JP4226375B2 - 消失模型鋳造法用フィルター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消失模型鋳造法において消失模型の消失により発生した気体を排出する際に用いられる排ガス処理フィルター及び該フィルターを用いた消失模型鋳造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
消失模型鋳造法はフルモールド法とも言われ、合成樹脂発泡体にて製作した模型を鋳物砂に埋設したまま鋳型として利用するプロセスである。このプロセスは鋳込まれた熔湯によって合成樹脂発泡体を熱分解させるものであるが、黒煙を含む多量の熱分解ガス(以下、排ガスということもある)が数秒から数分内の鋳込み中に発生し、異臭の発生等、環境を悪化させるとともに、その残渣により鋳物に表面欠陥が発生する欠点がある。
【0003】
消失模型鋳造時に発生する燃焼ガスを浄化する技術として、特許文献1には、排ガスを、排出気体浄化手段を備えた排出通路を介して鋳型の外部に放出させる消失模型鋳造法が開示され、排出気体浄化手段として、セラミックフィルタやメタリックフィルタを使用できることが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、押湯やガス揚りに、連続気孔を持つ多孔質体フィルターを設ける鋳型の製作法が開示されている。
【0005】
一方、鋳型内のガス層の圧力分布を調整して残渣欠陥の少ない鋳物を得るという観点から、特許文献3には、排ガスを、排出気体抑制手段を備えた排出通路を介して鋳型の外部に徐放させる消失模型鋳造法が開示され、排出気体抑制手段として、アルミナ等の耐火物粒子を使用できることが記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−1377号公報
【特許文献2】
特開平5−138290号公報
【特許文献3】
特開2002−219552号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、消失模型鋳造法おける排ガス処理フィルターに要求される特性は、前記したように排ガスの徐放効果や、耐熱性、黒煙除去能、成形性等、多岐に渡り、更にこれらの機能が短時間の間のみ要求されることから、従来の手法では、特に黒煙除去能が未だ十分とは言い難い。さらに、この種のフィルターは、溶湯と接触した時には溶湯が通過し排出通路より吹き出すこともあり、排ガスを放出することと溶湯の流出防止という相反する性能も要求される。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、耐火度が800〜2000℃である無機粒子と繊維構造体とを含有するろ過材を有する、消失模型鋳造法用フィルターに関する。
【0009】
また、本発明は、鋳物砂内に、合成樹脂発泡体製模型を埋設してなる鋳型に注湯し、注湯した該湯によって前記模型を消失させながら製品を鋳造する消失模型鋳造法であって、前記模型の消失により発生した気体を、耐火度が800〜2000℃である無機粒子と繊維構造体とを含有するろ過材を有するフィルターを備えた排出通路を介して、前記鋳型の外部に放出させつつ鋳造を行う消失模型鋳造法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
【0011】
無機粒子は、溶湯がろ過材に接触した際に軟化し、ろ過材の通気性を低下させて溶湯の通過を防止するためのものであり、シリカ、アルミナ、ムライト、マグネシア、ジルコニア、雲母、黒鉛、黒曜石等の耐火度800〜2000℃、好ましくは1000〜1700℃、特に好ましくは注湯温度から100℃以下の耐火度の無機粒子が挙げられ、1400℃の鋳鉄を鋳込む際には黒曜石、ムライト粉が好ましい。ここで、無機粒子の耐火度は、ゼーゲルコーンを用いた測定方法(JIS R2204)で測定される。
【0012】
なお、これらの無機粒子は単独で又は二種以上を併用しても良い。該無機粒子は、粒子径が200μm以下、更には10〜100μmのものを用いることが好ましい。
【0013】
本発明のフィルターのろ過材は、繊維構造体を含有するものであり、該構造体は、無機繊維を含有するものが好ましい。
【0014】
無機繊維としては、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ−アルミナ繊維、ムライト繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、黒鉛繊維、ホウ素繊維、チタン酸カリウム繊維、チタン酸バリウム繊維、二酸化チタン繊維、サファイア繊維、ジルコニア繊維、スラグ・ロック繊維、石こう繊維、マグネシウムパイロボレート繊維、窒化ホウ素繊維、石綿、ガラス繊維、鉄などの金属繊維、また、フェノール樹脂系炭素繊維、PAN系炭素繊維等の炭素繊維も挙げられ、好ましくは炭素繊維である。
【0015】
これら無機繊維からなる構造体としては、無機繊維又は無機繊維の撚糸からなる織布もしくは編み物もしくは不織布、あるいは無機繊維をプレス加工したもの等が挙げられるが、目が細かく黒煙の除去効率が高いことから、好ましくは織布、不織布であり、無機粒子を担持しやすい不織布がより好ましい。
【0016】
織布の場合、その目付、織り方は、所定の厚みを満たせばどの様なものでもよい。また、織物組織としては、平織物、綾織物、朱子織物、二重織物等の多重織物が挙げられる。形状を安定させ、黒煙の除去効率を高めるために、織物に接着剤を含浸、塗布して構造を固定化してもよい。特に高温時の接着性に優れるフェノール系、フラン系、エポキシ系等の有機バインダーやシリカゾル、アルミナゾル、エチルシリケート、水ガラス等の無機バインダーが用いられるのが好ましい。
【0017】
また、不織布の製造方法としては、無機繊維のスラリーから抄造する湿式法や無機繊維を均一に吹き付けてシート状にする乾式法など、一般的に公知の方法でよい。なお、不織布においては、成型性及び形状保持性の観点より有機繊維及び/又は熱硬化性樹脂が配合されているのが好ましい。
【0018】
前記有機繊維としては、紙繊維、合成繊維(例えば、PVA繊維、レーヨン繊維)等の繊維が挙げられる。有機繊維は、これらを単独で又は二種以上を選択して用いることができる。そして、これらの中でも、特に、抄造により多様な形態に成形できるほか、脱水後と乾燥後に十分な強度が得られる点から紙繊維を用いることが好ましい。紙繊維としては、木材パルプ、コットンパルプ、リンターパルプ、竹やわらその他の非木材パルプが挙げられる。紙繊維は、これらのバージンパルプ若しくは古紙パルプを単独で又は二種以上を選択して用いることができる。紙繊維は、入手の容易性、環境保護、製造費用の低減等の点から、特に古紙パルプが好ましい。また、無機粒子を担持する点からフィブリル化された繊維が好ましい。
【0019】
有機繊維は、成形性、表面平滑性、耐衝撃性を考慮すると、平均繊維長が0.3〜2.0mm、特に0.5〜1.5mmであるものが好ましい。また、有機繊維の配合割合は、不織布の場合、無機繊維100重量部に対して10〜100重量部、更に20〜70重量部であることが好ましい。
【0020】
また、前記熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、フラン系樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、高温での接着性の観点から、フェノール系樹脂を用いることが好ましい。フェノール系樹脂としては、ノボラックフェノール樹脂、レゾールタイプ等のフェノール樹脂、尿素、メラミン、エポキシ等で変性した変性フェノール樹脂等が挙げられるが、好ましくはフェノール樹脂である。これら熱硬化性樹脂は、単独で又は二以上を選択して用いることもでき、さらにはアクリル系樹脂やポリビニルアルコール系樹脂等と併用することもできる。
【0021】
また、熱硬化性樹脂の配合割合は、不織布の場合、無機繊維100重量部に対して30〜300重量部、更に50〜200重量部であることが好ましい。
【0022】
本発明のフィルターは、無機粒子と繊維構造体とを含有するが、無機粒子は繊維構造体に混合されて保持されていれば良く、繊維構造体の成型時に無機粒子を混合、抄造しても、成型後に噴霧、積層、吸着、構造体で挟み込む等してもよいが、保持性の点から成型前に混合が好ましい。なお、不織布を用い、更に有機繊維、特にはフィブリル化した繊維の使用により強く担持でき好ましい。また、凝集剤、吸着剤、接着剤等を用いても良い。
【0023】
無機粒子の配合割合は、繊維構造体100重量部に対し、30〜200重量部、好ましくは50〜150重量部である。
【0024】
無機粒子と繊維構造体を含有するろ過材の厚みは、フィルター内部における排ガスの冷却を抑制し、凝縮物や黒煙の発生を低減するために、1cm以下、更には5mm以下が好ましい。また、強度の点から0.005mm以上、更には0.01mm以上が好ましい。ここで、厚みとは、排ガスの通気部分における平均厚み(実質的に最も通気抵抗が大きい部分の厚み)であり、ろ過材に形成された貫通孔や切欠部などは含まない。この範囲の厚みを持つためには、繊維構造体は、織布、不織布が好ましい。特に不織布は無機粒子を担持しやすく、より薄くできるため、好ましい。
【0025】
本発明のフィルターでは、強度を維持するために、ろ過材を適当な支持体で保持することが好ましい。その際、支持体は、フィルターより通気度が高いことが望ましく、また、排ガスの流路において下流に位置するのが好ましい。支持体の材質は耐熱性の高い物が好ましく、セラミックスや金属が好ましい。例えば、ハニカム形状や孔加工されたセラミックスや、パンチングメタル等が挙げられる。
【0026】
本発明のフィルターにおいて、ろ過材は、プリーツ状や筒状でもよいが、シート状が最も容易に製造でき、安価であるため好ましい。
【0027】
本発明のフィルターにおいて、ろ過材は、排ガスの流路に対してどの方向に設置されてもよいが、構造の簡易さ、強度から、流路に対して垂直である、すなわち、排ガスと接触するフィルターの最大面が流路と直交することが好ましい。
【0028】
また、ろ過材がシート状の場合、強度を向上させるため、複数重ねてもよいが、全体の厚みは1cm以下が好ましい。
【0029】
本発明において、ろ過材は、前記支持体と共に、適当な容器、例えば円筒状のフィルターケースに挿入されて鋳型に設置されることが好ましい。
【0030】
本発明のフィルターは、排ガスが鋳型外部に排出されるまでの間でろ過材が排ガスと接触する位置に設置される。特に、模型の消失により発生した気体を、排出通路を介して鋳型の外部に放出させつつ鋳造を行う消失模型鋳造法において、排出通路に設置されることが好ましい。本発明のフィルターは、公知の背圧制御手段(例えば粒子成型体等)と併用されても構わないが、本発明のフィルターが背圧制御手段を兼ねることが好ましい。
【0031】
設置するフィルターの面積、個数等は、鋳造される製品の大きさ、形状により適宜決めることができる。
【0032】
また、排出通路を複数設け、その一部又は全部に本発明のフィルターを設置してもよい。
【0033】
本発明の消失模型鋳造法の例を図1に基づいて説明する。鋳型は、鋳枠4と鋳枠4の内部の鋳物砂7と鋳物砂7に埋設された模型1等からなり、模型1に連通した湯口5が図面左上方に設けられている。模型1は、発泡ポリスチレンによって製品と同一形状に形成されており、貫通孔2が設けられている。鋳物砂7は、5.5号珪砂であり、粘結剤を適量含有させてある。
【0034】
鋳型の形成は、まず、模型1の表面に耐火性に優れた塗型剤3を塗布し、その後充分乾燥させる。そして鋳枠4に湯道6を形成した後、模型1を固定し鋳物砂7で埋設し、湯口5を設置する。その際、貫通孔2の内部は空間にしておき、貫通孔2に連通する排出菅を設け排出通路8とする。
【0035】
排出通路8には、ろ過材9’を収容した本発明のフィルター9が設置される。また、排出通路8からの燃焼ガス排出量を調整する意味で、フィルター9の前後に、吸気手段、あるいは耐火物粒子及びその層、背圧弁等の排気抑制手段を設けても良い。排気抑制は、排出通路8を細く絞り込んだ形状にすることでも達成される。
【0036】
湯口から熔湯を注湯すると、湯は模型1を溶融させて、鋳型内に溜まる。一方、熔湯の熱により溶融、燃焼された模型1のガスの大部分が、貫通孔2を通り、排出通路8から効率よく排出されるのが確認される。これらのガスは本発明のフィルター9により、浄化されて大気に放出されることで、黒煙並びに悪臭が抑制され、且つフィルター9が背圧制御手段としての性能も有することから鋳物表面欠陥も低減される。また、溶湯がフィルターに達しても溶湯の通路が抑制される。
【0037】
排出通路となる排出管の径、設置位置、数等は、模型の形状や大きさにより決められる。排出通路は、直径30cm以下、好ましくは1〜10cmの円筒状の、好ましくはセラミック製の排気管により形成されるのが好ましい。その本数については所望の通気度を確保できるように適宜決定すればよいが、発泡体1千〜10万cm3、好ましくは1千〜1万cm3あたり、1本設けるのが好ましく、燃焼ガスの排出効率、黒煙等の除去効率の点から、少なくとも1つの排出通路は、模型に設けた貫通孔と連通するのが特に好ましい。
【0038】
模型は、合成樹脂発泡体からなるものが使用される。合成樹脂発泡体としては、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、又はこれらの共重合体等の発泡体が用いられる。
【0039】
模型は貫通孔を有するものが好ましく、湯口と連通する貫通孔、更に排出通路と連通する貫通孔を有するものが、鋳物品質が向上し、吹き戻しもなく安全であるため好ましい。貫通孔を設けた場合、特に排出通路からのガス発生量が多くなり、熱分解ガスの黒煙の発生量が多くなる傾向があるが、本発明のフィルターを用いることで、その黒煙がほとんど発生せず、且つ溶湯の吹き出しもなく、環境、鋳物品質、安全の両立が可能となる。模型の貫通孔は、模型作成時に形成してもよいし、模型作製後、加熱した金属棒等により形成してもよい。貫通孔の径、形成位置、数等は、模型の形状や大きさにより決められる。
【0040】
鋳造に用いる鋳物砂としては、石英質を主成分とする珪砂の他、ジルコン砂、クロマイト砂、合成セラミック砂等の新砂又は再生砂が使用される。鋳物砂は粘結剤を添加せずに用いることもでき、その場合には充填性は良好であるが、強度が必要な場合には、粘結剤を添加し、硬化剤により硬化させるのが好ましい。
【0041】
消失模型鋳造法では、溶湯の熱により消失模型が分解するが、鋳型内は還元性雰囲気であるため、十分酸化されず、ガス状となったモノマーやオリゴマー、黒煙が混在した排ガスが発生する。本発明のフィルターではろ過材が無機粒子と繊維構造体とを含有するため、目の細かいろ過材となり、黒煙の除去効果が大きく、更に溶湯に接触すると無機粒子が軟化し、溶湯の吹き出しを防止すると推察される。また、排ガスの排出通路に本発明のフィルターを設けることで、背圧抵抗が最も高い部分で排ガスの勢いが抑えられ、黒煙が除去されるが、この部分が長い(フィルターが厚い)と、冷却により、排ガス成分の再凝縮が起き、高温では液状のタールのような状態になる。これも、黒煙の発生原因と考えられている。しかし、本発明のフィルターは、ろ過材を織布や不織布のような薄い形状とできるため、この部分での凝縮は少なく、スムーズに低分子量のガスが外部に排出され、空気と混合し燃焼するため、黒煙が発生しないものと考えられる。
【0042】
このように本発明では、排ガスの放出と溶湯の流出防止という相反する性能が達成でき、且つ排ガス中の黒煙除去能に優れる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、消失模型鋳造法において、排ガス中の黒煙を低減し、溶湯の吹き出しもなく且つ鋳物品質を向上できる排ガス処理フィルターが得られる。
【0044】
【実施例】
実施例1
無機繊維としてPAN系炭素繊維(東レ(株)製トレカチョップ、繊維長3mm)4g、熱硬化性樹脂としてノボラックフェノール樹脂(旭有機材工業(株)SP1006LS)3g、バージンパルプ(NBKP)1g、無機粒子として、黒曜石(キンセイマテック社製「ナイスキャッチ」、平均粒径30μm、耐火度1200℃)7gを水1.5リットルと混合し、凝集剤(ポリアクリルアミド系、三井サイテックA110)を加え、分散攪拌した。このスラリーを直径170mmのシート状に抄造し、ヘキサミン0.6g(15重量%対ノボラック樹脂)を水20mLに溶かしたものを均一に散布し、ラボプレス(東洋精機製)を用いて、5kgf/m2、200℃にてプレス成型し不織布を得た。この黒曜石を担持させた不織布(厚み0.8mm)を直径70mmの円形に裁断し、ろ過材とした。
【0045】
このろ過材と溶湯濾過用セラミックハニカムフィルター(京セラ製、内径60mm、高さ8mm、100セル)とを積層し、図2のように有効径60mmの陶管で挟み込んでフィルターとした。
【0046】
(鋳込み試験)
縦200mm×横200mm×高さ350mmの発泡模型1(発泡ポリスチレン製)に、直径3mmの金属棒を加熱し、図1のように貫通孔2を形成させた。貫通孔2の直径は約4mmであった。貫通孔を形成した模型1表面に、フルモールド用塗型剤PC−200(花王クエーカー(株)製)を70ボーメにしたものを塗布し乾燥後、該模型の貫通孔が排出通路8と連通するよう、図1のようにセットし、上記で得られたフィルター9を排出通路8に設けて造型を行った。鋳鉄の材質はFC−250、鋳込み温度は1400℃であった。鋳込み時の状況及び得られた鋳物の品質(鋳肌の状態)を評価した。結果を表1に示すが、鋳込み中黒煙発生無く、また、フィルターは無機粒子を含有するため、フィルター下部で溶湯が停止し、より安全であった。
【0047】
実施例2
無機繊維としてピッチ系炭素繊維(呉羽化学工業製「クレカチョップT−106」、繊維長4mm)を3.5g、バージンパルプ(NBKP)0.8g、PVA繊維(クラレ、VPバインダー用ビニロン)1g、黒曜石7gを用い、実施例1と同様に抄造した。ラボプレスにて同様に成型後、熱硬化性樹脂としてフェノールレゾール樹脂(旭有機材工業(株)製KP100、有効分30重量%)を、有効分が6gとなるようにディッピングし、250℃で15分乾燥した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
【0048】
比較例1
実施例1において黒曜石を用いずにフィルターを製造した。ただし、各成分の重量比は表1に示す通りとした。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
【0049】
比較例2
ろ過材として、粒径2mmのアルミナ粒子を内径40mm×長さ25mmの陶管内でアルカリフェノールバインダー(花王クエーカー(株)製、S651)を用いて成型したもの(ハニカムセラミックスは取り付けない)を用いた以外は実施例1と同様に鋳込みを行い、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0004226375
【0051】
比較例3
無機繊維を加えず、バージンパルプを6gにした以外は比較例1と同様にしてフィルターを製造し、比較例1同様に鋳込みを行い、同様の評価を行った。その結果、フィルターがすべて有機繊維からなるため、熱分解ガスでフィルターが破損し黒煙が発生した。また、鋳物品質も悪かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルターを用いた消失模型鋳造法の一例を示す概略図
【図2】本発明のフィルターの一例を示す断面概略図
【符号の説明】
1 模型
2 貫通孔
8 排出通路
9 本発明のフィルター
9’ろ過材

Claims (6)

  1. 耐火度が800〜2000℃である無機粒子と繊維構造体とを含有するろ過材を有する、消失模型鋳造法用フィルター。
  2. 無機粒子が、シリカ、アルミナ、ムライト、マグネシア、ジルコニア、雲母、黒鉛及び黒曜石から選ばれる無機材料からなる粒子の一種以上である請求項1記載の消失模型鋳造法用フィルター。
  3. 繊維構造体100重量部に対し、無機粒子30〜200重量部を配合する請求項1又は2記載のフィルター。
  4. 繊維構造体が、無機繊維を含有する不織布又は織布である請求項1〜3の何れか1項記載のフィルター。
  5. 繊維構造体が、有機繊維及び/又は熱硬化性樹脂を含有する不織布である請求項1〜4の何れか1項記載のフィルター。
  6. 鋳物砂内に、合成樹脂発泡体製模型を埋設してなる鋳型に注湯し、注湯した該湯によって前記模型を消失させながら製品を鋳造する消失模型鋳造法であって、前記模型の消失により発生した気体を、耐火度が800〜2000℃である無機粒子と繊維構造体とを含有するろ過材を有するフィルターを備えた排出通路を介して、前記鋳型の外部に放出させつつ鋳造を行う消失模型鋳造法。
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