JP4211157B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係るトロイダル型無段変速機は、例えば自動車用の自動変速機として利用する。特に本発明は、この様なトロイダル型無段変速機を構成するパワーローラ部分の耐久性向上を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用変速機として、図3〜4に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−71465号公報に開示されている様に、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を収めたケーシングの内側には、枢軸5、5を中心として揺動する複数個(通常2〜3個)のトラニオン6、6を設けている。尚、これら各枢軸5、5は、上記入力側、出力側両ディスク2、4の軸方向(図3〜4の左右方向)に関してこれら両ディスク2、4の中間部に、これら両ディスク2、4の軸方向に対し直角方向若しくはほぼ直角方向で且つこれら両ディスク2、4の中心軸に対し捻れの位置に配置している
【0003】
即ち、これら各トラニオン6、6は、それぞれの両端部外側面に上記各枢軸5、5を設けている。又、これら各トラニオン6、6の中間部には変位軸7、7の基端部を支持し、上記各枢軸5、5を中心として上記各トラニオン6、6を揺動させる事により、上記各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在としている。上記各トラニオン6、6に支持した変位軸7、7の周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回転自在に支持している。そして、これら各パワーローラ8、8を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の間に挟持している。これら入力側、出力側両ディスク2、4の互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢軸5上の点を中心とする円弧を、上記入力軸1及び出力軸3を中心に回転させた場合に得られる凹面をなしている。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ8、8の周面8a、8aを、上記内側面2a、4aに当接させている。
【0004】
上記入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディスク4に向け、弾性的に押圧している。この押圧装置9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11により保持された複数個(例えば4個)のローラ12、12とから構成している。上記カム板10の片側面(図3〜4の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であるカム面13を形成し、上記入力側ディスク2の外側面(図3〜4の右側面)にも、同様のカム面14を形成している。そして、上記複数個のローラ12、12を、上記入力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心とする回転自在に支持している。
【0005】
上述の様に構成されるトロイダル型無段変速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転すると、カム面13が複数個のローラ12、12を、入力側ディスク2外側面のカム面14に押圧する。この結果、上記入力側ディスク2が、上記各パワーローラ8、8に押圧されると同時に、上記1対のカム面13、14と複数個のローラ12、12との押し付け合いに基づいて、上記入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、上記各パワーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝わり、この出力側ディスク4に固定の出力軸3を回転させる。
【0006】
入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図3に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜させる。反対に、増速を行なう場合には、上記枢軸5、5を中心として上記各トラニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図4に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を図3と図4との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得られる。
【0007】
更に、図5〜6は、実願昭63−69293号(実開平1−173552号)のマイクロフィルムに記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4とは入力軸15の周囲に、それぞれニードル軸受16、16を介して回転自在に支持している。又、カム板10は上記入力軸15の端部(図5の左端部)外周面にスプライン係合し、鍔部17により、上記入力側ディスク2から離れる方向への移動を阻止している。そして、このカム板10とローラ12、12とにより、上記入力軸15の回転に基づいて上記入力側ディスク2を、出力側ディスク4に向け押圧しつつ回転させる、ローディングカム式の押圧装置9を構成している。上記出力側ディスク4には出力歯車18を、キー19、19により結合し、これら出力側ディスク4と出力歯車18とが同期して回転する様にしている。
【0008】
1対のトラニオン6、6の両端部に設けた枢軸5、5は1対のヨーク20、20に、揺動並びに軸方向(図5の表裏方向、図6の左右方向)に亙る変位自在に支持している。上記1対のヨーク20、20は、十分な剛性を有する金属板状で、中央部に形成した係止孔21を、ケーシング22の内面若しくはこのケーシング22内に設けたシリンダケース23の側面に固設した支持ポスト24a、24bに外嵌する事により、上記ケーシング22の内側に、揺動並びに上記各枢軸5、5の軸方向に亙る変位自在に支持している。又、上記各ヨーク20、20の両端部には、それぞれ円形の支持孔25、25を形成しており、これら各支持孔25、25にそれぞれ上記各枢軸5、5を、それぞれが外輪26、26を備えたラジアルニードル軸受27、27により、支持している。これらの構成に基づいて上記各トラニオン6、6を、上記各枢軸5、5を中心とする揺動並びにこれら各枢軸5、5の軸方向に亙る変位を自在として、上記ケーシング22内に支持している。
【0009】
上述の様にして上記ケーシング22内に支持した、上記各トラニオン6、6の中間部に形成した円孔40、40部分に、変位軸7、7を支持している。これら各変位軸7、7は、互いに平行で且つ偏心した支持軸部28、28と枢支軸部29、29とを、それぞれ有する。このうちの各支持軸部28、28を上記各円孔40、40の内側に、ラジアルニードル軸受30、30を介して、揺動自在に支持している。又、上記各枢支軸部29、29の周囲にパワーローラ8、8を、ラジアルニードル軸受31、31を介して、回転自在に支持している。
【0010】
尚、上記1対の変位軸7、7は、前記入力軸15を中心として、180度反対側位置に設けている。又、これら各変位軸7、7の各枢支軸部29、29が各支持軸部28、28に対し偏心している方向は、上記入力側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関し同方向(図6で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上記入力軸15の配設方向(図5の左右方向、図6の表裏方向)に対しほぼ直交する方向としている。従って上記各パワーローラ8、8は、上記入力軸15の配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。この結果、構成各部品の寸法精度のばらつき、或は動力伝達時の弾性変形等に起因して、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の軸方向(図5の左右方向、図6の表裏方向)に変位する傾向となった場合でも、構成各部品に無理な力を加える事なく、この変位を吸収できる。
【0011】
又、上記各パワーローラ8、8の外側面と上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラスト玉軸受32、32等のスラスト転がり軸受と、次述する外輪33、33に加わるスラスト荷重を支承するスラストニードル軸受34、34等のスラスト軸受とを設けている。このうちのスラスト玉軸受32、32は、上記各パワーローラ8、8に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ8、8の回転を許容する。又、上記各スラストニードル軸受34、34は、上記各パワーローラ8、8から上記各スラスト玉軸受32、32の外輪33、33に加わるスラスト荷重を支承しつつ、上記枢支軸部29、29及び上記外輪33、33が上記支持軸部28、28を中心に揺動する事を許容する。
【0012】
又、上記各トラニオン6、6の一端部(図6の左端部)には、それぞれ駆動ロッド35、35を結合し、これら各駆動ロッド35、35の中間部外周面に駆動ピストン36、36を固設している。そして、これら各駆動ピストン36、36をそれぞれ、前記シリンダケース23内に設けた駆動シリンダ37、37内に油密に嵌装している。更に、前記ケーシング22内に設けた支持壁38と前記入力軸15との間には1対の転がり軸受39、39を設けて、上記入力軸15を上記ケーシング22内に回転自在に支持している。
【0013】
上述の様に構成するトロイダル型無段変速機の場合には、入力軸15の回転を押圧装置9を介して入力側ディスク2に伝える。そして、この入力側ディスク2の回転を、1対のパワーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝達し、更にこの出力側ディスク4の回転を、前記出力歯車18より取り出す。上記入力軸15と出力歯車18との間の回転速度比を変える場合には、前記1対の駆動ピストン36、36を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン36、36の変位に伴って上記1対のトラニオン6、6が、それぞれ逆方向に変位し、例えば図6の下側のパワーローラ8が同図の右側に、同図の上側のパワーローラ8が同図の左側に、それぞれ変位する。この結果、これら各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各トラニオン6、6が、ヨーク20、20に枢支された枢軸5、5を中心として、図5で互いに逆方向に揺動する。この結果、前述の図3〜4に示した様に、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸15と出力歯車18との間の回転速度比が変化する。
【0014】
尚、動力伝達時に構成各部品が弾性変形する結果、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の軸方向に変位すると、これら各パワーローラ8、8を枢支している上記各変位軸7、7が、前記各支持軸部28、28を中心として僅かに揺動する。この揺動の結果、前記各スラスト玉軸受32、32の外輪33、33の外側面と上記各トラニオン6、6の内側面とが相対変位する。これら外側面と内側面との間には、前記各スラストニードル軸受34、34が存在する為、この相対変位に要する力は小さい。従って、上述の様に各変位軸7、7の傾斜角度を変化させる為の力が小さくて済む。
【0015】
上述の様に構成され作用するトロイダル型無段変速機に組み込む入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4a、並びに各パワーローラ8、8の周面8a、8aには、潤滑油膜の為の最終仕上加工を施して、これら各面2a、4a、8aの粗さを所望値にしている。即ち、トロイダル型無段変速機の運転時にこれら各面2a、4a、8a同士の接触部に加わる大きな面圧に拘らず、これら各面2a、4a、8aの転がり疲れ寿命を確保する為に、これら各面2a、4a、8a同士の接触部の潤滑状態を、弾性流体潤滑(EHL)とする様にしている。この為に上記各面2a、4a、8aの表面粗さを、特開平11−148542号公報等に記載されている様に、超仕上により所望値(例えば0.05Ra以下)にしている。
【0016】
又、上記パワーローラ8の周面8aに最終仕上加工を施す為に従来から、図7に示す様に、このパワーローラ8の外端面側に、幅W41が1〜5mm程度の円筒面部41を形成していた。上記周面8aに最終仕上加工を施す際には、この円筒面部41をチャックにより保持した状態で、上記周面8aの表面粗さを、超仕上により所望値に仕上げる。従来の場合には、この超仕上を、上記パワーローラ8の内端面42の外周縁から上記円筒面部41の内端縁(図7の下端縁)までの球状凸面の全面に亙って施していた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従来のトロイダル型無段変速機の場合、入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4a、並びに各パワーローラ8、8の周面8a、8aに、それぞれの全面に亙って、超仕上等による最終仕上加工を施していた。これら各面2a、4a、8aのうち、上記各内側面2a、4aはそれぞれのほぼ全面に亙り、トロイダル型無段変速機の変速比を変えるのに伴って上記各周面8a、8aと当接する可能性がある。従って、上記各内側面2a、4aは、それぞれ全面に亙って最終仕上加工を施す必要がある。
【0018】
これに対して上記各周面8a、8aは、変速比が変わっても特に上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化する訳ではない。上記各周面8a、8aとこれら各内側面2a、4aとの当接位置が変位するのは、トロイダル型無段変速機を通じて伝達するトルクが変化する事による、構成各部材の弾性変形量の変化に伴う変位のみである。そして、この弾性変形量の変化に伴って上記当接位置は、この弾性変形量が多くなる程上記パワーローラ8の外端面43側に向かう方向に変位する。この点に就いて、図7により説明する。
【0019】
本発明の対象となるハーフトロイダル型のトロイダル型無段変速機の場合、上記パワーローラ8は、図7に鎖線α、αで示す接触角を持ち、構成各部材が弾性変形しないと仮定した場合には、上記周面8aと上記各内側面2a、4aとが、上記各鎖線α、α上の点で接触する。そして、接触部には、伝達するトルクの大きさに応じた面積を有する接触楕円44が存在する。実際にトロイダル型無段変速機を運転する場合には、構成各部材の弾性変形に基づいて上記接触部が図7に示した位置からずれるが、このずれる方向は、トロイダル型無段変速機により伝達するトルクが大きくなり、上記構成各部材の弾性変形量が多くなる程、上記パワーローラ8の外端面43に近づく方向になる。
【0020】
従って、図7にイ範囲で表した、上記接触角を表す鎖線α、α上の接触楕円44の端縁から上記パワーローラ8の内端面42までの間部分45は、上記各内側面2a、4aと接触する事はない。ところが従来は、この間部分45も含めて前記最終仕上加工を施していた為、加工時間並びに加工コストが嵩んでいた。又、加工面積が広い分、加工むら等の欠陥が生じる可能性が増え、欠陥に基づく耐久性低下を防止する為に、より慎重な加工作業並びに検査作業が必要になり、上記パワーローラ8の製造コストを著しく高くする原因となっている。
【0021】
動力の伝達に寄与しない上記間部分45に対応する部分を除去し、上記パワーローラ8の軸方向に亙る厚さT8 を小さくすれば、このパワーローラ8の製造コストを低減できるが、このパワーローラ8の外力に基づく変形しにくさを表す耐力が低下する為、採用できない。即ち、トロイダル型無段変速機の運転時にこのパワーローラ8には、大きなラジアル荷重及びスラスト荷重が加わる為、亀裂等の損傷が発生するのを防止する為には、上記厚さT8 を大きくして、上記パワーローラ8の断面積を大きくする等の必要がある。
本発明のトロイダル型無段変速機は、この様な事情に鑑みて、パワーローラ8の耐力を確保しつつ、このパワーローラ8の製造コストの低減を図るべく発明したものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述の従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、回転自在に支持された入力側ディスクと、この入力側ディスクと同心に配置され、且つこの入力側ディスクに対する回転自在に支持された出力側ディスクと、これら入力側、出力側両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの中間部に、これら両ディスクの軸方向に対し捻れの位置に配置されて当該位置で揺動する複数のトラニオンと、これら各トラニオンに支持された変位軸の周囲に回転自在に支持され、入力側、出力側両ディスクの間に挟持された複数個のパワーローラとから構成される。そして、入力側、出力側両ディスクの互いに対向する内側面を、それぞれ断面が円弧形の凹面とし、上記各パワーローラの周面を、上記各トラニオンに対向する外端面側を大径としこれら各トラニオンと反対側の内端面側を小径とする球面状の凸面として、この周面と上記内側面とを当接させている。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記各パワーローラの周面を構成する球状凸面のうち、上記入力側ディスクと上記出力側ディスクとの間で、上記トロイダル型無段変速機が伝達する事がある最も小さなトルクを伝達する状態でこれら両ディスクの内側面と転がり接触する部分並びにこの部分よりも外端面寄り部分に最終仕上加工を施すと共に、この転がり接触する部分よりも内端面寄り部分には最終仕上加工を施さない。更に、この転がり接触する部分よりも内端面寄り部分でこの最終仕上加工を施さない部分が、この転がり接触する部分並びにこの部分よりも外端面寄り部分で最終仕上加工を施す部分よりも、上記周面を構成する球状凸面の直径方向に関して内径側に凹んでいる。
【0023】
【作用】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機が入力側ディスクと出力側ディスクとの間で回転力を伝達する際の作用、並びにパワーローラの傾斜角度を変える事により上記入力側ディスクと出力側ディスクとの間の変速比を変える際の作用は、前述した従来構造の場合と同様である。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、上記パワーローラの周面の一部に最終仕上加工を施さず、この最終仕上加工を施す面積を狭くした分、上記パワーローラの耐力を確保しつつ、このパワーローラの製造コストを低減できる。
しかも、上記最終仕上加工を施さない部分が最終仕上加工を施す部分よりも凹んでいる為、この最終仕上加工を容易に行なえる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に関する参考例の1例を示している。尚、本参考例の特徴は、パワーローラ8の耐力を確保しつつ、このパワーローラ8の製造コストを低減すべく、このパワーローラ8の周面8aの一部のみに最終仕上加工を施す点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述した従来構造と同様であるから同等部分に関する図示並びに説明は省略し、以下、本参考例の特徴部分に就いて説明する。
【0025】
トロイダル型無段変速機を組み立て、入力側ディスク2と出力側ディスク4(図3〜5参照)との間で、このトロイダル変速機が伝達する事がある最も小さなトルクを伝達する状態で、上記パワーローラ8の周面8aを構成する球状凸面は、接触角を表す鎖線α、α上に存在する接触楕円44部分(接触楕円の長さをその幅とし、上記周面8aの全周に亙る帯状部分)で、上記両ディスク2、4の内側面2a、4a(図3〜5参照)と転がり接触する。本参考例のトロイダル型無段変速機を構成するパワーローラ8の場合には、上記接触楕円44部分、並びにこの接触楕円44部分よりも外端面43寄り部分、即ち、図1のA範囲部分に最終仕上加工を施している。即ち、このA範囲部分の表面粗さを、超仕上により0.05Ra以下にしている。これに対して、上記接触楕円44部分よりも内端面42寄り部分、即ち、図1のB範囲部分には、最終仕上加工を施さず、例えば上記パワーローラ8を造る為の素材を鍛造等により加工した状態のままとしている。
【0026】
尚、このパワーローラ8の周面8aのうち、上記外端面43側の端部には円筒面部41を形成している。そして、この円筒面部41には、上記B範囲部分と同様に、最終仕上加工を施していない。この円筒面部41は、前述の様に、上記最終仕上加工を施す際に、上記パワーローラ8をチャックに把持させる為に設けたもので、1〜5mm程度の幅W41を有する。この幅W41が1mm未満の場合には、チャックにより把持した場合に把持部の面圧が過大となって、当該部分に圧痕が形成され易くなる。反対に、上記幅W41が5mmを越えて大きくなると、その分、上記各内側面2a、4aと転がり接触するトラクション面の幅が狭くなり、大きなトルクを伝達する際に上記周面8aと上記各内側面2a、4aとの接触部がこのトラクション面の端縁部分にまで達し、当該部分にエッジロードが加わって、上記周面8aの転がり疲れ寿命を著しく低下させる。
【0027】
上述の様に構成する本参考例のトロイダル型無段変速機の場合には、上記パワーローラ8の周面8aの一部に最終仕上加工を施さず、この最終仕上加工を施す面積を狭くした分、上記パワーローラ8の耐力を確保しつつ、このパワーローラ8の製造コストを低減できる。又、最終仕上加工を施す面積を狭くした分、この仕上加工時に特に慎重な加工作業並びに検査作業を行なわなくても、加工むら等の欠陥の発生を防止して、上記パワーローラ8の耐久性確保を図れる。
【0028】
次に、図2は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例に使用するパワーローラ8の場合には、最終仕上加工を施さない、転がり接触する部分である接触楕円44部分よりも内端面42寄り部分である、図2のB範囲部分が、最終仕上加工を施すこの接触楕円44部分並びにこの接触楕円44部分よりも外端面寄り部分、即ち、図2のA範囲部分よりも、周面8aを構成する球状凸面の直径方向に関して内径側に凹んでいる。この為に本例の場合には、上記A範囲部分の曲率半径に比べて上記B範囲部分の曲率半径を小さくすると共に、これら両範囲部分同士の境界部分に、これら両範囲部分同士を滑らかに連続させる段差46を形成している。この様な段差46は、上記パワーローラ8を造る為の素材を鍛造等により加工する際に形成しておく。
【0029】
この様な本例の場合には、上記A範囲部分のみに最終仕上加工を施す作業を容易に行なえる。その他の構成及び作用は、上述した参考例の場合と同様である。尚、このA範囲部分よりも上記B範囲部分を上記球状凸面の直径方向に関して内径側に凹ませる為には、図2に鎖線で示す様に、A範囲部分の端縁から、このA範囲部分の曲率半径よりも小さな曲率半径を有するB範囲部分を、特に段差を介する事なく、滑らかに連続させても良い。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、優れた耐久性を有し、しかも低コストのトロイダル型無段変速機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関する参考例の1例を示す、パワーローラ及びスラスト玉軸受の断面図。
【図2】 本発明の実施の形態の1例を示す、パワーローラ及びスラスト玉軸受の断面図。
【図3】トロイダル型無段変速機の基本構成を、最大減速時の状態で示す略側面図。
【図4】同じく最大増速時の状態で示す略側面図。
【図5】従来から知られている具体的構造の1例を示す要部断面図。
【図6】図5のX−X断面図。
【図7】従来構造に組み込まれていたパワーローラ及びスラスト玉軸受の断面図。
【符号の説明】
1 入力軸
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力軸
4 出力側ディスク
4a 内側面
5 枢軸
6 トラニオン
7 変位軸
8 パワーローラ
8a 周面
9 押圧装置
10 カム板
11 保持器
12 ローラ
13、14 カム面
15 入力軸
16 ニードル軸受
17 鍔部
18 出力歯車
19 キー
20 ヨーク
21 係止孔
22 ケーシング
23 シリンダケース
24a、24b 支持ポスト
25 支持孔
26 外輪
27 ラジアルニードル軸受
28 支持軸部
29 枢支軸部
30 ラジアルニードル軸受
31 ラジアルニードル軸受
32 スラスト玉軸受
33 外輪
34 スラストニードル軸受
35 駆動ロッド
36 駆動ピストン
37 駆動シリンダ
38 支持壁
39 転がり軸受
40 円孔
41 円筒面部
42 内端面
43 外端面
44 接触楕円
45 間部分
46 段差

Claims (2)

  1. 回転自在に支持された入力側ディスクと、この入力側ディスクと同心に配置され、且つこの入力側ディスクに対する回転自在に支持された出力側ディスクと、これら入力側、出力側両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの中間部に、これら両ディスクの軸方向に対し捻れの位置に配置されて当該位置で揺動する複数のトラニオンと、これら各トラニオンに支持された変位軸の周囲に回転自在に支持され、入力側、出力側両ディスクの間に挟持された複数個のパワーローラとから構成され、入力側、出力側両ディスクの互いに対向する内側面を、それぞれ断面が円弧形の凹面とし、上記各パワーローラの周面を、上記各トラニオンに対向する外端面側を大径としこれら各トラニオンと反対側の内端面側を小径とする球面状の凸面として、この周面と上記内側面とを当接させたトロイダル型無段変速機に於いて、上記各パワーローラの周面を構成する球状凸面のうち、上記入力側ディスクと上記出力側ディスクとの間で、上記トロイダル型無段変速機が伝達する事がある最も小さなトルクを伝達する状態でこれら両ディスクの内側面と転がり接触する部分並びにこの部分よりも外端面寄り部分に最終仕上加工を施すと共に、この転がり接触する部分よりも内端面寄り部分には最終仕上加工を施さず、この転がり接触する部分よりも内端面寄り部分でこの最終仕上加工を施さない部分が、この転がり接触する部分並びにこの部分よりも外端面寄り部分で最終仕上加工を施す部分よりも、上記周面を構成する球状凸面の直径方向に関して内径側に凹んでいる事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. パワーローラの周面のうちの外端面側端部に円筒面部が形成されており、この円筒面部には最終仕上加工を施していない、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
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