JP4218277B2 - アミド化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアミド化合物の製造方法に関する。詳しくは、液相中で触媒の存在下にオキシムのベックマン転位反応を行うことによりアミド化合物を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、工業的に行われているアミド化合物の製造方法としては、オキシム化合物をベックマン転位反応させてアミド化合物に変換させる方法が知られており、例えば、ε−カプロラクタムはシクロヘキサノンオキシムのベックマン転位反応により、ω−ラウリンラクタムはシクロドデカノンオキシムのベックマン転位により製造されている。かかるベックマン転位反応は、現在、工業的には濃硫酸または発煙硫酸のような強酸を触媒として用いた液相反応が採用されている。しかしながら、この公知の方法は、原料のオキシムに対して当量以上の酸を触媒として用いているために、生成したラクタム化合物と触媒分離を行うために、通常、硫酸をアンモニアで中和するという工程を必要としている。さらに、中和の際には、前記ラクタム化合物の約2倍量の硫酸アンモニウム(硫安)が副生すること、および大量の強酸を用いるために反応装置の腐食などの問題があり、必ずしも経済的な方法とは言えず、効率的な転位反応用触媒の開発が期待されていた。
【0003】
そこで、硫酸触媒を使用しない液相でのベックマン転位反応に関し、種々の検討が行なわれてきた。例えば、均一触媒を用いた液相でのシクロヘキサノンオキシムのベックマン転位反応では、N,N−ジメチルホルムアミドとクロルスルホン酸の反応で得られるイオン対(ビスマイヤー錯体)を触媒とする方法(M.A.Kira and Y.M.Shaker ,Egypt. J.Chem.,16,551(1973))、エポキシ化合物と強酸(三フッ化ホウ素・エーテラート等)から生成するアルキル化剤とN,N−ジアルキルホルムアミドから成る触媒を用いる方法(Y.Izumi,Chemistry Letters,pp.2171(1990))、シクロヘキサノンオキシムをヘプタン溶媒中でリン酸或いは縮合性リン酸化合物を用いて転位させる方法(特開昭62−149665号公報)、五酸化リンおよびN,N−ジアルキルホルムアミド等の化合物から成る触媒を用いる方法(特許-2652280号)、五酸化リンおよび含フッ素強酸あるいはその誘導体とN,N−ジアルキルホルムアミド等の化合物から成る触媒を用いる方法(特開平5−105654号公報)等が提案されている。
しかしながら、これらの触媒系を使用してオキシム化合物を液相でベックマン転位反応させラクタムを製造する方法は、工業的な製造方法としては必ずしも満足し得るものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、先にオキシム化合物のベックマン転位の方法として、高い触媒活性を示すスルホン酸又はスルホン酸無水物から選ばれた化合物を含む酸成分とN,N−二置換アミドを含む触媒系または、非フッ素含有スルホン酸無水物とN,N−二置換アミドを含む触媒系を提案した。(WO01/81302)
また炭素数8〜15の環状オキシム化合物については、有機溶媒中、ベックマン転位させる方法としては、有機スルホン酸または、硫酸半エステルの無水物または、有機スルホン酸と硫酸半エステルとの混合無水物を触媒としてベックマン転位する方法(特開平62-108861)が公知である。
しかしながら、これまではこのような触媒的なベックマン転位反応においても、触媒とアミド化合物、未反応のオキシム化合物との分離のためには、中和工程もしくは、反応液の洗浄が必須であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
しかしながら中和工程を経て、アミド化合物、未反応のオキシム化合物と触媒成分の分離を行う場合には、酸成分が中和により塩になるため、触媒成分をそのまま廃棄するか、もしくは触媒成分の回収、再使用が必要な場合には塩を酸に転換してから触媒を再生しなければならなかった。このような問題があるばかりでなく、多量のアミド化合物を含有したまま中和を行わなければならないため、中和のための反応器が非常に大きくなる、アミド化合物を溶解させるための多量の溶媒が必要になる、多量に存在するアミド化合物が触媒の中和反応を阻害するといった問題がある。
また、水で洗浄した場合には、活性触媒が残っていると、完全に触媒が失活してしまうため、分離した触媒成分をそのまま転位工程にもどして触媒液をリサイクルすることはできなかった。触媒が失活している場合にも、そのまま触媒成分を脱水して酸無水物に再生する場合には、水を除かなければないという問題がある。
そこで本発明者は、触媒とアミド化合物、未反応のオキシム化合物を分離する方法について鋭意検討をおこなった結果、反応液から、アミド化合物、未反応のオキシム化合物と、触媒成分を分離して、アミド化合物を得る方法を見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、オキシム化合物を、有機溶媒中で、酸無水物を含む触媒成分を添加して転位させてアミド化合物を製造する方法において、転位反応後、反応液を中和も洗浄もすることなく触媒成分とアミド化合物とを分離することを特徴とするアミド化合物の製造方法に存する。
【0006】
本発明の好適な態様としては、触媒が失活していない状態で触媒成分とアミド化合物とを分離すること、分離が晶析であること、晶析分離後、分離された触媒成分を転位工程に循環することが挙げられ、酸無水物が強酸無水物であるか、カルボン酸ならびに強酸および/または強酸無水物であること、オキシム化合物が炭素数8以上の環状オキシム化合物であることが挙げられる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細について説明する。
<オキシム化合物>
本発明のベックマン転位反応で使用される原料のオキシム化合物は、何ら制限されることなく、公知のオキシム化合物が適用される。オキシム化合物として具体的には、シクロヘキサノンオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロドデカノンオキシム、アセトンオキシム、2−ブタノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム、4'ヒドロキシアセトフェノンオキシム等の炭素数2〜20、好ましくは炭素数3〜13のオキシム化合物が挙げられる。中でもシクロヘキサノンオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロウンデカノンオキシム、シクロドデカノンオキシム等の炭素数4〜20、好ましくは炭素数8以上の環状オキシム化合物が用いられ、特にシクロウンデカノンオキシム、シクロドデカノンオキシムが晶析分離しやすいため好適である。
【0008】
<触媒成分>
本発明のベックマン転位反応で使用される触媒成分は、酸無水物を含む触媒成分であれば特に限定されるものではないが、通常、水との反応性が高く、容易に加水分解して強酸を生ずる酸無水物を用いる。なお、該強酸としては特に限定されないが、pKa4以下の強酸が好ましい。
酸無水物を含む触媒成分としては具体的には、(1) 加水分解により強酸を生ずる酸無水物、(2) カルボン酸無水物ならびに強酸および/または強酸無水物が挙げられる。以下、(1)および(2)のそれぞれにつき説明する。
(1) 加水分解により強酸を生ずる酸無水物
加水分解により強酸を生ずる酸無水物とは、強酸と強酸の無水物、強酸と弱酸の無水物のいずれでもよい。具体的には、芳香族スルホン酸無水物、脂肪族スルホン酸無水物等のスルホン酸無水物や、トリフルオロメタンスルホン酸無水物等の含フッ素酸無水物、燐酸の無水物である五酸化燐、過レニウム酸の無水物である七酸化レニウム、燐酸と硼酸の無水物である燐酸硼素、硫酸半エステルの無水物等がより好ましく例示され、これらの混合酸無水物でもよい。ここで硫酸半エステルの無水物とは、一般式R−OSO2−O−OSO2−R'(但しRおよびR'は、同一でも異なっても良い炭素数1〜20好ましくは1〜10の脂肪族基または炭素数6〜20好ましくは6〜10の芳香族基であり、ハロゲンを含んでも良いが、通常アルキル基である。また、RとR'とが閉環してもよい)により示される化合物である。
これらの中でも、工業的に安価に入手し易いという意味では、非含フッ素スルホン酸無水物や五酸化燐等が好ましく、さらに取り扱い易いという意味では、非含フッ素スルホン酸無水物が好ましい。非含フッ素スルホン酸無水物としては特に限定されるものではなく、芳香族スルホン酸無水物、鎖状または環状の脂肪族スルホン酸無水物等を用いることができる。芳香族スルホン酸無水物は、通常炭素数6〜20好ましくは炭素数6〜10であって、芳香環に置換基を有していても良い。脂肪族スルホン酸無水物は、通常炭素数1〜20好ましくは炭素数1〜10であって、置換基を有していても良い。ここで、置換基とは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、Cl、Br等のハロゲン原子を表す。
【0009】
具体的な化合物としてはベンゼンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物、m−キシレン−4−スルホン酸無水物、p−ドデシルベンゼンスルホン酸無水物、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸無水物、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸無水物、4−クロロベンゼンスルホン酸無水物、α−ナフチルスルホン酸無水物、β−ナフチルスルホン酸無水物、ビフェニルスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物、エタンスルホン酸無水物、プロパンスルホン酸無水物、1−ヘキサンスルホン酸無水物、1−オクタンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸とメタンスルホン酸との混合酸無水物等が挙げられ、中でもp−トルエンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物が好ましい。
【0010】
加水分解により強酸を生ずる酸無水物の量は、特に制限されるものではないが、一般には、原料オキシムに対して約0.1〜20モル%、好ましくは0.3〜15モル%、更に好ましくは0.5〜10モル%の範囲で用いられる。この範囲を超えて少な過ぎると十分な触媒活性が得られず、他方、過多にすぎると転位反応後の触媒処理に要する負荷が多くなりいずれも好ましくない。
【0011】
(2) カルボン酸無水物ならびに強酸および/または強酸無水物
また、酸無水物として、カルボン酸無水物ならびに強酸および/または強酸無水物を用いる場合には、カルボン酸無水物としては、特に限定されるものではないが、例えば置換基を有していても良い炭素数1〜20、好ましくは1〜8の脂肪族カルボン酸無水物、置換基を有していてもよい炭素数6〜12の芳香族カルボン酸無水物を使用することができる(ここで、置換基とは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、Cl、Br、F等のハロゲン原子を表す)。カルボン酸の価数は特に限定されないが、好ましくは一価である。具体的な化合物としては、無水酢酸、プロピオン酸無水物、n−酪酸無水物、n−吉草酸無水物、n−カプロン酸無水物、n−ヘプタン酸無水物、2−エチルヘキサン酸無水物、安息香酸無水物、フタル酸無水物、マレイン酸無水物、コハク酸無水物等が挙げられるが、中でも低沸点化合物の無水酢酸、プロピオン酸無水物が本発明では好ましい。
【0012】
本発明におけるカルボン無水物の使用量は、特に制限されるものではないが、一般には、上述したスルホン酸およびこれらの酸無水物からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物に対して約0.5〜200モル倍、好ましくは1.0〜100モル倍、更に好ましくは2.0〜50モル倍の範囲で用いられる。この範囲を越えて少なすぎると十分な触媒活性が得られず、他方、過多にしすぎると転位反応後の触媒分離に要する負荷が多くなりいずれも好ましくない。
強酸および/または強酸無水物における強酸無水物は強酸と弱酸の無水物でも強酸と強酸の無水物のいずれでもよい。強酸および/または強酸無水物としては、スルホン酸および/またはその酸無水物から選ばれる化合物が好ましい。スルホン酸および/またはその酸無水物から選ばれた化合物は特に限定されるものではなく、置換基を有していても良い炭素数6〜20、好ましくは6〜10の芳香族スルホン酸、置換基を有していても良い炭素数1〜20、好ましくは1〜10の脂肪族スルホン酸およびこれらの酸無水物を使用することができる(ここで、置換基とは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、Cl、Br、F等のハロゲン原子を表す)。これらの中、より好ましくは非含フッ素スルホン酸及びその無水物である。
【0013】
具体的な化合物としてはベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸・一水和物、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、4−フルオロベンゼンスルホン酸、α−ナフチルスルホン酸、β−ナフチルスルホン酸、ビフェニルスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸およびこれらの酸無水物または混合酸無水物等が挙げられ、中でもメタンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸およびこれらの酸無水物または混合酸無水物が好ましく、特にメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸およびこれらの酸無水物が好ましい。なお、トリフロロメタンスルホン酸およびその酸無水物等の含フッ素強酸化合物も転位反応を良好に進行させる化合物ではあるが、含フッ素強酸化合物は極めて高価であるため、経済的な工業製造法を確立するためには高度な該含フッ素強酸化合物の回収技術ならびに再使用技術の確立が求められる。
【0014】
本発明における強酸および/または強酸無水物から選ばれた化合物の使用量は、特に制限されるものではないが、一般には、原料オキシムに対して約0.1〜20モル%、好ましくは0.3〜15モル%、更に好ましくは0.5〜10モル%の範囲で用いられる。この範囲を越えて少なすぎると十分な触媒活性が得られず、他方、過多にすぎると転位反応後の触媒処理に要する負荷が多くなりいずれも好ましくない。
【0015】
<溶媒>
本発明の転位反応に使用することが出来る溶媒としては、通常炭素数1〜20の有機溶媒を用いる。転位反応を阻害するものでなければ特に限定されない。例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−ドデカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、モノクロロベンゼン、メトキシベンゼン等の芳香族炭化水素化合物、アセトニトリル、プロパンニトリル、カプロニトリル、アジポニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリル等のニトリル化合物、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、マロン酸ジメチル、コハク酸ジメチル等のエステル化合物、N,N―ジメチルホルムアミド、N,N,N‘,N’テトラメチル尿素等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類を挙げることができ、これらは単独でも混合しても使用することが出来る。
これらの溶媒の中でも、触媒が溶解していないと反応速度が低下することがあるため、反応条件において触媒を溶解させる溶媒がより好ましい。
【0016】
溶媒の使用量は特に限定されないが、通常、オキシム化合物に対して、1重量倍から100重量倍、好ましくは2重量倍から10重量倍の量を用いることができる。
【0017】
<転位反応条件>
本発明方法を実施する条件としては特に規定されないが、反応温度は通常0℃から200℃、好ましくは40℃から150℃、更に好ましくは50℃から130℃の範囲で実施される。
反応圧力も特に制限されるものでなく、減圧、常圧、加圧条件下で実施でき、通常常圧下で実施する。
反応時間或いは反応基質の反応器中の滞留時間は、通常10秒〜10時間であり、好ましくは1分〜7時間である。
本発明では酸無水物と原料オキシム化合物を如何なる順序で混合しても転位反応は進行する。例えば、原料オキシムを有機溶媒に混合し、所定温度に達した後、酸無水物を添加してもよいし、酸無水物を有機溶媒に混合した混合物、あるいはこれらの混合物に更に少量の原料オキシム化合物を加えた混合物を所定の温度に加熱し、次いで原料オキシム化合物の溶解した原料液を一括添加してもよいし、逐次的に供給して反応を開始してもよい。
原料オキシム化合物は、溶媒の一部に溶解して反応に供することもできるし、溶解させずにそのまま添加することも出来る。
【0018】
<転位反応形式>
本発明の反応を実施する反応形式は特に規定されるものではなく、回分反応、連続流通反応のいずれでも実施することができるが、工業的には連続流通反応形式を用いるのが好ましい。反応器の形式については特に制約はなく、1槽あるいは2槽以上の連続した攪拌槽からなる反応器や、チューブラー型反応器等、一般的な反応器を使用することができる。また、本発明で使用される無水物は、反応液中に含まれる水により加水分解して酸が生ずるため反応器材質は耐腐食性材質のものを用いるのが好ましく、例えばステンレス鋼、ハステロイ、モネル、インコネル、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、タンタル、又はフッ素樹脂、各種ガラスを内側にコーテイングした材料などが例示できる。
【0019】
<転位反応方法>
本発明の反応方法は特に限定されないが、例えばバッチでも連続でもよく、工業的には連続反応で行うのが好ましい。
連続流通反応の場合の具体例とては、十分に乾燥処理した反応器に本発明の触媒成分を溶解させた触媒液を仕込み所定温度に維持する。これに原料オキシム化合物を溶解させた溶媒とともに連続的に供給して所望の滞留時間の間に反応させ、同時に生成したアミド化合物、未反応オキシム化合物および触媒成分、更には溶媒を含む反応混合物を連続的に取り出す。
【0020】
<反応混合物>
取り出した反応混合物は、軽沸生成物、溶媒、目的生成物であるアミド化合物、未反応オキシム、触媒成分を含む。
【0021】
<触媒成分とアミド化合物との分離>
本発明方法では、転位反応後、反応液を中和も洗浄もすることなく触媒成分とアミド化合物とを分離する。中和も洗浄もすることなく分離することにより、アミド化合物を簡便に触媒成分から分離でき、触媒の再生も容易となる。
なお、本発明において中和とは存在する酸と等量以上の塩基を添加することをいい、洗浄とは反応混合液に対して水を30重量%以上添加することをいう。
分離されたアミド化合物は必要であればさらに精製をおこなうことにより純度の高いアミド化合物を得ることができ、触媒成分については、必要があれば酸型のまま再生工程に導くことができるし、場合によっては中和工程を経て再生工程に導くこともできる。アミド化合物と分離後の触媒成分は、分離後に中和工程があっても、多量のアミド化合物を含有しないので容易に中和を行うことが出来る。
【0022】
本発明の方法によれば、アミド化合物、未反応のオキシム化合物と触媒成分を分離する工程は、触媒が失活したあとの反応液でも、触媒が失活していない反応液からでもよい。
触媒が全て失活している場合には、アミド化合物、未反応のオキシム化合物を分離した後の触媒成分は、触媒の再生工程に導くことができる。
また、触媒が失活していない場合には、アミド化合物、未反応のオキシム化合物を分離した後の触媒成分を含有する母液は、触媒の再生工程に導くこともできるし、再生工程に導かずにそのまま転位工程にリサイクルすることもできる。反応液中の触媒に対するアミド化合物の存在量が多すぎると、反応基質によってはアミド化合物が触媒を失活させる作用を有したり、あるいは反応基質であるオキシム化合物と触媒との効率的な接触が阻害されると予想される。したがって、反応生成物が触媒に対して過度に存在しないように、反応系を維持して運転することが望ましく、例えば、反応液の触媒に対するアミド化合物の存在量を、モル比で40以下、中でも30以下にするのが好ましい。
そして、未反応のオキシム化合物が残留しないベックマン転位反応条件が選ばれていれば、未反応オキシム化合物を分離しなくて良いので、触媒成分と目的アミド化合物のみを分離すればよい。
<分離方法>
転位反応液から、溶媒、アミド化合物、未反応のオキシム化合物と触媒成分を分離する方法としては、蒸留、晶析、抽出等の、公知のいずれの方法でも採用することができるが、操作が簡便で、設備が簡易である点で晶析が好ましい。
晶析による場合には、反応に用いた溶媒をそのまま用いることもできるし、反応に用いた溶媒を一部または全部留去し、別のトルエン等の溶媒を添加後、晶析をおこなってもよい。
【0023】
晶析の際の溶媒の使用量は特に制限されるものではないが、通常、上記アミド化合物及び未反応のオキシム化合物の合計重量に対し、通常、0.5倍から20倍、好ましくは1倍から10倍の範囲で用いられる。
【0024】
晶析操作においては、晶析温度はいずれでもよく、通常、用いる溶媒の融点から沸点までの温度が用いられるが、―10℃から常温の間の温度が好ましい。アミド化合物及び未反応オキシム化合物と、触媒成分との分離は、通常の常圧濾過や減圧濾過、加圧濾過等公知の方法を用いることができる。
失活していない触媒成分を含む反応液から触媒成分とアミド化合物及び未反応オキシム化合物を分離したあとの触媒溶液をそのまま転位工程に戻す場合には、水分により触媒が失活するので、これらの分離操作は、乾燥雰囲気下で行う、若しくは乾燥させたシリンジなどで触媒成分の溶解した溶液を採取する、などの方法により水分を混入させないことが好ましい。また、触媒が失活していて触媒の再生が必要な場合にも、上記のような方法で、触媒溶液への水分の混入を防ぐことが好ましい。
晶析効率を上げるために、水を貧溶媒として使用する場合には、水の量は転位反応液に対して30重量%以下、水の分離操作の負担を考慮するならば20重量%以下、好ましくは15重量%以下とする。
【0025】
<触媒成分の再生、リサイクル>
分離された触媒成分は、溶媒に溶解させた状態でそのまま反応系に再循環することが可能であるが、酸無水物に転換する必要がある場合には、温和な条件で例えば、スルホン酸の場合には、発煙硫酸、五酸化二燐、縮合燐酸、無水酢酸等の脱水剤との接触で容易に脱水して、スルホン酸無水物に変換することが可能であり、転位工程に再循環することが可能である。
また、アミド化合物と分離されたあとの触媒成分は、中和工程、酸への再生のうち必要な工程を選び、それを経て酸無水物へ再生する事も可能である。
【0026】
<オキシム化合物およびアミド化合物>
分離されたアミド化合物およびオキシム化合物は、蒸留、抽出、晶析分離等の各種分離操作により、アミド化合物とオキシム化合物とに分離する。目的アミド化合物はさらに、蒸留、晶析等の方法で精製することにより、さらに高純度品を得ることができる。
【0027】
本発明の反応形式及び後処理工程につき、以下に本発明の連続流通反応の例を挙げて具体的に述べる。
十分に乾燥処理した反応器に本発明の酸無水物を溶解させた触媒液を仕込み所定温度に維持する。これに原料オキシム化合物を連続的に供給して所望の滞留時間の間に反応させ、同時に生成したアミド化合物、未反応オキシム化合物および触媒成分、更には溶媒を含む反応混合物を連続的に取り出す。
【0028】
取り出した反応混合物は、溶媒、目的アミド化合物、未反応オキシム、触媒成分を含む。これらは晶析によりアミド化合物及び未反応オキシム化合物と、溶媒に溶解した触媒成分に分離する。分離された触媒成分は溶媒に溶解した状態でそのまま転位工程に循環させることも可能であるが、酸無水物に変換する必要がある場合には、温和な条件で例えば、スルホン酸の場合には、発煙硫酸、五酸化二燐、縮合燐酸、無水酢酸等の脱水剤との接触で容易に脱水して、スルホン酸無水物に変換することが可能であり、再生されたスルホン酸無水物は転位工程に再循環することが可能である。
また、酸無水物に変換する際に必要に応じて、中和、酸への再生工程を採用することもできる。
【0029】
アミド化合物及び未反応のオキシム化合物は、蒸留、抽出、晶析分離等の各種分離操作により、アミド化合物と未反応のオキシム化合物とに分離する。未反応のオキシム化合物が残留しないベックマン転位反応条件が選ばれていれば、未反応オキシム化合物を分離しする必要はない。目的アミド化合物はさらに、蒸留、晶析等の方法により、精製することによりさらに高純度品を得ることができる。
【0030】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の例においてラクタム収率は、仕込みオキシムに対するモル%で表し、TON値(Turn Over Number)は仕込みのスルホン酸無水物に対する生成ラクタムのモル数で表した。
また、ラクタム収率及びTONは1H−NMRにより求めた。不溶の触媒が存在したり、溶解している触媒量が不明な場合は内部標準としてジクロロメタンを用い、ラクタムのN−HまたはC=Oに隣接したメチレン(CH2)の積分比(2H分)とのジクロロメタンのプロトンとの積分比(2H)から換算して求めた。触媒が全て溶解していて触媒量がわかっている場合には、p−トルエンスルホン酸のベンゼン核の水素(2H)を基準にラクタムの生成量を求めた。触媒量を定量する場合にも内部標準としてジクロロメタンを用いた。
なお、本発明方法では、酸無水物を用いるが、反応中酸無水物は次第に分解し、対応する酸または酸成分を含む誘導体に変化することが1H−NMR分析によりわかった。
【0031】
参考例(シクロドデカノンオキシムの合成)
シクロドデカノンオキシムは市販品がないので、合成した。合成法の一例を下記に示す。
メカニカルスターラーと温度計を備えた4つ口にフラスコにシクロドデカノン19.04g(0.104mol)を仕込み、エタノール164gを加えて室温で攪拌し、溶解させた。酢酸ナトリウム18.07g(0.220mol)、ヒドロキシルアミン硫酸塩10.67g(0.0650mol)を52mlの水に溶解させた水溶液を、シクロドデカノンオキシムのエタノール溶液に十分な攪拌下室温で滴下した。滴下中33℃まで反応液の温度が上昇した。室温でさらに3時間充分に攪拌を行ったのち、1H−NMR分析でシクロドデカノンの残留がないことを確認後、エタノールを40℃で減圧下留去した。195mlの水を添加し、白色固体を洗浄、濾過したのち、さらに400mlの水で水洗した。この白色固体に脱塩水を加え、90℃加熱攪拌後濾過し、さらに90℃の脱塩水で洗浄した。洗浄された白色固体にエタノールを加え加熱溶解後、熱濾過したのちに、エタノール(300g)−水(112g)の混合溶媒から再結晶し、減圧濾過した。さらに減圧濾過しながら、エタノール(74g)−水(28g)の0℃の混合溶媒で結晶を洗浄してシクロドデカノンオキシムの結晶を得た。この結晶をさらに減圧乾燥して、以下の反応に用いた。尚、この方法によれば、仕込みのシクロドデカノンに対し、90mol%前後の収率でシクロドデカノンオキシムが得られる。
【0032】
実施例1
アルゴン雰囲気下で、70℃の乾燥機で乾燥した50mlの丸底フラスコに、減圧乾燥により水分含有量を0.07wt%に低下させた、シクロドデカノンオキシム10.0290g(50.82mmol)及び予めモレキュラーシーブ3Aで乾燥したトルエン40.1g(水分含量0ppm)を仕込んだ。アルゴン雰囲気下、95℃に加熱してシクロドデカノンオキシムが溶解した後、p−トルエンスルホン酸無水物0.2219g(0.6800mmol)と上記トルエン4.2gを混合したもの(大部分のp−トルエンスルホン酸無水物はトルエンに溶解していない)を加え、引き続き95℃に加熱攪拌しベックマン転位反応を行った。 反応条件下でも、大部分のp−トルエンスルホン酸無水物は溶媒に溶解せずに溶媒中に分散していた。p−トルエンスルホン酸無水物を添加後、6分後から緩やかな発熱が観測され、16分〜55分までは97℃を保ち、その後96℃まで低下した。
反応液を熱溶液のままサンプリングし、1H-NMRで分析した。その結果、3時間45分後のTONは41であり、6時間にもサンプリングを行ったが、TONは39であった。
このとき、反応前の、仕込みのオキシムと溶媒に含有される水分の、p―トルエンスルホン酸無水物に対する水のモル比は0.6であった。
この反応液を2週間密封保存したのち、以下の晶析操作を行った。晶析に用いた反応液は仕込みの反応液の99.3%に相当し、1H-NMRの分析結果によれば、未反応のシクロドデカノンオキシムを23.9mmol、ω−ラウリンラクタムを26.6mmol、p−トルエンスルホン酸を1.4mmol含有していた。この反応液を、室温まで冷却後、減圧濾過して結晶と濾液を分離し、少量の0℃に冷却したトルエンで結晶を洗浄した。このとき、得られた結晶の重量は6.65g、濾液は、50.1gであった。この濾液を冷蔵庫にいれて2日間0℃に放置した。析出した結晶を同様に減圧濾過して濾液と分離した。この時の結晶は1.555g、濾液は46.31gであった。
これらの結晶及び濾液を分析したところ、得られた結晶中にω−ラウリンラクタムが21.8mmol、未反応のシクロドデカノンオキシムが17.3mmol、p−トルエンスルホン酸は0.08mmol検出された。
また、濾液中には、ω−ラウリンラクタムが3.9mmol、未反応のシクロドデカノンオキシムが4.3mmol、p−トルエンスルホン酸が1.4mmol含まれることがわかった。
この段階で、晶析仕込みに対して、ω−ラウリンラクタムが結晶中に82%回収され、未反応のシクロドデカノンオキシムが72%回収された。
さらに、この濾液をトルエンが10gになるまで濃縮し、再度0℃で晶析をおこなったところ、得られた結晶中にω−ラウリンラクタム1.5mmol、未反応のシクロドデカノンオキシムが2.2mmol、p−トルエンスルホン酸が0.01mmol結晶中に回収された。これらの一連の晶析操作により、晶析仕込みに対してω−ラウリンラクタムが88%、未反応のシクロドデカノンオキシムが82%回収された。結晶中へのp―トルエンスルホン酸の混入は晶析仕込みの6.4%であった。
【0033】
実施例2
トルエンのかわりに、同様に脱水した、水分量0.004wt%のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を用いた以外は実施例2と同様の方法で、シクロドデカノンオキシムのベックマン転位反応を行った。p−トルエンスルホン酸無水物はDMFに溶解してシクロドデカノンオキシムのDMF溶液に添加した。添加直後に反応液の温度が120℃まで上昇し、その後除々に低下し、40分経過以降は96℃一定の温度となった。
反応液を熱溶液のままサンプリングし、1H-NMRで分析した。その結果、30分後のω−ラウリンラクタムの収率は80.2%、TON値は59であった。2時間45分、3時間50分にもサンプリングしたが、TONは57であり殆ど変化しなかった。
このとき、反応前の、仕込みのオキシムと溶媒に含有される水分の、p―トルエンスルホン酸無水物に対する水のモル比は0.6であった。
この反応液は仕込みの反応液の98.3%に相当し、1H-NMRの分析結果によれば、未反応のシクロドデカノンオキシムを11.3mmol、ω−ラウリンラクタムを38.8mmol、p−トルエンスルホン酸を1.4mmol含有していた。この反応液をとりだし、室温まで冷却後、減圧濾過して結晶と濾液を分離し、少量の0℃に冷却したDMFで結晶を洗浄した。このとき、得られた結晶の重量は1.59g、濾液は、50.66gであった。この濾液を冷蔵庫にいれて2日間0℃に放置した。析出した結晶を同様に減圧濾過して濾液と分離した。この時の結晶は3.1g、濾液は45.05gであった。
これらの結晶及び濾液を分析したところ、得られた結晶中にω−ラウリンラクタムが17.3mmol、未反応のシクロドデカノンオキシムが4.2mmol、p−トルエンスルホン酸が0.02mmol含まれることがわかった。また、濾液中には、ω−ラウリンラクタムが9.6mmol、未反応のシクロドデカノンオキシムが15.1mmol、p−トルエンスルホン酸が1.4mmol含まれることがわかった。
この段階で、晶析仕込みに対して、ω−ラウリンラクタムが結晶中に約45%回収され、未反応のシクロドデカノンオキシムが約37%回収された。
さらに、この濾液をDMFが5.7gになるまで濃縮し、トルエンを4.0g添加したのち再度0℃で晶析をおこなったところ、得られた結晶中にω−ラウリンラクタム6.7mmol、未反応のシクロドデカノンオキシムが4.2mmol検出され、p−トルエンスルホン酸は検出されなかった。この一連の晶析操作により、晶析仕込みに対してω−ラウリンラクタムが62%、未反応のシクロドデカノンオキシムが74%回収された。結晶中へのp―トルエンスルホン酸の混入は晶析仕込みの1.5%であった。
【0034】
実施例3
アルゴン雰囲気下で、70℃の乾燥機で乾燥した50mlの丸底フラスコ(反応器1)に、減圧乾燥により水分含有量を0.07wt%に低下させた、シクロドデカノンオキシム5.0486g(25.59mmol)及び予めモレキュラーシーブ3Aで乾燥したDMF42.7g(水分含量0.004%)を仕込んだ。アルゴン雰囲気下、95℃に加熱してシクロドデカノンオキシムが溶解した後、p−トルエンスルホン酸無水物0.227g(0.6955mmol)を上記DMF2.6gに溶解した溶液を加え、30分加熱攪拌しベックマン転位反応を行った。p−トルエンスルホン酸無水物添加直後に122℃まで反応温度が上昇し、その後除々に反応温度は低下し、12分後には96.5℃に低下しそのま30分後までその温度を保持した。
この反応液を氷浴につけ、結晶を析出させたのち、70℃の乾燥機で乾燥したシリンジを用いて大部分の溶液成分を取り出した。
アルゴン雰囲気下で、別の70℃の乾燥機で乾燥した50mlの丸底フラスコ(反応器2)に、減圧乾燥により水分含有量を0.07wt%に低下させた、シクロドデカノンオキシム5.0549g(25.62mmol)を仕込み、シリンジで反応器1から採取した溶液成分を反応器2に仕込んだ。このとき、反応器1から反応器2へ移送された溶液は、33.35gであり、シリンジ内に残留した溶液は2.20gであった。
反応器2を引き続きアルゴン雰囲気下で、95℃に加熱攪拌し、ベックマン転位反応を行った。各反応器の成分を1H-NMRで分析した結果、反応器1で生成したω−ラウリンラクタムは、25.59mmol(TON=39)、反応器2で新たに生成したω−ラウリンラクタムは、2.4mmol(TON=5)であり、トータルのω−ラウリンラクタムのTON=44であった。
また、反応器1に残留した結晶中に含まれる、ω−ラウリンラクタムは11.6mmolであり、生成した成分のうち45%が結晶中に回収された。また、触媒成分であるp−トルエンスルホン酸は同じ結晶中に0.21mmol(仕込みの15%の成分)が結晶中に含有されており、大部分の触媒成分は反応器2に移送され、反応器2でもベックマン転位反応が進行したことがわかった。
なお、反応前の、仕込みのオキシムと溶媒に含有される水分の、p―トルエンスルホン酸無水物に対する水のモル比は0.6であった。
【0035】
【発明の効果】
本発明方法によれば、オキシム化合物から温和な反応条件下で高収率でアミド化合物を製造でき、アミド化合物と触媒の分離が容易であり、工業的に有利な方法である。
Claims (7)
- オキシム化合物を、有機溶媒中で、酸無水物を含む触媒成分を添加して転位させてアミド化合物を製造する方法において、転位反応後、反応液を中和も洗浄もすることなく触媒成分とアミド化合物とを分離することを特徴とするアミド化合物の製造方法。
- 触媒が失活していない状態で触媒成分とアミド化合物とを分離する、請求項1に記載のアミド化合物の製造方法。
- 分離が晶析分離である請求項1または2に記載のアミド化合物の製造方法。
- 晶析分離後、分離された触媒成分を転位工程に循環する請求項3に記載のアミド化合物の製造方法。
- 酸無水物が強酸無水物であることを特徴とする請求項1〜4に記載のアミド化合物の製造方法
- 酸無水物がカルボン酸無水物ならびに強酸および/または強酸無水物であることを特徴とする請求項1〜4に記載のアミド化合物の製造方法
- オキシム化合物が、炭素数8以上の環状オキシム化合物である請求項1〜6のいずれか一項に記載のアミド化合物の製造方法。
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