JP4224138B2 - プロテインsの測定のための方法および試薬 - Google Patents

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Description

本発明は生物学的液体中におけるプロテインSの検出および定量ならびにそれに使用するための試薬に関する。さらに詳しくは、遊離のプロテインSが、遊離のプロテインSとプロテインSに特異的に結合するリガンドからなる分子の間に形成される受容体/リガンド複合体として測定される。
プロテインSは、天然に存在する抗凝固プロテインCシステム(血液凝固系の一部)のメンバーの1種で、プロテインCの活性化状態、APC(活性化プロテインC)に対する補因子として作用し、他の補因子は完全な血液凝固第V因子である。このシステムは、APCが血液凝固を促進する血液凝固第Va因子および血液凝固第VIIIa因子を分解するように働くので抗血液凝固作用を表わす。
ヒト血漿中では、プロテインSは遊離のタンパク質および他の血漿タンパク質C4b−結合タンパク質(C4BP)との複合体の両方として循環する
Figure 0004224138
血漿中の総プロテインSの約60%は、G4BPに結合し、この型のプロテインSはAPC−補因子として機能的に活性ではないことに注意すべきである。すなわち、C4BPのプロテインSへの結合はプロテインSのAPC−補因子機能を消失させる。プロテインSの抗凝固タンパク質としての重要性は、プロテインSの欠乏と血栓塞栓性疾患の間の関連により示される。きわめて稀なホモ接合型欠乏は新生児の致命的な疾患を誘発するが、ヘテロ接合型欠乏は成人の生命には静脈血栓症の危険因子である。実際に、プロテインC欠乏またはプロテインS欠乏は静脈血栓症を発症している全個体の約5〜10%に見出される。
プロテインSの欠乏症を有する個体は、すなわち、静脈性の血栓塞栓状態に陥る危険性が高い。したがって、プロテインSの血液中または血漿中レベルの測定方法は重要な臨床的有用性を有する。数名の研究者がプロテインS欠乏の診断には総プロテインSまたは結合型のプロテインSのレベルよりも、遊離のプロテインSのレベルを測定すべきであることを示している
Figure 0004224138
ことから、特に遊離プロテインSのレベルの測定方法が推奨される。この理由はプロテインS欠乏をひき起こす遺伝的な欠陥に関してより高い感受性および特異性が、総プロテインSまたは結合プロテインSを測定するアッセイよりも遊離プロテインSのアッセイによって達成されるからである。
遊離のプロテインSの既に知られている測定方法は2つの試験原理、すなわちポリエチレングリコール沈殿性の差およびモノクローナル抗体の使用にそれぞれ基づくものである。
ポリエチレングリコール(PEG)を用いて、プロテインSの測定の前に結合プロテインSおよび遊離プロテインSからなる液体から結合プロテインSを選択的に除去する方法は、プロテインSの複合結合型(PS:C4BP)がPEG濃度約3.75〜5%で既に沈殿し、一方、大部分の遊離プロテインSは溶液中に残存することの発見に基づくものである。この原理は様々な市販のプロテインSアッセイに広範に使用されている。すなわち、遊離プロテインSのアッセイにおいては、血漿サンプルを通常、PEG(3.75〜5%)による沈殿に付し、次いで遠心分離後に上清中に残ったプロテインSを免疫学的方法、たとえばELISA、RIAまたはローレルロケットによって測定する。このような方法は、Am. J. Clin. Path. 94:176-186, 1990;Anal. Biochem. 10:358-361, 1985;Blood 67:504-508, 1986に開示されている。しかしながら、これらの方法には主としてPEG沈殿操作によるある種の欠点がある。すなわちPEG沈殿が高度に標準化された場合でも、この操作は低い再現性ならびのその労力および時間を要するため容易ではない。
上述の第二の試験原理はモノクローナル抗体の使用によるものである。このようなモノクローナル抗体はプロテインSの遊離型に特異的であり、すなわちこれらの抗体に対するエピトープが、プロテインS分子上のC4BPの結合部位またはその付近に位置する(Amiralら,Blood Coag.Fibrinol. 5:176-186, 1994およびWolfら,Blood Coag.Fibrinol. 5:187-192, 1994)。
上述のようにプロテインSに結合し、それによって血中を循環する遊離のプロテインSの量を減少させるC4BPは、相補性のプロテインC4bに対する結合部位をそれぞれ含有するほぼ7個の同一のα鎖、および1個の単一のβ鎖から構成される。α鎖はそれらのC末端領域において互いに、そしてさらに単一のβ鎖に連結する。C4BP分子のこれらの7個のα鎖および単一のβ鎖は車のスポークのように配置されて、蜘蛛の巣状の分子構造を形成する
Figure 0004224138
プロテインS結合部位は単一のβ鎖上に位置することそしてごく最近になって
Figure 0004224138
全プロテインS結合部位は、β鎖のN末端の最端のSCR−モジュール(SCRは短いコンセンサスリピートの略であり、約60個のアミノ酸残基を含有するタンパク質モジュールである)上に位置することが明らかにされた。このモジュールがプロテインS結合部位を含有することは以前に(Fernandez & Griffin, J. Biol. Chem. 269:2535-2540, 1994)提案されていたが、全プロテインS結合部位がβ鎖のこの最初の(最端の)SCR−モジュールに存在することはこれまで知られていなかった。
プロテインSとC4BPの間の複合体形成の知識は、遊離型のプロテインSに特異的な抗体の産生に使用されてきた。すなわち、C4BPの結合に関与するプロテインSの領域に特異的に結合し、プロテインSのC4BP結合型では、これらの抗体に特異的なプロテインSにおけるこのような結合部位が既にC4BPで占拠されているので、プロテインSの遊離型にしか結合しない抗体の産生が試みられてきた。しかしながら、上述の特異性を有する抗体の産生における前提条件は、プロテインS分子上のC4BP結合部位に特異的な知識である。この結合部位は従来技術では詳細に解明されていなかったが、SHBGと命名されたプロテインSの大C末端モジュール中の2つの領域の関与が主張されていた。最初の報告では成熟プロテインSの残基番号605〜614が関与することが示唆され(Walker, J. Biol. Chem. 264:17645-17648, 1989)、一方、残基413〜433からなる他の領域が、さらに最近になってプロテインSに対するC4BPの結合に重要であることが示唆された(Fernandezら,J. Biol, Chem. 268:16788-16794, 1993)。
WO93/01209には、C4BPの結合に関与する成熟プロテインSの特異的な領域に関する、遊離のプロテインSの精製または検出のための診断方法およびシステムに有用なモノクローナル抗体が開示されている。これらの特異的な領域からなるプロテインSポリペプチドも開示されている。しかしながらこれらの領域は以下に開示されるC4BPの結合領域とは異なっている。
さらに、血漿中の遊離プロテインSを捕獲する標準ELISA(固相酵素免疫測定法)において固定化抗体として使用される遊離プロテインSに対する固定化モノクローナル抗体に基づく遊離プロテインSのアッセイが、文献に記載され、Stagoから市販されている(Amiralら,Blood Coag.Fibrinol. 5:179-186, 1994およびWolfら,Blood Coag. Fibrinol. 5:187-192, 1994)。このような試験においては、カルシウムを含む緩衝液中の血漿希釈液を遊離のプロテインSに特異的なモノクローナル抗体を含有するマイクロタイタープレート中でインキュベートし、次いで洗浄工程ののち、モノクローナル抗体に結合したプロテインSを、プロテインSに対する第二のモノまたはポリクローナル抗体を用いて検出することができる。しかしながら、このようなアッセイはきわめて高価につく。しかも、これらの試験に使用される抗体は十分に特徴が明らかにされておらず、プロテインSへのC4BPの結合への関与が示唆されているプロテインSの領域に対して特異的に産生されてはいなかった。むしろ、これらの抗体は全プロテインS分子に対して励起され、次いで遊離プロテインSに対する特異性を有する抗体が選択されていた。
本発明の目的は、生物学的液体中における遊離のプロテインSの測定のための簡単で信頼性のあるアッセイを提供することである。本発明によればこの目的は、遊離のプロテインSに特異的に結合するリガンドをプロテインSからなる生物学的液体に添加してプロテインS/リガンド複合体を形成させ、次いで遊離プロテインSのレベルを上記液体中に形成されたプロテインS/リガンド複合体として測定し、上記リガンドは少なくともC4b−結合タンパク質(C4BP)の部分からなるアッセイによって達成される。この場合、C4BPは遊離のプロテインSに対する天然のリガンド、あるいはC4BPのプロテインS結合部位に対し同族もしくは類縁のアミノ酸配列または本質的にC4BPと同じプロテインS結合性を有するアミノ酸配列からなる化合物である。
さらに特定すれば、本発明は請求項1に定義された方法に関する。
本発明の適切な実施態様によれば、プロテインSに結合する上記リガンドは、C4BP自体に由来するかまたは全タンパク質もしくは適当なプロテインS結合能を有するその(ポリ)ペプチドフラグメントから構成される。このフラグメントは、C4BPの全体または実質的に全体のプロテインS結合部位からなることが適当である。
C4BPがプロテインSに結合する天然のリガンドであることは、本発明の前からよく知られていたが、PS:C4BPとして結合したプロテインSの存在下における遊離プロテインSのレベルを、生物学的液体サンプル中で、主として遊離プロテインSとC4BPまたはその適当なフラグメントの間の複合体の形成のみに基づく試験において測定するツールとしての使用は示唆されたことがない。
本発明によれば、しかしながらC4BPは、遊離プロテインSの定量のために本明細書に開示されたようなアッセイにおける試薬成分として使用できることが全く予期に反して見出されたのである。C4BPは、大部分のタンパク質とは異なり、長時間にわたって安定であり、熱に比較的非感受性である。しかも、形成された複合体の解離速度は、その定性的および定量的な両測定を十分可能にする程遅い。
本発明との関連における「リガンド」の語は受容体分子たとえばタンパク質、ペプチド、ポリペプチド等のアミノ酸配列に結合して分子複合体を形成するアミノ酸配列からなる分子構造を指示して使用される。本発明の場合には、受容体はプロテインSから構成される。すなわち、本発明のリガンドは抗体パラトープから、または抗体パラトープを決定するアミノ酸配列からなる分子たとえば抗体もしくはそのフラグメントから構成することができる。
本発明の一実施態様によれば、適当には精製型の全C4BP分子が、それ自体遊離プロテインSとの複合体の形成にリガンドとして使用され、次いで形成された複合体すなわちPS:C4BPがよく知られた技術に従って測定される。このアッセイ中に形成されるこのPS:C4BP複合体はもちろん、血液中に自然に存在するPS:C4BP複合体とは区別する必要がある。これはよく知られていて以下にさらに詳細に開示されるアッセイにリガンドとして使用されるC4BPのたとえば標識化および/または固定化により達成される。
本発明の他の実施態様は、C4BP分子中のプロテインS結合部位の正確な局在位置の知識に基づくものである。初期の報告に反し、最近、この結合部位は、C4BP分子のβ鎖の最端のN末端SCR−モジュールに存在することが見出された。
したがって、本発明はまた、C4BP分子のプロテインS結合部位からなり、同じアッセイフォーマットの使用により全C4BP分子として同じ目的のためにプロテインSに結合するリガンドとして使用できるC4BP分子のフラグメント、すなわち短いポリペプチドに関する。よく知られているように、このようなフラグメントはC4BPから、たとえばその酵素消化により誘導することができる。相当するアミノ酸配列の決定後は、このようなフラグメントまたはポリペプチドは慣用の合成方法たとえば固相Merrifieldタイプの合成を用いて製造するのが便利である。組換え技術に基づく方法も使用できる。
本発明の他の実施態様は、ネイティブなプロテインS中のC4BP結合部位の局在位置に関する。局在位置に基づき、上記結合部位からなるプロテインSポリペプチドを得ることが可能であり、したがって、この結合部位および遊離プロテインSに特異的な抗体、モノクローナルまたはポリクローナル抗体を励起するのに使用することができる。明らかに、このような抗体は、C4BPと複合体化したプロテインSに結合せず、複合体化したプロテインS中の相当する抗原決定基もしくはエピトープは既にC4BP分子によって占拠されていることから、C4BPに結合したプロテインSの存在下に遊離のプロテインSの測定に使用することができる。
すなわち、本発明の他の実施態様は、ネイティブなプロテインSのC4BP結合領域およびこれらの領域に特異的な、すなわちC4BPとPSの間の結合相互作用を阻害する抗−PSポリペプチド抗体からなる上記プロテインSポリペプチド(PSポリペプチド)に関する。このようなポリクローナルまたはモノクローナル抗体は遊離のプロテインSと免疫反応し、したがって、診断試薬および治療剤の両方として重要な有用性を有している。
したがって本発明はまた、遊離のプロテインSに結合し、したがってプロテインSのPS:C4BP複合体の形成による不活性化を防止する上記抗体からなる治療用組成物に関する。本発明はまた、C4BPに対する遊離プロテインSの結合を阻害し、C4BP中の遊離プロテインSの結合部位に結合してそれを遮断するのに十分な量の本発明のポリペプチドまたはモノクローナル抗体、および医薬的に許容される担体、賦形剤または希釈剤からなる治療用組成物に関する。
本発明のさらに他の実施態様は、本発明の方法に従い生物学的液体中の遊離のプロテインSをアッセイするための好ましくはキット型の診断システムに関する。このシステムは別個にパッケージされた試薬、本発明のリガンドおよびさらにアッセイの実施に必要な少なくとも1種の指示手段、緩衝液等のような試薬からなる。これらのシステムはアッセイの実施に必要なすべての試薬からなることが適当である。通常、パッケージされた試薬の使用説明書はこのシステムに包含される。
本発明の診断システムおよび遊離のプロテインSを測定するための方法は、慣用される様々なフォーマット好ましくは直接イムノアッセイとして設計することができる。このようなアッセイは、一方ではプロテインSのC4BP結合領域と、他方では、C4BPもしくはそのフラグメントまたはC4BPのプロテインS結合部位に同族もしくは類縁のアミノ酸配列からなるポリペプチド、または本発明の抗−PSポリペプチド抗体パラトープの間の特異的な結合相互作用に基づくものである。
他の実施態様においては、このようなシステムおよび方法はまた液体サンプルから遊離のプロテインSを精製するためにも使用することができる。すなわち、本発明はまた、固体担体に作動性に連結した本発明のリガンドよりなる水性溶液から遊離のプロテインSを精製するための組成物、上記溶液を上記組成物と接触させて上記固体担体に結合したプロテインS/リガンド複合体を形成させ、上記複合体を上記溶液から分離し、上記複合体からプロテインSを放出させることからなる水性溶液から遊離のプロテインSを精製する方法に関する。
以下に本発明をその適当な実施態様を参照しながら、さらに詳細に開示する。本発明は主としてヒト起源のプロテインSに関するものであるが、本発明はまた他のたとえばウシ起源のプロテインSにも適用可能である。
上述のように、本発明は主としてプロテインSとC4BPの間の結合相互作用に関する。さらに詳しくは、本発明は、たとえば遊離プロテインSのアッセイにおいて、遊離プロテインSを捕獲するために使用できるプロテインSに特異的なリガンドの使用に関する。この場合の「遊離プロテインS」の表現は、生体内をC4BPとの複合体の形態で循環するプロテインSとは区別して使用される。本発明の一実施態様は、単に天然に存在するタンパク質C4BP自体のリガンドとしての使用に基づくものであるが、本発明の他の実施態様は、このような相互作用の詳細すなわちプロテインSとC4BPの間の複合体形成に関与するプロテインSおよびC4BP中の相互作用結合部位それぞれの局在位置および/または特異的アミノ酸配列の特異的な知識に関する。すなわち本発明は、C4BP関連リガンドならびに遊離のプロテインSに結合する抗体またはそのフラグメントの使用に関する。
1)C4BPからなるまたはC4BPから誘導されるリガンドの使用
ネイティブなプロテインSに結合するC4BPの少なくとも一部またはすべての部位からなるリガンドに関しては、全C4BP分子の使用が便利であり、本発明の適当な実施態様を構成するが、プロテインSに結合する特異的なアミノ酸配列または少なくともその一部からなるC4BPのフラグメントの使用によっても利点が得られると期待される。最近(上記参照)、C4BP中のネイティブなプロテインS結合部位は、C4BP分子のβ鎖の最端の(最初の)SCR−モジュールに現れることが示された。すなわち、本発明によってリガンドとして使用できるフラグメントは、C4BP分子の無傷のβ鎖、またはこの鎖の本質的に上記N末端SCR−モジュールからなるかまたはそれから構成されるフラグメントである。全タンパク質に代えてこのようなポリペプチドのフラグメントの使用は、リガンドの製造が容易である点で有利であり、このようなフラグメントを遊離のプロテインSの測定のための本発明の方法においてリガンドとして使用する場合、親和性の改良を達成することができる。
上述のように、このようなフラグメントは、慣用のペプチド合成または組換え技術に基づく方法によって製造することができたが、一方、C4BP自体の使用では通常、血漿からPS:C4BP錯体の形態でのC4BPの単離、C4BPのプロテインSからの分離および更なる精製を包含する。適当なC4BPのフラグメントはまた、たとえば上述のように血液から得られたC4BPの酵素的切断によって血液から誘導することもできる。
さらに、組換え技術の使用は、このようなリガンドを遊離プロテインSの捕獲リガンドとして特異的に有用にする性質をもつC4BP様リガンドの設計の可能性を開くものである。すなわち、組換え技術の使用によりC4BPの2つのタイプの鎖すなわちα鎖およびβ鎖の間ハイブリッド分子が形成された。この構築体では、β鎖の最端のN末端SCRがα鎖の相当するモジュールによって置換されている。得られる組換え生成物はそれぞれプロテインS結合部位を含有する多重ジスルフィド連結サブユニットを有するC4BP様分子である。
遊離プロテインSのアッセイにおける捕獲リガンドとしてきわめて効率的であり得るC4BP様分子を設計することが可能ではあるが、本発明の適当な実施態様は全C4BP分子、またはむしろβ鎖からなるC4BP種、すなわちC4BPβのこのようなアッセイにおけるリガンドとしての使用を基盤とするものである。C4BPβ上の結合部位は、生理的濃度のカルシウムの存在下に、プロテインSと極めて高い親和性(KD=0.1nM)で結合し、カルシウムイオンの存在下における会合速度定数は高く(ほぼ105M-1s-1)、解離速度定数は低い(約5×10-4-1)のでC4BPβ(β鎖上に占拠されていないプロテインS結合部位を含有)は遊離プロテインSのきわめて特異的かつ効率的なリガンドであり、遊離のプロテインSおよびPS:C4BP複合体を含有する溶液中において遊離のプロテインSを特異的に結合することができる。
本発明のアッセイにおいてリガンドとして使用されるC4BPが、実質的にβ鎖、したがってプロテインS結合部位鎖を含有するC4BP種からなることは、もちろん必須である。これは、本発明の方法において使用されるC4BPが上述のように7個のα鎖と1個のβ鎖を有するその主要なアイソフォームC4BPβから実質的に構成されること、β鎖を欠くその副次的なアイソフォームは存在しないかまたは低比率でしか存在しないことを意味する。
本発明の遊離のプロテインSのアッセイに適当な実施態様によれば、C4BPβは担体たとえばマイクロタイタープレート上に固定化され、遊離のプロテインSおよびPS:C4BP複合体の両方を含有する溶液に接触させ、すなわちそれとインキュベートして特異的に結合させ、すなわち上記溶液から遊離のプロテインSを抽出し、次いで固定化リガンドに結合するプロテインSをプロテインSに特異的なモノまたはポリクローナル抗体によって検出することができる。
カルシウムの存在下における高い会合速度定数は、この一次的捕獲のために使用されるインキュベーション時間を著しく短縮することを可能にする。適当には、上記モノまたはポリクローナル抗体とのインキュベーション前に、数回の洗浄工程を実施する。原理的には、プロテインSに特異的な任意の抗体を使用できる。しかしながら、本発明の方法の適当な実施態様によればモノクローナル抗体が使用され、ある種のユニークな性質をもつモノクローナル抗体が最も適当である。HPS54と呼ばれているこの抗体は、特徴が解明され
Figure 0004224138
プロテインSに極めて高い親和性を有することが知られている。そのエピトープはプロテインSの最初のEGF様ドメインに位置し、すなわち、SHBG領域に存在するC4BPβの結合部位とは異なり、プロテインSへの上記抗体の結合の高い親和性を達成するためにはカルシウムが要求される。これらのユニークな性質から、この抗体は固定化されたC4BPβによって保持されたプロテインSの検出のために適当な試薬となる。プロテインS/リガンド複合体が結合したHPS54モノクローナル抗体も有する固定化されたリガンドに結合したプロテインSの検出を可能にするためには、HPS54をその検出が可能なように直接標識するか、または二次工程によりたとえばこのモノクローナル抗体に対する二次抗体によって検出する。
リガンドとしてC4BPを用いる上に開示された方法は、本発明の例示のためのみに提供されたものである。本発明は、この実施態様に限定されるものではなく、遊離のプロテインSの測定のために記載された原理を用いるほぼ無限の可能な方法があり、アッセイ原理の多くの異なる設計が可能である。すなわち、本発明の改変および更なる実施態様は本技術分野の熟練者には自明である。
2)遊離プロテインSに特異的な抗体からなるリガンドの使用
本発明によれば、遊離のプロテインSを捕獲するために使用されるリガンドはまた、遊離のプロテインSに特異的な抗体を含んでいてもよい。すなわち本発明は、プロテインSとC4BPの結合相互作用に関与することが見出されているプロテインSの領域に対して直接励起された抗体に関する。
このような抗体は、上記の特異的領域からなる本発明のPSポリペプチドの使用によって得られる。所望の特異性を有する抗体を得るために使用される上記ポリペプチドは、たとえば適当な動物への投与(免疫処置)による接種材料の調製に用いられる。
これらのPSポリペプチドは、従来技術においてC4BPの結合に関与することが示唆されたプロテインSの領域と異なる成熟プロテインSの領域からなる。
本発明によれば、C4BPの結合に関与することが見出され、したがって抗原たとえばポリペプチド中に存在すると、遊離のプロテインSに特異的な抗体の励起に免疫原または抗原として潜在的に有用なプロテインSの領域は、すべて成熟プロテインSの式:SGIAQFHIDY NNVSによって表されるアミノ酸残基447〜460を包含する。
本発明はしたがって、成熟プロテインSの少なくともアミノ酸残基447〜460からなるポリペプチドであるPSポリペプチドに関する。上記ポリペプチドは、場合により、プロテインSの相当する隣接領域とは異なる付加的なN末端および/またはC末端アミノ酸残基をもっていてもよい。PSポリペプチドは447〜460アミノ酸配列のN末端またはC末端部分および成熟プロテインSの残基に相当するそれぞれ付加的なN末端またはC末端隣接残基から構成されてもよく、また全447〜460アミノ酸配列と両末端に成熟プロテインSの残基に相当する付加的な隣接残基から構成されていてもよい。このようなPSポリペプチドの例としてはそれぞれアミノ酸残基439〜460、447〜468および435〜468からなるポリペプチドがある(表1)。本発明者らは上記配列に相当する合成ポリペプチドがプロテインS−C4BP相互作用を阻害できることを示したが、従来技術においてC4BPの結合に関与することが示唆された残基405〜437および595〜628に相当する合成ポリペプチド(表1)は、プロテインSに対して過剰に(2000倍)使用しても阻害作用は全く示さなかった。すなわち、本発明のポリペプチドは、成熟プロテインSのアミノ酸残基447〜460に相当するアミノ酸残基配列、および場合により一方もしくは両末端に成熟タンパク質の付加的な隣接配列を有するが、それらのN末端における成熟プロテインSのアミノ酸残基438またはそれらのC末端における成熟プロテインSのアミノ酸残基526を越えて伸展しないことが適当である。プロテインSから誘導されるのとは別に、本発明のポリペプチドは慣用のポリペプチド合成により調製することもできる。
プロテインSの上述のアミノ酸のナンバリングは、たとえば
Figure 0004224138
に使用された慣用のナンバリングであり、これらの参考文献にはプロテインSのcDNAおよびアミノ酸配列が開示されている。
したがって、本発明の適当な実施態様は、上述のPSポリペプチドに対して励起され、したがって、遊離プロテインSに対するC4BPの高親和性結合に関与することが見出されたプロテインSの上記アミノ酸残基配列と免疫反応することができる抗体、ポリクローナル抗体または好ましくはモノクローナル抗体に関する。上に説明したように、このような抗体は遊離プロテインSに特異的であり、C4BPと複合体を形成したプロテインSには結合しない。
本発明の抗体は抗−PS抗体とも呼ばれ、遊離プロテインSに対する免疫特異性を特徴とする。さらに、それらはC4BPに対するプロテインSの結合を阻害すること、したがって血液中の遊離プロテインSの量を増加させる薬剤としての有用性が期待できる。
本発明の適当な抗−PS抗体は、成熟プロテインSのアミノ酸残基447〜460からなるポリペプチドとの免疫反応が可能であり、上記抗体はまた遊離プロテインSの同じアミノ酸配列と免疫反応する。
本発明の抗体は、市販のプロトコールを用いて一般に知られた方法に従って製造することができる。一般的には、動物好ましくは哺乳動物に、成熟プロテインSのアミノ酸残基447〜460からなる本発明のPSポリペプチドを、その動物に抗体の産生を誘導するのに十分な量を用いて接種たとえば注射を行う。次いで生成した抗体を動物から、適当には血清、腹水もしくは他の体液、または抗体産生臓器たとえば脾臓から収集し、組換え技術による抗体の製造に使用する。
所望の免疫特異性を有するそれらの抗体は好ましくは、たとえば体液から適当には免疫親和性クロマトグラフィーまたは他のよく知られた技術によって単離される。もし、固相に付着した免疫処理ポリペプチドからなる免疫親和性クロマトグラフィーを用いて抗体を精製すると、これらの免疫特異性は増強される。このような免疫親和性クロマトグラフィーでは、抗体を固相に付着した免疫処置ポリペプチドと接触させて固相に付着した免疫複合体を形成させ、次いで、この免疫複合体から抗体を分離する。
動物の免疫処置に使用されるPSポリペプチドは短いポリペプチドであることから、それらは担体に連結して接合体を形成させた接種材料中に包含させることが好ましい。このような接合体の使用は、約35またはそれ未満のアミノ酸からなるペプチドには好ましい。適当な担体は本技術分野でよく知られていて、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、カブトガニからのヘモシアニン(Limulus polyphemus)、エデスチン、サイログロブリン、アルブミン等がある。
ポリペプチドの担体への接合を補助するには、ポリペプチドはポリペプチドのアミノまたはカルボキシ末端に付加されたアミノ酸残基から構成されてもよい。適当には、システイン残基を添加し、ジスルフィド結合の形成によってポリペプチド/担体接合体が得られるように遊離のシステイン残基からなる担体を使用する。このような添加されたシステイン残基は、たとえば添加されたシステイン残基からなる免疫処置ポリペプチドを遊離システイン残基からなる親和性マトリックス、たとえばThiolSepharose(R)(Pharmacia Fine Chemicals)に結合させることによって上述の免疫親和性による精製を行なう際の助けとなる。
本発明の抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体であってよく、通常、モノクローナル抗体が好ましい。「抗体」の表現は全抗体のみでなくその適当なフラグメントも意味する。モノクローナル抗体は、特定のエピトープと免疫反応できる抗体結合部位またはパラトープの1個の単一種のみを含有する。しかしながら、モノクローナル抗体は2個以上の抗体結合部位から構成されてもよく、このような抗体は多重特異的、たとえば二重特異的である。適当には、本発明のモノクローナル抗体は単一特異性であり、本発明のPSポリペプチドに特異的な単一のパラトープからなり、したがって、また遊離のプロテインSに特異的である。
モノクローナル抗体の製造は、本技術分野においてよく知られていて、最初はKoehler & Milstein, Nature 256:495-497, 1975に開示された。この文献に論じられているように、モノクローナル抗体はハイブリドーマと呼ばれる1個の単細胞のクローンによって産生される。これらのハイブリドーマは抗体産生細胞、通常はリンパ球の骨髄腫または他の自己永続化細胞系との融合により形成され、それらはハイブリドーマ細胞培養液の上清に抗体を分泌する。本ハイブリドーマの製造には、抗原として本発明のPSポリペプチドで予め過免疫した動物から収集したリンパ球を使用する。本発明はまた、本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞およびこのようなハイブリドーマ細胞を含有する細胞培養液に関する。
好ましくは、本発明のポリクローナルおよびモノクローナル抗体は、本明細書の実験の部に開示される本発明のPSポリペプチドと免疫反応し、したがって遊離プロテインSと高い特異性で免疫反応する。
本発明の適当な実施態様によれば、このような抗体は、液体サンプルたとえば血液、血清または血漿中の遊離プロテインSの検出または定量のためのELISAフォーマットにおける使用を意図し、この抗体が固相に結合され、酵素−抗原接合体がサンプル中の抗原、すなわち遊離のプロテインSの量を検出および定量に使用される試験システム、たとえば診断キットに使用することができる。
上述のように、本抗体およびC4BP関連リガンドは、遊離のプロテインSをアッセイするための診断システムにおいて使用することができる。本発明によればこのようなシステムは通常、本発明のアッセイにおいて形成される受容体/リガンド複合体の定性的または定量的測定を容易にする指示手段も包含する。このような指示手段は、基板へのリガンドの固定に加えて、遊離型すなわち固相担体、マトリックス等に結合していない上記複合体のアッセイを可能にする別法として使用できる。
このような指示手段または標識は、本発明のリガンドに連結するかまたは導入できる単一の原子または分子から構成されるかまたは別個に使用され、本発明の受容体/リガンド複合体の形成を指示する検出可能なシグナルの産生に直接または間接に関与する。付加的試薬が必要な場合もあり、たとえば酵素標識に関してはシグナルを可視化するため相当する基質が要求される。有用な指示手段または標識は、本技術分野でよく知られていて、たとえば色素原、蛍光原および化学ルミネッセンス原標識があり、蛍光原標識、たとえばフルオレセインイソシアナート(FIC)が特に適している。使用できる他の標識には酵素、たとえば西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)および放射性同位元素たとえば125Iがある。
本発明のリガンドは、たとえば吸着によって固体マトリックスに固着させるのが適当である。有用な固体マトリックスは本技術分野において周知であり、水不溶性材料たとえばPharmacia Fine Chemicalsから登録商標Sephadexとして入手できる架橋デキストラン;アガロース;Abbott Laboratories of North Chicago, ILから入手可能な直径約1μm〜5mmのポリスチレンビーズ;シート、ストリップもしくはパデル状の塩化ポリビニル、ポリスチレン、架橋ポリアクリルアミド、ニトロセルロースもしくはナイロンベースのウエブ;たとえばポリスチレンもしくは塩化ポリビニルから作成されたチューブ、プレートもしくはマイクロタイタープレートのウエルがある。
本明細書に記載された診断システムの試薬成分は、溶液または液体分散液として提供することができる。しかしながら、実質的には乾燥粉末が適当であり、凍結乾燥形態がより好ましい。指示手段として酵素を使用する場合は、相当する基質はシステムの別のパッケージで提供することもできる。固体支持体たとえば上述のマイクロタイタープレートおよび1種または2種以上の緩衝液も、この診断システム中の個別にパッケージされたエレメントとして包含しうる。
本発明の適当な実施の態様を以下の実施例において、添付の図面を参照しながらさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
図1は正常血漿希釈液(1:40〜1:640)で得られた標準曲線を示す。490mmにおける吸収値(A490)を対数希釈値に対してプロットする。別にA490値を遊離プロテインSのレベル(%)に対してプロットする(下方のx軸)。
図2は線型回帰分析の結果を示す。実施例2のアッセイで得られた値(%)を(y軸)インハウスRIAで得られた値(%)に(x軸)対しプロットする。
図3および図4は実施例2のアッセイで得られた値(y軸)とStago(図3)による市販ELISAおよびインハウスRIA(図4)で得られた値(x軸)の間の相関を示す。
図5Aおよび図5Bは平衡結合アッセイ(図5A)および表面プラスモン共鳴アッセイ(図5B)におけるプロテインS/C4BP相互作用のペプチド阻害を示す。
実施例1〜4
これらの実施例においては、血漿サンプル中の遊離プロテインSを捕獲するためにC4BPを固定支持体上に固定化されたリガンドとして使用した、本発明による遊離プロテインSの特異的アッセイが開示される。固体支持体としてはマイクロタイタープレートを使用した。
実施例1.アッセイに用いられるプレートおよび他の材料たとえば試薬および血漿サンプルの調製
A.固定化されたC4BPを含有するマイクロタイタープレートの調製
リガンドとしては、プロテインS結合β鎖を含み、C4BPβと命名されたC4BP種をマイクロタイタープレート上のウエル(NUNC, DenmarkからのMaxisorb)に以下の標準操作を用いて固定化した。すなわち、10μg/mlの精製C4BPを50mMの炭酸緩衝液、pH9.6、50μl/ウエル中で一夜インキュベートする。ウエルを50mM Tris−HCl、0.15M NaCl、pH7.5(TBS)に0.1%Tweenを加えた液(TBS洗浄緩衝液)で3回洗浄し、次いでTBSに希釈した1%ウシ血清アルブミン(BSA)と室温で30分間インキュベートした。プレートを次いでTBS洗浄緩衝液で洗浄して冷蔵庫に保存した。これらの条件下で遊離プロテインSアッセイにおけるプレートの効率は少なくとも5週間は許容されることが見出された。
B.A項において固定化されたリガンドとして使用されるC4BPβの調製C4BPβは、最初にプロテインS/C4BP複合体の形態でヒト血漿から単離された。次いでこの複合体を解離し、C4BPβを3Mグアニジン塩酸塩中ゲルろ過クロマトグラフィーによってプロテインSから分離し、C4BPβをさらにモノクローナル抗体親和性クロマトグラフィー法で精製した。この方法によれば、得られる生成物は主としてC4BPβであるが、β鎖のない少ない比率のC4BP種がC4BPβとともに分離される可能性がある。C4BPの単離は以前に報告されている
Figure 0004224138
C.標準曲線のための血漿サンプルの調製
正常なクエン酸ヒト血漿のプール(約40名のドナーから)を用いて標準曲線を構築した。血漿を患者サンプルに用いたのと同じ緩衝液で1:40〜1:640に希釈し、患者サンプルと同じ方法で処理した。
D.プロテインS枯渇血漿の調製
正常ヒト血漿(標準方法によりクエン酸三ナトリウムで抗凝固化した20ml)をプロテインS用の親和性マトリックス、15mlのHPS54−Sepharose(固定化モノクローナル抗体HPS54を含有するSepharose)と混合し、穏やかに攪拌しながら4℃で2時間インキュベートした。プロテインS枯渇血漿は遠心分離によって収集し、−70℃で保存した。
実施例2.標準曲線の確立および患者血漿サンプルのアッセイのためのアッセイ操作
正常血漿希釈サンプル中の遊離のプロテインSの測定のために以下のアッセイ操作を使用し、標準曲線を構築した。同じ操作を患者血漿サンプルのアッセイに用いた。
アッセイ操作:分析すべきサンプル(患者血漿;通常1:100血漿希釈液、希釈用の緩衝液は1%BSA、2mM塩化カルシウムおよび1mMベンザミジン含有TBSである)のアリコート(50μl)をC4BP−マイクロタイタープレートのウエルに加え、室温で30分間インキュベートした。ウエルを次いでTBS洗浄緩衝液で洗浄し、ビオチン化モノクローナル抗体HPS54(1%BSA、2mM塩化カルシウム含有TBS中に1:1000に希釈,約0.1〜1μg/mlに相当)を添加した。未結合HPS54を3×TBS洗浄緩衝液で洗い落とした。ペルオキシダーゼ接合ストレプトアビジン(Dakopatts AS;製造業者の指示書に従って調製し、1:2500に希釈した)(50μl/ウエル)を加えて、室温で15分間インキュベートした後、未結合の複合体を3×TBS洗浄緩衝液で洗い落とした。ペリオキシダーゼ基質OPD(Dakopatts ASからの2mgの錠剤の形態の1,2−オルトフェニレンジアミン)のアリコート(100μl/ウエル)を0.1Mクエン酸−リン酸緩衝液、pH5.0中1.5mg/mlで(Dakopattsの指示書に従って調製)H22(0.015%)とともに添加した。正確に5分後、反応を100μl/ウエルの1M H2SO4によって停止させ、吸収を490nmで測定した。
標準曲線を確立するために、血漿希釈サンプルについて上に得られた吸収値をy軸に対数目盛のx軸上の血漿希釈度(1:40〜1:640)に対し標準様式でプロットした(図1)。患者のサンプルは1:100の希釈度で試験し、得られた吸収を使用して遊離のプロテインSの量を計算した。値は、正常血漿中に存在する遊離プロテインSの%として表した。遊離プロテインSの%での値は図1中の別の(下方)x軸上から直接読み取ることができる。アッセイはまた、指定されたプロテインSレベルを有する国際標準または精製プロテインSの標準に対して検量することもできる。
実施例2のアッセイの最終プロトコールは、様々な工程について条件を注意深く試験したのちに決定した。実際、各工程を試験の精度を犠牲にすることなく迅速なアッセイの結果を目標に評価した。すなわち、上述の操作は様々の希釈度、温度およびインキュベーション時間の影響を統合的に評価し、多くの可能な組合せから満足できるアッセイ操作となる唯一のものであった。現時点で好ましい条件および他の適当な条件は以下の記載から明らかである。
C4BP−マイクロタイタープレート中希釈血漿のインキュベーション時間
室温は固定化C4BPへの遊離プロテインSの結合を迅速化し、したがって、冷蔵庫でのインキュベーションよりもよく使用される。3種の異なる血漿希釈度(1:60、1:120および1:240)で30分〜5時間インキュベートしたのち、アッセイの残部を完結させた。1:60の希釈により最大の応答(高い吸収)が既に1時間後に得られ、1:120の希釈では2時間後、1:240の希釈では4〜5時間後にその最大応答に到達した。実際的な目的には、30分のインキュベーション、および1:100の患者血漿の希釈が好ましかった。
ビオチン化HPS54のインキュベーション時間および希釈度
ビオチン化モノクローナル抗体の希釈液(1:500〜1:4000)をアッセイにおいて15〜30分間インキュベートした。高い希釈度は低い希釈度とほぼ同じ吸収値を与えた。したがって、1:1000の希釈および15分間のインキュベーションが好ましかった。
ペルオキシダーゼ接合ストレプトアビジンのインキュベーション時間および希釈度ならびに基質の展開時間
上述の場合と類似の方法において、酵素についてのインキュベーション時間および希釈ファクターは、1:2500の希釈および15分のインキュベーション時間が好ましいことが確立された。基質の変換時間は好ましくは5分であった。
実施例2に実質的に開示されたように行われる本発明のアッセイは、操作が容易な信頼性ある試験である。プロテインSのC4BP上のその結合部位への速やかな結合速度はインキュベーション時間の短縮を可能にする。C4BPからのプロテインSの遅い解離速度は、洗浄操作、ならびに結合プロテインSに対するモノクローナル抗体の添加、酵素接合体および最後に酵素の基質の添加を含めた以後の工程の実施を可能にする。しかもカルシウムの存在下に結合速度は早くなり、解離速度は遅くなることが見出された。この理由から、アッセイに使用される緩衝液はカルシウムを含有することが好ましい。これは多分、アッセイの優れた効率に寄与する重要な因子であると思われる。さらに、各工程を至適化することにより、アッセイの実施に要する時間を短縮することができる。すなわち、2時間以内に実施可能な速やかなアッセイを設計することができる。さらにまた、アッセイは自動化に適し、多数のサンプルの処理が可能になる。
実施例3.リガンドとしてC4BPを用いるアッセイの特異性および感度
A.遊離プロテインSのアッセイの特異性
遊離プロテインSのアッセイの特異性を試験するため2つの異なる実験を実施した。第1の実験では、プロテインS枯渇血漿を本発明のアッセイによって試験して、検出不能なレベルのプロテインSを含有することが見出された。これはアッセイが血漿中の他の成分は検出しなかったことを示している。再構築実験すなわちプロテインS枯渇血漿にプロテインSを再補充したのちには、プロテインSの回収率は80〜90%であった。すなわち、プロテインS枯渇血漿に3種の濃度(20、10および5μg/ml)の高度に精製されたプロテインSを添加したアッセイではそれぞれ約17.5、8.5および3μg/mlの値を与え、正常血漿の100%レベルは遊離プロテインS 10μg/mlに相当することを示した。この値は文献に示唆されている(Malmら,”Changes in the plasma levels of Vitamin K-dependent protein C and S and C4b-binding protein during pregnancy and oral contraception”, Brit.J.Haematol. 68:437-443, 1988)。すなわち実験誤差の範囲内でこの実験はアッセイがプロテインSに特異的であり、またプロテインSの遊離型に特異的であるとの結論を支持する。この後者の点を証明するため、C4BPをヒト血漿に添加し(血漿中に1:1、2:1および10:1のC4BP:遊離プロテインSのモル比を理論的に与える量−この場合も正常血漿中の遊離プロテインSの量は10μg/mlと仮定した)、37℃で1時間インキュベートした。この実験の考え方はC4BPが遊離プロテインSを結合することが可能で、これにより遊離プロテインSの測定量の低下が生じるとするものであった。これは、遊離プロテインSに比較して2倍モル過剰のC4BPの添加が遊離プロテインSの90%低下を生じた場合にも認められた。遊離のプロテインSに対するアッセイの特異性はさらに、遊離プロテインSについての2種の従来技術のアッセイによって得られた結果を本発明のアッセイの結果と比較することによっても証明された。この比較は実施例4にさらに詳細に記述する。アッセイの変動係数はインター−アッセイ測定で8.5%(n=15)、イントラー−アッセイ測定で7%(n=20)であった。
B.アッセイの感度
アッセイを実施例2に記載のプロトコールに従って実施した場合、1:100の希釈で遊離プロテインSほぼ100ng/mlに相当する100%を示した(非希釈血漿中の遊離プロテインSの量は10μg/mlと仮定)。このアッセイは15〜250%の遊離プロテインSレベルの正確な定量を可能にする(血漿希釈度1:100を用いた場合)。これは遊離プロテインS 15〜250mg/mlに相当する。他の血漿希釈度、たとえば1:5または1:10の使用によってもアッセイはさらに感度がよく、ある種の場合たとえば胎児がプロテインSのホモ接合型欠損であるか否かについての出生前診断において興味がある1%程度の低レベルの測定が可能である。
実施例4.遊離プロテインSの従来技術アッセイとの比較
実施例2のプロトコールに従ってプロテインSについて本発明のアッセイの効率を遊離プロテインSの2つの他のアッセイの場合と比較した。アッセイ1は、きわめてよく特徴が明らかにされ、ある時期国際的評価において信頼できる標準と考えられたホームメイドラジオイムノアッセイ(RIA)とした。このアッセイは以前に、Malmらの”Changes in the plasma levels of Vitamin K−dependent protein C and S and C4b−binding protein during pregnancy and oral contraception”, Brit. J. Haematol. 68:437−443, 1988に記載されている。このアッセイでは、放射標識プロテインSおよびポリクローナルプロテインS抗血清を包含する標準RIA操作によって総プロテインSおよび遊離プロテインSが測定される。総プロテインSは血漿希釈液で直接測定されるが、遊離のプロテインSは血漿中のプロテインS/C4BP複合体を5%ポリエチレングリコール(PEG)6000で沈殿させたのち測定される。このアッセイは時間がかかり(通常2日以上)、労力を要する。比較に用いられた第2のアッセイは、2種のモノクローナル抗体を使用する市販のELISAであり、この場合の1つの抗体は遊離プロテインSに特異的で、捕獲抗体として(すなわち実施例2のアッセイにおけるC4BPと同じ目的で)使用される。このアッセイはStagoから入手可能であり、Amiralならびに共同研究者らによる報告”New direct assay of free protein S antigen using two distinct monoclonal antibodies specific for the free form”,Blood Coaguration and Fibrinolysis, 5:179−186, 1994に記載されている。
A.比較した患者群
1.血漿プロテインSレベルの評価のために、RIAを使用して分析している
Figure 0004224138
の大学病院のCoaguration laboratoryからの血漿サンプル(n=220)を用いた。患者の大部分は深部静脈血栓症の病歴をもつ患者であった。
2.プロテインS欠乏家族のメンバー。多くのプロテインS欠乏家族が上述のCoaguration laboratoryにおいてRIAによって評価され、その結果は
Figure 0004224138
および共同研究者らによって”Evaluation of the relationship between protein S and C4b−binding protein isoforms in hereditary protein S deficiency demonstrating type I and type III deficiencies to be phenotypic variants of the same genetic disease”, Blood 85:3524-3531, 1995に報告されている。これらの家族からの150の血漿サンプルをランダムに選択し、実施例2のアッセイならびにDiagnostica Stagoからの遊離プロテインSのAsserachromeアッセイで試験した。さらに、その結果をインハウスRIAで得られた結果と比較した。
3.長期間にわたってビタミンK−アンタゴニスト(ワルファリン)による経口抗凝固剤処置を受けている患者(プロテインSの欠乏症のあるものまたはないもの)からの血漿サンプル。血栓症の病相を有する患者からの61サンプルを含み、23例の患者はプロテインS欠乏症を有する家族からの患者であった。
B.比較試験の結果
1.実施例2に開示された遊離プロテインSのアッセイで得られた値を、遊離プロテインSのインハウスRIAによって得られた結果と比較した。いずれのアッセイについても、遊離プロテインSは遊離プロテインSの正常レベルの%として表した。線型回帰分析(図2)から、2つのアッセイが同じパラメーターを測定し、それらがよく相関することが明らかである。線型回帰分析式はy=0.984x+1.62、R2=0.88(R=0.94)P=0.0001であった。域外値はなかった。
2.プロテインSの欠乏が分かっている家族に属する個体からの血漿サンプル(n=155)を3種のアッセイすなわち実施例2の本発明のアッセイ、StagoアッセイおよびインハウスRIAで試験した。図3および図4に例示するように、相関は優れていて、R2値は0.95に近かった。3種のすべてのアッセイが同じパラメーターを測定し、プロテインSの欠乏が疑われる個体の同定に同等に有効であった。Stagoアッセイと比較した場合、回帰式はy=1.218x−16.42(x軸に対する本アッセイ)であり、これは本発明のアッセイよりも急峻な用量−応答曲線を示す。さらに、本発明のアッセイは低値についてより正確で、0%に近い低値を与えたのに対し、Stagoアッセイでは5%未満の値を与えたサンプルはなかった。かなり負に寄った裁片−16.42を示した。一方本発明のアッセイをインハウスRIAと比較すると截片は正(+9.526)(回帰式はy=1.024x+9.526)であった。この比較では傾斜は1に近かった。
3.経口抗凝固剤処置を受けている患者で得られた相関は満足できるものであった。RIAと比較した試験では回帰式はy=0.88x−2、R2=0.86であった。yはRIAからの値を意味する。
上記実施例1〜4から、C4BPは遊離プロテインSのアッセイにおける捕獲リガンドとして適当であり、このアッセイは従来技術のアッセイと比べて少なくとも同様に高い精度を有することが明らかである。さらにC4BPを包含する本発明のアッセイは時間を要せず、定常的に実施するのが容易である。
以下の実施例5は、プロテインSにおけるC4BPの結合部位と特異的に免疫反応する抗体を捕獲リガンドとして、および本発明のプロテインS関連ポリペプチドを使用する本発明の実施態様に関する。実施例5においては、本発明のポリペプチドのC4BPへの結合およびプロテインSのC4BPの結合のそれらによる阻害能力、したがって、プロテインS/C4BP相互作用を本発明の範囲外のポリペプチド(一部の従来技術のポリペプチドを含む)と比較して検討した。上述の性質を有する本発明のポリペプチドは、本発明のアッセイで捕獲リガンドとして使用できる本発明の抗体を産生するための免疫原または抗原として有用である。
実施例5.プロテインS関連ポリペプチド
A.ペプチド合成および精製
表1に掲げたプロテインS関連線状ペプチドは、MilliGen 950 Plusシンセサイザーにより「連続フローペプチド合成」として、活性エステルたとえばペンタフルオロフェニルエステルでのFmoc化学を用いて合成した。これらのペプチドは以下の表1に掲げたように、それらのポリペプチド記号によって呼ぶことにする。表1にはまた、各ペプチドのアミノ酸残基および成熟プロテインSの相当するアミノ酸配列番号を掲げる。合成に際して最初のアミノ酸(C末端アミノ酸)はMilliporeからの樹脂PEF−PS支持体(登録商標;ポリエチレングリコールポリスチレン)にカップリングした。合成後、樹脂を濯いで乾燥した。ペプチドは、ペプチドのアミノ酸組成に応じて92〜95%TFA含有の異なるスカベンジャーを用い、N2気体下暗所で2時間切断して樹脂から放出させた。樹脂をろ過して除き、濃TFAで洗浄した。濃縮後、冷ジエチルエーテルでペプチドを沈殿させ4回洗浄した。エーテルを蒸発させ、ペプチドを0.1%TFA/H2O(または0.1%TFAに溶解しにくいSL1、SL2、SL4、SL6およびSL7ペプチドについては50〜70%酢酸)に溶解させた。ペプチドをHPLC(Waters 600E Systemコントローラー、Waters 486 Tunable Absorbance検出器、C8カラム、Kromasil 5、100A C8、250mm×21.2mm)上にて、A)0.1%TFA/H2O、そしてB)0.1%TFA/80%アセトニトリル/H2Oの直線勾配を用いて精製した。ペプチドはSpeedvacによって濃縮し、凍結乾燥した。
Figure 0004224138
B.ペプチドのフォールディング
ペプチドBD4およびBD6は、HPLC精製(上述の通り)の前に還元した(0.1M Tris pH8.3中0.1M DTTおよび6Mグアニジン塩酸塩とともに室温で2時間、ペプチド濃度10mg/ml)。精製後、各ペプチド中の2つのシステイン間にジスルフィド結合が形成されるようにそれらをフォールディングした(0.1M Tris pH8.3中1mM EDTA、3mMシステイン塩酸塩および0.3mMシスチン、N2気体下室温で16時間、ペプチド濃度0.1mg/ml)。フォールディング後、ペプチドは2回目のHPLC精製(上述したのと同様にして)に付した。
C.化学剤
化学剤はすべて最高級の市販品を用いた。緩衝液およびすべての他の溶液は、使用前にオートクレーブ処理または滅菌ろ過を行った。実験を通じて、滅菌実験用具を使用した。本実施例においは、オートクレーブ処理した緩衝液に以下の略号を使用する。TBS=50mM Tris、0.15M NaCl、2mM CaCl2、pHをHClにより7.5にセット;TBS/Tween=0.5%Tweenを加えたTBS;TBS/NaN3=0.02%NaN3を添加したTBS;HC=10mM Hepes、0.15M NaCl、3.4M EDTA,0.005%Tween 20、pH7.4;PBS=0.15M NaClを含有する0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.0である。センサーチップCM5、N−ヒドロキシスキシンイミド(NHS)、N−エチルN′−(3′−ジエチルアミノプロピル)−カルボキシジイミド(EDC)、およびエタノールアミン塩酸塩を含有するアミンカップリングキットはPharmacia Biosensor AB(Uppsala, Sweden)からの製品である。界面活性剤、Tween 20はRiedel de Haenから入手した。NHS−LC−ビオチン化キットはPierce(Rockford, Illinois)から入手した。ペプチド合成のための化学剤はMilliporeの製品とした。
D.マイクロタイター中におけるプロテインS−C4BP相互作用のペプチドによる阻害
マイクロタイタープレートは、C4BP 50μl/ウエル、0.075M炭酸ナトリウム緩衝液、pH9.6中10μg/mlでコートした。プレートを一夜4℃でインキュベートし、次いで0.1%Tween 20を含有するTBS、pH7.5により洗浄した。反応を停止させたのち(TBS:pH8.0,0.05%Tween 20,3%魚ゼラチンおよび0.02%NaN3含有、100μl/ウエル,30分)洗浄し、10mM EDTA含有TBS中ペプチド(0.1〜3000mM)または血漿精製ヒトプロテインS(0.13〜1333mM)の濃度を増大させながら痕跡量の125I−標識プロテインSとともに最終容量が50μlになるように加え、4℃に一夜放置した。次いでウエルを洗浄し、結合プロテインSの量をγ−カウンターを用いて検出した。
E.表面プラスモン共鳴試験によるプロテインS−C4BP相互作用のペプチド阻害
表面プラスモン共鳴試験は、BIAcore装置(登録商標,Pharmacia Biosensor AB)を用いて実施した。センサーチップのデキストラン被覆金表面へのC4BPの固定化は、フロー緩衝液としてHCを用い、フロー速度5μl/分で実施した。最初に等容量の0.1M NHSと0.1M EDCを混合し、次いで30μlのこの混合物をセンサーチップ上に流してカルボキシメチル化デキストランを活性化した。次いでC4BPをセンサーチップ上に注入し(10mM NaOAc,pH4.75中60μg/ml溶液40μl)、未反応NHS−エステル基を1Mエタノールアミン(pH8.5)15μlによってブロックした。システムは0.1M HCl 15μlを添加して非共有結合で結合した分子を除去して再生させた。C4BPの固定化量は、8000RUであった。プロテインSの会合は、HC緩衝液中50nMのヒトプロテインSを45分間1分あたり1μlで連続的に流してモニターした。各ペプチドのプロテインS結合の阻害能は、プロテインSとペプチドの混合物についてC4BPの会合を追跡することによって検討した。BIAcore(R)で結合物質の総量が測定される。ペプチドはプロテインSより25倍小さく、ペプチド結合によるプロテインS結合の阻害は会合相に観察された応答を激しく低下させる。結合プロテインS%、Xは次のように計算された。
X=(S−0.04 Smax)/0.96 Smax
式中、Sは測定された応答であり、Smaxはペプチドの不存在下に得られた応答である。
F.実験結果
(1)平衡アッセイにおけるプロテインS−C4BP相互作用のペプチド阻害
D項に示されたように、合成ペプヂドを、それらが固定化C4BPに対する125I−標識プロテインSトレーサーの結合を置換する能力について試験した(図5A)。SL2、SL6およびSL7、すなわち本発明のペプチドはプロテインSトレーサーのC4BPへの結合を完全に阻害することが見出されたが、他のペプチドはプロテインS/C4BP相互作用に全く影響しなかった。3種の阻害ペプチドでは、血漿精製ヒトプロテインS約2μMに比較して、100〜200μMで50%最大阻害が認められた。
(2)表面プラズモナンスアッセイによるプロテインS−C4BPの相互作用のペプチド阻害
E項に示されたように、合成ペプチドがC4BPに対するヒトプロテインSの結合を阻害する能力はまたBIAcore(R)により表面プラスモン共鳴を用いて検討した。6種のペプチド(SL1、SL3、SL4、SL5、BD4およびBD6)については、プロテインS単独の場合と同じ応答が、ペプチドをプロテインSに対して2000倍過剰(100μMペプチド,50nMプロテインS)にしても観察された。しかしながら、3種のペプチド、SL2、SL6およびSL7、すなわち本発明のペプチドはC4BPに対するプロテインSの結合を30〜120μMのペプチド濃度で最大阻害の50%で防止した(図5B)。
阻害作用を有する3種のすべてのペプチド、すなわち本発明のペプチド中には残基447〜460が存在するが、上記試験で阻害作用のないペプチドにはその残基はない。
上記実験の結果は図5Aおよび図5Bに示す。これらの図ではプロテインS−C4BP相互作用のペプチド阻害は、表1に掲げた9種のペプチドの濃度に対する結合したプロテインSの量(ペプチドの不存在下に結合する量に対して)として示す。(○)SL1、(◆)SL2、(□)SL3、(+)SL4、(◇)SL5、(●)SL6、(▼)SL7、(△)BD4および(▽)BD6。図5Aには、マイクロタイターウエル中固定化C4BPおよび放射標識ヒトプロテインSを用いた平衡結合アッセイからの結果を示す。このパネルには、放射標識プロテインSと比較した非標識プロテインSのデータ(▲)も示す。図5Bには、BIAcore(R)センサーチップ上表面プラスモン共鳴アッセイからの結果を示す。結合したプロテインSの量Xは観察されたシグナル強度Sから、ペプチドSmaxの不存在下の最大シグナル強度と比較し、X=(S−0.04)/0.96Smaxとして計算した。
上記結果から、本発明のペプチド、すなわち残基447〜460からなるペプチドのみがプロテインS−C4BP相互作用を阻害できることが明らかである(SL2=439〜460、SL6=447〜468およびSL7=435〜468)。蛍光分極滴定(結果は示していない)では、これらのペプチドが解離定数:KD≦1μMを有するC4BPと直接相互作用することを示唆している。したがってペプチド−C4BP複合体の解離定数は、Ca2+−遊離プロテインSとC4BPの解離定数(KD=6.5nM,Heら,1996)よりもよりも高々130倍以上であり、C4BPに対する放射標識プロテインSの結合の50%最大阻害を得るのにプロテインSより50〜100倍多いペプチドを要するマイクロタイターウエル中での阻害実験(EDTA含有緩衝液中カルシウムの不存在下に行われる)を考慮すれば合理的な結果である。ペプチドとタンパク質について観察されるKDの差の一部はタンパク質の翻訳後修飾によるものと考えられる。
しかも、本発明のペプチドは、従来技術においてC4BPの結合部位と考えられる位置として報告された配列に接近している成熟プロテインSのアミノ酸配列に相当するアミノ酸残基配列から構成されるものであるが、このような従来技術の配列(BD4、残基405〜437、およびBD6、残基595〜628)を合成して上述の試験でプロテインS−C4BP相互作用の阻害を試験した場合には、プロテインSに対して2000倍過剰に用いても阻害作用は認められなかった。
配列表
Figure 0004224138
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Claims (39)

  1. (a)遊離プロテインSに特異的に結合するリガンドを生物学的液体と接触させて、少なくとも1つの液体相からなる反応混合物を形成させる工程であって、該リガンドは、(i)少なくともC4b結合タンパク質(C4BP)のβ鎖のN末端の最端のSCR−モジュール;または(ii)C4BPと本質的に同じプロテインS結合性質を有し、かつ、C4BPのプロテインS結合部位に相同または類縁のアミノ酸残基配列を含む、その機能的改変体を含む、工程;
    (b)上記液体中で上記リガンドが遊離プロテインSに結合するための時間上記反応混合物を保持して、遊離プロテインS/リガンド複合体を形成させる工程;
    (c)工程(b)で形成した該遊離プロテインS/リガンド複合体の量を検出する工程;
    (d)工程(c)における該遊離プロテインS/リガンド複合体の量に基づいて、該生物学的液体における該遊離プロテインSのレベルを決定する工程
    を含む、血液、血漿または血清などの生物学的液体中における遊離プロテインSのレベルを測定する方法。
  2. 工程(a)のリガンドが固体担体に作動的に連結され、工程(a)で形成される反応混合物が液相および固相からなり、工程(b)で形成される複合体が担体に連結されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(a)で形成される反応混合物が液相の1つの相から成ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 指示手段を工程(a)の混合物に添加し、その際この指示手段を別個に、またはリガンドに作動的に連結する態で添加し、そしてこの指示手段は工程(b)での複合体の形成時に直接的または間接的に検出可能なシグナルを産生することが可能であり、工程(b)で形成される複合体は指示手段を包含し、そして工程(c)での定量はその複合体中の指示手段の量を検出することからなることを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 工程(c)での検出は、工程(b)で形成した担体に結合されたプロテインS含有複合体をプロテインSに特異的な抗体と接触させて液相および固相を有する免疫反応混合物を形成し、次いで上記抗体が上記複合体と免疫反応して固相に連結した免疫反応生成物を形成する間接触させ、その免疫反応生成物中に存在する抗体の量を検出し、それによって工程(b)で形成されたプロテインS/リガンド複合体の量を定量することからなることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  6. プロテインSに特異的な抗体が、プロテインSに高い親和性を有する抗体であって、プロテインS中のC4BPに対する結合部位とは異なるプロテインS中の結合部位に結合ていることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 工程(a)で使用するリガンドが、本質的にC4BPのβ鎖の最端のN末端SCR−モジュールであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記リガンドは、C4BPフラグメントを含み、該C4BPフラグメントは、C4BPのβ鎖のN末端の最端のSCR−モジュールを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  9. 工程(a)で使用するリガンドが、1つまたはそれ以上のC4BPフラグメントからなるハイブリッド分子であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  10. 工程(a)で使用するリガンドが、複数のサブユニットを含み、各サブユニットがC4BPのプロテインS結合部位を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  11. 工程(a)および(b)が、Ca++イオンの存在下で実施されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 血液、血漿または血清などの生物学的液体中における遊離のプロテインSをアッセイするための診断キットであって、
    (a)C4b−結合タンパク質(C4BP)のβ鎖のN末端の最端のSCR−モジュールを含むリガンドまたはC4BPと本質的に同じプロテインS結合性質を有し、かつ、C4BP分子のプロテインS結合部位に相同または類縁のアミノ酸配列を含む、その機能的改変体であって、該リガンドは、該生物学的液体中の遊離プロテインSと結合して遊離プロテインS/リガンド複合体を形成することができるリガンド;
    該遊離プロテインS/リガンド複合体に結合する、抗体または抗体フラグメント;
    該遊離のプロテインS、リガンド、および該抗体または抗体フラグメントの間の複合体の形成を示す検出可能なシグナルを産生することができる指示手段;および
    該生物学的液体中の遊離プロテインSのレベルを決定するために適切な予め割り当てられた濃度の遊離プロテインSを含むサンプル
    を包含することを特徴とする診断キット。
  13. 前記サンプル中の前記予め割り当てられた濃度の遊離プロテインSは、希釈緩衝液中で該サンプルを希釈することによって複数のサンプルを調製するために適切であり、ここで該複数のサンプルの各々は、正常血漿における0〜200%の範囲の遊離プロテインS濃度の異なる予め決定された遊離プロテインS濃度を含む、請求項12に記載のキット。
  14. 前記サンプル中の前記予め割り当てられた濃度の遊離プロテインSは、希釈緩衝液中で該サンプルを希釈することによって複数のサンプルを調製するために適切であり、ここで該複数のサンプルの各々は、正常血漿における15〜250%の範囲の遊離プロテインS濃度の異なる予め決定された遊離プロテインS濃度を含む、請求項12に記載のキット。
  15. 前記サンプル中の前記予め割り当てられた遊離プロテインS濃度は、正常血漿において約100%の遊離プロテインS濃度である、請求項12に記載のキット。
  16. 前記キットは、複数のサンプルを含み、該サンプルの各々は、予め割り当てられた異なるプロテインS濃度を含む、請求項12に記載のキット。
  17. 前記複数のサンプルの各々は、正常血漿における0〜200%の範囲の遊離プロテインS濃度の異なる予め割り当てられた遊離プロテインS濃度を含む請求項12に記載のキット。
  18. 前記複数のサンプルの各々は、正常血漿における15〜250%の範囲の遊離プロテインS濃度の異なる予め割り当てられた遊離プロテインS濃度を含む請求項12に記載のキット。
  19. 前記キットは、希釈緩衝液をさらに含む、請求項12に記載のキット。
  20. リガンドが担体に作動的に連結されていることを特徴とする、請求項17に記載のキット。
  21. 担体がマイクロタイタープレートであることを特徴とする、請求項20に記載のキット。
  22. 担体がビーズであることを特徴とする、請求項20に記載のキット。
  23. 担体が、プレート、ビーズ、マトリックス、ゲル、シート、ストリップ、およびチューブからなる群から選択される構造から成ることを特徴とする、請求項20に記載のキット。
  24. 担体が、デキストラン、アガロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、およびナイロンからなる群から選択される材料から成ることを特徴とする、請求項20に記載のキット。
  25. リガンドがC4BP分子のβ鎖の最端のN末端SCR−モジュールを包含することを特徴とする、請求項12に記載のキット。
  26. 指示手段が、色素原標識、蛍光原標識、化学ルミネッセンス原標識、酵素標識、および放射標識からなる群から選択されることを特徴とする、請求項12に記載のキット。
  27. 指示手段が、西洋ワサビペルオキシダーゼを包含することを特徴とする、請求項12に記載のキット。
  28. 検出可能なシグナルを可視化するための基質をさらに包含することを特徴とする、請求項12に記載のキット。
  29. 指示手段がリガンドに作動的に連結されているか、またはリガンドの中に取り込まれていることを特徴とする、請求項12に記載のキット。
  30. 指示手段が抗体または抗体フラグメントに作動的に連結されているか、または試薬の中に取り込まれていることを特徴とする、請求項12に記載のキット。
  31. 抗体がモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であることを特徴とする、請求項30に記載のキット。
  32. 指示手段が抗体またはそのフラグメントに作動的に連結されているか、または抗体またはそのフラグメントの中に取り込まれていることを特徴とする、請求項30に記載のキット。
  33. さらにカルシウムイオンを含有することを特徴とする、請求項12に記載のキット。
  34. リガンドが合成または組換えであることを特徴とする、請求項12に記載のシステム。
  35. リガンドが複数のサブユニットを含有し、各サブユニットがプロテインS結合部位を含むことを特徴とする、請求項34に記載のシステム。
  36. リガンドが血液から単離されたC4BP由来であることを特徴とする、請求項12に記載のキット
  37. リガンドが酵素的切断を介してC4BPから誘導されることを特徴とする、請求項12に記載のキット
  38. 前記リガンドが、C4BPのβ鎖のN末端の最端のSCR−モジュールを含むC4BPのフラグメントを含む、請求項12に記載のキット。
  39. 前記抗体は、前記遊離プロテインS/リガンド複合体中のプロテインSに結合した該抗体の量の定量を可能にする指示手段を有する、請求項6に記載の方法。
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