以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
請求項1に記載の情報処理装置は、テレビジョン信号を受信する受信手段(例えば、図3のチューナ21)と、ユーザ操作により設定された前記テレビジョン信号の受信に関する情報を記憶する記憶手段(例えば、図3のEEPROM38)と、電源投入時に、ユーザ操作により前記テレビジョン信号の受信に関する設定がされているか否かを判断する判断手段(例えば、図5のステップS2の処理を行う図3のCPU29)と、前記テレビジョン信号の受信に関する設定がされていないと判断された場合、前記テレビジョン信号の受信に関する設定操作を促すメッセージ、および、前記テレビジョン信号の受信に関する設定操作を行うための設定画面に移すためのボタンを含む通知画面を表示させ、前記通知画面に対するユーザ操作に応答して前記設定画面を表示させるように表示手段(例えば、図1のテレビジョン受像器3)の表示を制御する表示制御手段(例えば、図5のステップS3の処理を行う図3のCPU29)と、前記設定画面を用いて前記情報を設定するとき操作される操作手段(例えば、図4のリモートコマンダ6)と、前記操作手段の操作に対応して、設定された前記情報を前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段(例えば、図5のステップS6の処理を行う図3のCPU29)とを備えることを特徴とする。
請求項4に記載の情報処理方法は、電源投入時に、ユーザ操作により前記テレビジョン信号の受信に関する設定がされているか否かを判断し(例えば、図5のステップS2)、前記テレビジョン信号の受信に関する設定がされていないと判断された場合、前記テレビジョン信号の受信に関する設定操作を促すメッセージ、および、前記テレビジョン信号の受信に関する設定操作を行うための設定画面に移すためのボタンを含む通知画面を表示させ、前記通知画面に対するユーザ操作に応答して前記設定画面を表示させるように表示手段(例えば、図1のテレビジョン受像器3)の表示を制御し(例えば、図5のステップS3およびS4)、ユーザの操作に対応して、設定された前記テレビジョン信号の受信に関する情報を記憶手段(例えば、図3のEEPROM38)に記憶させる(例えば、図5のステップS6)ことを特徴とする。
図1は、本発明を応用したAV(Audio Video)システムの構成例を示している。この実施の形態の場合、AVシステムは、図示せぬ送信装置より衛星(放送衛星または通信衛星)を介して伝送されてきた電波を、パラボラアンテナ1で受信した信号を復調するIRD(Integrated Receiver/Decoder)2と、テレビジョン受像機3により構成されている。
IRD2(またはテレビジョン受像機3)に対しては、リモートコマンダ6により赤外線(IR:Infrared)信号により指令を入力することができるようになされている。即ち、リモートコマンダ6のスイッチの所定のものを操作すると、それに対応するIR信号がそのIR信号発信部72(図4)から出射され、IRD2のIR信号受信部54(図2)に入射されるようになされている。
IRD2は、その出力を、例えば、コンポジットビデオ信号線、オーディオL信号線、オーディオR信号線の3本の線により構成されるAVライン4を介してテレビジョン受像機3に供給している。さらに、IRD2はAV機器制御信号送受信部2Aを、テレビジョン受像機3はAV機器制御信号送受信部3Aを、それぞれ有している。これらは、ワイヤードSIRCS(Wired Sony Infrared Remote Control System)(商標)よりなるコントロールライン5により、相互に接続されている。
図2は、IRD2の正面の構成例を表している。筐体51の中央には蓋52が開閉自在に設けられ、内部にICカード33を装着できるようになされている。IRD2の左側には、電源キー53が設けられている。この電源キー53は、電源をオンまたはオフするとき操作される。電源キー53の下方には、リモートコマンダ6からのIR信号を受信するIR信号受信部54が設けられている。
LED55は、衛星を介して、このIRD2に対して、所定のメッセージが伝送されてきたとき、点灯するようになされている。ユーザがこのメッセージをテレビジョン受像機3に出力し、表示させ、これを確認したとき、LED55は消灯される。LED55の下に配置されているLED56は、IRD2が電話回線を介して通信中であるとき点灯する。
番組ガイドキー57とメニューキー58は、それぞれテレビジョン受像機3に電子番組ガイドまたはメニューを表示させるとき操作される。
決定キー65の周囲の上下左右には、それぞれアップキー61、ダウンキー62、レフトキー63およびライトキー64が環状に配置されている。これらのアップキー61、ダウンキー62、レフトキー63およびライトキー64(以下、これらのキーを、適宜、方向キーとも称する)は、カーソルを上下左右方向に移動するとき操作される。また、決定キー65は、選択を決定するとき(セレクトするとき)操作される。チャンネルアップキー59とチャンネルダウンキー60は、受信しているチャンネルをアップまたはダウンさせるとき操作される。
図3は、IRD2の内部の構成例を示している。パラボラアンテナ1のLNB(Low Noise Block downconverter)1aより出力されたRF信号は、フロントエンド20のチューナ21に供給され、復調される。チューナ21の出力は、QPSK復調回路22に供給され、QPSK復調される。QPSK復調回路22の出力は、エラー訂正回路23に供給され、エラーが検出、訂正され、必要に応じて補正される。
CPU、ROMおよびRAM等からなるICカード33には、暗号を解読するのに必要なキーが、解読プログラムとともに格納されている。衛星を介して送信される信号が暗号化されている場合、この暗号を解読するにはキーと解読処理が必要となる。そこで、カードリーダインタフェース32を介してICカード33からこのキーが読み出され、デマルチプレクサ24に供給される。デマルチプレクサ24は、このキーを利用して、暗号化された信号を解読する。
尚、このICカード33には、暗号解読に必要なキーと解読プログラムの他、課金情報なども格納されている。
デマルチプレクサ24は、フロントエンド20のエラー訂正回路23の出力する信号の入力を受け、これをデータバッファメモリ(DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory))35に一旦記憶させる。そして、適宜これを読み出し、解読したビデオ信号をMPEGビデオデコーダ25に供給し、解読したオーディオ信号をMPEGオーディオデコーダ26に供給する。
MPEGビデオデコーダ25は、入力されたデジタルビデオ信号をDRAM25aに適宜記憶させ、MPEG方式により圧縮されているビデオ信号のデコード処理を実行する。デコードされたビデオ信号は、NTSCエンコーダ27に供給され、NTSC方式の輝度信号(Y)、クロマ信号(C)、およびコンポジット信号(V)に変換される。輝度信号とクロマ信号は、バッファアンプ28Y,28Cを介して、それぞれSビデオ信号として出力される。また、コンポジット信号は、バッファアンプ28VからAVライン4を介して出力される。
なお、このMPEGビデオデコーダ25としては、SGS-Thomson Microelectronics社のMPEG2復号化LSI(STi3500)を用いることができる。その概略は、例えば、日経BP社「日経エレクトロニクス」1994.3.14(no.603)第101頁乃至110頁に、Martin Bolton氏により紹介されている。
また、MPEG2−Transportstreamに関しては、アスキー株式会社1994年8月1日発行の「最新MPEG教科書」第231頁乃至253頁に説明がなされている。
MPEGオーディオデコーダ26は、デマルチプレクサ24より供給されたデジタルオーディオ信号をDRAM26aに適宜記憶させ、MPEG方式により圧縮されているオーディオ信号のデコード処理を実行する。デコードされたオーディオ信号は、D/A変換器30においてD/A変換され、左チャンネルのオーディオ信号は、バッファアンプ31LからAVライン4を介して出力され、右チャンネルのオーディオ信号は、バッファアンプ31RからAVライン4を介して出力される。
RFモジュレータ41は、NTSCエンコーダ27が出力するコンポジット信号と、D/A変換器30が出力するオーディオ信号とをRF信号に変換して出力する。また、このRFモジュレータ41は、TVモードが設定されたとき、ケーブルボックス等のAV機器から入力されるNTSC方式のRF信号をスルーして、VCRや他のAV機器(いずれも図示せず)にそのまま出力する。
この実施の形態の場合、これらのビデオ信号およびオーディオ信号が、AVライン4を介してテレビジョン受像機3に供給されることになる。
CPU(Central Processing Unit)29は、ROM37に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。例えば、チューナ21、QPSK復調回路22、エラー訂正回路23などを制御する。また、AV機器制御信号送受信部2Aを制御し、コントロールライン5を介して、他のAV機器(この実施の形態の場合、テレビジョン受像機3)に所定のコントロール信号を出力し、また、他のAV機器からのコントロール信号を受信する。
このCPU29に対しては、フロントパネル40の各種のキー(図2)を操作して、所定の指令を直接入力することができる。また、リモートコマンダ6(図4)を操作すると、そのIR信号発信部72よりIR信号が出射され、このIR信号がIR信号受信部54により受光され、受光結果がCPU29に供給される。従って、リモートコマンダ6を操作することによっても、CPU29に所定の指令を入力することができる。
また、デマルチプレクサ24は、フロントエンド20から供給されるMPEGビデオデータとオーディオデータ以外にEPG(Electrical Program Guide)データなどを取り込み、データバッファメモリ35のEPGエリア35Aに供給し、記憶させる。EPG情報は現在時刻から24時間後(EPG2とEPG1−2の場合)、または150時間後(EPG2,EPG3と、EPG1−2,EPG1−3の場合)までの各放送チャンネルの番組に関する情報(例えば、番組の静止画の他、チャンネル、放送時間、タイトル、カテゴリ等)を含んでいる。このEPG情報は、頻繁に伝送されてくるため、EPGエリア35Aには常に最新のEPGを保持することができる。
EEPROM(Electrically Erasable Programable Read Only Memory)38には、電源オフ後も保持しておきたいデータ(例えば、受信設定の設定内容、チューナ21の4週間分の受信履歴、所定の操作が行われる直前に受信していたチャンネル番号(ラストチャンネル))などが適宜記憶される。そして、この記憶は、例えば、電源がオンされたとき、ラストチャンネルと同一のチャンネルを再び受信させるとき利用される。ラストチャンネルが記憶されていない場合においては、ROM37にデフォルトとして記憶されているチャンネルが受信される。
また、CPU29は、スリープモードが設定されている場合、電源オフ時であっても、フロントエンド20、デマルチプレクサ24、データバッファメモリ35など、最低限の回路を動作状態とし、所定の時刻に各回路に所定の動作をさせる制御なども実行する。例えば、外部のVCRと連動して、タイマ自動録画を実行する。
さらに、CPU29は、所定のOSD(On-Screen Display)データを発生したいとき、MPEGビデオデコーダ25を制御する。MPEGビデオデコーダ25は、この制御に対応して所定のOSDデータを生成して、DRAM25aのOSDエリアに書き込み、さらに読み出して、出力する。これにより、所定の文字、図形、画像などを適宜テレビジョン受像機3に出力し、表示させることができる。
SRAM36はCPU29のワークメモリとして使用される。モデム34は、CPU29の制御の下に、電話回線を介してデータを授受する。
図4は、リモートコマンダ6の構成例を表している。その上部には、各種のキーの操作に対応するIR信号を発生するIR信号発信部72が設けられている。電源キー73は、IRD2の電源をオンまたはオフするとき操作され、テレビ電源キー74は、テレビジョン受像機3の電源をオンまたはオフするとき操作される。消音キー75は、音声信号をミュートするとき、またはミュートを解除するとき操作される。切換キー76は、このリモートコマンダ6により、IRD2を遠隔制御するとき操作され、切換キー77は、このリモートコマンダ6により、テレビジョン受像機3を遠隔操作するとき操作される。
入力切換キー78は、IRD2またはテレビジョン受像機3に対する入力を切り換えるとき操作される。画面表示キー79は、テレビジョン受像機3に所定の電子番組ガイドの文字などが表示される状態を切り換えるとき操作される。二重音声キー80は、音声チャンネルとして複数のチャンネルが存在するとき、これを切り換えるとき操作される。
テンキー81は、0乃至9の数字を入力するとき操作される。また、数字0のキーと「選局」のキーは、数字10または12を入力するとき操作され、両者の間に配置されているキーは、数字11を入力するとき操作される。
メニューキー82は、メニューを表示させるとき操作され、プロモーションキー(プロモキー)83は、プロモーションチャンネルを表示させるとき操作される。番組説明キー84は、電子番組ガイドのうちの番組説明情報を表示させるとき操作される。マルチキー85は、電子番組ガイドとして、各放送チャンネルの縮小画面を1画面内に、例えば4×4個のマルチ画面として表示させるとき操作される。番組ガイドキー86は、電子番組ガイドを表示させるとき操作される。ジャンプキー87は、ラストチャンネルに移行するとき操作される。
アップキー88、ダウンキー89、レフトキー90およびライトキー91(これらのキーも、以下、適宜、方向キーとも称する)は、それぞれカーソルを上下左右方向に移動させるとき操作され、これらのキーの中央に配置されている決定キー92は、選択の決定を入力するとき操作される。チャンネルアップダウンキー94は、受信するチャンネルを1ずつインクリメントまたはデクリメントするとき操作される。このアップキー88、ダウンキー89、レフトキー90、ライトキー91、決定キー92は、図2に示す、IRD2の本体に設けられているアップキー61、ダウンキー62、レフトキー63、ライトキー64および決定キー65と対応するものであり、その配置形状も対応するようになされている。また、チャンネルアップダウンキー94は、図2のチャンネルアップキー59およびチャンネルダウンキー60に対応している。
音量アップダウンキー93は、音量を一定量ずつ、増加または減少するとき操作される。
ここで、IRD2の具体的な処理動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
図5のステップS1で、IRD2とテレビジョン受像機3に電源が投入されると、後続のステップS2で、IRD2のCPU29は、EEPROM38に受信設定の情報が記憶されているか否かを判断する。
EEPROM38に受信設定の情報が記憶されていると判断された場合、ステップS7に分岐するが、EEPROM38に受信設定の情報が記憶されてないと判断された場合、後続のステップS3で、CPU29は、ROM37に蓄積されている受信設定画面のデータを読み込み、MPEGビデオデコーダ25、NTSCエンコーダ27、およびバッファアンプ28Vを介して、テレビジョン受像機3に出力する。
このとき、テレビジョン受像機3のモニタに表示される表示画面の例を図6に示す。図6に示すように、テレビジョン受像機3のモニタには、受信設定画面を表す'受信設定'の文字とともに、ユーザの操作を促すメッセージが表示される。
次に、ステップS4で、ユーザは、受信設定画面の表示に従い、受信設定のための操作を行う。具体的には、図6の画面に表示されたメッセージに従い、ユーザが、リモートコマンダ6の決定キー92を押下すると、これに対応する指示信号がIR信号受信部54を介してCPU29に供給される。CPU29は、この指示信号に対応して、図6に示す画面の次の画面のデータをROM37より読み込み、MPEGビデオデコーダ25、NTSCエンコーダ27、およびバッファアンプ28Vを介して、テレビジョン受像機3に出力する。
このようにしてテレビジョン受像機3のモニタに表示された画面の表示例を図7に示す。図7に示す画面は、受信設定の詳細な情報を入力または選択するための画面である。
ユーザは、リモートコマンダ6のレフトキー90とライトキー91を操作して、領域A1乃至領域A3のうち、いずれか1つを選択することで、コンバータ(LNB1a)に供給する電圧の供給元を指定することができる。すなわち、垂直偏波または水平偏波のテレビジョン信号を受信した場合、IRD2から、それぞれ、15Vまたは11Vの電圧をコンバータ(LNB1a)に供給するのであれば、領域A1を指定する。また、IRD2から、15Vまたは11Vのうち、いずれか一方の固定した値の電圧をコンバータ(LNB1a)に供給するのであれば、領域A2を指定し、IRD2以外の電源、例えば、マンションに設置されている共聴の所定の電源からコンバータ(LNB1a)に電圧を供給するのであれば、領域A3を指定する。なお、指定(選択)されている領域には、他の領域(指定されていない領域)とは異なる表示で表される。つまり、図7に示した画面では、領域A1が指定された状態を示している。
同様に、ユーザは、リモートコマンダ6を操作して、領域A4乃至領域A8に対し、選択またはデータを入力することで、コンバータ(LNB1a)の周波数を指定することができる。すなわち、局部発振周波数が11.2GHzであるコンバータ(LNB1a)を使用するのであれば領域A4を指定し、局部発振周波数が11.3GHzであるコンバータ(LNB1a)を使用するのであれば領域A5を指定する。また、例えばマンションなどの共聴方式のアンテナを使用するのであれば領域A8を指定する。他の周波数のコンバータ(LNB1a)を使用する場合、領域A6を指定するとともに、リモートコマンダ6のテンキー81の操作により領域A7に所定の周波数を入力する。
図7に示す設定画面の入力が終了した場合、ユーザは、領域A9(アンテナ設定)を指定し、決定キー92の押下により次の設定画面(アンテナ設定の画面)の表示を行わせるか、領域A9(終了)を指定して受信設定の処理を終了させる。
ユーザが、領域A9(アンテナ設定)を指定し、決定キー92を押下すると、ステップS5で受信設定は終了したか否かが判断され、いまの場合、このステップでNOの判定がなされ、再び、ステップS4の処理が実行される。すなわち、CPU29は、この操作に対応して、図7に示す画面の次の画面(アンテナ設定の画面)のデータをROM37より読み込み、MPEGビデオデコーダ25、NTSCエンコーダ27、およびバッファアンプ28Vを介して、テレビジョン受像機3に出力する。
このようにしてテレビジョン受像機3のモニタに表示された画面の表示例を図8に示す。図8に示す画面は、アンテナ設定の詳細な情報を入力または選択するための画面である。
領域A12には、放送衛星の8個のトランスポンダに割り当てられているテレビジョン信号のうち、最初に受信することができたテレビジョン信号の周波数が、自動的に表示される。そして、受信されたNIT(Network Information Table)に含まれている、そのテレビジョン信号のネットワーク名が領域A11に表示される。
また、領域A13には、受信されたテレビジョン信号の信号レベルがピークレベル(今までの最大レベル)とキューレベル(現在のレベル)として、それぞれ、35段階で表される。すなわち、図8に示す画面の例では、キューレベルが35段階中の30で表される信号レベルであり、ピークレベルが35段階中の33で表される信号レベルであることを示している。従って、領域A13の信号レベルを参照して、最も信号レベルが高くなる方向に向けてアンテナを設置するようにする。
手動で、他のトランスポンダに割り当てられているテレビジョン信号を受信させる場合には、領域A15(衛星周波数切換)を指定するようにする。また、領域A14(戻る)を指定すると図8に示すアンテナ設定の画面の1つ前の画面、すなわち、図7に示した受信設定の画面を表示することができる。領域A16(終了)を指定すると受信設定の処理が終了する。このように、領域A14乃至領域A16のうち、いずれか1つを指定して決定キー92を押下することで、指定された処理が実行される。図8に示す画面では、領域A16(終了)が指定されている。
図8に示す状態(領域A16が指定された状態)で、ユーザが決定キー92を押下すると、ステップS5で、YESの判定がなされ、次のステップS6で、CPU29は、受信設定画面(図7と図8)で入力または選択された情報をEEPROM38に記憶させる。
続くステップS7で、ユーザが、リモートコマンダ6の例えばテンキー81を操作して、所定のチャンネル番号を入力すると、その入力された番号に対応するIR信号が、IR信号発信部72から出力される。このIR信号は、IRD2のIR信号受信部54で受信される。CPU29は、IR信号受信部54から、IR信号に対応する信号の供給を受けたとき、入力された番号に対応するチャンネルを受信するようチューナ21を制御する。
チューナ21は、LNB1aから供給される信号からCPU29により指定されたチャンネル番号に対応する信号を復調し、QPSK復調回路22に出力する。QPSK復調回路22でQPSK復調された信号は、さらにエラー訂正回路23に入力され、エラー訂正処理が施された後、デマルチプレクサ24に入力される。デマルチプレクサ24においては、入力されたデータがビデオデータとオーディオデータとに分離され、ビデオデータはMPEGビデオデコーダ25に、オーディオデータはMPEGオーディオデコーダ26に、それぞれ供給される。MPEGビデオデコーダ25は、入力されたビデオデータを、MPEG方式でデコード処理した後、NTSCエンコーダ27に出力する。NTSCエンコーダ27は、入力されたビデオデータをNTSC方式のビデオ信号に変換する。このビデオ信号は、例えばバッファアンプ28Vを介して、コンポジットビデオ信号として、AVライン4を介してテレビジョン受像機3に供給される。
また、MPEGオーディオデコーダ26は、入力されたオーディオデータをMPEG方式でデコードし、D/A変換器30に出力する。D/A変換器30は、入力されたオーディオデータをD/A変換し、左右のアナログオーディオ信号として、バッファアンプ31L,31Rを介して出力する。このオーディオ信号も、AVライン4を介してテレビジョン受像機3に出力される。このようにして、テレビジョン受像機3に、ユーザがリモートコマンダ6を操作して指令した番組の画像と音声が出力される。
また、デマルチプレクサ24は、受信した信号からEPGデータを検出すると、これをデータバッファメモリ35に供給し、そのEPGエリア35A上に記憶させる。
リモートコマンダ6の所定のキーを操作して、このEPG情報の読み出しが指令されたとき、CPU29は、このEPGエリア35Aに記憶されているEPGデータを読み出し、MPEGビデオデコーダ25に、OSDデータに変換させる。このOSDデータは、NTSCエンコーダ27に出力され、通常の番組の画像上に重畳され、出力される。
すなわち、LNB1aで受信されたテレビジョン信号がチューナ21、QPSK復調回路22、およびエラー訂正回路23を介してデマルチプレクサ24に供給されると、デマルチプレクサ24は、ユーザの指定したテレビジョン番組の映像信号と音声信号を、それぞれ、MPEGビデオデコーダ25またはMPEGオーディオデコーダ26に出力する。そして、映像信号は、NTSCエンコーダ27、映像端子Y,Cを介してテレビジョン受像機3に出力され、音声信号は、D/Aコンバータ30と音声端子L,Rを介してテレビジョン受像機3に出力される。
このようにして、テレビジョン信号の受信に必要な情報を設定することができる。
また、受信に必要な情報が設定されていない場合、例えば、購入後に初めてIRD2とテレビジョン受像機3に電源を投入したような場合、自動的に図6に示すような受信設定の画面が表示されるので、ユーザが受信設定の画面を呼び出すための操作を行う必要がなく、迅速に受信設定の処理を開始することができる。
なお、上記実施の形態においては、衛星放送の場合についての説明を行ったが、その他、地上波や所定のケーブルを介して伝送されてくるテレビジョン信号の受信設定にも適用することができる。
1 パラボラアンテナ, 2 IRD, 3 テレビジョン受像機, 4 AVライン, 5 コントロールライン, 6 リモートコマンダ, 21 チューナ, 22 QPSK復調回路, 23 エラー訂正回路, 24 デマルチプレクサ, 25 MPEGビデオデコーダ, 25a DRAM, 26 MPEGオーディオデコーダ, 26a DRAM, 27 NTSCエンコーダ, 28Y,28C,28V バッファアンプ, 29 CPU, 30 D/A変換器, 31L,31R バッファアンプ, 32 カードリーダインタフェース, 33 ICカード, 34 モデム, 35 データバッファメモリ, 36 SRAM, 37 ROM, 38 EEPROM, 40 フロントパネル, 41 RFモジュレータ, 54 IR信号受信部