JP4226643B2 - 起歪体、静電容量式力センサー及び静電容量式加速度センサー - Google Patents
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Description
この力センサー2では、基板4に設置されたシリコンラバー等の絶縁体や導体からなる起歪体6を備え、この起歪体6の天井面部に電極8、この電極8に対向して基板4側に検出電極10を備えている。図1に示すものが、起歪体6を両持ち梁とし、検出電極10を円形としており、図2に示すものが、起歪体6を片持ち梁とし、検出電極10を長方形としている。なお、起歪体6を導体で形成して電極を構成すれば、電極8を別個に設置する必要はない。
上記目的を達成するためには、前記起歪体に対向して配設された検出電極を更に備え、該検出電極における前記起歪体側の表面には、均一な厚みを持った絶縁性フィルムが配設されている静電容量式力センサー及び静電容量式加速度センサーとしてもよい。斯かる構成とすれば、電極間における絶縁層の厚みを一定にすることができ、個々のセンサーにおける静電容量のばらつき(検出感度のばらつき)を小さくすることができる。
上記目的を達成するためには、前記検出電極が形成された基板と、前記起歪体を前記検出電極と対向する位置に固定するためのケースと、を更に備え、該ケースは、前記起歪体を内部に収容した状態で前記基板に溶接で固定されている静電容量式力センサーとしてもよい。斯かる構成とすれば、ケースと基板を強固に固定することができ、起歪体と検出電極の距離(電極間距離)を一定に保つことができる。
上記目的を達成するためには、前記検出電極が形成された基板と、前記起歪体を前記検出電極と対向する位置に固定するためのケースと、を更に備え、前記ケースは、前記起歪体にインサート成形されている静電容量式力センサーとしてもよい。斯かる構成とすれば、起歪体の基板への取り付けが容易になると共に、装置の小型化を図ることができる。
この力センサー20には、基板22の上面に、外力が加えられると変形して歪みを起こす起歪体24が備えられている。
この起歪体24は、導電性を有する第1の起歪部26と、この第1の起歪部26よりも硬い板状の部材からなり、第1の起歪部26にインサート成形された第2の起歪部28と、を有して構成されている。
第1の起歪部26は、本実施形態では、上記図6(B)における上下方向に屈曲可能な円筒状の支持部26Aと、この支持部26Aと一体に形成された平板状の入力部26Bとによって構成されており、入力部26Bの内面の中央部には柱状の起歪体凸部30が、又、この起歪体凸部30の周囲には円環状の起歪体凹部32が形成されている。
又、この第1の起歪部26は、本実施形態では、導電性シリコンラバーによって形成されている。なお、本発明に係る「第1の起歪部」の材料は本実施形態における導電性シリコンラバーに限定されるものではなく、導電性を有し、且つ、外力が加えられると変形して歪みを起こす材料を適用すればよい。従って、例えば、第1の起歪部26には、導電性エラストマーなどの導電性を有する樹脂やゴムを適用することができ、又、非導電性のシリコンラバーやエラストマーなどの材料に、導電性材料を印刷又はスパッタリングして第1の起歪部26を形成することもできる。
以上説明したように、本実施形態に係る起歪体24によれば、導電性を有する第1の起歪部26と、この第1の起歪部26よりも硬い板状の部材からなり、第1の起歪部26にインサート成形された第2の起歪部28と、を有して構成されているため、起歪体全体を金属プレートやアルミの削りだしなどで形成した場合に比べ、コストを削減することができる。又、起歪体全体をシリコンラバーなどで形成した場合に比べ、変形の安定度が高く、復元性に優れている。更に、シリコンラバーに金属プレートを貼り付けて構成された従来の起歪体に比べ、接着面の洗浄や接着補助液及び接着剤の塗布などの接着に伴う煩雑な作業が不要で成形が容易である。
又、本実施形態に係る力センサー20によれば、変形の安定度が高く、復元性に優れた起歪体24を備えているため、起歪体24に対する外力の変化を高い精度で静電容量の変化に変換することができ、力センサー20の検出精度を高めることができる。又、成形が容易で、低コスト化が可能な起歪体24を備えているため、検出精度の高い力センサー20を安価で提供することができる。
力センサー20の基板22には、検出電極として円環状の検出電極34が設置されており、この検出電極34と、これに対向する起歪体凹部32の部分で第1のセンサー部36(以下、単に「センサー部36」と称す場合がある)が構成されている。このセンサー部36は、起歪体凹部32及び検出電極34の対向面積S1を一定とすれば、電極間距離d1が力fを受けて変化することにより、力fに応じた静電容量C1を出力する構成である。なお、本実施形態では、起歪体凹部32及び検出電極34を円環状にしているが、矩形状としてもよい。
通常、センサーでは、検出電極が露出すると接触による短絡などが生じるおそれがあるため、検出電極の上に絶縁体を塗りつける。従って、検出電極と、これに対向する電極との間には、空気と、絶縁体からなる層(絶縁層)が存在することになるが、空気と絶縁層は夫々誘電率が異なるため、絶縁層の厚みにばらつきがあると、電極間に蓄えられる静電気の量がセンサーによってばらついてしまうといった問題点がある。本発明の発明者は、斯かる従来の問題を解決すべく、均一な厚みを持った絶縁性フィルムを用いて絶縁層の厚みを均一化することを見出した。
一方、本実施形態のように溶接によってケース50と基板22を固定すれば、ケース50の一部と基板22のパターンが溶け合って、両者をしっかりと固定することが可能となる。なお、溶接は、従来公知の方法を採用することができ、例えば、レーザ溶接、抵抗溶接、アーク溶接などを適用することができる。
この加速度センサー60は、基板62の上面に、外力が加えられると変形して歪みを起こす起歪体64が備えられている。
この起歪体64は、導電性を有する第1の起歪部66と、この第1の起歪部66よりも硬い板状の部材からなり、第1の起歪部66にインサート成形された第2の起歪部68と、を有して構成されている。
又、本実施形態に係る加速度センサー60によれば、変形の安定度が高く、復元性に優れた起歪体64を備えているため、起歪体64に対する外力の変化を高い精度で静電容量の変化に変換することができ、加速度センサー60の検出精度を高めることができる。又、成形が容易で、低コスト化が可能な起歪体64を備えているため、検出精度の高い加速度センサー60を安価で提供することができる。
加速度センサー60の基板62には、検出電極として矩形状の検出電極70が設置されており、この検出電極70と、これに対向する重量部66Cの部分でセンサー部72が構成されている。このセンサー部72は、重量部66C及び検出電極70の対向面積を一定とすれば、重量部66Cが図11(B)の上下方向(矢印Aの方向)の加速度を受けて、重量部66Cと検出電極70の電極間距離が変化することにより、加速度に応じた静電容量を出力する構成である。なお、本実施形態では、重量部66Cの下面及び検出電極70を矩形状にしているが、円形状としてもよい。
この加速度センサー80は、上述の第2の実施形態に係る起歪体64を軸心周りに90度回転させて基板62上に取り付けたものである。
加速度センサー80の基板62には、検出電極として矩形状の2つの検出電極82、84が設置されており、この検出電極82、84と、これに対向する重量部66Cの部分でセンサー部86が構成されている。このセンサー部86は、重量部66Cが図12(B)の上下方向(矢印Bの方向)の加速度を受けて、重量部66Cと検出電極82、84の対向面積が変化することにより、加速度に応じた静電容量を出力する構成である。なお、本実施形態では、重量部66Cの下面及び検出電極82、84を矩形状にしているが、円形状としてもよい。
本実施形態に係る加速度センサー80によれば、変形の安定度が高く、復元性に優れた起歪体64を備えているため、起歪体64に対する外力の変化を高い精度で静電容量の変化に変換することができ、加速度センサー80の検出精度を高めることができる。又、成形が容易で、低コスト化が可能な起歪体64を備えているため、検出精度の高い加速度センサー80を安価で提供することができる。
なお、本実施形態に係る加速度センサー80では、1次元の加速度変化を検出可能であるが、上記加速度センサー60との組み合わせによって、2次元或いは3次元の加速度の変化を検出することが可能である。このような加速度センサーは、例えば、携帯電話などに搭載することができ、加速度の変化に基づいて落下を検出し、携帯電話に搭載されたハードディスクのヘッドの破損を防止したり、GPSにおける位置情報を補正するセンサーとしても用いることができる。
24、64・・・起歪体
26、66・・・第1の起歪部
28、68・・・第2の起歪部
34、40、70、82,84・・・検出電極
48、74・・・絶縁性フィルム
50・・・ケース
60、80・・・加速度センサー
Claims (8)
- 導電性を有するラバーまたはエラストマーからなる第1の起歪部と、
該第1の起歪部よりも硬い金属板の部材からなり、前記第1の起歪部にインサート成形された第2の起歪部と、
を有して構成されていることを特徴とする起歪体。 - 前記第2の起歪部は、前記第1の起歪部の平板状の入力部にインサート成形されていることを特徴とする請求項1に記載の起歪体。
- 静電容量の変化に基づいて力の変化を検出する静電容量式力センサーであって、請求項1又は2に記載の起歪体を備えたことを特徴とする静電容量式力センサー。
- 前記起歪体に対向して配設された検出電極を更に備え、
該検出電極における前記起歪体側の表面には、均一な厚みを持った絶縁性フィルムが配設されていることを特徴とする請求項3記載の静電容量式力センサー。 - 前記検出電極が形成された基板と、
前記起歪体を前記検出電極と対向する位置に固定するためのケースと、を更に備え、
前記ケースは、前記起歪体を内部に収容した状態で前記基板に溶接で固定されていることを特徴とする請求項3又は4記載の静電容量式力センサー。 - 前記検出電極が形成された基板と、
前記起歪体を前記検出電極と対向する位置に固定するためのケースと、を更に備え、
前記ケースは、前記起歪体にインサート成形されていることを特徴とする請求項3又は4記載の静電容量式力センサー。 - 静電容量の変化に基づいて加速度の変化を検出する静電容量式加速度センサーであって、請求項1又は2に記載の起歪体を備えたことを特徴とする静電容量式加速度センサー。
- 前記起歪体に対向して配設された検出電極を更に備え、
該検出電極における前記起歪体側の表面には、均一な厚みを持った絶縁性フィルムが配設されていることを特徴とする請求項7記載の静電容量式加速度センサー。
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