JP4211166B2 - 符号化装置及び方法、記録媒体、並びに復号装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1の符号列よりも符号化効率の高い第2の符号列を符号化するための符号化装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
符号化されたオーディオ或いは音声等の信号を記録可能な光磁気ディスク等の記録媒体に記録する技術が広く使用されている。オーディオ或いは音声等の信号の高能率符号化の手法には種々あるが、例えば、時間軸上のオーディオ信号等をブロック化しないで、複数の周波数帯域に分割して符号化する非ブロック化周波数帯域分割方式である、帯域分割符号化(サブ・バンド・コーディング:SBC)や、時間軸の信号を周波数軸上の信号に変換(スペクトル変換)して複数の周波数帯域に分割し、各帯域毎に符号化するブロック化周波数帯域分割方式、いわゆる変換符号化等を挙げることができる。また、上述の帯域分割符号化と変換符号化とを組み合わせた高能率符号化の手法も考えられており、この場合には、例えば、上記帯域分割符号化で帯域分割を行った後、該各帯域毎の信号を周波数軸上の信号にスペクトル変換し、このスペクトル変換された各帯域毎に符号化が施される。ここで用いるフィルターとしては、例えばQMFフィルターがあり、これは、1976 R.E.Crochiere Digital coding of speech in subbands,Bell Syst.Tech. J. Vol.55,No.8 1976に、述べられている。また、ICASSP 83,BOSTON Polyphase Quadrature filters-A new subband coding technique Joseph H. Rothweilerには、等バンド幅のフィルター分割手法が述べられている。
【0003】
ここで、上述したスペクトル変換としては、例えば、入力オーディオ信号を所定単位時間(符号化フレーム)でブロック化し、当該ブロック毎に離散フーリエ変換(DFT)、コサイン変換(DCT)、モディファイドDCT変換(MDCT)等を行うことで時間軸を周波数軸に変換するようなスペクトル変換がある。MDCTについては、ICASSP 1987 Subband/Transform Coding Using Filter Bank Designs Based on Time Domain Aliasing Cancellation J.P.Princen A.B.Bradley Univ. of Surrey Royal Melbourne Inst.of Tech.に述べられている。
【0004】
波形信号をスペクトルに変換する方法として上述のDFTやDCTを使用した場合には、M個のサンプルからなる時間ブロックで変換を行うとM個の独立な実数データが得られる。時間ブロック間の接続歪みを軽減するために通常、両隣のブロックとそれぞれM1個のサンプルずつオーバーラップさせるので、平均して、DFTやDCTでは(M-M1)個のサンプルに対してM個の実数データを量子化して符号化することになる。
【0005】
これに対してスペクトルに変換する方法として上述のMDCTを使用した場合には、両隣の時間とM個ずつオーバーラップさせた2M個のサンプルから、独立なM個の実数データが得られるので平均して、MDCTではM個のサンプルに対してM個の実数データを量子化して符号化することになる。復号装置においては、このようにしてMDCTを用いて得られた符号から各ブロックにおいて逆変換を施して得られた波形要素を互いに干渉させながら加え合わせることにより、波形信号を再構成することができる。
【0006】
一般に変換のための時間ブロックを長くすることによって、スペクトルの周波数分離度が高まり特定のスペクトル成分にエネルギーが集中する。したがって、両隣のブロックと半分ずつオーバーラップさせて長いブロック長で変換を行い、しかも得られたスペクトル信号の個数が、元の時間サンプルの個数に対して増加しないMDCTを使用することにより、DFTやDCTを使用した場合よりも効率の良い符号化を行うことが可能となる。また、隣接するブロック同士に十分長いオーバーラップを持たせることによって、波形信号のブロック間歪みを軽減することもできる。
【0007】
このようにフィルターやスペクトル変換によって帯域毎に分割された信号を量子化することにより、量子化雑音が発生する帯域を制御することができ、マスキング効果などの性質を利用して聴覚的により高能率な符号化を行なうことができる。また、ここで量子化を行なう前に、各帯域毎に、例えばその帯域における信号成分の絶対値の最大値で正規化を行なうようにすれば、さらに高能率な符号化を行なうことができる。
【0008】
周波数帯域分割された各周波数成分を量子化する周波数分割幅としては、例えば人間の聴覚特性を考慮した帯域分割が行われる。すなわち、一般に臨界帯域(クリティカルバンド)と呼ばれている高域程帯域幅が広くなるような帯域幅で、オーディオ信号を複数(例えば25バント)の帯域に分割することがある。また、この時の各帯域毎のデータを符号化する際には、各帯域毎に所定のビット配分或いは、各帯域毎に適応的なビット割当て(ビットアロケーシヨン)による符号化が行われる。例えば、上記MDCT処理されて得られた係数データを上記ビットアロケーシヨンによって符号化する際には、上記各ブロック毎のMDCT処理により得られる各帯域毎のMDCT係数データに対して、適応的な割当てビット数で符号化が行われることになる。これらの適応的なビット割り当ての情報は、予め符号列に含めるように定めておくことができ、そのようにしておけば、復号方法の規格を決定した後でも、符号化方法の改善で音質を向上させることが可能である。ビット割当手法としては、次の2手法が知られている。
【0009】
一つの手法は、Adaptive Transform Coding of Speech Signals,R.Zelinski and P.Noll,IEEE Transactions of Accoustics,Speech,and Signal Processing,vol.ASSP-25,No.4,August 1977に開示されている。この手法では、各帯域毎の信号の大きさをもとに、ビット割当を行なっている。この方式では、量子化雑音スペクトルが平坦となり、雑音エネルギー最小となるが、聴感覚的にはマスキング効果が利用されていないために実際の雑音感は最適ではない。
【0010】
他の一つの手法は、ICASSP 1980,The critical band coder--digital encoding of the perceptual requirements of the auditory system,M.A.Kransner MITに開示されている。この手法では、聴覚マスキングを利用することで、各帯域毎に必要な信号対雑音比を得て固定的なビット割当を行なう手法が述べられている。しかしこの手法ではサイン波入力で特性を測定する場合でも、ビット割当が固定的であるために特性値が、それほど良い値とならない。
【0011】
これらの問題を解決するために、ビット割当に使用できる全ビットが、各小ブロック毎にあらかじめ定められた固定ビット割当パターン分と、各ブロックの信号の大きさに依存したビット配分を行なう分に分割使用され、その分割比を入力信号に関係する信号に依存させ、前記信号のスペクトルが滑らかなほど前記固定ビット割当パターン分への分割比率を大きくする高能率符号化装置が提案されている。
【0012】
この方法によれば、サイン波入力のように、特定のスペクトルにエネルギーが集中する場合にはそのスペクトルを含むブロックに多くのビットを割り当てる事により、全体の信号対雑音特性を著しく改善することができる。一般に、急峻なスペクトル成分をもつ信号に対して人間の聴覚は極めて敏感であるため、このような方法を用いる事により、信号対雑音特性を改善することは、単に測定上の数値を向上させるばかりでなく、聴感上、音質を改善するのに有効である。
【0013】
ビット割り当ての方法にはこの他にも数多くのやり方が提案されており、さらに聴覚に関するモデルが精緻化され、符号化装置の能力があがれば聴覚的にみてより高能率な符号化が可能になる。これらの方法においては、計算によって求められた信号対雑音特性をなるべく忠実に実現するような実数のビット割り当て基準値を求め、それを近似する整数値を割り当てビット数とすることが一般的である。
【0014】
例えば、本件出願人は、スペクトル信号から聴感上特に重要なトーン性の成分、すなわち特定の周波数周辺にエネルギーが集中している信号成分、を分離して、他のスペクトル成分とは別に符号化する方法を提案しており、これにより、オーディオ信号等を聴感上の劣化を殆ど生じさせずに高い圧縮率での効率的に符号化することが可能になっている。
【0015】
実際の符号列を構成するにあたっては、先ず、正規化および量子化が行なわれる帯域毎に量子化精度情報、正規化係数情報を所定のビット数で符号化し、次に、正規化および量子化されたスペクトル信号を符号化すれば良い。また、ISO/IEC 11172-3: 1993(E),1993では、帯域によって量子化精度情報を表すビット数が異なるように設定された高能率符号化方式が記述されており、高域になるにしたがって、量子化精度情報を表すビット数が小さくなるように規格化されている。
【0016】
量子化精度情報を直接符号化するかわりに、復号装置において、例えば、正規化係数情報から量子化精度情報を決定する方法も知られているが、この方法では、規格を設定した時点で正規化係数情報と量子化精度情報の関係が決まってしまうので、将来的にさらに高度な聴覚モデルに基づいた量子化精度の制御を導入することができなくなる。また、実現する圧縮率に幅がある場合には圧縮率毎に正規化係数情報と量子化精度情報との関係を定める必要が出てくる。
【0017】
量子化されたスペクトル信号を、例えば、D.A.Huffman: A Method for Construction of Minimum Redundancy Codes,Proc.I.R.E., 40, p.1098 (1952)に述べられている可変長符号を用いて符号化することによって、より効率的に符号化する方法も知られている。
【0018】
このように符号化効率を高める手法は次々と開発されており、新たに開発された手法を組み込んだ規格を採用することによって、より長時間の記録が可能になったり、同じ記録時間であれば、より音質の高いオーディオ信号を記録することが可能になる。
【0019】
しかしながら、一旦定められた規格(以下、これを「第1規格」と呼ぶ)で記録された信号のみを再生できる再生装置(以下、これを「第1規格対応再生装置」と呼ぶ)が普及すると、この第1規格対応再生装置ではより高能率の符号化方式を使用した規格(以下、これを「第2規格」と呼ぶ)を使って記録された記録媒体を再生できない。特に、第1規格が決定された時点では、たとえ記録媒体に規格を示すフラグを持っていても、フラグ信号を無視して再生する第1規格対応再生装置では、その記録媒体に記録されている信号はすべて第1規格で符号化されているものとして再生する。したがって、すべての第1規格対応再生装置がその記録媒体に第2規格に基づいて記録されていることを識別するわけではない。
【0020】
このため、もし第1規格対応再生装置が、第2規格に基づいて記録されている信号を第1規格に基づいて記録されているものと解釈して再生しようとすると、ひどい雑音を発生する恐れがある。
【0021】
そこで、本件出願人は、所謂TOC領域のデータの記録方法を工夫して、ある曲が第2規格のコーデックで記録されている場合、第1規格対応再生装置は実際にはそれとは別の領域に第1規格のコーデックで記録されている警告メッセージの再生を行なう方法を提案している。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記方法では、第1規格においてTOC領域に十分な予備領域が確保されている必要があり、また、第2規格の再生装置での再生方法が複雑になるという欠点があった。
【0023】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、TOC領域に十分な予備領域を必要とせず、かつ第2規格の再生装置での再生を複雑とすることのない符号化装置及び方法の提供を目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る符号化装置は、上記課題を解決するために、警告メッセージ信号又は無音信号を符号化して第1の符号列を生成する第1の符号化手段と、上記第1の符号化手段が無音信号を符号化している場合に、入力信号を符号化して第2の符号列を生成する第2の符号化手段と、上記第1の符号列と上記第2の符号列を合成し合成符号列を出力する符号列合成手段とを具備し、上記警告メッセージ信号は、合成符号列に第2の符号列が含まれることを警告するメッセージである。
また、本発明に係る符号化装置は、上記課題を解決するために、警告メッセージ信号又は無音信号を符号化して第1の符号列を生成する第1の符号化手段と、上記第1の符号化手段が無音信号を符号化している場合に、入力信号を符号化して第2の符号列を生成する第2の符号化手段と、上記第1の符号列と上記第2の符号列を合成し合成符号列を出力する符号列合成手段とを具備し、上記第2の符号化手段は、上記第1の符号化手段が警告メッセージを符号化している場合に、無音信号を符号化して第2の符号列を生成する。
【0025】
本発明に係る符号化方法は、上記課題を解決するために、警告メッセージ信号又は無音信号を符号化して第1の符号列を生成する第1の符号化工程と、上記第1の符号化工程が無音信号を符号化している場合に、入力信号を符号化して第2の符号列を生成する第2の符号化工程と、上記第1の符号列と上記第2の符号列を合成し合成符号列を出力する符号列合成工程とを具備し、上記警告メッセージ信号は、合成符号列に第2の符号列が含まれることを警告するメッセージである。
また、本発明に係る符号化方法は、上記課題を解決するために、警告メッセージ信号又は無音信号を符号化して第1の符号列を生成する第1の符号化工程と、上記第1の符号化工程が無音信号を符号化している場合に、入力信号を符号化して第2の符号列を生成する第2の符号化工程と、上記第1の符号列と上記第2の符号列を合成し合成符号列を出力する符号列合成工程とを具備し、上記第2の符号化工程では、上記第1の符号化工程が警告メッセージを符号化している場合に、無音信号を符号化して第2の符号列を生成する。
【0026】
本発明に係る記録媒体は、上記課題を解決するために、第1の符号列と第2の符号列を合成して記録する記録媒体において、上記第1の符号列は、警告メッセージ信号又は無音信号を符号化した符号列であり、上記第2の符号列は、上記第1の符号列で無音信号が符号化されている場合に、入力信号を符号化した符号列であり、上記警告メッセージ信号は、合成符号列に第2の符号列が含まれることを警告するメッセージである。
また、本発明に係る記録媒体は、上記課題を解決するために、第1の符号列と第2の符号列を合成して記録する記録媒体において、上記第1の符号列は、警告メッセージ信号又は無音信号を符号化した符号列であり、上記第2の符号列は、上記第1の符号列で無音信号が符号化されている場合に、入力信号を符号化した符号列であり、上記第1の符号列で警告メッセージが符号化されている場合に、無音信号を符号化した符号列である。
【0027】
本発明に係る復号装置は、上記課題を解決するために、第1の符号化手段で符号化した符号列と、第2の符号化手段で符号化した符号列を合成した符号列を受け取る合成符号列受け取り手段と、上記第1の符号列内の所定のビットパターンを検出するビットパターン検出手段と、上記第2の符号列を復号する第2符号列復号手段とを具備し、上記第1の符号列は、警告メッセージ信号又は無音信号を符号化した符号列であり、上記第2の符号列は、上記第1の符号列で無音信号が符号化されている場合に、入力信号を符号化した符号列であり、上記第2符号列復号手段は、上記ビットパターン検出手段で無音信号を符号化した符号列のビットパターンが検出されないときは、無音信号を出力する。
【0028】
本発明に係る復号方法は、上記課題を解決するために、第1の符号化により符号化した符号列と、第2の符号化により符号化した符号列を合成した符号列を受け取る合成符号列受け取り工程と、上記第1の符号列内の所定のビットパターンを検出するビットパターン検出工程と、上記第2の符号列を復号する第2符号列復号工程とを具備し、上記第1の符号列は、警告メッセージ信号又は無音信号を符号化した符号列であり、上記第2の符号列は、上記第1の符号列で無音信号が符号化されている場合に、入力信号を符号化した符号列であり、上記第2符号列復号工程は、上記ビットパターン検出工程で無音信号を符号化した符号列のビットパターンが検出されないときは、無音信号を出力する。
【0029】
本発明に係る復号装置は、上記課題を解決するために、所定長の符号化フレーム内で第1の符号列を先頭から、第2の符号列を終端から記録して合成された合成符号列を受け取る合成符号列受け取り手段と、上記符号化フレームの終端から記録された第2の符号列を復号する第2符号列復号手段とを具備する。
【0030】
本発明に係る復号方法は、上記課題を解決するために、所定長の符号化フレーム内で第1の符号列を先頭から、第2の符号列を終端から記録して合成された合成符号列を受け取る合成符号列受け取り工程と、上記符号化フレームの終端から記録された第2の符号列を復号する第2符号列復号工程とを具備する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。先ず、本発明の符号化装置の好ましい実施例を図1に示す。この図1に示す符号化装置は、後述する第1の符号化方法による第1規格(フォーマット)にしたがった第1の符号列よりも符号化効率の高い、後述の第2の符号化方法による第2のフォーマットにしたがった第2の符号列を記録した記録媒体を、第1のフォーマット対応再生装置で雑音を発生させずに無音再生させるとき、単に無音再生させるだけであることにより使用者にその記録媒体には何の音も記録されていないものと思わせてしまうのを防止するための符号化装置である。ここで、特に上記第1のフォーマットは既存の旧フォーマットであり、上記第2のフォーマットは上記第1のフォーマットと上位互換性を有する新フォーマットである。
【0032】
このため、この符号化装置は、図1に示すように、第1コーデックで警告メッセージを発生する第1コーデック警告メッセージ発生部151と、第1コーデックの無音固定パターンを発生する第1コーデック無音固定パターン発生部152と、入力信号を第2コーデックで符号化する第2コーデック符号化部154と、上記各部からの出力を符号化の単位となる所定長の符号化フレーム内で合成して合成符号列を生成する符号列生成部155とを備えている。また、上記各部を制御する制御部150も備えている。
【0033】
なお、コーデック(codec)とは、符号化復号化(code-decode)のことをいうのが一般的であるが、ここでは符号化方法及び復号化方法のそれぞれにおいてコーデックという言葉を使い、適宜、コーデックの内の符号化、或いはコーデックの内の復号化という意味を持たせる。
【0034】
上記符号化装置は、上記符号化フレームをそれぞれ複数合わせた警告メッセージ部及び楽曲部より曲を構成する。そして、この符号化装置では、制御部150の制御の下、第1コーデック警告メッセージ発生部151が各曲の先頭の部分に記録される、「この曲は第2コーデックで記録されています。」という第1コーデックによる警告メッセージを生成し、符号列生成部155に送る。また、制御部150の制御の下、第1コーデック無音固定パターン発生部151は楽曲部の符号化フレームの先頭部分に記録される、第1コーデックの無音固定パターンを発生して符号列生成部155に送り、第2コーデック符号化部154は楽曲のPCM入力信号を第2コーデックで符号化し、符号列生成部155に送る。符号列生成部155は、各符号化フレーム毎にこれら上記警告メッセージと上記無音固定パターンと上記第2コーデック符号化データを各符号化フレーム毎に合体して合成符号列を生成する。
【0035】
ここで、上記第1コーデックは本来、高能率圧縮符号化の一種であり、オーディオPCM信号等の入力信号を、帯域分割符号化(Sub Band coding;SBC)、適応変換符号化(Adaptive Transform Coding;ATC)及び適応ビット割当ての各技術を用いて高能率符号化する。
【0036】
第1コーデックに基づいて入力信号を符号化する一般的な第1の符号化装置の構成を図2に示す。入力端子40から入力された信号は変換部41によって信号周波数成分に変換された後、信号成分符号化部42によって各成分が符号化され、符号列生成部43によって符号列が生成され、出力端子44から出力される。
【0037】
一般的な符号化装置の変換部41では図3に示すように、帯域分割フィルター46によって二つの帯域に分割された信号がそれぞれの帯域においてMDCT等の順スペクトル変換部47及び48でスペクトル信号成分に変換される。順スペクトル変換部47及び48からのそれぞれのスペクトル信号成分の帯域幅は、入力信号の帯域幅の1/2となっており、1/2に間引かれている。もちろん変換部41としてはこの具体例以外にも多数考えられ、例えば、入力信号を直接、MDCT によってスペクトル信号に変換しても良いし、MDCT ではなく、DFTやDCT によって変換しても良い。いわゆる帯域分割フィルターによって信号を帯域成分に分割することも可能であるが、本実施の形態では、多数の周波数成分が比較的少ない演算量で得られる上記のスペクトル変換によって周波数成分に変換する方法をとると都合が良い。
【0038】
図4は図2の信号成分符号化部42の具体例で、入力端子51から入力された各信号成分は、正規化部52によって所定の帯域毎に正規化が施された後、量子化精度決定部53によって計算された量子化精度に基づいて量子化部54によって量子化される。量子化部54の出力には量子化された信号成分に加え、正規化係数情報や量子化精度情報も含まれており、出力端子55から出力される。
【0039】
図5は図2に示した一般的な第1の符号化装置で、従来行なわれてきた第1の符号化方法を説明するための図である。スペクトル信号は図3に詳細を示した変換部41によって得られたものであり、図にはMDCTのスペクトルの絶対値をレベル(dB)に変換して示している。入力信号は所定の時間ブロック(符号化フレーム)毎に64個のスペクトル信号に変換されており、それらがU1からU8の8つの帯域(以下、これを符号化ユニットと呼ぶ)にまとめられ、この符号化ユニット毎に正規化および量子化が行なわれる。量子化精度を周波数成分の分布の仕方によって符号化ユニット毎に変化させることにより、音質の劣化を最小限に押さえ、聴覚的に効率の良い符号化が可能である。ここで、マスキング効果等により、実際にその符号化ユニット内のどのスペクトル信号も符号化する必要がない場合には、その符号化ユニットには、0ビットのビット割り当てを行ない、その符号化ユニットに対応する帯域の信号を無音にしてしまっても良い。
【0040】
図6は上述のようにして第1の符号化装置によって符号化された信号を記録媒体に記録する場合の具体的な符号列を示したものである。この具体例では、各符号化フレームF0,F1・・・の先頭に同期信号81を含む固定長のヘッダ80がついており、ここに符号化ユニット数82も記録されている。ヘッダ80の次には量子化精度データ83が符号化ユニット数だけ記録され、その後に正規化精度データ84が上記符号化ユニット数だけ記録されている。正規化および量子化されたスペクトル係数データ85はその後に記録されるが、符号化フレームF0,F1・・・の長さが固定の場合、スペクトル係数データ85の後に、空き領域86ができても良い。
【0041】
図7は上記一般的な第1の符号化装置により得られた各符号化フレームF0,F1・・・が並んでできた各曲の符号列を、その制御データを記録するTOC(Table Of Contents)領域201を含めて、記録媒体に記録した具体例を示す図である。図7において、信号記録領域202中の、領域2021、領域2022,領域2023が、上記の各単位時間に対応する符号化フレームF0,F1・・・を並べた各曲の符号列を記録している部分であり、それがどの部分から開始されているか等の情報が、TOC領域201に記録されており、各曲の先頭部分、終了部分がどこであるかがわかるようになっている。具体的に、TOC領域201には第1曲情報アドレスA1,第2曲情報アドレスA2,第3曲情報アドレスA3・・・が記録されている。例えば第1曲情報アドレスA1は領域2021に記録されている第1曲の曲先頭アドレスA1S,曲終了アドレスA1E、曲符号化モードM1、リザーブ情報R1からなる。同様に第2曲情報アドレスA2は領域2022に記録されている第2曲の曲先頭アドレスA2S,曲終了アドレスA2E、曲符号化モードM2、リザーブ情報R2らなる。ここで曲符号化モードとは例えばATC等の圧縮符号化モードである。
【0042】
以上述べた第1の符号化方法に対して、さらに符号化効率を高めることが可能である。例えば、量子化されたスペクトル信号のうち、頻度の高いものに対しては比較的短い符号長を割り当て、頻度の低いものに対しては比較的長い符号長を割り当てることによって、符号化効率を高めることができる。また例えば、変換ブロック長を長くとることによって、量子化精度情報や正規化係数情報といったサブ情報の量を相対的に削減でき、また周波数分解能が上がるので、周波数軸上で量子化精度をよりこまやかに制御できるため、符号化効率を高めることができる。
【0043】
さらにまた、本件出願人は、スペクトル信号から聴感上特に重要なトーン性の成分、すなわち特定の周波数周辺にエネルギーが集中している信号成分、を分離して、他のスペクトル成分とは別に符号化する方法を既に出願しており、これにより、オーディオ信号等を聴感上の劣化を殆ど生じさせずに高い圧縮率での効率的に符号化することが可能になっている。本実施の形態では、この符号化方法を上記第2のコーデックとして用いている。
【0044】
上記図1に示した第2コーデック符号化部154は、入力端子153を介したPCM入力信号に対して上記第2コーデックを施し、第2コーデックの符号列を生成する。ただし、ここでいう第2コーデック符号化部154は上記図2の変換部41および信号成分符号化部42の両者の機能を備えているものである。
【0045】
上記図1の第2コーデック符号化部154を変換部41と共に構成する信号成分符号化部42は、図8に示すように構成される。図2の変換部41の出力が入力端子90を介してトーン成分分離部91に供給される。トーン成分分離部91は、変換部41の変換出力をトーン成分と非トーン成分に分離し、それぞれ、トーン成分符号化部92および非トーン成分符号化部93に供給する。トーン成分符号化部92および非トーン成分符号化部93は、上記図4に示した符号化部と同様の構成で、トーン成分及び非トーン成分を符号化するが、トーン成分符号化部92はトーン成分の位置データの符号化も行なう。
【0046】
この信号成分符号化部42が符号化処理を施す対象となるスペクトルについて図9を用いて説明する。ここでも、MDCTのスペクトルの絶対値をレベル(dB)に変換している。また、入力信号は所定の時間ブロック(符号化フレーム)毎に64個のスペクトル信号に変換されており、それがU1からU8の8つの符号化ユニットにまとめられ、この符号化ユニット毎に正規化および量子化が行なわれる。ここでは簡単のため64個のスペクトルとして図示しているが、図5の例と対比して2倍の変換長となっている場合には128個のスペクトルデータが得られることになる。上記図5に示した方法と異なるのは、スペクトル信号から、特にレベルが高いものをトーン成分Tiとして分離して符号化することである。例えば3つのトーン成分T1,T2,T3に対しては、その位置データP1,P2,P3も必要となるが、トーン成分T1,T2,T3を抜き出した後のスペクトル信号は少ないビット数で量子化することが可能となるので、特定のスペクトル信号にエネルギーが集中する信号に対して、このような方法をとると特に効率の良い符号化が可能となる。
【0047】
図10は上述のような第2の符号化方法により符号化された信号を記録媒体に記録する場合の符号列の具体例を示したものである。この具体例では、トーン成分を分離するように、トーン符号列110をヘッダ部120と量子化精度データ124の間に記録している。ここで、第2の符号化方法の符号列120とは、同期信号122、符号化ユニット数123からなる第2規格ヘッダ121の後に、トーン符号列110を記録し、その後、量子化精度データ124,正規化係数データ,スペクトル係数データ126等を記録している符号列である。トーン成分列110には、先ず、トーン成分数データ111が記録され、次に各トーン成分1120のデータ、具体的には位置データ113,量子化精度データ114,正規化係数データ115,スペクトル係数データ116が記録されている。この具体例ではさらに、スペクトル信号に変換する変換ブロック長を図6の第1の符号化方法による具体例の場合の2倍にとって周波数分解能も高めてあり、さらに可変長符号も導入することによって、図6の具体例に比較して、同じバイト数の符号化フレームF0,F1・・・に2倍の長さに相当する音響信号の符号列を記録している。
【0048】
ところで、上記図1に示した本発明の実施例となる符号化装置は、図10に示した符号列で記録された記録媒体を図6に示した符号列で記録された記録媒体のみ再生可能な再生装置にかけた場合に、ひどい雑音が発生するのを防止して無音再生するのと、さらに、単に無音再生させるだけであることにより使用者にその記録媒体には何の音も記録されていないものと思わせてしまうのを防止する。
【0049】
先ず、雑音を発生するのを防止して無音再生するため上記図1に示す符号化装置は、図11に示すように、無音を第1の符号化方法を使用して第1のフォーマットで記録し、その空き領域に第2の符号化方法を使用してより符号化効率の高い第2のフォーマットで第2の符号列を記録し、記録時間の長時間化を実現する。具体的には、第1コーデック無音固定パターン発生部152により、第1規格ヘッダ80と、0ビット割当の量子化精度データ83を生成し、無音固定パターンを生成する。つまり、量子化精度データ83に0を割り当てると、上記図6に示したスペクトル係数データ85にはビットを割り当てる必要が無くなり、図11に示す正規化係数データ84に続く空き領域87となり、この空き領域87に上記第2の符号化方法により得られた第2の符号列を埋め込む。このようにすると第2の符号化方法に対して、比較的広い記録領域を確保することができるとともに、これを第1規格の再生装置にかけた場合にも雑音を発生することがなくなる。
【0050】
さらに、第1規格対応の再生装置にかけた場合に雑音を発生することを防止しながら、第2の符号化方法用にさらに広い記録領域を確保し、より高い音質を実現することが可能である方法がある。これを示したのが図12であり、第1規格ヘッド80に書かれた符号化ユニット数82で規定されたすべての符号化ユニットの量子化精度データ83を0にするとともに第2の符号化方法による符号列120の記録は量子化精度データ83の直後からの空き領域88に行っている。具体的な数値で説明すると、第1規格ヘッダ80には4バイトを、また量子化精度データ83には1個当たり4ビットで表現できる量子化精度を符号化ユニット数20個分の合計10バイト(80ビット)を、また空き領域88には198バイトを割り当てて、1符号化フレーム当たり212バイトとすることができる。なお、第1規格の正規化係数データの値としては、実際にはバラバラな値が設定されることになるが、量子化精度がすべて0に設定されているため、第1の符号化方法に対して、どのスペクトルデータも0であると解釈されることになり、結局、第1規格に対応した再生装置に図12に示した符号列をかけた場合には無音再生となり、ひどい雑音を発することはない。なお、ここで、符号化ユニット数としては、第1規格で許容される最小の符号化ユニット数とすることによって、第2コーデック用に広い記録領域が確保できるとともに、第2のコーデックの先頭位置を固定的に定めることができる。
【0051】
このような、上記図11及び図12に示した合成符号列によって形成した複数の符号化フレームからなる楽曲部を、第1規格に対応した再生装置によれば、雑音を発生することなく無音再生を可能とする。
【0052】
さらに上記符号化装置は、上述したように、例えば、各曲の先頭部分に、「この曲は第2コーデックで記録されています。」という警告メッセージを第1コーデックで記録することによって、使用者の混乱を回避する。図13は上記符号化装置により符号化した符号列を示したもので、ここでは、各曲の前の部分(警告メッセージ部)300に第1コーデックで符号化された警告メッセージが記録され、その後、楽曲部301の各符号化フレーム303に、第1コーデックの無音固定パターン302と第2コーデックで符号化されて記録されている符号化データを記録する。
【0053】
このため、第1規格の再生装置は「この曲は第2コーデックで記録されています。」という警告メッセージの後、無音再生を行なうので、第1規格の再生装置の使用者の混乱を回避することが可能となる。
【0054】
一方、第2規格の再生装置は、第1コーデックの無音固定パターンが記録されている場合に、第2コーデックの符号列を復号する。また、第1コーデックの無音固定パターンが無い場合には、無音再生する。つまり、図13に示した符号列を記録した記録媒体に対して、第2規格の再生装置は曲の先頭に短い無音再生を行なった後、第2コーデックで符号化された楽曲を再生することになる。この第2規格の再生装置については後述する。
【0055】
図14は、本発明の他の実施例となる符号化装置が生成する符号列からなる符号化フレームデータの具体例を示したものである。この具体例では、各符号化フレームF0,F1・・・内での第2コーデックの符号列の記録順序が第1コーデックに対して反対となっており、各々のコーデックを独立に読みだすことが可能となっている。第1コーデック、第2コーデックとも、無音データはコンパクトな大きさにできるので、第1コーデックの有音信号符号列と第2コーデックの無音データ符号列、および、第2コーデックの有音信号符号列と第1コーデックの無音データ符号列を二重記録しても、有音信号の音質を十分高く確保することが可能である。この具体例に対して、第2規格に対応した再生装置では、常に、各符号化フレームの最後尾から復号処理を行なっていけばよい。そのため、第1コーデックが無音固定パターンであるかどうかのチェックをしなくても済むので、処理が簡単になり、都合がよい。尚、量子化精度データ83をすべて0にすることにより、第2コーデックの記録領域に正規化係数データ84、スペクトル係数データ85の部分を加えるようにしてもよい。
【0056】
図15は図14に示した符号列を利用して実現した、別の符号列記録方法を示したものである。第1規格対応の再生装置は、警告メッセージ部305の符号化フレーム306を再生するにあたり、第1コーデックによる「この曲は第2コーデックで記録しています」という警告メッセージを再生する。その後、楽曲部308では符号化フレーム309中の第1コーデック無音固定パターン310を読んで無音再生を行う。これに対して、第2規格の復号装置は、各符号化フレームの最後尾から復号処理を行なって第2コーデックの符号列を再生するので、第1コーデックによる無音固定パターンのチェックを行なわなくてもよい。
【0057】
この別の符号列を生成するための符号化装置の構成を図16に示す。上記図1に示した符号化装置と異なるのは、第2コーデック無音発生部157を備えた点である。すなわち、この図16に示した符号化装置は、各符号化フレーム内で第1コーデックに対して記録順序が反対の第2コーデックの符号列を記録するとき、第2コーデックの無音データ発生部157により上記図15に示した第2コーデック無音固定パターン307を生成する。
【0058】
次ぎに、本発明に係る復号装置の実施例について説明する。図17は上記図13に示した符号列が記録された記録媒体から音響信号を再生する復号装置の具体例を示したものである。符号列分解部136は入力端子135を介して供給される上記図13に示す符号列から、符号化フレーム内の位置と長さが固定である第1規格ヘッダ80および第1コーデックの量子化精度データ83に相当する無音固定パターン部分を第1コーデックダミー列検査部137に送り、その他の第2コーデックによる符号列の部分を第2コーデック復号部138に送る。第1コーデックダミー列検査部137は、受け取った符号列が第1規格ヘッダと0ビット割り当ての量子化精度データからなる無音固定パターンであるかどうかのチェックを行なう。この第1コーデックダミー列検査部137で受け取った符号列が無音固定パターンであると判断したなら、選択的消音部139は第2コーデック復号部138の出力する音響信号を出力し、正しくなければ、正しい符号列ではないものとして無音再生をさせる。
【0059】
図18は上記のように選択的消音部139が、第1コーデックダミー列検査部137の検査結果に基づいて音響信号を再生する際の処理の流れを示すフローチャートである。ステップS21で第1コーデックの部分は無音固定パターンであるか否かを判断し、NOであればステップS22に進んで、無音データを出力する。一方、YESであればステップS23に進んで、第2コーデックデータを復号した復号データを出力する。
【0060】
ところで、上記図2の符号化装置に対応する従来の復号装置は上記図2の符号化装置によって生成された符号列から音響信号を出力するものであり、図19に示すように、入力端子60から入力される符号列を符号列分解部61に供給し、各信号成分の符号を抽出させる。その後、それらの符号から信号成分復号部62によって各信号成分を復元した後、逆変換部63によって音響波形信号を出力する。
【0061】
図20は図19の従来の復号装置を構成した逆変換部63の具体例であるが、これは図3の変換部の具体例に対応したものある。入力端子65及び66から供給された信号成分は、逆スペクトル変換部67及び68によって各帯域の信号とされ、帯域合成フィルター部69によって合成された後、出力端子70から出力される。
【0062】
図21は図19の復号装置を構成した信号成分復号部62の具体例を示した図である。符号列分解部61の出力信号は、入力端子71を介して逆量子化部72に供給されて逆量子化され、逆正規化部73で逆正規化されてスペクトル信号に変換されて出力端子74から出力される。
【0063】
なお、図22には上記図8に示した符号化装置によりトーン性成分を分離して符号化されたものを復号する場合の復号装置の具体例の要部を示す。復号装置の概略としては上記図19に示したものと同様であるが、図19の信号成分復号部62を図22のように構成している。すなわち、符号列分解部61で分解された符号列の内の、トーン成分を入力端子96からトーン成分復号部98に供給し、非トーン成分を入力端子97から非トーン成分復号部99に供給する。トーン成分復号部98及び非トーン成分復号部99は、上記トーン成分及び非トーン成分を復号してスペクトル信号合成部100に供給する。スペクトル信号合成部100が合成したスペクトル信号は出力端子101から出力される。
【0064】
上述した図2に示した符号化装置、図19に示した復号装置は、例えば図23に示すような記録及び/又は再生装置で使用されている。この記録及び/又は再生装置は、第1の符号化装置で符号化された第1の符号列を記録媒体に記録すると共に第1符号列のみを再生する。このため、上記第2の符号化装置からの第2の符号列が記録されている記録媒体に対しては第1の符号化装置により符号化された符号列として再生を行ってしまうので、ひどい雑音を発生してしまう。そこで、このような記録及び/又は再生装置に対しては本発明の符号化装置で符号化した図13,図15に示す符号列のデータが有効となる。
【0065】
先ず、この記録及び/又は再生装置の構成について説明する。
【0066】
先ず記録媒体としては、スピンドルモータ11により回転駆動される光磁気ディスク1が用いられる。光磁気ディスク1に対するデータの記録時には、例えば光学ヘッド13によりレーザ光を照射した状態で記録データに応じた変調磁界を磁気ヘッド14により印加することによって、いわゆる磁界変調記録を行い、光磁気ディスク1の記録トラックに沿ってデータを記録する。また再生時には、光磁気ディスク1の記録トラックを光学ヘッド13によりレーザ光でトレースして磁気光学的に再生を行う。
【0067】
光学ヘッド13は、例えば、レーザダイオード等のレーザ光源、コリメータレンズ、対物レンズ、偏光ビームスプリッタ、シリンドリカルレンズ等の光学部品及び所定パターンの受光部を有するフォトディテクタ等から構成されている。この光学ヘッド13は、光磁気ディスク1を介して上記磁気ヘッド14と対向する位置に設けられている。光磁気デイスク1にデータを記録するときには、後述する記録系のヘッド駆動回路26により磁気ヘッド14を駆動して記録データに応じた変調磁界を印加すると共に、光学ヘッド13により光磁気ディスク1の目的トラックにレーザ光を照射することによって、磁界変調方式により熱磁気記録を行う。またこの光学ヘッド13は、目的トラックに照射したレーザ光の反射光を検出し、例えばいわゆる非点収差法によりフォーカスエラーを検出し、例えばいわゆるプツシユプル法によりトラッキングエラーを検出する。光磁気ディスク1からデータを再生するとき、光学ヘッド13は上記フォーカスエラーやトラッキングエラーを検出すると同時に、レーザ光の目的トラックからの反射光の偏光角(カー回転角)の違いを検出して再生信号を生成する。
【0068】
光学ヘッド13の出力は、RF回路15に供給される。このRF回路15は、光学ヘッド13の出力から上記フォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を抽出してサーボ制御回路16に供給するとともに、再生信号を2値化して後述する再生系のデコーダ31に供給する。
【0069】
サーボ制御回路16は、例えばフォーカスサーボ制御回路やトラッキングサーボ制御回路、スピンドルモータサーボ制御回路、スレッドサーボ制御回路等から構成される。上記フォーカスサーボ制御回路は、上記フォーカスエラー信号がゼロになるように、光学ヘッド13の光学系のフォーカス制御を行う。また上記トラッキングサーボ制御回路は、上記トラッキングエラー信号がゼロになるように光学ヘッド13の光学系のトラッキング制御を行う。さらに上記スピンドルモータサーボ制御回路は、光磁気ディスク1を所定の回転速度(例えば一定線速度)で回転駆動するようにスピンドルモータ11を制御する。また、上記スレッドサーボ制御回路は、システムコントローラ17により指定される光磁気ディスク1の目的トラック位置に光学ヘッド13及び磁気ヘッド14を移動させる。このような各種制御動作を行うサーボ制御回路16は、該サーボ制御回路16により制御される各部の動作状態を示す情報をシステムコントローラ17に送る。
【0070】
システムコントローラ17にはキー入力操作部18や表示部19が接続されている。このシステムコントローラ17は、キー入力操作部18による操作入力情報により操作入力情報により記録系及び再生系の制御を行う。またシステムコントローラ17は、光磁気ディスク1の記録トラックからヘッダータイムやサブコードのQデータ等により再生されるセクタ単位のアドレス情報に基づいて、光学ヘッド13及び磁気ヘッド14がトレースしている上記記録トラック上の記録位置や再生位置を管理する。さらにシステムコントローラ17は、本記録及び/又は再生装置のデータ圧縮率と上記記録トラック上の再生位置情報とに基づいて表示部19に再生時間を表示させる制御を行う。
【0071】
この再生時間表示は、光磁気ディスク1の記録トラックからいわゆるヘッダータイムやいわゆるサブコードQデータ等により再生されるセクタ単位のアドレス情報(絶対時間情報)に対し、データ圧縮率の逆数(例えば1/4圧縮のときには4)を乗算することにより、実際の時間情報を求め、これを表示部19に表示させるものである。なお、記録時においても、例えば光磁気ディスク等の記録トラックに予め絶対時間情報が記録されている(プリフォーマットされている)場合に、このプリフォーマットされた絶対時間情報を読み取ってデータ圧縮率の逆数を乗算することにより、現在位置を実際の記録時間で表示させることも可能である。
【0072】
次にこのディスク記録再生装置の記録系において、入力端子20からのアナログオーディオ入力信号AINがローパスフイルタ21を介してA/D変換器22に供給され、このA/D変換器22は上記アナログオーディオ入力信号AINを量子化する。A/D変換器62から得られたデジタルオーディオ信号は、上記図2に示した符号化装置の具体例である、ATC(Adaptive Transform Coding)エンコーダ23に供給される。また、入力端子27からのデジタルオーディオ入力信号DINがデジタル入力インターフェース回路28を介して、ATCエンコーダ23に供給される。ATCエンコーダ23は、上記入力信号AINを上記A/D変換器22により量子化した所定転送速度のデジタルオーディオPCMデータについて、所定のデータ圧縮率に応じたビット圧縮(データ圧縮)処理を行うものであり、ATCエンコーダ23から出力される圧縮データ(ATCデータ)は、メモリ24に供給される。例えばデータ圧縮率が1/8の場合について説明すると、ここでのデータ転送速度は、上記標準のCD−DAのフオーマットのデータ転送速度(75セクタ/秒)の1/8(9.375セクタ/秒)に低減されている。
【0073】
次にメモリ24は、データの書き込み及び読み出しがシステムコントローラ17により制御され、ATCエンコーダ23から供給されるATCデータを一時的に記憶しておき、必要に応じてディスク上に記録するためのバッファメモリとして用いられている。すなわち、例えばデータ圧縮率が1/8の場合において、ATCエンコーダ23から供給される圧縮オーディオデータは、そのデータ転送速度が、標準的なCD−DAフォーマットのデータ転送速度(75セクタ/秒)の1/8、すなわち9.375セクタ/秒に低減されており、この圧縮データがメモリ24に連続的に書き込まれる。この圧縮データ(ATCデータ)は、前述したように8セクタにつき1セクタの記録を行えば足りるが、このような8セクタおきの記録は事実上不可能に近いため、後述するようなセクタ連続の記録を行うようにしている。
【0074】
この記録は、休止期間を介して、所定の複数セクタ(例えば32セクタ+数セクタ)から成るクラスタを記録単位として、標準的なCD−DAフォーマットと同じデータ転送速度(75セクタ/秒)でバースト的に行われる。すなわちメモリ24においては、上記ビット圧縮レートに応じた9.375(=75/8)セクタ/秒の低い転送速度で連続的に書き込まれたデータ圧縮率1/8のATCオーディオデータが、記録データとして上記75セクタ/秒の転送速度でバースト的に読み出される。この読み出されて記録されるデータについて、記録休止期間を含む全体的なデータ転送速度は、上記9.375セクタ/秒の低い速度となっているが、バースト的に行われる記録動作の時間内での瞬時的なデータ転送速度は上記標準的な75セクタ/秒となっている。従って、ディスク回転速度が標準的なCD−DAフォーマットと同じ速度(一定線速度)のとき、該CD−DAフォーマットと同じ記録密度、記憶パターンの記録が行われることになる。
【0075】
メモリ24から上記75セクタ/秒の(瞬時的な)転送速度でバースト的に読み出されたATCオーディオデータすなわち記録データは、エンコーダ25に供給される。ここで、メモリ24からエンコーダ25に供給されるデータ列において、1回の記録で連続記録される単位は、複数セクタ(例えば32セクタ)から成るクラスタ及び該クラスタの前後位置に配されたクラスタ接続用の数セクタとしている。このクラスタ接続用セクタは、エンコーダ25でのインターリーブ長より長く設定しており、インターリーブされても他のクラスタのデータに影響を与えないようにしている。
【0076】
エンコーダ25は、メモリ24から上述したようにバースト的に供給される記録データについて、エラー訂正のための符号化処理(パリテイ付加及びインターリーブ処理)やEFM符号化処理などを施す。このエンコーダ25による符号化処理の施された記録データが磁気ヘッド駆動回路26に供給される。この磁気ヘッド駆動回路26には、磁気ヘッド14が接続されており、上記記録データに応じた変調磁界を光磁気ディスク1に印加するように磁気ヘッド14を駆動する。
【0077】
また、システムコントローラ17は、メモリ24に対する上述の如きメモリ制御を行うとともに、このメモリ制御によりメモリ24からバースト的に読み出される上記記録データを光磁気ディスク1の記録トラックに連続的に記録するように記録位置の制御を行う。この記録位置の制御は、システムコントローラ17によりメモリ24からバースト的に読み出される上記記録データの記録位置を管理して、光磁気ディスク1の記録トラック上の記録位置を指定する制御信号をサーボ制御回路16に供給することによって行われる。
【0078】
次に再生系について説明する。この再生系は、上述の記録系により光磁気ディスク1の記録トラック上に連続的に記録された記録データを再生するためのものであり、光学ヘッ13によって光磁気ディスク1の記録トラックをレーザ光でトレースすることにより得られる再生出力がRF回路15により2値化されて供給されるデコーダ31を備えている。この時光磁気ディスクのみではなく、Compact Discと同じ再生専用光ディスクの読みだしも行なうことができる。
【0079】
デコーダ31は、上述の記録系におけるエンコーダ25に対応するものであって、RF回路15により2値化された再生出力について、エラー訂正のための上述の如き復号処理やEFM復号処理などの処理を行い、上述のデータ圧縮率1/8のATCオーディオデータを、正規の転送速度よりも早い75セクタ/秒の転送速度で再生する。このデコーダ31により得られる再生データは、メモリ32に供給される。
【0080】
メモリ32は、データの書き込み及び読み出しがシステムコントローラ17により制御され、デコーダ31から75セクタ/秒の転送速度で供給される再生データがその75セクタ/秒の転送速度でバースト的に書き込まれる。また、このメモリ32は、上記75セクタ/秒の転送速度でバースト的に書き込まれた上記再生データがデータ圧縮率1/8に対応する9.375セクタ/秒の転送速度で連続的に読み出される。
【0081】
システムコントローラ17は、再生データをメモリ32に75セクタ/秒の転送速度で書き込むとともに、メモリ32から上記再生データを上記9.375セクタ/秒の転送速度で連続的に読み出すようなメモリ制御を行う。また、システムコントローラ17は、メモリ32に対する上述の如きメモリ制御を行うとともに、このメモリ制御によりメモリ32からバースト的に書き込まれる上記再生データを光磁気ディスク1の記録トラックから連続的に再生するように再生位置の制御を行う。この再生位置の制御は、システムコントローラ17によりメモリ32からバースト的に読み出される上記再生データの再生位置を管理して、光磁気ディスク1もしくは光ディスク1の記録トラック上の再生位置を指定する制御信号をサーボ制御回路16に供給することによって行われる。
【0082】
メモリ32から9.375セクタ/秒の転送速度で連続的に読み出された再生データとして得られるATCオーディオデータは、上記図5に示した復号装置の具体例となるATCデコーダ33に供給される。このATCデコーダ33は、上記記録系のATCエンコーダ23に対応するもので、例えばATCデータを8倍にデータ伸張(ビット伸張)することで16ビットのデジタルオーディオデータを再生する。このATCデコーダ33からのデジタルオーディオデータは、D/A変換器34に供給される。
【0083】
D/A変換器34は、ATCデコーダ33から供給されるデジタルオーディオデータをアナログ信号に変換して、アナログオーディオ出力信号AOUTを形成する。このD/A変換器34により得られるアナログオーディオ信号AOUTは、ローパスフイルタ35を介して出力端子36から出力される。
【0084】
以上に説明した構成及び動作の記録及び/又は再生装置に対して、上述した図13,図15に示す符号列が記録された光磁気ディスクを再生させると、雑音の発生を防ぐことができる。記録及び/又は再生装置の再生装置側のATCデコーダ33が、上記図13,図15に示す符号列中の第2の符号化による符号列を無音データとして認識するためである。また、第1コーデックの再生のみできる再生装置で再生した場合、警告メッセージが再生されるので、単に無音再生させるだけであることにより使用者にその記録媒体には何の音も記録されていないものと思わせてしまうのを防止できる。
【0085】
また、上記記録及び/又は再生装置の再生装置側のATCデコーダ33が上記図17に示した復号装置の機能を備えるものであり、例えばTOC領域を読むことにより上述した図13,図15に示す符号列が記録された光磁気ディスクが装着されことを判断していれば、上述したような動作により音響信号を出力することができる。また、第2の符号列として正しいものではないと判断したときには無音再生をすることができる。
【0086】
さらに、上記記録及び/又は再生装置の記録装置側のATCエンコーダ23も上記図1に示した符号化装置の機能を備えるものであれば、この記録及び/又は再生装置は、記録時に上記図13,図15に示す符号列を符号化により生成することができ、かつ再生することもできる。
【0087】
次に、本発明に係る符号化方法の実施の形態について説明する。この実施の形態は、上記符号化方法に基づいたプログラムを実行する情報処理装置である。この情報処理装置は、上記符号化方法を適用した符号化プログラムを内部の記録媒体に記録し、或いはフロッピーディスクなどのリムーバブルな記録媒体経由で内部にダウンロードして、CPUにより実行することで上述した符号化装置として機能する。
【0088】
以下、この情報処理装置300の詳細について図24を用いて説明する。CPU(Central Processing Unit)320はバス340を介してROM310、RAM330、通信I/F380、ドライバ370及びHDD350を接続している。ドライバ370は、PCカードやCD−ROMやフロッピーディスク(FD)等のリムーバブル記憶媒体360を駆動する。
【0089】
ROM310には、例えば、IPL(Initial Program Loading) プログラムなどが記憶されている。CPU320は、ROM310に記憶されているIPLプログラムにしたがって、HDD350に記憶されたOS(Operating System)のプログラムを実行し、さらに、そのOSの制御の下、例えばHDD350に記憶されているデータ交換プログラムを実行する。RAM330は、CPU320の動作上必要なプログラムやデータなどを一時的に記憶する。通信I/F380は、外部装置との通信に使用されるインターフェースである。
【0090】
符号化プログラムは、CPU320により、例えばHDD350から取り出され、RAM330を作業領域としてCPU320により実行される。具体的には、次の図25に示すフローチャートの処理をCPU320が実行する。
【0091】
すなわち、ステップS1において、処理している箇所が警告メッセージ部であるかどうかを確かめ、Yesであれば、ステップS2において第1コーデックでの警告メッセージの符号列の生成を行ない、Noであれば、ステップS3において第1コーデック無音固定パターンを生成した後、ステップS4で第2コーデックでの符号列の生成を行ない、ステップS5で、両者の符号列の生成を行なうよう制御を行なう。
【0092】
このような符号化プログラムを情報処理装置が実行することで、ハードウェア構成を不要としながらも、上記符号化装置と同じように機能する。つまり、第1の符号化方法による第1規格(フォーマット)よりも符号化効率の高い、第2の符号化方法による第2のフォーマットのデータを記録した記録媒体を、第1のフォーマット対応再生装置で雑音を発生させずに無音再生させるとき、先頭部分では警告メッセージが再生されるので単に無音再生させるだけであることにより使用者にその記録媒体には何の音も記録されていないものと思わせてしまうのを防止することができる。
【0093】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、第1規格の再生装置で第2規格のコーデックで符号化された信号を再生しようとした使用者に対して、第2規格での再生方法の制御を単純にしたままで、警告メッセージを与えることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の符号化装置の好ましい実施例のブロック図である。
【図2】第1の符号化方法に基づいて入力信号を符号化する一般的な第1の符号化装置のブロック図である。
【図3】上記一般的な第1の符号化装置を構成する変換部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】上記一般的な第1の符号化装置を構成する信号成分符号化部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】上記図2に示した一般的な第1の符号化装置で、従来行なわれてきた第1の符号化方法を説明するための図である。
【図6】第1の符号化装置によって符号化された信号を記録媒体に記録する場合の具体的な符号列を示した図である。
【図7】上記一般的な第1の符号化装置により得られた各符号化フレームが並んでできた各曲の符号列と、TOC情報を説明するための図である。
【図8】上記図1に示した第2コーデック符号化部を変換部と共に構成する信号成分符号化部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図9】上記図8に示した信号成分符号化部が符号化処理を施す対象となるスペクトルについて説明するための図である。
【図10】第2の符号化方法により符号化された信号を記録媒体に記録する場合の符号悦の具体例を示した図である。
【図11】上記図1に示した符号化装置で行われる第一の方法を説明するための図である。
【図12】上記図1に示した符号化装置で行われる第二の方法を説明するための図である。
【図13】上記図11及び図12に示した合成符号列を記録媒体に記録した具体例を示す図である。
【図14】本発明の他の実施例となる符号化装置が生成する符号列からなる符号化フレームデータの具体例を示した図である。
【図15】上記図14に示した符号列を利用して実現した、別の符号列記録方法を説明するための図である。
【図16】上記図15に示した別の符号列を生成するための符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図17】上記図13に示した符号列で記録された記録媒体から音響信号を再生する復号装置の構成を示すブロック図である。
【図18】上記図17の復号装置を構成うる選択的消音部が行う音響信号の再生処理を説明するためのフローチャートである。
【図19】上記図2の符号化装置に対応する従来の復号装置の構成を示すブロック図である。
【図20】上記図19の従来の復号装置を構成した逆変換部の具体的な構成を示すブロック図である。
【図21】上記図19の復号装置を構成した信号成分復号部の具体的な構成を示すブロック図である。
【図22】上記図8に示した符号化装置によりトーン性成分を分離して符号化されたものを復号する場合の復号装置の具体例の要部を示すブロック図である。
【図23】従来の符号化装置、復号装置、又は本発明の符号化装置、復号装置が適用可能な記録及び/又は再生装置の構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の符号化方法の実施の形態となる情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図25】上記情報処理装置が実行する符号プログラムを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
150 制御部、151 第1コーデック警告メッセージ発生部、152 第1コーデック無音固定パターン発生部、154 第2コーデック符号化部、155 符号列生成部、136 符号列分割部、137 第1コーデックダミー列検査部、138 第2コーデック復号部、139 選択的消音部
Claims (11)
- 警告メッセージ信号又は無音信号を符号化して第1の符号列を生成する第1の符号化手段と、
上記第1の符号化手段が無音信号を符号化している場合に、入力信号を符号化して第2の符号列を生成する第2の符号化手段と、
上記第1の符号列と上記第2の符号列を合成し合成符号列を出力する符号列合成手段とを具備し、
上記警告メッセージ信号は、合成符号列に第2の符号列が含まれることを警告するメッセージである符号化装置。 - 警告メッセージ信号又は無音信号を符号化して第1の符号列を生成する第1の符号化手段と、
上記第1の符号化手段が無音信号を符号化している場合に、入力信号を符号化して第2の符号列を生成する第2の符号化手段と、
上記第1の符号列と上記第2の符号列を合成し合成符号列を出力する符号列合成手段とを具備し、
上記第2の符号化手段は、上記第1の符号化手段が警告メッセージを符号化している場合に、無音信号を符号化して第2の符号列を生成する符号化装置。 - 上記符号列合成手段は、上記第2の符号化手段が生成した第2の符号列を、符号化フレームの終端から先頭に向かって記録する請求項2記載の符号化装置。
- 上記第1の符号化手段は、第1のフォーマットにしたがった第1の符号列を生成し、上記第2の符号化手段は、上記第1のフォーマットとは異なる第2のフォーマットにしたがった第2の符号列を生成する請求項1又は2記載の符号化装置。
- 第1の符号化手段が生成する第1の符号列の符号化フレームに対応する記録時間と、上記第2の符号化手段が生成する第2の符号列の符号化フレームに対応する記録時間が異なる請求項1又は2記載の符号化装置。
- 警告メッセージ信号又は無音信号を符号化して第1の符号列を生成する第1の符号化工程と、
上記第1の符号化工程が無音信号を符号化している場合に、入力信号を符号化して第2の符号列を生成する第2の符号化工程と、
上記第1の符号列と上記第2の符号列を合成し合成符号列を出力する符号列合成工程とを具備し、
上記警告メッセージ信号は、合成符号列に第2の符号列が含まれることを警告するメッセージである符号化方法。 - 警告メッセージ信号又は無音信号を符号化して第1の符号列を生成する第1の符号化工程と、
上記第1の符号化工程が無音信号を符号化している場合に、入力信号を符号化して第2の符号列を生成する第2の符号化工程と、
上記第1の符号列と上記第2の符号列を合成し合成符号列を出力する符号列合成工程とを具備し、
上記第2の符号化工程では、上記第1の符号化工程が警告メッセージを符号化している場合に、無音信号を符号化して第2の符号列を生成する符号化方法。 - 第1の符号列と第2の符号列を合成して記録する記録媒体において、
上記第1の符号列は、警告メッセージ信号又は無音信号を符号化した符号列であり、上記第2の符号列は、上記第1の符号列で無音信号が符号化されている場合に、入力信号を符号化した符号列であり、
上記警告メッセージ信号は、合成符号列に第2の符号列が含まれることを警告するメッセージである記録媒体。 - 第1の符号列と第2の符号列を合成して記録する記録媒体において、
上記第1の符号列は、警告メッセージ信号又は無音信号を符号化した符号列であり、
上記第2の符号列は、上記第1の符号列で無音信号が符号化されている場合に、入力信 号を符号化した符号列であり、上記第1の符号列で警告メッセージが符号化されている場合に、無音信号を符号化した符号列である記録媒体。 - 第1の符号化手段で符号化した符号列と、第2の符号化手段で符号化した符号列を合成した符号列を受け取る合成符号列受け取り手段と、
上記第1の符号列内の所定のビットパターンを検出するビットパターン検出手段と、
上記第2の符号列を復号する第2符号列復号手段とを具備し、
上記第1の符号列は、警告メッセージ信号又は無音信号を符号化した符号列であり、上記第2の符号列は、上記第1の符号列で無音信号が符号化されている場合に、入力信号を符号化した符号列であり、
上記第2符号列復号手段は、上記ビットパターン検出手段で無音信号を符号化した符号列のビットパターンが検出されないときは、無音信号を出力する復号装置。 - 第1の符号化により符号化した符号列と、第2の符号化により符号化した符号列を合成した符号列を受け取る合成符号列受け取り工程と、上記第1の符号列内の所定のビットパターンを検出するビットパターン検出工程と、上記第2の符号列を復号する第2符号列復号工程とを具備し、
上記第1の符号列は、警告メッセージ信号又は無音信号を符号化した符号列であり、上記第2の符号列は、上記第1の符号列で無音信号が符号化されている場合に、入力信号を符号化した符号列であり、
上記第2符号列復号工程は、上記ビットパターン検出工程で無音信号を符号化した符号列のビットパターンが検出されないときは、無音信号を出力する復号方法。
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