JP4222072B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの制御装置、特に吸・排気バルブの開閉時期を可変とするバルブ可変機構を備えたエンジンの制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用などのエンジンにおいては、吸・排気バルブの開閉タイミングを可変とするバルブ可変機構が備えられることがある。該バルブ可変機構は、油圧の給排を行うことにより、クランク軸に対するカム軸の位相が変化し、その結果、吸・排気バルブの開閉タイミングの最適化が図られる。例えば、エンジン負荷の小さいアイドル時などは、吸気量が少ないため、吸・排気バルブが共に開いているオーバラップ量が大きいと燃焼ガスが吸気側に吹き返してしまい、吸気の妨げとなるので、こうした場合には、オーバラップ量を小さくして、燃焼ガスの混入を抑えて、燃焼の安定化を図る。一方、エンジン負荷の増加に伴って、例えば低・中負荷時には吸気量を増しながらオーバラップ量を大きくして、内部EGRも増加させ、出力を保ちつつ燃費の向上を図る。
【0003】
例えば、車速ゼロの停車時にはオーバラップ量を小さくするため吸・排気カム軸は所定の基準位相位置に制御される。この基準位相位置にはクランク軸に対する吸・排気カム軸の位相を固定するためのロック機構のロックピンが配置されている。しかし、エンジンが運転中の停車時はロックピンの解除油圧が立っているのでロックはされない。そして、エンジン停止でロック機構解除油圧が抜けると上記基準位相位置でロックピンが入り、吸・排気カム軸の位相がオーバラップ量が小さい位置に固定される。
【0004】
また、次回のエンジン始動時は、エンジンスタートから初爆までのクランキング中には、バルブ可変機構及びロック機構解除の油圧が共に立たず、オーバラップ量が小さいまま保たれる。初爆から完爆までの間は油圧が立つ可能性があるが、ロック機構が解除されてもバルブ可変機構でオーバラップの小さい状態が保たれる。そして、完爆後は油圧が立ちロック機構は解除されて、走行するとオーバラップ量の大きい状態に制御する。
【0005】
このようなバルブ可変機構のエンジンスタート時における制御動作の一例として特許文献1に記載のものがある。この文献には、未燃HCの排出を防止する目的で冷間時のエンジンスタートから完爆までのオーバラップ量の制御について開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−206436号公報(第3図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、吸・排気バルブには常時閉側に付勢するリターンスプリングが組み付けられている。このリターンスプリングは、カム軸の回転抵抗となり、吸・排気バルブの開閉タイミングを遅角させる方向に付勢する。吸気側についてはオーバラップ量を小さくする方向に付勢され、排気側についてはオーバラップ量が大きくなる方向に付勢される。
【0008】
ここで、エンスト等により、エンジンが不意に停止した場合は、吸・排気カム軸が基準位相位置に制御される前に油圧が抜け、排気バルブがオーバラップ量の大きい状態でエンジン停止することが起こりうる。その結果、オーバラップ量の大きいまま次回のエンジンスタートが行われるので、次のような弊害が生じる。まず、次回のエンジンスタートから初爆までのクランキング中は、バルブ可変機構の油圧が立っていないので、オーバラップ量が大きいままクランキングが行われることになる。このとき、上記リターンスプリングにより、吸気側は基準位相位置側に付勢されるので、基準位相位置でロックピンが入りロックされる。しかし、排気側はオーバラップの大きくなる側に付勢されるそのため、ロック機構は機能しない。そのため、排気行程では、ピストンが上死点をこえてから排気バルブを閉じるので、吸気行程初期に排気バルブの開に伴い吸気ポート側から新気が筒内に流入して、吸気側から導入する空気量よりも多くの空気が筒内に導入されることになる。その結果、燃料がリーンになり着火性が低下する可能性がある。
【0009】
そこで、本発明では、エンジンスタート時に吸・排気カム軸が所定の基準位相位置にない場合のエンジンの始動性を向上したエンジンの制御装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。まず、本願の請求項1に記載の発明は、吸気バルブ及び排気バルブのそれぞれに対応して設けられてクランク軸に対する吸気カム軸及び排気カム軸の相対位相を調整する油圧式のバルブ可変機構と、該バルブ可変機構を制御することにより、アイドル時には吸・排気バルブの開期間のオーバラップ量を小さくするように吸・排気カム軸を所定の基準位相位置に制御する一方、エンジン負荷の増大により上記オーバラップ量を大きくするように吸・排気カム軸を制御する制御手段とを備えたエンジンの制御装置であって、排気カム軸の位相を検出する位相検出手段と、エンジンの運転状態に応じて燃料供給量を制御する燃料供給量制御手段と、エンジン始動時のクランキング中に上記位相検出手段により検出された排気カム軸の位相が基準位相位置よりもオーバラップ量が大きくなる方向にずれている位相異常を検出する位相異常検出手段と、該検出手段で位相異常が検出されたときに上記燃料供給量制御手段で制御される燃料供給量を増量する燃料供給量補正手段とを有することを特徴とする。
【0011】
この発明によると、エンジン始動時のクランキング中に吸・排気バルブの位相異常を検出して燃料供給量を増量する燃料供給量補正手段を設けたことにより、前回不意にエンジンが停止して、吸・排気カム軸が基準位相位置にない状況で次回のエンジンスタートが行われたときでも筒内を適当な空燃比に制御して良好な始動性を確保することができる。すなわち、エンジンスタート時に排気ポート側から流入した新気によるリーンを解消して円滑な始動を行うことができる。
【0012】
次に、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載のエンジンの制御手段において、燃料供給量補正手段は、位相のずれ量が大きいほど燃料供給量を多く増量することを特徴とする。
【0013】
この発明によると、位相のずれ量に応じて燃料を燃料供給量を増量することにより、該燃料供給量の緻密な制御が可能となるので、一層エンジンの始動性を向上させることができる。
【0014】
次に、請求項3に記載の発明は、上記請求項1または請求項2に記載のエンジンの制御手段において、燃料供給量補正手段は、エンジンの温度が所定の実行温度以下のときに燃料供給量の増量を実行することを特徴とする。
【0015】
この発明によると、特にエンジンの温度が所定の温度(例えば、10℃)以下の状態の場合に限り、燃料供給量を増量してエンジンの温度が低いことに起因する着火性低下の問題を解決する。すなわち、請求項1による作用に加えてさらに的確に燃料供給量を制御してエンジンの始動性を向上させることができる。逆にいえば、エンジンの温度が高いときは、燃料の気化・霧化が促進されるから着火性低下の問題が少なくなることも考慮したものである。その結果、むやみに燃料を増量噴射することがなくなるので燃費が改良される。
【0016】
次に、請求項4に記載の発明は、上記請求項3に記載のエンジンの制御手段において、燃料供給量補正手段は、エンジンの温度が実行温度より低い所定の停止温度以下のときには所定時間燃料供給を停止した後、燃料供給量の増量を実行することを特徴とする。
【0017】
エンジンの水温が請求項3に記載の所定の温度より低い温度である停止温度(例えば、−10℃)以下の場合は、点火プラグのかぶりにより火花が飛ばず、さらに着火性が不良となる。そこで、この発明によると、エンジンの温度が低い停止温度以下の状態では、点火プラグのかぶりをなくすために、一定時間燃料供給を停止し燃焼室を空気圧縮で昇温する。そして、加温の後燃料供給がなされるので着火性・始動性の向上が図れる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1に示すように、本実施の形態に係るエンジン1には、図外のクランク軸(符号2を付す)に平行に配置され、シリンダヘッド3とカムキャップ(図示した一端部側のカムキャップに符号4を付す)とで回転自在に支持された、吸気カム軸5及び排気カム軸6が備えられている。これらのカム軸5,6の一端部近傍には、該カム軸5,6に対して所定範囲内で相対回転可能なスプロケット7,8が嵌合されると共に、これらのスプロケット7,8とクランク軸2側のスプロケットとの間にチェーン9が巻き掛けられている。そして、クランク軸2の回転に伴い、上記チェーン9を介して、両スプロケット7,8及び両カム軸5,6が回転し、これにより、カム軸5,6にそれぞれ固設された複数のカム10…10,11…11を介して、複数の吸気バルブ12…12及び排気バルブ13…13が開閉駆動される。なお、図示しないシリンダブロック及びシリンダヘッド3のカムキャップ4側の端面には、該端面を覆うフロントカバー14が取り付けられている。
【0019】
このエンジン1の可変動弁装置20は、吸気カム軸5及び排気カム軸6のスプロケット7,8側の端部にそれぞれ設けられ、クランク軸2に対するこれらのカム軸5,6の回転位相角(すなわちクランク軸2に対する吸気バルブ12…12及び排気バルブ13…13の開閉時期の位相角)をそれぞれ独立して変更する吸気側及び排気側の油圧式バルブ可変機構21,22と、該バルブ可変機構21,22の進角用油圧室38…38及び遅角用油圧室39…39(図3参照)に供給する油圧を制御する吸気用及び排気用の油圧制御弁23,24とを有する。両バルブ可変機構21,22は、エンジン1の運転状態に応じて、相互に独立して、個別に制御される。そして、両バルブ可変機構21,22は、構造がほぼ同様とされているので、以下、排気バルブ可変機構22を例にとってその構造を説明し、吸気バルブ可変機構21についてはその構造の説明は省略する。
【0020】
すなわち、バルブ可変機構22は、図2、図3に示すように、中心に向けて突出する複数の突出部30…30(図3に2つだけ図示)を有する中空のハウジング31と、該ハウジング31の蓋部材32とを含み、これらのハウジング31と蓋部材32とが複数のボルト33…33によりスプロケット8に一体に固定された基本構造である。また、バルブ可変機構22は、上記ハウジング31に収容され、周辺に向けて突出する複数の(より詳しくは、ハウジング31の突出部30と同数の)係合部34…34(図3に1つだけ図示)を有するロータ35と、該ロータ35の中心部に嵌合される受け部材36とを含み、これらのロータ35と受け部材36とが中心部の単一のボルト37により排気カム軸6に一体に固定された構造である。各係合部34…34は、スプロケット8とハウジング31と蓋部材32とロータ35とで囲まれた空間を、進角用油圧室38…38と遅角用油圧室39…39とに画成する。ここで、各係合部34の頂面には、オイルシール40が配設されている。
【0021】
一方、図2に示すように、進角用油圧室38…38及び遅角用油圧室39…39に通じる進角用油路50及び遅角用油路51は、排気側油圧制御弁24に通じるカムキャップ4の内部油路(図示せず)と、カムキャップ4のジャーナル部に設けられ、上記内部油路に通じる進角用環状溝52及び遅角用環状溝53とを有する。そして、該環状溝52,53の位置に対応して排気カム軸6の内部に連通する縦穴54,55が設けられ、該縦穴54,55から横穴56,57を介して進角用油圧室38…38及び遅角用油圧室39…39に連通する。
【0022】
上記受け部材36にはツルマキバネ60が内装されている。ツルマキバネ60の一端61aは、蓋部材32に立設されたピン62に係止され、他端61bは、上記受け部材36の中央ボス部に設けられた凹部に係止されている。これにより、ツルマキバネ60は排気カム軸6を進角方向(図3におけるXの方向)に付勢している。その結果、排気バルブ13…13を常時閉側に付勢するリターンスプリング(図示せず)の反力による排気カム軸6の遅角方向(オーバーラップ量が大きくなる方向)への一方的な不勢力を相殺する。
【0023】
また、バルブ可変機構22は、図2に明示したように、ロックピン機構70を搭載する。このロックピン機構70は、ロータ35の所定の1つの係合部34に軸方向に移動可能に備えられたロックピン71を含む。ロックピン71は、リターンスプリング72によって、常にスプロケット8側に付勢されている。スプロケット8には、カム軸6及びロータ35が、相対回転範囲の最進角位置(基準位相位置)に到達したときに、上記ロックピン71が嵌入する凹所73が形成されている。さらに該凹所73には、ロックピン解除用油圧室74が設けられている。
【0024】
なお、ツルマキバネ60は排気側にのみ備えられ、ロックピン機構70は、排気側・吸気側のいずれにも備えられている。
【0025】
図4は当該エンジン1の制御システムブロック図である。コントロールユニット100は、位相異常検出部100a、燃料供給量制御部100b、及び燃料供給量補正部100cを有する。また、クランク軸2の位相を検出するクランク軸位相検出器101、吸気カム軸5の位相を検出する吸気カム軸位相検出器102、及び排気カム軸6の位相を検出する排気カム軸位相検出器103からコントロールユニット100に検出結果を送る。同時に、エンジン水温を検出する温度センサ104、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ105、筒内に流入する空気量を検出するエアフローメータ106及びスタータのON/OFFを検出するスタータモータ107からの検出結果もコントロールユニット100に送られる。コントロールユニット100は、これらの検出結果に基づいて吸気側・排気側油圧制御弁23,24を制御して進角用油路50及び遅角用油路51を介して吸気・排気バルブ可変機構21,22に油圧を供給してを制御すると共に、吸入空気量を制御するスロットルアクチュエータ111及び点火時期を制御する点火系112の制御も行う。さらに、コントロールユニットは筒内に噴射する燃料の量を制御する燃料噴射弁113を制御する。
【0026】
図5はキーオンからキーオフまでのエンジン制御のフローチャートを示す。このプログラムは、キーオンからキーオフ時まで所定周期で繰り返し行われる。ステップS1では、コントロールユニット100に送られた各種信号を読み取り、ステップS2に進む。ステップS2ではエンジンスタートから完爆までの始動時制御(図6に詳細を示す)が行われる。そして、ステップS3で始動が完了(完爆)していればステップS4に進み、完了していなければS1に戻る。ステップS4では運転状況に応じたエンジン制御が行われる。ステップS5ではエンジン1が停止したかを判定して、YESの場合は制御を終了し、NOの場合はステップS4に戻る。
【0027】
図6は図5のステップS2に示す始動時制御を詳細に示したフローチャートである。ステップS11でエンジン1の水温を検出する。ステップS12ではスタータモータ107がONであるかどうかを判定し、ONであればステップS13に進み、OFFであればS11に戻る。そして、ステップS13で排気位相検出器103で排気カム軸6の位相θを読み取り、ステップS14で位相θと基準位相位置θとの差の絶対値(位相のずれ量|θ−θ|=Δθ)を求め、位相異常検出部100aにより所定の閾値Cとの大小を判定する。そして、位相のずれ量Δθが閾値Cより小さければステップS15に進み、通常の燃料制御を行う。すなわち、図7に示すようにエンジン水温に応じてエンジン始動時の燃料供給量の基本量が決定される。一方、位相のずれ量Δθが閾値Cより大きければ、ステップS16に進み、エンジン水温Taと第1設定値TA(例えば10℃)とを比較する。エンジン水温Taが第1設定値TAよりも低い場合はステップS17へ、エンジン水温Taが第1設定値TAよりも高い場合はステップS15に進み通常の燃料制御を行う。ステップS17ではエンジン水温Taと第2設定値TB(例えば−10℃)とを比較する。エンジン水温Taが第2設定値TBよりも低いときには所定時間t燃料供給をカットし、その後ステップS14で検出した位相ずれ量Δθに応じた燃料供給を行う。一方、エンジン水温Taが第2設定値よりも高いときには、ステップS14で検出した位相ずれ量Δθに応じた燃料制御を行う。
【0028】
そして、ステップS15,S18,S19で決定された燃料制御を実行後、ステップS20でエンジン1が完爆しているかどうか検出し、ステップS21でエンジンが完爆しているかどうかを判定して、YESであれば始動時制御を終了し、NOであればS20に戻って再度エンジン1の完爆を検出する。
【0029】
図7はエンジン温度の増大に伴って減少する基本噴射量を表すグラフである。基本噴射量は燃料供給量制御部100bで算出される。一方、図8は図7で求めた基本噴射量に対する燃料噴射量増量係数について表すグラフである。この補正は燃料供給量補正部100cで位相のずれΔθから算出される(図8の実線)。
【0030】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。まず、バルブ可変機構21,22の作用効果は、図3に排気側で示すように、ロータ35は、スプロケット8(吸気側スプロケット7も同じ)、ハウジング31、及び蓋部材32に対して、係合部34…34が突出部30…30に当接するまで、所定範囲内で相対回転可能である。これにより、スプロケット8(同)ひいてはクランク軸2に対するカム軸6(吸気カム軸5も同じ)の回転位相角が変更可能となり、クランク軸2に対する吸・排気バルブ12…12,13…13の開閉時期が変更可能となる。
【0031】
例えば、アイドリング時などは、吸気量が少ないため、吸気バルブ12…12と排気バルブ13…13とのオーバラップ量が大きいと、燃焼ガスが吸気側に吹き返してしまい、吸気の妨げとなるので、こうした場合には、オーバラップ量を小さくして燃焼ガスの混入を抑えて、燃焼の安定化を図る。一方、負荷の増大に伴って、低・中負荷時には吸気量を増しながらオーバラップ量を大きくして、内部EGRも増加させ、出力を保ちつつ燃費の向上を図る。
【0032】
ロックピン機構70は、エンジン停止時に作用して、ハウジング31とロータ35の相対回転を止める。一方、エンジン1を停止すると、ロックピン機構70を制御するための油圧が止まるので、エンジン停止前のアイドル状態のときにロックピン71で上記相対回転をとめるように制御される。そして、次回のエンジン始動時には、クランキング中にはロックピン機構70の油圧は立たず、初爆で初めて油圧が立ち、初爆から完爆までの間にロックピン機構70に油圧が供給されてロックピン71は凹所73から抜け、バルブ可変機構21,22の位相可変制御を行うことができる。
【0033】
ここで、本発明の特徴部である図6のエンジン始動時の燃料制御についての作用効果について説明する。ステップS14で位相のずれ量Δθが所定の閾値Cよりも小さい場合は通常の燃料制御を行うようにすることで、着火性の良い温間時に燃料を無駄に増量噴射することがなくなる。
【0034】
Δθ≦Cの場合もしくはΔθ>Cではあるが温間時(エンジン水温Taが第1設定値TA以上)の場合の燃料制御(ステップS15)は、位相のずれ量Δθには依存しない。つまり、図7に示すように、燃料供給量はエンジン水温が高いほど少なく、水温が低いと多くなるように設定されている。これは、エンジン水温が高いときは着火性が良いので噴射量を少なくして燃費を抑えると共に、エンジン水温が低いときは着火性が低下するから燃料噴射量を多くして着火性を向上するからである。
【0035】
極冷間時(エンジン水温Taが第2設定値TB以下)は、噴射された燃料が気化・霧化せずにプラグがかぶって火花が飛ばなくなり着火性が低下する可能性がある。そこで、ステップS19の燃料制御は、所定時間T燃料供給をカットしてプラブのかぶりを防止して着火性を向上する。つまり、所定時間t筒内の断熱圧縮を行ってエンジンを昇温した後に燃料噴射をするので燃料の気化・霧化が促進され、プラグのかぶりを防止する。一方、ステップS14で検出された位相のずれ量Δθによってクランキング中の筒内のリーンの度合いを予測することができる。そのため、所定時間t後の燃料制御は図8の制御ラインに示すようにステップS15で検出した位相ずれ量Δθに応じて所定供給量(係数が図8の破線の場合:1.0の場合)より噴射量を増加(係数が図8の実線の場合:1.0以上の場合)することでリーンを解消して着火性を向上することができる。
【0036】
また、ステップS20の冷間時(エンジン水温Tcが第1設定値TA以下かつ第2設定値TB以上)も、図8の実線に示すようにステップS15で検出した位相ずれ量Δθに応じて所定供給量より噴射量を増加することでリーンを解消して着火性を向上することができる。
【0037】
以上のような燃料制御を行うことで、エンスト等でエンジン1が不意に停止し、排気カム軸6が基準位相位置でロックピン機構70が作用せずに吸・排気カム軸5,6のオーバラップ量が大きいまま次回エンジンスタートが行われたときの着火性低下の問題が解決される。
【0038】
なお、本実施の形態における排気側のロックピン機構70は、基準位相位置が最進角位置のものについて示したが、相対回転範囲の中間位置でロックピンが凹所に嵌入し、相対回転部材同士(ハウジングとロータ)を固定するものであってもよい。
【0039】
また、図9に示すように、位相異常があるときには必ず燃料補正を行うようにすることもできる。これは、図6のステップS16を省略して、位相異常があると判断すれば温間時でも燃料補正を行うというものである。
【0040】
【発明の効果】
以上、本発明によると、エンジン始動時のクランキング中に吸・排気バルブの位相異常を検出して燃料供給量を増量する燃料供給量補正手段を設けたことにより、前回不意にエンジンが停止して、吸・排気カム軸が基準位相位置にない状況で次回のエンジンスタートが行われたときでも筒内を適当な空燃比に制御して良好な始動性を確保することができる。すなわち、エンジンスタート時に排気ポート側から流入した新気によるリーンを解消することで着火性を向上することができ、円滑なエンジン始動を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るエンジンのバルブ可変機構を示す平面図である。
【図2】 同バルブ可変機構の一部切欠き側面図である。
【図3】 同バルブ可変機構の一部切欠き正面図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係るエンジンのブロック図である。
【図5】 エンジン始動からエンジン停止までの制御を示すフローチャートである。
【図6】 エンジン始動時の制御を示すフローチャートである。
【図7】 エンジン水温と基本噴射量との関係を示すグラフである。
【図8】 位相ずれ量と燃料噴射量増量係数との関係を示すグラフである。
【図9】 別の実施の形態におけるフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 クランク軸
5 吸気カム軸
6 排気カム軸
12 吸気バルブ
13 排気バルブ
21 吸気バルブ可変機構
22 排気バルブ可変機構
100 コントロールユニット
100a 位相異常検出部
100b 燃料供給量制御部
100c 燃料供給量補正部
103 排気カム軸位相検出器

Claims (4)

  1. 吸気バルブ及び排気バルブのそれぞれに対応して設けられてクランク軸に対する吸気カム軸及び排気カム軸の相対位相を調整する油圧式のバルブ可変機構と、該バルブ可変機構を制御することにより、アイドル時には吸・排気バルブの開期間のオーバラップ量を小さくするように吸・排気カム軸を所定の基準位相位置に制御する一方、エンジン負荷の増大により上記オーバラップ量を大きくするように吸・排気カム軸を制御する制御手段とを備えたエンジンの制御装置であって、排気カム軸の位相を検出する位相検出手段と、エンジンの運転状態に応じて燃料供給量を制御する燃料供給量制御手段と、エンジン始動時のクランキング中に上記位相検出手段により検出された排気カム軸の位相が基準位相位置よりもオーバラップ量が大きくなる方向にずれている位相異常を検出する位相異常検出手段と、該検出手段で位相異常が検出されたときに上記燃料供給量制御手段で制御される燃料供給量を増量する燃料供給量補正手段とを有することを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 燃料供給量補正手段は、位相のずれ量が大きいほど燃料供給量を多く増量することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 燃料供給量補正手段は、エンジンの温度が所定の実行温度以下のときに燃料供給量の増量を実行することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
  4. 燃料供給量補正手段は、エンジンの温度が実行温度より低い所定の停止温度以下のときには所定時間燃料供給を停止した後、燃料供給量の増量を実行することを特徴とする請求項3に記載のエンジンの制御装置。
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