JP4211277B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び面発光光源、並びにディスプレイ、液晶ディスプレイ - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及び面発光光源、並びにディスプレイ、液晶ディスプレイ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報表示端末などのディスプレイや面発光光源として用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子(以下有機EL素子と略記する)に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、視野角が広い、応答速度が速い、消費電力が低いなどの利点から、ブラウン管や液晶ディスプレイに変わるフラットパネルディスプレイとして期待されている。
【0003】
有機EL素子は、少なくとも一方が透明な2枚の電極間に、有機発光媒体層を挟持した構造であり、両電極から電流を注入することにより、有機発光媒体層で光が生じるものである。
【0004】
2枚の電極とそれに挟まれた有機発光媒体層の総厚は、数100nm程度の薄膜であるため、有機EL素子の厚みは、ほぼ透光性基材と背面封止材の厚みである。このため、薄型・軽量化が期待される携帯電話等小型、薄型のディスプレイやバックライト部材、可撓性のあるプラスチックを基材としたフレキシブルディスプレイなどへの応用が期待されている。
【0005】
一方、携帯電話などの小型パネルに多用されている液晶ディスプレイは、パネル背面に半透過反射板を配置し、明るい場所では外光を利用し、暗い場所ではバックライトの光が利用されている。しかし、現在用いられているバックライトユニットは、LED点光源を拡散板により面光源化しているため、拡散板を薄くすると面内の輝度むらが大きくなるといった問題がある。
【0006】
有機EL素子を、液晶ディスプレイのバックライトに利用した例としては、特開平5−34692号公報や特開平8−83688号公報などに開示されている。が、有機EL素子の薄型化で発生する反りや耐久性の問題を解決するためのものではない。
【0007】
有機EL素子の薄型化を検討するために、例えば0.4mm厚のガラス基材上に、2枚の電極とその間の有機発光媒体層から成る有機EL素子を作製し、ついで接着性樹脂を用いて50μm厚のアルミニウム箔を貼り合せて封止することで、総厚0.5mm以下の有機EL素子を作製した場合、接着性樹脂の硬化収縮により、透光性基材に反りが生じ、液晶パネルへの密着貼り合せができないといった問題が生じた。
このように、今までは、有機EL素子の封止方法として一般的に用いられている金属箔等の接着による封止法は、薄型バックライト用有機EL素子に用いることはできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、金属箔等の接着による封止法を用いた有機ELパネルの薄型化に伴う基板の反りを防止することにより、液晶パネルへの密着張り合わせが容易で、液晶ディスプレイのバックライトに用いることのできる、薄型有機EL素子を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る第1の発明は、透光性基材の一方の面上に、少なくとも透明陽極層、有機発光媒体層、陰極層を有し、陰極層上にバインダー樹脂を含む接着層を介して封止層が積層されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記透光性基材の他方の面上に、前記接着層と同じバインダー樹脂を含む前記反り防止層が設けられ、且つ、前記接着層又は反り防止層の内部に、前記各層の厚みに相当する粒径の光拡散性の微粒子を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項2に係る第2の発明は、前記接着層及び反り防止層の内部に、前記各層の厚みに相当する粒径の光拡散性の微粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項3に係る第3の発明は、前記封止層が、金属箔または合金箔を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項4に係る第4の発明は、前記バインダー樹脂が、エポキシ樹脂系であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項5に係る第5の発明は、前記透光性基材が、光散乱粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項6に係る第6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする面発光光源である。
請求項7に係る第7の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子をバックライトに有することを特徴とするディスプレイである。
請求項8に係る第8の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子をバックライトに有することを特徴とする液晶ディスプレイである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の有機EL素子及びその製造工程の一例を、図1および図2に基づいて説明する。本発明の有機EL素子は、透光性基材1の一方の面上に、少なくとも透明陽極層2、有機発光媒体層3、陰極層4を有し、陰極層4上に接着層5を介して封止層7が積層されてなるものであり、透光性基材1の他方の面上に反り防止層6が設けられている構成の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0011】
透光性基材1としては、透光性と絶縁性を有する基板であれば如何なる基板も使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート等のプラスチックフィルムやシート、もしくはガラスや石英などを用いることができる。これらの基材には、必要に応じて、無機薄膜などの透明バリア膜や透明バリアフィルムなどを積層しても良い。
また透光性基材1上に光散乱効果のある層を形成したり、透光性基材1形成樹脂に光散乱粒子を含ませ、光散乱効果を持たせることもできる。
【0012】
次いで透光性基材1の一方の面上に、透明陽極層2を形成する。透明陽極層2の形成方法は、パターン成膜もしくは、透明陽極層2を一面に形成した(図1(a))後にパターニングし、陽極用引き出し電極2aを兼ねた透明陽極層2と陰極用引き出し電極2bとを形成する(図1(b))。透明陽極層2の材料としては、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、亜鉛アルミニウム酸化物などの金属酸化物や、金、白金などの金属薄膜や、これら金属酸化物や金属の微粒子をバインダー樹脂に分散させた透明導電性インキなどを使用することができる。
【0013】
透明陽極層2の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法などを用いることができる。
【0014】
透明陽極層2のパターニング方法としては、材料や成膜方法に応じて、マスク蒸着法、フォトリソグラフィー法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、などを用いることができる。
【0015】
また、透光性基材1と透明陽極層2との密着性を向上させるために、あらかじめ透光性基材1表面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施してもよく、さらには酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、酸化アルミニウムなどの無機絶縁膜や、クロム、チタンなどの金属膜や、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂などの高分子樹脂膜を1またはそれ以上積層してもよい。
【0016】
この上に有機発光媒体層3を形成する(図1(c))。ここで、有機発光媒体層3を形成する前に、透明陽極層2の表面洗浄や表面改質を目的として、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施すことが好ましい。
【0017】
本発明における有機発光媒体層3としては、少なくとも発光層を含む、単層もしくは多層膜を用いることができる。有機発光媒体層を多層にした場合の構成例としては、正孔輸送層、電子輸送性発光層または正孔輸送性発光層、電子輸送層からなる2層構成や、正孔輸送層、発光層、電子輸送層からなる3層構成や、パターニングの為の絶縁層などを形成してさらに多層化することも可能である。
【0018】
正孔輸送層の材料としては、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミンなどの低分子材料や、ポリチオフェン、ポリアニリン等の高分子材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。
【0019】
発光層の材料としては、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体等の低分子材料や、ポリフルオレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェンなどの高分子材料、その他既存の発光材料を用いることができる。
【0020】
電子輸送層の材料としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、およびオキサジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾール化合物等が挙げられる。
【0021】
また、有機発光媒体層3の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱法、電子ビーム法などの真空蒸着法や、スピンコート、スプレーコート、フレキソ、グラビア、ロールコート、凹版オフセットなどのコーティング法、印刷法を用いることができる。複数の層から構成される有機発光媒体層3のいずれかの層をパターンニングしてもよい。有機発光媒体層3の膜厚としては、単層または多層においても1000nm以下であり、好ましくは50〜150nmである。
【0022】
次に、陰極層4を形成する(図1(c))。陰極層4の材料としては、電子注入効率の高い物質を用いることが好ましい。具体的には、Mg、Al、Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li、LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いる。または電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系が用いられる。具体的にはMgAg、AlLi、CuLi等の合金が使用できる。
【0023】
陰極層4の形成方法には、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、ラミネート法などを用いることができる。陰極の厚さは、10nm〜1000nm程度が望ましい。
【0024】
次に、陰極層4上に接着層5を介して封止層7を積層すると同時に、透光性基材1の他方の面上に反り防止層6を形成する(図1(d)または図2)。接着層5を積層する前に、陰極層4と接着層5との密着性向上のために、あらかじめ陰極層4上に、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、酸化アルミニウムなどの無機絶縁膜や、クロム、チタンなどの金属膜や、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂などの高分子樹脂膜を単層もしくは多層形成してもよい。
【0025】
接着層5を主に構成するバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、シリコーン系、フェノール樹脂系などからなる熱硬化型接着性樹脂、光硬化型接着性樹脂、熱可塑型接着性樹脂などを用いることができる。特に、耐湿性、耐水性に優れ、硬化時の収縮が少ないエポキシ樹脂系接着剤を用いることが好ましい。
【0026】
接着層5および反り防止層6の形成方法としては、構成材料に応じて、ロールコート、スピンコート、スクリーン印刷法、スプレーコートなどのコーティング法、印刷法を用いることができる。また、シート状に成形した材料を張り合わせてもよい。
【0027】
接着層5の膜厚は、0.001mm〜0.1mmであることが好ましい。これは、接着層5の厚みが0.1mmよりも厚いと、端部からの透湿量の増加により有機EL素子が劣化するといった問題が生じたり、硬化収縮力が大きくなることにより透光性基材1を薄板にした場合に反り量が大きくなるといった問題が生じるからである。逆に0.001mmよりも薄いと、有機EL素子が封止層7と接触することがあり、封止層7として金属箔などの導電性物質を用いた場合に、有機EL素子が短絡するといった問題が生じるからである。
【0028】
また、透光性基材1の他方の面上に形成した反り防止層6は、接着層5と同じ硬化収縮力となるよう材料と層厚を調整すれば、特に材料や厚みに制限はないが、接着層5と同じバインダー樹脂を用い、同じ層厚、同じ層形成方法とすると硬化収縮力を調整しやすいため好ましい。
【0029】
接着層5および反り防止層6を構成するバインダー樹脂に、所定の粒径を有する透明または不透明な微粒子を加え、分散させると、それぞれの層の層厚を簡便かつ正確にそろえることができ、特に接着層5においては素子の短絡も防ぐことができる(図2)。また反り防止層6においては、光拡散性の微粒子を選択することで、反り防止層が拡散層としても機能するようになる。
【0030】
微粒子8の材料としては、シリカ、ガラス、アルミナ、酸化チタンなどの無機微粒子や、プラスチック微粒子、アクリルゴム、ニトリルゴムなどの有機微粒子を、単成分もしくは多成分混入することができる。微粒子の粒径で最大のものは、0.001mm〜0.1mmであることが好ましい。最大となる微粒子の粒径は、所望の接着層または反り防止層の厚みに相当するものを選択すると良い。ここで「所望の接着層または反り防止層の厚みに相当する」とは、微粒子の粒径が各層の厚みに等しいかやや小さいことを意味する。接着層5と反り防止層6を構成するバインダー樹脂に混入される微粒子8について、最大となる微粒子の粒径が同じであれば、接着層5と反り防止層6の層厚を容易にそろえることができ、同じバインダー樹脂を用いた場合には特に、有機EL素子の反り防止に効果的である。このとき微粒子の材料や含有量は同じでなくても良く、またそれぞれに光拡散などの機能を有する粒子を混合したり、含有水分を除去する為に酸化バリウムや酸化カルシウムなどの乾燥剤を混入しても良い。混入する微粒子8の量は、光の透過を妨げず、層厚を均等に形成できる範囲なら特に問題はないが、好ましくは接着層5および反り防止層6の1〜30重量%である。
【0031】
封止層7の材料としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリカーボネートなどのプラスチックフィルム上に、酸化珪素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物や、窒化珪素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物、または弗化アルミニウムなどの金属弗化物、もしくはアルミニウム、ニッケル、銅などの金属や合金を蒸着した複合フィルムや、これら金属材料からなる金属箔や合金箔、その他、ガラス、金属板などを用いることができる。特に、有機EL素子を薄型にでき、かつガスバリア性に優れている金属箔や合金箔が望ましく、取り扱いの容易な、金属箔や合金箔にポリエチレンテレフタラートなどのプラスチックフィルムをラミネートしたものを用いてもよい。
【0032】
反り防止層6に微粒子8分散させた際には、反り防止層6上に、離型剤としてシリコーン系ポリマー等を塗布したプラスチックフィルムなどの離型シート9を張り合わせると、反り防止層6の層厚制御がより容易となる(図2)。封止層7と離型シート9で挟まれた有機EL素子にロール等で圧力をかけることで、接着層5と反り防止層6の層厚が、分散した微粒子8の粒径に揃う。この工程の後にそれぞれの層を硬化させ、離型シート9を有機EL素子から取り除くことで、本発明の反りのない薄型有機EL素子を得ることができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明に係わるEL素子及びその製造方法の実施例の一例を説明する。実施例1、2および比較例1を、図1〜図3に従って説明する。
【0034】
(実施例1)
まず、透光性基材1として0.3mm厚のガラス基板(50mm×50mm)の一方の面に、スパッタリング法を用いて透明陽極層2としてインジウム錫酸化物(ITO)膜を150nm形成した(図1(a))。
次いで、フォトリソグラフィー法及びウェットエッチング法を用いて、ITO膜をパターンニングし、引き出し電極2aを兼ねた透明陽極層2と陰極引き出し電極2bとを形成した(図1(b))。
ITO膜表面をUVオゾン処理した後に、ポリ[2−メトキシ−5−(2'−エチル−ヘキシロキシ)−1,4−フェニレン ビニレン](MEHPPV)をスピンコート法によりコーティングし、有機発光媒体層3を100nm形成した(図1(c))。
次に、陰極層4として、真空蒸着法によりCa(20nm)とAg(200nm)をこの順に積層形成した(図1(c))。
この陰極層4上に、接着層5としてエポキシ樹脂系熱硬化型接着剤を0.01mmの厚みで積層し、さらに封止層7としてアルミニウム箔(50μm)を積層した。また、これと同時に、透光性基材1の他方の面に反り防止層6として接着層5に用いたのと同じエポキシ樹脂系熱硬化型接着剤を0.01mmの厚みで積層し、接着層5および反り防止層6を同時に熱硬化した(図1(d))。
得られたEL素子は、接着層5の硬化収縮量が多少大きくなり、平らな面に有機EL素子を置いたところ、透光性基材1の両端が平面からそれぞれ1mmずつ浮いているのが確認できた。
【0035】
(実施例2)
実施例1のEL素子において、接着層5および反り防止層6の形成材料として、エポキシ樹脂系熱硬化型接着剤にアクリルゴムの微粒子8(粒径0.01mm)を樹脂全体に対して5重量%加えたものを用いた。さらに反り防止層6上に、離型シート9(剥離剤(シリコーン系ポリマー)を塗布したポリエチレンテレフタレートフィルム)を貼り合せ、有機EL素子の厚さが均等になるようにゴムロールに通した(図2)。
この有機EL素子の接着層5および反り防止層6を熱硬化した後に、反り防止層6から剥離シート8を剥がしたところ、反りの無い有機EL素子が得られた。
【0036】
(比較例1)
実施例1のEL素子において、反り防止層6を形成せずに、接着層5のみを形成し熱硬化した(図3)。得られた有機EL素子を平らな面に置いたところ、接着層5の硬化収縮により、透光性基材1の両端が平面からそれぞれ5mmずつ浮いているのが確認できた。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、反り防止層を形成することで反りがほとんどなく、また封止に金属箔を用いることができるので耐久性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。さらに、接着層および反り防止層を形成する樹脂に微粒子を混合し厚さを調整しやすくすることで、反りのない有機エレクトロルミネッセンス素子を制作することが可能である。この発明によれば透光性基材としてポリエチレンテレフタレートなどの可撓性の基材を選択しても反りを抑えることができる。
この有機エレクトロルミネッセンス素子は全厚1mm以下の薄型にしても反らないので、液晶パネルへの密着張り合わせが容易であり、薄型ディスプレイ、特に液晶ディスプレイのバックライトに用いるのに好適である。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の実施例1を説明した断面図である。
【図2】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の実施例2を説明した断面図である。
【図3】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の比較例1を説明した断面図である。
【符号の説明】
1 透光性基材
2 透明陽極層
2a 陽極用引き出し電極
2b 陰極用引き出し電極
3 有機発光媒体層
4 陰極層
5 接着層
6 反り防止層
7 封止層
8 微粒子
9 離型シート

Claims (8)

  1. 透光性基材の一方の面上に、少なくとも透明陽極層、有機発光媒体層、陰極層を有し、陰極層上にバインダー樹脂を含む接着層を介して封止層が積層されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記透光性基材の他方の面上に、前記接着層と同じバインダー樹脂を含む前記透明性基材の反り防止層が設けられ、且つ、前記反り防止層の内部に、前記各層の厚みに相当する粒径の光拡散性の微粒子を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記接着層及び反り防止層の内部に、前記各層の厚みに相当する粒径の光拡散性の微粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記封止層が、金属箔または合金箔を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記バインダー樹脂が、エポキシ樹脂系であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記透光性基材が、光散乱粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする面発光光源。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子をバックライトに有することを特徴とするディスプレイ。
  8. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子をバックライトに有することを特徴とする液晶ディスプレイ。
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