JP2003128648A - アミド化合物の製造方法 - Google Patents

アミド化合物の製造方法

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JP2003128648A JP2001318977A JP2001318977A JP2003128648A JP 2003128648 A JP2003128648 A JP 2003128648A JP 2001318977 A JP2001318977 A JP 2001318977A JP 2001318977 A JP2001318977 A JP 2001318977A JP 2003128648 A JP2003128648 A JP 2003128648A
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Yuji Kawaragi
裕二 河原木
Naoko Fujita
直子 藤田
Katsu Fujii
克 藤井
Toru Setoyama
亨 瀬戸山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】触媒的液相ベックマン転位反応後、反応混合物
中のアミド化合物脱水2量体とスルホン酸から成る不活
性触媒種を効率的にアミド化合物に変換させる方法を提
供する。 【解決手段】少なくとも酸無水物から選ばれる酸成分及
びN,N−二置換アミド化合物から調製された触媒を含
む液相中で、オキシム化合物を転位させてアミド化合物
を製造する方法において、生成アミド化合物の脱水2量
体と酸成分由来の酸とからなる不活性触媒種を含む反応
混合物を、該反応混合物中のアミド化合物脱水2量体に
対して1000モル以下0.1モル以上のプロトン性化
合物で処理することよりなるアミド化合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアミド化合物の製造
方法に関する。詳しくは、液相中で触媒の存在下にオキ
シムのベックマン転位反応を行うことによりアミド化合
物を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、工業的に行われているアミド
化合物の製造方法としては、オキシム化合物をベックマ
ン転位反応させてアミド化合物に変換させる方法が知ら
れており、例えば、ε−カプロラクタムはシクロヘキサ
ノンオキシムのベックマン転位反応により製造されてい
る。かかるベックマン転位反応は、現在、工業的には濃
硫酸または発煙硫酸のような強酸を触媒として用いた液
相反応が採用されている。しかしながら、この公知の方
法では、生成したラクタム化合物の分離のために、通
常、硫酸をアンモニアで中和する必要があり、前記ラク
タム化合物の約2倍量の硫酸アンモニウム(硫安)が副
生すること、および大量の強酸を用いるために反応装置
の腐食などの問題があり、必ずしも経済的な方法とは言
えず、効率的な転位反応用触媒の開発が期待されてい
る。
【0003】そこで、硫酸触媒を使用しない液相でのベ
ックマン転位反応に関し、種々の検討が行なわれてき
た。例えば、均一触媒を用いた液相でのシクロヘキサノ
ンオキシムのベックマン転位反応では、N,N−ジメチ
ルホルムアミドとクロルスルホン酸の反応で得られるイ
オン対(ビスマイヤー錯体)を触媒とする方法(M.A.Ki
ra and Y.M.Shaker ,Egypt. J.Chem.,16,551(1973))、
エポキシ化合物と強酸(三フッ化ホウ素・エーテラート
等)から生成するアルキル化剤とN,N−ジアルキルホ
ルムアミドから成る触媒を用いる方法(Y.Izumi,Chemis
try Letters,pp.2171(1990))、シクロヘキサノンオキシ
ムをヘプタン溶媒中でリン酸或いは縮合性リン酸化合物
を用いて転位させる方法(特開昭62−149665号
公報)、五酸化リンおよびN,N−ジアルキルホルムア
ミド等の化合物から成る触媒を用いる方法(特許265
2280号)、五酸化リンおよび含フッ素強酸あるいは
その誘導体とN,N−ジアルキルホルムアミド等の化合
物から成る触媒を用いる方法(特開平5−105654
号公報)等が提案されている。
【0004】しかしながら、これらの触媒系を使用して
シクロヘキサノンオキシムを液相でベックマン転位反応
させε−カプロラクタムを製造する方法は、工業的な製
造方法としては必ずしも満足し得るものではない。具体
的には、上述したビスマイヤー錯体を触媒とするシクロ
ヘキサノンオキシムのベックマン転位反応では、生成ラ
クタムと触媒が1:1の錯体を形成するため、原料オキ
シムと等モルの触媒を必要とするために経済的な工業製
造法とは云えない。また、エポキシ化合物と強酸から生
成するアルキル化剤とN,N−ジアルキルホルムアミド
から成る触媒を用いる方法は、従来の硫酸を触媒とする
等量反応とは異なり、反応が触媒的に進行する新しい転
位方法を開示しているが、アルキル化剤を生成するため
にジメチル硫酸やエピクロルヒドリン等の毒性化合物を
用いる場合があることから、操作性の観点で工業的には
必ずしも満足し得る方法ではない。更に、特開昭62−
149665号公報で開示されているリン酸或いは縮合
リン酸を触媒とする方法では、原料オキシム1モルに対
して約2倍モルもの大量のリン酸触媒を用いる必要があ
るために、反応後のアンモニアによる触媒中和工程に多
大な負荷がかかるために経済的な工業製造法とは云えな
い。
【0005】また、上記した特開平5−105654号
公報(対応USP5254684)で開示されている五酸化リンお
よび含フッ素強酸あるいはその誘導体とN,N−ジアル
キルホルムアミド等の化合物から成る触媒を用いる方法
では、比較的高い触媒活性を示すものの、単位触媒モル
あたりのカプロラクタム生成モル数(Turn Over Numbe
r:TON)は高価な含フッ素強酸あるいはその誘導体を用
いているがために工業的に満足のいく性能ではなかっ
た。一方、本発明者らは、先にスルホン酸又はスルホン
酸無水物から選ばれた化合物を含む酸成分とN,N−二
置換アミド化合物を含む高触媒活性を示す触媒系を提案
したが、このような触媒系を用いた場合の反応生成物中
には、生成したアミド化合物の一部が脱水縮合したアミ
ド化合物2量体とスルホン酸とから成る不活性触媒種が
生成することが判明し、このような不活性触媒種の生成
が、所望のアミド化合物の収率の低下をもたらす事を見
出した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オキシム化
合物の触媒的ベックマン転位反応後、反応混合物中に含
まれる生成アミド化合物の脱水2量体と触媒酸成分の酸
とから成る不活性触媒種のアミド化合物脱水2量体を効
率的にアミド化合物に変換させることで、目的アミド化
合物の収率を高める方法を提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題に
鑑み、触媒的ベックマン転位反応後の反応混合物中にお
けるアミド化合物脱水2量体と酸とから成る不活性触媒
種の挙動並びに該アミド化合物脱水2量体を効率的にア
ミド化合物に変換させる方法について鋭意検討した結
果、本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、少なく
とも酸無水物から選ばれる酸成分及びN,N−二置換ア
ミド化合物から調製された触媒を含む液相中で、オキシ
ム化合物を転位させてアミド化合物を製造する方法にお
いて、生成アミド化合物の脱水2量体と酸成分由来の酸
とからなる不活性触媒種を含む反応混合物を、反応混合
物中の該アミド化合物脱水2量体に対して1000モル
以下0.1モル以上のプロトン性化合物で処理すること
を特徴とするアミド化合物の製造方法に存する。
【0008】本発明の好適な態様としては、上記アミド
化合物の製造方法において、該プロトン性化合物を反応
混合物中の該不活性触媒種のアミド化合物脱水2量体に
対して100モル以下0.5モル以上使用すること、該
プロトン性化合物が水であり、処理は30℃から150
℃で行われることが挙げられる。又、上記アミド化合物
の製造方法において転位反応触媒である酸無水物が、強
酸無水物であってスルホン酸無水物、例えば芳香族スル
ホン酸無水物または脂肪族スルホン酸無水物、なかでも
非含フッ素スルホン酸無水物であることが挙げられ、特
にp−トルエンスルホン酸無水物またはメタンスルホン
酸無水物が挙げられ、酸成分は、カルボン酸無水物とス
ルホン酸及び/又はその無水物を含んでいることも出来
る。プロトン性化合物による処理は、反応混合物からN,
N−二置換アミド化合物を蒸留分離した反応残液に対し
行うこともできる。更に、N,N−二置換アミド化合物
がN,N−ジメチルホルムアミド化合物であること及び
オキシム化合物がシクロヘキサノンオキシムで、アミド
化合物がε−カプロラクタムであることを挙げることが
できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について説明
する。 《オキシム化合物》本発明のベックマン転位反応で使用
される原料のオキシム化合物は何ら制限されることなく
公知のオキシム化合物が適用される。オキシム化合物と
して具体的には、シクロヘキサノンオキシム、シクロペ
ンタノンオキシム、シクロドデカノンオキシム、アセト
ンオキシム、2−ブタノンオキシム、アセトフェノンオ
キシム、ベンゾフェノンオキシム、4’−ヒドロキシア
セトフェノンオキシム等の炭素数2〜20、好ましくは
3〜13のオキシムが挙げられる。なかでもシクロヘキ
サノンオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロド
デカノンオキシム等の炭素数4〜20、好ましくは5〜
13の環状オキシム化合物が好ましく適用される。
【0010】《触媒成分》本発明のベックマン転位反応
触媒は酸性分とN,N−二置換アミド化合物を含むもの
であり、その酸性分として用いられる酸無水物は特に限
定されるものではないが、水との反応性が高く、容易に
加水分解して強酸を生ずる強酸無水物が好ましい。強酸
無水物としては、芳香族スルホン酸無水物、脂肪族スル
ホン酸無水物等のスルホン酸無水物や、トリフルオロメ
タンスルホン酸無水物等の含フッ素酸無水物、リン酸の
無水物である5酸化リン、過レニウム酸の無水物である
7酸化レニウム等がより好ましく例示される。これらの
中、工業的に安価に入手し易いという意味では、非含フ
ッ素系スルホン酸無水物や5酸化リン等が好ましい。他
の好適な酸性分としては、カルボン酸無水物、好ましく
は無水酢酸に、強酸好ましくはスルホン酸及びその無水
物から選ばれる化合物を併用することが挙げられる。
【0011】本発明の好適に用いられる転位反応触媒成
分は、酸無水物の少なくとも1種を含む酸成分とN,N
−二置換アミド化合物を含むものであり、より好ましい
触媒成分系として(I)スルホン酸およびその酸無水物か
らなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物、カルボ
ン酸無水物およびN,N−二置換アミド化合物、又は(I
I) 非含フッ素スルホン酸無水物およびN,N−二置換
アミド化合物からなるものである。これら触媒成分から
どのような形態の触媒活性種が生成しているかに関して
は、現在のところ明らかではないが、原料のオキシム化
合物が作用して反応が進行することから、原料オキシム
化合物も触媒構成成分の一成分と見なすことが出来る。
【0012】《酸成分》 <触媒成分系(I):スルホン酸及びその酸無水物−カル
ボン酸無水物> <スルホン酸及びその無水物>本発明の触媒成分系(I)
の一成分として用いられるスルホン酸およびその酸無水
物からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物は特
に限定されるものではなく、置換基を有していても良い
炭素数6〜20、好ましくは6〜10の芳香族スルホン
酸、置換基を有していても良い炭素数1〜20、好まし
くは1〜10の脂肪族スルホン酸およびこれらの酸無水
物を使用することができる(ここで、置換基とは炭素数
1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、
炭素数2〜4のアシル基、Cl、Br、F等のハロゲン
原子を表す)。これらの中、より好ましくは非含フッ素
スルホン酸及びその無水物である。
【0013】具体的な化合物としてはベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸
・一水和物、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、2,4
−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベン
ゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、4−
フルオロベンゼンスルホン酸、α−ナフチルスルホン
酸、β−ナフチルスルホン酸、ビフェニルスルホン酸、
メタンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸、エタ
ンスルホン酸、プロパンスルホン酸、1−ヘキサンスル
ホン酸、1−オクタンスルホン酸およびこれらの無水物
等が挙げられ、中でもメタンスルホン酸、トリフロロメ
タンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p
−ドデシルベンゼンスルホン酸およびこれらの無水物が
好ましく、特にメタンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸およびこれらの無水物が好ましい。なお、トリフロ
ロメタンスルホン酸およびその酸無水物等の含フッ素強
酸化合物も転位反応を良好に進行させる化合物ではある
が、含フッ素強酸化合物は極めて高価であるため、経済
的な工業製造法を確立するためには高度な該含フッ素強
酸化合物の回収技術ならびに再使用技術の確立が求めら
れる。
【0014】本発明の触媒成分系(I)におけるスルホン
酸およびその無水物からなる群より選ばれた少なくとも
一種の化合物の使用量は、特に制限されるものではない
が、一般には、原料オキシム化合物に対して約0.2〜
20モル%、好ましくは1.0〜15モル%、更に好ま
しくは2.0〜12モル%の範囲で用いられる。この範
囲を越えて少なすぎると十分な触媒活性が得られず、他
方、過多にすぎると転位反応後の触媒処理に要する負荷
が大きくなりいずれも好ましくない。
【0015】<カルボン酸無水物>本発明の触媒成分系
(I)の一成分として用いられるカルボン酸無水物として
は、特に限定されるものではなく、置換基を有していて
も良い炭素数1〜20、好ましくは1〜8の脂肪族カル
ボン酸無水物、置換基を有していてもよい炭素数6〜1
2の芳香族カルボン酸無水物を使用することができる
(ここで、置換基とは炭素数1〜12のアルキル基、炭
素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、
Cl、Br、F等のハロゲン原子を表す)。カルボン酸
の価数は特に限定されないが、好ましくは一価である。
具体的な化合物としては、無水酢酸、プロピオン酸無水
物、n−酪酸無水物、n−吉草酸無水物、n−カプロン
酸無水物、n−ヘプタン酸無水物、2−エチルヘキサン
酸無水物、安息香酸無水物、フタル酸無水物、マレイン
酸無水物、コハク酸無水物等が挙げられるが、中でも低
沸点化合物の無水酢酸、プロピオン酸無水物が好まし
い。
【0016】本発明におけるカルボン無水物の使用量
は、特に制限されるものではないが、一般には、上述し
たスルホン酸およびこれらの酸無水物からなる群より選
ばれた少なくとも一種の化合物に対して約0.5〜20
0モル倍、好ましくは1.0〜100モル倍、更に好ま
しくは2.0〜50モル倍の範囲で用いられる。この範
囲を越えて少なすぎると十分な触媒活性が得られず、他
方、過多にしすぎると転位反応後の触媒分離に要する負
荷が大きくなりいずれも好ましくない。
【0017】<触媒成分系(II):非含フッ素スルホン酸
無水物>本発明の触媒成分系(II)として用いられる非含
フッ素スルホン酸無水物も特に限定されるものではな
く、芳香族或いは直鎖又は環状の脂肪族スルホン酸無水
物が挙げられ、芳香環に1以上の置換基を有していても
良い炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜10の芳香
族スルホン酸無水物または置換基を有していても良い炭
素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10の脂肪族スル
ホン酸無水物を使用することができる(ここで、置換基
とは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、炭素数2〜4のアシル基、Cl、Br等のハロ
ゲン原子を表す)。
【0018】具体的な化合物としてはベンゼンスルホン
酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物、m−キシレ
ン−4−スルホン酸無水物、p−ドデシルベンゼンスル
ホン酸無水物、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸無
水物、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸無水物、4
−クロロベンゼンスルホン酸無水物、α−ナフチルスル
ホン酸無水物、β−ナフチルスルホン酸無水物、ビフェ
ニルスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物、エタ
ンスルホン酸無水物、プロパンスルホン酸無水物、1−
ヘキサンスルホン酸無水物、1−オクタンスルホン酸無
水物等が挙げられ、中でもp−トルエンスルホン酸無水
物、メタンスルホン酸無水物が好ましい。
【0019】本発明の触媒成分系(II)における非含フッ
素スルホン酸無水物の使用量は、特に制限されるもので
はないが、一般には、原料オキシム化合物に対して約
0.2〜20モル%、好ましくは1.0〜15モル%、
更に好ましくは2.0〜12モル%の範囲で用いられ
る。この範囲を超えて少な過ぎると十分な触媒活性が得
られず、他方、過多にすぎると転位反応後の触媒処理に
要する負荷が大きくなりいずれも好ましくない。
【0020】<N,N−二置換アミド化合物>本発明の
触媒系、例えば上記触媒系(I)及び(II)で使用するN,N
−二置換アミド化合物としては、通常、炭素数1〜1
8、好ましくは炭素数1〜8、更に好ましくは炭素数1
〜4の同一または異なるアルキル置換基を窒素原子上に
有するカルボン酸アミドであり、特にホルムアミドであ
る。窒素原子上の置換基としては、アルキル基、アルコ
キシ基、アリール基等が挙げられ、中でもアルキル基が
好ましく、窒素原子を含む環状構造を有しないアミド化
合物が好ましい。具体的な化合物としては、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、
N,N−ジ−i−プロピルホルムアミド、N,N−ジブチ
ルホルムアミド、N,N−ジペンチルホルムアミド、N,
N−ジオクチルホルムアミド、N−メチル,N−ステア
リルホルムアミド等を挙げることができ、中でも2つの
アルキル基が同一のものが好ましく、特にN,N−ジメ
チルホルムアミドが好ましい。
【0021】上記したN,N−二置換アミド化合物の使
用量は特に制限されず、原料オキシム化合物の使用量範
囲ならびにスルホン酸および酸無水物からなる群より選
ばれた少なくとも一種の化合物の使用範囲、更にはカル
ボン酸無水物の使用量範囲によっても異なり画一的に規
定されるものではないが、通常、オキシム化合物に対し
て1重量倍から1000重量倍、好ましくは10重量倍
から100重量倍の量を用いることが出来る。また、ス
ルホン酸とスルホン酸無水物の合計量に対しては、通常
10〜2000モル比、好ましくは25〜1000モル
比、更に好ましくは50〜500モル比を用いる。本発
明で使用するN,N−二置換アミド化合物は、触媒の構
成成分であると同時に溶媒としての作用をも奏するの
で、転位反応を円滑に進行させるために適当な溶媒を使
用する場合には該溶媒と混合して使用する事が出来る。
【0022】本発明の転位反応に使用することが出来る
N,N−二置換アミド化合物以外の溶媒としては、例え
ば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−
ドデカン等の脂肪族炭化水素化合物、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレン、モノクロロベンゼン、メト
キシベンゼン等の芳香族炭化水素化合物、アセトニトリ
ル、プロパンニトリル、カプロニトリル、アジポニトリ
ル、ベンゾニトリル、トルニトリル等のニトリル化合
物、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、マロン酸ジ
メチル、コハク酸ジメチル等のエステル化合物等を挙げ
ることができ、これらは単独でも混合しても使用するこ
とが出来る。N,N−二置換アミド化合物以外の溶媒を
用いる場合は、N,N−二置換アミド化合物に対し、
0.01〜20容量倍で混合することができ、好ましく
は0.1〜10容量倍で、更に好ましくは0.5〜1の
容量倍で混合することができる。このような範囲で混合
することにより、反応後にN,N−二置換アミド化合物
を蒸留分離する際の負荷を低減することができる。
【0023】本発明のオキシム化合物の転位によってア
ミド化合物を製造する方法においては、転位反応液相中
の酸及び酸無水物を含む酸成分に対する水分量を特定値
以下に低減させ、且つ液相中の水分量を2000ppm
以下とすることが、目的アミド化合物の選択性を向上
し、かつ反応速度を向上させるために有効である。この
ための具体的方法としては、反応に使用するオキシム化
合物、N,N−二置換アミド化合物および/又は反応溶
媒、更には転位反応器および反応器に付随する受器や配
管類等を予め乾燥させて使用することが挙げられる。ま
た、反応系中の水分濃度を一定に保つためにも、反応は
乾燥処理したガスの雰囲気下で実施することが好まし
く、水分を含有する大気の混入は避けることが好まし
い。通常は窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性なガ
ス雰囲気で行われる。乾燥した空気も使用できる。反応
液中の水分を除去するために、反応液中に吸水剤を存在
させてもよい。
【0024】上記したオキシム化合物、N,N−二置換
アミド化合物、反応溶媒および反応雰囲気ガスの乾燥
は、それぞれ以下に示されるような工程で行うのが好ま
しい。オキシム化合物の一般的な工業的製造方法では、
ケトン類にヒドロキシルアミン硫酸塩とアンモニアを作
用させるが、この様な製造方法を経て得られたオキシム
化合物は、5から10重量%程度の水を含有するのが一
般的である。これを後述する乾燥したN,N−二置換ア
ミド化合物および/又は反応溶媒と組み合わせて、反応
液相中の含水量が所定値を満足させるような程度にする
まで低減させて使用する。具体的なオキシム化合物の乾
燥方法としては、一般的な蒸留、薄膜蒸発器を用いた蒸
留、晶析、固体オキシムの減圧乾燥等の方法が挙げら
れ、これらを適宜組み合わせても良い。本発明方法の原
料オキシム化合物としては、通常、1重量%以下、好ま
しくは0.1重量%以下、更に好ましくは0.01重量
%以下に含水量を低減したものを使用するのが好まし
い。
【0025】さらに本発明では、N,N−ジアルキルア
ミド化合物、反応溶媒および反応雰囲気のガスを乾燥す
ることが望ましい。具体的な乾燥手法例としては、一般
的な蒸留、薄膜蒸発器を用いた蒸留、モレキュラーシブ
ス等を用いた乾燥、金属ナトリウム等を用いる方法、硫
酸ナトリウムや硫酸マグネシウム等の塩類を用いた乾燥
等の手法を用いることができる。またこれらを組合わせ
ることもできる。該N,N−ジアルキルアミド化合物お
よび反応溶媒の乾燥が十分に行われているものを入手出
来る場合は本工程を必ずしも含まなくてもよい。
【0026】本発明方法では、反応液相中の酸及び酸無
水物を含む酸成分の合計に対する水分モル比が1以下と
なるよう制御させて反応を行うことが望ましい。その為
には本発明の転位反応を行うに際し、上記の乾燥工程を
経て得られたオキシム化合物、N,N−二置換アミド化
合物および/又は反応溶媒の乾燥の程度を適宜組み合わ
せ、液相中の水分量を所定の状態に制御することが好ま
しい。本発明では反応液相中の酸及び酸無水物を含む酸
成分の合計に対する水分モル比が1以下、好ましくは
0.6モル比以下、更に0.2モル比以下が最も好まし
い。水分量の測定は公知の方法によって行えばよく、例
えばカールフィッシャー法が例示される。
【0027】本発明では、上記した通りに反応液相中の
酸成分に対する水分量を低減させ、且つ液相中の水分量
を2000ppm以下とすることにより、目的とするア
ミド化合物の選択性が著しく向上する他、反応速度も向
上する。選択性が向上することは工業的な観点からは特
に有用である。水分濃度を管理することで選択性が向上
する理由は明らかではないが、触媒活性種の水による失
活抑制およびオキシム化合物の水による加水分解抑制に
よるものと推定される。
【0028】(転位反応の態様)本発明方法では触媒成
分と原料オキシム化合物をいかなる順序で添加させても
反応は進行し、例えば、強酸無水物とN,N−二置換ア
ミド化合物を予め混合した液にオキシム化合物を添加し
て反応を開始させる方法が挙げられる。特に、本発明の
好適な実施形態として、予め強酸無水物とN,N−二置
換アミド化合物とに、更に目的物のアミド化合物を混合
せしめた後、オキシム化合物を添加し転位反応を実施す
る方法が挙げられ、この様に強酸無水物、N,N−二置
換アミド化合物及び目的アミド化合物を混合せしめた後
にオキシム化合物を添加して転位反応を実施する事によ
り、反応に用いる強酸無水物あたりのアミド化合物製造
量を向上せしめる事ができる。
【0029】本発明の転位反応において上記触媒成分か
ら形成される触媒活性種の形態の詳細は必ずしも明確で
はないが、活性種形成の工程を強酸無水物とN,N−二
置換アミド化合物の組み合わせを例にして以下に示す。
本発明者らが、本反応の触媒反応機構を詳細に検討した
結果、転位反応の活性種は、強酸無水物およびN,N−
二置換アミド化合物とオキシム化合物の組み合わせから
生成せしめる方法と、強酸無水物およびN,N−二置換
アミド化合物と目的アミド化合物の組み合わせから生成
せしめる方法のいずれの方法でも生成可能であり、活性
種が生成した後は、いずれの方法によっても触媒的にオ
キシム化合物をアミド化合物へ転位させ得る事が判っ
た。更に、前記2つの活性種形成反応を詳細に検討した
結果、後者の方法、即ち予め目的アミド化合物を強酸無
水物及びN,N−二置換アミド化合物と混合させた後に
オキシム化合物を混合し、触媒的転位反応を実施した方
が、使用した強酸無水物モル数あたりの目的アミド化合
物生成モル数(反応により新たに生成したアミド化合物
モル数)が向上する事がわかった。これにより、強酸無
水物およびN,N−二置換アミド化合物と目的アミド化
合物の組み合わせから活性種を生成せしめる方法の方
が、高い選択性をもって活性種を形成せしめるものと推
定される。従って、本発明では予め目的アミド化合物を
強酸無水物及びN,N−二置換アミド化合物と混合させ
た後にオキシム化合物を混合し、触媒的転位反応を実施
することにより、強酸無水物の使用量を減らす事がで
き、効率的にアミド化合物を製造する事ができる。
【0030】予め強酸無水物およびN,N−二置換アミ
ド化合物と混合せしめる目的アミド化合物の使用量は通
常、強酸無水物の0.1から10モル倍、好ましくは、
0.3から3モル倍、更に好ましくは0.5〜1.5モ
ル培である。活性種形成反応は非常に速やかに進行する
為、混合の際の温度には特に制約はなく、通常−50℃
から200℃、好ましくは−20℃から100℃、更に
好ましくは0℃から50℃の範囲で実施される。混合時
間にも特に制約は無く、反応器へ導入前に瞬間的に接触
するのみの操作でもよいし、貯槽内等で長時間保持した
状況で混合させてもよく、プロセス上の都合から任意に
選択する事が可能である。通常0.1秒〜1000時
間、このましくは1秒から100時間である。
【0031】(転位反応条件)本発明方法を実施する条
件としては特に規定されないが、反応温度は通常0℃か
ら200℃、好ましくは40℃から150℃、更に好ま
しくは60℃から130℃の範囲で実施される。反応圧
力も特に制限されるものでなく、常圧〜加圧条件下で実
施される。また、反応時間あるいは滞留時間は、通常1
秒〜10時間であり、好ましくは30秒〜7時間であ
る。本発明では強酸またはその強酸無水物、N,N−二
置換アミド化合物、カルボン酸無水物の各触媒成分と原
料オキシム化合物を如何なる順序で混合しても転位反応
は進行するが、前記触媒成分系(I)の場合はスルホン酸
または酸無水物とカルボン酸無水物を、触媒成分系(II)
の場合は非含フッ素スルホン酸酸無水物をそれぞれN,
N−二置換アミド化合物に混合した混合物、あるいはこ
れらの混合物に更に少量の原料オキシム化合物又は目的
アミド化合物を含有させた混合物を所定の温度に加熱
し、次いで原料オキシム化合物の溶解した原料液を逐次
的に供給して反応を開始することが好ましい。その場
合、原料オキシム化合物は、N,N−二置換アミド化合
物の一部に溶解して反応に供することが出来るオキシム
化合物を溶融させた条件で供給する事もできる。原料オ
キシム化合物を一括して供給して、上記触媒成分液中に
高濃度のオキシム化合物が存在させた状態から反応を開
始させると、触媒の早期失活や副生成物の増大の誘因と
なるため好ましくない。
【0032】《転位反応形式》本発明の転位反応を実施
する反応形式は特に規定されるものではなく、回分反
応、連続流通反応のいずれでも実施することができる
が、工業的には連続流通反応形式を用いるのが好まし
い。反応器の形式については特に制約はなく、1槽ある
いは2槽以上の連続した攪拌槽からなる反応器や、チュ
ーブラー型反応器等、一般的な反応器を使用することが
できる。また、本発明では酸触媒を用いるため、反応器
材質は耐腐食性材質のものを用いるのが好ましく、例え
ばステンレス鋼、ハステロイ、モネル、インコネル、チ
タン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、
ニッケル、ニッケル合金、タンタル、又はフッ素樹脂、
各種ガラスを内側にコーテイングした材料などが例示で
きる。
【0033】本発明の反応形式につき、以下に本発明の
連続流通反応の例を挙げて具体的に述べる。十分に乾燥
処理した反応器に本発明の触媒液、すなわち触媒の一成
分である強酸またはその強酸無水物、及びカルボン酸無
水物(触媒系(I)の場合)を溶解させたN,N−二置換ア
ミド化合物液を供給し所定温度に維持する。これに原料
オキシム化合物を溶解させたN,N−二置換アミド液を
必要に応じ不活性溶媒とともに連続的に供給して所望の
滞留時間の間に反応させ、同時に生成したアミド化合
物、未反応オキシム化合物および触媒、更には溶媒を含
む反応混合物を連続的に取り出す。
【0034】《反応混合物のプロトン性化合物による処
理》上記転位反応を実施した反応器より取り出された反
応混合物は、通常、軽沸副生物、溶媒、カルボン酸(触
媒系(I)でカルボン酸無水物を使用した場合)、N,N−
二置換アミド化合物、目的アミド化合物、未反応オキシ
ム、他の触媒酸成分を含む。本発明者らがこの反応混合
物について分光学的手法により詳細解析を行った結果、
生成アミド化合物が脱水二量化したアミド化合物2量体
と酸成分である強酸とがイオン対を形成した不活性触媒
種を生成していることが明らかになった。このことは、
転位反応で生成した目的アミド化合物の一部が不活性触
媒種に消費されるために、目的アミド化合物の収率が低
下することを意味する。本発明では、この生成アミド化
合物の脱水2量体と強酸とから成る不活性触媒種をプロ
トン性化合物で処理することによって分解させ、アミド
化合物2量体を選択的に目的アミド化合物に変換するも
のである。
【0035】<プロトン性化合物>本発明で上記不活性
触媒種の分解に使用するプロトン性化合物としては、水
及びアルコール化合物が挙げられる。アルコール化合物
としては、特に限定されるものではなく、置換基を有し
ていても良い炭素数1〜8、好ましくは1〜4の脂肪族
アルコール化合物を使用することができる(ここで、置
換基とは炭素数1〜2のアルキル基を表す)。具体的な
化合物としては、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、n
−ヘキサノール、n−オクタノール等を挙げることがで
き、中でもメチルアルコール、エチルアルコールが好ま
しい。上記したプロトン性化合物の中でも、アミド化合
物2量体を1段で目的アミド化合物に変換させるために
は水が最も好ましい。
【0036】上記したプロトン性化合物の使用量は特に
制限されるものではないが、通常、上述した不活性触媒
種のアミド化合物2量体に対して0.1モル倍から100
0モル倍、好ましくは0.5モル倍から100モル倍、更
に好ましくは1モル倍から10モル倍の量を用いること
が出来る。この範囲を越えて少なすぎるとアミド化合物
2量体から目的アミド化合物への十分な分解活性が得ら
れず、他方、過多にしすぎると目的アミド化合物自体の
アミノ酸への多大な変換(例えば、アミド化合物がε−
カプロラクタムである場合にはアミノカプロン酸が副
生)等の好ましくない副反応が起こるためいずれも好ま
しくない。
【0037】<処理条件>本発明方法におけるプロトン
性化合物による処理を実施する条件としては特に規定さ
れないが、処理温度は通常0℃〜200℃、好ましくは
30℃〜150℃、更に好ましくは60℃〜120℃の
範囲で実施される。処理圧力も特に制限されるものでな
く、常圧〜加圧条件下で実施される。また、処理時間或
いは滞留時間は、通常1分〜40時間であり、好ましく
は10分〜7時間である。処理を効率的に行うために、
攪拌または振とう下で実施するのが好ましい。
【0038】プロトン性化合物によるベックマン転位反
応混合物の処理は、反応後の混合物に直接プロトン性化
合物を作用させて実施しても良く、また、反応混合物か
ら蒸留操作等により軽沸副生物、N,N−二置換アミド
化合物および反応溶媒等を除いた後の反応残液にプロト
ン性化合物を作用させて実施しても良い。後者の場合に
は、反応残液に適当な乾燥処理した溶媒を混合して作用
させることにより、分解反応を円滑に進行させることが
でき、プロトン性化合物の使用量も少なくし得るので有
利である。この場合の使用することが出来る溶媒として
は、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタ
ン、n−ドデカン等の脂肪族炭化水素化合物、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、メシチレン、モノクロロベン
ゼン、メトキシベンゼン等の芳香族炭化水素化合物、ア
セトニトリル、プロパンニトリル、カプロニトリル、ア
ジポニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリル等のニト
リル化合物、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、マ
ロン酸ジメチル、コハク酸ジメチル等のエステル化合物
等を挙げることができ、これらは単独でも混合しても使
用することが出来る。これら溶媒を用いる場合は、例え
ば、蒸留後の反応残液に対し、0.5〜50容量倍で混
合することができ、好ましくは1〜10容量倍で、更に
好ましくは1〜5の容量倍で混合することができる。こ
のような範囲で混合して処理することにより、処理後に
溶媒を蒸留分離する際の負荷を低減することができる。
【0039】上述したプロトン性化合物による処理を施
した後の処理液は、次に、少量のアンモニウム水溶液等
のアルカリ性化合物により、例えば、酸性のスルホン酸
触媒を中和処理した後、抽出操作や蒸留操作等の通常の
方法を行って、目的アミド化合物を分離、精製取得する
ことができるが、場合により中和処理を行わずに、公知
の蒸留、晶析、抽出などの方法で目的アミド化合物の分
離操作を行うことにより取得することも可能である。プ
ロトン性化合物による処理を施した後の処理液を、NH
3、NaOH等のアルカリ化合物の水溶液を加えて強酸
触媒を中和処理する場合には、トルエン等の溶媒を貧溶
媒として添加しておくと強酸触媒の塩を固体析出化させ
ることが出来、目的生成物であるアミド化合物と触媒と
を分離することができる。次に、溶媒と目的アミド化合
物の混合物は、蒸留分離、抽出分離あるいは晶析分離等
の各種分離操作により溶媒と目的アミド化合物とに分離
する。回収した溶媒は触媒のアルカリ処理工程へと再循
環し、その場合、不要な副生成物類は別途、蒸留等の分
離手段で分離する。目的アミド化合物は更に蒸留塔に導
いて精製することにより、更に高純度品を得ることがで
きる。
【0040】NH3、NaOH等のアルカリ化合物を加
えて中和・分離した強酸触媒塩、例えば、スルホン酸の
無機塩は、硫酸、塩酸、硝酸等の強酸、あるいは固体
酸、酸型のイオン交換樹脂等を用いて容易にスルホン酸
に戻すことができる。再生したスルホン酸化合物は不活
性溶媒に溶解させた状態でそのまま反応系に再循環する
ことが可能であるが、酸無水物に変換する必要がある場
合は、温和な操作条件で例えば、発煙硫酸、五酸化二
燐、縮合リン酸等の脱水剤との接触で容易に脱水してス
ルホン酸無水物に変換させることが可能であり、再生さ
れたスルホン酸無水物は不活性溶媒とともに反応器へと
再循環することが可能である。
【0041】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの
実施例に限定されるものではない。なお、下記実施例及
び比較例における化合物(1)の転化率、及び転化による
生成物の選択率の計算方法は以下の通りである。
【0042】
【数1】 {化合物(1)の転化率(%)}= (転化した化合物(1)のモル数)×100/(分解前の化合物(1)のモル数) (転化した化合物(1)のモル数)={(分解前の化合物(1)のモル数)−(分解後に 残留している化合物(1)のモル数)}
【数2】 {ε-カフ゜ロラクタム又は6-アミノ-n-カフ゜ロン酸の選択率(%)}= (生成したε-カフ゜ロラクタム又は6-アミノ-n-カフ゜ロン酸のモル数)×2×100/(転化し た化合物(1)のモル数)
【数3】 {化合物(3)の選択率(%)}= (生成した化合物(3)のモル数)×100/(転化した化合物(1)のモル数)
【0043】実施例1 パラトルエンスルホン酸無水物0.2700g(0.8
27mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド14.
175gをドライボックス中で50mlの3つ口フラス
コに仕込み、攪拌しながら乾燥窒素気流下で3つ口フラ
スコをオイルバスで加温し、内温を75.5℃にした。
ドライボックス中でシクロヘキサノンオキシム1.65
9gをN,N−ジメチルホルムアミド3.100gに溶
解させた溶液を、18分間かけて一定の速度で前述の3
つ口フラスコに供給してシクロヘキサノンオキシムのベ
ックマン転位反応を行わせた。18分経過後、さらに1
0分間フラスコ内の内温を75℃に保った後、3つ口フ
ラスコを冷却した。以下の操作もドライボックス中で行
った。反応液を一部取り出し、1H-NMRを測定したとこ
ろ、パラトルエンスルホン酸無水物は全て、パラトルエ
ンスルホン酸に変化していた。また、ε−カプロラクタ
ムが2分子脱水縮合した下記構造の化合物(1)(アミド
化合物脱水2量体)が生成し、溶液中ではパラトルエン
スルホン酸とのイオン対化合物(2)を生成していること
が認められた。化合物(1)、(2)の構造式を以下に示す。
化合物(2)は共鳴構造体である。
【0044】化合物(1)の構造式
【化1】
【0045】化合物(2)の構造式
【化2】
【0046】またこの時、1H-NMRにおけるプロトンの積
分値の比較から、化合物(1)のパラトルエンスルホン
酸に対する割合を求め、仕込みのパラトルエンスルホン
酸無水物に対する割合に換算したところ、43mol%
であった。これを元に仕込みのパラトルエンスルホン酸
無水物のモル数から化合物(1)のモル数を換算した。
この転位反応液0.8128gを30mlナスフラスコ
に仕込み、反応液中の水分量が反応液中の化合物(1)
のモル数の5.3倍当量になるように水を添加し、アル
ゴン雰囲気下、オイルバスの温度を100℃に設定し、
1時間加熱を行った。冷却後、1H-NMRを測定した
ところ、化合物(1)(溶液中では化合物(2)の構造
で存在)は84%転化したことがわかった。このとき、
転化した化合物(1)に対して、ε−カプロラクタムは
95%の選択率で生成し、ε−カプロラクタムの2分子
脱水縮合した化合物の開環化合物(溶液中ではパラトル
エンスルホン酸とのイオン対(3)を生成)が5%の選
択率で生成した。化合物(3)の構造式(共鳴構造体)
を以下に示す。
【0047】
【化3】
【0048】ベックマン転位反応直後にはパラトルエン
スルホン酸無水物1モルあたり15.1モルのε−カプ
ロラクタムが生成していたが、100℃1時間の加熱処
理を行い、化合物(2)が84%転化した後は、ε−カ
プロラクタムは15.8モルに増加したことがわかっ
た。
【0049】実施例2 パラトルエンスルホン酸無水物0.559g(1.71
3mmol)、ε−カプロラクタム0.207g(1.
829mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド2
7.608g(30ml)をドライボックス中で50m
lの3つ口フラスコに仕込み、攪拌しながら乾燥窒素気
流下で3つ口フラスコをオイルバスで加温し、内温を7
5℃に保った。ドライボックス中でシクロヘキサノンオ
キシム4.876g(43.086mmol)をN,N
−ジメチルホルムアミド9.111gに溶解させた溶液
を調製し、51分間一定の速度で前述の3つ口フラスコ
に供給してシクロヘキサノンオキシムのベックマン転位
反応を行わせた。51分経過したところで3つ口フラス
コを冷却した。このベックマン転位反応液のうち、3
9.090gを3つ口フラスコに残し、N,N−ジメチ
ルホルムアミド及び軽沸成分をオイルバス温70℃、2
0〜15mmHgで減圧留去させ、釜残4.941gを
得た。
【0050】以下の操作もドライボックス中で行った。
この様にして得られた釜残に脱水したトルエン(含水分
濃度4ppm)を4.01g添加して均一溶液にした。
一部をサンプリングして1H−NMRを測定したとこ
ろ、化合物(1)が化合物(2)の形態になって含有さ
れていることがわかった。また、パラトルエンスルホン
酸無水物は全て、パラトルエンスルホン酸に変化してい
た。この時、化合物(1)の、仕込みのパラトルエンス
ルホン酸無水物に対する割合は77mol%であった。
これを元に仕込みのパラトルエンスルホン酸無水物のモ
ル数から化合物(1)のモル数を換算した。この釜残の
トルエン溶液5.5563gを30mlのナスフラスコ
に仕込み、さらに脱水したトルエン8.6453gを追
加添加した後、化合物(1)に対し、反応液中の水分量
が反応液中の化合物(1)のモル数の1.3倍当量にな
るように水を添加した後、アルゴン雰囲気下、オイルバ
スの温度を90℃に設定し、1時間加熱を行った。
【0051】冷却後、1H−NMRを測定したところ、
化合物(1)は消失していた。このとき、転化した化合物
(1)に対して、ε−カプロラクタムは94%の選択率で
生成し、化合物(3)が6%の選択率で生成した。ベッ
クマン転位反応直後にはパラトルエンスルホン酸無水物
1モルあたり19.9モルのε−カプロラクタムが生成
していたが、化合物(1)分解後は21.3モルに増加
したことがわかった。(但し、初期添加したε−カプロ
ラクタムを除く)
【0052】比較例1 実施例2において、転位反応液から軽沸分,N,N−ジ
メチルホルムアミドを留去した釜残にトルエンを加えた
トルエン溶液を2.5g用い、さらに脱水したトルエン
の追加添加量を3.88gとし、水を加えなかった他
は、実施例2と同様にして加熱処理をおこなった。この
時の含水量は、化合物(1)に対して、0.057当量
であった。加熱処理後、化合物(1)は6%転化したこ
とがわかった。加熱処理前後のε−カプロラクタムの増
加量は微量であり、1H−NMRでは、増加が殆ど認め
られなかった。加熱前後の反応液をキャピラリーカラム
(HR20M 0.25φ×50m、Shinwa chemical
製)を備えたガスクロマトグラフで分析した結果、ベッ
クマン転位反応後、パラトルエンスルホン酸無水物1モ
ルあたり19.9モルのε−カプロラクタムが生成して
いたが、90℃1時間加熱後は20.0モルであり(い
ずれも初期添加したε−カプロラクタムを除く)、ε−
カプロラクタムはパラトルエンスルホン酸無水物1モル
あたりわずかに0.1モル増加したにすぎなかった。
【0053】実施例3 パラトルエンスルホン酸無水物0.280g(0.85
8mmol)、ε−カプロラクタム0.101g(0.
893mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド1
3.802g(15ml)をドライボックス中で50m
lの3つ口フラスコに仕込み、攪拌しながら乾燥窒素気
流下で3つ口フラスコをオイルバスで加温し、内温を7
5℃に保った。ドライボックス中でシクロヘキサノンオ
キシム2.440g(21.562mmol)をN,N
−ジメチルホルムアミド4.555gに溶解させた溶液
を調製し、51分間一定の速度で前述の3つ口フラスコ
に供給してシクロヘキサノンオキシムのベックマン転位
反応を行わせた。51分経過したところで3つ口フラス
コを冷却した。このベックマン転位反応液のうち、1
9.545gを3つ口フラスコに残し、N,N−ジメチ
ルホルムアミド及び軽沸成分をオイルバス温70℃、2
0〜15mmHgで減圧留去させ、釜残2.471gを
得た。
【0054】得られた釜残に水を2.835g添加し
た。一部をサンプリングして1H-NMRを測定したと
ころ、化合物(1)が化合物(2)の形態になってい
た。また、パラトルエンスルホン酸無水物は全て、パラ
トルエンスルホン酸に変化していた。この時、化合物
(1)の、仕込みのパラトルエンスルホン酸無水物に対
する割合は70mol%であった。これを元に仕込みの
パラトルエンスルホン酸無水物のモル数から化合物
(1)のモル数を換算した。この釜残水溶液4.000
gを30mlのナスフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、
オイルバスの温度を80℃に設定し、2時間加熱を行っ
た。
【0055】加熱操作前の反応液中の水分量は反応液中
の化合物(1)のモル数の859倍当量であった。冷却
後、1H−NMRを測定したところ、化合物(1)は8
8%転化していた。このとき、転化した化合物(1)に
対して、ε−カプロラクタムは50%、化合物(3)が
16%、6−アミノ−n−カプロン酸が27%の選択率
で生成した。ベックマン転位反応直後にはパラトルエン
スルホン酸無水物1モルあたり18.0モルのε−カプ
ロラクタムが生成していたが、化合物(1)分解後は1
8.6モルに増加したことがわかった。(初期添加した
ε−カプロラクタムを除く)
【0056】
【発明の効果】本発明方法によれば、ベックマン転位反
応後の反応混合物を簡易な方法で加熱処理することによ
り、高収率で目的とするアミド化合物類を製造すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 克 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 (72)発明者 瀬戸山 亨 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 4C034 DE03 4H006 AA02 AC53 BA51 BA66 BC10 BC19 BC34 BV22 4H039 CA71 CJ90

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも酸無水物から選ばれる酸成分及
    びN,N−二置換アミド化合物から調製された触媒を含
    む液相中で、オキシム化合物を転位させてアミド化合物
    を製造する方法において、生成アミド化合物の脱水2量
    体と酸成分由来の酸とからなる不活性触媒種を含む反応
    混合物を、反応混合物中の該アミド化合物脱水2量体に
    対して1000モル以下0.1モル以上のプロトン性化
    合物で処理することを特徴とするアミド化合物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】プロトン性化合物を、反応混合物中の該不
    活性触媒種のアミド化合物脱水2量体に対して100モ
    ル以下0.5モル以上使用することを特徴とする請求項
    1に記載のアミド化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】生成アミド化合物脱水2量体と酸とからな
    る不活性触媒種を含む反応混合物から、N,N−二置換
    アミド化合物を蒸留分離して得た反応残液をプロトン性
    化合物で処理することを特徴とする請求項1または2に
    記載のアミド化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】プロトン性化合物が水であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載のアミド化合物
    の製造方法。
  5. 【請求項5】酸無水物が強酸無水物であることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項に記載のアミド化合物
    の製造方法。
  6. 【請求項6】酸無水物がスルホン酸無水物であることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアミド
    化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】酸無水物が芳香族スルホン酸無水物または
    脂肪族スルホン酸無水物であることを特徴とする請求項
    1〜6のいずれか1項に記載のアミド化合物の製造方
    法。
  8. 【請求項8】酸無水物が非含フッ素スルホン酸無水物で
    あることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記
    載のアミド化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】酸無水物がp−トルエンスルホン酸無水物
    またはメタンスルホン酸無水物であることを特徴とする
    請求項1〜8のいずれか1項に記載のアミド化合物の製
    造方法。
  10. 【請求項10】N,N−二置換アミド化合物がN,N−
    ジアルキルホルムアミドであることを特徴とする請求項
    1〜9のいずれか1項に記載のアミド化合物の製造方
    法。
  11. 【請求項11】オキシム化合物がシクロヘキサノンオキ
    シムであり、アミド化合物がε−カプロラクタムである
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載
    のアミド化合物の製造方法。
  12. 【請求項12】酸性分がカルボン酸無水物並びにスルホ
    ン酸及び/又はその酸無水物を含むことを特徴とする請
    求項6〜11のいずれか1項に記載のアミド化合物の製
    造方法。
  13. 【請求項13】プロトン性化合物が水であり、処理は3
    0℃〜150℃で行われることを特徴とする請求項1〜
    12のいずれか1項に記載のアミド化合物の製造方法。
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