JP4220158B2 - 硬化性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩化ビニル樹脂を含むことなく、作業性が良好であり、かつ油面鋼板および電着鋼板への接着性に優れた車両用途に好適な硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニル系プラスチゾル組成物は、建築用の壁紙や床材、および車両用のアンダーボディーコーティング材やシーリング材等に幅広く使用されている。しかし、近年、環境問題やリサイクル問題等により、燃焼時に有害物質の発生がより少ない代替品が望まれるようになっている。こうしたことに鑑み、特開平4−154876号公報、特開平5−32934号公報、特開平5−86325号公報、または特開2001−11383号公報においては、反応性ケイ素基含有オキシアルキレン系重合体を使用した組成物による塩化ビニル系プラスチゾル組成物の代替が提案されており、該重合体を車両用に使用した場合には、常温硬化性でかつ防錆性、防振性が得られることが開示されている。
【0003】
しかしながら、特開平3−140321号公報や特開平5−70651号公報等に記載されるように、車両用途では電着鋼板への接着性以外に防錆油の付着した油面鋼板への接着性が要求されることがあるが、上記反応性ケイ素基含有オキシアルキレン系重合体を使用した組成物では、特に後者に対して接着性が不十分であるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特に車両用途に好適であり、塩化ビニル樹脂を使用することなく、作業性および電着鋼板への接着性、防錆油の付着した油面鋼板への接着性に優れた硬化性組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為、本発明者らが鋭意検討を行ったところ、ある特定量の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体、エポキシ樹脂、シラノール縮合触媒、ケチミン化合物、および、脂肪酸若しくはその塩又は樹脂酸若しくはその塩で処理された重質炭酸カルシウムを含有する硬化性組成物を用いることが有効であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち本発明の第1は、(A)反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体100重量部、(B)エポキシ樹脂1〜80重量部、(C)シラノール縮合触媒1〜15重量部、(D)ケチミン化合物1〜70重量部、および(E)脂肪酸若しくはその塩、又は樹脂酸若しくはその塩で処理された重質炭酸カルシウム100〜900重量部を含有することを特徴とする硬化性組成物に関する。
【0007】
好ましい実施態様としては、(A)成分であるポリオキシアルキレン系重合体における反応性ケイ素基が、一般式(1):
−(Si(R1 2-b)(Xb)O)mSi(R2 3-a)Xa・・・(1)
(式中R1およびR2は、同一または異なり、炭素数1から20のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数7から20のアラルキル基、または(R’)3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。ここでR’は炭素数が1から20の1価の炭化水素基であり、3個のR’は同一であっても異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが2個以上存在する時、それらは同一であっても異なっていてもよい。aは0、1、2または3を、bは0、1または2をそれぞれ示し、a+Σb≧2を満足するものとする。またm個の−Si(R1 2-b)(Xb)O−基におけるbについて、それらは同一であっても異なっていてもよい。mは0から19の整数を示す。)で表されることを特徴とする前記の硬化性組成物に関する。
【0008】
更に好ましい実施態様としては、(A)成分であるポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格が、ポリオキシプロピレンからなることを特徴とする前記いずれかに記載の硬化性組成物に関する。
【0009】
本発明の第2は、(A)反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体100重量部、(B)エポキシ樹脂1〜80重量部、(C)シラノール縮合触媒1〜15重量部、(D)ケチミン化合物1〜70重量部、および(E)脂肪酸若しくはその塩、又は樹脂酸若しくはその塩で処理された重質炭酸カルシウム100〜900重量部を含有し、粘度が300Pa・s以下であることを特徴とする、車両用シーリング材に関する。
【0010】
本発明の第3は、(A)反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体100重量部、(B)エポキシ樹脂1〜80重量部、(C)シラノール縮合触媒1〜15重量部、(D)ケチミン化合物1〜70重量部、および(E)脂肪酸若しくはその塩、又は樹脂酸若しくはその塩で処理された重質炭酸カルシウム100〜900重量部を含有し、粘度が300Pa・s以下であることを特徴とする、車両用接着剤に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明に使用される(A)成分の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体の反応性ケイ素基としては、特に限定されるものではないが、代表的なものを示すと、例えば一般式(1):
−(Si(R1 2-b)(Xb)O)mSi(R2 3-a)Xa (1)
(式中R1およびR2は、同一または異なり、炭素数1から20のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数7から20のアラルキル基、または(R’)3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。ここでR’は炭素数1から20の1価の炭化水素基であり、3個のR’は同一であっても異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが2個以上存在する時、それらは同一であっても異なっていてもよい。aは0、1、2または3を、bは0、1または2をそれぞれ示し、a+Σb≧2を満足するものとする。またm個の−Si(R1 2-b)(Xb)O−基におけるbについて、それらは同一であっても異なっていてもよい。mは0から19の整数を示す。)で表わされる基が挙げられる。
【0013】
上記Xのうちの加水分解性基は特に限定されず、従来公知の加水分解性基であれば良い。具体的には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという点でメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基が特に好ましい。
【0014】
前記の水酸基または加水分解性基は、1個のケイ素原子に1〜3個結合することができ、(a+Σb)は2〜5の範囲であるのが好ましい。水酸基や加水分解性基が反応性ケイ素基中に2個以上存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。
【0015】
反応性ケイ素基中のケイ素原子の数は1個でもよく2個以上でもよいが、シロキサン結合等によりケイ素原子の連結された反応性ケイ素基である場合には20個程度でもよい。
【0016】
特に、下記一般式(2):
−Si(R2 3-c)Xc (2)
(式中R2、Xは前記に同じ。cは2または3を示す。)で表される反応性ケイ素基が入手が容易であるため好ましい。
【0017】
上記一般式(1)または(2)におけるR1、R2の具体例としては、例えばメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、R’がメチル基やフェニル基等である(R’)3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基等が挙げられる。中でも、適度な反応性を確保できる点より、R1、R2,R’としてはメチル基が特に好ましい。
【0018】
本発明に使用される(A)成分のポリオキシアルキレン系重合体の主鎖構造としては、−R−O−で示される構造を繰り返し単位とする重合体であればよく、このとき、Rは炭素数1から20の2価の有機基であればよい。また、繰り返し単位の全てが同一である単独重合体であっても良く、2つ以上の種類の繰り返し単位を含む共重合体であっても良い。さらに、主鎖中に分岐構造を有していても良い。
【0019】
Rの具体例としては、−CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(C2H5)CH2−、−C(CH3)2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−等が挙げられる。Rとしては、重合体を適度に低粘度化できる点や硬化物に適度な柔軟性を付与できる点から、特に−CH(CH3)CH2−が好ましい。
【0020】
(A)成分のポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、例えば開始剤と触媒の存在下、モノエポキシドを開環重合することによって得られる。
【0021】
開始剤の具体例としては、アリルアルコール、メタリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ポリブタジエンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンテトラオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の1価アルコールや2価アルコール、多価アルコール、水酸基を有する各種のオリゴマー等が挙げられる。
【0022】
モノエポキシドの具体例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、α-ブチレンオキサイド、β-ブチレンオキサイド、ヘキセンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド、α−メチルスチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類や、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、アリルグリシジルエーテル類、アリールグリシジルエーテル類等が挙げられる。
【0023】
触媒としてはKOH、NaOH等のアルカリ触媒、トリフルオロボラン−エーテラート等の酸性触媒、アルミノポルフィリン金属錯体やシアン化コバルト亜鉛−グライム錯体触媒等の複合金属シアン化物錯体触媒等の既に公知のものが用いられる。特に副反応が少ない点から、複合金属シアン化物錯体触媒の使用が好ましいが、それ以外のものであってもよい。
【0024】
この他、ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体を塩基性化合物、例えばKOH、NaOH、KOCH3、NaOCH3等の存在下、2官能以上のハロゲン化アルキル、例えばCH2Cl2、CH2Br2等による鎖延長等によっても得ることができる。また、2官能や3官能のイソシアネート化合物によって水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体を鎖延長する方法等も挙げられる。
【0025】
反応性ケイ素基をポリオキシアルキレン系重合体中に導入する方法としては、特に限定されず、種々の方法を用いることができる。特に、1分子中に一般式(3):
CH2=CH−R3−O− (3)
または一般式(4):
CH2=C(R4)−R3−O− (4)
(式中R3は炭素数1から20の2価の有機基、R4は炭素数10以下の炭化水素基)で示される不飽和基を末端に有するポリオキシアルキレン系重合体と、
一般式(5):
H−(Si(R1 2-b)(Xb)O)mSi(R2 3-a)Xa (5)
(式中R1,R2,X,a,b,mは前記に同じ。)で示される反応性ケイ素基含有化合物とを、8族遷移金属触媒の存在下で反応させる方法が好ましい。
【0026】
これ以外にも、水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体への反応性ケイ素基含有イソシアネート化合物の添加や、イソシアネート基末端ポリオキシアルキレン系重合体と反応性ケイ素基含有アミン化合物との反応、イソシアネート基末端ポリオキシアルキレン系重合体と反応性ケイ素基含有メルカプタン化合物との反応等によっても得ることができる。
【0027】
末端に一般式(3)または(4)で示される不飽和基を有するポリオキシアルキレン系重合体の製造法としては、従来公知の方法を用いればよく、例えば水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体に不飽和結合を有する化合物を反応させて、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合等により結合させる方法等が挙げられる。例えばエーテル結合により不飽和基を導入する場合は、ポリオキシアルキレン系重合体の水酸基末端のメタルオキシ化により−OM(MはNaまたはK等が好ましい)を生成した後、一般式(6):
CH2=CH−R3−X2 (6)
または一般式(7):
CH2=C(R4)−R3−X2 (7)
(式中R3,R4は前記に同じ。X2はハロゲン原子)で示される不飽和基含有化合物を反応させる方法が挙げられる。
【0028】
一般式(6)または(7)で示される不飽和基含有化合物の具体例としては、CH2=CH−CH2−Cl、CH2=CH−CH2−Br、CH2=CH−C2H4−Cl、CH2=CH−C2H4−Br、CH2=CH−C3H6−Cl、CH2=CH−C3H6−Br、CH2=C(CH3)−CH2−Cl、CH2=C(CH3)−CH2−Br、CH2=C(CH2CH3)−CH2−Cl、CH2=C(CH2CH3)−CH2−Br、CH2=C(CH2CH(CH3)2)−CH2−Cl、CH2=C(CH2CH(CH3)2)−CH2−Br、等が挙げられ、特に反応性の点から、CH2=CH−CH2−Cl、CH2=C(CH3)−CH2−Clが好ましい。
【0029】
不飽和基の導入方法としては、これ以外にCH2=CH−CH2−基やCH2=C(CH3)−CH2−基等を有するイソシアネート化合物、カルボン酸、エポキシ化合物を用いることもできる。
【0030】
8族遷移金属触媒としては、白金、ロジウム、コバルト、パラジウム及びニッケル等の8族遷移金属元素から選ばれた金属錯体触媒等が有効に使用される。例えば、H2PtCl6・6H2O、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体、Ptメタル、RhCl(PPh3)3、RhCl3、Rh/Al2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2等のような化合物が使用できるが、ヒドロシリル化の反応性の点から、H2PtCl6・6H2O、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体のいずれかであることが特に好ましい。
【0031】
この様な製造法は、例えば、特許第1396791号、特許第1727750号、特許第2135751号、特開平3−72527号の各公報に記載されている。
【0032】
ポリオキシアルキレン系重合体の分子量には特に制限はないが、GPC(東ソー株式会社製HLC−8120GPC、THF溶媒)におけるポリスチレン換算での数平均分子量が500〜100,000であることが好ましい。更には取り扱いの容易さ等の点から1,000〜70,000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると硬化物が脆くなるため好ましくなく、100,000を越えると重合体の粘度が高くなりすぎるため好ましくない。
【0033】
本発明の(B)成分であるエポキシ樹脂としては、通常用いられる分子内に平均一個以上のエポキシ基を含有する化合物であればよく、特に、接着性の点から、分子内に平均一個以上のグリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、グリシジルアミノ基等のグリシジル基を有するものが好ましい。
【0034】
上記グリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂は、フェノールまたはアルコール性水酸基を周知の方法でグリシジルエーテル化して得られるものであり、例えば、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロカテコール、フロログリシノール、ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルソクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルソクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、シクロヘキシリデンビスフェノール、チオビスフェノール、スルホビスフェノール(ビスフェノールS)、オキシビスフェノール、フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の単核または多核多価フェノール類のポリグリシジルエーテル、およびエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物、ビスフェノールA−プロピレンオキシド付加物等の多価アルコール類のグリシジルエーテルが挙げられる。
【0035】
上記グリシジルエステル基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族または脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類、およびグリシジルメタクリレートの単独重合体または共重合体等が挙げられる。
【0036】
上記グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、N,N−ジグリシジルアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
【0037】
これらエポキシ樹脂は、単独で使用してもよく2種類以上を併用してもよい。また、エポキシ樹脂の中では、作業性や硬化性、油面接着性、接着強度等のバランスの点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
【0038】
斯かるエポキシ樹脂は、(A)成分100重量部に対し、通常1〜80重量部の範囲、好ましくは2〜70重量部の範囲で使用されるのが良い。エポキシ樹脂の使用量が1重量部未満では十分な油面接着性が得られず、80重量部を超えると相溶性の低下等が起こり接着性が低下するため好ましくない。
【0039】
本発明の(C)成分であるシラノール縮合触媒としては、従来公知のものを広く使用でき、例えばテトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;ジブチルスズジラウレート、ビス(ジブチルスズラウレート)オキシド、ジブチルスズマレート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ、ジブチルスズオキシドとフタル酸エステルとの反応物、ジブチルスズオキシドとマレイン酸エステルとの反応物、ジブチルスズビスアセチルアセトナート等の有機スズ化合物類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛;オクチルアミン、ラウリルアミン、モノエタノールアミン、シクロヘキシルアミン等のアミン化合物、あるいはこれらアミン化合物のカルボン酸等との塩;酸性リン酸エステル;酸性リン酸エステルとアミンの反応物;飽和若しくは不飽和の多価カルボン酸又はその酸無水物;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物、更には他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
【0040】
斯かるシラノール縮合触媒は、(A)成分100重量部に対し、通常1〜15重量部の範囲、好ましくは2〜10重量部の範囲で使用されるのが良い。1重量部未満では組成物の硬化性が低下し、15重量部を超えると貯蔵安定性や接着性の低下等が起こるため好ましくない。特に硬化速度や貯蔵安定性の点より、4価の有機スズ系化合物が好ましい。
【0041】
本発明の(D)成分であるケチミン化合物としては、特に限定されるものではないが、代表的なものを示すと、例えば一般式(8):
−N=CR5R6 (8)
(式中R5、R6は、同一または異なり、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基)で示される基を少なくとも1分子内に1個以上有する化合物類が挙げられる。
【0042】
上記化合物を製造する為に用いられるアミン化合物としては、脂肪族系、脂環族系、芳香族系、ポリエーテル系、ポリアミド系、反応性ケイ素基含有系のいずれであってもよい。具体的には、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリアミン類、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン等の脂環族ポリアミン類、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン等の芳香族ポリアミン類、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等のポリエーテルアミン類、ポリアミドの分子末端にアミノ基を有するポリアミドアミン類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等の反応性ケイ素基含有アミン類が挙げられる。
【0043】
上記ポリアミン化合物をケチミン化する為に使用するケトン類としては、特に限定されるものではなく、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルt−ブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ベンゾフェノン等を挙げることができる。
【0044】
多価脂肪族ポリアミンを用いた場合、ケチミン化反応の後に残るイミノ基に対し各種エポキシ化合物を反応させることにより、その活性を低下せしめることができる。エポキシ化合物の具体例としては、ブチルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0045】
斯かるケチミン化合物は、(A)成分100重量部に対し、通常1〜70重量部の範囲、好ましくは2〜60重量部の範囲で使用されるのが良い。1重量部未満では組成物の硬化が不十分となって油面接着性が低下し、70重量部を超えると貯蔵安定性の低下等が起こるため好ましくない。
【0046】
本発明の(E)成分である脂肪酸若しくはその塩、又は樹脂酸若しくはその塩で処理された重質炭酸カルシウムとしては、カルサイト型の結晶質の石灰石を乾式粉砕した後分級したものや湿式粉砕後に分級したもの、湿式粉砕後に分級し乾燥したものに対し、脂肪酸若しくはその塩、又は樹脂酸若しくはその塩を接触させたものを使用することができる。
【0047】
上記脂肪酸若しくはその塩、又は樹脂酸若しくはその塩としては、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラギジン酸、ベヘニン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸、ナフテン酸等の環状飽和脂肪酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、d−ピマル酸、安息香酸、ケイ皮酸、p−オキシケイ皮酸等の樹脂酸、及びこれらのナトリウム、カリウム、アンモニウム塩等が挙げられる。
【0048】
上記の表面処理された重質炭酸カルシウムは、膠質炭酸カルシウムに比べて脱水が容易であることから、組成物の貯蔵安定性を高めることができ、また、粒子径が大きいことから組成物の低粘度化が容易となり、ガンからの突出速度を高めることができる。表面処理された重質炭酸カルシウムの代わりに表面処理されていない重質炭酸カルシウムを用いた場合、貯蔵中に組成物の変質等が起こり、油面接着性が低下するので好ましくない。
【0049】
斯かる表面処理を施された重質炭酸カルシウムは、(A)成分100重量部に対し、通常100〜900重量部の範囲、好ましくは150〜800重量部の範囲で使用されるのが良い。100重量部未満では十分な強度、揺変性が得られないことがあり、900重量部を超えると粘度の上昇や接着性低下が起こるため好ましくない。
【0050】
本発明の硬化性組成物は、必要に応じてシランカップリング剤、熱活性型エポキシ樹脂用硬化剤、充填材、揺変剤、可塑剤、希釈剤、安定剤、または着色剤等を添加することができる。
【0051】
シランカップリング剤の具体例としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類;γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン類;(B)成分であるエポキシ樹脂とアミノ基含有シラン類の反応物、エポキシ基含有シラン類とアミノ基含有シラン類の反応物等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、ブロックイソシアネートシラン、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として用いることができる。これらシランカップリング剤は、単独で使用してもよく2種類以上を併用してもよい。
【0052】
斯かるシランカップリング剤は、(A)成分100重量部に対し、通常0.5〜20重量部の範囲、好ましくは1〜15重量部の範囲で使用されるのが良い。シランカップリング剤が0.5重量部未満では接着性が低下し、20重量部を超えると組成物の反応性が低下する場合があるため好ましくない。特に、貯蔵安定性と接着性の点より、エポキシシラン類が好ましい。
【0053】
熱活性型エポキシ樹脂用硬化剤の具体例としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデシル無水コハク酸等の酸無水物類;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;ジシアンジアミド等を挙げることができる。
【0054】
斯かる熱活性型エポキシ樹脂用硬化剤は必ずしも添加する必要はないが、添加する場合には(B)成分100重量部に対し、通常1〜70重量部の範囲、好ましくは2〜60重量部の範囲で使用されるのが良い。熱活性型エポキシ樹脂用硬化剤の使用量が1重量部未満では加熱時のエポキシ樹脂の硬化が不十分となることがあり、70重量部を超えると界面へのブリード等により接着性が低下する場合があるため好ましくない。
【0055】
充填材の具体例としては、例えば、膠質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム(ただし、表面が処理されていないタイプ、又は、脂肪酸若しくはその塩又は樹脂酸若しくはその塩以外の処理剤で処理されたタイプ)、炭酸マグネシウム、酸化チタン、カーボンブラック、溶融シリカ、沈降性シリカ、けいそう土、白土、カオリン、クレー、タルク、木粉、クルミ殻粉、もみ殻粉、無水ケイ酸、石英粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、アルミナ、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、酸化ケイ素等の無機充填材や、パルプ、木綿チップ等の木質充填材、アクリル樹脂粉末、ウレタン樹脂粉末、粉末ゴム、再生ゴム、ポリエチレン等の中空体等が有機充填材として挙げられる。これら充填材は単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0056】
斯かる充填材は必ずしも添加する必要はないが、添加する場合には(A)成分100重量部に対し、通常10〜500重量部の範囲、好ましくは20〜400重量部の範囲で使用されるのが良い。充填剤の使用量が10重量部未満では組成物の揺変性が不十分となる場合があり、また500重量部を超えると粘度が上がり組成物の突出性が低下するため好ましくない。
【0057】
揺変剤の具体例としては、例えば、水添ヒマシ油、有機アミドワックス、有機ベントナイト、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。これらの揺変剤は、単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
【0058】
斯かる揺変剤は、(A)成分100重量部に対して0.1〜50重量部の範囲、好ましくは1〜30重量部の範囲で使用されるのが良い。揺変剤の使用量が0.1重量部未満の場合は十分な揺変が得られない場合があり、また50重量部を越える場合はコストが上昇するなどの点で好ましくない。
【0059】
可塑剤の具体例としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、セバシン酸ジブチル等の脂肪族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のグリコールエステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル等の脂肪族エステル類;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル等のリン酸エステル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ系可塑剤類;2塩基酸と2価アルコールとのポリエステル類等のポリエステル系可塑剤類;ポリプロピレングリコールやその誘導体等のポリエーテル類;パラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、パラフィン−ナフテン系混合炭化水素等の炭化水素系可塑剤類;塩素化パラフィン類等が挙げられる。これらの可塑剤は単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
【0060】
斯かる可塑剤は、(A)成分100重量部に対し、通常10〜300重量部の範囲、好ましくは20〜250重量部の範囲で使用されるのが良い。可塑剤の使用量が10重量部未満の場合には組成物の粘度が高くなりすぎる場合があり、また300重量部を越える場合は硬化物からの可塑剤の染み出しなどが生じる場合があるため好ましくない。
【0061】
車両用途で使用されるシーリング材、接着剤は、通常ガンを用いて手動または自動で塗布されるが、粘度が高すぎるとガンからの突出性が低下するため作業速度が低下する場合があり、好ましくない。従って、硬化性組成物の粘度は300Pa・s以下であることが好ましい。なお、本発明でいう粘度とは、BH形粘度計を用いて、10rpm、7号ローター、23℃の条件にて測定した値である。
【0062】
本発明の硬化性組成物は、適度な作業性、硬化性、電着鋼板への接着性、および油面鋼板への接着性を有することから、例えば、車両用シーリング材、接着剤等として広範囲に使用することができる。
【0063】
【実施例】
本発明をより一層明らかにする為に、以下に具体的な実施例をあげて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1)
数平均分子量が各々3,000のポリプロピレングリコール80重量部とポリプロピレントリオール20重量部を開始剤とし、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)13重量部を添加してメタノールを留去した。次いで、ジクロロメタン2.2重量部を添加した後、再びナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)4.4重量部を添加してメタノールを留去した後、3−クロロ−1−プロペン2.7重量部を添加して末端にアリル基を有する重合体を得た。この重合体100重量部に対し、塩化白金酸六水和物(5重量%イソプロパノール溶液)6×10-3重量部を加えた後、メチルジメトキシシラン2.1重量部を添加し90℃で2時間反応させた。得られた重合体の数平均分子量は、GPCを測定した結果、18,000であった(ポリマーA)。
(合成例2)
数平均分子量約5,200のポリオキシプロピレングリコール100重量部とイソホロンジイソシアネート6.28重量部を混合した後、錫触媒(ジブチル錫ジラウレートの10%ジオクチルフタレート溶液)0.1重量部を添加し、80℃で4時間反応させた。イソシアネート基の滴定を行ったところ、0.579%であった。これより求めた分子量は約15,000であった。60℃まで冷却した後、イソシアネート基に対しγ−アミノプロピルトリメトキシシラン1.0当量を加え、約30分間攪拌した。IRを測定した結果、イソシアネート基が消失したことを確認した。(ポリマーB)。
(硬化性組成物の調製)
表1に示す配合組成にて各種配合材を、5L万能混合撹拌機(ダルトン社製5DMV−r型)により混練し、実施例1〜9および比較例1〜9の1液型硬化性組成物を作製した。
(物性評価)
評価は以下に示す項目について実施した。
作業性
BH形粘度計にてローターNo.7を使用し、23℃雰囲気下回転数10rpmの条件で測定を実施した。粘度が300Pa・s以下である場合を○、300Pa・sを超える場合を×とした。
接着性
防錆油を塗布した冷間圧延鋼板(JISG3141記載のダル仕上げタイプ)およびカチオン電着鋼板へ硬化性組成物をビード状に塗布した後、23℃雰囲気下7日間養生し、硬化物を引き剥がして接着状態を観察した。鋼板側へ硬化物が残った場合を○、残らなかった場合を×とした。
【0064】
評価結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
実施例の硬化性組成物は、低粘度で作業性が良好であり、かつ油面鋼板および電着鋼板へ良好な接着性を示した。一方、比較例では作業性と接着性の両方のバランスに優れた系は見られなかった。
【0066】
【発明の効果】
本発明により、塩化ビニル樹脂を含むことなく作業性が良好であり、かつ油面鋼板および電着鋼板への接着性に優れた車両用途に好適な硬化性組成物が得られる。
Claims (5)
- (A)反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体100重量部、(B)エポキシ樹脂1〜80重量部、(C)シラノール縮合触媒1〜15重量部、(D)ケチミン化合物1〜70重量部、および(E)脂肪酸若しくはその塩、又は樹脂酸若しくはその塩で処理された重質炭酸カルシウム100〜900重量部を含有することを特徴とする油面鋼板接着用硬化性組成物。
- (A)成分であるポリオキシアルキレン系重合体における反応性ケイ素基が、一般式(1):
−(Si(R1 2−b )(Xb)O)mSi(R2 3−a )Xa (1)
(式中R1およびR2は、同一または異なり、炭素数1から20のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数7から20のアラルキル基、または(R’)3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。ここでR’は炭素数が1から20の1価の炭化水素基であり、3個のR’は同一であっても異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが2個以上存在する時、それらは同一であっても異なっていてもよい。aは0、1、2または3を、bは0、1または2をそれぞれ示し、a+Σb≧2を満足するものとする。またm個の−Si(R1 2−b )(Xb)O−基におけるbについて、それらは同一であっても異なっていてもよい。mは0から19の整数を示す。)で表されることを特徴とする請求項1記載の油面鋼板接着用硬化性組成物。 - (A)成分であるポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格が、ポリオキシプロピレンからなることを特徴とする請求項1または2に記載の油面鋼板接着用硬化性組成物。
- (A)反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体100重量部、(B)エポキシ樹脂1〜80重量部、(C)シラノール縮合触媒1〜15重量部、(D)ケチミン化合物1〜70重量部、および(E)脂肪酸若しくはその塩、又は樹脂酸若しくはその塩で処理された重質炭酸カルシウム100〜900重量部を含有し、BH形粘度計を用いて、10rpm、7号ローター、23℃の条件にて測定した粘度が300Pa・s以下であることを特徴とする油面鋼板接着用車両用シーリング材。
- (A)反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体100重量部、(B)エポキシ樹脂1〜80重量部、(C)シラノール縮合触媒1〜15重量部、(D)ケチミン化合物1〜70重量部、および(E)脂肪酸若しくはその塩、又は樹脂酸若しくはその塩で処理された重質炭酸カルシウム100〜900重量部を含有し、BH形粘度計を用いて、10rpm、7号ローター、23℃の条件にて測定した粘度が300Pa・s以下であることを特徴とする油面鋼板接着用車両用接着剤。
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