JP4224104B2 - 芳香族カーボネート類を工業的に製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、芳香族カーボネート類の工業的製造法に関する。さらに詳しくは、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とを、触媒を存在させた2基の連続多段蒸留塔内でエステル交換反応に付し、エステル交換法ポリカーボネートの原料として有用なジアリールカーボネートを主生成物とする芳香族カーボネート類を工業的に大量に製造する方法に関する。
芳香族カーボネートは、最も需要の多いエンジニアリングプラスチックである芳香族ポリカーボネートを、有毒なホスゲンを用いないで製造するための原料として重要である。芳香族カーボネートの製法として、芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応による方法が古くから知られており、最近も種々検討されている。しかしながら、この方法はホスゲン使用の問題に加え、この方法によって製造された芳香族カーボネートには分離が困難な塩素系不純物が存在しており、そのままでは芳香族ポリカーボネートの原料として用いることはできない。なぜならば、この塩素系不純物は極微量の塩基性触媒の存在下で行うエステル交換法ポリカーボネートの重合反応を著しく阻害し、たとえば、1ppmでもこのような塩素系不純物が存在すると殆ど重合を進行させることができない。そのため、エステル交換法ポリカーボネートの原料とするには、希アルカリ水溶液と温水による十分な洗浄と油水分離、蒸留などの多段階の面倒な分離・精製工程が必要であり、さらに、このような分離・精製工程での加水分解ロスや蒸留ロスのため収率が低下するなど、この方法を経済的に見合った工業的規模で実施するには多くの課題がある。
一方、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とのエステル交換反応による芳香族カーボネートの製造方法も知られている。しかしながら、これらのエステル交換反応は全て平衡反応であって、しかもその平衡が原系に極端に偏っていることに加えて反応速度が遅いことから、この方法によって芳香族カーボネート類を工業的に大量に製造するのは多大な困難を伴っていた。これを改良するために、いくつかの提案がなされているが、その大部分は、反応速度を高めるための触媒開発に関するものである。このタイプのエステル交換反応用触媒として数多くの金属化合物が提案されている。例えば、遷移金属ハライド等のルイス酸又はルイス酸を生成させる化合物類(特許文献1:特開昭51−105032号公報、特開昭56−123948号公報、特開昭56−123949号公報(***特許公開公報第2528412号、英国特許第1499530号明細書、米国特許第4182726号明細書)、特開昭51−75044号公報(***特許公開公報第2552907号、米国特許第4045464号明細書)参照)、有機スズアルコキシドや有機スズオキシド類等のスズ化合物(特許文献2:特開昭54−48733号公報(***特許公開公報第2736062号)、特開昭54−63023号公報、特開昭60−169444号公報(米国特許第4554110号明細書)、特開昭60−169445号公報(米国特許第4552704号明細書)、特開昭62−277345号公報、特開平1−265063号公報参照)、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩類及びアルコキシド類(特許文献3:特開昭57−176932号公報参照)、鉛化合物類(特許文献4:特開昭57−176932号公報、特開平1−93560号公報参照)、銅、鉄、ジルコニウム等の金属の錯体類(特許文献5:特開昭57−183745号公報参照)、チタン酸エステル類(特許文献6:特開昭58−185536号公報(米国特許第4410464号明細書)、特開平1−265062号公報参照)、ルイス酸とプロトン酸の混合物(特許文献7:特開昭60−173016号公報(米国特許第4609501号明細書)参照)、Sc、Mo、Mn、Bi、Te等の化合物(特許文献8:特開平1−265064号公報参照)、酢酸第2鉄(特許文献9:特開昭61−172852号公報参照)等が提案されている。しかしながら、触媒開発だけでは、不利な平衡の問題を解決できないので、大量生産を目的とする工業的製造法にするためには、反応方式の検討を含め、非常に多くの検討課題がある。
また、反応方式を工夫することによって平衡をできるだけ生成系側にずらし、芳香族カーボネート類の収率を向上させる試みもなされている。例えば、ジメチルカーボネートとフェノールの反応において、副生してくるメタノールを共沸形成剤とともに共沸によって留去する方法(特許文献10:特開昭54−48732号公報(***特許公開公報第736063号、米国特許第4252737号明細書)参照)、副生してくるメタノールをモレキュラーシーブで吸着させて除去する方法(特許文献11:特開昭58−185536号公報(米国特許第410464号明細書)参照)が提案されている。また、反応器の上部に蒸留塔を設けた装置によって、反応で副生してくるアルコール類を反応混合物から分離させながら同時に蒸発してくる未反応原料との蒸留分離を行う方法も提案されている(特許文献12:特開昭56−123948号公報(米国特許第4182726号明細書)の実施例、特開昭56−25138号公報の実施例、特開昭60−169444号公報(米国特許第4554110号明細書)の実施例、特開昭60−169445号公報(米国特許第4552704号明細書)の実施例、特開昭60−173016号公報(米国特許第4609501号明細書)の実施例、特開昭61−172852号公報の実施例、特開昭61−291545号公報の実施例、特開昭62−277345号公報の実施例参照)。
しかしながら、これらの反応方式は基本的にはバッチ方式か、切り替え方式である。触媒開発による反応速度の改良もこれらのエステル交換反応に対しては限度があり、反応速度が遅いことから、連続方式よりもバッチ方式の方が好ましいと考えられていたからである。これらのなかには、連続方式として蒸留塔を反応器の上部に備えた連続攪拌槽型反応器(CSTR)方式も提案されているが、反応速度が遅いことや反応器の気液界面が液容量に対して小さいことから反応率を高くできないなどの問題がある。従って、これらの方法で芳香族カーボネートを連続的に大量に、長期間安定的に製造するという目的を達成することは困難であり、経済的に見合う工業的実施にいたるには、なお多くの解決すべき課題が残されている。
本発明者等は、ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物を連続的に多段蒸留塔に供給し、触媒を存在させた該塔内で連続的に反応させ、副生するアルコールを含む低沸点成分を蒸留によって連続的に抜き出すと共に、生成したアルキルアリールカーボネートを含む成分を塔下部より抜き出す反応蒸留法(特許文献13:特開平3−291257号公報参照)、アルキルアリールカーボネートを連続的に多段蒸留塔に供給し、触媒を存在させた該塔内で連続的に反応させ、副生するジアルキルカーボネートを含む低沸成分を蒸留によって連続的に抜き出すと共に、生成したジアリールカーボネートを含む成分を塔下部より抜き出す反応蒸留法(特許文献14:特開平4−9358号公報参照)、これらの反応を2基の連続多段蒸留塔を用いて行い、副生するジアルキルカーボネートを効率的にリサイクルさせながらジアリールカーボネートを連続的に製造する反応蒸留法(特許文献15:特開平4−211038号公報参照)、ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物等を連続的に多段蒸留塔に供給し、塔内を流下する液を蒸留塔の途中段及び/又は最下段に設けられたサイド抜き出し口より抜き出し、蒸留塔の外部に設けられた反応器へ導入して反応させた後に、該抜き出し口のある段よりも上部の段に設けられた循環用導入口へ導入することによって、該反応器内と該蒸留塔内の両方で反応を行う反応蒸留法(特許文献16:特開平4−224547号公報、特開平4−230242号公報、特開平4−235951号公報参照))等、これらのエステル交換反応を連続多段蒸留塔内で反応と蒸留分離とを同時に行う反応蒸留法を開発し、これらのエステル交換反応に対して反応蒸留方式が有用であることを世界で初めて開示した。
本発明者等が提案したこれらの反応蒸留法は、芳香族カーボネート類を効率よく、かつ、連続的に製造することを可能とする初めてのものであり、その後これらの開示をベースとする同様な反応蒸留方式が数多く提案されるようになった(特許文献17〜32参照;特許文献17:国際公開第 00/18720号公報(米国特許第5362901号明細書);特許文献18:イタリア特許第01255746号公報;特許文献19:特開平6−9506号公報(欧州特許0560159号明細書、米国特許第5282965号明細書);特許文献20:特開平6−41022号公報(欧州特許0572870号明細書、米国特許第5362901号明細書);特許文献21:特開平6−157424号公報(欧州特許0582931号明細書、米国特許第5334742号明細書)、特開平6−184058号公報(欧州特許0582930号明細書、米国特許第5344954号明細書);特許文献22:特開平7−304713号公報;特許文献23:特開平9−40616号公報;特許文献24:特開平9−59225号公報;特許文献25:特開平9−110805号公報;特許文献26:特開平9−165357号公報;特許文献27:特開平9−173819号公報;特許文献28:特開平9−176094号公報、特開2000−191596号公報、特開2000−191597号公報;特許文献29:特開平9−194436号公報(欧州特許0785184号明細書、米国特許第5705673号明細書);特許文献30:国際公開第00/18720公報(米国特許第6093842号明細書);特許文献31:特開2001−64234号公報、特開2001−64235号公報;特許文献32:国際公開第02/40439公報(米国特許第6596894号、米国特許第6596895号、米国特許第6600061号明細書))。
また、本出願人は、反応蒸留方式において、多量の触媒を必要とせずに高純度芳香族カーボネートを長時間、安定に製造できる方法として、触媒成分を含む高沸点物質を作用物質と反応させた上で分離し、触媒成分をリサイクルする方法(特許文献31:特開2001−64234号公報、特開2001−64235号公報参照)や、反応系内の多価芳香族ヒドロキシ化合物を触媒金属に対して質量比で2.0以下に保ちながら行う方法(特許文献32:国際公開第02/40439公報(米国特許第6596894号、米国特許第6596895号、米国特許第6600061号明細書)参照)を提案した。さらに、本発明者等は、重合工程で副生するフェノールの70〜99質量%を原料として用いて、反応蒸留法でジフェニルカーボネートを製造しこれを芳香族ポリカーボネートの重合原料とする方法をも提案した(特許文献33:国際公開第97/11049公報(欧州特許0855384号明細書、米国特許第5872275号明細書)参照)。
しかしながら、これら反応蒸留法による芳香族カーボネート類の製造を提案する全ての先行文献には、工業的規模の大量生産(例えば、1時間あたり1トン以上)を可能とする具体的な方法や装置の開示は全くなく、またそれらを示唆する記述もない。例えば、ジメチルカーボネートとフェノールから主としてジフェニルカーボネート(DPC)を製造するために開示された2基の反応蒸留塔の高さ(HおよびH:cm)、直径(DおよびD:cm)、段数(nおよびn)と反応原料液導入量(QおよびQ:kg/hr)に関する記述は、次表のとおりである。

〔特許文献34〕:特開平11−92429号公報(欧州特許1016648号明細書、米国特許第6262210号明細書)参照)
〔特許文献35〕:特開平9−255772号公報(欧州特許0892001号明細書、米国特許第5747609号明細書参照)
すなわち、この反応を反応蒸留方式で実施するにあたり用いられた2基の連続多段蒸留塔の最大のものは、本出願人が特許文献33、34において開示したものである。このように、この反応用に開示されている連続多段蒸留塔における各条件の最大値は、H=1200cm、H=600cm、D=20cm、D=25cm、n=n=50(特許文献23)、Q=86kg/hr、Q=31kg/hrであり、ジフェニルカーボネートの生産量は約6.7kg/hrに過ぎず、工業的規模の生産量ではなかった。
本発明が解決しようとする課題は、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とから2基の連続多段蒸留塔を用いてジアリールカーボネートを主生成物とする芳香族カーボネート類を、1時間あたり1トン以上の工業的規模で、高選択率・高生産性で長期間安定的に製造できる具体的な方法を提供することにある。
本発明者らが連続多段蒸留塔を用いる芳香族カーボネート類の製造方法を開示して以来、反応蒸留法による芳香族カーボネート類の製造方法に関する多くの提案があるが、これらは全て小規模、短期間の実験室的レベルのものであり、工業的規模の大量生産を可能とする具体的な方法や装置の開示は全くなかった。そこで、本発明者等は、1時間あたり1トン以上の工業的規模で、高選択率・高生産性でジアリールカーボネートを主生成物とする芳香族カーボネート類を長期間安定的に製造できる具体的な方法を見出すべき検討を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第一の態様では、
1.ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とを原料として、ジアリールカーボネート類を主生成物とする芳香族カーボネート類を製造する方法であって、
(i)該原料を、触媒が存在する第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給する工程と、
(ii)アルコール類およびアルキルアリールカーボネート類が生成するように、該原料を該第1塔内で反応させる工程と、
(iii)生成するアルコール類を含む第1低沸点反応混合物を該第1塔上部より連続的に抜出すとともに、生成するアルキルアリールカーボネート類を含む第1塔高沸点反応混合物を該第1塔下部より液状で連続的抜出す工程と、
(iv)該第1塔高沸点反応混合物を、該第1連続多段蒸留塔と連結した、触媒が存在する第2連続多段反応蒸留塔内に連続的に供給するするとともに、ジアルキルカーボネート類およびジアリールカーボネート類が生成するように、該第2塔内で反応させる工程と、
(v)生成したジアルキルカーボネート類を含む第2塔低沸点反応混合物を該第2塔上部よりガス状で連続的に抜出すとともに、生成したジアリールカーボネート類を含む第2塔高沸点反応混合物を該第2塔下部より液状で連続的に抜出す工程と、を含み、
(a)該第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給されるジアルキルカーボネートが、芳香族モノヒドロキシ化合物に対して、モル比で0.1〜10であって、
(b)該第1連続多段蒸留塔が、長さL(cm)、内径D(cm)の円筒形の胴部の上下に鏡板部を有し、内部に段数nをもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d11(cm)のガス抜出し口、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d12(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に1つ以上の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の下部に1つ以上の導入口を有するものであって、
(1)長さL(cm)が式(1)を満足するものであり、
1500 ≦ L ≦ 8000 式(1)
(2)塔の内径D(cm)が式(2)を満足するものであり、
100 ≦ D ≦ 2000 式(2)
(3)長さL(cm)と塔の内径D(cm)の比が、式(3)を満足するものであり、
2 ≦ L/D ≦ 40 式(3)
(4)段数nが式(4)を満足するものであり、
20 ≦ n ≦ 120 式(4)
(5)塔の内径D(cm)とガス抜出し口の内径d11(cm)の比が、式(5)を満足するものであり、
5 ≦ D/d11 ≦ 30 式(5)
(6)塔の内径D(cm)と液抜出し口の内径d12(cm)の比が、式(6)を満足するものであり、
3 ≦ D/d12 ≦ 20 式(6)
(c)該第2連続多段蒸留塔が、長さL(cm)、内径D(cm)の円筒形の胴部の上下に鏡板部を有し、内部に段数nをもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d21(cm)のガス抜出し口、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d22(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に1つ以上の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の下部に1つ以上の導入口を有するものであって、
(1)長さL(cm)が式(7)を満足するものであり、
1500 ≦ L ≦ 8000 式(7)
(2)塔の内径D(cm)が式(8)を満足するものであり、
100 ≦ D ≦ 2000 式(8)
(3)長さL(cm)と塔の内径D(cm)の比が、式(9)を満足するものであり、
2 ≦ L/D ≦ 40 式(9)
(4)段数nが式(10)を満足するものであり、
10 ≦ n ≦ 80 式(10)
(5)塔の内径D(cm)とガス抜出し口の内径d21(cm)の比が、式(11)を満足するものであり、
2 ≦ D/d21 ≦ 15 式(11)
(6)塔の内径D(cm)と液抜出し口の内径d22(cm)の比が、式(12)を満足するものである、
5 ≦ D/d22 ≦ 30 式(12)
ことを特徴とする方法、
2.前記工程(ii)および(iv)にて、蒸留も同時に行われることを特徴とする前項1記載の方法、
3.ジアリールカーボネートの生産量が、1時間あたり1トン以上である、前項1または2に記載の方法、
を提供する。

また、本発明に係る製造方法の別の態様では、
4.ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とを原料とし、この原料を触媒が存在する第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該第1塔内で反応と蒸留を同時に行い、生成するアルコール類を含む第1塔低沸点反応混合物を該第1塔上部よりガス状で連続的に抜出し、生成するアルキルアリールカーボネート類を含む第1塔高沸点反応混合物を該第1塔下部より液状で連続的に抜出し、該第1塔高沸点反応混合物を触媒が存在する第2連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該第2塔内で反応と蒸留を同時に行い、生成するジアルキルカーボネート類を含む第2塔低沸点反応混合物を該第2塔上部よりガス状で連続的に抜出し、生成するジアリールカーボネート類を含む第2塔高沸点反応混合物を該第2塔下部より液状で連続的に抜出し、一方、ジアルキルカーボネート類を含む第2塔低沸点反応混合物を第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給することによって、ジアリールカーボネート類を主生成物とする、芳香族カーボネート類を連続的に製造するにあたり
(a)該第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給されるジアルキルカーボネートが、芳香族モノヒドロキシ化合物に対して、モル比で0.1〜10であって、
(b)該第1連続多段蒸留塔が、長さL(cm)、内径D(cm)の円筒形の胴部の上下に鏡板部を有し、内部に段数nをもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d11(cm)のガス抜出し口、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d12(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に1つ以上の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の下部に1つ以上の導入口を有するものであって、
(1)長さL(cm)が式(1)を満足するものであり、
1500 ≦ L ≦ 8000 式(1)
(2)塔の内径D(cm)が式(2)を満足するものであり、
100 ≦ D ≦ 2000 式(2)
(3)長さL(cm)と塔の内径D(cm)の比が、式(3)を満足するものであり、
2 ≦ L/D ≦ 40 式(3)
(4)段数nが式(4)を満足するものであり、
20 ≦ n ≦ 120 式(4)
(5)塔の内径D(cm)とガス抜出し口の内径d11(cm)の比が、式(5)を満足するものであり、
5 ≦ D/d11 ≦ 30 式(5)
(6)塔の内径D(cm)と液抜出し口の内径d12(cm)の比が、式(6)を満足するものであり、
3 ≦ D/d12 ≦ 20 式(6)
(c)該第2連続多段蒸留塔が、長さL(cm)、内径D(cm)の円筒形の胴部の上下に鏡板部を有し、内部に段数nをもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d21(cm)のガス抜出し口、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d22(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に1つ以上の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の下部に1つ以上の導入口を有するものであって、
(1)長さL(cm)が式(7)を満足するものであり、
1500 ≦ L ≦ 8000 式(7)
(2)塔の内径D(cm)が式(8)を満足するものであり、
100 ≦ D ≦ 2000 式(8)
(3)長さL(cm)と塔の内径D(cm)の比が、式(9)を満足するものであり、
2 ≦ L/D ≦ 40 式(9)
(4)段数nが式(10)を満足するものであり、
10 ≦ n ≦ 80 式(10)
(5)塔の内径D(cm)とガス抜出し口の内径d21(cm)の比が、式(11)を満足するものであり、
2 ≦ D/d21 ≦ 15 式(11)
(6)塔の内径D(cm)と液抜出し口の内径d22(cm)の比が、式(12)を満足するものである、
5 ≦ D/d22 ≦ 30 式(12)
ことを特徴とするジアリールカーボネートを主生成物とする芳香族カーボネート類の工業的製造方法、
5.ジアリールカーボネートの生産量が、1時間あたり1トン以上であることを特徴とする前項4記載の方法、
6.該d11と該d12が式(13)を満足し、且つ該d21と該d22が式(14)を満足する、
1 ≦ d12/d11 ≦ 5 式(13)
1 ≦ d21/d22 ≦ 6 式(14)
ことを特徴とする前項1ないし5のうち何れか一項に記載の方法。
7.該第1連続多段蒸留塔のL、D、L/D、n、D/d11、D/d12 がそれぞれ、2000 ≦L ≦ 6000、 150 ≦ D ≦ 1000、 3 ≦ L/D ≦ 30、 30 ≦ n ≦ 100、 8 ≦ D/d11 ≦ 25、 5 ≦ D/d12 ≦ 18であり、且つ該第2連続多段蒸留塔のL、D、L/D、n、D/d21、D/d22 がそれぞれ、2000 ≦ L ≦ 6000、 150 ≦ D ≦ 1000、 3≦ L/D ≦ 30、 15 ≦ n ≦ 60、 2.5 ≦ D/d21 ≦ 12、 7 ≦ D/d22 ≦ 25であることを特徴とする前項1ないし6のうち何れか一項に記載の方法、
8.該第1連続多段蒸留塔のL、D、L/D、n、D/d11、D/d12 がそれぞれ、2500 ≦ L ≦ 5000、 200 ≦ D ≦ 800、 5 ≦ L/D ≦ 15、 40 ≦ n ≦ 90、 10 ≦ D/d11 ≦ 25、 7 ≦ D/d12 ≦ 15であり、且つ該第2連続多段蒸留塔のL、D、L/D、n、D/d21、D/d22 がそれぞれ、2500 ≦ L ≦ 5000、 200 ≦ D ≦ 800、 5 ≦ L/D ≦ 15、 20 ≦ n ≦ 50、 3 ≦ D/d21 ≦ 10、 9 ≦ D/d22 ≦ 20であることを特徴とする前項1ないし7のうち何れか一項に記載の方法、
9.該第1連続多段蒸留塔および該第2連続多段蒸留塔が、それぞれ該インターナルとしてトレイおよび/または充填物を有する蒸留塔であることを特徴とする前項1ないし8のうち何れか一項に記載の方法、
10.該第1連続多段蒸留塔が、該インターナルとしてトレイを有する棚段式蒸留塔であり、該第2連続多段蒸留塔が、該インターナルとして充填物およびトレイの両方を有する蒸留塔であることを特徴とする前項9記載の方法、
11.該第1連続多段蒸留塔および該第2連続多段蒸留塔の該トレイそれぞれが、多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレイであることを特徴とする前項9または10記載の方法、
12.該多孔板トレイが該多孔板部の面積1mあたり100〜1000個の孔を有するものであることを特徴とする前項11記載の方法、
13.該多孔板トレイの孔1個あたりの断面積が0.5〜5cmであることを特徴とする前項11または12記載の方法、
14.該第2連続多段蒸留塔が、該インターナルとして充填物を上部に、トレイを下部に有する蒸留塔であることを特徴とする前項9または10に記載の方法、
15.該第2連続多段蒸留塔の該インターナルの該充填物が1基または2基以上の規則充填物であることを特徴とする前項9ないし14のうち何れか一項に記載の方法、
16.該第2連続多段蒸留塔の該規則充填物が、メラパック、ジェムパック、テクノパック、フレキシパック、スルザーパッキング、グッドロールパッキング、グリッチグリッドから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする前項15に記載の方法、
17.該第1連続多段蒸留塔として、2基以上の蒸留塔を用いることを特徴とする前項1ないし16のうち何れか一項に記載の方法、
18.該第2連続多段蒸留塔として、2基以上の蒸留塔を用いることを特徴とする前項1ないし17のうち何れか一項に記載の方法、

を提供する。
さらに、前項1ないし18のうち何れか一項に記載の方法で製造され、ハロゲン含有量が0.1ppm以下である芳香族カーボネート類、
を提供することができる。
さらにまた、本発明の第三の態様では、
19.反応および蒸留を行うための第1連続多段蒸留塔と、該第1連続多段蒸留塔と連結した、反応および蒸留を行うための第2連続多段蒸留塔と、を備える反応蒸留装置であって、(a)該第1連続多段蒸留塔が、長さL1(cm)、内径D1(cm)の円筒形の胴部の上下に鏡板部を有し、内部に段数n1をもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d11(cm)のガス抜出し口、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d12(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に1つ以上の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の下部に1つ以上の導入口を有するものであって、
(1)長さL1(cm)が式(1)を満足するものであり、
1500 ≦ L1 ≦ 8000 式(1)
(2)塔の内径D1(cm)が式(2)を満足するものであり、
100 ≦ D1 ≦ 2000 式(2)
(3)長さL1(cm)と塔の内径D1(cm)の比が、式(3)を満足するものであり、
2 ≦ L1/D1 ≦ 40 式(3)
(4)段数n1が式(4)を満足するものであり、
20 ≦ n1 ≦ 120 式(4)
(5)塔の内径D1(cm)とガス抜出し口の内径d11(cm)の比が、式(5)を満足するものであり、
5 ≦ D1/d11 ≦ 30 式(5)
(6)塔の内径D1(cm)と液抜出し口の内径d12(cm)の比が、式(6)を満足するものであり、
3 ≦ D1/d12 ≦ 20 式(6)
(b)該第2連続多段蒸留塔が、長さL2(cm)、内径D2(cm)の円筒形の胴部の上下に鏡板部を有し、内部に段数n2をもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d21(cm)のガス抜出し口、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d22(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に1つ以上の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の下部に1つ以上の導入口を有するものであって、
(1)長さL2(cm)が式(7)を満足するものであり、
1500 ≦ L2 ≦ 8000 式(7)
(2)塔の内径D2(cm)が式(8)を満足するものであり、
100 ≦ D2 ≦ 2000 式(8)
(3)長さL2(cm)と塔の内径D2(cm)の比が、式(9)を満足するものであり、
2 ≦ L2/D2 ≦ 40 式(9)
(4)段数n2が式(10)を満足するものであり、
10 ≦ n2 ≦ 80 式(10)
(5)塔の内径D2(cm)とガス抜出し口の内径d21(cm)の比が、式(11)を満足するものであり、
2 ≦ D2/d21 ≦15 式(11)
(6)塔の内径D2(cm)と液抜出し口の内径d22(cm)の比が、式(12)を満足するものである、
5 ≦ D2/d22 ≦ 30 式(12)
ことを特徴とする反応蒸留装置、
20.該d11と該d12が式(13)を満足し、且つ該d21と該d22が式(14)を満足する、
1 ≦ d12/d11 ≦ 5 式(13)
1 ≦ d21/d22 ≦ 6 式(14)
ことを特徴とする前項19記載の反応蒸留装置、
21.該第1連続多段蒸留塔のL1、D1、L1/D1、n1、D1/d11、D1/d12 がそれぞれ、2000 ≦ L1 ≦ 6000、 150 ≦ D1 ≦ 1000、 3 ≦ L1/D1 ≦ 30、 30 ≦ n1 ≦ 100、 8 ≦ D1/d11 ≦ 25、 5≦ D1/d12 ≦ 18であり、且つ該第2連続多段蒸留塔のL2、D2、L2/D2、n2、D2/d21、D2/d22 がそれぞれ、2000 ≦ L2 ≦ 6000、 150 ≦ D2 ≦ 1000、 3 ≦ L2/D2 ≦ 30、 15 ≦ n2 ≦ 60、 2.5 ≦ D2/d21 ≦ 12、 7 ≦ D2/d22 ≦ 25であることを特徴とする前項19または20に記載の反応蒸留装置、
22.該第1連続多段蒸留塔のL1、D1、L1/D1、n1、D1/d11、D1/d12 がそれぞれ、2500 ≦ L1 ≦ 5000、 200 ≦ D1 ≦ 800、 5 ≦ L1/D1 ≦ 15、 40 ≦ n1 ≦ 90、 10 ≦ D1/d11 ≦ 25、 7 ≦ D1/d12 ≦ 15であり、且つ、該第2連続多段蒸留塔のL2、D2、L2/D2、n2、D2/d21、D2/d22 がそれぞれ、2500 ≦ L2 ≦ 5000、 200 ≦ D2 ≦ 800、 5 ≦ L2/D2 ≦ 15、 20 ≦ n2 ≦ 50、 3 ≦ D2/d21 ≦ 10、 9 ≦ D2/d22 ≦ 20であることを特徴とする前項19ないし21のうち何れか一項に記載の反応蒸留装置、
23.該第1連続多段蒸留塔および該第2連続多段蒸留塔が、それぞれ該インターナルとしてトレイおよび/または充填物を有する蒸留塔であることを特徴とする前項19ないし22のうち何れか一項に記載の反応蒸留装置、
24.該第1連続多段蒸留塔が、該インターナルとしてトレイを有する棚段式蒸留塔であり、該第2連続多段蒸留塔が、該インターナルとして充填物およびトレイの両方を有する蒸留塔であることを特徴とする前項23記載の反応蒸留装置、
25.該第1連続多段蒸留塔および該第2連続多段蒸留塔の該トレイそれぞれが、多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレイであることを特徴とする前項23または24記載の反応蒸留装置、
26.該多孔板トレイが該多孔板部の面積1m2あたり100〜1000個の孔を有するものであることを特徴とする前項25記載の反応蒸留装置、
27.該多孔板トレイの孔1個あたりの断面積が0.5〜5cm2であることを特徴とする前項25または26記載の反応蒸留装置、
28.該第2連続多段蒸留塔が、該インターナルとして充填物を上部に、トレイを下部に有する蒸留塔であることを特徴とする前項23または24記載の反応蒸留装置、
29.該第2連続多段蒸留塔の該インターナルの該充填物が1基または2基以上の規則充填物であることを特徴とする前項23ないし28のうち何れか一項に記載の反応蒸留装置、
30.該第2連続多段蒸留塔の該規則充填物が、メラパック、ジェムパック、テクノパック、フレキシパック、スルザーパッキング、グッドロールパッキング、グリッチグリッドから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする前項29に記載の反応蒸留装置、
31.該第1連続多段蒸留塔として、2基以上の蒸留塔を用いることを特徴とする前項19ないし30のうち何れか一項に記載の反応蒸留装置、
32.該第2連続多段蒸留塔として、2基以上の蒸留塔を用いることを特徴とする前項19ないし31のうち何れか一項に記載の反応蒸留装置、
を提供する。
本発明を実施することによって、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とから、95%以上、好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上の高選択率で、ジアリールカーボネートを主生成物とする芳香族カーボネート類を、1時間あたり1トン以上、好ましくは1時間あたり2トン以上、さらに好ましくは1時間あたり3トン以上の工業的規模で、2000時間以上、好ましくは3000時間以上、さらに好ましくは5000時間以上の長期間、安定的に製造できることが見出された。本発明で得られるジアリールカーボネートを主成分とする芳香族カーボネート類を蒸留等によって分離・精製することによって得られたジアリールカーボネートは、高純度であり、エステル交換法ポリカーボネートやポリエステルカーボネートなどの原料として、また非ホスゲン法イソシアナートやウレタンなどの原料として有用である。また、本発明では通常ハロゲンを含まない原料と触媒を使用するので、得られるジアリールカーボネートのハロゲン含有量は0.1ppm以下であり、好ましくは10ppb以下であり、さらに好ましくは1ppb以下である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明で用いられるジアルキルカーボネートとは、一般式(15)で表されるものである。
OCOOR (15)
ここで、R1は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10の脂環族基、炭素数6〜10のアラールキル基を表す。このようなR1としては、例えば、メチル、エチル、プロピル(各異性体)、アリル、ブチル(各異性体)、ブテニル(各異性体)、ペンチル(各異性体)、ヘキシル(各異性体)、ヘプチル(各異性体)、オクチル(各異性体)、ノニル(各異性体)、デシル(各異性体)、シクロヘキシルメチル等のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の脂環族基;ベンジル、フェネチル(各異性体)、フェニルプロピル(各異性体)、フェニルブチル(各異性体)、メチルベンジル(各異性体)等のアラールキル基が挙げられる。なお、これらのアルキル基、脂環族基、アラールキル基において、他の置換基、例えば低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン等で置換されていてもよいし、不飽和結合を有していてもよい。
このようなR1を有するジアルキルカーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート(各異性体)、ジアリルカーボネート、ジブテニルカーボネート(各異性体)、ジブチルカーボネート(各異性体)、ジペンチルカーボネート(各異性体)、ジヘキシルカーボネート(各異性体)、ジヘプチルカーボネート(各異性体)、ジオクチルカーボネート(各異性体)、ジノニルカーボネート(各異性体)、ジデシルカーボネート(各異性体)、ジシクロペンチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジシクロヘプチルカーボネート、ジベンジルカーボネート、ジフェネチルカーボネート(各異性体)、ジ(フェニルプロピル)カーボネート(各異性体)、ジ(フェニルブチル)カーボネート(各異性体)ジ(クロロベンジル)カーボネート(各異性体)、ジ(メトキシベンジル)カーボネート(各異性体)、ジ(メトキシメチル)カーボネート、ジ(メトキシエチル)カーボネート(各異性体)、ジ(クロロエチル)カーボネート(各異性体)、ジ(シアノエチル)カーボネート(各異性体)等が挙げられる。
これらの中で、本発明において好ましく用いられるのは、R1がハロゲンを含まない炭素数4以下のアルキル基からなるジアルキルカーボネートであり、特に好ましいのはジメチルカーボネートである。また、好ましいジアルキルカーボネートのなかで、さらに好ましいのは、ハロゲンを実質的に含まない状態で製造されたジアルキルカーボネートであって、例えばハロゲンを実質的に含まないアルキレンカーボネートとハロゲンを実質的に含まないアルコールから製造されたものである。
本発明で用いられる芳香族モノヒドロキシ化合物とは、下記一般式(16)で表されるものであり、芳香族基に直接ヒドロキシル基が結合しているものであれば、どの様なものであってもよい。
ArOH (16)
ここでAr1は炭素数5〜30の芳香族基を表す。このようなAr1を有する芳香族モノヒドロキシ化合物としては、例えば、フェノール;クレゾール(各異性体)、キシレノール(各異性体)、トリメチルフェノール(各異性体)、テトラメチルフェノール(各異性体)、エチルフェノール(各異性体)、プロピルフェノール(各異性体)、ブチルフェノール(各異性体)、ジエチルフェノール(各異性体)、メチルエチルフェノール(各異性体)、メチルプロピルフェノール(各異性体)、ジプロピルフェノール(各異性体)、メチルブチルフェノール(各異性体)、ペンチルフェノール(各異性体)、ヘキシルフェノール(各異性体)、シクロヘキシルフェノール(各異性体)等の各種アルキルフェノール類;メトキシフェノール(各異性体)、エトキシフェノール(各異性体)等の各種アルコキシフェノール類;フェニルプロピルフェノール(各異性体)等のアリールアルキルフェノール類;ナフトール(各異性体)及び各種置換ナフトール類;ヒドロキシピリジン(各異性体)、ヒドロキシクマリン(各異性体)、ヒドロキシキノリン(各異性体)等のヘテロ芳香族モノヒドロキシ化合物類等が用いられる。
これらの芳香族モノヒドロキシ化合物の中で、本発明において好ましく用いられるのは、Ar1が炭素数6から10の芳香族基からなる芳香族モノヒドロキシ化合物であり、特に好ましいのはフェノールである。また、これらの芳香族モノヒドロキシ化合物の中で、本発明において好ましく用いられるのは、ハロゲンを実質的に含まないものである。
本発明で原料として用いられるジアルキルカーボネートは、芳香族モノヒドロキシ化合物に対して、モル比で、0.1〜10であることが必要である。この範囲外では、目的とする芳香族カーボネートの所定生産量に対して、残存する未反応の原料が多くなり、効率的でないし、またそれらを回収するために多くのエネルギーを要する。この意味で、このモル比は、0.5〜5が好ましく、より好ましくは0.8〜3であり、さらに好ましくは、1〜2である。
本発明においては、1時間あたり1トン以上のジアリールカーボネートを連続的に製造するのであるが、そのために連続的に供給される芳香族モノヒドロキシ化合物の最低量は、製造すべき芳香族カーボネートの量(Pトン/hr)に対して、通常15Pトン/hr、好ましくは、13Pトン/hr、より好ましくは10Pトン/hrである。さらに好ましい場合は、8Pトン/hrよりも少なくできる。
なお、本発明で原料として用いられるジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物はそれぞれ純度の高いものであってもいいが、他の化合物を含むものであってもよく、例えば、第1連続多段蒸留塔または/および第2連続多段蒸留塔で生成する化合物や反応副生物を含むものであってもよい。工業的に実施する場合、これらの原料として、新規に反応系に導入されるジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物に加え、第1連続多段蒸留塔または/および第2連続多段蒸留塔から回収されたジアルキルカーボネートや芳香族モノヒドロシキ化合物をも使用することが好ましい。本発明の方法では、第2連続多段蒸留塔での低沸点反応混合物である塔頂成分が第1連続多段蒸留塔に供給される。この場合、第2塔低沸点反応混合物はそのままで第1連続多段蒸留塔に供給してもよいし、成分の一部を分離した後に供給してもよい。従って工業的に実施する本発明においては、第1連続多段蒸留塔に供給される原料中には、アルコール類、アルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート、アルキルアリールエーテルなどが含まれているものが好ましく、さらには生成物であるアルキルアリールカーボネートやジアリールカーボネートのフリース転移生成物やその誘導体などの高沸点副生物を少量含むものであっても好ましく用いられる。本発明において例えば、ジアルキルカーボネートとしてジメチルカーボネートを、芳香族モノヒドロキシ化合物としてフェノールを原料にして、メチルフェニルカーボネートおよびジフェニルカーボネートを製造する場合、その原料中に反応生成物であるメチルアルコールや、メチルフェニルカーボネートおよびジフェニルカーボネートを含んでいることが好ましく、さらには反応副生物であるアニソールやサリチル酸フェニル、サリチル酸メチルやこれらから誘導される高沸点副生物を少量含んでいてもよい。
本発明において製造される芳香族カーボネート類とは、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とのエステル交換反応によって得られるアルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネート、およびこれらの混合物のことである。このエステル交換反応においては、ジアルキルカーボネートの1つまたは2つのアルコキシ基が芳香族モノヒドロキシ化合物のアリーロキシ基と交換されアルコール類を離脱する反応と、生成したアルキルアリールカーボネート2分子間のエステル交換反応である不均化反応によってジアリールカーボネートとジアルキルカーボネートに変換される反応が含まれている。本発明では、第1連続多段蒸留塔においては主としてアルキルアリールカーボネートが得られ、第2連続多段蒸留塔においては主としてこのアルキルアリールカーボネートの不均化反応によって、ジアリールカーボネートを主生成物とする芳香族カーボネート類が得られる。本発明では、ハロゲンを含まない原料と触媒を使用することが特に好ましく、この場合、製造されるジアリールカーボネートは、ハロゲンを全く含まないため、エステル交換法でポリカーボネートを工業的に製造するときの原料として重要である。なぜならば、重合原料中にハロゲンがたとえば1ppmよりも少ない量であっても存在しておれば、重合反応を阻害したり、生成したポリカーボネートの物性を低下させたり着色の原因となるからである。
本発明の第1連続多段蒸留塔または/および第2連続多段蒸留塔で使用される触媒としては、例えば下記の化合物から選択される。
<鉛化合物>PbO、PbO2、Pb34等の酸化鉛類;PbS、Pb2S等の硫化鉛類;Pb(OH)2、Pb22(OH)2等の水酸化鉛類;Na2PbO2、K2PbO2、NaHPbO2、KHPbO2等の亜ナマリ酸塩類;Na2PbO3、Na22PbO4、K2PbO3、K2[Pb(OH)6]、K4PbO4、Ca2PbO4、CaPbO3等の鉛酸塩類;PbCO3、2PbCO3・Pb(OH)2等の鉛の炭酸塩及びその塩基性塩類;Pb(OCOCH32、Pb(OCOCH34、Pb(OCOCH32・PbO・3H2O等の有機酸の鉛塩及びその炭酸塩や塩基性塩類;Bu4Pb、Ph4Pb、Bu3PbCl、Ph3PbBr、Ph3Pb(又はPh6Pb2)、Bu3PbOH、Ph3PbO等の有機鉛化合物類(Buはブチル基、Phはフェニル基を示す。);Pb(OCH32、(CH3O)Pb(OPh)、Pb(OPh)2等のアルコキシ鉛類、アリールオキシ鉛類;Pb−Na、Pb−Ca、Pb−Ba、Pb−Sn、Pb−Sb等の鉛の合金類;ホウエン鉱、センアエン鉱等の鉛鉱物類、及びこれらの鉛化合物の水和物;
<銅族金属の化合物>CuCl、CuCl2、CuBr、CuBr2、CuI、CuI2、Cu(OAc)2、Cu(acac)2、オレイン酸銅、Bu2Cu、(CH3O)2Cu、AgNO3、AgBr、ピクリン酸銀、AgC66ClO4、[AuC≡C−C(CH33]n、[Cu(C78)Cl]4等の銅族金属の塩及び錯体(acacはアセチルアセトンキレート配位子を表す。);
<アルカリ金属の錯体>Li(acac)、LiN(C492等のアルカリ金属の錯体;
<亜鉛の錯体>Zn(acac)2等の亜鉛の錯体;
<カドミウムの錯体>Cd(acac)2等のカドミウムの錯体;
<鉄族金属の化合物>Fe(C108)(CO)5、Fe(CO)5、Fe(C46)(CO)3、Co(メシチレン)2(PEt2Ph)2、CoC55(CO)7、Ni−π−C55NO、フェロセン等の鉄族金属の錯体;
<ジルコニウム錯体>Zr(acac)4,ジルコノセン等のジルコニウムの錯体;
<ルイス酸類化合物>AlX3、TiX3,TiX4、VOX3、VX5、ZnX2、FeX3、SnX4 (ここでXはハロゲン、アセトキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基である。)等のルイス酸及びルイス酸を発生する遷移金属化合物;
<有機スズ化合物>(CH33SnOCOCH3、(C253SnOCOC65、Bu3SnOCOCH3、Ph3SnOCOCH3、Bu2Sn(OCOCH32、Bu2Sn(OCOC11232、Ph3SnOCH3、(C253SnOPh、Bu2Sn(OCH32、Bu2Sn(OC252、Bu2Sn(OPh)2、Ph2Sn(OCH32、(C253SnOH、Ph3SnOH、Bu2SnO、(C8172SnO、Bu2SnCl2、BuSnO(OH)等の有機スズ化合物;
等の金属含有化合物が触媒として用いられる。これらの触媒は多段蒸留塔内に固定された固体触媒であってもいいし、反応系に溶解する可溶性触媒であってもよい。
もちろん、これらの触媒成分が反応系中に存在する有機化合物、例えば、脂肪族アルコール類、芳香族モノヒドロキシ化合物類、アルキルアリールカーボネート類、ジアリールカーボネート類、ジアルキルカーボネート類等と反応したものであってもよいし、反応に先立って原料や生成物で加熱処理されたものであってもよい。
本発明を反応系に溶解する可溶性触媒で実施する場合は、これらの触媒は、反応条件において反応液への溶解度の高いものであることが好ましい。この意味で好ましい触媒としては、例えば、PbO、Pb(OH)2、Pb(OPh)2;TiCl4、Ti(OMe)、(MeO)Ti(OPh)、(MeO)Ti(OPh)、(MeO)Ti(OPh)、Ti(OPh)4;SnCl4、Sn(OPh)4、Bu2SnO、Bu2Sn(OPh)2;FeCl3、Fe(OH)3、Fe(OPh)3等、又はこれらをフェノール又は反応液等で処理したもの等が挙げられる。第1連続多段蒸留塔で用いられる触媒と第2連続多段蒸留塔で用いられる触媒は同じ種類であっても、異なる種類のものであってもよい。
図1は、本発明に係る製造法を実施する第1連続多段蒸留塔の概略図である。本発明において用いられる第1連続多段蒸留塔101とは、長さL(cm)、内径D(cm)の円筒形の胴部7の上下に鏡板部5を有し、内部に段数nをもつインターナル6を有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d11(cm)のガス抜出し口1、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d12(cm)の液抜出し口2、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に1つ以上の導入口3、該液抜出し口より上部であって塔の下部に1つ以上の導入口4を有する。
具体的には、本発明に係る第1連続多段蒸留塔101は、
(1)長さL(cm)が式(1)を満足するものであり、
1500 ≦ L ≦ 8000 式(1)
(2)塔の内径D(cm)が式(2)を満足するものであり、
100 ≦ D ≦ 2000 式(2)
(3)長さL(cm)と塔の内径D(cm)の比が、式(3)を満足するものであり、
2 ≦ L/D ≦ 40 式(3)
(4)段数nが式(4)を満足するものであり、
20 ≦ n ≦ 120 式(4)
(5)塔の内径D(cm)とガス抜出し口の内径d11(cm)の比が、式(5)を満足するものであり、
5 ≦ D/d11 ≦ 30 式(5)
(6)塔の内径D(cm)と液抜出し口の内径d12(cm)の比が、式(6)を満足するものであり、
3 ≦ D/d12 ≦ 20 式(6)
であることが必要である。
図2は、本発明に係る製造法を実施する第2連続多段蒸留塔の概略図である。ここで、本発明で用いられる第2連続多段蒸留塔201とは、長さL(cm)、内径D(cm)の円筒形の胴部7の上下に鏡板部5を有し、内部に段数nをもつインターナル(6−1:充填物、6−2:トレイ)を有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d21(cm)のガス抜出し口1、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d22(cm)の液抜出し口2、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に1つ以上の導入口3、該液抜出し口より上部であって塔の下部に1つ以上の導入口4を有する。
具体的には、本発明に係る第2連続多段蒸留塔201は、
(1)長さL(cm)が式(7)を満足するものであり、
1500 ≦ L ≦ 8000 式(7)
(2)塔の内径D(cm)が式(8)を満足するものであり、
100 ≦ D ≦ 2000 式(8)
(3)長さL(cm)と塔の内径D(cm)の比が、式(9)を満足するものであり、
2 ≦ L/D ≦ 40 式(9)
(4)段数nが式(10)を満足するものであり、
10 ≦ n ≦ 80 式(10)
(5)塔の内径D(cm)とガス抜出し口の内径d21(cm)の比が、式(11)を満足するものであり、
2 ≦ D/d21 ≦ 15 式(11)
(6)塔の内径D(cm)と液抜出し口の内径d22(cm)の比が、式(12)を満足するものであり、
5 ≦ D/d22 ≦ 30 式(12)
であることが必要である。
なお、図1および図2は、本発明に係る製造法を実施する連続多段蒸留塔の実施態様であるため、インターナル6の配置は、図1および図2に示す構成に限定されるものではない。また、本発明で用いる用語「塔頂部またはそれに近い塔の上部」とは、塔頂部から下方に約0.25Lまたは0.25Lまでの部分を意味し、用語「塔底部またはそれに近い塔の下部」とは、塔底部から上方に約0.25Lまたは0.25Lまでの部分を意味する。また、「LおよびL」は、前述の定義とおりである。
式(1)〜(12)の全てを同時に満足する第1連続多段蒸留塔および第2連続多段蒸留塔を用いることによって、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とから、ジアリールカーボネートを主生成物とする芳香族カーボネート類を1時間あたり1トン以上の工業的規模で、高選択率・高生産性で、例えば2000時間以上、好ましくは3000時間以上、さらに好ましくは5000時間以上の長期間、安定的に製造できることが見出されたのである。本発明の方法を実施することによって、このような優れた効果を有する工業的規模での芳香族カーボネートの製造が可能になった理由は明らかではないが、式(1)〜(12)の条件が組み合わさった時にもたらされる複合効果のためであると推定される。なお、各々の要因の好ましい範囲は下記に示される。
(cm)およびL(cm)がそれぞれ1500より小さいと、反応率が低下するため目的とする生産量を達成できないし、目的の生産量を達成できる反応率を確保しつつ設備費を低下させるには、LおよびLをそれぞれ8000以下にすることが必要である。より好ましいL(cm)およびL(cm)の範囲は、それぞれ、2000 ≦ L ≦ 6000 および2000 ≦ L ≦ 6000 であり、さらに好ましくは、2500 ≦ L ≦ 5000 および2500 ≦ L ≦ 5000 である。
(cm)およびD(cm)がそれぞれ100よりも小さいと、目的とする生産量を達成できないし、目的の生産量を達成しつつ設備費を低下させるには、DおよびDをそれぞれ2000以下にすることが必要である。より好ましいD(cm)およびD(cm)の範囲は、それぞれ150 ≦ D ≦ 1000 および150 ≦ D ≦ 1000 であり、さらに好ましくは、それぞれ200 ≦ D ≦ 800 および200 ≦ D ≦ 800である。なお、第1連続多段蒸留塔および第2連続多段蒸留塔において、DおよびDが上記の範囲にある限り、塔の上部から下部までそれぞれ同じ内径であってもよいし、部分的に内径が異なっていてもよい。例えば、これらの連続多段蒸留塔において、塔上部の内径が塔下部の内径よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。また、部分的に内径が異なる塔であってもよい。
/D および L/D がそれぞれ2より小さい時や40より大きい時は安定運転が困難となり、特に40より大きいと塔の上下における圧力差が大きくなりすぎるため、長期安定運転が困難となるだけでなく、塔下部での温度を高くしなければならないため、副反応が起こりやすくなり選択率の低下をもたらす。より好ましいL/D および L/D の範囲はそれぞれ、3 ≦ L/D ≦ 30 および3 ≦ L/D ≦ 30 であり、さらに好ましくは、5 ≦ L/D ≦ 15 および5 ≦ L/D ≦ 15である。
が20より小さいと反応率が低下するため第1連続多段蒸留塔での目的とする生産量を達成できないし、目的の生産量を達成できる反応率を確保しつつ設備費を低下させるには、nを120以下にすることが必要である。さらにnが120よりも大きいと塔の上下における圧力差が大きくなりすぎるため、第1連続多段蒸留塔の長期安定運転が困難となるだけでなく、塔下部での温度を高くしなければならないため、副反応が起こりやすくなり選択率の低下をもたらす。より好ましいnの範囲は、30 ≦ n ≦ 100 であり、さらに好ましくは、40 ≦ n ≦90 である。また、nが10より小さいと反応率が低下するため第2連続多段蒸留塔での目的とする生産量を達成できないし、目的の生産量を達成できる反応率を確保しつつ設備費を低下させるには、nを80以下にすることが必要である。さらにnが80よりも大きいと塔の上下における圧力差が大きくなりすぎるため、第2連続多段蒸留塔の長期安定運転が困難となるだけでなく、塔下部での温度を高くしなければならないため、副反応が起こりやすくなり選択率の低下をもたらす。より好ましいnの範囲は、15 ≦ n ≦ 60 であり、さらに好ましくは、20 ≦ n ≦ 50 である。
/d11が5より小さいと第1連続多段蒸留塔の設備費が高くなるだけでなく大量のガス成分が系外に出やすくなるため、第1連続多段蒸留塔の安定運転が困難になり、30よりも大きいとガス成分の抜出し量が相対的に小さくなり、安定運転が困難になるだけでなく、反応率の低下をもたらす。より好ましい D/d11の範囲は、8 ≦ D/d11 ≦ 25 であり、さらに好ましくは、10 ≦ D/d11 ≦ 20 である。また、D/d21が2より小さいと第2連続多段蒸留塔の設備費が高くなるだけでなく大量のガス成分が系外に出やすくなるため、第2連続多段蒸留塔の安定運転が困難になり、15よりも大きいとガス成分の抜出し量が相対的に小さくなり、安定運転が困難になるだけでなく、反応率の低下をもたらす。より好ましい D/d21の範囲は、5 ≦ D/d21 ≦ 12 であり、さらに好ましくは、3 ≦ D/d21 ≦ 10 である。
/d12が3より小さいと第1連続多段蒸留塔の設備費が高くなるだけでなく液抜出し量が相対的に多くなり、第1連続多段蒸留塔の安定運転が困難になり、20よりも大きいと液抜出し口や配管での流速が急激に速くなりエロ−ジョンを起こしやすくなり装置の腐食をもたらす。より好ましいD/d12の範囲は、5 ≦ D/d12 ≦ 18 であり、さらに好ましくは、7 ≦ D/d12 ≦ 15 である。また、D/d22が5より小さいと第2連続多段蒸留塔の設備費が高くなるだけでなく液抜出し量が相対的に多くなり、第2連続多段蒸留塔の安定運転が困難になり、30よりも大きいと液抜出し口や配管での流速が急激に速くなりエロ−ジョンを起こしやすくなり装置の腐食をもたらす。より好ましいD/d22の範囲は、7 ≦ D/d22 ≦ 25 であり、さらに好ましくは、9 ≦ D/d22 ≦ 20 である。
さらに本発明では、該d11と該d12が式(13)を満足し、且つ該d21と該d22が式(14)を満足する場合、さらに好ましいことがわかった。
1 ≦ d12/d11 ≦ 5 式(13)
1 ≦ d21/d22 ≦ 6 式(14)
本発明でいう長期安定運転とは、1000時間以上、好ましくは3000時間以上、さらに好ましくは5000時間以上、配管のつまりやエロージョンがなく、運転条件に基づいた定常状態で運転が継続でき、高選択率を維持しながら、所定量のジアリールカーボネートを主生成物とする芳香族カーボネート類が製造されていることを意味する。
本発明は、1時間あたり1トン以上の高生産性で芳香族カーボネートを高選択率で長期間安定的に生産することを特徴としているが、好ましくは1時間あたり2トン以上、さらに好ましくは1時間あたり3トン以上の芳香族カーボネート類を生産することにある。また、本発明は、第1連続多段蒸留塔のL、D、L/D、n、D/d11、D/d12 がそれぞれ、2000 ≦ L ≦ 6000、 150 ≦ D ≦ 1000、 3 ≦ L/D ≦ 30、 30 ≦ n ≦ 100、 8 ≦ D/d11 ≦ 25、 5 ≦ D/d12 ≦ 18であって、第2連続多段蒸留塔のL、D、L/D、n、D/d21、D/d22 がそれぞれ、2000 ≦ L ≦ 6000、 150 ≦ D ≦ 1000、 3 ≦ L/D ≦ 30、 15 ≦ n ≦ 60、 2.5 ≦ D/d21 ≦ 12、 7 ≦ D/d22 ≦ 25の場合は、1時間あたり2トン以上、好ましくは1時間あたり2.5トン以上、さらに好ましくは1時間あたり3トン以上の芳香族カーボネート類を製造することを特徴とするものである。さらに、本発明は、第1連続多段蒸留塔のL、D、L/D、n、D/d11、D/d12 がそれぞれ、2500 ≦ L ≦ 5000、 200 ≦ D ≦ 800、 5 ≦ L/D ≦ 15、 40 ≦ n ≦ 90、 10 ≦ D/d11 ≦ 25、 7 ≦ D/d12 ≦ 15であって、第2連続多段蒸留塔のL、D、L/D、n、D/d21、D/d22 がそれぞれ、2500 ≦ L ≦ 5000、 200 ≦ D ≦ 800、 5 ≦ L/D ≦ 10、 20 ≦ n ≦ 50、 3 ≦ D/d21 ≦ 10、 9 ≦ D/d22 ≦ 20の場合は、1時間あたり3トン以上、好ましくは1時間あたり3.5トン以上、さらに好ましくは1時間あたり4トン以上の芳香族カーボネート類を製造することを特徴とするものである。
本発明でいう芳香族カーボネート類の選択率とは、反応した芳香族モノヒドロキシ化合物に対するものであって、本発明では通常95%以上の高選択率であり、好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上の高選択率を達成することができる。
本発明で用いられる第1連続多段蒸留塔および第2連続多段蒸留塔は、インターナルとしてトレイおよび/または充填物を有する蒸留塔であることが好ましい。本発明でいうインターナルとは、蒸留塔において実際に気液の接触を行わせる部分のことを意味する。このようなトレイとしては、例えば泡鍾トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、向流トレイ、スーパーフラックトレイ、マックスフラックトレイ等が好ましく、充填物としては、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック等の不規則充填物やメラパック、ジェムパック、テクノパック、フレキシパック、スルザーパッキング、グッドロールパッキング、グリッチグリッド等の規則充填物が好ましい。トレイ部と充填物の充填された部分とを合わせ持つ多段蒸留塔も用いることができる。なお、本発明でいう用語「インターナルの段数n」とは、トレイの場合は、トレイの数を意味し、充填物の場合は、理論段数を意味する。したがって、トレイ部と充填物の充填された部分とを合わせて持つ多段蒸留塔の場合、nはトレイの数と理論段数の合計である。
本発明の第1連続多段蒸留塔においては、主としてジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物からアルキルアリールカーボネートを生成させる反応が行われるが、この反応は平衡定数が極端に小さく、しかも反応速度が遅いので、反応蒸留に用いる第1連続多段蒸留塔としては、インターナルがトレイである棚段式蒸留塔がより好ましいことが見出された。また、第2連続多段蒸留塔においては主として、該アルキルアリールカーボネートを不均化させる反応が行われるが、この反応も平衡定数が小さく、しかも反応速度が遅いが、反応蒸留に用いる第2連続多段蒸留塔としては、インターナルが充填物およびトレイの両方を有する蒸留塔がより好ましいことが見出された。さらに第2連続多段蒸留塔としては、上部に充填物、下部にトレイを設置したものが好ましいことも見出された。第2連続多段蒸留塔の該充填物は規則充填物が好ましく、規則充填物のなかでもメラパックが特に好ましいことも見出された。
さらに第1連続多段蒸留塔および第2連続多段蒸留塔にそれぞれ設置される該トレイは多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレイが機能と設備費との関係で特に優れていることが見出された。そして、該多孔板トレイが該多孔板部の面積1mあたり100〜1000個の孔を有していることが好ましいことも見出された。より好ましい孔数は該面積1mあたり120〜900個であり、さらに好ましくは、150〜800個である。また、該多孔板トレイの孔1個あたりの断面積が0.5〜5cmであることが好ましいことも見出された。より好ましい孔1個あたりの断面積は、0.7〜4cmであり、さらに好ましくは0.9〜3cmである。さらには、該多孔板トレイが該多孔板部の面積1mあたり100〜1000個の孔を有しており、且つ、孔1個あたりの断面積が0.5〜5cmである場合、特に好ましいことが見出された。連続多段蒸留塔に上記の条件を付加することによって、本発明の課題が、より容易に達成されることが判明したのである。
本発明を実施する場合、原料であるジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とを触媒が存在する第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該第1塔内で反応と蒸留を同時に行い、生成するアルコール類を含む第1塔低沸点反応混合物を該第1塔上部よりガス状で連続的に抜出し、生成するアルキルアリールカーボネート類を含む第1塔高沸点反応混合物を該第1塔下部より液状で連続的に抜出し、該第1塔高沸点反応混合物を触媒が存在する第2連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該第2塔内で反応と蒸留を同時に行い、生成するジアルキルカーボネート類を含む第2塔低沸点反応混合物を該第2塔上部よりガス状で連続的に抜出し、生成するジアリールカーボネート類を含む第2塔高沸点反応混合物を該第2塔下部より液状で連続的に抜出し、一方、ジアルキルカーボネート類を含む第2塔低沸点反応混合物を第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給することによって、ジアリールカーボネート類を主生成物とする芳香族カーボネート類を連続的に製造される。この原料中には、反応生成物であるアルコール類、アルキルアリールカーボネート、ジアリールカーボネートやアルキルアリールエーテルや高沸点化合物などの反応副生物が含まれていてもいいことは前述のとおりである。他の工程での分離・精製にかかる設備、費用のことを考慮すれば、実際に工業的に実施する本発明の場合は、これらの化合物を少量含んでいることが好ましい。
本発明において、原料であるジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物を第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給するには、該第1蒸留塔の上部のガス抜出し口よりも下部であるが塔の上部または中間部に設置された1箇所または数箇所の導入口から、液状および/またはガス状で供給してもよいし、芳香族モノヒドロキシ化合物を多く含む原料を該第1蒸留塔の上部の導入口から液状で供給し、ジアルキルカーボネートを多く含む原料を該第1蒸留塔の下部の液抜出し口よりも上部であって塔の下部に設置された導入口からガス状で供給することも好ましい方法である。
また本発明においては、第1連続多段蒸留塔下部より連続的に抜き出されるアルキルアリールカーボネート類を含む第1塔高沸点反応混合物が第2連続多段蒸留塔に連続的に供給されるが、その供給位置は第2蒸留塔の上部のガス抜出し口よりも下部であるが塔の上部または中間部に設置された1箇所または数箇所の導入口から、液状および/またはガス状で供給することが好ましい。また、本発明の好ましい実施態様である上部に充填物部、下部にトレイ部を有する蒸留塔を用いる場合、導入口の少なくとも1箇所は充填物部とトレイ部との間に設置されることが好ましい。また、充填物が2基以上の複数の規則充填物からなっている場合は、これらの複数の規則充填物を構成する間隔に導入口を設置することも好ましい方法である。
また、本発明において第1連続多段蒸留塔および第2連続多段蒸留塔の塔頂ガス抜き出し成分をそれぞれ凝縮した後、その一部をそれぞれの蒸留塔上部にもどす還流操作を実施することも好ましい方法である。この場合、第1連続多段蒸留塔の還流比は0〜10、であり、第2連続多段蒸留塔の還流比は0.01〜10の範囲、好ましくは0.08〜5、さらに好ましくは、0.1〜2.0の範囲である。第1連続多段蒸留塔では還流操作をしない還流比0も好ましい実施態様である。
本発明において、第1連続多段蒸留塔内に触媒を存在させる方法はどのようなものであってもよいが、触媒が反応液に不溶解性の固体状の場合は、第1連続多段蒸留塔内の段に設置する方法や、充填物状にして設置する方法などによって塔内に固定させることが好ましい。また、原料や反応液に溶解する触媒の場合は、該第1蒸留塔の中間部より上部の位置から蒸留塔内に供給することが好ましい。この場合、原料または反応液に溶解させた触媒液を原料と一緒に導入してもよいし、原料とは別の導入口からこの触媒液を導入してもよい。本発明の第1連続多段蒸留塔で用いる触媒の量は、使用する触媒の種類、原料の種類やその量比、反応温度並びに反応圧力などの反応条件の違いによっても異なるが、原料の合計質量に対する割合で表して、通常、0.0001〜30質量%、好ましくは0.005〜10質量%、より好ましくは0.001〜1質量%で使用される。
また、本発明において、第2連続多段蒸留塔内に触媒を存在させる方法はどのようなものであってもよいが、触媒が反応液に不溶解性の固体状の場合は、第2連続多段蒸留塔内の段に設置する方法や、充填物状にして設置する方法などによって塔内に固定させることが好ましい。また、原料や反応液に溶解する触媒の場合は、該第2蒸留塔の中間部より上部の位置から蒸留塔内に供給することが好ましい。この場合、原料または反応液に溶解させた触媒液を原料と一緒に導入してもよいし、原料とは別の導入口からこの触媒液を導入してもよい。本発明の第2連続多段蒸留塔で用いる触媒の量は、使用する触媒の種類、原料の種類やその量比、反応温度並びに反応圧力などの反応条件の違いによっても異なるが、原料の合計質量に対する割合で表して、通常、0.0001〜30質量%、好ましくは0.005〜10質量%、より好ましくは0.001〜1質量%で使用される。
本発明においては、第1連続多段蒸留塔で用いる触媒と第2連続多段蒸留塔で用いる触媒は、同じ種類のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよいが、好ましくは、同じ種類の触媒を用いることである。さらに好ましいのは、同じ種類であって、両方の反応液に溶解することのできる触媒である。この場合、触媒は通常第1連続多段蒸留塔の高沸点反応混合物中に溶解した状態で、アルキルアリールカーボネート等とともに該第1蒸留塔の下部から抜き出され、そのまま第2連続多段蒸留塔に供給されるので、好ましい実施態様である。なお、必要に応じて第2連続多段蒸留塔に新たに触媒を追加することも可能である。
本発明で行われるエステル交換反応の反応時間は第1連続多段蒸留塔内および第2連続多段蒸留塔内でのそれぞれの反応液の平均滞留時間に相当すると考えられるが、これはそれぞれの該蒸留塔のインターナルの形状や段数、原料供給量、触媒の種類や量、反応条件などによって異なるが、第1連続多段蒸留塔内および第2連続多段蒸留塔内のそれぞれにおいて、通常0.01〜10時間、好ましくは0.05〜5時間、より好ましくは0.1〜3時間である。
第1連続多段蒸留塔の反応温度は、用いる原料化合物の種類や触媒の種類や量によって異なるが、通常100〜350℃の範囲である。反応速度を高めるためには反応温度を高くすることが好ましいが、反応温度が高いと副反応も起こりやすくなり、例えばアルキルアリールエーテルなどの副生が増えるので好ましくない。このような意味で、第1連続多段蒸留塔での好ましい反応温度は130〜280℃、より好ましくは150〜260℃、さらに好ましくは、180〜250℃の範囲である。
第2連続多段蒸留塔の反応温度は、用いる原料化合物の種類や触媒の種類や量によって異なるが、通常100〜350℃の範囲である。反応速度を高めるためには反応温度を高くすることが好ましいが、反応温度が高いと副反応も起こりやすくなり、例えばアルキルアリールエーテルや、原料や生成物であるアルキルアリールカーボネートやジアリールカーボネートのフリース転移反応生成物やその誘導体などの副生が増えるので好ましくない。このような意味で、第2連続多段蒸留塔での好ましい反応温度は130〜280℃、より好ましくは150〜260℃、さらに好ましくは、180〜250℃の範囲である。
また、第1連続多段蒸留塔の反応圧力は、用いる原料化合物の種類や組成、反応温度などにより異なるが、第1連続多段蒸留塔では減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常塔頂圧力が0.1〜2×10Pa、好ましくは、10〜10Pa、より好ましくは2×10〜5×10Paの範囲で行われる。
第2連続多段蒸留塔の反応圧力は、用いる原料化合物の種類や組成、反応温度などにより異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常塔頂圧力が0.1〜2×10Pa、好ましくは、10〜10Pa、より好ましくは5×10〜10Paの範囲で行われる
なお、本発明における第1連続多段蒸留塔として、2基以上の蒸留塔を用いることもできる。この場合、2基以上の蒸留塔を直列に連結することも、並列に連結することも、さらに直列と並列を組み合わせて連結することも可能である。
また、本発明における第2連続多段蒸留塔として、2基以上の蒸留塔を用いることもできる。この場合、2基以上の蒸留塔を直列に連結することも、並列に連結することも、さらに直列と並列を組み合わせて連結することも可能である。
本発明で用いられる第1連続多段蒸留塔および第2連続多段蒸留塔を構成する材料は、主に炭素鋼、ステンレススチールなどの金属材料であるが、製造する芳香族カーボネートの品質の面からは、ステンレススチールが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
ハロゲン含有量は、イオンクロマトグラフィー法で測定した。
[実施例1]
<第1連続多段蒸留塔101>
図1に示されるようなL=3300cm、D=500cm、L/D=6.6、n=80、D/d11=17、D/d12=9 である連続多段蒸留塔を用いた。なお、この実施例では、インターナルとして、孔1個あたりの断面積=約1.5cm、孔数=約250個/m を有する多孔板トレイを用いた。
<第2連続多段蒸留塔201>
図2に示されるようなL=3100cm、D=500cm、L/D=6.2、n=30、D/d21=3.85、D/d22=11.1 である連続多段蒸留塔を用いた。なお、この実施例では、インターナルとして、上部にメラパック2基(合計理論段数11段)を設置し、下部に孔1個あたりの断面積=約1.3cm、孔数=約250個/m を有する多孔板トレイを用いた。
<反応蒸留>
図3に示されるような第1連続多段蒸留塔101と第2連続多段蒸留塔201が接続された装置を用いて反応蒸留を行い、ジフェニルカーボネートを製造した。
フェノール/ジメチルカーボネート=1.9(質量比)からなる原料1を第1連続多段蒸留塔101の上部導入口11から液状で50トン/hrの流量で連続的に導入した。一方、ジメチルカーボネート/フェノール=3.6(質量比)からなる原料2を第1連続多段蒸留塔101の下部導入口12からガス状で50トン/hrの流量で連続的に導入した。第1連続多段蒸留塔101に導入された原料のモル比は、ジメチルカーボネート/フェノール=1.35であった。この原料にはハロゲンは実質的に含まれていなかった(イオンクロマトグラフィーでの検出限界外で1ppb以下)。触媒はPb(OPh)として、反応液中に約100ppmとなるように第1連続多段蒸留塔101の上部導入口11から導入された。第1連続多段蒸留塔101では塔底部の温度が225℃で、塔頂部の圧力が7×10Paの条件下で連続的に反応蒸留が行われた。メチルアルコール、ジメチルカーボネート、フェノール等を含む第1塔低沸点反応混合物を第1塔の塔頂部13よりガス状で連続的に抜き出し、熱交換器14を経て、抜出し口16から34トン/hrの流量で抜出した。一方、メチルフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、フェノール、ジフェニルカーボネート、触媒等を含む第1塔高沸点反応混合物を第1塔下部17より液状で連続的に抜き出した。
24時間後には安定した定常状態に達したので、第1塔高沸点反応混合物をそのまま第2連続多段蒸留塔201のメラパックと多孔板トレイとの間に設置されている原料導入口21から、66トン/hrの流量で連続的に供給した。第2連続多段蒸留塔201に供給された液には、メチルフェニルカーボネートが18.2質量%、ジフェニルカーボネートが0.8質量%含まれていた。第2連続多段蒸留塔201では塔底部の温度が210℃で、塔頂部の圧力が3×10Pa、還流比が0.3の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。24時間後には安定的な定常運転が達成できた。第2塔の塔頂部23からジメチルカーボネート35質量%、フェノール56質量%を含む第2塔低沸点反応混合物が連続的に抜き出され、抜出し口26での流量は55.6トン/hrであった。第2塔低沸点反応混合物は、導入口11および/または導入口12から第1連続多段蒸留塔101に連続的に供給された。この際、新規に供給されるジメチルカーボネートとフェノールの量は、第2塔低沸点反応混合物の組成、量を勘案した上で、上記原料1および原料2の組成、量を維持するように調整した。
第2塔の塔底部27からはメチルフェニルカーボネート38.4質量%、ジフェニルカーボネート55.6質量%を含む第2塔高沸点反応混合物が連続的に抜出された。ジフェニルカーボネートの生産量は1時間あたり5.74トンであることがわかった。反応したフェノールに対して、ジフェニルカーボネートの選択率は98%であった。
この条件で長期間の連続運転を行った。500時間後、2000時間後、4000時間後、5000時間後、6000時間後のジフェニルカーボネートの生産量(原料中に含まれるジフェニルカーボネートを除く)は、1時間あたり5.74トン、5.75トン、5.74トン、5.74トン、5.75トンであり、選択率は98%、98%、98%、98%、98%、であり、非常に安定していた。また、製造された芳香族カーボネートには、ハロゲンは実質的に含まれていなかった(1ppb以下)。
[実施例2]
実施例1と同じ装置を用いて、下記の条件で反応蒸留を行った。
フェノール/ジメチルカーボネート=1.1(質量比)からなる原料1を第1連続多段蒸留塔101の上部導入口11から液状で40トン/hrの流量で連続的に導入した。一方、ジメチルカーボネート/フェノール=3.9(質量比)からなる原料2を第1連続多段蒸留塔101の下部導入口12からガス状で43トン/hrの流量で連続的に導入した。第1連続多段蒸留塔101に導入された原料のモル比は、ジメチルカーボネート/フェノール=1.87であった。この原料にはハロゲンは実質的に含まれていなかった(イオンクロマトグラフィーでの検出限界外で1ppb以下)。触媒はPb(OPh)として、反応液中に約250ppmとなるように第1連続多段蒸留塔101の上部導入口11から導入された。第1連続多段蒸留塔101では塔底部の温度が235℃で、塔頂部の圧力が9×10Paの条件下で連続的に反応蒸留が行われた。メチルアルコール、ジメチルカーボネート、フェノール等を含む第1塔低沸点反応混合物を第1塔の塔頂部13よりガス状で連続的に抜き出し、熱交換器14を経て、抜出し口16から43トン/hrの流量で抜出した。一方、メチルフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、フェノール、ジフェニルカーボネート、触媒等を含む第1塔高沸点反応混合物を第1塔下部17より液状で連続的に抜き出した。
24時間後には安定した定常状態に達したので、第1塔高沸点反応混合物をそのまま第2連続多段蒸留塔201のメラパックと多孔板トレイとの間に設置されている原料導入口21から、40トン/hrの流量で連続的に供給した。第2連続多段蒸留塔201に供給された液には、メチルフェニルカーボネートが20.7質量%、ジフェニルカーボネートが1.0質量%含まれていた。第2連続多段蒸留塔201では塔底部の温度が205℃で、塔頂部の圧力が2×10Pa、還流比が0.5の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。24時間後には安定的な定常運転が達成できた。第2塔の塔頂部23から第2塔低沸点反応混合物が連続的に抜き出され、抜出し口26での流量は33.3トン/hrであった。
第2塔低沸点反応混合物は、導入口11および/または導入口12から第1連続多段蒸留塔101に連続的に供給された。この際、新規に供給されるジメチルカーボネートとフェノールの量は、第2塔低沸点反応混合物の組成、量を勘案した上で、上記原料1および原料2の組成、量を維持するように調整した。
第2塔の塔底部27からはメチルフェニルカーボネート35.5質量%、ジフェニルカーボネート61.2質量%を含む第2塔高沸点反応混合物が連続的に抜出された。ジフェニルカーボネートの生産量は1時間あたり4.1トンであることがわかった。反応したフェノールに対して、ジフェニルカーボネートの選択率は97%であった。
この条件で長期間の連続運転を行った。500時間後、1000時間後、2000時間後のジフェニルカーボネートの1時間あたりの生産量は4.1トン、4.1トン、4.1トンであり、反応したフェノールに対して選択率は97%、97%、97%であり、非常に安定していた。また、製造された芳香族カーボネートには、ハロゲンは実質的に含まれていなかった(1ppb以下)。
[実施例3]
第2連続多段蒸留塔201における多孔板トレイの孔1個あたりの断面積=約1.8cmとする以外は実施例1と同じ装置を用いて、下記の条件で反応蒸留を行った。
フェノール/ジメチルカーボネート=1.7(質量比)からなる原料1を第1連続多段蒸留塔101の上部導入口11から液状で86トン/hrの流量で連続的に導入した。一方、ジメチルカーボネート/フェノール=3.5(質量比)からなる原料2を第1連続多段蒸留塔101の下部導入口12からガス状で90トン/hrの流量で連続的に導入した。第1連続多段蒸留塔101に導入された原料のモル比は、ジメチルカーボネート/フェノール=1.44であった。この原料にはハロゲンは実質的に含まれていなかった(イオンクロマトグラフィーでの検出限界外で1ppb以下)。触媒はPb(OPh)として、反応液中に約150ppmとなるように第1連続多段蒸留塔101の上部導入口11から導入された。第1連続多段蒸留塔101では塔底部の温度が220℃で、塔頂部の圧力が8×10Paの条件下で連続的に反応蒸留が行われた。メチルアルコール、ジメチルカーボネート、フェノール等を含む第1塔低沸点反応混合物を第1塔の塔頂部13よりガス状で連続的に抜き出し、熱交換器14を経て、抜出し口16から82トン/hrの流量で抜出した。一方、メチルフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、フェノール、ジフェニルカーボネート、触媒等を含む第1塔高沸点反応混合物を第1塔下部17より液状で連続的に抜き出した。
24時間後には安定した定常状態に達したので、第1塔高沸点反応混合物をそのまま第2連続多段蒸留塔201のメラパックと多孔板トレイとの間に設置されている原料導入口21から、94トン/hrの流量で連続的に供給した。第2連続多段蒸留塔201に供給された液には、メチルフェニルカーボネートが16.0質量%、ジフェニルカーボネートが0.5質量%含まれていた。第2連続多段蒸留塔201では塔底部の温度が215℃で、塔頂部の圧力が2.5×10Pa、還流比が0.4の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。24時間後には安定的な定常運転が達成できた。第2塔の塔頂部23から第2塔低沸点反応混合物が連続的に抜き出され、抜出し口26での流量は81.7トン/hrであった。第2塔低沸点反応混合物は、導入口11から第1連続多段蒸留塔101に連続的に供給された。この際、新規に供給されるジメチルカーボネートとフェノールの量は、第2塔低沸点反応混合物の組成、量を勘案した上で、上記原料1および原料2の組成、量を維持するように調整した。
第2塔の塔底部27からはメチルフェニルカーボネート35.5質量%、ジフェニルカーボネート59.5質量%を含む第2塔高沸点反応混合物が連続的に抜出された。ジフェニルカーボネートの生産量は1時間あたり7.32トンであることがわかった。反応したフェノールに対して、ジフェニルカーボネートの選択率は98%であった。
この条件で長期間の連続運転を行った。500時間後、1000時間後、2000時間後のジフェニルカーボネートの1時間あたりの生産量は7.32トン、7.33トン、7.33トンであり、反応したフェノールに対して選択率は98%、98%、98%であり、非常に安定していた。また、製造された芳香族カーボネートには、ハロゲンは実質的に含まれていなかった(1ppb以下)。
本発明は、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とから2基の連続多段蒸留塔を用いて、ジアリールカーボネートを主生成物とする芳香族カーボネートを、1時間あたり1トン以上の工業的規模で、高選択率・高生産性で長期間安定的に製造できる具体的な方法に好適である。
本発明を実施する第1連続多段蒸留塔の概略図である。胴部内部にはインターナル6が設置されている。 本発明を実施するのに好ましい第2連続多段蒸留塔の概略図である。胴部内部には上部に規則充填物、下部に多孔板トレイからなるインターナル(6−1および6−2)が設置されている。 本発明を実施する好ましい装置の概略図である。なお、各図において使用した符号の説明は、以下のとおりである:1:ガス抜出し口、2:液抜出し口、3,4,15,19,25,29:導入口、5:鏡板部、6:インターナル、6−1:インターナル(充填物)、6−2:インターナル(トレイ)、7:胴体部分、L,L:胴部長さ(cm)、D,D:胴部内径(cm)、d11,d21:ガス抜出し口内径(cm)、d12,d22:液抜出し口内径(cm)、101:第1連続多段蒸留塔、201:第2連続多段蒸留塔、11,12,21:導入口、13,23:塔頂ガス抜出し口、14,24,18,28:熱交換器、15,25:還流液導入口、16,26:塔頂成分抜出し口、17,27:塔底液抜出し口、31:第2連続多段蒸留塔の塔底成分抜出し口。

Claims (32)

  1. ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とを原料として、ジアリールカーボネート類を主生成物とする芳香族カーボネート類を製造する方法であって、
    (i)該原料を、触媒が存在する第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給する工程と、
    (ii)アルコール類およびアルキルアリールカーボネート類が生成するように、該原料を該第1塔内で反応させる工程と、
    (iii)生成するアルコール類を含む第1低沸点反応混合物を該第1塔上部より連続的に抜出すとともに、生成するアルキルアリールカーボネート類を含む第1塔高沸点反応混合物を該第1塔下部より液状で連続的抜出す工程と、
    (iv)該第1塔高沸点反応混合物を、該第1連続多段蒸留塔と連結した、触媒が存在する第2連続多段反応蒸留塔内に連続的に供給するするとともに、ジアルキルカーボネート類およびジアリールカーボネート類が生成するように、該第2塔内で反応させる工程と、
    (v)生成したジアルキルカーボネート類を含む第2塔低沸点反応混合物を該第2塔上部よりガス状で連続的に抜出すとともに、生成したジアリールカーボネート類を含む第2塔高沸点反応混合物を該第2塔下部より液状で連続的に抜出す工程と、を含み、
    (a)該第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給されるジアルキルカーボネートが、芳香族モノヒドロキシ化合物に対して、モル比で0.1〜10であって、
    (b)該第1連続多段蒸留塔が、長さL1(cm)、内径D1(cm)の円筒形の胴部の上下に鏡板部を有し、内部に段数n1をもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d11(cm)のガス抜出し口、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d12(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に1つ以上の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の下部に1つ以上の導入口を有するものであって、
    (1)長さL1(cm)が式(1)を満足するものであり、
    1500 ≦ L1 ≦ 8000 式(1)
    (2)塔の内径D1(cm)が式(2)を満足するものであり、
    100 ≦ D1 ≦ 2000 式(2)
    (3)長さL1(cm)と塔の内径D1(cm)の比が、式(3)を満足するものであり、
    2 ≦ L1/D1 ≦ 40 式(3)
    (4)段数n1が式(4)を満足するものであり、
    20 ≦ n1 ≦ 120 式(4)
    (5)塔の内径D1(cm)とガス抜出し口の内径d11(cm)の比が、式(5)を満足するものであり、
    5 ≦ D1/d11 ≦ 30 式(5)
    (6)塔の内径D1(cm)と液抜出し口の内径d12(cm)の比が、式(6)を満足するものであり、
    3 ≦ D1/d12 ≦ 20 式(6)
    (c)該第2連続多段蒸留塔が、長さL2(cm)、内径D2(cm)の円筒形の胴部の上下に鏡板部を有し、内部に段数n2をもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d21(cm)のガス抜出し口、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d22(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に1つ以上の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の下部に1つ以上の導入口を有するものであって、
    (1)長さL2(cm)が式(7)を満足するものであり、
    1500 ≦ L2 ≦ 8000 式(7)
    (2)塔の内径D2(cm)が式(8)を満足するものであり、
    100 ≦ D2 ≦ 2000 式(8)
    (3)長さL2(cm)と塔の内径D2(cm)の比が、式(9)を満足するものであり、
    2 ≦ L2/D2 ≦ 40 式(9)
    (4)段数n2が式(10)を満足するものであり、
    10 ≦ n2 ≦ 80 式(10)
    (5)塔の内径D2(cm)とガス抜出し口の内径d21(cm)の比が、式(11)を満足するものであり、
    2 ≦ D2/d21 ≦ 15 式(11)
    (6)塔の内径D2(cm)と液抜出し口の内径d22(cm)の比が、式(12)を満足するものである、
    5 ≦ D2/d22 ≦ 30 式(12)
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記工程(ii)および(iv)にて、蒸留も同時に行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. ジアリールカーボネートの生産量が、1時間あたり1トン以上である、請求項1または2に記載の方法。
  4. ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とを原料とし、この原料を触媒が存在する第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該第1塔内で反応と蒸留を同時に行い、生成するアルコール類を含む第1塔低沸点反応混合物を該第1塔上部よりガス状で連続的に抜出し、生成するアルキルアリールカーボネート類を含む第1塔高沸点反応混合物を該第1塔下部より液状で連続的に抜出し、該第1塔高沸点反応混合物を触媒が存在する第2連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該第2塔内で反応と蒸留を同時に行い、生成するジアルキルカーボネート類を含む第2塔低沸点反応混合物を該第2塔上部よりガス状で連続的に抜出し、生成するジアリールカーボネート類を含む第2塔高沸点反応混合物を該第2塔下部より液状で連続的に抜出し、一方、ジアルキルカーボネート類を含む第2塔低沸点反応混合物を第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給することによって、ジアリールカーボネート類を主生成物とする、芳香族カーボネート類を連続的に製造するにあたり
    (a)該第1連続多段蒸留塔内に連続的に供給されるジアルキルカーボネートが、芳香族モノヒドロキシ化合物に対して、モル比で0.1〜10であって、
    (b)該第1連続多段蒸留塔が、長さL1(cm)、内径D1(cm)の円筒形の胴部の上下に鏡板部を有し、内部に段数n1をもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d11(cm)のガス抜出し口、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d12(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に1つ以上の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の下部に1つ以上の導入口を有するものであって、
    (1)長さL1(cm)が式(1)を満足するものであり、
    1500 ≦ L1 ≦ 8000 式(1)
    (2)塔の内径D1(cm)が式(2)を満足するものであり、
    100 ≦ D1 ≦ 2000 式(2)
    (3)長さL1(cm)と塔の内径D1(cm)の比が、式(3)を満足するものであり、
    2 ≦ L1/D1 ≦ 40 式(3)
    (4)段数n1が式(4)を満足するものであり、
    20 ≦ n1 ≦ 120 式(4)
    (5)塔の内径D1(cm)とガス抜出し口の内径d11(cm)の比が、式(5)を満足するものであり、
    5 ≦ D1/d11 ≦ 30 式(5)
    (6)塔の内径D1(cm)と液抜出し口の内径d12(cm)の比が、式(6)を満足するものであり、
    3 ≦ D1/d12 ≦ 20 式(6)
    (c)該第2連続多段蒸留塔が、長さL2(cm)、内径D2(cm)の円筒形の胴部の上下に鏡板部を有し、内部に段数n2をもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d21(cm)のガス抜出し口、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d22(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に1つ以上の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の下部に1つ以上の導入口を有するものであって、
    (1)長さL2(cm)が式(7)を満足するものであり、
    1500 ≦ L2 ≦ 8000 式(7)
    (2)塔の内径D2(cm)が式(8)を満足するものであり、
    100 ≦ D2 ≦ 2000 式(8)
    (3)長さL2(cm)と塔の内径D2(cm)の比が、式(9)を満足するものであり、
    2 ≦ L2/D2 ≦ 40 式(9)
    (4)段数n2が式(10)を満足するものであり、
    10 ≦ n2 ≦ 80 式(10)
    (5)塔の内径D2(cm)とガス抜出し口の内径d21(cm)の比が、式(11)を満足するものであり、
    2 ≦ D2/d21 ≦ 15 式(11)
    (6)塔の内径D2(cm)と液抜出し口の内径d22(cm)の比が、式(12)を満足するものである、
    5 ≦ D2/d22 ≦ 30 式(12)
    ことを特徴とするジアリールカーボネートを主生成物とする芳香族カーボネート類の工業的製造方法。
  5. ジアリールカーボネートの生産量が、1時間あたり1トン以上であることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 該d11と該d12が式(13)を満足し、且つ該d21と該d22が式(14)を満足する、
    1 ≦ d12/d11 ≦ 5 式(13)
    1 ≦ d21/d22 ≦ 6 式(14)
    ことを特徴とする請求項1ないし5のうち何れか一項に記載の方法。
  7. 該第1連続多段蒸留塔のL1、D1、L1/D1、n1、D1/d11、D1/d12 がそれぞれ、2000≦L1≦6000、 150≦D1≦1000、 3≦L1/D1≦30、 30≦n1≦100、 8≦D1/d11≦25、 5≦D1/d12≦18であり、且つ、
    該第2連続多段蒸留塔のL2、D2、L2/D2、n2、D2/d21、D2/d22 がそれぞれ、2000≦L2≦6000、 150≦D2≦1000、 3≦L2/D2≦30、 15≦n2≦60、 2.5≦D2/d21≦12、 7≦D2/d22≦25であることを特徴とする請求項1ないし6のうち何れか一項に記載の方法。
  8. 該第1連続多段蒸留塔のL1、D1、L1/D1、n1、D1/d11、D1/d12 がそれぞれ、2500≦L1≦5000、 200≦D1≦800、 5≦L1/D1≦15、 40≦n1≦90、 10≦D1/d11≦25、 7≦D1/d12≦15であり、且つ、
    該第2連続多段蒸留塔のL2、D2、L2/D2、n2、D2/d21、D2/d22 がそれぞれ、2500≦L2≦5000、 200≦D2≦800、 5≦L2/D2≦15、 20≦n2≦50、 3≦ D2/d21≦10、 9≦D2/d22≦20であることを特徴とする請求項1ないし7のうち何れか一項に記載の方法。
  9. 該第1連続多段蒸留塔および該第2連続多段蒸留塔が、それぞれ該インターナルとしてトレイおよび/または充填物を有する蒸留塔であることを特徴とする請求項1ないし8のうち何れか一項に記載の方法。
  10. 該第1連続多段蒸留塔が、該インターナルとしてトレイを有する棚段式蒸留塔であり、該第2連続多段蒸留塔が、該インターナルとして充填物およびトレイの両方を有する蒸留塔であることを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. 該第1連続多段蒸留塔および該第2連続多段蒸留塔の該トレイそれぞれが、多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレイであることを特徴とする請求項9または10記載の方法。
  12. 該多孔板トレイが該多孔板部の面積1m2あたり100〜1000個の孔を有するものであることを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 該多孔板トレイの孔1個あたりの断面積が0.5〜5cm2であることを特徴とする請求項11または12記載の方法。
  14. 該第2連続多段蒸留塔が、該インターナルとして充填物を上部に、トレイを下部に有する蒸留塔であることを特徴とする請求項9または10に記載の方法。
  15. 該第2連続多段蒸留塔の該インターナルの該充填物が1基または2基以上の規則充填物であることを特徴とする請求項9ないし14のうち何れか一項に記載の方法。
  16. 該第2連続多段蒸留塔の該規則充填物が、メラパック、ジェムパック、テクノパック、フレキシパック、スルザーパッキング、グッドロールパッキング、グリッチグリッドから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 該第1連続多段蒸留塔として、2基以上の蒸留塔を用いることを特徴とする請求項1ないし16のうち何れか一項に記載の方法。
  18. 該第2連続多段蒸留塔として、2基以上の蒸留塔を用いることを特徴とする請求項1ないし17のうち何れか一項に記載の方法。
  19. 反応および蒸留を行うための第1連続多段蒸留塔と、該第1連続多段蒸留塔と連結した、反応および蒸留を行うための第2連続多段蒸留塔と、を備える反応蒸留装置であって、(a)該第1連続多段蒸留塔が、長さL1(cm)、内径D1(cm)の円筒形の胴部の上下に鏡板部を有し、内部に段数n1をもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d11(cm)のガス抜出し口、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d12(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に1つ以上の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の下部に1つ以上の導入口を有するものであって、
    (1)長さL1(cm)が式(1)を満足するものであり、
    1500 ≦ L1 ≦ 8000 式(1)
    (2)塔の内径D1(cm)が式(2)を満足するものであり、
    100 ≦ D1 ≦ 2000 式(2)
    (3)長さL1(cm)と塔の内径D1(cm)の比が、式(3)を満足するものであり、
    2 ≦ L1/D1 ≦ 40 式(3)
    (4)段数n1が式(4)を満足するものであり、
    20 ≦ n1 ≦ 120 式(4)
    (5)塔の内径D1(cm)とガス抜出し口の内径d11(cm)の比が、式(5)を満足するものであり、
    5 ≦ D1/d11 ≦ 30 式(5)
    (6)塔の内径D1(cm)と液抜出し口の内径d12(cm)の比が、式(6)を満足するものであり、
    3 ≦ D1/d12 ≦ 20 式(6)
    (b)該第2連続多段蒸留塔が、長さL2(cm)、内径D2(cm)の円筒形の胴部の上下に鏡板部を有し、内部に段数n2をもつインターナルを有する構造をしており、塔頂部またはそれに近い塔の上部に内径d21(cm)のガス抜出し口、塔底部またはそれに近い塔の下部に内径d22(cm)の液抜出し口、該ガス抜出し口より下部であって塔の上部および/または中間部に1つ以上の導入口、該液抜出し口より上部であって塔の下部に1つ以上の導入口を有するものであって、
    (1)長さL2(cm)が式(7)を満足するものであり、
    1500 ≦ L2 ≦ 8000 式(7)
    (2)塔の内径D2(cm)が式(8)を満足するものであり、
    100 ≦ D2 ≦ 2000 式(8)
    (3)長さL2(cm)と塔の内径D2(cm)の比が、式(9)を満足するものであり、
    2 ≦ L2/D2 ≦ 40 式(9)
    (4)段数n2が式(10)を満足するものであり、
    10 ≦ n2 ≦ 80 式(10)
    (5)塔の内径D2(cm)とガス抜出し口の内径d21(cm)の比が、式(11)を満足するものであり、
    2 ≦ D2/d21 ≦ 15 式(11)
    (6)塔の内径D2(cm)と液抜出し口の内径d22(cm)の比が、式(12)を満足するものである、
    5 ≦ D2/d22 ≦ 30 式(12)
    ことを特徴とする反応蒸留装置。
  20. 該d11と該d12が式(13)を満足し、且つ該d21と該d22が式(14)を満足する、
    1 ≦ d12/d11 ≦ 5 式(13)
    1 ≦ d21/d22 ≦ 6 式(14)
    ことを特徴とする請求項19記載の反応蒸留装置。
  21. 該第1連続多段蒸留塔のL1、D1、L1/D1、n1、D1/d11、D1/d12 がそれぞれ、2000≦L1≦6000、 150≦D1≦1000、 3 L1/D1≦30、 30≦n1≦100、 8≦D1/d11≦25、 5≦D1/d12≦18であり、且つ、
    該第2連続多段蒸留塔のL2、D2、L2/D2、n2、D2/d21、D2/d22 がそれぞれ、2000≦L2≦6000、 150≦D2≦1000、 3≦L2/D2≦30、 15≦n2≦60、 2.5≦D2/d21≦12、 7≦D2/d22≦25であることを特徴とする請求項19または20に記載の反応蒸留装置。
  22. 該第1連続多段蒸留塔のL1、D1、L1/D1、n1、D1/d11、D1/d12 がそれぞれ、2500≦L1≦5000、 200≦D1≦800、 5≦L1/D1≦15、 40≦n1≦90、 10≦D1/d11≦25、 7≦D1/d12≦15であり、且つ、
    該第2連続多段蒸留塔のL2、D2、L2/D2、n2、D2/d21、D2/d22 がそれぞれ、2500≦L2≦5000、 200≦D2≦800、 5≦L2/D2≦15、 20≦n2≦50、 3≦ D2/d21≦10、 9≦D2/d22≦20であることを特徴とする請求項19ないし21のうち何れか一項に記載の反応蒸留装置。
  23. 該第1連続多段蒸留塔および該第2連続多段蒸留塔が、それぞれ該インターナルとしてトレイおよび/または充填物を有する蒸留塔であることを特徴とする請求項19ないし22のうち何れか一項に記載の反応蒸留装置。
  24. 該第1連続多段蒸留塔が、該インターナルとしてトレイを有する棚段式蒸留塔であり、該第2連続多段蒸留塔が、該インターナルとして充填物およびトレイの両方を有する蒸留塔であることを特徴とする請求項23記載の反応蒸留装置。
  25. 該第1連続多段蒸留塔および該第2連続多段蒸留塔の該トレイそれぞれが、多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレイであることを特徴とする請求項23または24記載の反応蒸留装置。
  26. 該多孔板トレイが該多孔板部の面積1m2あたり100〜1000個の孔を有するものであることを特徴とする請求項25記載の反応蒸留装置。
  27. 該多孔板トレイの孔1個あたりの断面積が0.5〜5cm2であることを特徴とする請求項25または26記載の反応蒸留装置。
  28. 該第2連続多段蒸留塔が、該インターナルとして充填物を上部に、トレイを下部に有する蒸留塔であることを特徴とする請求項23または24記載の反応蒸留装置。
  29. 該第2連続多段蒸留塔の該インターナルの該充填物が1基または2基以上の規則充填物であることを特徴とする請求項23ないし28のうち何れか一項に記載の反応蒸留装置。
  30. 該第2連続多段蒸留塔の該規則充填物が、メラパック、ジェムパック、テクノパック、フレキシパック、スルザーパッキング、グッドロールパッキング、グリッチグリッドから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項29に記載の反応蒸留装置。
  31. 該第1連続多段蒸留塔として、2基以上の蒸留塔を用いることを特徴とする請求項19ないし30のうち何れか一項に記載の反応蒸留装置。
  32. 該第2連続多段蒸留塔として、2基以上の蒸留塔を用いることを特徴とする請求項19ないし31のうち何れか一項に記載の反応蒸留装置。
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