JP4209339B2 - 空気調湿用媒体とその利用 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和装置における媒体に関するものである。より詳しくは、空気調湿用媒体とその利用に関するものである。
エアーコンディショナー(エアコン)等の空気調和装置には、蒸気圧縮冷凍サイクル(冷媒)を用いるもの、吸収式冷凍サイクル(溶剤と冷媒)を用いるもの、蒸気噴射式冷凍サイクル(蒸気)を用いるもの、空気冷凍サイクル(空気)を用いるもの、熱電冷凍サイクル(電流)を用いるもの等が知られている。これらの装置は、何れも、調和の対象である空気の温度を下げることにより冷房を行い、温度を上げることにより暖房を行なっている。しかしながら、近年、空気調和装置は、温度調節のみならず、空気中の湿度調節を行なうのが通常になっている。
このような湿度調節方法として、冷房時の場合を例にして説明する。冷房時における湿度調節方法は、まず、対象である空気の温度を露点以下に下げることにより、空気中の水分を凝縮させて、水分を除去する。そして、その後、水分が除去された空気を加熱することにより、所定の温度にして、室内に放出する。しかしながら、このような湿度調節方法では、空気の温度を所定温度にまで下げるためのエネルギーのほかに、さらに、水分除去のために空気の温度を露点まで下げるためのエネルギー、及び、再び露点から所定の温度まで空気温度を上昇させるためのエネルギーが必要であり、これらのエネルギーを余分に消費してしまう。
このような余分なエネルギーの消費を抑制するために、空気中の水分除去用のデシカント(乾燥剤)を用いる方法が提案されている。水分除去用デシカントとしては、シリカゲル、ゼオライト等の固形物を使用するものと、臭化リチウムや塩化リチウムの水溶液等の液体を使用するものとが提案されている。
水分除去用デシカントとして固形物を使用するものにおいては、吸収効率が低く、デシカントの容積が増大するので、その多孔質化などに努力が払われている状況にある。これに対して、水分除去用デシカントとして液体を使用するものにおいては、気液の接触方式として、スプレ式と多孔質を介する方式とが研究されている。
例えば、特許文献1には、多孔シートを介して空気中の湿度を吸湿する吸湿液を用いた吸湿器が開示されている。この吸湿器には、撥水性を有する多孔シートからなり空気は通すが液体を通さない密閉室に、吸湿液が充満された、吸湿エレメント、及び、蒸発エレメントが形成されている。吸湿エレメントと蒸発エレメントとの間には、第1及び第2の連絡間で連結した、吸湿液の密閉循環路が形成されている。蒸発エレメントへ流入する吸湿液を加熱することにより、吸湿液が再生する。したがって、上記吸湿器において、吸湿エレメントは、空気中の湿分を吸湿液側に吸収させ空気中の水分を吸湿する。また、蒸発エレメントでは、吸湿液中の水分を空気中に蒸発させて、空気中の湿分を増加させる。
また、上記吸湿器の応用として、例えば特許文献2には、吸湿液の濃度を調節することにより、調湿対象である空気を所定の湿度に調節する湿度調節ユニットを備えた湿度調節装置が開示されている。また、特許文献3には、特許文献1の吸湿器における多孔シートの代わりに水蒸気透過性中空糸を備え、室内湿度を検出する湿度検出センサーにより湿度調節する湿度調整装置が開示されている。
さらに、特許文献4、及び、特許文献5には、冷媒を圧縮・凝縮・減圧・蒸発させることにより空気を冷却、または、加熱する蒸気圧縮冷凍サイクルと、空気中の水分を吸湿、及び、加湿する吸湿液サイクルとを組み合わせて、加湿暖房運転、または、除湿冷却運転を行なう空気調和装置が開示されている。
また、特許文献6には、空気中の湿分を吸収する吸収液として、塩化リチウムやエチレングリコールなどの吸湿性の高い水溶液を用いた吸湿システムが開示されている。
特開昭56−24017号公報(昭和56年3月7日公開) 特開平2−140535号公報(平成2年5月30日公開) 特開平5−200228号公報(平成5年8月10日公開) 特開平5−146627号公報(平成5年6月15日公開) 特開平9−222244号公報(平成9年8月26日公開) 特開平10−258212号公報(平成10年9月29日公開)
しかしながら、特許文献1〜6に開示されている技術には、以下の問題点が存在する。すなわち、特許文献1〜6に開示されている吸湿・放湿システムでは、吸湿液として、塩化リチウム水溶液、塩化カルシウム水溶液、臭化リチウム水溶液、臭化カルシウム水溶液等が用いられている。これらの吸収液は、金属材料を著しく腐食させることが知られている。したがって、この吸湿・放湿システムを用いた空気調和装置では、その構成部材に耐食性の高い材料を使用しなければならず、装置制作上の問題がある。
また、このように腐食性の高い物質は、人体にとっても決して無害ではなく、吸湿液の一部が空気中に飛散し、飛沫として混入しないようにしなければならず、安全性に難点があり、実用に供し得ない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、金属材料をほとんど腐食することのない空気調湿用媒体及びその利用を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、吸湿・放湿液として、水和物で、かつ、水分子を複数有するものを用い、この水和塩を有機溶媒にスラリー状に懸濁したものが、効率的な空気調湿用媒体となることを見出した。そして、金属材料をほとんど腐食することのない空気調湿用媒体を実現し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の空気調湿用媒体は、水分子を複数の形態で有する水和物または無水物と、有機溶媒とを含んでなることを特徴としており、水分子を複数の形態で有する水和物または無水物が有機溶媒に懸濁されていることが好ましい。
また、上記水分子を複数の形態で有する水和物または無水物が風解性を有することが好ましい。
すなわち、上記水分子を複数の形態で有する水和物または無水物が、硫酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオンからなる群より選択される少なくとも1つの陰イオンと、銅イオン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、亜鉛イオンからなる群より選択される少なくとも1つの陽イオンとが形成する塩であること好ましい。
特に、上記水分子を複数の形態で有する水和物または無水物が、炭酸ナトリウムまたはリン酸二水素ナトリウムであることが好ましい。
また、上記有機溶媒の蒸気圧が、0.01MPa以下であることが好ましい。
さらに、上記有機溶媒が、油脂及び/又は油剤であることが好ましい。
また、上記の空気調湿用媒体の中に、さらに、親水性化合物が含まれていることが好ましい。
本発明の空気調湿装置は、上記の課題を解決するために、上述の空気調湿用媒体が封入された調湿手段と、上記空気調湿用媒体の脱水状態及び/又は水和状態を制御する調湿制御手段と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の空気調湿装置では、さらに、上記調湿制御手段には、上記空気調湿用媒体を水和状態から脱水状態へ再生する脱水再生手段が設けられていることが好ましい。
また、上記脱水再生手段には、廃熱を回収し当該廃熱を利用して、上記空気調湿媒体を脱水状態に再生する熱交換手段が設けられていることが好ましい。
また、さらに、廃冷熱により上記水和再生手段を冷却する冷却手段が設けられていることが好ましい。
さらに、廃冷熱により上記水和再生槽を冷却する冷却手段が設けられていることが好ましい。
さらに、本発明の空気調和装置は、上記の課題を解決するために、上述の空気調湿装置を備えることを特徴としている。
本発明の空気調湿用媒体を空気調和装置に用いた場合、空気調和装置の構成部材に直接接触するのは、有機溶媒であり、水和物は、有機溶媒を介して構成部材と接触している。したがって、水和物は、構成部材に直接作用することがないので、構成部材の腐食性を改善することが可能になる。また、空気調和装置の装置制作上で、耐食性材料の使用の必要性を大幅に低減することが可能になる。これにより、低コストの空気調和装置を提供できる。
(1)本発明の空気調湿用媒体
上述のように、本発明の空気調湿用媒体は、水分子(例えば、結晶水)を複数の形態で有する水和物または無水物と、有機溶媒とを含んでいるものである。すなわち、水分子を複数の形態で有する水和物または無水物が有機溶媒に懸濁されたスラリーであると換言できる。
本発明における「空気調湿用媒体」とは、空気の湿度の調節に用いられる媒体を意味する。また、本明細書における「スラリー」とは、固体と液体とを機械的に混合し、液体化したもの、すなわち、固体が液体中に分散している懸濁液のことをいう。
以下、本発明の空気調湿用媒体における、水分子を複数の形態で有する水和物または無水物、及び有機溶媒について、詳細に説明する。
(1−1)水分子を複数の形態で有する水和物、または、無水物
上記「水和物」とは、水分子が他の分子と結合して生成した形の構成をもつ分子化合物であり、例えば、結晶水を有する物質、分子の形で水を含む物質、水分子が包接されている包接化合物などが挙げられる。
また、上記「水分子を複数の形態で有する」とは、上記水和物中の水分子(結晶水)の数が変化し得るということを意味し、「水分子を複数の形態で有する水和物または無水物」としては、例えば、温度や湿度、または圧力などの影響を受けて、結晶水の水分子の数が変化し得る水和物(化合物)を挙げることができる。すなわち、このような水和物は、加熱または減圧することにより、水分子の数が減り脱水反応を起こす。また、脱水反応により脱水した水和物は、再び水分子の数を増加させ、水和反応を起こす。本発明の空気調湿用媒体は、このような脱水・水和反応により、空気中の水分を放湿・吸湿している。すなわち、脱水反応において、水和物は、水分子の数を減少させることにより、水分を空気中へ放出して、放湿を行なっている。また、水和反応では、水和物は、空気中の水分を取り込むことで、水分子の数を増加させることにより、吸湿を行なっている。
さらに、吸湿において水分子の数が増加した水和物を、脱水反応により水分子の数を減少させて、再度、吸湿用の水和物を再生することが可能である。また、放湿において水分子の数が減少した水和物を、水和反応により水分子の数を増加させて、再度、放湿用の水和物を再生することが可能である。
したがって、上記水和物は、脱水・水和反応により水分子が減少あるいは増加した水和物も含まれる。また、本発明は、脱水反応により、水分子の数がゼロになった「無水物」も含まれる。なお、本明細書中「脱水」とは、上述の水和物中の水分子を一部あるいは全部取り除くという意である。
以下、このような「水分子を複数の形態で有する水和物または無水物」を単に、水和塩とする。
水和塩の脱水・水和反応は、水和塩の蒸気圧と空気の蒸気圧とのバランスにより、起きる。すなわち、水和塩の蒸気圧が、空気の蒸気圧よりも大きい場合、脱水反応が起きる。また、水和塩の蒸気圧が、空気の蒸気圧よりも小さい場合、水和反応が起きる。なお、水和塩の蒸気圧、及び、空気の蒸気圧は、温度に依存する。このため、水和塩の脱水・水和反応は、温度にも依存する。
また、水和塩は、風解性を有していてもよい。「風解性」とは、空気中に放置されたとき、水和塩が水分子を失う性質のことである。そして、大気中の水蒸気の分圧が水和塩の飽和水蒸気圧(解離圧)よりも低い場合、水和塩中の水分子が失われる。
さらに、上記水和塩は、硫酸イオン(SO 2−)、炭酸イオン(CO 2−)、炭酸水素イオン(HCO )、リン酸イオン(PO 3−)、リン酸水素イオン(HPO 2−)、リン酸二水素イオン(HPO4 )からなる群より選択される少なくとも1つの陰イオンと、銅イオン(Cu2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、ナトリウムイオン(Na)、亜鉛イオン(Zn2+)からなる群より選択される少なくとも1つの陽イオンと、が形成する塩であってもよい。このような水和塩としては、例えば硫酸銅(CuSO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、リン酸二水素ナトリウム(NaHPO)、硫酸ナトリウム(NaSO)、リン酸水素二ナトリウム(NaHPO)、硫酸亜鉛(ZnSO)が挙げられる。また、リン酸水素二ナトリウムに関しては、7水和物(NaHPO・7HO)と12水和物(NaHPO・12HO)との間の脱水・水和反応、または、2水和物(NaHPO・2HO)と7水和物(NaHPO・7HO)との間の脱水・水和反応を利用して、放湿・吸湿を行なうことが可能である。また、硫酸亜鉛に関しては、6水和物(ZnSO・6HO)と7水和物(ZnSO・7HO)との間の脱水・水和反応、または、1水和物(ZnSO・HO)と6水和物(ZnSO・6HO)との間の脱水・水和反応を利用して、放湿・吸湿を行なうことが可能である。
また、これらの水和塩のうち、塩のコストが比較的安い炭酸ナトリウム、または、リン酸二水素ナトリウムが好適である。この場合、炭酸ナトリウムに関しては、12水和物(NaHPO・12HO)と7水和物(NaNaHPO・7HO)との間の脱水・水和反応を利用して、放湿・吸湿を行なっている。また、リン酸二水素ナトリウムに関しては、12水和物(NaHCO・12HO)と7水和物(NaHCO・7HO)との間の脱水・水和反応を利用して、放湿・吸湿を行なっている。
(2)有機溶媒
有機溶媒の蒸気圧が高い場合、有機溶媒が空気中へ揮発しやすくなる。このため、本願発明の空気調湿用媒体における有機溶媒は蒸気圧が低い、すなわち、不揮発性の溶媒が好適である。これは、有機溶媒が揮発してしまうと、空気調湿用媒体の体積が減少し、水和塩の濃度が変化するので、湿度制御が困難になるためである。一般的に、有機溶媒は、蒸気圧が0.01MPaよりも大きい場合、揮発性になる。したがって、上記有機溶媒としては、蒸気圧が0.01MPa以下の有機溶媒が好適である。
さらに、本発明の空気調湿用媒体に水分溶解性を付与するために、親水性化合物を含んでいてもよい。本発明の空気調湿用媒体において、水和塩は、有機溶媒を介して、空気と接触している。空気調湿用媒体に親水性化合物を含むことにより、空気中の水分をスムーズに取り込むことができ、水和塩の脱水・水和反応の効率が向上する。これにより、空気調湿溶媒体の放湿・吸湿の効率が向上する。上記有機溶媒の水分溶解性は、数%〜数10%が好ましい。
なお、上記「親水性化合物」は、例えば水酸基(−OH)やカルボキシル基(−COOH)等の親水基を有する等の構造上の特徴によって、空気中の水分と親和性を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。親水性化合物としては、例えば、ポリグリコールエーテル、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。さらに、具体的には、親水性化合物として、ブレーキオイル(No.2500 HBB日産自動車株式会社)などがある。
また、このような有機溶媒のうち、油脂及び/又は油剤は、不揮発性であり、低コストであるので、本発明の空気調湿用媒体における有機溶媒として、好適に用いられる。油脂及び/又は油剤としては、例えば、大豆油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、アマニ油、綿実湯、ナタネ油、キリ油、ヒマシ油、牛脂、スクワラン、ラノリン、硬化油が挙げられ、油脂を分解して得られる脂肪酸も含まれる。さらに、上記有機溶媒は、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸、イソステアリルアルコール、イソステアリン酸、ダイマー酸、グリセリン、合成グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、高級アルコール、分枝高級アルコール、ビサボロール、フィタントリオールも含まれる。また、上記有機溶媒は、一般に市販されている、サラダ油等の食用調合油でもよい。
以上のように、本発明に係る空気調湿用媒体によれば、水分子を複数の形態で有する水和物または無水物を有機溶媒に懸濁することにより、金属材料をほとんど腐食することなく、安全性に優れた空気調湿用媒体及びその利用を提供するができる。本発明の空気調湿用媒体では、水和物の脱水・水和反応を利用して、空気中の水分を放湿・吸湿している。
このため、この空気調湿用媒体を空気調和装置に用いた場合、空気調和装置の構成部材に直接接触するのは、有機溶媒であり、水和物は、有機溶媒を介して構成部材と接触している。したがって、水和物は、構成部材に直接作用することがないので、構成部材の腐食性を改善することが可能になる。また、空気調和装置の装置制作上で、耐食性材料の使用の必要性を大幅に低減することが可能になる。
従来の吸湿性水溶液は、飽和濃度における蒸気圧により、最大の吸湿能力が決定してしまう。これに対して、本発明の空気調湿用媒体では、上記水和物の種類によっては、水和塩の有する蒸気圧をかなり低くすることが可能になる。このため、水和物の種類の適切な選択を行なうことにより、従来の吸湿性水溶液よりも高い吸湿能力を有する空気調湿用媒体を実現できる。
また、従来の吸湿性水溶液は、吸湿により水溶液濃度が変化するために、吸湿の前後において、吸湿性水溶液の体積が大きく変化する。このため、空気調和装置の設計が、煩雑になる。本発明の空気調湿用媒体において、水和物の種類によっては、水和の前後で密度が変化しないものもある。このため、本発明の空気調湿用媒体は、吸湿の前後における体積変化を小さくすることができ、装置設計を容易にすることができる。
また、従来の吸湿性水溶液は、吸湿と共に蒸気圧が変化する。このため、目標とする蒸気圧を実現するために、吸湿性水溶液の温度と濃度との両方の変数を制御する必要があった。本発明の空気調湿用媒体は、脱水反応した水和物、または、無水物が、有機溶媒中に残存している限り、一定の温度において一定の蒸気圧を示す。したがって、空気調湿用媒体の温度のみを制御することで、目標とする蒸気圧を実現することができ、湿度制御を簡略化するが可能になる。
また、従来の吸湿水溶液は、吸湿により発熱する。そして、吸湿水溶液は、温度上昇し水蒸気圧が増大し、吸湿性の低下を招く。このため、吸湿性を維持するために、吸湿液を一定の温度に保つ、すなわち、発熱を除去することが必要であり、熱伝導性が良好であることが要求される。本発明の空気調湿用媒体は、水和物が有機溶媒に懸濁されたスラリーであるので、スラリーの流動性等により熱伝導性が良好になる。したがって、本発明の空気調湿用媒体は、従来の吸湿水溶液に比べ、吸湿媒体として好適である。
さらに、本発明の空気調湿用媒体において、水和物は、溶解していない微粒子までも、吸湿・放湿に有効利用することができる。したがって、水和物の微紛化について憂慮する必要がなく、空気調湿用媒体の低コスト化、歩留まりの向上が可能になる。
また、従来の湿度調節では、対象とする空気を露点まで冷却後、加熱する必要があったために、エネルギーを過剰に消費しており、空調効率が極めて悪かった。しかしながら、本発明の空気調湿用媒体を用いることで、この過剰エネルギーを節減することが可能である。
上記水分子を複数の形態で有する水和物、または、無水物は、有機溶媒に対して、不溶性であることが望ましいが、特に限定せず、一部溶解していてもよい。
また、本発明の空気調湿用媒体のスラリー濃度は、空気調和装置における吸湿、または、放湿の設定条件に応じて、適宜設定することができ、特に限定されるものではない。上記スラリー濃度としては、数%〜90%が好ましく、より好適には、空気調湿溶媒体の流動性の面から、10%〜30%の濃度である。
(3)本発明の空気調湿用媒体の利用方法(有用性)
本発明の空気調湿用媒体は、調湿が必要な空調産業において、利用可能である。これにより、高効率で、かつ、安全な調湿設備(空気調湿装置)を実現することができる。すなわち、本発明の空気調湿装置は、空気調湿用媒体が封入された調湿槽と、上記空気調湿用媒体の脱水状態及び/又は水和状態を制御する調湿制御手段とを備えていればよい。
ここでいう「空気調湿装置」とは、空気の湿度を調節する装置を意味する。空気調湿装置としては、空気中の湿度を吸収する空気吸湿装置、及び、空気中へ湿度を放出する空気放湿装置が挙げられる。
上記「脱水状態」とは、空気調湿用媒体における水和塩が、脱水反応により水分子の数が1部減少した、または、全て除去された状態のことである。また、脱水状態の水和塩としては、例えば、炭酸ナトリウム1水和物、硫酸銅3水和物、硫酸マグネシウム6水和物、硫酸ナトリウム無水物、リン酸水素二ナトリウム7水和物(リン酸水素二ナトリウム7水和物と12水和物との脱水・水和反応の場合)、リン酸水素二ナトリウム2水和物(リン酸水素二ナトリウム2水和物と7水和物との脱水・水和反応の場合)、硫酸亜鉛6水和物(硫酸亜鉛6水和物と7水和物との脱水・水和反応の場合)、硫酸亜鉛1水和物(硫酸亜鉛1水和物と6水和物との脱水・水和反応の場合)が挙げられる。
また、上記「水和状態」とは、空気調湿用媒体において塩または水和塩が、水和反応により水分子をより多く有した状態のことである。また、水和状態の水和塩としては、例えば、炭酸ナトリウム10水和物、硫酸銅5水和物、硫酸マグネシウム7水和物、硫酸ナトリウム10水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物(リン酸水素二ナトリウム7水和物と12水和物との脱水・水和反応の場合)、リン酸水素二ナトリウム7水和物(リン酸水素二ナトリウム2水和物と7水和物との脱水・水和反応の場合)、硫酸亜鉛7水和物(硫酸亜鉛6水和物と7水和物との脱水・水和反応の場合)、硫酸亜鉛6水和物(硫酸亜鉛1水和物と6水和物との脱水・水和反応の場合)が挙げられる。
ここでいう「制御する」とは、例えば、水和状態の空気調湿用媒体を脱水状態にしたり、逆に脱水状態の空気調湿用媒体を水和状態にすることである。
また、「空気調湿用媒体が封入された」とは、空気調湿用媒体が調湿手段(容器)内に空気と直接的あるいは間接的に接するように入れられた(保持された)状態を意味する。したがって、容器内の空気調湿用媒体の量は、空気調湿装置の大きさ、湿度設定等により適宜設定することができる。
以下、本発明の空気調湿用媒体を用いた空気吸湿装置、及び、空気放湿装置の一例について説明する。
(2−1)空気吸湿装置
上記空気調湿用媒体を、空気吸湿装置に用いる場合、上記調湿制御手段には、上記空気調湿用媒体を水和状態から脱水状態へ再生する脱水再生手段が設けられていることが好ましい。
すなわち、この場合、本発明の空気調湿装置は、上述の空気調湿用媒体が脱水状態で封入された吸湿槽と、上記吸湿槽にて水和状態になった空気調湿用媒体を、脱水状態に再生する脱水再生槽とを備えていればよい。
この場合、上記「調湿手段」とは、空気調湿用媒体が脱水状態で封入された吸湿槽のことをいう。
本発明の空気吸湿装置では、吸湿槽にて、空気調湿用媒体における脱水状態の水和塩が、水和反応を起こし、空気中の水分を吸湿することにより、吸湿が実現される。そして、この水和反応で水分子の数が増加した水和状態の水和塩は、脱水再生槽にて、加熱または減圧により、脱水反応を起こし、水分子数が減少し脱水状態になる。この脱水状態の水和塩を、再び吸湿槽に充填させることにより、水和塩を再利用することが可能になる。
また、上記脱水再生槽に、室内または空気調和装置からの廃熱を回収し、当該廃熱を利用して脱水状態に再生する熱交換手段が設けられていてもよい。
上記構成によれば、上記熱交換手段が回収した廃熱を利用して、脱水再生槽中の水和状態の空気調湿用媒体を脱水状態に再生している。
この場合、「調湿制御手段」は、脱水再生手段と熱交換手段とにより構成されている。
また、熱交換手段としては、例えば室内または空気調和装置からの廃熱を回収するものが挙げられる。以下、熱交換手段が室内からの廃熱を回収する場合(2−1−1)と、空気調和装置からの廃熱を回収する場合(2−1−2)とについて、詳細に説明する。
(2−1−1)熱交換手段が室内からの廃熱を回収する場合
特に、室内の温度が高く、かつ、湿度が高い環境下で除湿を行なう場合、上記熱交換手段が、室内からの廃熱を回収することにより、本発明の空気調湿装置は、エネルギー効率の高い除湿を実現することができる。このような高温度、かつ、高湿度の環境下としては、例えば、厨房が挙げられる。厨房は、極めて高温度、高湿度の環境であるために、天井、フードなどにおいて、結露が生じ、衛生上問題となっていた。このような結露を防止するために、厨房室内の湿度を低下させる必要がある。
この空気吸湿装置では、上記熱交換手段にて回収された熱を利用して、上記吸湿槽にて水和状態になった空気調湿用媒体を、脱水状態に再生している。すなわち、水和反応で水分子の数が増加した水和状態の水和塩は、脱水再生槽にて、室内からの廃熱により、脱水反応が進行し、脱水状態に再生される。そして、この脱水状態に再生された水和塩が、再び室内の除湿に用いられる。
このように廃熱を有効利用して、水和塩を再生することにより、水和塩の再生に余分な熱量を加える必要のなく、電力消費の少ない空気吸湿装置を実現できる。
なお、室内からの廃熱を回収する場合における熱交換手段としては、例えば、厨房の除湿を行なう場合、厨房の給湯配管の廃熱を回収する熱交換器などが挙げられる。
(2−1−1)熱交換手段が空気調和装置からの廃熱を回収する場合
また、本発明の空気吸湿装置を、空気調和装置に組み込むことも可能である。この場合、上記脱水再生槽に、上記空気調和装置からの廃熱を回収する熱交換手段が設けられている。
従来の空気調和装置では、水和状態の水分除去用デシカントの水分子を除去し、再生するために、ガス、または、電気を補給熱源とする加熱器が用いられている。ここで必要とされる熱量が、空気調和装置全体の空調効率に大きく影響する。しかしながら、本発明では、上記熱交換手段にて回収された廃熱を利用して、上記吸湿槽にて水和状態になった空気調湿用媒体を、脱水状態に再生している。したがって、廃熱を有効利用して連続的に除湿を行なうことができ、空調効率の高い空気調和装置を実現することができる。
なお、上記「空気調和装置」とは、室内の空気の温度及び/または湿度を最適に調和する装置のことをいう。この空気調和装置としては、例えば、冷房、暖房等のエアーコンディショナー(エアコン)が挙げられ、蒸気圧縮冷凍サイクル、吸収式冷凍サイクル、熱電冷凍サイクル、ハイドレート式冷凍システム、または熱音響式冷凍サイクルを利用した冷凍機も挙げられる。
また、上記熱交換手段は、空気調和装置からの廃熱を回収することがきるものであれば、特に限定されないが、例えばシェルアンドチューブ型熱交換器が挙げられる。
上記熱交換手段による加熱温度は、空気調湿用媒体の水和塩が脱水反応を起こす温度により適宜設定することができる。例えば、水和塩として炭酸ナトリウムを用いた場合、熱交換手段による加熱温度は、30〜60℃であり、35℃が好適である。
本発明の空気調湿用媒体は、金属構造物をほとんど腐食しないので、上記の空気調和装置における熱交換手段や上記室内熱交換手段、その他の構成の材料に安価なものを使用することが可能になり、低コストにて、空気の除湿を行なう空気吸湿装置を提供することができる。また、空気調湿溶媒体の水和塩として、炭酸ナトリウムやリン酸水素二ナトリウムを使用した場合、これらの水和塩は、食品添加物としても使用されるので、環境安全性に優れている。
(2−2)空気放湿装置
上記空気調湿用媒体を、空気放湿装置に用いる場合、さらに、廃冷熱により上記水和再生手段を冷却する冷却手段が設けられていることが好ましい。
すなわち、この場合、本発明の空気調湿装置は、上述の空気調湿用媒体が水和状態で封入された放湿槽と、上記放湿槽にて脱水状態になった空気調湿用媒体を、水和状態に再生する水和再生槽とを備えていればよい。
この場合、上記「調湿手段」とは、空気調湿用媒体が水和状態で封入された放湿槽のことをいう。
この空気放湿装置では、放湿槽にて、空気調湿用媒体における水和状態の水和塩が、脱水反応を起こし、空気中へ水分子を放出することにより、放湿が実現される。そして、この脱水反応による放湿により水分子の数が減少した脱水状態の水和塩は、脱水再生槽にて、水和反応を起こし、水分子が増加し水和状態になる。この水和状態の水和塩を、再び放湿槽に封入させることにより、水和塩を再利用することが可能になる。
また、この空気放湿装置を、空気調和装置に組み込むことも可能である。この場合、さらに、廃冷熱により、上記水和再生槽を冷却する冷却手段が設けられていることが好ましい。冷却手段は、上記空気調和装置からの廃冷熱により上記水和再生槽を冷却することで、上記放湿槽にて脱水状態になった空気調湿用媒体を、水和状態に再生している。これにより、空気調和装置からの廃冷熱を有効利用して、連続的に放湿を行なうことができ、空調効率の高い空気調和装置を実現することができる。
この場合、「調湿制御手段」は、水和再生手段と冷却手段とにより構成されている。
このような空気放湿装置は、例えば、冬季において、エアコンの暖房設定により室内が乾燥しているときに、湿度を上げて最適な室内環境にする場合に用いられる。
上記廃冷熱交換手段は、空気調和装置の廃冷熱を利用するものであれば、特に限定しないが、例えば、空気調和装置がエアコンである場合、エアコンの冷媒の蒸発器、エアコンの室外機側に設けられている室外ファン、または、その室外ファンの廃棄ユニットが挙げられる。
上記冷却手段による冷却温度は、空気調湿用媒体の水和塩が水和反応を起こす温度により適宜設定することができる。例えば、水和塩として炭酸ナトリウムを用いた場合、冷却手段による冷却温度は、0〜15℃であり、3℃が好適である。
また、上記冷却手段による水和再生槽の水和状態への再生方法は、冷却された空気調湿用媒体を空気と接触させることができれば、特に限定しないが、具体的には、冷却手段により冷却された空気調湿用媒体を、水和再生槽に供給し、ブロワで水和再生槽に供給された室外空気と接触させることにより、水和状態へ再生させる方法が挙げられる。
さらに、上記水和再生槽は、空気と空気調湿用媒体との接触を促進するために、充填物が規則状、または、不規則状に詰み込まれた充填塔であってもよい。上記充填物としては、従来公知のものであれば、特に限定しないが、例えば、磁性を有するラヒシリングやベルルサドルが挙げられる。
また、調湿制御手段に、上述の脱水再生槽及び水和再生槽の両方が設けられており、さらに、空気の湿度に応じて、脱水再生槽と水和再生槽とを切替える切替え手段が設けられていてもよい。
これにより、本発明の空気調湿装置は、放湿と吸湿との両方を行なうことが可能になる。そして、上記切替え手段が、空気の湿度に応じて、脱水再生槽と水和再生槽とを切替えているので、湿度を最適に保つことが可能になる。
また、空気調湿用媒体の水和塩として、同一の水分子数で、水和反応と脱水反応との両方を行なうことが可能な水和塩を用いることによっても、放湿と吸湿との両方を行なうことが可能になる。このような水和塩としては、例えば、リン酸水素二ナトリウム7水和物(NaHPO・7HO)が挙げられる。リン酸水素二ナトリウム7水和物は、脱水反応によりリン酸水素二ナトリウム2水和物になり、また、水和反応によりリン酸水素二ナトリウム12水和物になる。
このため、リン酸水素二ナトリウム7水和物は、吸湿によりリン酸水素二ナトリウム12水和物になり、放湿によりリン酸水素二ナトリウム2水和物になる。すなわち、リン酸水素二ナトリウム7水和物は、吸湿と放湿との両方に用いることが可能である。そして、吸湿により水和状態になったリン酸水素二ナトリウム12水和物、または、放湿により脱水状態になったリン酸水素二ナトリウム2水和物は、加熱または冷却により、リン酸水素二ナトリウム7水和物にすることができる。
また、本発明の空気調湿装置は、空気調湿用媒体が封入されたスラリー槽に、当該スラリー槽の温度を調節する温度調節手段が設けられた構成であってもよい。この構成によれば、上記スラリー槽1つでも除湿と放湿との両方を実現することができ、構成部材を削減することができる。
さらに、本発明は、上述の空気調湿装置を備えた空気調和装置も含む。このような空気調和装置は、廃熱、または、廃冷熱を有効に利用して、吸湿、または、放湿を行うことができるので、空調効率の高い空気調和装置を実現できる。
以下添付した図面に沿って実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔実施例1〕
本実施例では、厨房における除湿に、本発明の空気吸湿装置を用いた例について、図1を参照にして説明する。
図1に示すように、本実施例の空気吸湿装置12は、ブロワ1、吸湿部(調湿手段)2、ポンプ3、再生部(脱水再生手段)4、及び、熱交換部(熱交換手段)5を備えている。吸湿部2内には、脱水状態の空気調湿用媒体が充填されている。また、再生部4には、厨房の給湯配管の廃熱を回収する熱交換部5が設けられている。
ブロワ1は、室内空気を、吸湿部2の底部に供給している。これにより、ブロワ1により供給された室内空気は、吸湿部2と通過することにより、水和塩と水和反応を起こし、湿度が低下する。そして、この空気は、再び、室内へ放出される。これにより、室内の除湿が行なわれる。
そして、室内が除湿するにつれて、吸湿部2の空気調湿用媒体は、水分子の数が増加し水和状態になる。ポンプ3は、このように水和状態になった空気調湿用媒体を、再生部4へ供給する。水和状態になった空気調湿用媒体は、再生部4に設けられた熱交換部5による加熱により、水和塩の水分子が増加し、再び脱水状態になる。このように脱水状態になった空気調湿用媒体は、再度吸湿部2に供給されて、室内の除湿に用いられる。
本実施例では、吸湿部2は、内径40cm、深さ160cmの容器の気泡塔である。また、本実施例の空気調湿用媒体は、日清のコーンサラダ油100Lに、5重量%のポリエチレングリコール(重合度200)を添加して親水性を向上させた有機溶媒に炭酸ナトリウム1水和物を20重量%で懸濁させて調製した。
ブロワ1は、室内空気を、流量3L/minで供給している。このように供給された室内空気は、吸湿部2を通過することにより湿度が低下し、天井、フードなどの結露を防止することができた。また、室内空気の水分が飽和状態(湿度100%)の条件においても、吸湿部2に通過させることにより、湿度80%にまで低下させることができた。また、空気調湿用媒体の水和塩の種類を、リン酸水素二ナトリウム2水和物に変更しても、同様の効果を得ることができた。
また、熱交換器5が設けられた再生部4の容積は200Lである。この再生部4に、吸湿部2にて水和状態となった空気調湿用媒体が、20L/minで循環されている。これにより、除湿により水分子の数が増加した、吸湿部2内の炭酸ナトリウムの10水和物が、連続的に、再生部4にて1水和物に再生されていた。
〔実施例2〕
本実施例では、暖房加湿運転を行なっている場合に、本発明の空気放湿装置を用いた例について、図2を参照にして説明する。
図2に示すように、本実施例の空気放湿装置13は、空調機室内部(空気調和装置)6、加湿部(調湿手段)7、空調機室外部(冷却手段)8、水和再生部(水和再生手段)9、ブロワ10、及び、ポンプ11を備えている。加湿部7内には、水和状態の空気調湿用媒体が封入されている。
冬季において室内の湿度が低下して乾燥している場合、空調室内機6の出口空気を加湿部7に通過させることにより、空気調湿用媒体の水和塩と脱水反応を起こし、湿度が増加する。そして、この空気は、再び、室内へ放出される。これにより、室内の放湿が行なわれる。
そして、室内が放湿するにつれて、加湿部7内の空気調湿用媒体は、水分子の数が減少し脱水状態になる。ポンプ11は、このように脱水状態になった空気調湿用媒体を、空調室外機8を介して、水和再生部9へ供給する。このため、脱水状態になった空気調湿用媒体は、空調室外機8の出口空気により冷却される。そして、水和再生部9に供給される。
また、水和再生部9には、ブロワ10により、室外空気が供給されている。この室外空気と上記の冷却された空気調湿用媒体とが接触することにより、水和塩の水分子の数が増加して、水和状態になる。このように水和状態になった空気調湿用媒体は、再度加湿部7に供給されて、室内の放湿に用いられる。
本実施例では、加湿部7は、内容積50cmの容器である。また、本実施例の空気調湿用媒体は、日清のコーンサラダ油100Lに、5重量%のポリエチレングリコール(重合度200)を添加して親水性を向上させた有機溶媒に炭酸ナトリウム10水和物を20重量%で懸濁させて調製した。そして、加湿部7には、空気調湿用媒体が30g封入されている。
室内が相対湿度で20%まで乾燥している環境下で、空気放湿装置13を用いた結果、空調室内機6の出口空気の湿度を、快適環境の指標とされている40%以上にまで上昇させることができた。
また、本実施例では、水和再生部9は、径20cm高さ40cmの容器内に3mmのラシヒリングが充填された充填塔である。そして、脱水状態になった空気調湿用媒体を、ブロワ10により水和再生部9底部から送られた3L/minの室外空気と接触させることにより、放湿により水分子の数が減少した、炭酸ナトリウムの1水和物が、連続的に、水和再生部9にて10水和物に再生されていた。
〔実施例3〕(除湿冷房運転における除湿剤の選定)
近年、エアコンはインバータ化やその他の省エネルギー化のための工夫により、冷房運転の高効率化が図られている。しかしながら除湿運転においては従来と変わらず水分を結露させて除去する方法を取っているため、室温の下がり過ぎや冷房運転に比べ消費電力が高くなってしまうなどの問題が生じている。これらを改善した再熱除湿においても冷房運転時より効率が低下してしまう。そこで本実施例では、湿度を調整する方法として化学反応を用いるケミカル調湿について検討した。ケミカル調湿においては、露点までの冷却を行わないことにより、効率の良い除湿が可能であり、その再生には空調の廃熱を利用することも可能である。このシステムを実現するには、適切な除湿剤の選定と、熱伝達の改善が求められる。
図3に、除湿剤選定のためのケミカル調湿システムの概要を示す。図3中の各パラメータについて熱収支ならびに物質収支を取り、各種除湿剤の蒸気圧パラメータを用いてプロセス計算を行うことによって各種除湿剤を用いた場合に期待できるCOPの値を算出することができる。このときに、除湿剤の再生に必要な温度が室外機で放出される熱よりも高くなければ水和塩の排熱による再生ができないので、このような除湿剤は用いることができない。
次に図3に示すシステムの効率を算出する計算手順について述べる。このモデルでは、除湿剤による除湿のためには目的とする室内空気出口温度より低い温度にする必要がある場合を想定している。このため、再熱が必要となる。
室内空気は、まず低温の冷媒で吸湿剤による除湿に必要な温度まで冷却され、その後除湿剤によって除湿され、温度が下がりすぎることを考慮して再熱加熱して室内へ送る。冷媒は、膨張弁で膨張してから一定温度で圧縮機まで流れ、圧縮機での圧縮によって昇温され、そのままの温度で膨張弁まで到達する。これは気液平衡が成立していて温度が変化しないという仮定に基づくものである。出口側の空気は、高温の冷媒で除湿剤を再生するのに必要な温度まで昇温され、その後除湿剤を再生して排気する。除湿剤は室内側と室外側で除湿、再生を繰り返すが、このときの顕熱損失は考慮していない。冷媒と空気との間の熱交換は伝熱容量係数の値に従って行われる。
(a)室内機側
まず、室内機側では室内空気が室内機に取り込まれ冷媒によって熱Qiを奪われる。この時冷却による潜熱除去も考慮すると、
Figure 0004209339
となる。また、熱交換器の低温の冷媒にQiを奪われるのでTiとTi1の平均値とTrcとの差、伝熱容量係数hiAiからQiは、
Figure 0004209339
となる。除湿剤による潜熱除去量Qaは、冷却後の絶対湿度Hi1と除湿後の絶対湿度Hi2の差から、
Figure 0004209339
となる。また、QaはTi2とTi1の温度差分の空気の加熱量と水蒸気の加熱量の和であるから、
Figure 0004209339
となる。再熱量Qrは室内供給空気温度Tc(目的の温度)と除湿後の空気温度Ti2の温度差分の空気の加熱量と水蒸気の加熱量の和であるから、
Figure 0004209339
また、熱交換器より高温の冷媒からQrを得るので、ToとTo1の平均値とTrhとの差、伝熱容量係数hrArから、Qr
Figure 0004209339
となる。
(b)室外機側
次に室外機側では、潜熱除去量Qaと再生の際外気から奪われる熱量Qdは等しいので、
Figure 0004209339
また、Qdは熱交換器と熱交換した後の高温排気の絶対湿度Ho1と、除湿剤の再生を終えた後の排気の絶対湿度Hhの差に相当する潜熱量に等しいので、Qd
Figure 0004209339
となる。また、室内機側と同様にQdは高温排気温度To1と排気温度Thの温度差分の空気の加熱量と水蒸気の加熱量の和であるから、
Figure 0004209339
となる。室外熱交換器から室外空気への熱の移動量Qoは、室外空気温度Toと熱交換後の温度To1の温度差分の空気の加熱量と水蒸気の過熱量の和であるから、
Figure 0004209339
となる。また、熱交換器の高温冷媒からQoを得るので、ToとTo1の平均値とTrhの差、伝熱容量係数hoAoから、
Figure 0004209339
である。また、ここで絶対湿度の値は、温度の関数として水の飽和絶対湿度および除湿剤の絶対湿度をそれぞれfw(T)、fs(T)と置くことによって、次式で表される。膨張後の冷媒による冷却後の空気絶対湿度Hi1は、
Figure 0004209339
とし、冷却後の温度Ti1での飽和絶対湿度が冷却前の室内空気の絶対湿度Hiより大きい場合は後者の値を冷却後の絶対湿度Hi1とし、そうでない場合は前者をHi1とする。除湿後の温度Ti2での絶対湿度Hi2は、
Figure 0004209339
であり、Ti2での除湿剤の飽和絶対湿度である。室内供給空気の絶対湿度Hcは、除湿後の絶対湿度と等しく、
Figure 0004209339
である。室外空気の絶対湿度と熱交換器と熱交換後の室外空気の絶対湿度は等しく、
Figure 0004209339
である。除湿剤を再生した後の排気の湿度Hhは再生後の排気温度Thでの除湿剤の飽和絶対湿度であるから、
Figure 0004209339
である。
これらの連立方程式を解くことで(1)式〜(11)式をみたす11の未知数を決定することができる。各パラメータを決定した後効率を計算する。COPは冷却温度をTi1、放熱温度をThとして逆カルノー効率
Figure 0004209339
で求められ、実際の効率ηactは逆カルノー効率に機器効率ηrを掛けて
Figure 0004209339
とする。また、除湿剤の飽和絶対湿度fs(T)と水の飽和絶対湿度fw(T)は各除湿剤および水の温度-飽和蒸気圧の関係式によって与えられる。検討した除湿剤の飽和蒸気圧−温度の関係式はすでに得られておりそれらの式を用いることでfs(T)を決定した。
室外空気温度306.4K、室内空気温度299K、同湿度10.5g/kgDAでこの空気を291K、9.1g/kgDAに冷却、乾燥する場合のCOPの計算結果を表1に示す。再生温度Tとは除湿後の除湿剤の飽和蒸気圧に対応する温度である。水の場合が既存の再熱除湿の効率である。いくつかの水和塩でCOPが11.5で共通となっているが、これは空気の冷却温度291.4Kまで冷却すれば水和塩の水蒸気圧が十分に小さく乾燥のための過度の冷却が不要となるため、低温熱源温度として291.4K一定となるためである。再生して再利用するためには再生温度が排気温度よりも低いものでなくてはならない。また、効率の高いものとして臭化リチウム水溶液や硫酸亜鉛水和塩などが挙げられるが、水溶液を用いた場合実際に空調機に組み込むとミストとなって室内へ放出してしまう恐れがある。硫酸亜鉛は劇薬であるため除外した。経済性などを考慮して、炭酸ナトリウム1水和物を除湿剤として選定し、炭酸ナトリウムの1水和物と10水和物との間の水和反応を利用することとした。
Figure 0004209339
〔実施例4〕
炭酸ナトリウム1水和物と10水和物の水和・脱水反応は、ケミカルヒートポンプでの検討例があるが、伝熱特性の向上が問題となっている。ここでは水和塩をサラダ油(食用調合油株式会社ホーネンコーポレーションN)及び微量の水分溶解性を持つ溶液に顕濁させスラリー状に加工することで伝熱特性の向上を試みた。水分溶解性を持つ溶液としてブレーキオイル(No.2500 HBB 日産自動車株式会社)を使用した。スラリーの組成を表2に示す。
Figure 0004209339
さらに、このスラリーの吸湿特性を調べるために実験装置を製作した。装置の概要を図4に示す。
また、装置を設計するに当たって実際のエアコン内部の構造を次のように仮定した。熱交換器の空気が接触する流路幅、実際の風量、空気流路の形状及び断面積を仮定してレイノルズ数を計算した。この値に基づいて相似性を保ったまま装置の設計を行った。仮定した値は、熱交換器の流路幅d=1mm、風量Q=6.6 m3/min、空気流路形状を矩形、断面積S=50mm×600mmである。熱交換器表面を空気が通る様子を平行平板間流れとみなす。実際の実験装置では矩形ダクトを製作し平行平板に近似するため次の式を用いてレイノルズ数を計算した。
Figure 0004209339
Uは平均流速 [m/s]、dは流路幅 [m]、νは動粘度 [m2/s](ν=0.154 μm2/s)である。
これらの値からレイノルズ数を計算すると、Re=476となった。これに基づいて実験系での実験条件を見積もり、設計に反映した。
図4に示すように、この実験装置は、ブロワ14、流量計15、調湿器16、整流部20、及び、脱湿部17から成っており、脱湿部(調湿手段)17の底部に除湿剤が充填される。また、上記の流量計15、調湿器16、整流部20、及び、脱湿部17は、全てアクリル製である。なお、図4中の符号T及びHは、それぞれ熱電対、及び、湿度センサーを表わしている。
整流部20は矩形断面の断面積300mm×20mmで長手方向長さが1000mmのダクトである。また、脱湿部17の下部には、スラリー充填槽が取り付けられている。充填槽の容積は300mm×530mm×40mmで、流路下面と吸湿面が一致するようにスラリーを充填した。調湿器16は、タンクに水もしくは水溶液が所定の深さになるように充填された構成である。ブロア14から送られた空気を気泡発生器によって細かい気泡にして溶液を通すことで所定の温度で水蒸気によってほぼ飽和した空気を得る。整流部20は外側から巻いたリボンヒーター18、断熱材19によって保温される。リボンヒーター18は温度調節器により制御されている。
このように所定の湿度、温度に調節された空気は脱湿部17へ送られ除湿剤の上表面を通過して除湿され排気される。脱湿部17の入口と出口で湿度及び温度を電気容量型湿度センサー、K熱電対によって測定し、同時に除湿剤の温度も同様に測定した。水和塩を含んだ場合の効果を確認するために水和塩のある場合とない場合での比較を行った。
以下、その比較結果について説明する。
図5に吸湿前と吸湿後の空気の温度変化を示す。それぞれの流量で温度はほぼ一定である。図6に湿度変化を示す。縦軸に吸湿剤後の空気相対湿度、横軸に吸湿剤前の空気相対湿度を取り、流量ごとに測定結果をプロットした。鎖線は湿度センサーの誤差範囲を表す。センサー誤差は10−90%で±2%rh、90%rhより高い湿度で±3%rhである。プロットが実線より下に位置すると空気は除湿されていることを表す。流量を60,45,20,10L/min、湿度を約90%rh及び65−80%rhと変化させて実験を行い、どの程度湿度が変化するのかを調べた。流量60L/minと45L/minでは水和塩の有無に関わらず湿度の変化が湿度センサーの誤差範囲内に収まり、スラリーは吸湿していないと考えられる。よって流量が大きい場合には吸湿を確認することは出来なかった。水和塩を含むスラリーで85%rh以上の高い湿度、10L/min、20L/minの流量で湿度は誤差範囲を超えて減少している。流量が小さく高湿度の時吸湿を確認することが出来た。スラリー状に加工した場合においても水和塩の吸湿効果を確認することが出来た。
本発明の空気調湿用媒体は、調湿が必要な空調産業において、利用可能である。これにより、高効率で、かつ、安全な調湿設備を実現することができる。したがって、湿度調和装置あるいは空気調和装置の製造産業およびその関連産業等の広範な産業に利用可能である。
本発明に係る実施の一形態の空気調湿装置の構成の概略を示す図である。 本発明に係る実施の一形態の空気調湿装置の構成の概略を示す図である。 実施例3の除湿冷房システムにおける熱収支を計算するための説明図である。 実施例4の空気吸湿装置の概略構成を示す断面図である。 実施例4の空気吸湿装置における、吸湿前と吸湿後の空気の温度変化を示すグラフである。 実施例4の空気吸湿装置における、吸湿前と吸湿後の空気の湿度変化を示すグラフである。
符号の説明
1 ブロワ
2 吸湿部(調湿手段)
3 ポンプ
4 再生部(脱水再生手段)
5 熱交換部(熱交換手段)
6 空調機室内部(空気調湿装置)
7 加湿部(調湿手段)
8 空調機室外部(冷却手段)
9 水和再生部(水和再生手段)
10 ブロワ
11 ポンプ
12 空気吸湿装置(空気調湿装置)
13 空気放湿装置(空気調湿装置)
14 ブロワ
15 流量計
16 調湿器
17 脱湿部(調湿手段)
18 リボンヒーター
19 断熱材
20 整流部

Claims (14)

  1. 水分子を複数の形態で有する水和物または無水物と、有機溶媒とを含んでなることを特徴とする空気調湿用媒体。
  2. 水分子を複数の形態で有する水和物または無水物が有機溶媒に懸濁されていることを特徴とする空気調湿用媒体。
  3. 上記水分子を複数の形態で有する水和物または無水物が風解性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の空気調湿用媒体。
  4. 上記水分子を複数の形態で有する水和物または無水物が、硫酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオンからなる群より選択される少なくとも1つの陰イオンと、
    銅イオン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、亜鉛イオンからなる群より選択される少なくとも1つの陽イオンとが形成する塩であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の空気調湿用媒体。
  5. 上記水分子を複数の形態で有する水和物または無水物が、炭酸ナトリウムまたはリン酸二水素ナトリウムであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の空気調湿用媒体。
  6. 上記有機溶媒の蒸気圧が、0.01MPa以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の空気調湿用媒体。
  7. 上記有機溶媒が、油脂及び/又は油剤であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の空気調湿用媒体。
  8. さらに、親水性化合物が含まれていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の空気調湿用媒体。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の空気調湿用媒体が封入された調湿手段と、
    上記空気調湿用媒体の脱水状態及び/又は水和状態を制御する調湿制御手段と、を備えることを特徴とする空気調湿装置。
  10. 上記調湿制御手段には、上記空気調湿用媒体を水和状態から脱水状態へ再生する脱水再生手段が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の空気調湿装置。
  11. 上記脱水再生手段には、廃熱を回収し当該廃熱を利用して、上記空気調湿媒体を脱水状態に再生する熱交換手段が設けられていることを特徴とする請求項9または10に記載の空気調湿装置。
  12. 上記調湿制御手段には、上記空気調湿用媒体を脱水状態から水和状態へ再生する水和再生手段が設けられていることを特徴とする請求項9〜11の何れか1項に記載の空気調湿装置。
  13. さらに、廃冷熱により上記水和再生手段を冷却する冷却手段が設けられていることを特徴とする請求項9〜12の何れか1項に記載の空気調湿装置。
  14. 請求項9〜13の何れか1項に記載の空気調湿装置を備えることを特徴とする空気調和装置。
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