JP4220035B2 - シ−ラント用プライマ− - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シ−ラント用プライマ−に関し、詳しくはシ−リング材面との付着性に優れ、さらに塗り付け作業性、ブリード汚れ防止性、耐衝撃性、貯蔵安定性等に優れた塗膜が形成できるシ−ラント用プライマ−に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】
従来、建築物を構成するものとして多用される各種PC板、窯業系建材、金属系建材等の継ぎの部分(目地部分)には、主として雨水からの防水と外部から加わる応力による建築物のムーブメント/建材の膨脹収縮の吸収を目的として、シーリング材が、ほとんど現場施工で打設されている。該シーリング材と建材の表面には、通常、美観・耐久性等の面から化粧塗材が塗付され、該シーリング材の打設された目地部分を覆い隠し、一体感のある大壁の如くに仕上げられている。かかる工法は、継ぎ目が無く美観的に優れた印象を与えるため、頻繁に行なわれている。該シーリング材面上に化粧塗材等が塗付されないと、屋外環境下で5〜15年で劣化し亀裂が生じるなど、一部のシーリング材を除いて化粧塗材等を塗付した方が長持ちする傾向にある。
【0003】
該シ−リング材には、主にシリコ−ン系、変成シリコ−ン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系の4種が挙げられ、その種類によって該シーリング材と化粧塗材との間の付着不良による剥離、可塑化成分の滲み出しによる汚れ汚染、シーリング材の高弾性に追従できないことによる化粧塗材のクラック等の事故例が多く、そのため、化粧塗材を高弾性を有する物に変更したり、シーリング材の表面に網状シートを積層してからパテ材を塗り付けるか、あるいはシーリング材の表面にセメント系フィラーを塗り付けた後、化粧塗り仕上げを施していた。またシーリング材種によっては、滲み出し汚れの防止と化粧塗材との層間付着性の確保を目的として、各シーリング材メーカーの指定するプライマーを予め塗布してから化粧塗り仕上げを施していた。
【0004】
しかしながら、上述の従来の工法においては、高弾性の化粧塗材を用いる場合には表面の耐汚染性が劣ること、網状シートやセメント系フィラーを用いる場合には化粧塗り仕上げの仕上がり外観が著しく低下すること、指定プライマーを用いる場合にはシーリング材の種類に応じた品揃えが必要であり、特にシリコ−ン系のシーリング材に対して有効なプライマ−がなく、また経年後の塗り替え時には履歴が分からなくなっている場合が極めて多く、施工業者への負担が多いこと等の問題があった。従来のプライマ−は殆どがクリヤ−系であり、塗装作業・現場管理上、施工箇所が分かりにくく、そのため少量の着色顔料や体質顔料が配合される場合もあるが、隠蔽性、さらには塗り付け作業性に劣るという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の顔料を含有せしめてなる組成物が各種シ−リング材面に適用可能で、シーラント用プライマーとしての適性を実現し得ることを見出し、本発明に到達した。
【0006】
すなわち本発明は、樹脂成分に、表面コ−ティングアルミニウム粉を樹脂固形分100重量部に対して1〜50重量部含有せしめることを特徴とするシ−ラント用プライマ−を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において樹脂成分は、従来プライマ−用として公知の樹脂が特に制限なく使用でき、例えば湿気硬化型ウレタン樹脂、アミン架橋のエポキシ樹脂組成物、イソシアネ−ト架橋のアクリル樹脂組成物、末端アルコキシシリル基含有シリコ−ン樹脂、及びこれら樹脂に塩素化ポリオレフィン樹脂を一部混合してなるものなどが挙げられるが、特に該樹脂成分としては、エポキシ樹脂とカルボキシル基含有アクリル樹脂とを反応させてなるアクリル変性エポキシ樹脂、又はエポキシ樹脂に重合性不飽和モノマ−をグラフト重合又は共重合させてなる変性エポキシ樹脂に、エポキシ樹脂用硬化剤を組合わせてなるものが望ましく、特に後者において重合性不飽和モノマ−がカルボキシル基含有モノマ−を含むもので、グラフト重合又は共重合後にカルボキシル基とエポキシ基とを反応させてなる変性エポキシ樹脂に、エポキシ樹脂用硬化剤を組合わせてなるものが好適である。これらの変性エポキシ樹脂は、ミネラルスピリット等の高引火点石油系溶剤に可溶である利点を有する。
【0008】
上記変性エポキシ樹脂に使用されるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、かつ平均エポキシ当量が約150〜約1,000の範囲内、好ましくは約150〜約500の範囲内のエポキシ樹脂である。該エポキシ樹脂のエポキシ当量が約1,000を越えると得られる変性エポキシ樹脂のミネラルスピリットに対する溶解性が低下し、かつ硬化性が低下するので好ましくない。該エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、上記エポキシ樹脂を二塩基酸等で変性したエポキシエステル樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂等を挙げることができ、具体的にはDER−331J(ダウケミカル社製)、EPON#828、834、806H(油化シェル社製)、GY#260(旭チバ社製)、エポミックR#140P(三井石油化学工業社製)、エポトートYD128(東都化成社製)、ERL−4221、4229(ユニオンカーバイド社製)、デナコールEX−830(長瀬化成工業社製)等の市販品を使用することができる。尚、該エポキシ樹脂は、平均エポキシ当量が約150〜約1,000の範囲内のものがよいとしたが、例えばエポキシ当量約1,500前後のエポキシ樹脂を併用しても、全体として平均エポキシ当量が約150〜約1,000の範囲内のエポキシ樹脂の混合物であれば使用可能である。
【0009】
上記変性エポキシ樹脂に使用される重合性不飽和モノマーとしては、カルボキシル基含有モノマー及びその他の重合性不飽和モノマーが挙げられる。
【0010】
カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0011】
その他の重合性不飽和モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステル又はシクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、ブタジエン等が挙げられる。またシ−リング材及び上塗りとの付着性、乾燥性等の点から、アルコキシシリル基含有モノマーを共重合成分とすることが好適である。該アルコキシシリル基含有モノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトオキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0012】
変性エポキシ樹脂は、上記エポキシ樹脂100重量部に対して上記重合性不飽和モノマーを10〜2,000重量部の範囲内となる割合で混合し、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の重合開始剤、好ましくはグラフト化を効率良く進行させるためにベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤の存在下、60〜150℃程度の範囲内で通常1〜10時間程度加熱反応させればよい。
【0013】
特に上記変性エポキシ樹脂としては、重合性不飽和モノマ−がカルボキシル基含有モノマ−を含むものであり、エポキシ樹脂へのグラフト重合又は共重合後にカルボキシル基とエポキシ基とを反応させてなるものが好適である。該カルボキシル基とエポキシ基との反応は、その当量比が1:0.05〜1:0.5の範囲内となる割合とし、例えばエポキシ基/カルボキシル基反応触媒の存在下で通常1〜10時間程度加熱反応させて得られる。エポキシ基/カルボキシル基反応触媒としては、例えば、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルフォスフォニウムブロマイド、トリフェニルベンジルフォスフォニウムクロライド等の4級塩触媒;トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン類等を挙げることができる。また反応温度は、120〜150℃程度が適当である。
【0014】
上記エポキシ樹脂用硬化剤としては、活性水素当量が40〜300の範囲内である硬化剤である従来公知のエポキシ樹脂用硬化剤を使用することができる。具体的には、例えば、メタキシレンジアミン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルメタン等の脂肪族ポリアミン類;該脂肪族ポリアミンのエポキシ樹脂アダクト物、ケチミン化物、ポリアミドアミン類、ポリアミド樹脂等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上混合して使用することができる。この中でも、本発明においては、ケチミン化率80%以上、好ましくは90%以上のケチミン化ダイマ−酸変性ポリアミド樹脂が好適である。該変性ポリアミド樹脂のケチミン化率が80%未満では塗膜の付着性や伸び率が不十分となる場合があるので好ましくない。該ケチミン化ダイマー酸変性ポリアミド樹脂の具体例としては、例えば、「7A122N90」(ヘンケルジャパン(株)社製、商品名)などが挙げられる。また1液型とする場合には、ケチミン化率80%以上、好ましくは90%以上のケチミン化ポリアミンが好適である。好ましい具体例としては、例えば脂肪族系ポリアミンのケチミン化物である「バ−サミンK13」(ヘンケルジャパン(株)社製、商品名)や、ジェファ−ミン系ポリアミンのケチミン化物である「アデカハ−ドナ−EH−235R」(旭電化工業(株)社製、商品名)などが挙げられる。
【0015】
本発明において表面コ−ティングアルミニウム粉は、従来公知の表面コ−ティングの施されたアルミニウム粉が使用可能であり、各種シランカップリング剤で処理したものや、さらに樹脂コ−ティングしたものが挙げられ、好適にはアルミニウム粉をシランカップリング剤の縮重合皮膜で覆った後、アクリル重合体皮膜で覆ってなるものが挙げられる。具体的には、アルミニウム粉の表面の酸化物層を共重合性のあるシランカップリング剤にて処理した後、表面の不飽和基にアクリル系の不飽和モノマ−類を共重合してゆきアクリル重合体皮膜を形成するものであり、共重合性があればアクリル以外にもエポキシ系、シリコ−ン系、ウレタン系等のマクロモノマ−等を使用してもよい。該表面コ−ティングの被覆率は90%以上が好適であり、これを下回ると、耐水性、耐アルカリ性が低下し長期の使用に耐え得ない。また使用されるアルミニウム粉は、平均粒子径が25μ以下のりん片状粒子であり、その水面被覆面積が1.2m2 /g以上であることが隠蔽性の点から好適である。
【0016】
上記表面コ−ティングアルミニウム粉の含有量は、前記樹脂固形分100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは3〜40重量部の範囲内である。該含有量が1重量部未満では、ブリード汚れを防止するバリヤ−能や塗り付け作業性等が低下し、一方50重量部を越えると樹脂分の含有量が少なくなり、やはりバリヤ−能が低下し、さらに得られる塗膜が硬くなり物性が低下するので好ましくない。
【0017】
本発明組成物は、上記樹脂成分及び表面コ−ティングアルミニウム粉を含有するものであり、必要に応じてシランカップリング剤、有機錫化合物などを含有することができる。
【0018】
該シランカップリング剤としては、例えばγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシジル基含有シランカップリング剤;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基含有シランカップリング剤などが挙げられる。またアミノ基を有するポリシロキサン等も使用可能である。さらに1液型とする場合には、3(又は2)−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミンのケチミン化物等を使用してもよい。
【0019】
これらのうちアミノ基含有シランカップリング剤は、通常、硬化剤側に配合され、架橋密度を高め、付着性の向上に寄与するものであり、グリシジル基含有シランカップリング剤は、ベ−スとなる主剤側に配合され、架橋密度を高め、付着性の向上に寄与するものである。またメルカプト基含有シランカップリング剤は、通常、主剤側に配合され、架橋密度、付着性の向上だけでなく、硬化剤と混合後の可使時間の制御に寄与するものである。
【0020】
上記シランカップリング剤として、アミノ基を含有するシランカップリング剤を用いる場合には、硬化剤の固形分100重量部に対して0.1〜10重量部配合するのが適当である。また上記シランカップリング剤として、グリシジル基を含有するシランカップリング剤及び/又はメルカプト基を含有するシランカップリング剤を用いる場合には、夫々樹脂固形分100重量部に対して0.1〜10重量部配合するのが適当である。
【0021】
有機錫化合物は、樹脂成分がアルコキシシリル基を有する場合の縮合触媒として作用するものであり、該有機錫化合物としては、例えばジブチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫モノアセテ−ト、ジブチル錫ジアセテ−ト、トリアルキル錫アセテ−ト、ジオクチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫ジオクテ−ト、ジブチル錫ジマレ−トなどが挙げられる。これらのうちエステル鎖の長いものは可塑作用も付与し得る。
【0022】
上記有機錫化合物の含有量は、樹脂固形分100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲内が適当である。該含有量が0.1重量部未満ではシ−リング材面との付着性が低下するので望ましくない。
【0023】
本発明組成物は、また、希釈溶剤として高引火点、高沸点及び低公害性であるミネラルスピリット等の石油系溶剤を使用することができる。該石油系溶剤としては、例えば、ミネラルスピリット、ナフサ、市販品としてソルベッソ100、150、200(エクソン化学社製)、スワゾール100、200、310(丸善石油化学社製)、Aソルベント(日本石油社製)等を挙げることができ、引火点が40℃以上の高引火点溶剤が好適に使用される。これらは単独でも2種以上併用してもよく、またこれらを主成分として他の溶剤を少量併用してもよい。他の溶剤としてはトルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤等を挙げることができる。
【0024】
本発明組成物には、更に必要に応じて上記アルミニウム粉以外の着色顔料、体質顔料、防食顔料等の顔料類;改質樹脂、増粘剤、分散剤等の塗料用添加剤等を配合することができる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。尚、各例における「部」及び「%」は、いずれも重量基準である。
【0026】
アクリル変性エポキシ樹脂の製造
製造例1
ミネラルスピリット532部及び「エピコ−ト828EL」(油化シェルエポキシ社製、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、エポキシ当量187)429部を窒素気流下で140℃に加熱し、下記のビニルモノマ−及び重合開始剤の混合物を3時間で滴下し、滴下後2時間熟成した。次いでテトラエチルアンモニウムブロマイド0.2部を仕込み、約2時間反応を行ない、樹脂酸価が0.3mgKOH/g以下になったところでミネラルスピリット157部を添加し、アクリル変性エポキシ樹脂溶液(A−1)を得た。該樹脂溶液は、不揮発分65%、エポキシ当量652(固形分)であった。
【0027】
メタクリル酸 10部
スチレン 250部
エチルアクリレ−ト 200部
i−ブチルメタクリレ−ト 200部
2−エチルヘキシルアクリレ−ト 290部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 50部
t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−ト 80部
製造例2
製造例1において、ビニルモノマ−及び重合開始剤の混合物として下記の混合物を用いる以外は製造例1と同様に行ない、不揮発分65%、エポキシ当量688(固形分)のアクリル変性エポキシ樹脂溶液(A−2)を得た。
【0028】
メタクリル酸 20部
スチレン 250部
エチルアクリレ−ト 200部
i−ブチルメタクリレ−ト 200部
2−エチルヘキシルアクリレ−ト 280部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 50部
t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−ト 80部
製造例3
製造例1において、ビニルモノマ−及び重合開始剤の混合物として下記の混合物を用いる以外は製造例1と同様に行ない、不揮発分65%、エポキシ当量730(固形分)のアクリル変性エポキシ樹脂溶液(A−3)を得た。
【0029】
メタクリル酸 30部
スチレン 250部
エチルアクリレ−ト 200部
i−ブチルメタクリレ−ト 200部
2−エチルヘキシルアクリレ−ト 270部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 50部
t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−ト 80部
製造例4
製造例1において、ビニルモノマ−及び重合開始剤の混合物として下記の混合物を用いる以外は製造例1と同様に行ない、不揮発分65%、エポキシ当量704(固形分)のアクリル変性エポキシ樹脂溶液(A−4)を得た。
【0030】
アクリル酸 10部
スチレン 250部
エチルアクリレ−ト 200部
i−ブチルメタクリレ−ト 200部
2−エチルヘキシルアクリレ−ト 290部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 50部
t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−ト 80部
製造例5
製造例1において、「エピコ−ト828EL」の代わりに、「リカレジンHBE100」(新日本理化社製、脂環式エポキシ樹脂、エポキシ当量220)を使用する以外は製造例1と同様に行ない、不揮発分65%、エポキシ当量783(固形分)のアクリル変性エポキシ樹脂溶液(A−5)を得た。
【0031】
シ−ラント用プライマ−の作成
実施例1〜10及び比較例1〜4
表1に示す配合組成で主剤及び硬化剤を調整し、硬化剤の活性水素当量/主剤のエポキシ当量の比率が0.8となるように、主剤及び硬化剤を混合して各シ−リラント用プライマ−を得た。尚、表1中の(注1)〜(注12)は下記の通りである。
【0032】
(注1)「バ−ノックDM678」:大日本インキ化学工業社製、商品名、湿気硬化型ウレタン樹脂液、固形分35%、NCO含量4.1%
(注2)「TSL8350」:東芝シリコ−ン社製、商品名、γ−グリシドキシイソプロピルトリメトキシシラン
(注3)「TSL8380」:東芝シリコ−ン社製、商品名、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
(注4)「HR−51」:旭化成社製、商品名、樹脂コ−ティングアルミペ−スト、シランカップリング剤及びアクリル被覆処理、平均粒子径23μ、水面被覆面積1.3m2 /g、固形分54%
(注5)「CR−51GM」:旭化成社製、商品名、コ−ティングアルミペ−スト、シランカップリング剤処理、平均粒子径23μ、水面被覆面積1.3m2 /g、固形分50%
(注6)「HR−21」:旭化成社製、商品名、樹脂コ−ティングアルミペ−スト、シランカップリング剤及びアクリル被覆処理、平均粒子径31μ、水面被覆面積0.5m2 /g、固形分61%
(注7)「MG−51」:旭化成社製、商品名、アルミペ−スト、未処理、平均粒子径22μ、水面被覆面積1.4m2 /g、固形分66%
(注8)「ミクロンエ−スL−1」:日本タルク社製、商品名、タルク
(注9)「Aソルベント」:日本石油社製、商品名、石油系溶剤
(注10)「7A122N90」:ヘンケルジャパン社製、商品名、ケチミン化ポリアミド型硬化剤、活性水素当量=210、ケチミン化率95%、不揮発分90%
(注11)「TSL8331」:東芝シリコ−ン社製、商品名、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
(注12)「StannBL」:三共有機合成社製、ジブチル錫ジラウレ−ト
【0033】
【表1】
【0034】
塗装試験
試験体下地板として15mm×10mm角の目地溝を有するフレキシブル板(100mm×300mm×16mm)を作成し、下記(注13)に示す各種組成のシ−リング材を目地溝に盛り付けてから、室温で3日間乾燥させた後、その部分へ実施例及び比較例で得たシ−ラント用プライマ−を表2の通り選択して塗布量120g/m2 で刷毛にて塗装した。これらを2日間乾燥させた後、試験体の全面に「アレスレタン白」(関西ペイント社製、商品名、アクリルウレタン樹脂塗料)をウ−ロ−ラ−にて(塗布量:150g/m2 ×2回)塗装して各供試体とした。2週間室温にて乾燥させた後に得られる各供試体を下記性能試験によって評価した。結果を表2に示す。
【0035】
(注13)A:「ハマタイトUH30」、横浜ゴム社製、商品名、2液型ウレタンシ−リング材
B:「ハマタイトSC500」、横浜ゴム社製、商品名、2液型ポリサルファイドシ−リング材
C:「ハマタイトス−パ−II」、横浜ゴム社製、商品名、2液型変成シリコ−ンシ−リング材
D:「ハマタイトシリコン70」、横浜ゴム社製、商品名、2液型シリコ−ンシ−リング材
性能試験方法
(*1)塗り作業性:刷毛にて塗り付けたときの塗り易さ(塗液の伸び、ねばさ、刷毛切れ、なじみ易さ、刷毛跡の均し易さ、下地へのとまり易さ等)を下記基準で評価した。
【0036】
◎:塗りやすく作業性が良好
○:塗装作業に支障はない
△:塗装作業がスム−ズにできない
×:刷毛塗り塗装適性がない
(*2)付着性:JIS K−5400の「クロスカットテ−プ法」の試験方法に準じて下記基準により評価した。
【0037】
◎:全く剥がれが認められない
○:カッタ−傷の塗膜の一部分に剥がれが認められる
△:25%以内の塗膜面積に剥がれが認められる
×:25%を越えて塗膜の剥がれが認められる
(*3)屋外暴露による耐汚染性:供試体を南面30度傾斜で6か月間屋外暴露し、暴露後の汚れ具合を目視にて下記基準により評価した。
【0038】
◎:全く汚れが認められない
○:僅かに汚れが認められる
△:シ−リング材部分に汚れが認められる
×:シ−リング材部分だけでなく、その周辺部にまで著しい汚れが認められる
(*4)温冷繰り返し試験:JIS A−6909の「温冷繰り返し作用による抵抗性」の試験方法に準じて10サイクル後の塗面状態を目視にて下記基準により評価した。
【0039】
◎:全く異常なし
○:僅かにフクレ、ワレが認められるが、実用上の支障はない
△:フクレ、ワレが認められる
×:著しいフクレ、ワレ及び剥がれが認められる
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、各種シ−リング材面との付着性に優れ、さらに塗り付け作業性、ブリード汚れ防止性、耐衝撃性、貯蔵安定性等に優れたプライマ−塗膜が形成できる。
【0041】
【表2】
Claims (5)
- 樹脂成分に、表面コ−ティングアルミニウム粉を樹脂固形分100重量部に対して1〜50重量部含有せしめることを特徴とするシ−ラント用プライマ−。
- 樹脂成分として、エポキシ樹脂に重合性不飽和モノマ−をグラフト重合又は共重合させてなる変性エポキシ樹脂、及びエポキシ樹脂用硬化剤を含有する請求項1記載のシ−ラント用プライマ−。
- 重合性不飽和モノマ−がカルボキシル基含有モノマ−を含むものであり、グラフト重合又は共重合後にカルボキシル基とエポキシ基とを反応させてなる請求項2記載のシ−ラント用プライマ−。
- エポキシ樹脂用硬化剤として、ケチミン化率80%以上のケチミン化ダイマ−酸変性ポリアミド樹脂を含有する請求項2又は3記載のシ−ラント用プライマ−。
- 表面コ−ティングアルミニウム粉が、アルミニウム粉をシランカップリング剤の重合体皮膜で覆った後、アクリル重合体皮膜で覆ってなるものである請求項1記載のシ−ラント用プライマ−。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31263898A JP4220035B2 (ja) | 1998-11-04 | 1998-11-04 | シ−ラント用プライマ− |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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