しか得られないという問題もある。
本発明はこのような実状を鑑みて成されたものであり、その目的は、安価な発色剤を使用し、簡便な方法により製造することが可能で、しかも色調が可変なEC素子を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記したような従来技術の問題点を解決する手段について鋭意研究を重ねた結果、以下のような構成を有するエレクトロクロミック素子がこれらの問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るEC素子は、少なくとも一方が透明である2枚の導電基板間に、イオン伝導層を設けたエレクトロクロミック素子において、前記のイオン伝導層が、カソード性エレクトロクロミック特性を有する構造と、アノード性エレクトロクロミック特性を有する構造を併有する有機化合物を含有することを特徴とする。
さらに詳しく言えば、本発明に係るEC素子は、そのイオン伝導層が、(a)下記の一般式(1)で表されるビピリジニウムイオン対構造と、(b)下記の一般式(2)または(3)で表されるメタロセン構造から選ばれる少なくとも一種を併有する有機化合物を含有していることを特徴とする。
【化3】
Figure 0004227716
(式中、A-およびB-は同一でも異なっていてもよく、それぞれ個別にハロゲンアニオン、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、CH3(C64)SO3 -から選ばれる対アニオンを示す。)
【化4】
Figure 0004227716
(式中、R1およびR2は同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる炭化水素基を示し、R1またはR2がアリール基である場合、母環はシクロペンタジエニル環と結合し環を形成してもよく、mは0≦m≦4の範囲の整数を表し、nは0≦n≦4の範囲の整数を表し、MeはCR、CO、Fe、Mg、Ni、OS、Ru、V、X−Hf−Y、X−MO−Y、X−Nb−Y、X−Ti−Y、X−V−YまたはX−ZR−Yを示す。なお、ここでいうXおよびYは水素、ハロゲンまたは炭素数1〜12のアルキル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。)
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明のEC素子には2枚の導電基板が使用される。ここで導電基板とは電極としての機能を果たす基板を意味する。従って、本発明でいう導電基板には、基板自体を導電性材料で製造したものと、導電性を持たない基板の片面又は両面に電極層を積層させた積層板が包含される。導電性を備えているか否かに拘らず、基板自体は常温において平滑な面を有していることが好ましいが、その面は平面であっても、曲面であっても差し支えなく、応力で変形するものであっても差し支えない。
本発明で使用される2枚の導電基板の一方は透明導電基板であり、他方は透明であっても、不透明であっても差し支えなく、また、光を反射できる反射性導電基板であってもよい。
一般に、2枚の導電基板がいずれも透明である素子は、表示素子や調光ガラスに好適であり、1枚を透明導電基板とし、もう1枚を不透明導電基板としたものは表示素子に好適であり、1枚を透明導電基板とし、もう1枚を反射性導電基板としたものはエレクトロクロミックミラーに適している。
【0005】
透明導電基板は、通常、透明基板上に透明電極層を積層させて製造される。ここで、透明とは可視光領域において10〜100%の光透過率を有することを意味する。
透明基板の材質は特に限定されず、例えば、無色あるいは有色ガラス、強化ガラス等であって差し支えなく、無色あるいは有色の透明性樹脂でもよい。ここでいう透明性樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等が挙げられる。
透明電極層としては、例えば、金、銀、クロム、銅、タングステン等の金属薄膜、金属酸化物からなる導電膜などが使用できる。前記金属酸化物としては、例えば、ITO(In23−SnO2)、酸化錫、酸化銀、酸化亜鉛、酸化バナジウム等が挙げられる。電極層の膜厚は、特に制限されるものではないが、通常10〜500nm、好ましくは50〜300nmの範囲にあり、表面抵抗(抵抗率)は特に制限されるものではないが、通常0.5〜500Ω/cm2、好ましくは1〜50Ω/cm2の範囲にあることが望ましい。透明電極層の形成には、公知の手段を任意に採用することができるが、電極を構成する金属及び/又は金属酸化物等の種類により、採用する手段を選択するのが好ましい。通常は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、ゾルゲル法等が採用される。
透明電極層への酸化還元能の付与、導電性の向上、電気二重層容量の付与などの目的で、透明電極層の表面には部分的に不透明な電極活性物質の層を設けることができる。この電極活性物質としては、例えば、銅、銀、金、白金、鉄、タングステン、チタン、リチウム等の金属、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、フタロシアニンなどの酸化還元能を有する有機物、活性炭、グラファイトなどの炭素材、V25、MnO2、NiO、IR23などの金属酸化物またはこれらの混合物が使用可能である。
電極活性物質の層を透明電極層上に設けるに際しては、透明電極層の透明性が過度に損なわれないように留意する必要がある。従って、例えば、透明なITO層上に、活性炭素繊維、グラファイト、アクリル樹脂等からなる組成物を、細かいストライプ状またはドット状に塗布する方法とか、金の薄膜上に、V25、アセチレンブラック、ブチルゴム等からなる組成物をメッシュ状に塗布する方法が採用される。
透明であることを必要としない導電基板は、上記した透明導電基板に使用される透明基板を、透明でない各種プラスチック、ガラス、木材、石材など素材とする基板に置き換えることで、透明導電基板と同様な方法で製造することができる。
【0006】
本発明で使用可能な反射性導電基板としては、(1)導電性を持たない透明又は不透明な基板上に反射性電極層を積層させた積層体、(2)導電性を持たない透明基板の一方の面に透明電極層を、他方の面に反射層を積層させた積層体、(3)導電性を持たない透明基板上に反射層を、その反射層上に透明電極層を積層させた積層体、(4)反射板を基板とし、これに透明電極層を積層させた積層体、および(5)基板自体が光反射層と電極層の両方の機能を備えた板状体などが例示できる。
本発明でいう反射性電極層とは、鏡面を有し、しかも電極として電気化学的に安定な機能を発揮する薄膜を意味する。そのような薄膜としては、例えば、金、白金、タングステン、タンタル、レニウム、オスミウム、イリジウム、銀、ニッケル、パラジウム等の金属膜や、白金−パラジウム、白金−ロジウム、ステンレス等の合金膜が挙げられる。このような鏡面を備えた薄膜の形成には、任意の方法を採用可能であって、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などを適宜採用することができる。
反射性電極層を設ける基板は透明であるか、不透明であるかを問わない。従って、反射性電極層を設ける基板としては、先に例示した透明基板の他、透明でない各種のプラスチック、ガラス、木材、石材等が使用可能である。
本発明で言う反射板または反射層とは、鏡面を有する基板又は薄膜を意味し、これには、例えば、銀、クロム、アルミニウム、ステンレス、ニッケル−クロム等の板状体又はその薄膜が含まれる。
なお、上記した反射性電極層自体が剛性を備えていれば、基板の使用を省略することができる。
【0007】
導電基板が透明であるか否か、あるいは光反射性であるか否かにかかわらず、本発明で使用する2枚の導電基板の片方または両方には、周縁部に、必要に応じて電極帯を付設することができる。
【0008】
本発明においては、分子内にカソード性エレクトロクロミック特性を示す構造(以下、「カソード性EC構造」と略称する)と、アノード性エレクトロクロミック特性を示す構造(以下、「アノード性EC構造」と略称する)を併有する有機化合物(以下、「化合物(A)」という。)が、エレクトロクロミック活性物質として、EC素子のイオン伝導層に含有せしめられる。
従って、化合物(A)を含有する電解質を有するセル(典型的には、アノード、カソードおよび参照電極を具えた電気化学測定セル)についてサイクリックボルタンメトリーを測定すると、カソード性EC構造に由来する還元ピークおよび酸化ピークと、アノード性EC構造に由来する酸化ピークおよび還元ピークとが観測され、当該電位走引領域内において可視光領域の光学密度の増減が可逆的に観測される。ここでいうサイクリックボルタンメトリーは通常の方法、すなわち、ポテンシオスタットを用いた定電位法による三角波スイープにより行い、スイープ範囲は使用する溶媒および電極の電位窓の範囲内である。また、光学密度の測定に使用する光源は特に制限されるものではないが、通常はタングステンランプ等を用いる。
【0009】
イオン伝導層における化合物(A)の濃度は、特には制限されないが、通常、その下限値は1mM以上、好ましくは5mM以上、さらに好ましくは10mM以上であり、上限値は100mM以下、好ましくは50mM以下、さらに好ましくは40mM以下の値にある。
化合物(A)に含まれるカソード性EC構造およびアノード性EC構造の数は、一分子当りそれぞれ2個以下であることが好ましい。換言すれば、化合物(A)は、一分子中に1個のカソード性EC構造と、1個のアノード性EC構造を含有する有機化合物、一分子中に1個のカソード性EC構造と、2個のアノード性EC構造を含有する有機化合物、一分子中に2個のカソード性EC構造と、1個のアノード性EC構造を含有する有機化合物及び一分子中に2個のカソード性EC構造と、2個のアノード性EC構造を含有する有機化合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上であることが望ましい。
ここでいうカソード性EC構造とは、ビオロゲン化合物誘導体構造、アントラキノン系化合物誘導体構造などのいずれかを意味し、アノード性EC構造とは、ピラゾリン系化合物誘導体構造、メタロセン化合物誘導体構造、フェニレンジアミン化合物誘導体構造、ベンジジン化合物誘導体構造、フェナジン化合物誘導体構造、フェノキサジン化合物誘導体構造、フェノチアジン化合物誘導体構造、テトラチアフルバレン誘導体構造などのいずれかを意味する。
【0010】
本発明において、エレクトロクロミック活性物質として機能する化合物(A)は、好ましくは、下記の一般式(1)で表されるビピリジニウムイオン対構造と、下記の一般式(2)又は(3)で表されるメタロセン構造を含有する。
【化5】
Figure 0004227716
【化6】
Figure 0004227716
一般式(1)において、A-およびB-は同一でも異なっていてもよく、それぞれ個別にハロゲンアニオン、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、CH3(C64)SO3 -から選ばれる対アニオンを示す。ここでいうハロゲンアニオンとしては、F-、Cl-、BR-、I-等が挙げられる。
一般式(2)および(3)において、R1およびR2は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる炭化水素基を示す。アルキル基としてはメチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などが例示され、アリール基としてはフェニル基が代表例として挙げられる。特に、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
なお、R1またはR2はシクロペンタジエニル環と結合し、環を形成してもよいし、互いに異なるシクロペンタジエニル環を架橋する基を形成してもよい。
mは0≦m≦4の範囲の整数を表し、nは0≦n≦4の範囲の整数を表す。mおよびnは0または1であることが好ましく、共に0であることが特に望ましい。
MeはCR、CO、Fe、Mg、Ni、OS、Ru、V、X−Hf−Y、X−MO−Y、X−Nb−Y、X−Ti−Y、X−V−YまたはX−ZR−Yを示し、好ましくはFeである。なお、ここでいうXおよびYは水素、ハロゲンまたは炭素数1〜12のアルキル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0011】
化合物(A)として好ましい有機化合物には、下記の一般式(4)〜(7)で表される化合物が含まれる。
【化7】
Figure 0004227716
一般式(4)〜(7)において、R1、R2、m、n、Me、A-およびB-は、前記一般式(1)〜(3)における定義と同一である。
3およびR4は同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素残基を示す。炭化水素残基の好適な具体例としてはアルキレン等の炭化水素基の他、エステル、エーテル、アミド、チオエーテル、アミン、ウレタン、シリルなどが挙げられる。前記エステルとしては一般式-R-COO-R-または-R-OCO-R-(Rは炭素数1〜8のアルキレン)で表されるものが挙げられ、具体的には-C48-COO-C24-、-C48-OCO-C24-、-C48-COO-C48-、-C48-OCO-C48-が挙げられる。エーテルとしては一般式-R-O-R-(Rは炭素数1〜10のアルキレン)で表されるものが挙げられ、具体的には-C48-O-C24-、-C48-O-C48-が挙げられる。アミドとしては一般式-R-CONH-R-または-R-NHCO-R-(Rは炭素数1〜8のアルキレン)で表されるものが挙げられ、具体的には-C48-CONH-C24-、-C48-NHCO-C24-、-C48-CONH-C48-、-C48-NHCO-C48-が挙げられる。チオエーテルとしては一般式-R-S-R-(Rは炭素数1〜10のアルキレン)で表されるものが挙げられ、具体的には-C48-S-C24-、-C48-S-C48-が挙げられる。アミンとしては一般式-R-NH-R-(Rは炭素数1〜10のアルキレン)で表されるもの、一般式−R−NH−Ph−基(R:炭素数1〜10のアルキレン、Ph:炭素数6〜12のアリーレン基や置換アリーレン基を各々示す)が挙げられ、具体的には-C48-NH-C24-、-C48-NH-C48-が挙げられる。ウレタンとしては一般式-R-OCONH-R-または-R-NHCOO-R-(Rは炭素数1〜8のアルキレン)で表されるものが挙げられ、具体的には-C48-OCONH-C24-、-C48-NHCOO-C24-、-C48-OCONH-C48-、-C48-ONHCO-C48-が挙げられる。シリルとしては一般式-R-Si(R')2-R-(Rは炭素数1〜8のアルキレン。R'はメチル基またはエチル基。)で表されるものが挙げられ、具体的には-C48-Si(CH3)2-C24-、C48- Si(CH3)2-C48-、-C48-Si(C25)2-C24-、-C48- Si(C25)2-C48-、などが挙げられる。
5は炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基およびアラルキル基に例示される炭化水素基、炭素数4〜20、好ましくは4〜10の複素環芳香族基、該炭化水素基または複素環芳香族基の水素の一部が置換基により置換された置換炭化水素残基または置換複素環芳香族置換基、炭素数4〜20、好ましくは4〜10の複素環芳香族基を示す。
アルキル基としてはメチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基が例示され、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基などが例示され、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが例示され、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基が例示され、アラルキル基としては、ベンジル基、フェニルプロピル基が例示され、複素環芳香族基としては、2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジル基、イソキノリン基が例示される。
置換炭化水素残基または置換複素環芳香族基における置換基としては、炭素数1〜10、好ましくは1〜5のアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ハロゲン、シアノ基(−CN基)、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が例示され、
アルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基が、アシル基としてはアセチル基などが、ハロゲンとしてはCl、Fなどが例示され、置換炭化水残基としては、メトキシフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、メトキシクロロフェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、メトキシナフチル基などが代表例として挙げられる。
【0012】
一般式(4)〜(7)で表される化合物の具体例を例示すれば、次の通りである。
【化8】
Figure 0004227716
【化9】
Figure 0004227716
【化10】
Figure 0004227716
【化11】
Figure 0004227716
【化12】
Figure 0004227716
【化13】
Figure 0004227716
【0013】
一般に、EC素子におけるイオン伝導層は、室温において1×10-7S/cm以上のイオン伝導度を有し、上記したエレクトロクロミック活性物質を着色、消色、変色させる役割を果たす。こうしたイオン伝導層は、液系イオン伝導性物質、ゲル化液系イオン伝導性物質あるいは固体系イオン伝導性物質のいずれかを用いて形成することができるが、特に固体系イオン伝導性物質を使用することが望ましく、これによって本発明のEC素子を実用性に富んだ種々の固体型EC素子することができる。
液系イオン伝導性物質
液系イオン導電性物質は、塩類、酸類、アルカリ類等の支持電解質を溶媒に溶解して調製される。
溶媒としては、電気化学セルや電池に一般に使用される溶媒が、いずれも使用可能である。具体的には、水、無水酢酸、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、トリメチルホスフェイト、ポリエチレングリコール等が使用可能であって、特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジオキソラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、トリメチルホスフェイト、ポリエチレングリコール等が好ましい。溶媒はその1種を単独で使用でき、また2種以上を混合しても使用できる。
溶媒の使用量は特に制限はないが、通常、溶媒はイオン伝導層の20重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上を占め、その上限値は98重量%、好ましくは95重量%、さらに好ましくは90重量%の値にある。
支持電解質としては、電気化学の分野又は電池の分野で通常使用される塩類、酸類、アルカリ類が使用できる。
【0014】
塩類としては、特に制限はなく、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩;4級アンモニウム塩;環状4級アンモニウム塩;4級ホスホニウム塩などが使用できる。
塩類の具体例としては、LiClO4、LiSCN、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiPF6、LiI、NaI、NaSCN、NaClO4、NaBF4、NaAsF6、KSCN、KCl等のアルカリ金属塩;(CH34NBF4、(C254NBF4、(n−C494NBF4、(C254NBr、(C254NClO4、(n−C494NClO4、CH3(C253NBF4、(CH32(C252NBF4、さらには
【化14】
Figure 0004227716
等の4級アンモニウム塩;(CH34PBF4、(C254PBF4、(C374PBF4、(C494PBF4等のホスホニウム塩またはこれらの混合物が好適なものとして挙げられる。
酸類も特に限定されず、無機酸、有機酸などが、具体的には硫酸、塩酸、リン酸類、スルホン酸類、カルボン酸類などが使用できる。
アルカリ類も特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがいずれも使用可能である。
支持電解質は、未使用のケースを含め、その使用量は任意であるが、一般的には、支持電解質はイオン伝導層中にその上限値としては20M以下、好ましくは10M以下、さらに好ましくは5M以下の値にあり、下限値としては通常0.01M以上、好ましくは0.05M以上、さらに好ましくは0.1M以上存在していることが望ましい。
【0015】
ゲル化液系イオン伝導性物質
ゲル化液系イオン伝導性物質は、上記した液系イオン伝導性物質を増粘又はゲル化させた物質を意味し、このものは液系イオン伝導性物質にさらにポリマー又はゲル化剤を配合して調製される。
これに使用されるポリマーは、特に限定されず、例えば、ポリアクリロニトリル、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンオキサイド、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリアクリルアミド、セルロース、ポリエステル、ポリプロピレンオキサイド、ナフィオンなどが使用できる。
ゲル化剤も特には限定されず、オキシエチレンメタクリレート、オキシエチレンアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリルアミド、寒天、などが使用できる。
【0016】
固体系イオン伝導性物質
固体系イオン伝導性物質は、室温で固体であり、かつイオン伝導性を有する物質を指し、これには、ポリエチレンオキサイド、オキシエチレンメタクリレートのポリマー、ナフィオン、ポリスチレンスルホン酸、Li3N、Na-β-Al23、Sn(HPO42・H2O等を使用することができる。このほか、オキシアルキレンメタクリレート系化合物、オキシアルキレンアクリレート系化合物またはウレタンアクリレート系化合物を重合することによって得られる高分子化合物に、支持電解質を分散させた高分子固体電解質が使用可能である。
本発明が推奨する高分子固体電解質の第1の例は、下記の一般式(8)で表されるウレタンアクリレートと、上記した有機極性溶媒及び支持電解質(任意成分)を含有する組成物を、固化させて得られる高分子固体電解質である。
なお、高分子固体電解質に関していう固化とは、重合性または架橋性成分が重合(重縮合)反応又は架橋反応によって硬化し、組成物全体が常温で実質的に流動しない状態になることを指す。この固化によって重合性または架橋性成分は3次元網目構造(ネットワーク)を形成する。
【化15】
Figure 0004227716
(式中、R6およびR7は同一または異なる基であって、一般式(11)〜(13)で表される基から選ばれる基を示す。R8およびR9は同一または異なる基であって、炭素数1〜20、好ましくは2〜12の2価炭化水素残基を示す。Yはポリエーテル単位、ポリエステル単位、ポリカーボネート単位またはこれらの混合単位を示す。またaは1〜100、好ましくは1〜50、さらに好ましくは1〜20の範囲の整数である。)
【化16】
Figure 0004227716
一般式(9)〜(11)において、R10〜R12は同一または異なる基であって、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。またR13は炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜8の2〜4価の有機残基を示す。この有機残基としては、具体的には、アルキルトリイル基、アルキルテトライル基、下記の一般式(12)で示されるアルキレン基等の炭化水素残基などが挙げられる。
【化17】
Figure 0004227716
一般式(12)において、R14は炭素数1〜3のアルキル基または水素を示し、bは0〜6の整数である。bが2以上の場合、R14は同一でも異なっても良い。
一般式(12)中の水素原子は、その一部が炭素数1〜6、好ましくは1〜3のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基などの含酸素炭化水素基により置換されている基でもよい。
一般式(9)〜(11)におけるR10の具体例としては、メチレン基、テトラメチレン基、1−メチル−エチレン基、1,2,3−プロパントリイル基、ネオペンタントリイル基等を好ましく挙げることができる。
【0017】
一般式(8)のR8及びR9で示される2価の炭化水素残基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基などが挙げられるが、脂肪族炭化水素基としては、先の一般式(12)で表されるアルキレン基等を挙げることができる。
また、2価の芳香族炭化水素基および2価の脂環式炭化水素基としては、下記一般式(13)〜(15)で表される炭化水素基等が挙げられる。
【化18】
Figure 0004227716
一般式(13)〜(15)において、R15及びR16は同一または異なる基であって、フェニレン基、置換フェニレン基(アルキル置換フェニレン基等)、シクロアルキレン基、置換シクロアルキレン基(アルキル置換シクロアルキレン基等)を示す。R17〜R20は同一または異なる基であって、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。また、cは1〜5の整数である。
一般式(8)におけるR8およびR9の具体例としては、以下に示す2価の基が挙げられる。
【化19】
Figure 0004227716
【0018】
一般式(8)におけるYはポリエーテル単位、ポリエステル単位およびポリカーボネート単位またはこれらの混合単位を示すが、このポリエーテル単位、ポリエステル単位、ポリカーボネート単位及びこれらの混合単位としては、それぞれ下記の一般式(a)〜(d)で示される単位を挙げることができる。
【化20】
Figure 0004227716
一般式(a)〜(d)において、R21〜R26は同一または異なる基であって、炭素数1〜20、好ましくは2〜12の2価の炭化水素残基を示す。R21〜R26は、直鎖または分岐のアルキレン基などが好ましい。具体的には、R23はメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、プロピレン基等であることが好ましく、R21〜R22およびR24〜R26はエチレン基、プロピレン基等であることが好ましい。c'は2〜300、好ましくは10〜200の整数である。d'は1〜300、好ましくは2〜200の整数、e'は1〜200、好ましくは2〜100の整数、e''は1〜200、好ましくは2〜100の整数、f'は1〜300、好ましくは10〜200の整数である。
一般式(a)〜(d)において、各単位は同一でも、異なる単位の共重合でも良い。即ち、複数のR21〜R26が存在する場合、R21同志、R22同志、R20同志、R21同志、R22同志およびR23同志は同一でも異なっても良い。
一般式(8)で表されるウレタンアクリレートの分子量は、通常、重量平均分子量で2,500〜30,000、好ましくは3,000〜20,000の範囲にあり、1分子中の重合官能基数は、好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4の範囲にある。一般式(8)で表されるウレタンアクリレートは、公知の方法により容易に製造することができ、その製法は特に限定されるものではない。
一般式(8)で表されるウレタンアクリレートを含有する高分子固体電解質は、このウレタンアクリレートに、前記液系イオン伝導性物質で説明した溶媒と支持電解質を混合したものを前駆体組成物とし、係る組成物を固化することにより調製されるが、溶媒の添加量はウレタンアクリレート100重量部当たり、通常100〜1200重量部、好ましくは200〜900重量部の範囲で選ばれる。溶媒の添加量が少なすぎると、最終的に得られる高分子固体電解質のイオン伝導度が不足し、多すぎると固体電解質の機械的強度が低下する恐れがある。支持電解質の添加量は、未添加の場合も含め特に限定されないが、その上限値は、溶媒添加量の通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下であり、下限値は、0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上が好ましい。
ウレタンアクリレートを含有する高分子固体電解質には、必要に応じて架橋剤や重合開始剤を添加することができる。
【0019】
本発明が推奨する高分子固体電解質の第2の例は、アクリロイル変性またはメタクリロイル変性されたポリアルキレンオキシド(以下、この両者を変性ポリアルキレンオキシドと総称する)と、溶媒と、支持電解質(任意成分)を含有する組成物を固化させて得られる高分子固体電解質である。
変性ポリアルキレンオキシドには、単官能変性ポリアルキレンオキシド、2官能変性ポリアルキレンオキシド、3官能以上の多官能変性ポリアルキレンオキシドが包含される。これらの各変性ポリアルキレンオキシドは単独で用いても混合して用いてもよく、特に、単官能変性ポリアルキレンオキシドを必須とし、これに2官能変性ポリアルキレンオキシドおよび/または多官能変性ポリアルキレンオキシドを混合使用することが好ましい。とりわけ、単官能変性ポリアルキレンオキシドと2官能変性ポリアルキレンオキシドを混合して使用することが好ましい。混合使用する場合の混合比率は任意に選ぶことができるが、単官能変性ポリアルキレンオキシド100重量部に対して、2官能変性ポリアルキレンオキシドおよび/または多官能変性ポリアルキレンオキシドを、合計量で0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲で選ばれる。
【0020】
単官能変性ポリアルキレンオキシドは下記の一般式(16)で表される。
【化21】
Figure 0004227716
(式中、R27、R28、R29およびR30は、それぞれ個別に水素または1〜5の炭素原子を有するアルキル基を示し、g'は1以上の整数である。)
一般式(16)において、R27、R28、R29およびR30のアルキル基としては、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられ、互いに同一でも異なってもよく、特にR27は水素、メチル基、R28は水素、メチル基、R29は水素、メチル基、R30は水素、メチル基、エチル基であることがそれぞれ好ましい。
一般式(16)のg'は、1以上の整数、通常1≦g'≦100、好ましくは2≦g'≦50、さらに好ましくは2≦g'≦30の範囲の整数である。
一般式(16)で表される化合物の具体例としては、オキシアルキレンユニットを1〜100、好ましくは2〜50、さらに好ましくは2〜20の範囲で持つメトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート、エトキシポリエチレングリコールメタクリレート、エトキシポリプロピレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、エトキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシポリプロピレングリコールアクリレート、またはこれらの混合物等を挙げることができ、これらの中でも特にメトキシポリエチレングリコールメタクリレートおよびメトキシポリエチレングリコールアクリレートが好ましく用いられる。
一般式(16)のg'が2以上の場合、オキシアルキレンユニットは互いに異なるいわゆる共重合オキシアルキレンユニットを持つものでもよく、その重合形態は交互共重合、ブロック共重合またはランダム共重合のいずれでもよい。その具体例としては、例えば、オキシエチレンユニットを1〜50、好ましくは1〜20の範囲で持ち、かつオキシプロピレンユニットを1〜50、好ましくは1〜20の範囲で持つ交互共重合体、ブロック共重合体またはランダム共重合体であるところの、メトキシポリ(エチレン・プロピレン)グリコールメタクリレート、エトキシポリ(エチレン・プロピレン)グリコールメタクリレート、メトキシポリ(エチレン・プロピレン)グリコールアクリレート、エトキシポリ(エチレン・プロピレン)グリコールアクリレート、またはこれらの混合物などが挙げられる。
【0021】
2官能変性ポリアルキレンオキシドは、下記の一般式(17)で表され、3官能以上の多官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドは、下記の一般式(18)で表される。
【化22】
Figure 0004227716
(式中、R31、R32、R33およびR34は、それぞれ個別に水素または1〜5の炭素原子を有するアルキル基を示し、h'は1以上の整数である。)
【化23】
Figure 0004227716
(式中、R35、R36およびR37は、それぞれ個別に水素または1〜5の炭素原子を有するアルキル基であり、i’は1以上の整数であり、j'は2〜4の整数であり、Lはj'価の連結基を示す。)
一般式(17)において、式中のR31、R32、R33およびR34は、それぞれ個別に水素または1〜5の炭素原子を有するアルキル基を示すが、このアルキル基としては、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。特に、R31は水素、メチル基、R32は水素、メチル基、R33は水素、メチル基、R34は水素、メチル基であることがそれぞれ好ましい。
また、一般式(18)中のh'は、1以上の整数、通常1≦h'≦100、好ましくは2≦h'≦50、さらに好ましくは2≦h'≦30の範囲の整数であるが、そうした化合物の具体例は、オキシアルキレンユニットを1〜100、好ましくは2〜50、さらに好ましくは1〜20の範囲で持つポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、またはこれらの混合物等を挙げることができる。
また、h'が2以上の場合、オキシアルキレンユニットが互いに異なるいわゆる共重合オキシアルキレンユニットを持つものでもよく、その重合形態は交互共重合、ブロック共重合またはランダム共重合のいずれでもよい。その例としては、例えば、オキシエチレンユニットを1〜50、好ましくは1〜20の範囲で持ち、かつオキシプロピレンユニットを1〜50、好ましくは1〜20の範囲で持つ交互共重合体、ブロック共重合体またはランダム共重合体であるところの、ポリ(エチレン・プロピレン)グリコールジメタクリレート、ポリ(エチレン・プロピレン)グリコールジアクリレート、またはこれらの混合物などが挙げられる。
一般式(18)におけるR35、R36およびR37は、それぞれ個別に水素または1〜5の炭素原子を有するアルキル基であるが、このアルキル基としては、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。特にR35、R36およびR37は水素またはメチル基が好ましい。
また、式中のi'は1以上の整数、通常1≦i'≦100、好ましくは2≦i'≦50さらに好ましくは2≦i'≦30の範囲の整数を示すものである。
j'は連結基Lの連結数であり、2≦j'≦4の整数である。
連結基Lとしては、通常、炭素数1〜30、好ましくは1〜20の二価、三価または四価の炭化水素基である。二価炭化水素基としては、アルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、またはこれらを基本骨格として有する炭化水素基などが挙げられ、具体的にはメチレン基、エチレン基、
【化24】
Figure 0004227716
などが挙げられる。また、三価の炭化水素基としては、アルキルトリイル基、アリールトリイル基、アリールアルキルトリイル基、アルキルアリールトリイル基、またはこれらを基本骨格として有する炭化水素基などが挙げられ、具体的には
【化25】
Figure 0004227716
などが挙げられる。また、四価の炭化水素基としては、アルキルテトライル基、アリールテトライル基、アリールアルキルテトライル基、アルキルアリールテトライル基、またはこれらを基本骨格として有する炭化水素基などが挙げられ、具体的には
【化26】
Figure 0004227716
等が挙げられる。
【0022】
こうした化合物の具体例としては、オキシアルキレンユニットを1〜100、好ましくは2〜50、さらに好ましくは1〜20の範囲で持つトリメチロールプロパントリ(ポリエチレングリコールアクリレート)、トリメチロールプロパントリ(ポリエチレングリコールメタクリレート)、トリメチロールプロパントリ(ポリプロピレングリコールアクリレート)、トリメチロールプロパントリ(ポリプロピレングリコールメタクリレート)、テトラメチロールメタンテトラ(ポリエチレングリコールアクリレート)、テトラメチロールメタンテトラ(ポリエチレングリコールメタクリレート)、テトラメチロールメタンテトラ(ポリプロピレングリコールアクリレート)、テトラメチロールメタンテトラ(ポリプロピレングリコールメタクリレート)、2,2−ビス[4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシポリイソプロポキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリイソプロポキシ)フェニル]プロパン、またはこれらの混合物等を挙げることができる。
また、一般式(18)のi'が2以上の場合、オキシアルキレンユニットが互いに異なるいわゆる共重合オキシアルキレンユニットを持つものでもよく、その重合形態は、交互共重合、ブロック共重合、ランダム共重合のいずれであってもよい。オキシエチレンユニットを1〜50、好ましくは1〜20の範囲で持ち、かつオキシプロピレンユニットを1〜50、好ましくは1〜20の範囲で持つ交互共重合体、ブロック共重合体またはランダム共重合体であるところの、トリメチロールプロパントリ(ポリ(エチレン・プロピレン)グリコールアクリレート)、トリメチロールプロパントリ(ポリ(エチレン・プロピレン)グリコールメタクリレート)、テトラメチロールメタンテトラ(ポリ(エチレン・プロピレン)グリコールアクリレート)、テトラメチロールメタンテトラ(ポリ(エチレン・プロピレン)グリコールメタクリレート)、またはこれらの混合物などがその具体例である。
【0023】
一般式(17)で表される2官能変性ポリアルキレンオキシドと、一般式(18)で表される3官能以上の多官能変性ポリアルキレンオキシドを併用してもよい。併用する場合の重量比は、通常、0.01/99.9〜99.9/0.01、好ましくは1/99〜99/1、さらに好ましくは20/80〜80/20の範囲が望ましい。
上記した変性ポリアルキレンオキシドを含有する高分子固体電解質は、変性ポリアルキレンオキシドに、前記液系イオン伝導性物質で説明した溶媒と支持電解質を混合したものを前駆体組成物とし、係る組成物を固化することにより調製されるが、溶媒の添加量は変性ポリアルキレンオキシド全量の50〜800重量%、好ましくは100〜500重量%の範囲で選ばれる。また、支持電解質の添加量は、未添加の場合も含め特に限定されないが、その上限値は、変性ポリアルキレンオキシド全量と溶媒の合計量の30重量%以下、好ましくは20重量%以下であり、その下限値は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは3重量%以上が望ましい。
変性ポリアルキレンオキシドを含有する高分子固体電解質には、必要に応じて架橋剤や重合開始剤を添加することができる。
【0024】
高分子電解質に添加可能な架橋剤としては、2つ以上の官能基を有するアクリレート系架橋剤が好ましい。その具体例としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート等が挙げられる。これらは使用に際して、単独若しくは混合物として用いることができる。
架橋剤の使用量は、高分子固体電解質に含まれる重合性のウレタンアクリレートまたは変性ポリアルキレンオキシド100モル%に対し、0.01モル%以上、好ましくは0.01モル%以上であり、その上限値は10モル%、好ましくは5モル%である。
【0025】
高分子固体電解質に添加可能な重合開始剤は、光重合開始剤と熱重合開始剤に大別される。
光重合開始剤の種類は特に限定されず、ベンゾイン系、アセトフェノン系、ベンジルケタール系、アシルホスフィンオキサイド系等の公知のものを用いることができる。具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、ベンゾイル、2−メチルベンゾイン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、トリフェニルホスフィン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンゾイン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が、単独で若しくは混合物として使用できる。
熱重合開始剤の種類も特には限定されない。過酸化物系重合開始剤またはアゾ系重合開始剤等の公知のものを用いることができる。具体的には、過酸化物系重合開始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等が挙げられ、アゾ系としては、例えば2,2’−アゾビス(2−イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等を、単独で若しくは混合物として用いることができる。
重合開始剤の使用量は、高分子固体電解質に含まれる重合性のウレタンアクリレートまたは変性ポリアルキレンオキシド100重量部に対して0.1重量部以上、好ましくは0.5重量部以上であり、その上限値は10重量部、好ましくは5重量部以下である。
【0026】
高分子固体電解質の固化は、重合性のウレタンアクリレートまたは変性ポリアルキレンオキシドを光硬化または熱硬化させることによって達成される。
光硬化は、好ましくは光重合開始剤を含有する高分子固体電解質に、遠紫外光、紫外光、可視光等を照射することによって進行する。光源としては、高圧水銀灯、蛍光灯、キセノン灯等を使用することができる。光照射量は特に限定されないが、通常は100mJ/cm2以上、好ましくは1000mJ/cm2以上であり、その上限値は50000mJ/cm2、好ましくは20000mJ/cm2であることが好ましい。
熱硬化は、好ましくは熱重合開始剤をする高分子固体電解質を、通常0℃以上、好ましくは20℃以上に加熱することによって進行する。加熱温度は130℃以下、好ましくは80℃以下であることが望ましい。硬化時間は、通常、30分間以上、好ましくは1時間以上であり、かつ100時間以下、好ましくは40時間以下であることが望ましい。
前述の通り、本発明のイオン伝導層は、前記化合物(A)を含有するものであるが、その製法や形態は特に限定されない。例えば、液系イオン伝導性物質の場合は前記化合物(A)を伝導性物質中に適宜分散または溶解すればよく、ゲル化液系イオン伝導性物質の場合は、その前駆体段階から前記化合物(A)を混合し、最終的に当該化合物が適宜分散または溶解している形態が例示できる。また、固体系イオン伝導性物質層としては、未硬化状態にある固体電解質の段階で予め前記化合物(A)を混合し、しかる後固化することにより当該化合物が適宜分散または溶解している形態が挙げられ、また典型的には、高分子固体電解質の場合、同様に未硬化状態にある固体電解質、即ち、前述の高分子固体電解質前駆体組成物に前記化合物(A)を混合し、係る組成物を硬化することにより前記化合物が分散または溶解された高分子固体電解質の形態が挙げられる。
【0027】
イオン伝導層を構成するイオン伝導性物質が、液系であるか、ゲル化液系であるか、あるいは固体系であるかに拘らず、化合物Aを含有する本発明のイオン伝導層には、紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、サリシレート系化合物、シアノアクリレート系化合物、蓚酸アニリド系化合物等が挙げられ、これらの中でも特にベンゾトリアゾール系化合物およびベンゾフェノン系化合物を好適に用いることができる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、下記の一般式(19)で表される化合物が好適に挙げられる。
【化27】
Figure 0004227716
式中、R38は、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基を示す。ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等が例示でき、特に水素原子および塩素原子が好ましい。R38の置換位置としては、ベンゾトリアゾール骨格の4位または5位であるが、ハロゲン原子およびアルキル基の場合は通常5位に位置する。R39は、水素原子または炭素数1〜10、好ましくは1〜6の炭化水素基を示す。炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1,1−ジメチルベンジル基等が例示でき、特にt−ブチル基、t−アミル基および1,1−ジメチルベンジル基が好ましい。R40は、炭素数2〜10、好ましくは2〜4のアルキルカルボン酸基、またはアルキリデンカルボン酸基を示す。アルキル基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等が、アルキリデン基としては、エチリデン基、プロピリデン基等が挙げられる。また他のR40としてはt−ブチル基、t−アミル基、1,1,3,3,−テトラメチルブチル基等のアルキル基、プロパン酸オクチルエステル等のアルカン酸アルキルエステル、1,1−ジメチルベンジル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。
このようなベンゾトリアゾール系化合物としては、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンエタン酸、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシベンゼンエタン酸、3−(5−メチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸、イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート、2−(5’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−5’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミル−フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−ジメチルベンジル−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロパン酸オクチルエステル、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−n−プロパノール等が挙げられ、これらの中でも3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロパン酸オクチルエステル、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−n−プロパノールが特に好ましく用いられる
【0028】
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、下記の一般式(20)〜(23)で示される化合物が挙げられる。
【化28】
Figure 0004227716
式中、R41は共有結合、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等を示し、R42およびR43は、同一もしくは異なる基であって、ヒドロキシル基、炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基またはアルコキシ基を示す。また−R45−COOH基は無くても構わない。g、kは0≦g≦3、0≦k≦3の範囲の整数を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、ブトキシ基等が例示される。R41は、炭素数1〜10、好ましくは1〜3のアルキレン基またはアルキリデン基を示す。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等が、アルキリデン基としては、エチリデン基、プロピリデン基等が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−カルボン酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−カルボン酸、4−(2−ヒドロキシベンゾイル)−3−ヒドロキシベンゼンプロパン酸、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等が好適に挙げられ、この中でも2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンが好ましく用いられる。
【0029】
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。
サリシレート系紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等を挙げることができる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3,ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3,−ジフェニルアクリレート等を挙げることができる。
蓚酸アニリド系紫外線吸収剤としては2−エトキシ−2’−エチル−オキサリック酸ビスアニリド等を挙げることができる。
イオン伝導層中に紫外線吸収剤を含有させる場合、使用する紫外線吸収剤の種類を問わず、イオン伝導層中に存在する紫外線吸収剤の量は下限値で0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上であり、その上限値は20重量%、好ましくは10重量%である。
【0030】
本発明に係るEC素子は任意の方法で製造することができる。例えば、使用するイオン伝導性物質が液系またはゲル化液系である場合は、2枚の導電基板を適当な間隔で対向させ、周縁部をシールした対向導電基板の間に、化合物(A)が分散されているイオン伝導性物質を、真空注入法、大気注入法、メニスカス法等によって注入し、しかる後、注入口を封鎖する方法で本発明のEC素子を製造することができる。また、使用するイオン伝導性物質の種類によっては、スパッタリング法、蒸着法、ゾルゲル法などによって一方の導電基板上に、化合物(A)を含有するイオン伝導層を形成させた後、他方の導電基板を合わせる方法や、あるいは化合物Aを含有するイオン伝導性物質を予めフィルム状に成形し、合わせ板ガラスの製造する要領で本発明のEC素子を製造することもできる。
使用するイオン伝導性物質が固体系である場合、とりわけ、ウレタンアクリレートまたは変性アルキレンオキシドを含有する高分子固体電解質を使用する場合は、化合物(A)を含有して未固化状態にある高分子固体電解質前駆体を、周縁部がシールされた対向導電基板の間に、真空注入法、大気注入法、メニスカス法等によって注入し、注入口を封鎖後、適当な手段で高分子固体電解質を固化させて固体電解質を得るこことにより本発明のEC素子を得ることができる。
本発明に係るEC素子のイオン伝導層は、通常、室温で1×10-7S/cm以上、好ましくは1×10-6S/cm以上、さらに好ましくは1×10-5S/cm以上のイオン伝導度を示すことが望ましい。また、イオン伝導層の厚さは、通常、1μm以上、好ましくは10μm以上であって、しかも3mm以下、好ましくは1mm以下であることが望ましい。
【0031】
本発明に係るEC素子の基本構成を、図面にそって次に説明する。
図1に示すEC素子は、透明基板1とその表面に積層させた透明電極層2からなる透明導電基板と、透明又は不透明な基板5とその表面に積層させた透明、不透明または反射性電極層4からなる導電基板との間に、化合物(A)が分散しているイオン伝導層3を挟持させた構造にある。
図2は表示素子や調光ガラスの構成例を示す。透明基板1の一方の面に透明電極層2を形成した透明導電基板2枚を、両基板の透明電極層が向き合うよう適宜な間隔で対向させ、この間に化合物(A)が分散しているイオン伝導層3を挟持させた構造にある。
図3はエレクトロクロミックミラーの構成例を示す。透明基板1の一方の面に透明電極層2を形成した透明導電基板と、透明基板1の一方の面に透明電極層2を、他方の面に反射層7を形成した反射性導電基板とを、両基板の透明電極層が向き合うよう、適宜な間隔で対向させ、この間に化合物(A)が分散しているイオン伝導層3を挟持させた構造にある。
図1〜図3に示すEC素子は、任意の方法で製造することができる。例えば、図1に示す構成のEC素子の場合、透明基板1上に前述の方法により透明電極層2を形成し、さらに、その一辺の周縁部に電極帯8を付設して積層板Aを調製する。別に、基板5上に前述の方法により透明、不透明または反射性電極層4を形成し、さらに、その一辺の周縁部に電極帯8を付設して積層板Bを得る。続いて、積層板Aと積層板Bを1〜1000μm程度の間隔で対向させ、注入口を除いた周囲をシール材6でシールし、注入口付きの空セルを作成する。そして、イオン伝導層の組成物を前述の方法で注入し、またはこの後所望により硬化することによりイオン伝導層3を形成することによりEC素子を得ることができる。
前記積層板AとBを対向させる際、間隔を一定に確保するために、例えば、スペーサーを用いることができる。スペーサーとしては特に限定されないが、ガラス、ポリマー等で構成されるビーズまたはシートを用いることができる。スペーサーは、対向する導電基板の周辺部または全面の間隙に挿入したり、導電基板の電極上に樹脂等の絶縁物で構成される突起状物を形成する方法等より設けることができる。
また、他の方法としては、透明基板1上に前述の方法により透明電極層2、電極帯8、イオン伝導層3を、記載順に順次形成して積層体A’を得る。別に、基板5上に前述の方法により透明、不透明または反射性電極層4と電極帯8を形成して積層体B’を得る。ついで、積層体A’のイオン伝導層と、積層体B’の反射性電極層とが密着するように、両積層体を1〜1000μm程度の間隔で対向させ、周囲をシール材6でシールする方法が挙げられる。
図2に示す構成のエレクトロクロミック調光ガラスの場合は、透明基板1の一方の面に透明電極層2を形成させた透明導電基板2枚を調製し、図3に示すエレクロトクロミックミラーの場合は、透明基板1の一方の面に透明電極層2と電極帯8を形成した透明導電基板と、透明基板1の一方の面に透明電極層2と電極帯8を、他方の面に反射層7を形成した反射性導電基板とを調製し、以後は図1に示す構成の素子の場合と同様の手順で、それぞれの素子を得ることができる。
また、図示していないが、前記電極層や前記電極帯には、エレクトロクロミック素子に電圧を印可するためのリード線が接続される。リード線は、電極層や電極帯に直接接続されていてもよいし、クリップ状の部材(電極層や電極帯に接するように導電基板を挟持する金属等の高導電部材)を介し、リード線を接続してもよい。クリップ状の部材の大きさは特に限定されなく、クリップ部分の長さの上限値は、基板の任意の辺の長さが一般的である。
【0032】
本発明のEC素子の代表的な構成例については、図1〜3に示されているとおりであるが、本発明のEC素子には、必要に応じて、紫外線反射層や紫外線吸収層などの紫外線カット層、ミラーの場合はミラー層全体もしくは各膜層の表面保護を目的とするオーバーコート層などを任意に付加することができる。前記紫外線カット層は、透明基板1の外界側もしくは透明電極層側、オーバーコート層としては、透明基板1の外界側や反射層7の外界側などに設置することが好適な態様として挙げられる。
本発明の素子は、表示素子、調光ガラス、自動車等の防眩ミラー、あるいは屋内で使用される装飾用ミラーなどのエレクトロクロミックミラーなどに好適に使用することができる。また、本発明のEC素子は、基本特性に優れるていることに加えて、特に着消色応答性に優れている。そして、本発明のEC素子は、従来のものより低い電圧で駆動することができるなどの特長を有する。
本発明のEC素子を表示素子として使用する場合、用途としては、駅、空港、地下街、オフィスビル、学校、病院、銀行、その他公共施設における情報表示、モニュメント、店舗内の情報表示(売り場案内、価格表示、チケット予約状況など)、その他機器類の表示(大型電子ブック、ゲーム機、電子時計、電子カレンダー)などが挙げられる。
この場合、単色の素子を用いてモノクロの表示にすることもできるし、数種類の色の素子を任意に並べてカラー表示にすることもできる。また、カラーフィルターと光源の間に本素子を配置し、本素子の着消色機能をシャッター機能として用いてカラー表示にすることもできる。
【0033】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらになんら制限されるものではない。
実施例1
ITO被覆された透明ガラス基板の周辺部に、溶液注入口の部分を除いてエポキシ系接着剤を線状に塗布し、この上に、同じくITO被覆された同寸法の透明ガラス基板を、僅かにずらしてITO面が向かい合うように重ね合わせ、加圧しながら接着剤を硬化させ、注入口付き空セルを作製した。
他方で、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(新中村化学工業株式会社製 M40GN)[オキシエチレンユニット数4]1.0g、ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製 9G)[オキシエチレンユニット数9]0.02g、γ−ブチロラクトン 4.0g、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン0.02g、3−(5−メチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸0.15gの混合溶液に、過塩素酸リチウムを0.8M、以下の式で表される化合物を30mMの濃度になるように添加し、均一溶液を得た。
【化29】
Figure 0004227716
この溶液を脱気後、上述のようにして作成したセルの注入口より注入した。
注入口をエポキシ系接着剤で封止した後、両面から蛍光灯の光を当ててセル内の溶液を硬化させ、僅かにずらして重ねあわせた基板のずらし部分のITO上に半田により電極帯を設け、エレクトロクロミック素子(調光ガラス)を得た。このようにして図1に示す構成のエレクトロクロミック調光ガラスを得た。
この調光ガラスは組み立てた時点では着色しておらず、透過率は約85%であった。また、電圧を印可すると応答性に優れ、良好なエレクトロクロミック特性を示した。すなわち、1.1Vの電圧を印可すると着色し、633nmの波長の光の透過率は約20%となった。また10秒毎に着消色を繰り返したが、約200時間経過後も消え残りなどが発生することはなかった。
実施例2
ITO被覆された透明ガラス基板の周辺部に、溶液注入口の部分を除いてエポキシ系接着剤を線状に塗布し、この上に、同じくITO被覆された透明ガラス基板を、ITO面が向かい合うように重ね合わせ、加圧しながら接着剤を硬化させ、注入口付き空セルを作製した。
他方で、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(新中村化学工業株式会社製 M40GN)[オキシエチレンユニット数4]1.0g、ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製 4G)[オキシエチレンユニット数4]0.02g、プロピレンカーボネート 4.0g、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン0.02g、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン0.15gの混合溶液に、過塩素酸リチウムを0.8M、以下の式で表される化合物を30mMの濃度になるように添加し、均一溶液を得た。
【化30】
Figure 0004227716
この溶液を脱気後、上述のようにして作成したセルの注入口より注入した。
注入口をエポキシ系接着剤で封止した後、両面から蛍光灯の光を当ててセル内の溶液を硬化させ、エレクトロクロミック素子(調光ガラス)を得た。このようにして図1に示す構成のエレクトロクロミック調光ガラスを得た。
この調光ガラスは組み立てた時点では着色しておらず、透過率は約87%であった。また、電圧を印可すると応答性に優れ、良好なエレクトロクロミック特性を示した。すなわち、1.1Vの電圧を印可すると着色し、633nmの波長の光の透過率は約25%となった。また10秒毎に着消色を繰り返したが、約200時間経過後も消え残りなどが発生することはなかった。
実施例3
高反射性電極として基板にパラジウム薄膜の付いた積層板を用い、積層板のパラジウム層周辺部に、電解質前駆体溶液の注入口の部分を除いてエポキシ系接着剤を線状に塗布し、この上にSnO2被覆された透明ガラス基板を、SnO2面と前記基板のパラジウム層とが向かい合うように重ね合わせ、加圧しながら接着剤を硬化させ、注入口付き空セルを作製した。
他方で、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(新中村化学工業株式会社製 M40GN)[オキシエチレンユニット数4]1.0g、ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製 4G)[オキシエチレンユニット数4]0.02g、プロピレンカーボネート4.0g、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド0.02g、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンエタン酸0.15gの混合溶液に、過塩素酸リチウムを0.8M、以下の式で表される化合物を30mMの濃度になるように添加し、均一溶液を得た。
【化31】
Figure 0004227716
注入口をエポキシ系接着剤で封止した後、透明基板側から蛍光灯の光を当ててセル内の溶液を硬化させ、エレクトロクロミック素子を得た。このようにして図3に示す構成のエレクトロクロミックミラーを得た。
このミラーは組み立てた時点では着色しておらず、反射率は約70%であった。また、電圧を印可すると応答性に優れ、良好なエレクトロクロミック特性を示した。すなわち、1.1Vの電圧を印可すると着色し、反射率約10%となった。また10秒毎に着消色を繰り返したが、約200時間経過後も消え残りなどが発生することはなかった。
実施例4
高反射性電極として基板にパラジウム薄膜の付いた積層板を用い、積層板のパラジウム層周辺部に、電解質前駆体溶液の注入口の部分を除いてエポキシ系接着剤を線状に塗布し、この上にSnO2被覆された透明ガラス基板を、2枚の基板を僅かにずらしてSnO2面とパラジウム層とが向かい合うように重ね合わせ、加圧しながら接着剤を硬化させ、注入口付き空セルを作製した。
他方で、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(新中村化学工業株式会社製 M40GN)[オキシエチレンユニット数4]1.0g、ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製 9G)[オキシエチレンユニット数9]0.02g、プロピレンカーボネート4.0g、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド0.02g、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−カルボン酸0.15gの混合溶液に、テトラフルオロホウ酸リチウムを0.8M、以下の式で表される化合物を30mMの濃度になるように添加し、均一溶液を得た。
【化32】
Figure 0004227716
注入口をエポキシ系接着剤で封止した後、透明基板側から蛍光灯の光を当ててセル内の溶液を硬化させた。SnO2基板の僅かにずらしたずらし部分のSnO2面に、半田により電極帯を設け、エレクトロクロミック素子を得た。このようにして図3構成のエレクトロクロミックミラーを得た。
このミラーは組み立てた時点では着色しておらず、反射率は約70%であった。また、電圧を印可すると応答性に優れ、良好なエレクトロクロミック特性を示した。すなわち、1.1Vの電圧を印可すると着色し、反射率約10%となった。また10秒毎に着消色を繰り返したが、約200時間経過後も消え残りなどが発生することはなかった。
実施例5
高反射性電極として基板にパラジウム薄膜の付いた積層板を用い、積層板のパラジウム層周辺部に、電解質前駆体溶液の注入口の部分を除いてエポキシ系接着剤を線状に塗布し、この上にSnO2被覆された透明ガラス基板を、SnO2面と前記基板のパラジウム層とが向かい合うように重ね合わせ、加圧しながら接着剤を硬化させ、注入口付き空セルを作製した。
他方で、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(新中村化学工業株式会社製 M40GN)[オキシエチレンユニット数4]1.0g、ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製 9G)[オキシエチレンユニット数9]0.02g、プロピレンカーボネート4.0g、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド0.02g、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(CIBA−GEIGY社製 TINUVIN P)0.03gの混合溶液に、テトラフルオロホウ酸トリメチルエチルアンモニウムを0.5M、以下の式で表される化合物を30mMの濃度になるように添加し、均一溶液を得た。
【化33】
Figure 0004227716
注入口をエポキシ系接着剤で封止した後、透明基板側から蛍光灯の光を当ててセル内の溶液を硬化させ、エレクトロクロミック素子を得た。このようにして図3構成のエレクトロクロミックミラーを得た。
このミラーは組み立てた時点では着色しておらず、反射率は約70%であった。また、電圧を印可すると応答性に優れ、良好なエレクトロクロミック特性を示した。すなわち、1.1Vの電圧を印可すると着色し、反射率約10%となった。また10秒毎に着消色を繰り返したが、約200時間経過後も消え残りなどが発生することはなかった。
実施例6
ITO被覆された透明ガラス基板(4cm×4cm)の周辺部に、溶液注入口の部分を除いてエポキシ系接着剤を線状に塗布し、この上に、同じくITO被覆された透明ガラス基板を、わずかにずらしてITO面が向かい合うように重ね合わせ、加圧しながら接着剤を硬化させ、注入口付き空セルを作製した。
他方で、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(新中村化学工業株式会社製 M40GN)[オキシエチレンユニット数4]1.0g、ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製 9G)[オキシエチレンユニット数9]0.02g、γ−ブチロラクトン 4.0g、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン0.02g、3−(5−メチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸0.15gの混合溶液に、四弗化ホウ素酸リチウムを0.5M、以下の式で表される化合物を100mMの濃度になるように添加し、均一溶液を得た。
【化34】
Figure 0004227716
この溶液を脱気後、上述のようにして作成したセルの注入口より注入した。
注入口をエポキシ系接着剤で封止した後、両面から蛍光灯の光を当ててセル内の溶液を硬化させ、わずかにずらして重ねあわせた基板のずらし部分のITO上に電極層を設け、エレクトロクロミック素子を得た。
この調光ガラスは組み立てた時点では着色しておらず、透過率は約85%であった。また、電圧を印可すると応答性に優れ、良好なエレクトロクロミック特性を示した。すなわち、1.3Vの電圧を印可すると着色し、633nmの波長の光の透過率は約5%となった。また10秒毎に着消色を繰り返したが、約200時間経過後も消え残りなどが発生することはなかった。
この素子を縦に5個、横に3個、合計15個並べて、それぞれが独立にON−OFF制御できるように電源に配線した。このようにして,数字表示ができる表示パネルを作製した(図4、図5)。
【0034】
【発明の効果】
本発明のエレクトロクロミック素子は、1V程度の電圧で良好に着色し、応答性に優れ、繰り返し駆動耐性、耐久性にも優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエレクトロクロミック素子の構成の一例を示す断面図である。
【図2】本発明に係るエレクトロクロミック調光ガラスの一例を示す断面図である。
【図3】本発明に係るエレクトロクロミックミラーの一例を示す断面図である。
【図4】本発明に係るエレクトロクロミック表示パネルの無表示状態を示す平面図である。
【図5】本発明に係るエレクトロクロミック表示パネルの表示状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 透明基板
2 透明電極層
3 イオン伝導層
4 透明、不透明または反射性電極層
5 透明又は不透明な基板
6 シール材
7 反射層
8 電極帯

Claims (1)

  1. 少なくとも一方が透明である2枚の導電基板間に、イオン伝導層を設けたエレクトロクロミック素子において、前記のイオン伝導層が、(a)下記の一般式(1)で表されるビピリジニウムイオン対構造と、(b)下記の一般式(2)または(3)で表されるメタロセン構造から選ばれる少なくとも一種を併有することを特徴とするエレクトロクロミック素子。
    Figure 0004227716
    (式中、AおよびBは同一でも異なっていてもよく、それぞれ個別にハロゲンアニオン、ClO 、BF 、PF 、CHCOO、CH(C)SO から選ばれる対アニオンを示す。)
    Figure 0004227716
    (式中、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる炭化水素基を示し、RまたはRがアリール基である場合、母環はシクロペンタジエニル環と結合し環を形成してもよく、mは0≦m≦4の範囲の整数を表し、nは0≦n≦4の範囲の整数を表し、MeはCR、CO、Fe、Mg、Ni、OS、Ru、V、X−Hf−Y、X−MO−Y、X−Nb−Y、X−Ti−Y、X−V−YまたはX−ZR−Yを示す。なお、ここでいうXおよびYは水素、ハロゲンまたは炭素数1〜12のアルキル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。)
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