JP4212266B2 - 燃料電池発電システムおよび燃料電池発電システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池発電システムおよび燃料電池発電システムの制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料ガスリークが発生した場合であっても、ガス検知器に頼ることなく、これを検知して安全を確保できるようにした燃料電池発電システムおよび燃料電池発電システムの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように燃料電池発電システムは、原料燃料から水素リッチなガスを生成する改質器(改質装置)により原料燃料から生成した水素と、大気中の酸素とを燃料電池本体に供給し、これらを燃料電池本体において電気化学反応させることにより直流電力を発生させるシステムである。
【0003】
具体的には、天然ガス、LPG(液化プロパンガス)、バイオガスなどのような炭化水素を含む原燃料ガスを改質器に送り、ここで当該原燃料ガスを水蒸気で改質して水素を生成する。この改質反応は大きな吸熱反応であり、そのために必要となる熱は燃料電池本体で余剰となった水素を改質器に設けたバーナに送ってここで燃焼させることにより供給する。そして、このようにして改質器により改質されたガスを一酸化炭素変成器に送り、改質ガス中に含まれる一酸化炭素を二酸化炭素と水素に変換する。改質ガス中に含まれる電池触媒の被毒成分となる一酸化炭素を除去し、より水素濃度の高いガスを得るわけである。
【0004】
そして、このようにして得た水素と、大気中の酸素とを燃料電池本体に供給し、これらを燃料電池本体において電気化学反応させて直流電力を発生させる。
【0005】
燃料電池本体は、燃料極と酸化剤極を備えており、ここで水素と酸素を反応させることで電気を発生させることができる。
【0006】
燃料電池発電システムはこのような仕組みを持つものであり、従来より改質器や一酸化炭素変成器、そして、燃料電池本体はパッケージ内に格納されていて、且つパッケージは安全維持および内部の温度上昇抑制を目的に、十分な換気を行う機能(換気装置)を持たせてある。また、万が一、過剰な燃料リークが発生した場合を想定し、換気装置による換気空気の出口付近には可燃ガス検知器を設け、ここでの可燃ガス濃度がある値以上に上昇した場合には、可燃ガス検知器およびシステム制御装置にて警報信号を出力させるようにしたり、あるいは自動停止動作を行うようにしている。
【0007】
図9に、従来の燃料電池発電システムの構成を示す。本図に示すように、従来の通常燃料電池発電システムでは燃料電池本体FCや改質器FPなどの主要な機器はパッケージPの中に格納され、また、当該パッケージPには上述の如く、換気や内部温度上昇防止を目的に、換気ファンFを設置している。そして、水素などの可燃ガスを検知して検知量対応の検知出力を発生する可燃ガス検知器GSを換気の下流に設けて、当該可燃ガス検知器GSによる検知信号を制御装置CNTに与えて燃料リーク発生を監視し、万が一、システム内で燃料のリークが発生した場合には、この検知信号から制御装置CNTが警報を出力し、さらには制御装置CNTにて燃料電池発電システムの自動停止制御動作させるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、システム内の可燃ガス(燃料ガス)リークを、従来の技術では、可燃ガス検知器により監視する構成とすることを前提にしていることから、そのためのコストと設置スペースを避けて通れず、従って、燃料電池発電システム全体のコストダウンや、コンパクト化の阻害要因となっていた。
【0009】
特に、燃料電池発電システムが小規模になればなるほど、この様な可燃ガス検知器の設置は、コストや専有面積の占める割合がばかにならず、コストダウンやコンパクト性を図る上で大きな問題となっていた。
【0010】
従って、本発明の目的とするところは、安全性を維持しつつ小型化を図ることができるようにした燃料電池発電システムおよび燃料電池発電システムの制御方法を提供することにある。また、本発明は、安全性を維持しつつコストダウンを図ることができるようにした燃料電池発電システムおよび燃料電池発電システムの制御方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は次のように構成する。すなわち、本発明は、(i)天然ガス、LPG、バイオガスなどの炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスを燃料ガスとして用い、この燃料ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成される燃料電池発電システムにおいて、
[1] 第1には、本発明は、上記(i)の構成の燃料電池発電システムにおいて、
前記改質装置の温度を検出する温度検出手段と、
前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記燃料電池本体に供給される燃料の流量上限値を発生する手段と、
前記改質装置から前記燃料電池本体に供給される燃料の流量を指示する流量設定値が前記流量上限値に至ると、前記温度検出手段による改質装置の温度低下および前記改質装置の加熱用バーナの失火または前記燃料電池本体の電圧(電池電圧)低下があるとき、警報発報または燃料電池発電システムの停止制御のうち、少なくとも一方を実施するシステム制御手段を設けた構成とする。
【0012】
この発明では、燃料電池に供給する燃料流量設定値に対する上限リミット値(燃料電池本体に供給される燃料の流量上限値)を発生させ、供給燃料の流量(燃料電池本体に供給される燃料の流量もしくは改質装置に供給される原燃料の流量;いずれでも結果的に燃料電池本体に供給される燃料の流量の概念となる)が本リミット値に至った場合にシステムの保護機能により燃料電池発電システムを自動停止させる。
【0013】
燃料電池発電システム内部で過大な燃料リークが発生し、供給燃料が前記上限リミット値に至った段階で、システム内の燃料が不足する結果、電池電圧の低下や改質器バーナの燃焼異常が発生するので、上記リミット値に至った段階でこれら電池電圧の低下や改質器バーナの燃焼異常の発生を検知し、これら異常が発生しているときは燃料電池発電システムの運転を自動停止させるといったシステムの保護機能を機能させることで、燃料リークに対してシステムの安全を確保することができるようになる。
【0014】
しかも、この構成によれば、燃料リークの検出にガス検知器は不要であり、ガス検知器を不要とした分、安価かつコンパクトなシステムを提供できるようになる。
【0015】
[2] 第2には、本発明は上記(i)の構成の燃料電池発電システムにおいて、
前記改質装置の温度を検出する温度検出手段と、
前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記燃料電池本体に供給される燃料の流量上限値を発生する手段と、
前記改質装置から前記燃料電池本体に供給される燃料の流量を指示する流量設定値が前記流量上限値に至ると、前記温度検出手段による改質装置の温度低下および前記改質装置の加熱用バーナの失火または前記燃料電池本体の電圧(電池電圧)低下があるとき、警報発報すると共に、当該警報発報の状況が所定時間にわたり続くときは燃料電池発電システムの停止制御を実施するシステム制御手段とを設けた構成とする。
【0016】
この発明では、燃料電池本体に供給する燃料ガスの燃料流量設定値に対する上限リミット値(燃料電池本体に供給される燃料の流量上限値)を発生させ、供給燃料の流量(燃料電池本体に供給される燃料の流量もしくは改質装置に供給される原燃料の流量)が本リミット値に至った場合にシステムの警報機能により警報信号を発報させるようにした。
【0017】
燃料電池発電システム内部で過大な燃料リークが発生し、供給燃料が前記上限リミット値に至った段階で、システムの保護監視機能を稼動させる。そして、燃料リークにより、システム内の燃料が不足する結果、電池電圧の低下や改質器バーナの燃焼異常が発生するので、上記リミット値に至った段階でこれら電池電圧の低下や改質器バーナの燃焼異常の発生を検知し、これら異常が発生しているときは警報発報させるといったシステムの保護機能を機能させることで、燃料リークという異常状態発生をいち早くオペレータや運転管理者に知らせることができるようになり、燃料リークに対してシステムの安全を確保することができるようになる。
【0018】
しかも、この構成によれば、燃料リークの検出にガス検知器は不要であり、ガス検知器を不要とした分、安価かつコンパクトなシステムを提供できるようになる。
【0019】
[3] 第3には、本発明は上記(i)の構成の燃料電池発電システムにおいて、
前記改質装置の温度を検出する温度検出手段と、
前記燃料電池本体に供給される前記燃料ガスの量を調整するための弁であって、与えられる開度指令値対応に開度調整される燃料流量調整弁と、
前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記燃料流量弁の開度上限値を発生する手段と、
前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記開度指令値を発生する手段と、
前記開度指令値が前記開度上限値に至ると、前記温度検出手段による改質装置の温度低下および前記改質装置の加熱用バーナの失火または前記燃料電池本体の電圧(電池電圧)低下があるとき、警報発報または燃料電池発電システムの停止制御の少なくとも一方を実施するシステム制御手段を設けた構成とする。
【0020】
この発明では、燃料電池本体に供給する燃料ガスの供給量を調整する調整弁の開度の指令値に対する上限リミット値(開度上限値)を発生させ、また、燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記開度指令値を発生して調整弁の開度制御を実施すると共に、前記開度指令値が前記開度上限値に至ると、システム制御手段は前記温度検出手段による改質装置の温度低下および前記改質装置の加熱用バーナの失火または電池電圧の低下があるとき、警報発報または燃料電池発電システムの停止制御をさせる。
【0021】
燃料電池発電システム内部で過大な燃料リークが発生し、不足する燃料を補うために供給燃料の調整弁は開度が大きくなる方向に制御されるが、その開度制御のための開度指令値が前記上限リミット値に至った段階で、システムの保護監視機能を稼動させる。そして、燃料リークにより、システム内の燃料が不足する結果、電池電圧の低下や改質器バーナの燃焼異常が発生するので、上記リミット値に至った段階でこれら電池電圧の低下や改質器バーナの燃焼異常の発生を検知し、これら異常が発生しているときは警報発報させるといったシステムの保護機能を機能させることで、燃料リークという異常状態発生をいち早くオペレータや運転管理者に知らせることができるようになり、燃料リークに対してシステムの安全を確保することができるようになる。
【0022】
しかも、この構成によれば、燃料リークの検出にガス検知器は不要であり、ガス検知器を不要とした分、安価かつコンパクトなシステムを提供できるようになる。
【0023】
[4] 第4には、本発明は上記(i)の構成の燃料電池発電システムにおいて、
前記改質装置の温度を検出する温度検出手段と、
前記燃料電池本体に供給される前記燃料ガスの量を調整するための弁であって、与えられる開度指令値対応に開度調整される燃料流量調整弁と、
前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記燃料流量弁の開度上限値を発生する手段と、
前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記開度指令値を発生する手段と、
前記開度指令値が前記開度上限値に至ると、前記温度検出手段による改質装置の温度低下および前記改質装置の加熱用バーナの失火または前記燃料電池本体の電圧(電池電圧)低下があるとき、警報発報すると共に当該警報発報の状況が所定時間にわたり続くときは燃料電池発電システムの停止制御を実施するシステム制御手段と、
を設けた構成とする。
【0024】
この発明では、燃料電池本体に供給する燃料ガスの供給量を調整する調整弁の開度の指令値に対する上限リミット値(開度上限値)を発生させ、また、燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記開度指令値を発生して調整弁の開度制御を実施すると共に、前記開度指令値が前記開度上限値に至ると、システム制御手段は前記温度検出手段による改質装置の温度低下および前記改質装置の加熱用バーナの失火または電池電圧の低下があるとき、警報発報し、この警報発報がの状況が所定時間にわたり続くときは燃料電池発電システムを停止制御させる。
【0025】
燃料電池発電システム内部で過大な燃料リークが発生し、不足する燃料を補うために供給燃料の調整弁は開度が大きくなる方向に制御されるが、その開度制御のための開度指令値が前記上限リミット値に至った段階で、システムの保護監視機能を稼動させる。そして、燃料リークにより、システム内の燃料が不足する結果、電池電圧の低下や改質器バーナの燃焼異常が発生するので、上記リミット値に至った段階でこれら電池電圧の低下や改質器バーナの燃焼異常の発生を検知し、これら異常が発生しているときは警報発報させるといったシステムの保護機能を機能させることで、燃料リークという異常状態発生をいち早くオペレータや運転管理者に知らせることができるようになり、また、警報発報段階で時限機能を用いることでリークに対する処置が十分でないときは所定時間経過時にシステムを強制的に停止させることができるので、燃料リークに対してシステムの安全を確保することができるようになる。
【0026】
しかも、この構成によれば、ガス検知器は不要であり、ガス検知器を不要とした分、安価かつコンパクトなシステムを提供できるようになる。
【0027】
[5] 第5には、本発明は上記(i)の構成の燃料電池発電システムにおいて、前記燃料電池本体に供給される燃料ガスの流量を検出する検出手段と、
前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に燃料流量の異常検出基準値を与える手段と、
この異常検出基準値を比較基準に前記燃料ガスの検出流量を比較し、当該燃料ガスの検出流量が前記比較基準を超えると信号(燃料リーク信号)を発生する比較手段と、
この比較手段からの信号(燃料リーク信号)により燃料電池発電システムの停止制御を実施するシステム制御手段とを設けた構成とする。
【0028】
この発明では、電池電流や電池の負荷に応じて予め定めた燃料供給流量あるいはその設定値の許容上限値を与える手段(関数発生器)を具備し、燃料流量(あるいはその設定値)を前記許容上限値と比較し、これを超えた場合に燃料電池発電システムを自動停止させる。
【0029】
従って、燃料電池発電システム内部で過大や燃料リークが発生し、その結果、供給燃料が増大する方向に制御されて、供給燃料が前記許容上限値を超えた場合に、運転を自動停止させることから、燃料リークに対してシステムの安全を確保することができるようになる。
【0030】
しかも、この構成によれば、燃料リークの検出にガス検知器は不要であり、ガス検知器を不要とした分、安価かつコンパクトなシステムを提供できるようになる。
【0031】
[6] 第6には、本発明は上記(i)の構成の燃料電池発電システムにおいて、
前記燃料電池本体に供給される燃料ガスの流量を検出する検出手段と、
前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に燃料流量の異常検出基準値を与える手段と、
この異常検出基準値を比較基準に前記燃料ガスの検出流量を比較し、当該燃料ガスの検出流量が前記比較基準を超えると信号(燃料リーク信号)を発生する比較手段と、
この比較手段からの信号(燃料リーク信号)により警報信号を発報するシステム制御手段とを設けた構成とする。
【0032】
この発明では、電池電流や電池の負荷に応じて予め定めた燃料供給流量あるいはその設定値の許容上限値を与える手段(関数発生器)を具備し、燃料流量(あるいはその設定値)を前記許容上限値と比較し、これを超えた場合に警報信号を発報させる。
【0033】
従って、燃料電池発電システム内部で過大や燃料リークが発生し、その結果、供給燃料が増大する方向に制御されて、供給燃料が前記許容上限値を超えた場合に、警報信号が発せられて、いち早くオペレータや運転管理者に知らせることができることから、燃料リークに対してシステムの安全を確保することができるようになる。
【0034】
しかも、この構成によれば、燃料リークの検出にガス検知器は不要であり、ガス検知器を不要とした分、安価かつコンパクトなシステムを提供できるようになる。
【0035】
[7] 第7には、本発明は上記(i)の構成の燃料電池発電システムにおいて、
前記燃料電池本体に供給される燃料ガスの流量を弁開度制御により調整する調整弁の開度もしくは燃料ガスを送り出すブロワの回転数を検出する検出手段と、前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記調整弁の開度もしくはブロワの回転数の異常検出基準値を与える手段と、
この異常検出基準値を比較基準に前記調整弁の開度もしくはブロワの回転数の検出値を比較し、当該検出値が前記比較基準を超えると信号(燃料リーク信号)を発生する比較手段と、
この比較手段からの信号(燃料リーク信号)により燃料電池 発電システムの停止制御を実施するシステム制御手段とを設けた構成とする。
【0036】
この発明では、電池電流や負荷に応じて予め定めた燃料供給流量制御弁開度(あるいはその設定値)あるいはブロワの回転数(あるいはその設定値)に対する許容上限値を与える手段(関数発生器)を具備し、燃料流量制御弁開度(あるいはその設定値)あるいはブロワの回転数(あるいはその設定値)を前記許容上限値と比較し、これを超えた場合に燃料電池発電システムを自動停止させる。
【0037】
従って、燃料電池発電システム内部で過大な燃料リークが発生し、その結果、燃料供給弁の開度が増大したり、ブロワの回転数が増大したりして、それが前記許容上限値を超えた段階で、運転を自動停止させることで、燃料リーク発生に際してもシステムの安全を維持することが可能である。
【0038】
しかも、この構成によれば、燃料リークの検出にガス検知器は不要であり、ガス検知器を不要とした分、安価かつコンパクトなシステムを提供できるようになる。
【0039】
[8] 第8には、本発明は上記(i)の構成の燃料電池発電システムにおいて、前記燃料電池本体に供給される燃料ガスの流量を弁開度制御により調整する調整弁の開度もしくは燃料ガスを送り出すブロワの回転数を検出する検出手段と、
前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記調整弁の開度もしくはブロワの回転数の異常検出基準値を与える手段と、
この異常検出基準値を比較基準に前記調整弁の開度もしくはブロワの回転数の検出値を比較し、当該検出値が前記比較基準を超えると信号を発生する比較手段と、
この比較手段からの信号により警報発報するシステム制御手段と、
を設けた構成とする。
【0040】
この発明では、電池電流や負荷に応じて予め定めた燃料供給流量の調整弁開度(あるいはその設定値)あるいはブロワの回転数(あるいはその設定値)に対する許容上限値を与える手段(関数発生器)を具備し、燃料流量制御弁開度(あるいはその設定値)あるいはブロワの回転数(あるいはその設定値)を前記許容上限値と比較し、これを超えた場合に警報を発報する。
【0041】
従って、燃料電池発電システム内部で過大な燃料リークが発生し、その結果、燃料供給流量の調整弁の開度が増大したり、ブロワの回転数が増大したりして、それが前記許容上限値を超えた段階で、警報発報により、燃料リークという異常状態発生をいち早くオペレータや運転管理者に知らせることができるようになり、システムの安全を確保することができるようになる。
【0042】
しかも、この構成によれば、ガス検知器は不要であり、ガス検知器を不要とした分、安価かつコンパクトなシステムを提供できるようになる。
【0043】
(ii)次に本発明は、天然ガス、LPG、バイオガスなどの炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスを燃料ガスとして用い、この燃料ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体から構成されると共に、前記改質装置の温度を検出して前記改質装置の温度が設定温度より低下すると前記改質装置の加熱用バーナへの供給酸化剤ガス量を低減すべく調整制御する調整機能を有する燃料電池発電システムを対象とするものであって、
[9] 第9には、前記改質装置の加熱用バーナに供給される酸化剤ガスの流量を検出する検出手段と、
前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記改質装置の加熱用バーナへの供給酸化剤ガス量の異常検出基準値を与える手段と、
この異常検出基準値を比較基準に前記酸化剤ガスの検出流量を比較し、当該検出流量が前記比較基準に至ると信号(燃料リーク信号)を発生する比較手段と、この比較手段からの信号(燃料リーク信号)により燃料電池発電システムの停止制御を実施するシステム制御手段とを設けた構成とする。
【0044】
この発明では、電池電流や負荷に応じて予め定めた改質装置バーナ燃焼用空気流量(あるいはその設定値)の許容下限値を与える手段(関数発生器)を具備し、改質装置バーナ燃焼用空気流量(あるいはその設定値)が前記許容上限値を超えた場合に燃料電池発電システムを自動停止させる。
【0045】
従って、燃料電池発電システム内部で過大な燃料リークが発生した結果、改質器の温度が低下し、それに応じて改質装置バーナへの燃焼用空気供給量が絞り込まれた場合に、その時の流量条件が下限値を下回った段階で、運転を自動停止させることで、システムの安全を確保することができるようになる。
【0046】
しかも、この構成によれば、燃料リークの検出にガス検知器は不要であり、ガス検知器を不要とした分、安価かつコンパクトなシステムを提供できるようになる。
【0047】
[10] 第10には、本発明は上記(ii)の構成の燃料電池発電システムにおいて、
前記改質装置の加熱用バーナに供給される酸化剤ガスの流量を検出する検出手段と、
前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記改質装置の加熱用バーナへの供給酸化剤ガス量の異常検出基準値を与える手段と、
この異常検出基準値を比較基準に前記酸化剤ガスの検出流量を比較し、当該検出流量が前記比較基準に至ると信号(燃料リーク信号)を発生する比較手段と、この比較手段からの信号(燃料リーク信号)により警報発報するシステム制御手段とを設けた構成とする。
【0048】
この発明では、電池電流や負荷に応じて予め定めた改質装置バーナ燃焼用空気流量(あるいはその設定値)の許容下限値を与える手段(関数発生器)を具備し、改質装置バーナ燃焼用空気流量(あるいはその設定値)が前記許容上限値を超えた場合に警報発報させる。
【0049】
従って、燃料電池発電システム内部で過大な燃料リークが発生した結果、改質器の温度が低下し、それに応じて改質装置バーナへの燃焼用空気供給量が絞り込まれた場合に、その時の流量条件が下限値を下回った段階で、警報発報されることにより、燃料リークという異常状態発生をいち早くオペレータや運転管理者に知らせることができるようになり、システムの安全を確保することができるようになる。
【0050】
しかも、この構成によれば、燃料リークの検出にガス検知器は不要であり、ガス検知器を不要とした分、安価かつコンパクトなシステムを提供できるようになる。
【0051】
[11] 第11には、本発明は上記(ii)の構成の燃料電池発電システムにおいて、
前記改質装置の加熱用バーナへの供給酸化剤ガスの流量を弁開度制御により調整する調整弁の開度もしくは酸化剤ガスを送り出すブロワの回転数を検出する検出手段と、
前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記調整弁の開度もしくはブロワの回転数の異常検出基準値を与える手段と、
この異常検出基準値を比較基準に前記酸化剤ガスの検出流量を比較し、当該検出流量が前記比較基準に至ると信号(燃料リーク信号)を発生する比較手段と、この比較手段からの信号(燃料リーク信号)により燃料電池発電システムの停止制御を実施するシステム制御手段とを設けた構成とする。
【0052】
この発明では、電池電流や負荷に応じて予め定めた改質装置バーナ燃焼用空気流量制御弁開度(あるいはその設定値)の許容下限値を与える手段(関数発生器)を具備し、改質装置バーナ燃焼用空気流量(あるいはその設定値)を前記許容下限値と比較し、これを下回った場合に燃料電池発電システムを自動停止させる。
【0053】
従って、燃料電池発電システム内部で過大な燃料リークが発生した結果、改質器の温度が低下し、それに応じてバーナ空気が絞り込まれた場合に、バーナ空気流量制御弁の条件が下限値を下回った段階で、運転を自動停止させることで、システムの安全を確保することができるようになる。
【0054】
しかも、この構成によれば、燃料リークの検出にガス検知器は不要であり、ガス検知器を不要とした分、安価かつコンパクトなシステムを提供できるようになる。
【0055】
[12] 第12には、本発明は上記(ii)の構成の燃料電池発電システムにおいて、
前記改質装置の加熱用バーナへの供給酸化剤ガスの流量を弁開度制御により調整する調整弁の開度もしくは酸化剤ガスを送り出すブロワの回転数を検出する検出手段と、
前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記調整弁の開度もしくはブロワの回転数の異常検出基準値を与える手段と、
この異常検出基準値を比較基準に前記酸化剤ガスの検出流量を比較し、当該検出流量が前記比較基準に至ると信号(燃料リーク信号)を発生する比較手段と、この比較手段からの信号(燃料リーク信号)により警報発報するシステム制御手段とを設けた構成とする。
【0056】
この発明では、電池電流や負荷に応じて予め定めた改質装置バーナ燃焼用空気流量制御弁開度(あるいはその設定値)の許容上限値を与える手段(関数発生器)を具備し、改質装置バーナ燃焼用空気流量(あるいはその設定値)を前記許容下限値と比較し、これを下回った場合に警報信号を発報する。
【0057】
従って、燃料電池発電システム内部で過大な燃料リークが発生した結果、改質器の温度が低下しそれに応じてバーナ空気が絞り込まれた場合に、バーナ空気流量制御弁の条件が下限値を下回った段階で、その異常状態を警報の形で出力させ、いち早くオペレータや運転管理者に知らせることができることにより、システムの安全を維持することが可能になる。
【0058】
しかも、この構成によれば、燃料リークの検出にガス検知器は不要であり、ガス検知器を不要とした分、安価かつコンパクトなシステムを提供できるようになる。
【0059】
【発明の実施の形態】
本発明は、燃料電池発電システムの小型化とコストダウンを図るために、可燃ガス検知器は用いず、システム内の状態量の異常状態を知り、これより、過大な燃料リークの存在を判定して警報出力や自動停止操作を行うことができるようにする技術を提供するもので、以下、本発明による燃料電池発電システムの実施の形態例について、図面に従って詳しく説明する。
【0060】
(第1の実施の形態)
この実施形態は、上記の[課題を解決するための手段]における[1]項および[2]項の発明に対応するものであってこの第1の実施の形態に示す例は、燃料電池に供給する燃料流量設定値に対する上限リミット値と供給燃料が本リミット値に至った場合にシステムの保護機能により燃料電池発電システムを自動停止させる手段を設けることで、また、燃料電池に供給する燃料流量設定値に対する上限リミット値と供給燃料が本リミット値に至った場合にシステムの警報機能により警報信号を発報する手段を設けることで改善するようにしたもので、その詳細を以下説明する。
【0061】
第1の実施の形態を図1に示す。図において、1は改質器、2はバーナ、3は温度計、4は温度設定器、5は温度制御器、6はバーナ燃料調整弁、7は一酸化炭素変成器、8は燃料電池燃料調整器、9は燃料電池本体、10は燃料電池出力電流検出器である。また、11は関数器、12は制御器、13は乗算器、14はK乗算器、15は低値選択器、20はシステム制御装置である。
【0062】
これらのうち、改質器1は、天然ガス、LPG、バイオガスなどのような炭化水素を含む原燃料ガスの供給を受けてこの原燃料ガスを水蒸気にて改質して水素を生成し、この生成した改質ガスを一酸化炭素変成器7に供給するものであり、バーナ2は、改質器1におけるその改質のために必要な熱を発生するためのもので、改質器1の熱源となるものである。このバーナ2は水素ガスを燃焼させて熱を発生させるようにしている。なお、バーナ2には、失火/燃焼を監視するために、光学的あるいは機械的に或いは電気的に火の状態を検知する燃焼検知器2aを備えている。
【0063】
また、温度計3は、この改質器1における温度を検出するためのものであり、検出した温度対応の出力(温度検出信号)を発生するものである。温度設定器4は、改質器1における温度を設定するためのものであり、温度制御器5は、この温度設定器4の設定温度値を基準に温度計3の出力する温度検出信号値を比較して改質器1の温度が設定値に保たれるような制御出力を発生するものであり、バーナ燃料調整弁6は、この温度制御器5からの制御出力対応に弁の開度を調整してバーナ2への供給水素ガス量を自動調整する流量調整弁である。
【0064】
また、燃料電池燃料調整器8は、流量調整弁あるいは燃料流量調整ブロワなどから構成され、改質器1に供給される原燃料を、低値選択器15からの制御出力対応に弁開度や燃料流量調整ブロワ回転数を調整することで、供給量自動調整する調整器である。
【0065】
一酸化炭素変成器7は、改質器1により改質されて送り出されて来る改質ガスからこのガス中に含まれる一酸化炭素成分を、二酸化炭素と水素に変換し、燃料電池本体9に供給するためのものであり、改質ガス中に含まれる電池触媒の被毒成分となる一酸化炭素を除去し、より水素濃度の高いガスを得るためのものである。
【0066】
また、燃料電池本体9は大気中の酸素と前記一酸化炭素変成器7から供給される水素とを電気化学反応させることにより直流電力を発生させるものである。なお、燃料電池本体9において余剰となる水素はバーナ燃料調整弁6を介して前記バーナ2に供給されるようになっており、バーナ2での燃料として使用される構成となっている。
【0067】
燃料電池出力電流検出器10は、燃料電池本体9が発生して出力する電流値を検出してその値対応の電流検出信号として出力するものである。
【0068】
また、関数器11は、予め設定された所定の特性の関数に従って、入力値対応の出力値を得るものであって、燃料電池出力電流検出器10の出力する電流検出信号対応に原燃料の基準設定流量を与える関数が設定されており、電流検出信号対応の基準設定流量を発生するものである。
【0069】
制御器12は、関数器11にて与えられる原燃料の基準設定流量と、 温度計3から出力される改質器1の検出温度(改質器温度18)と、改質器1の温度設定値を与える温度設定器4からの設定値19との偏差から前記基準設定流量に補正を加える補正係数を得るものである。
【0070】
乗算器13は、前記基準設定流量に前記制御器12からの、補正係数を乗ずるものであり、K乗算器14は、前記関数器11の出力する前記基準設定流量をK倍する乗算器であり、低値選択器15は、K乗算器14の出力と乗算器13の出力のうち、低い方を選択して燃料流量設定値17として出力し、燃料電池燃料調整器8の弁開度制御や燃料流量調整ブロワの回転数制御に供するものである。
【0071】
燃料電池燃料調整器8は、改質器1に供給される原燃料を、この燃料流量設定値17対応に調整してその供給量を自動調整することになり、結果として、改質器1より一酸化炭素変成器7を経て燃料電池本体9に供給される燃料の供給量に対する調整要素の一つとしての役割を担う。
【0072】
なお、システム制御装置20は、本燃料電池発電システムの運転から停止までの制御の中枢を司るもので、正常時の制御の他、改質器温度18の低下、改質器バーナ2の失火、電池電圧の低下等を監視して、これらの発生に対しての保護に必要な制御を行い、また、警報を発令すると共に、燃料電池発電システムの自動停止をするといった機能を有する。
【0073】
このような構成の本システムは、天然ガス、LPG(液化プロパンガス)、バイオガスなどのような炭化水素を含む原燃料ガスを燃料電池燃料調整器8を介して改質器1に送り、この改質器1において当該原燃料ガスを水蒸気で改質して水素を生成する。この改質反応は大きな吸熱反応であり、そのために必要となる熱は燃料電池本体で余剰となった水素(未反応水素)を改質器1に設けたバーナ2に送ってここで燃焼させることにより供給する。そして、このようにして改質器1により改質されたガスを一酸化炭素変成器7に送り、改質ガス中に含まれる一酸化炭素を二酸化炭素と水素に変換する。
【0074】
そして、この一酸化炭素変成器7を介して得た水素と、大気中の酸素とを燃料電池本体9に供給して電気化学反応させ、直流電力を発生させる。
【0075】
ここで、改質器1はバーナ2の燃焼による熱を用いて原燃料ガスを水蒸気で改質するが、温度制御のために、改質器1には温度検出器3があり、現在の改質器1の検出温度(改質器温度18)を得ている。そして、温度制御器5は改質器1の温度設定値を与える温度設定器4からの温度設定値19を基準に温度計3の出力する温度検出信号値を比較して改質器1の温度が設定値19に保たれるような制御出力を発生する。そして、この制御出力はバーナ燃料調整弁6に与えられ、当該バーナ燃料調整弁6は、この温度制御器5からの制御出力対応に弁の開度を調整してバーナ2への供給水素ガス量を自動調整する結果、改質器1は設定温度に保たれる。
【0076】
一方、改質器温度18と改質器1の温度設定値19との差分が制御器12に与えられる。そして、制御器12は差分対応に補正係数を得、この得た補正係数を乗算器13に与える。また、燃料電池本体9の電流値が燃料電池出力電流検出器10により検出され、関数器11に与えられ、関数器11はこの検出電流値対応に原燃料の基準設定流量を発生する。そして、当該原燃料の基準設定流量を乗算器13に与える。
【0077】
乗算器13は原燃料の基準設定流量に制御器12からの補正係数を乗じて補正済みの基準設定流量を発生させる。すなわち、燃料電池本体9の出力電流値対応に関数器11から得られた原燃料の前記基準設定流量に対し、改質器温度18と改質器1の温度設定値19との偏差対応に制御器12にて得た補正係数を用いて乗算器13にて補正を加えて、補正済みの基準設定流量を得る。そして、これを低値選択器15に与える。
【0078】
また、関数器11にて与えられる原燃料の基準設定流量に対してK乗算器14にてK倍したものを低値選択器15に与える。すると、低値選択器15は、K乗算器14の出力と乗算器13の出力のうち、低い方を選択して燃料流量設定値17として出力し、燃料電池燃料調整器8の制御に供する。
【0079】
燃料電池燃料調整器8は、この燃料流量設定値17対応に弁の開度調整あるいは燃料流量調整ブロワの回転数を制御して改質器1への原燃料の供給量を設定値17対応に自動調整することになる。Kの値を適宜に大きくとっておくことで、燃料ガスリークなどがない正常状態での運転時は、低値選択器15は、乗算器13にて補正を加えた補正済みの基準設定流量を選択して燃料流量設定値17として出力することから、燃料電池燃料調整器8は、改質器1への原燃料供給量を、この燃料流量設定値17対応に自動調整する。従って、燃料電池本体9の出力電流値と改質器温度対応に燃料電池本体9への水素供給が成されるので、燃料電池発電システムのケース内に燃料漏洩のない正常状態においては正常な運転が実施されることになる。
【0080】
これに対し、何らかの故障や障害発生により、燃料電池発電システムのケース内に燃料漏洩(燃料ガスリーク)が発生した場合には、燃料電池本体9から弁6を介してバーナ2に流れる未反応の水素(余剰水素)が減少するため、バーナ2への水素供給量が少なくなり、燃焼温度が低下して改質器温度18が低下する。これに対し、制御器12は前記改質器温度18を設定速度に保つべく、その出力する補正係数を増大させ、この補正係数を乗算器13に与える。そして、乗算器13は関数器11から出力される電池電流16対応の原燃料基準設定流量に当該補正係数分の補正をする。その結果、燃料流量設定値17も増大していく。
【0081】
しかしながら、低値選択器15により乗算器13の出力とK乗算器14の出力のうちの小さい方が選択されて燃料流量設定値17となる構成であり、燃料電池出力電流検出器10の出力する電池電流検出値16に応じた基準設定流量にK倍を乗じた上限値を有する構成であることから、過度の燃料あるいは水素リークが発生した場合には、本上限値によって燃料供給の増加が抑制される。
【0082】
そして、この状態となった場合には、安全上問題があるレベルまでの燃料の漏洩があるものと判定するトリガとして、すなわち、システム制御装置20に判定処理を開始させるきっかけとして利用するが、その判定の基準は、一方的な改質器温度18の低下(温度検出器3の検出出力の異常な低下)、失火検知のための燃焼検知器2aの出力を用いての改質器バーナ2の失火、または電池電圧の低下(燃料電池出力電流検出器10の検出値の低下)といった現象がシステム内で競合して起こることを参酌して定める。
【0083】
すなわち、システム制御装置20ではこれらの検出情報を元に改質器温度18の低下、改質器バーナ2の失火、または電池電圧の低下が複合して発生したことを知った段階で、異常と判断する。これら異常に対しての必要な保護処置および警報発令を行うことで、燃料電池発電システムを緊急に自動停止させるか、または停止に至る前段で警報自動発報による運用者への緊急事態発生を知らせ、必要な処置が講じられない場合にはその後に緊急停止させるといった制御を行って安全を確保する。
【0084】
ここで、K乗算器14にて用いるKの値は、例えば、以下のように定めるものである。今、1[m3/h]の原燃料であるメタン(CH4)がシステムに供給されているとする。理想状態を考えると1[m3/h]のメタンから4[m3/h]の水素(H2)が
CH4+2H2O→4H2+CO2
の化学式に従って生成される。
【0085】
また、今、システム内の換気が、例えば、40[m3/h]であるとすると、原燃料の2割から生成される0.8[m3/h]の水素リークが起こった場合に、システム内の水素濃度は2[%](水素の爆発下限界4[%]の半分である50[%]のレベルに相当)に達することになる。故に、例えば、水素濃度2[%]を以て保護レベルに定め、運用するという想定の場合には、Kの値は“1.2”に定めれば良いことになる。
【0086】
尚、上記実施の形態においては、関数器11は燃料電池出力電流検出器10の出力する電池電流検出値対応に原燃料の基準設定流量を発生する構成としたが、燃料電池出力電流検出器10の代わり燃料電池発電システムの負荷を測定する測定器を用い、測定した負荷対応に原燃料の基準設定流量を発生する構成としても良い。この場合、システム制御装置20での監視対象としての電池電流検出値の代わりに負荷とするものとする。
【0087】
以上のように、この実施形態では燃料電池に供給する燃料流量に上限リミット値を定め、供給燃料が当該上限リミット値に至った場合にシステムの保護機能により燃料電池発電システムを自動停止させる手段を設けた構成としたものである。そのため、燃料電池発電システム内部で過大な燃料リークが発生し、供給燃料が前記リミット値に至った段階で、システム内の燃料が不足し、電池電圧の低下や改質器バーナの燃焼異常が発生するなど保護機能の可動条件となる異常現象が複合してあらわれるので、これらの監視により異常を検知することで、保護機能による運転自動停止をさせることができ、以て、システムの安全運転を確保することが可能となる。しかも、コストアップと省スペースのネックとなっていた可燃ガス検知器を用いることなく実現できる。
【0088】
また、燃料電池に供給する燃料流量に対する上限リミット値と供給燃料が本リミット値に至った場合に複合して生じるシステムの異常を検知し、この検知により警報発令する機能を持たせたことにより、燃料リークを可燃ガス検知器を用いることなく発報することができるようになり、システムの安全運転を確保できるようになる。
【0089】
従って、この実施形態によれば、燃料電池発電システム内に過度の燃料あるいは水素リークが発生した場合に、これを改質器温度などで検知できるため、可燃ガス検知器を有さずとも、燃料の漏洩を迅速かつ確実に検知してシステムを自動停止させるなどの対処ができることから、システムとしての安全性を維持することが可能となる。この結果、検知器削減により安価かつコンパクトなシステムを提供できる。
【0090】
以上の実施形態は、燃料電池発電システム内部で過大な燃料リークが発生し、供給燃料が前記リミット値に至った段階で、システム内の燃料が不足し、電池電圧の低下や改質器バーナの燃焼異常が発生するなど保護機能の可動条件となる異常現象が複合してあらわれるので、これらの監視により異常を検知する方式であったが、燃料電池本体に対する燃料供給量と燃料電池の出力との関係から燃料リーク異常を検知することができる。従って、その例を次に第2の実施形態として説明する。
【0091】
(第2の実施の形態)
この実施形態は、上記の[課題を解決するための手段]における[3]項および[4]項の発明に対応するものであって、この第2の実施の形態においては、図2に示すように燃料電池燃料調整器8と改質器1との間の燃料供給路中に、燃料流量計25を設ける。この燃料流量計25は燃料の流量対応に燃料流量信号26を発生するものである。尚、図2の構成は基本的には図1で説明した第1の実施の形態の構成と同じであり、従って、図1と同一部分には同一符号同一名称を付してその説明はここでは省略する。但し、図2の構成においては、燃料流量設定値17は、関数器11および制御器12および乗算器13とから構成される要素により得る。
【0092】
すなわち、関数器11は、予め設定された所定の特性の関数に従って、入力値対応の出力値を得るものであって、燃料電池出力電流検出器10の出力する電流検出信号対応に原燃料の基準設定流量を与える関数が設定されており、電流検出信号対応の基準設定流量を発生するものであり、制御器12は、関数器11にて与えられる原燃料の基準設定流量と、温度計3から出力される改質器1の検出温度(改質器温度18)と、改質器1の温度設定値を与える温度設定器4からの設定値19との偏差から前記基準設定流量に補正を加える補正係数を得るものであり、乗算器13は、前記基準設定流量に前記制御器12からの、補正係数を乗ずるものであり、この乗算器13にて補正されたものを燃料流量設定値17として用いるようにする。
【0093】
また、ここでは、図2に示すように、燃料電池発電システムは、燃料流量26と、その設定値である燃料流量設定値17との偏差から燃料弁開度あるいは燃料流量調整ブロワ回転数などの燃料制御情報24を与える燃料制御器22、電流検出器10にて検出された電池電流(あるいは負荷でも良い)16に応じて前記燃料電池燃料調整器8における調整弁開度あるいは燃料流量調整ブロワの回転数などの燃料制御情報24の上限値を与える関数器21、この関数器21の出力する燃料制御情報24と燃料制御器22の出力する燃料制御情報24のうち、低い方を選択して出力する低値選択器23を有する。
【0094】
このような構成の本システムは、炭化水素を含む原燃料ガスを燃料電池燃料調整器8を介して改質器1に送り、ここで当該原燃料ガスを水蒸気で改質して水素を生成する。この改質反応に必要な熱は燃料電池本体9で余剰となった水素(未反応水素)を改質器1に設けたバーナ2に送って燃焼させることにより供給する。そして、改質器1により改質されたガスを一酸化炭素変成器7に送り、改質ガス中に含まれる一酸化炭素を二酸化炭素と水素に変換する。
【0095】
この一酸化炭素変成器7を介して得た水素と、大気中の酸素とを燃料電池本体9に供給して電気化学反応させ、直流電力を発生させる。
【0096】
ここで、改質器1はバーナ2の燃焼による熱を用いて原燃料ガスを水蒸気で改質するが、温度制御のために、改質器1には温度検出器3があり、現在の改質器1の検出温度(改質器温度18)を得ている。そして、温度制御器5は改質器1の温度設定値を与える温度設定器4からの温度設定値19を基準に温度計3の出力する温度検出信号値を比較して改質器1の温度が設定値19に保たれるような制御出力を発生する。そして、この制御出力はバーナ燃料調整弁6に与えられ、当該バーナ燃料調整弁6は、この温度制御器5からの制御出力対応に弁の開度を調整してバーナ2への供給水素ガス量を自動調整する結果、改質器1は設定温度に保たれる。
【0097】
一方、改質器温度18と改質器1の温度設定値19との差分が制御器12に与えられる。そして、制御器12は差分対応に補正係数を得、この得た補正係数を乗算器13に与える。また、燃料電池本体9の電流値が燃料電池出力電流検出器10により検出され、関数器11に与えられ、関数器11はこの検出電流値対応に原燃料の基準設定流量を発生する。そして、当該原燃料の基準設定流量を乗算器13に与える。
【0098】
乗算器13は原燃料の基準設定流量に制御器12からの補正係数を乗じて補正済みの基準設定流量を発生させる。すなわち、燃料電池本体9の出力電流値対応に関数器11から得られた原燃料の前記基準設定流量に対し、改質器温度18と改質器1の温度設定値19との偏差対応に制御器12にて得た補正係数を用いて乗算器13にて補正を加えて、補正済みの基準設定流量を得、これを燃料流量設定値17として出力する。
【0099】
また、改質器1への原燃料供給路中に、燃料流量計25があり、この燃料流量計25は燃料の流量対応に燃料流量信号26を発生する。これら燃料流量信号26と燃料流量設定値17の偏差分が燃料制御器22に与えられ、燃料制御器22はこの偏差から調整弁開度あるいは燃料流量調整ブロワ回転数などの燃料制御情報24を求める。そして、この燃料制御情報24を低値選択器23に与える。
【0100】
また、電流検出器10にて検出された電池電流値(あるいは負荷でも良い)16が関数器21に与えられており、この関数器21は当該電池電流値16に対応した前記燃料電池燃料調整器8における燃料流量の調整弁開度あるいは燃料流量調整ブロワの回転数などの燃料制御情報24の上限値を発生する。そして、これを低値選択器23に与える。
【0101】
低値選択器23はこの関数器21の出力する燃料制御情報24と燃料制御器22の出力する燃料制御情報24のうち、低い方を選択してこれを燃料制御情報24として出力し、前記燃料電池燃料調整器8に与える。燃料電池燃料調整器8はこの燃料制御情報24対応に自己の構成要素である調整弁の開度あるいは燃料流量調整ブロワの回転数を燃料制御情報24対応に自動調整する。その結果、改質器1に供給される原燃料量が調整されることから、改質器1から一酸化炭素変成器7を介して燃料電池本体9へ供給される水素量は、電池電流値(あるいは負荷)16に対応した量に自動制御される。但し、関数器21で与えられ電池電流値(あるいは負荷)16対応の上限値を限度規制されることになるが、正常時にはこのような上限値に至るような事態は発生しない。
【0102】
従って、燃料電池本体9の出力電流値対応に燃料電池本体9への水素供給が成されるので、燃料電池発電システムのケース内に燃料漏洩のない正常状態においては正常な運転が実施されることになる。以上は正常状態での制御動作である。
【0103】
これに対し、何らかの故障や障害発生により、燃料電池発電システムのケース内に燃料漏洩が生じた場合には、燃料電池本体9から弁6を介してバーナ2に流れる未反応の水素(余剰水素)が減少するため、バーナ2への水素供給量が少なくなり、燃焼温度が低下して改質器温度18が低下する。
【0104】
これに対し、上述のように改質器温度を適切に保つために、燃料流量設定値17が増大していき、これと燃料流量26との偏差分とから燃料制御器22は燃料流量の調整弁開度あるいは燃料流量調整ブロワ回転数などの燃料制御情報24を求める。そして、この燃料制御情報24を低値選択器23に与える。
【0105】
また、電流検出器10にて検出された電池電流値(あるいは負荷)16が関数器21に与えられており、この関数器21は当該電池電流値16に対応した前記燃料電池燃料調整器8における燃料流量の調整弁開度あるいは燃料流量調整ブロワの回転数などの燃料制御情報24の上限値を発生する。そして、これを低値選択器23に与える。
【0106】
低値選択器23はこの関数器21の出力する燃料制御情報24と燃料制御器22の出力する燃料制御情報24のうち、低い方を選択してこれを燃料制御情報24として出力し、前記燃料電池燃料調整器8に与える。燃料電池燃料調整器8はこの燃料制御情報24対応に自己の構成要素である調整弁の開度あるいは燃料流量調整ブロワの回転数を燃料制御情報24対応に自動調整する結果、改質器1への原燃料流量が調整されることになり、改質器1から一酸化炭素変成器7を介して燃料電池本体9へ供給される水素量は、電池電流値(あるいは負荷)16と改質器温度に対応した量に自動制御される。但し、燃料漏洩が大きい場合には、関数器21で与えられ電池電流値(あるいは負荷)16対応の上限値にやがて達するので、燃料制御情報24は当該限度値に張り付くことになる。
【0107】
この上限値を水素リーク発生の場合の要注意レベルに設定しておくことで、爆発の危険が迫るようなリーク量以前に収まる上限値にて燃料供給の増加が抑制される。そして、この上限値に到達したことによってこの場合には、安全上問題があるレベルまでの燃料の漏洩があるものと判定して対処する必要が生じる。
【0108】
よってこの場合には、この上限値に達したことを以て、システム制御装置20に判定処理を開始させるトリガとするが、その判定の基準は、一方的な改質器温度18の低下(温度検出器3の検出出力の異常な低下)、失火検知のための燃焼検知器2aの出力を用いての改質器バーナ2の失火、または電池電圧の低下(燃料電池出力電流検出器10の検出値の低下)といった現象がシステム内で競合して起こることを参酌して定める。
【0109】
本システムでは、その判定は、一方的な改質器温度18の低下、改質器バーナ2の失火検知、または電池電圧の低下が生じたことを以て異常発生と判断する。システム制御装置20ではこれらの検出情報を元に改質器温度18の低下、改質器バーナ2の失火、または電池電圧の低下が複合して発生したことを知るので、これら異常に対しての必要な保護処置および警報発令を行うことで、燃料電池発電システムを緊急に自動停止させるか、または停止に至る前段で警報自動発報による運用者への緊急事態発生を知らせ、必要な処置が講じられない場合にはその後に緊急停止させるといった制御を行って安全を確保する。
【0110】
このように、燃料が漏洩した場合には、燃料電池本体9から流出する未反応の水素が減少するため、改質器温度が低下するが、これに対し、第1の実施の形態で説明したと同様に改質器温度を適切に保つよう、燃料流量設定値17を増大させていき、この結果、燃料弁開度あるいは燃料流量調整ブロワ回転数11が増大していくように制御するが、電池電流値(あるいは負荷)16に応じた上限値を有するため、過度の燃料あるいは水素リークが発生した場合には本上限値によって燃料供給の増加が抑制されるようにした。そして、この場合に、一方的に改質器温度の低下、改質器バーナ2の失火、または電池電圧の低下がシステム内で起こることから、第1の実施の形態と同様、これらの情報からシステム制御装置20に安全上問題があるレベルまでの燃料の漏洩があるものと判定させるようにし、当該システム制御装置20にこれらの保護動作あるいは警報発令させるようにすることで、燃料電池発電システムを自動停止させたり、あるいは自動停止の前段で警報の自動発報によるユーザへの燃料リーク故障発生を知らせることができるようにした。
【0111】
従って、本実施形態によれば、燃料電池発電システム内に過度の燃料あるいは水素リークが発生した場合、これを改質器温度などで検知して、燃料電池発電システムの自動停止などの対処をすることができるため、可燃ガス検知器を有さずとも、燃料の漏洩を迅速かつ確実に検知して、安全性を維持することが可能となる。この結果、検知器削減により安価かつコンパクトなシステムを提供できる。
【0112】
以上は、燃料電池本体に供給する水素燃料の燃料流量と燃料電池出力の関係から燃料の供給制御を実施すると共に、運転中における一方的な改質器温度の低下やバーナの失火または電池電圧の低下が競合してシステム内で起こることを以て、燃料の異常なリークを検知し、安全を確保するようにしたものである。燃料のリーク検出だけならばもっと簡易に検知できる構成があるので、次にその実施形態を説明する。
【0113】
(第3の実施の形態)
この実施形態は、上記の[課題を解決するための手段]における[5]項および[6]項の発明に対応するものであって、この第3の実施の形態は、図3に示すように、燃料電池発電システムの電池電流値(あるいは負荷)16に応じて燃料流量26の異常検出基準値を与える関数器32と、この関数器32からの出力を比較基準に、燃料流量計25からの燃料流量26の値を比較し、燃料流量26が比較基準を超えると燃料リーク信号を発生する比較器31により、リーク検出器を構成する。そして、このリーク検出器を図5に示す如きの燃料電池発電システムに適用する。
【0114】
図5の燃料電池発電システムは、基本的には図2の構成を踏襲するものであるが、乗算器13の出力を燃料流量設定値17として燃料電池燃料調整器8に与えて燃料供給の調整をする構成である。
【0115】
乗算器13は原燃料の基準設定流量に制御器12からの補正係数を乗じて補正済みの基準設定流量を発生させる。すなわち、燃料電池本体9の出力電流値対応に関数器11から得られた原燃料の前記基準設定流量に対し、改質器温度18と改質器1の温度設定値19との偏差対応に制御器12にて得た補正係数を用いて乗算器13にて補正を加え、補正済みの基準設定流量を得て、これを燃料流量設定値17として出力する。
【0116】
また、システム制御装置20Aを設けてこのシステム制御装置20Aには、燃料リーク信号の監視機能を持たせ、燃料リーク信号の発生が予め設定した所定時間以上継続するときは、燃料電池運転の保護動作あるいは警報発令させるようにすることで、燃料電池発電システムを自動停止させたり、あるいは自動停止の前段で警報の自動発報によるユーザへの燃料リーク故障発生を知らせることができるようにしてある。
【0117】
このような構成の本システムは、炭化水素を含む原燃料ガスを改質器1に送り、ここで当該原燃料ガスを水蒸気で改質して水素を生成する。この改質反応に必要な熱は燃料電池本体9で余剰となった水素(未反応水素)を改質器1に設けたバーナ2に送って燃焼させることにより供給する。そして、改質器1により改質されたガスを一酸化炭素変成器7に送り、改質ガス中に含まれる一酸化炭素を二酸化炭素と水素に変換する。
【0118】
この一酸化炭素変成器7を介して得た水素と、大気中の酸素とを燃料電池本体9に供給して電気化学反応させ、直流電力を発生させる。
【0119】
ここで、改質器1はバーナ2の燃焼による熱を用いて原燃料ガスを水蒸気で改質するが、温度制御のために、改質器1には温度検出器3があり、現在の改質器1の検出温度(改質器温度18)を得ている。そして、温度制御器5は改質器1の温度設定値を与える温度設定器4からの温度設定値19を基準に温度計3の出力する温度検出信号値を比較して改質器1の温度が設定値19に保たれるような制御出力を発生する。そして、この制御出力はバーナ燃料調整弁6に与えられ、当該バーナ燃料調整弁6は、この温度制御器5からの制御出力対応に弁の開度を調整してバーナ2への供給水素ガス量を自動調整する結果、改質器1は設定温度に保たれる。
【0120】
一方、改質器温度18と改質器1の温度設定値19との差分が制御器12に与えられる。そして、制御器12は差分対応に補正係数を得、この得た補正係数を乗算器13に与える。また、燃料電池本体9の電流値が燃料電池出力電流検出器10により検出され、関数器11に与えられ、関数器11はこの検出電流値対応に原燃料の基準設定流量を発生する。そして、当該原燃料の基準設定流量を乗算器13に与える。
【0121】
乗算器13は原燃料の基準設定流量に制御器12からの補正係数を乗じて補正済みの基準設定流量を発生させる。すなわち、燃料電池本体9の出力電流値対応に関数器11から得られた原燃料の前記基準設定流量に対し、改質器温度18と改質器1の温度設定値19との偏差対応に制御器12にて得た補正係数を用いて乗算器13にて補正を加えて、補正済みの基準設定流量を得、これを燃料流量設定値17として出力する。
【0122】
そして、これを燃料電池燃料調整器8に与える。燃料電池燃料調整器8はこの燃料流量設定値17対応に自己の構成要素である燃料流量の調整弁の開度あるいは燃料流量調整ブロワの回転数を自動調整する。その結果、改質器1へ供給される原燃料量は、電池電流値16と改質器温度に対応した量に自動制御される。なお、電池電流値の代わりに燃料電池負荷でも良い。
【0123】
改質器1への原燃料量が電池電流値16と改質器温度に対応した量に調整される結果、改質器1から一酸化炭素変成器7を経て燃料電池本体9に供給される水素量は燃料電池本体9の出力電流値と改質器温度対応に自動制御されるので、燃料電池発電システムのケース内に燃料漏洩のない正常状態においては正常な運転が実施されることになる。
【0124】
また、このとき、図3に示すリーク検出器は、その構成要素である関数器32が、電池電流値(あるいは負荷)16に応じて燃料流量26の異常検出基準値を与え、この関数器32からの出力を比較基準に、比較器31は燃料流量計25からの燃料流量26の値を比較するが、燃料電池発電システムは正常状態にあるので、燃料流量26が比較基準を超えることはない。従って、リーク検出器からは燃料リーク信号は発生しない。
【0125】
一方、何らかの故障や障害発生により、燃料電池発電システムのケース内に燃料漏洩が発生した場合には、燃料電池本体9から弁6を介してバーナ2に流れる未反応の水素(余剰水素)が減少するため、バーナ2への水素供給量が少なくなり、燃焼温度が低下して改質器温度18が低下する。
【0126】
これに対し、上述のように改質器温度を適切に保つために、燃料流量設定値17が増大していき、燃料電池燃料調整器8における調整弁開度あるいは燃料流量調整ブロワの回転数などの燃料供給制御が成される。
【0127】
また、このとき、図3に示すリーク検出器は、その構成要素である関数器32が、電池電流値(あるいは負荷)16に応じて燃料流量26の異常検出基準値を与え、この関数器32からの出力を比較基準に、比較器31は燃料流量計25からの燃料流量26の値を比較する。そして、この場合、燃料電池発電システムは燃料リークの異常状態にあるので、燃料流量26はやがて比較基準を超える。そして、燃料流量26が比較基準を超えた段階で図3に示すリーク検出器は燃料リーク信号を発生することとなる。この結果、この燃料リーク信号から、運転中の燃料電池発電システムは燃料リークの異常状態にあることがわかる。
【0128】
従って、システム制御装置20Aに燃料リーク信号の監視機能を持たせ、燃料リーク信号の発生が予め設定した所定時間以上継続するときは、燃料電池運転の保護動作あるいは警報発令させるようにすることで、燃料電池発電システムを自動停止させたり、あるいは自動停止の前段で警報の自動発報によるユーザへの燃料リーク故障発生を知らせることができるようになる。
【0129】
このように、燃料が漏洩した場合には、燃料電池本体から流出する未反応の水素が減少するため、改質器温度が低下し、これに対して、第1、第2の実施の形態で説明した通り、改質器温度を適切に保つべく、燃料流量を増大させるように制御するが、電池電流あるいは負荷に応じた上限値を与える関数器を設けたため、過度の燃料あるいは水素リークが発生した場合には本上限値によって燃料リーク信号が出力されることになり、この燃料リーク信号に時限要素を付加して安全管理するべく、システム制御装置に保護および警報機能を持たせたことで、異常な燃料リーク発生時には燃料電池発電システムを自動停止させることができ、また前段で警報を自動発報してユーザに知らせることができるようになる。
【0130】
従って、第3の実施形態によれば、燃料電池発電システム内に過度の燃料あるいは水素リークが発生した場合、これを電池電流あるいは負荷に応じた上限値を与える関数で検知して、燃料電池発電システムの自動停止などの対処をすることができるため、可燃ガス検知器を有さずとも、燃料の漏洩を迅速かつ確実に検知して安全性を維持することが可能となる。この結果、検知器削減により安価かつコンパクトなシステムを提供できるようになる。
【0131】
以上は、燃料のリークの検出を、電池電流または負荷対応に定めた燃料流量上限値を基準に、燃料電池本体に供給する水素燃料を比較し、基準値を超えるとリーク発生とするリーク検出器を用いたものであった。これを燃料弁開度または燃料流量調整ブロワ回転数が上限値に達したことを検知することでも異常な燃料リークの発生を検知することができる。その例を次に第4の実施の形態として次に説明する。
【0132】
(第4の実施の形態)
この実施形態は、上記の[課題を解決するための手段]における[7]項および[8]項の発明に対応するものであって、この第4の実施の形態は、図4に示すように、燃料電池燃料調整器8の構成要素である調整弁の開度または燃料流量調整ブロワの回転数の基準となる上限値(異常の判定基準となる値)を電池電流値(あるいは負荷)16に応じて与える関数器32と、この関数器32からの出力を比較基準に、燃料電池燃料調整器8の調整弁の開度または燃料流量調整ブロワの回転数の検出値と比較し、調整弁開度または燃料流量調整ブロワ回転数が比較基準を超えると燃料リーク信号を発生する比較器31により、リーク検出器を構成する。そして、このリーク検出器を図5に示す如きの燃料電池発電システムに適用する。
【0133】
なお、図5の燃料電池発電システムにおいては、燃料電池燃料調整器8の調整弁はその開度が検出できる構成であり、または燃料流量調整ブロワもその回転数が検出できる構成である。そして、その検出値を図4のリーク検出器に与える構成である。
【0134】
また、システム制御装置20Aには、燃料リーク信号の監視機能を持たせ、燃料リーク信号の発生が予め設定した所定時間以上継続するときは、燃料電池運転の保護動作あるいは警報発令させるようにすることで、燃料電池発電システムを自動停止させたり、あるいは自動停止の前段で警報の自動発報によるユーザへの燃料リーク故障発生を知らせることができるようにしてある。
【0135】
このような構成の本システムは、燃料電池発電システムのケース内に燃料漏洩がない正常時においては、燃料電池本体9の出力電流値と改質器温度対応に燃料電池本体9への水素供給が成されるように、自動制御されるので、燃料電池発電システムのケース内に燃料漏洩のない正常状態においては正常な運転が実施されることになる。
【0136】
一方、何らかの故障や障害発生により、燃料電池発電システムのケース内に燃料漏洩が発生した場合には、燃料電池本体9から弁6を介してバーナ2に流れる未反応の水素(余剰水素)が減少するため、バーナ2への水素供給量が少なくなり、燃焼温度が低下して改質器温度18が低下する。
【0137】
これに対し、上述のように改質器温度を適切に保つために、燃料流量設定値17が増大していき、原燃料調整用に改質器1の入口側に設けてある燃料電池燃料調整器8における調整弁開度あるいは燃料流量調整ブロワの回転数などの燃料供給制御が成される。
【0138】
そのため、燃料電池本体9の出力電流値と改質器温度対応に燃料電池本体9への水素供給が成されるように、自動制御されるので、燃料電池本体9への燃料供給を増大するように制御が働くことになる、
また、このとき、図4に示すリーク検出器は、その構成要素である関数器32が、電池電流値(あるいは負荷)16に応じて燃料電池燃料調整器8の持つ調整弁の開度または燃料流量調整ブロワの回転数に対しての異常判定の基準となる上限値を与え、この関数器32からの上限値出力を比較基準に、比較器31は燃料電池燃料調整器8の持つ調整弁の開度または燃料流量調整ブロワの回転数の検出値を比較する。そして、この場合、燃料電池発電システムは燃料リークの異常状態にあるので、当該検出値はやがて比較基準を超える。そして、当該検出値が比較基準を超えた段階で図3に示すリーク検出器は燃料リーク信号を発生することとなる。この結果、この燃料リーク信号から、運転中の燃料電池発電システムは燃料リークの異常状態にあることがわかる。
【0139】
従って、システム制御装置20Aに燃料リーク信号の監視機能を持たせ、燃料リーク信号の発生が予め設定した所定時間以上継続するときは、燃料電池運転の保護動作あるいは警報発令させることで、燃料電池発電システムを自動停止させたり、あるいは自動停止の前段で警報の自動発報によるユーザへの燃料リーク故障発生を知らせることができるようになる。
【0140】
このように、第4の実施の形態の燃料電池発電システムは、電池電流あるいは電池の負荷に応じて燃料流量の調整弁開度または燃料流量調整ブロワ回転数の上限値を与える関数器と、この上限値を基準に、実際の燃料弁開度または燃料流量調整ブロワの回転数を比較し、これが上記上限値を超えるとリーク信号を発生する比較器とから検出器を構成するようにしたものである。
【0141】
燃料電池発電システムにおいては、供給される燃料がシステム内で漏洩した場合には、燃料電池本体から改質器バーナに送られる未反応の水素が減少するため、改質器温度が低下する。これに対し、第1乃至第3の実施の形態で説明した通り、改質器温度を適切に保つために、燃料電池燃料調整器8の持つ調整弁の開度または燃料流量調整ブロワの回転数を増大させていく。しかしながら、電池電流あるいは負荷に応じた上限値を与える関数器を設けたため、過度の燃料あるいは水素リークが発生した場合にはこの上限値に到達してしまうことよって燃料リーク信号が発生される。そこで、燃料リーク信号に対して時限要素で管理するようにし、燃料リーク信号が発生した場合にはその信号が所定の時間継続する場合に、燃料電池運転の保護動作あるいは警報発令させるようにすることで、燃料電池発電システムを自動停止させたり、あるいは自動停止の前段で警報の自動発報によるユーザへの燃料リーク故障発生を知らせることができるようにした。
【0142】
従って、この実施形態によれば、燃料電池発電システム内に過度の燃料あるいは水素リークが発生した場合でも、この異常を電池電流あるいは負荷に応じた上限値を与える関数で検知して、燃料電池発電システムの自動停止や警報発報などの対処ができるようになるため、可燃ガス検知器を有さずとも、燃料の漏洩を迅速かつ確実に検知して安全性を維持することが可能となる。この結果、検知器削減により安価かつコンパクトなシステムを提供できるようになる。
【0143】
以上は、燃料のリークの検出を、電池電流または負荷対応に定めた燃料供給関連情報上限値を基準に、燃料電池本体に供給する水素燃料供給状態(燃料流量や燃料弁開度または燃料流量調整ブロワ回転数の情報)を比較し、基準値を超えるとリーク発生とするリーク検出器を用いたものであった。これを燃料供給関連情報(燃料流量や燃料弁開度または燃料流量調整ブロワ回転数の情報)ではなく、改質器のバーナ空気供給関連情報により監視し、当該改質器バーナ空気供給関連情報検出値が上限値に達したことを検知することでも異常な燃料リークの発生を検知することができる。その例を次に第5の実施の形態として次に説明する。
【0144】
(第5の実施の形態)
この実施形態は、上記の[課題を解決するための手段]における[9]項および[10]項の発明に対応するものであって、この実施形態の燃料電池発電システムは、改質器バーナ空気流量を、改質器温度対応に制御する機能を有するシステムを対象としている。改質器温度が低下すればバーナ2に供給する空気量も低減させていく機能を有するシステムである。
【0145】
すなわち、図6に示すように、改質器1のバーナ2に対する空気供給経路に、空気の流量計27と空気供給量調整器28を設ける。空気流量計27は空気流量を測定して流量対応の流量信号を出力する機能を有しており、また、空気供給量調整器28は、調整弁や空気送風用のブロワなどから構成され、弁開度を調整したり、空気ブロワの回転数を制御することで、改質器1のバーナ2へ供給する外気量を制御できる構成である。
【0146】
ここで、改質器1はバーナ2の燃焼による熱を用いて原燃料ガスを水蒸気で改質するが、温度制御のために、改質器1には温度検出器3があり、現在の改質器1の検出温度(改質器温度18)を得ている。そして、温度制御器5は改質器1の温度設定値を与える温度設定器4からの温度設定値19を基準に温度計3の出力する温度検出信号値を比較して改質器1の温度が設定値19に保たれるような制御出力を発生し、この制御出力をバーナ燃料調整弁6に与えて、当該バーナ燃料調整弁6を、この温度制御器5からの制御出力対応に弁開度調整してバーナ2への供給水素ガス量を自動調整する。また、温度制御器5は温度検出器3の検出温度(改質器温度18)対応に、空気供給量調整器28の構成要素である調整弁や空気送風用のブロワの回転数を制御する制御出力を発生し、これらを制御して改質器バーナへの空気量を調整するようにしてある。
【0147】
その他、図6の構成は基本的には図1や図5で説明した実施形態の構成と同じであり、従って、図1や図5と同一部分には同一符号同一名称を付してその説明はここでは省略する。
【0148】
第5の実施の形態における燃料電池発電システムは、この他。図7に示す如きの燃料リーク検出器を備える。図7の構成において、空気流量計27の検出流量値の下限基準値となる下限値(異常の判定基準となる値)を電池電流値(あるいは負荷)16に応じて与える関数器32と、この関数器32からの出力を比較基準に、空気流量計27の流量検出値と比較し、流量検出値が比較基準を超えると(下回る)と燃料リーク信号を発生する比較器31により、リーク検出器を構成する。そして、このリーク検出器を図6に示す如きの燃料電池発電システムに適用する。
【0149】
また、システム制御装置20Aには、燃料リーク信号の監視機能を持たせ、燃料リーク信号の発生が予め設定した所定時間以上継続するときは、燃料電池運転の保護動作あるいは警報発令させるようにすることで、燃料電池発電システムを自動停止させたり、あるいは自動停止の前段で警報の自動発報によるユーザへの燃料リーク故障発生を知らせることができるようにしてある。
【0150】
このような構成の本システムは、燃料電池発電システムのケース内に燃料漏洩がない正常時においては、燃料電池本体9の出力電流値と改質器温度対応に燃料電池本体9への水素供給が成されるように、自動制御されるので、燃料電池発電システムのケース内に燃料漏洩のない正常状態においては正常な運転が実施されることになる。
【0151】
一方、何らかの故障や障害発生により、燃料電池発電システムのケース内に燃料漏洩が発生した場合には、燃料電池本体9から弁6を介してバーナ2に流れる未反応の水素(余剰水素)が減少するため、バーナ2への水素供給量が少なくなり、燃焼温度が低下して改質器温度18が低下する。
【0152】
これに対し、上述のように改質器温度を適切に保つために、燃料流量設定値17が増大していき、燃料電池燃料調整器8における調整弁開度あるいは燃料流量調整ブロワの回転数などの燃料供給制御が成される。
【0153】
そのため、燃料電池本体9の出力電流値と改質器温度対応に燃料電池本体9への水素供給が成されるように、自動制御されるので燃料電池本体9への燃料供給を増大するように制御が働くことになる。
【0154】
また、本システムは、改質器温度を適切に保つために、改質器バーナ空気流量14を低減させていく機能を有するシステムとなっていることから、このとき、温度制御器5の機能により、空気供給量調整器28は、その調整弁の開度制御や空気送風用のブロワ回転数が制御されることで、改質器1のバーナ2へ供給する外気量が低減制御され、改質器バーナ空気流量は低減していく。
【0155】
ここで、改質器バーナ空気流量は空気流量計27により検出されている。
【0156】
図7に示すリーク検出器は、その構成要素である関数器32が、電池電流値(あるいは負荷)16に応じて改質器バーナ空気量の異常判定の基準となる下限値を与え、この関数器32からの上限値出力を比較基準に、比較器31は空気流量計27からの空気流量検出値を比較する。
【0157】
そして、この場合、燃料電池発電システムは燃料リークの異常状態にあるので、改質器バーナ空気流量は低減していく結果、当該空気量検出値はやがて比較基準を割り込む。そして、当該検出値が比較基準を割った段階で図7に示すリーク検出器は燃料リーク信号を発生することとなる。この結果、この燃料リーク信号から、運転中の燃料電池発電システムは燃料リークの異常状態にあることがわかる。
【0158】
従って、システム制御装置20Aに燃料リーク信号の監視機能を持たせ、燃料リーク信号の発生が予め設定した所定時間以上継続するときは、燃料電池運転の保護動作あるいは警報発令させるようにすることで、燃料電池発電システムを自動停止させたり、あるいは自動停止の前段で警報の自動発報によるユーザへの燃料リーク故障発生を知らせることができるようになる。
【0159】
このように、第5の実施の形態における燃料電池発電システムは、燃料電池の電池電流あるいは負荷に応じて改質器バーナ空気流量の下限値を与える関数器と、この下限値を基準に改質器バーナ空気流量を比較し、改質器バーナ空気流量が前記下限値に到達すると燃料リークを知らせる燃料リーク信号を発生する比較器とを備えたものである。
【0160】
燃料が漏洩した場合には、燃料電池本体から流出する未反応の水素が減少するため、改質器温度が低下する。これに対し、改質器温度を適切に保つために、燃料電池発電システムの中には、改質器バーナ空気流量を低減させていく機能を有するシステムもあり、この場合、改質器バーナ空気流量は低減していく。
【0161】
第5の実施形態によれば、電池電流あるいは負荷6に対応した改質器バーナ空気流量下限値を与える関数器を有し、これと実際の改質器バーナ空気流量とを比較して実際の改質器バーナ空気流量が前記下限値に到達すると燃料リーク信号を発生する比較器を設けたため、燃料電池発電システム内に過度の燃料あるいは水素リークが発生した場合には本下限値によって燃料リーク信号が出力されることとなり、この信号に時限要素を付加して制御装置にて管理制御することで、燃料リーク信号の発生が所定時間継続すると、警報を発令したり、燃料電池発電システムの運転を自動停止させたりすることができるようになり、安全確保をすることができる。
【0162】
従って、この実施形態によれば、燃料電池発電システム内に過度の燃料あるいは水素リークが発生した場合、これを電池電流あるいは負荷に応じた改質器バーナ空気流量下限値を与える関数で実際の改質器バーナ空気流量を比較することにより検知できることから、可燃ガス検知器を用いずとも、燃料の漏洩を迅速かつ確実に検知して安全を確保できるようになり、従って、可燃ガス検知器を不要にした分、安価かつコンパクトなシステムを提供できる。
【0163】
以上は、改質器バーナ空気流量を、改質器温度対応に制御する機能を有するシステムを対象としているもので、改質器温度が低下すれば改質器バーナに供給する空気量も低減させていく機能を有するシステムの場合、燃料や水素ガスの供給状態を改質器バーナの空気量で監視監視可能となる点に着目し、燃料のリークの検出を、電池電流または負荷対応に定めた限界量を基準に、改質器バーナ空気供給関連情報検出値としてのバーナ供給空気流量が上記限界値(下限値)に達したことを検知することで異常な燃料リークの発生を検知するようにしたものである。しかし、改質器バーナ空気供給関連情報としては空気流量の他にも、改質器バーナ空気弁の開度または空気ブロワの回転数でも可能であるから、これを用いて異常な燃料リークの発生を検知するようにした例を、次に第6の実施の形態として次に説明する。
【0164】
(第6の実施の形態)
この実施形態は、上記の[課題を解決するための手段]における[11]項および[12]項の発明に対応するものであって、この実施形態の燃料電池発電システムは、第5の実施の形態と同様に、改質器バーナ空気流量を、改質器温度対応に制御する機能を有するシステムを対象としている。改質器温度が低下すればバーナ2に供給する空気量も低減させていく機能を有する図6に示した如きのシステムである。
【0165】
第6の実施の形態における燃料電池発電システムは、この他、図7の構成のリーク検出器に代えて図8に示す如きの燃料リーク検出器を備える。図8の構成において、空気供給量調整器28の構成要素である弁の開度または空気ブロワの回転数の基準となる下限値(異常の判定基準となる値)を電池電流値(あるいは負荷)16対応に与える関数器32と、この関数器32からの出力を比較基準に、空気供給量調整器28の弁の開度または燃料空気ブロワの回転数の検出値と比較し、燃料弁開度または燃料流量調整ブロワ回転数が比較基準に到達すると当該比較基準を下回る間、燃料リーク信号を発生する比較器31により、リーク検出器を構成する。そして、このリーク検出器を図6に示す如きの燃料電池発電システムに適用する。
【0166】
また、システム制御装置20Aには、燃料リーク信号の監視機能を持たせ、燃料リーク信号の発生が予め設定した所定時間以上継続するときは、燃料電池運転の保護動作あるいは警報発令させるようにすることで、燃料電池発電システムを自動停止させたり、あるいは自動停止の前段で警報の自動発報によるユーザへの燃料リーク故障発生を知らせることができるようにしてある。
【0167】
図8に示すリーク検出器は、その構成要素である関数器32が、電池電流値(あるいは負荷)16に応じた改質器バーナ空気弁の開度または空気ブロワの回転数に対する異常判定の基準となる下限値を与え、この関数器32からの下限値出力を比較基準に、比較器31は改質器用の空気供給量調整器28の持つ空気弁の開度または空気ブロワの回転数の検出値を比較する。そして、この場合、燃料電池発電システムは燃料リークの異常状態にあるので、当該検出値はやがて比較基準を超える。そして、当該検出値が比較基準に達した段階でリーク検出器は燃料リーク信号を発生することとなる。そして、当該検出値が比較基準を下回る間、すなわち、当該検出値が下限値から復帰するまではリーク検出器は燃料リーク信号の発生を継続することとなる。
この結果、この燃料リーク信号から、運転中の燃料電池発電システムは燃料リークの異常状態にあることがわかる。
【0168】
従って、システム制御装置20Aに燃料リーク信号の監視機能を持たせ、燃料リーク信号の発生が予め設定した所定時間以上継続するときは、燃料電池運転の保護動作あるいは警報発令させるようにすることで、燃料電池発電システムを自動停止させたり、あるいは自動停止の前段で警報の自動発報によるユーザへの燃料リーク故障発生を知らせることができるようになる。
【0169】
このように、第6の実施の形態における燃料電池発電システムは、燃料電池の電池電流あるいは負荷に応じて改質器バーナ空気弁開度または改質器バーナ空気ブロワ回転数の下限値を与える関数器と、この関数器にて得られた下限値を基準に、実際の改質器バーナ空気弁開度または改質器バーナ空気ブロワ回転数を比較器にて比較し、実際の改質器バーナ空気弁開度または改質器バーナ空気ブロワ回転数が基準値である上記下限値に到達すると当該下限値を脱するまで燃料リーク信号を発生するリーク検出器を設けたものである。
【0170】
燃料が漏洩した場合には、燃料電池本体から流出する未反応の水素が減少するため、改質器温度が低下する。これに対し、改質器温度を適切に保つために、燃料電池発電システムの中には、改質器バーナ空気流量を低減させていく機能を有するシステムもあり、この場合、改質器バーナ空気流量は低減していく。
【0171】
第6の実施の形態の対象としている燃料電池発電システムの場合、燃料や水素の漏洩が発生して改質器温度が低下してくると改質器バーナ空気弁開度または改質器バーナ空気ブロワ回転数は低減していく。
【0172】
しかしながら、関数器により電池電流あるいは負荷に応じた下限値を与えるため、過度の燃料あるいは水素リークが発生した場合には本下限値によって燃料リーク信号が出力され、この信号に時限要素を付加して制御装置にて管理制御することで、燃料リーク信号の発生が所定時間継続すると、警報を発令したり、燃料電池発電システムの運転を自動停止させたりすることができるようになり、安全確保をすることができる。
【0173】
従って、この実施形態によれば、燃料電池発電システム内に過度の燃料あるいは水素リークが発生した場合、これを電池電流あるいは負荷に応じた下限値を与える関数で検知して対処することができるようになるため、可燃ガス検知器を用いずとも、燃料の漏洩を迅速かつ確実に検知して、安全性を確保することが可能となる。この結果、可燃ガス検知器を必要としない分、安価かつコンパクトなシステムを提供できる。
【0174】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施可能である。例えば、上記実施の形態におけるリーク検出器は、ハードウエアの構成の他、ソフトウエアにより実現可能であり、ソフトウエアで実現する場合には、システム制御装置20Aにそのソフトウエアを実施させて機能を実現する構成とするなど、種々変形可能である。
【0175】
また、本発明において、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0176】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、可燃ガス検知器を用いずとも、システム内の状態量の異常状態を検出して、これから過大な燃料リークの存在を迅速に判定することができ、警報出力や自動停止操作を行うことが可能となる。
【0177】
従って、安全性を維持しつつ安価に構成できる燃料電池発電システムおよび燃料電池発電システムの制御方法を提供することができる。また、コンパクトなシステムとなる燃料電池発電システムおよび燃料電池発電システムの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための図であって、一例としての本発明の第1の実施の形態を示すブロック構成図である。
【図2】本発明を説明するための図であって、一例としての本発明の第2の実施の形態を示すブロック構成図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態で用いる本発明のリーク検出器の構成例を示すブロック構成図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態で用いる本発明のリーク検出器の構成例を示すブロック構成図である。
【図5】本発明を説明するための図であって、本発明の第3及び第4の実施の形態のリーク検出器を適用する一例としての燃料電池発電システムの構成例を示すブロック構成図である。
【図6】本発明の第5及び第6の実施の形態のリーク検出器を適用する一例としての燃料電池発電システムの構成例を示すブロック構成図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態で用いるリーク検出器の構成例を示すブロック構成図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態で用いるリーク検出器の構成例を示すブロック構成図である。
【図9】従来の燃料電池を示す構成図。
【符号の説明】
1…改質器
2…バーナ
2a…燃焼検知器
3…温度計
4…温度設定器
5…温度制御器
6…バーナ燃料調整弁
7…一酸化炭素変成器
8…燃料電池燃料調整器
9…燃料電池本体
10…燃料電池出力電流検出器
11…関数器
12…制御器
13…乗算器
14…K乗算器
15…低値選択器
16…電池電流検出値
17…燃料流量設定値
18…改質器温度
19…温度設定値
20,20A…システム制御装置
21…関数器
22…燃料制御器
23…低値選択器
24…燃料制御情報
25…燃料流量計
26…燃料流量信号26
27…空気流量計
28…空気供給量調整器
31…比較器
32…関数器
FC…燃料電池本体
FP…改質器
P…パッケージ
GS…可燃ガス検知器
CNT…制御装置。

Claims (16)

  1. 炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスを燃料ガスとして用い、この燃料ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成される燃料電池発電システムにおいて、
    前記改質装置の温度を検出する温度検出手段と、
    前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記燃料電池本体に供給される燃料の流量上限値を発生する手段と、
    前記改質装置から前記燃料電池本体に供給される燃料の流量を指示する流量設定値が前記流量上限値に至ると、前記温度検出手段による改質装置の温度低下および前記改質装置の加熱用バーナの失火または前記燃料電池本体の電圧低下があるとき、警報発報または燃料電池発電システムの停止制御のうち、少なくとも一方を実施するシステム制御手段と、を設けたことを特徴とする燃料電池発電システム。
  2. 炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスを燃料ガスとして用い、この燃料ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成される燃料電池発電システムにおいて、
    前記改質装置の温度を検出する温度検出手段と、
    前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記燃料電池本体に供給される燃料の流量上限値を発生する手段と、
    前記改質装置から前記燃料電池本体に供給される燃料の流量を指示する流量設定値が前記流量上限値に至ると、前記温度検出手段による改質装置の温度低下および前記改質装置の加熱用バーナの失火または前記燃料電池本体の電圧低下があるとき、当該警報発報の状況が所定時間にわたり続くときは燃料電池発電システムの停止制御を実施するシステム制御手段と、
    を設けたことを特徴とする燃料電池発電システム。
  3. 炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスを燃料ガスとして用い、この燃料ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成される燃料電池発電システムにおいて、
    前記改質装置の温度を検出する温度検出手段と、
    前記燃料電池本体に供給される前記燃料ガスの量を調整するための弁であって、与えられる開度指令値対応に開度調整される燃料流量調整弁と、
    前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記燃料流量弁の開度上限値を発生する手段と、
    前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記開度指令値を発生する手段と、
    前記開度指令値が前記開度上限値に至ると、前記温度検出手段による改質装置の温度低下および前記改質装置の加熱用バーナの失火または前記燃料電池本体の電圧低下があるとき、警報発報または燃料電池発電システムの停止制御の少なくとも一方を実施するシステム制御手段と、
    を設けたことを特徴とする燃料電池発電システム。
  4. 炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスを燃料ガスとして用い、この燃料ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成される燃料電池発電システムにおいて、
    前記改質装置の温度を検出する温度検出手段と、
    前記燃料電池本体に供給される前記燃料ガスの量を調整するための弁であって、与えられる開度指令値対応に開度調整される燃料流量調整弁と、
    前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記燃料流量弁の開度上限値を発生する手段と、
    前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記開度指令値を発生する手段と、
    前記開度指令値が前記開度上限値に至ると、前記温度検出手段による改質装置の温度低下および前記改質装置の加熱用バーナの失火または前記燃料電池本体の電圧低下があるとき、警報発報すると共に当該警報発報の状況が所定時間にわたり続くときは燃料電池発電システムの停止制御を実施するシステム制御手段と、
    を設けたことを特徴とする燃料電池発電システム。
  5. 炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスを燃料ガスとして用い、この燃料ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成される燃料電池発電システムにおいて、
    前記燃料電池本体に供給される燃料ガスの流量を検出する検出手段と、
    前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に燃料流量の異常検出基準値を与える手段と、
    この異常検出基準値を比較基準に前記燃料ガスの検出流量を比較し、当該燃料ガスの検出流量が前記比較基準を超えると信号を発生する比較手段と、
    この比較手段からの信号により、警報発報または燃料電池発電システムの停止制御の少なくとも一方を実施するシステム制御手段と、
    を設けたことを特徴とする燃料電池発電システム。
  6. 炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスを燃料ガスとして用い、この燃料ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成される燃料電池発電システムにおいて、
    前記燃料電池本体に供給される燃料ガスの流量を弁開度制御により調整する調整弁の開度もしくは燃料ガスを送り出すブロワの回転数を検出する検出手段と、
    前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記調整弁の開度もしくはブロワの回転数の異常検出基準値を与える手段と、
    この異常検出基準値を比較基準に前記調整弁の開度もしくはブロワの回転数の検出値を比較し、当該検出値が前記比較基準を超えると信号を発生する比較手段と、
    この比較手段からの信号により警報発報または燃料電池発電システムの停止制御の少なくとも一方を実施するシステム制御手段とを設けたことを特徴とする燃料電池発電システム。
  7. 炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスを燃料ガスとして用い、この燃料ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成されると共に、前記改質装置の温度を検出して前記改質装置の温度が設定温度より低下すると前記改質装置の加熱用バーナへの供給酸化剤ガス量を低減すべく調整制御する調整機能を有する燃料電池発電システムにおいて、
    前記改質装置の加熱用バーナに供給される酸化剤ガスの流量を検出する検出手段と、
    前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記改質装置の加熱用バーナへの供給酸化剤ガス量の異常検出基準値を与える手段と、
    この異常値検出基準値を比較基準に前記酸化剤ガスの検出流量を比較し、当該検出流量が前記比較基準に至ると信号を発生する比較手段と、
    この比較手段からの信号により警報発報または燃料電池発電システムの停止制御の少なくとも一方を実施するシステム制御手段とを設けたことを特徴とする燃料電池発電システム。
  8. 炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスを燃料ガスとして用い、この燃料ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成されると共に、前記改質装置の温度を検出して前記改質装置の温度が設定温度より低下すると前記改質装置の加熱用バーナへの供給酸化剤ガス量を低減すべく調整制御する調整機能を有する燃料電池発電システムにおいて、
    前記改質装置の加熱用バーナへの供給酸化剤ガスの流量を弁開度制御により調整する調整弁の開度もしくは酸化剤ガスを送り出すブロワの回転数を検出する検出手段と、
    前記燃料電池本体の発生する電気エネルギーの出力電流値もしくは負荷量対応に前記調整弁の開度もしくはブロワの回転数の異常検出基準値を与える手段と、
    この異常検出基準値を比較基準に前記酸化剤ガスの検出流量を比較し、当該検出流量が前記比較基準に至ると信号を発生する比較手段と、
    この比較手段からの信号により警報発報または燃料電池発電システムの停止制御の少なくとも一方を実施するシステム制御手段とを設けたことを特徴とする燃料電池発電システム。
  9. 炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスを燃料ガスとして用い、この燃料ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成される燃料電池発電システムの制御方法において、
    前記改質装置の温度を検出し、
    また、前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記燃料電池本体に供給される燃料の流量上限値を発生すると共に、
    前記改質装置から前記燃料電池本体に供給される燃料の流量を指示する流量設定値が前記流量上限値に至ると、前記改質装置の温度低下および前記改質装置の加熱用バーナの失火または前記燃料電池本体における前記燃料電池本体の電圧低下があるとき、燃料電池発電システムを停止制御することを特徴とする燃料電池発電システムの制御方法。
  10. 炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスを燃料ガスとして用い、この燃料ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成される燃料電池発電システムの制御方法において、
    前記改質装置の温度を検出し、
    前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記燃料電池本体に供給される燃料の流量上限値を発生すると共に、前記改質装置から前記燃料電池本体に供給される燃料の流量を指示する流量設定値が前記流量上限値に至ると、前記改質装置の検出値から改質装置の温度低下と前記改質装置の加熱用バーナの失火または電池電圧の低下とがあるとき、警報発報または燃料電池発電システムを停止制御することを特徴とする燃料電池発電システムの制御方法。
  11. 炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成される燃料電池発電システムの制御方法において、
    前記燃料電池本体に供給される前記燃料ガスの量を調整するための弁であって、与えられる開度指令値対応に開度調整される燃料流量調整弁を設けると共に、また、前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記燃料流量弁の開度上限値を発生させ、前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記開度指令値を発生させ、
    前記開度指令値が前記開度上限値に至ると、前記温度検出手段による改質装置の温度低下および前記改質装置の加熱用バーナの失火または前記電池電圧の低下とがあるとき、警報発報または燃料電池発電システムを停止制御の少なくとも一方を実施させることを特徴とする燃料電池発電システムの制御方法。
  12. 炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成される燃料電池発電システムの制御方法において、
    前記燃料電池本体に供給される前記燃料ガスの量を調整するための弁であって、与えられる開度指令値対応に開度調整される燃料流量調整弁を設けると共に、また、前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記燃料流量弁の開度上限値を発生させ、
    前記燃料電池本体の発生する電気エネルギの出力電流値もしくは負荷量対応に前記開度指令値を発生して、
    前記開度指令値が前記開度上限値に至ると、前記改質装置の温度低下と前記改質装置の加熱用バーナの失火または前記燃料電池本体の電圧低下があるとき、警報発報すると共に当該警報発報の状況が所定時間にわたり続くときは燃料電池発電システムの停止制御を実施させることを特徴とする燃料電池発電システムの制御方法。
  13. 炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成される燃料電池発電システムの制御方法において、
    電池電流や負荷に応じて予め定めた燃料電池本体供給燃料の供給流量あるいはその設定値に対する許容上限値を与えると共に、この与えられた許容上限値を基準に燃料電池本体への実際の燃料流量あるいはその設定値を比較し、燃料電池本体への実際の燃料流量あるいはその設定値が前記基準値を超えた場合に警報信号を発報するかまたは燃料電池発電システムを自動停止させることを特徴とする燃料電池発電システムの制御方法。
  14. 炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成される燃料電池発電システムの制御方法において、
    前記燃料電池本体に供給される燃料ガスの流量を弁開度制御により調整する調整弁もしくは燃料ガスを燃料電池本体に送り出すブロワを設け、前記調整弁の開度もしくは前記燃料ガスを送り出すブロワの回転数を検出して検出値を得ると共に、電池電流や負荷に応じて予め定めた燃料供給流量制御弁開度あるいはその設定値もしくは前記ブロワの回転数に対する許容上限値を与え、この与えられた許容上限値を基準に前記検出値を比較して、その結果、検出値がこの基準を超えた場合に警報信号を発報するかまたは燃料電池発電システムを停止させるべく制御することを特徴とする燃料電池発電システムの制御方法。
  15. 炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスと空気などの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成されると共に、前記改質装置の温度を検出して前記改質装置の温度が設定温度まで低下すると前記改質装置の加熱用バーナへの供給酸化剤ガス量を低減すべく調整制御する調整機能を有する燃料電池発電システムの制御方法において、
    電池電流や負荷に応じて予め定めた改質装置バーナ燃焼用空気流量あるいはその設定値に対する許容下限値を与え、この与えられた許容下限値を基準に改質装置バーナ燃焼用空気量あるいはその設定値を比較し、この改質装置バーナ燃焼用空気量あるいはその設定値が前記基準を下回った場合に警報信号を発報するかまたは燃料電池発電システムを自動停止させることを特徴とする燃料電池発電システムの制御方法。
  16. 炭化水素を含む原燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成するための改質装置と、この改質装置で得られた前記改質ガスを燃料ガスとして用い、この燃料ガスと空気などの酸化剤ガスとの酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生する燃料電池本体とから構成されると共に、前記改質装置の温度を検出して前記改質装置の温度が設定温度より低下すると前記改質装置の加熱用バーナへの供給酸化剤ガス量を低減すべく調整制御する調整機能を有する燃料電池発電システムの制御方法において、
    前記改質装置の加熱用バーナへの供給酸化剤ガスの流量を弁開度制御により調整する調整弁もしくは酸化剤ガスを送り出すブロワを設けて前記調整弁の開度もしくはブロワの回転数を検出して検出値を得ると共に、
    電池電流や負荷に応じて予め定めた改質装置バーナ燃焼用空気流量制御弁開度あるいはその設定値もしくは前記ブロワの回転数の許容下限値を与え、この許容下限値を前記検出値と比較して、検出値が許容下限値を下回った場合に警報信号を発報するかまたは燃料電池発電システムを自動停止させることを特徴とする燃料電池発電システムの制御方法。
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