JP4208997B2 - 金属ガスケット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属ガスケット、特に、内燃機関を構成するシリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面に介装して、燃焼ガス、冷却水、および潤滑油等の流体の漏洩を防止する金属ガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車用エンジンその他の内燃機関を構成するシリンダブロックとこの上に取り付けたシリンダヘッドとの接合面には、この接合面から燃焼ガス,冷却水,潤滑油等の流体の漏洩を防止するためにガスケットを介装し、ボルト等の締結具で双方を締め付けることによりシール機能を付与している。このようなガスケットとしては、耐熱性、耐圧縮性、耐久性に富み、良好な復元性(バネ特性)および熱伝導性を有する金属製のガスケットが広く使用されている。
【0003】
ところで、近年のエンジンは、より一層の高性能化を実現するため、小型軽量化、高出力化、省燃費化等の開発が進んでいる。これらを達成するために、エンジンを構成する各部材にアルミニウム合金を用いるとともに、シリンダブロックにおいて隣接するシリンダの間隔を可能な限り狭く形成する傾向がある。
【0004】
一方、上述のようにアルミニウム合金を用いてエンジン部材を構成した場合、例えば鋳鉄を用いてエンジン部材を構成した場合に比べ、その全体剛性は著しく低下する。また、エンジンの小型軽量化により生じる新たな不都合として、当該エンジンの稼働により発生する熱の保有量が増大することが挙げられ、その対策として冷却水路を拡大することが行われている。その結果、エンジンの全体剛性はさらに低下している。
【0005】
さらに、冷却効率を向上させるため前記冷却水路を、シリンダの近くに形成しているが、これによってシリンダブロックとシリンダヘッドとを締め付けるボルト等の締め付け部位は、シリンダから離れた位置に形成されることになる。そして、前記ボルトに近い位置ではその締め付け力が大きく、逆にボルトから遠い位置ではその締め付け力が小さくなることが余儀なくされている。
【0006】
このように、エンジンの全体剛性が低下し、ボルト等の締結具による締め付け力の偏差が大きくなると、前記接合面間に介装された金属ガスケットは、前記シリンダに対応して開設したシリンダ用孔の端部において、シリンダブロックまたはシリンダヘッドとの間に極微小の隙間が発生することになる。このような現象が生じると、前記シリンダ用孔の周囲において面圧が不均衡になるから、当該シリンダ用孔の真円度が損なわれる。また、エンジン稼働時にシリンダブロックからシリンダヘッドへの熱伝導が部分的に異なるようになって、シリンダの変形が助長される。
【0007】
また、前記隙間が発生すると、金属ガスケットの接合面側が直接燃焼ガスに曝されることとなって、金属ガスケットの寿命が低下し、シール性を長時間にわたって確保できなくなるといった不都合が起こり得る。
【0008】
そこで、従来より、金属ガスケットの基板のシリンダ用孔の周縁部にシリンダ用孔の周方向に沿ってビードを形成し、ボルトの締めつけ力によってビードを弾性変形させ、この弾性変形したビードの弾性復元力によるシール機能を付与することにより、前記隙間が生じないようにする対策が採られている。また、このビードが塑性変形してシール性が低下することを防止するために、ビードのシリンダ用孔側にビードの変形を制限するストッパーを設けることも行われている。
【0009】
また、前記締めつけ力の偏差から、シリンダブロックとシリンダヘッドとの結合面における面圧分布は締結ボルトの締結位置で高く、ここから離れた位置(締結ボルト間の位置)で低くなるため、この面圧分布に応じて金属ガスケットのストッパーの厚さを変化させることにより、面圧を均一にしてシリンダ周りの真円度を確保することが提案されている。例えば、特開平4−307178号公報に記載の金属ガスケットは、ストッパーを、金属環(シム板)と溶射法により形成された金属粒子の堆積物層とで構成し、この堆積物層の厚さを変化させることにより、ストッパーの厚さを前記面圧分布に応じて変化させている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように面圧を均一にするためにストッパーの厚さを変化させる方法としては、上記公報に記載の方法(溶射法による金属粒子堆積物層で厚さの変化部分を形成すること)が最も有効な方法であるが、この方法を採用した場合でも金属環に対する溶射工程を必要とするため、製造コストの削減の点で改善の余地がある。
【0011】
なお、実用新案登録第2514490号公報には、金属ガスケットの本体(基板)におけるシリンダを囲む位置にサポート板(縁板)を固定することにより、シリンダ周りのシール圧を高くすることが記載されているが、このサポート板は本体のシリンダ用孔の周縁部に重なり合う形状に形成されており、このサポート板によるシリンダ周りのシール幅は一定になっている。
【0012】
本発明は、面圧を均一にしてシリンダ周りの真円度を確保することのできる金属ガスケットであって、製造コストを従来技術より削減することのできるものを提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の金属ガスケットは、取付け用のボルト孔、シリンダに対応させて設けたシリンダ用孔、およびシリンダ周縁の水孔に対応させて設けた水通過孔を有する金属製の基板と、シリンダ周りのシール圧を高くする縁板とが積層されている金属ガスケットにおいて、前記縁板によるシリンダ周りのシール幅を、ボルト締結時に生じる面圧分布に応じて、面圧が高くなる部分(例えばボルト孔の近く)は狭く、低くなる部分(例えばボルト孔とボルト孔との間)は広く形成したことを特徴とする
【0014】
この金属ガスケットによれば、縁板によるシリンダ周りのシール圧が、ボルト締結時に生じる面圧が高くなる部分では小さくなり、前記面圧が低くなる部分では大きくなる。そのため、縁板によるシリンダ周りのシール幅が一定である場合と比較して、前記面圧が高くなる部分の面圧は軽減・緩和され、前記面圧が低くなる部分の面圧は増大する。その結果、シリンダ周りに生じる面圧を均一にすることができる。
【0015】
本発明の金属ガスケットを構成する基板は、1枚であっても2枚であってもよい。基板が1枚の場合には、基板の一方の面に縁板を重ねることにより基板と縁板を積層する。基板が2枚の場合には、2枚の基板の間に縁板を挟むことにより基板と縁板を積層する。
【0016】
縁板によるシリンダ周りのシール幅を、ボルト締結時に生じる面圧分布に応じて上記のように変化させるためには、縁板の形状を以下に示すようにする。
【0017】
板は、内側の縁が基板のシリンダ用孔の縁に位置し、外側の縁が、ボルト締結時に生じる面圧が高い部分では、シリンダ周縁の水孔の内端ラインに対応する基板のラインより内側に位置し、ボルト締結時に生じる面圧が低い部分では、前記ラインより外側であって前記水孔の外端ラインに対応する基板のラインより内側である範囲に位置するように形成する。また、前記範囲の位置で縁板と基板とを結合している。すなわち、この縁板は、シリンダ周縁の水孔位置で基板と結合されている。そのため、この金属ガスケットはエンジンの水孔内に突出部を形成する結合手段を採用することができる。
【0018】
板の内側の縁、基板のシリンダ用孔の縁に位置するように形成する。また、縁板の外側の縁は、ボルト締結時に生じる面圧が低い部分については、シリンダ周縁の水孔の内端ラインに対応する基板のラインに沿うか、このラインより外側であって前記水孔の外端ラインに対応する基板のラインより内側である範囲に位置するように形成する。ボルト締結時に生じる面圧が高い部分については、縁板の外側の縁を前記範囲内に位置し、この部分の前記水孔の内端ラインに対応する基板のラインの近傍に開口部を設けることにより、この部分の縁板によるシール幅の外端ラインが前記ライン(前記水孔の内端ラインに対応する基板のライン)より内側となるように形成する。また、この開口部より外側の前記範囲内に位置する部分で、縁板と基板とを結合している。すなわち、この縁板は、シリンダ周縁の水孔位置で基板と結合されている。そのため、この金属ガスケットは、エンジンの水孔内に突出部を形成する結合手段を採用することができる。
【0019】
板と基板との結合部分が、縁板の外縁部分を、外端ラインが前記水孔の外端ラインに対応する基板のラインより外側となるように形成し、この外縁部分が前記水孔の外端ラインより少し内側で折り返された折り返し構造となっていると、折り返し部分で縁板と基板との結合が行われるため結合の強度が高くなる。
【0020】
本発明の金属ガスケットにおいて、縁板の内側の縁は、縁板の内縁部分を、内端ラインがシリンダ用孔のラインより内側となるように形成し、この内縁部分がシリンダ用孔のラインで折り返された折り返し構造となっており、この折り返された内縁部分の厚さおよび折り返し幅のうちの少なくともいずれかを、ボルト締結時に生じる面圧分布に応じて、厚さについては、面圧が高くなる部分を薄く、面圧が低くなる部分を厚く、折り返し幅については、面圧が高くなる部分を狭く、面圧が低くなる部分を広く形成すれば、縁板の内側の縁の折り返し部分によるシール圧が、ボルト締結時に面圧が高くなるボルト近傍の部分で低くなり、ボルト間のように面圧が低くなる部分で高くなるため、シリンダ周りに生じる面圧をより一層均一にすることができる。
【0022】
本発明の金属ガスケットにおいて、基板のシリンダ用孔の周縁部にビードが形成され、このビードのシリンダ用孔側とは反対側の端部とシリンダ用孔との間に配置される縁板の部分に、シリンダ用孔と同心の円を頂点位置とする断面波状のビードを形成すれば、縁板に設けたビードにより、基板のビードが塑性変形してシール性が低下することが効果的に防止できるとともに、その断面が波状であるため縁板の加工精度の誤差を吸収できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1および図2は、本発明の金属ガスケットの第1実施形態を示す図である。図1は、この金属ガスケットの上側の基板を外した状態を示す平面図である。図2は、この金属ガスケットのエンジンに対する配置を示す図であって、図1のA−A線断面図に相当する。
【0025】
まず、金属ガスケット10は、図2に示すように、エンジンのシリンダブロック103とシリンダヘッド104の、相互に対向する各デッキ面105,106に介在して、両デッキ面105,106間をシールするものである。シリンダブロック103にはシリンダ107が形成されていて、この内部で周知の通り、燃料と空気の混合気体を爆発させることによりピストンを昇降させて動力を発生させる。
【0026】
シリンダブロック103はアルミニウム合金からなり、このシリンダブロック103には、シリンダ107の周壁を形成する鋳鉄スリーブ108がシリンダブロック103の一部として装着されて、所謂アルミエンジンを形成している。なお、この鋳鉄スリーブ108は段部108aが形成されているものであって、ここでは、この段部108aをシリンダブロック103の段部103aの上面に支持させる形態のものが図示されているが、鋳鉄スリーブ108としては、鋳ぐるみによりシリンダブロック103に装着されるものであってもよい。
【0027】
また、シリンダブロック103のシリンダ107の外周には、周知のウォータージャケット109が形成されており、ここに冷却水が通過することにより主としてシリンダブロック103を冷却するようになっている。このウォータージャケット109は、この発明において称する水孔の一例である。シリンダヘッド104にも、図2に示すように、前記ウォータージャケット109に連通する水孔111が形成されており、これによってシリンダヘッド104を冷却するようになっている。シリンダブロック103のウォータージャケット109はシリンダ107の外周全体に円筒状に形成されているが、シリンダヘッド104の水孔111はウォータージャケット109に対向する面全体ではなく、前記面の周方向に部分的に複数個形成されている。
【0028】
次に、この金属ガスケット10は、2枚の基板1とこれらの基板1の間に挟まれて積層された1枚の縁板2とで構成されており、シリンダを1個有するエンジン用であるため、基板1には1個のシリンダ用孔11が設けてある。また、基板1の四隅には、取り付け用のボルト孔12が形成されている。なお、図1の符号10aはオイル孔である。
【0029】
基板1のシリンダ用孔11とボルト孔12との間には、シリンダヘッド104の水孔111に重なる位置に水通過孔13が設けてある。すわなち、この水通過孔13は、シリンダブロック103のウォータージャケット109の内端ライン(シリンダ107と同心の円)に対応するライン109aと外端ライン(シリンダ107と同心の円)に対応するライン109bとの間に、これらのラインの周方向に沿って部分的に複数個(ここでは、ボルト孔12の近傍となる4カ所に)開設されている。
【0030】
また、この基板1には、シリンダ用孔11の周縁部の水通過孔13よりシリンダ用孔11側となる部分に断面円弧状のビード14が形成されている。このビード14の頂点ライン14aを図1に1点鎖線で示す。
【0031】
縁板2は、シリンダ107の周囲のシール圧を高くするためのものであり、基板1の前記ライン109bとシリンダ用孔11との間の範囲に配置されている。縁板2には基板1のシリンダ用孔11と同じ大きさのシリンダ用孔21が設けてあり、両シリンダ用孔11,21を合わせて基板1と積層することにより、縁板2の内側の縁が基板1のシリンダ用孔11の縁に位置するようになっている。
【0032】
縁板2の外側の縁は、基板1の前記ライン109aより外側に位置する外側部分22と内側に位置する内側部分23とを、前記ライン109aをなす円に沿って交互に4カ所ずつ有している。この外側部分22は、基板1の隣り合う水通過孔13同士の間に配置され、内側部分23は、水通過孔13よりシリンダ用孔11側となる位置に配置される。すなわち、この縁板2の外端ラインは、前記ライン109bをなす円と同心で少し径が小さい円周の等間隔で離れた4カ所に、円弧状の凹部を設けた形状となっており、この凹部が縁板2の外側の縁の内側部分23に相当する。
【0033】
また、縁板2の外縁の外側部分22で、縁板2と基板1とが結合手段3により結合されている。すなわち、この縁板2は、ボルト孔12とボルト孔12の間となる位置であって、シリンダブロック103のウォータージャケット109の位置で基板1と結合されている。
【0034】
このように、縁板2は、シリンダ周りのシール幅が、ボルト締結時に面圧が高くなるボルト孔12の近傍部分で狭く、ボルト締結時に面圧が低くなるボルト孔12とボルト孔12との間の部分で広く形成されている。したがって、この金属ガスケット10によれば、縁板2によるシリンダ周りのシール圧が、ボルト締結時に生じる面圧が高くなるボルト孔12の近傍部分では小さくなり、前記面圧が低くなるボルト孔12とボルト孔12との間の部分では大きくなる。
【0035】
そのため、縁板によるシリンダ周りのシール幅が一定である場合と比較して、ボルト孔12の近傍部分の面圧は軽減・緩和され、ボルト孔12とボルト孔12との間の部分の面圧は増大する。その結果、シリンダ周りに生じる面圧を均一にすることができる。また、所定の形状に切り出した縁板2を基板1の間に挟んで結合するだけで、シリンダ周りに生じる面圧を均一にすることができるため、製造コストを従来の面圧を均一にする技術より削減することができる。
【0036】
なお、図2に示すように、この金属ガスケット10のエンジンに対する配置において、結合手段3は、シリンダブロック103のウォータージャケット109の上側で、シリンダヘッド104の水孔111の下側となる位置に設けられている。この位置にはデッキ面105,106が存在しないため、ウォータージャケット109または水孔111内に突出部を形成する結合手段3を採用することができる。
【0037】
このような結合手段3の一例として図3に示すものを挙げることができる。この結合手段3は、積層した各板(基板1と縁板2)を二本の互いに独立した主切断線3aにおいて切断するとともに、この主切断線3a間の積層板を積層板厚より大きな段差でウォータージャケット109または水孔111方向に突出させて突出部3bを形成するものであり、前記突出部3bを、いずれかの板の表面から最も高く突出した中央部分32と、この中央部分32から前記板の表面に向けて傾斜した一対の斜面部分33とで構成し、前記各主切断線3aのうち前記斜面部分33を形成する計4つの斜面形成線34aを、周方向で隣合うもの同士が両板の面内で異なる方向を向くように形成したものである。なお、符号3cは副切断線である。
【0038】
このような結合手段3を採用して、突出部3bの大きさを、突出させるウォータージャケット109または水孔111の開口部の大きさに近づけておけば、突出部3bがウォータージャケット109または水孔111の開口部周縁に当たるため、金属ガスケット10のデッキ面における位置決めが容易になる。ただし、結合手段3はこれに限定されず、リベットや鳩目等であってもよい。
【0039】
図4〜図6は、本発明の金属ガスケットの第2実施形態を示す図である。図4は、基板に対する縁板の配置を示す平面図である。図5は、下側の基板を外した状態の図4のB−B線断面に相当する図であり、図6は、下側の基板を外した状態の図4のC−C線断面に相当する図である。
【0040】
この金属ガスケット10は、基板1の形状は第1実施形態と同じであり、縁板2の形状についても基本的な形状は同じである。すなわち、縁板2の外側の縁は、外側部分22と内側部分23を交互に4カ所ずつ有しており、この外側部分22で基板1と縁板2が結合されている。ただし、この外側部分(結合部分)22は折り返し構造となっている点、および縁板2の内側の縁も折り返し構造となっている点で第1実施形態と異なる。
【0041】
この縁板2の外側の縁をなす外側部分22は、図4に2点鎖線で示すように、縁板2の外縁部分22aを外端ラインが前記ライン109bより外側となるように形成し、この外縁部分22aが、前記ライン109bより少し内側となる、ライン109bに沿ったラインで折り返された折り返し構造となっている。
【0042】
また、この縁板2の内側の縁24a,24bは、図4に2点鎖線で示すように、縁板2の内縁部分24を内端ラインがシリンダ用孔21のラインより内側となるように形成し、この内縁部分24がシリンダ用孔21のラインで折り返された折り返し構造となっている。そして、図5および6に示すように、ボルト締結時に面圧が低くなるボルト孔12とボルト孔12との間の折り返し部24aの厚さT1は、ボルト締結時に面圧が高くなるボルト孔12の近傍部分の折り返し部24bの厚さT2より厚く、折り返し部24aの幅W1は折り返し部24bの幅W2より広く形成されている。
【0043】
ここで、折り返し部24aと折り返し部24bの厚さに差を付ける方法としては、加圧プレスにより折り返し部を形成する際の圧力を変える方法等が挙げられる。また、折り返し部24aと折り返し部24bの折り返し幅に差を付ける方法としては、加圧プレスにより増大する分を加味して内縁部分24の内端ラインを設定する方法等が挙げられる。
【0044】
したがって、この金属ガスケット10によれば、縁板2の外縁の折り返し構造となっている外側部分22で縁板2と基板1とが結合されているため、前記第1実施形態の効果に加えて結合の強度が高くなる効果がある。また、縁板2の内縁の折り返し部分によるシール圧がボルト締結時に面圧が高くなる部分で低くなり、面圧が低くなる部分で高くなるため、シリンダ周りに生じる面圧を第1実施形態より一層均一にすることができる。
【0045】
図7および8は、本発明の金属ガスケットの第3実施形態を示す図である。図7は、この金属ガスケットの上側の基板を外した状態を示す平面図である。図8は、上側の基板を設けた状態の図7のD−D線断面に相当する図である。
【0046】
この金属ガスケット10は、基板1の形状については、水通過孔13の配置がボルト孔12とボルト孔12との間にある点以外は第1実施形態と同じである。縁板2の内側の縁は、第1実施形態と同様に、基板1のシリンダ用孔11と同じシリンダ用孔21を設けることにより、基板1のシリンダ用孔11の縁に位置するように形成されている。
【0047】
縁板2の外側の縁は、前記ライン109aとライン109bとの中間に配置されるこれらのラインをなす円と同心の円周を基準とし、この基準円周よりライン109b側に膨らむ凸部25とライン109aまで凹む凹部26が、この基準円周に交互に等間隔で設けられた形状となっている。凹部26は、縁板2の外側の縁が基板1の水通過孔13に重ならないようにするために設けてあり、水通過孔13の内側ラインと同じ形状になっている。
【0048】
すなわち、縁板2の外側の縁は、基板1のボルト孔12とボルト孔12との間の一部(水通過孔13の部分)がライン109aに沿い、これ以外がライン109aとライン109bとの間に位置し、ボルト孔12の近傍部分では、ライン109aとライン109bとの範囲内に位置するように形成されている。
【0049】
また、凸部25のライン109aの近傍部分には開口部27が設けてあり、凸部25の開口部27よりライン109b側の部分が結合手段3による結合部分となっている。すなわち、この縁板2は、ボルト孔12の近傍であって、シリンダブロック103のウォータージャケット109の位置で、基板1と結合されている。そのため、第1実施形態と同様に、図3に示す結合手段3を採用することができる。
【0050】
また、この開口部27は、ライン109aからライン109b側とシリンダ用孔21側の両側に円弧状に切り抜かれた形状であり、ライン109b側では凸部25の幅が結合手段3による結合が可能な幅となるように、シリンダ用孔21側ではビード14より外側となるように切り抜かれている。これにより、ボルト孔12の近傍部分の縁板2によるシール幅の外端ラインは、ライン109aより内側となっている。
【0051】
このように、この縁板2は、シリンダ周りのシール幅が、ボルト締結時に面圧が高くなるボルト孔12の近傍部分で狭く、ボルト締結時に面圧が低くなるボルト孔12とボルト孔12との間の部分で広く形成されている。
【0052】
また、この縁板2は、図8に示すように、基板1のビード14のシリンダ用孔11側とは反対側の端部(ビード14の外周ラインL)とシリンダ用孔21との間に、断面波状のビード28が形成されている。このビード28の波の凹凸をなす全ての頂点位置28aは、シリンダ用孔11と同心の円になっている。
【0053】
したがって、この金属ガスケット10によれば、縁板2によるシリンダ周りのシール圧が、ボルト締結時に生じる面圧が高くなる部分では小さくなり、前記面圧が低くなる部分では大きくなるため、シリンダ周りに生じる面圧を均一にすることができる。また、所定の形状に切り出した縁板2を基板1の間に挟んで結合するだけで、シリンダ周りに生じる面圧を均一にすることができるため、製造コストを従来の面圧を均一にする技術より削減することができる。さらに、縁板2に設けたビード28により、基板1のビード14の塑性変形によりシール性が低下することを効果的に防止できる。また、このビード28の断面が波状であるため、縁板2の加工精度の誤差が吸収される効果もある。
【0054】
なお、前記各実施形態の金属ガスケット10は、シリンダを1個有するエンジン用であるため、基板1には1個のシリンダ用孔11が設けてあるが、本発明はこれに限定されず、シリンダを複数個有するエンジン用の金属ガスケットにも適用される。その場合には、隣り合うシリンダ用孔の間となる部分の面圧が特に小さくなるため、この部分の縁板によるシール幅を特に広くして面圧分布が均一となるようにする。
【0055】
また、前記各実施形態では、2枚の基板を有する金属ガスケットについて説明しているが、本発明はこれに限定されず、基板を1枚だけ有するものも含まれる。そして、基板を1枚だけ有する場合でも、前記各実施形態の縁板の構造をそのまま採用することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の金属ガスケットによれば、縁板によるシリンダ周りのシール幅を、ボルト締結時に生じる面圧分布に応じて変化させるという簡単な構成でシリンダ周りに生じる面圧を均一にすることができるため、製造コストを従来の面圧を均一にする技術より削減することができる。
【0057】
特に、請求項の金属ガスケットによれば、上記効果に加えて、縁板と基板との結合強度が高くなるという効果が得られる。
特に、請求項の金属ガスケットによれば、上述のシリンダ周りに生じる面圧を均一にする効果が特に高くなる。
【0058】
特に、請求項の金属ガスケットによれば、上記効果に加えて、基板のビードが塑性変形してシール性が低下することが効果的に防止できるとともに、縁板の加工精度の誤差が吸収できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属ガスケットの第1実施形態を示す図であって、上側の基板を外した状態を示す平面図である。
【図2】第1実施形態の金属ガスケットのエンジンに対する配置を示す図であって、図1のA−A線断面図に相当する。
【図3】結合手段の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の金属ガスケットの第2実施形態を示す図であって、基板に対する縁板の配置を示す平面図である。
【図5】第2実施形態の金属ガスケットを示す図であって、下側の基板を外した状態の図4のB−B線断面に相当する図である。
【図6】第2実施形態の金属ガスケットを示す図であって、下側の基板を外した状態の図4のC−C線断面に相当する図である。
【図7】本発明の金属ガスケットの第3実施形態を示す図であって、上側の基板を外した状態を示す平面図である。
【図8】第3実施形態の金属ガスケットを示す図であって、上側の基板を設けた状態の図7のD−D線断面に相当する図である。
【符号の説明】
1 基板
2 縁板
3 結合手段
3a 主切断線
3b 突出部
3c 副切断部
10 金属ガスケット
11 基板のシリンダ用孔
12 ボルト孔
13 水通過孔
14 基板のビード
14a 基板のビードの頂点ライン
21 縁板のシリンダ用孔
22 縁板の外側の縁の外側部分
22a 縁板の外縁部分
23 縁板の外側の縁の内側部分
24 縁板の内縁部分
24a 縁板の内側の縁(折り返し部)
24b 縁板の内側の縁(折り返し部)
27 開口部
28 縁板のビード
28a 縁板のビードの頂点位置
32 結合手段の中央部分
33 結合手段の斜面部分
34a 結合手段の斜面形成線
103 シリンダブロック
104 シリンダヘッド
105 シリンダブロックのデッキ面
106 シリンダヘッドのデッキ面
109 ウォータージャケット(シリンダ周縁の水孔)
109a シリンダ周縁の水孔の内端ライン
109b シリンダ周縁の水孔の外端ライン
111 シリンダヘッドの水孔
W1 折り返し部の幅
W2 折り返し部の幅
T1 折り返し部の厚さ
T2 折り返し部の厚さ

Claims (5)

  1. 取付け用のボルト孔(12)、シリンダ(107)に対応させて設けたシリンダ用孔(11)、およびシリンダ周縁の水孔(109、111)に対応させて設けた水通過孔(13)を有する金属製の基板(1)と、シリンダ周りのシール圧を高くする縁板(2)とが積層されている金属ガスケットにおいて、
    前記縁板の内側の縁は基板のシリンダ用孔の縁に位置し、外側の縁は、ボルト締結時に生じる面圧が高い部分では、シリンダ周縁の水孔の内端ライン(109a)に対応する基板のラインより内側に位置し、ボルト締結時に生じる面圧が低い部分では、前記ラインより外側であって前記水孔の外端ライン(109b)に対応する基板のラインより内側である範囲に位置するように形成することで、前記縁板によるシリンダ周りのシール幅を、ボルト締結時に生じる面圧分布に応じて、面圧が高くなる部分は狭く、低くなる部分は広く形成するとともに、前記範囲の位置で縁板と基板とを結合したことを特徴とする金属ガスケット。
  2. 取付け用のボルト孔(12)、シリンダ(107)に対応させて設けたシリンダ用孔(11)、およびシリンダ周縁の水孔(109、111)に対応させて設けた水通過孔(13)を有する金属製の基板(1)と、シリンダ周りのシール圧を高くする縁板(2)とが積層されている金属ガスケットにおいて、
    前記縁板の内側の縁は基板のシリンダ用孔の縁に位置し、外側の縁は、ボルト締結時に生じる面圧がい部分では、シリンダ周縁の水孔の内端ラインに対応する基板のラインに沿うか、このラインより外側であって前記水孔の外端ラインに対応する基板のラインより内側である範囲に位置し、ボルト締結時に生じる面圧がい部分では前記範囲内に位置し、前記部分の前記水孔の内端ラインに対応する基板のラインの近傍に開口部(27)を設けることにより、前記部分の縁板によるシール幅の外端ラインが前記ラインより内側となるように形成することで、前記縁板によるシリンダ周りのシール幅を、ボルト締結時に生じる面圧分布に応じて、面圧が高くなる部分は狭く、低くなる部分は広く形成するとともに、前記開口部より外側の前記範囲内に位置する部分で縁板と基板とを結合したことを特徴とする金属ガスケット。
  3. 縁板の基板との結合部分は、縁板の外縁部分(22a)を、外端ラインが前記水孔の外端ラインに対応する基板のラインより外側となるように形成し、この外縁部分が前記水孔の外端ラインより少し内側で折り返された折り返し構造となっていることを特徴とする請求項1または2記載の金属ガスケット。
  4. 縁板の内側の縁は、縁板の内縁部分(24)を、内端ラインがシリンダ用孔のラインより内側となるように形成し、この内縁部分がシリンダ用孔のラインで折り返された折り返し構造となっており、この折り返された内縁部分(24a、24b)の厚さおよび折り返し幅のうちの少なくともいずれかを、ボルト締結時に生じる面圧分布に応じて、厚さについては、面圧が高くなる部分を薄く、面圧が低くなる部分を厚く、折り返し幅については、面圧が高くなる部分を狭く、面圧が低くなる部分を広く形成したことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の金属ガスケット。
  5. 基板のシリンダ用孔の周縁部にビード(14)が形成され、このビードのシリンダ用孔側とは反対側の端部(L)とシリンダ用孔との間に配置される縁板の部分に、シリンダ用孔と同心の円を頂点位置(28a)とする断面波状のビード(28)を形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の金属ガスケット。
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