JP4207617B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置に関し、詳しくは、記録媒体の幅方向に亘って設けられたラインヘッドのノズルよりインクを飛翔させて記録媒体上に画像記録を行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、記録媒体の幅方向に亘る長さで長尺状に設けられるライン型の記録ヘッド(以下、本明細書ではこれを「ラインヘッド」という。)を用いたインクジェット記録装置が知られている(特許文献1)。このようなラインヘッドを用いれば、記録媒体とラインヘッドをノズルの配列方向と交叉する一方向に相対的に移動するだけで記録媒体の全域を走査して画像記録を行うことができるため、高速画像記録が可能である。
【0003】
ラインヘッドには、記録媒体の全幅に対応する範囲に亘ってノズルが配列されており、このノズルから記録媒体の記録面に向けてインク滴を吐出することで、記録媒体の記録領域に所望の画像を記録形成するが、このようなラインヘッドの場合、画像によっては、又は使用される記録媒体の大きさ(幅)によっては、ほとんど記録に使用されないノズルが発生する。
【0004】
例えば、ラインヘッドの幅(長さ)は、インクジェット記録装置において使用可能な最も大きい記録媒体の幅に合わせて設定されるが、このラインヘッドで小さい幅の記録媒体に記録すると、記録媒体からはみ出たノズルは記録に使用されることがないため、長期間インク滴の吐出がなされず、ノズル開口付近のインク中の水分が揮発することにより粘度が上昇し、目詰まりが発生する問題がある。
【0005】
また、記録モードとして、記録媒体の全面に対して記録が行われる「縁なし画像」を記録するモードと、記録媒体の周縁部を残して記録が行われる「縁あり画像」を記録するモードとを選択可能としたインクジェット記録装置では、これらのいずれにも対応可能とするため、縁なし画像を記録する場合に合わせてラインヘッドの幅(長さ)が設定されるため、縁あり画像を記録する場合には、記録領域からはみ出たノズルは記録に使用されることがないため、上記同様に目詰まりが発生する問題がある。
【0006】
このようにしてノズルの目詰まりが発生すると、その後、大きい幅の記録媒体を使用したり、縁なし画像を記録するために、ラインヘッドの全ノズルを使用する際、目詰まりが発生したノズルからのインクが不吐出となったり、吐出しても正常な状態では吐出せず、画像品質を低下させる問題がある。ラインヘッドは、記録媒体の幅方向に亘って装置に固定状に設けられることから、例えば、あるノズルからのインクの不吐出が発生すると、記録媒体の搬送方向に沿う同一位置において画像劣化が目立ってしまうため、かかるインクの目詰まりの発生は、特にラインヘッドを用いて高品質の画像を記録する上で深刻な問題である。
【0007】
一般に、目詰まりが発生したノズルは、インクを強制的に吐出させる予備吐出や、ノズルからインクを強制的に吸引するインク吸引等のメンテナンス処理を行うことによって正常状態に回復させることができるが、ラインヘッドは記録媒体に対して連続的に記録動作を行うため、かかるメンテナンス処理を、記録動作を中断することなく行うことは極めて困難である。従って、メンテナンス処理に頼ることなく、記録媒体の記録領域からはみ出たノズルの目詰まりの発生を防止することができるインクジェット記録装置が望まれている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−6389号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、ラインヘッドの記録動作を中断することなく、記録媒体の記録領域からはみ出たノズルの目詰まりの発生を防止することができ、ノズルが画像記録に使用される際に常に安定してインクを吐出することのできるインクジェット記録装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0011】
請求項1記載の発明は、記録媒体の幅方向に亘って設けられたラインヘッドの前記記録媒体の記録領域に対応するノズルからインクを飛翔させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、前記ラインヘッドは、各インクチャネルが隣接する側壁を共有しており、前記側壁は両面に電極が形成された圧電材料からなり、前記電極に電圧を印加することによって前記側壁を変形させ、前記インクチャネル内のインクをノズルから飛翔させる駆動制御手段を備え、前記駆動制御手段は、前記ラインヘッドにおける前記記録媒体の記録領域からはみ出た部分のノズルに対応する複数のインクチャネルのうち、偶数チャネルの前記側壁の前記電極に4AL(音響的共振周期の1/2)幅の矩形波を12AL間隔で印加し、奇数チャネルの前記側壁の前記電極に前記偶数チャネルに印加される矩形波と同一の矩形波を4ALずらせて印加することにより、当該インクチャネルのインクメニスカスを、インクが飛翔しない範囲で振動させることを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0012】
請求項2記載の発明は、前記記録媒体に対して縁なし画像を記録するモードと、縁あり画像を記録するモードとを選択する選択手段を有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置である。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記ラインヘッドは、幅の異なる記録媒体に対して画像記録を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置である。
【0014】
請求項4記載の発明は、前記駆動制御手段は、前記記録媒体の記録領域に対応するノズルのうち、非吐出ノズルのインクメニスカスを、インクが飛翔しない範囲で振動させることを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェット記録装置である。
【0015】
請求項5記載の発明は、前記駆動制御手段は、前記記録媒体の記録領域からはみ出た部分のノズルのインクメニスカスの振動の振幅を、記録領域に対応するノズルのうちの非吐出ノズルのインクメニスカスの振動の振幅よりも大きくすることを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0017】
図1は、インクジェット記録装置の概略構成を示す図である。インクジェット記録装置1において、記録媒体P(図1において2点鎖線で示す。)は、図示しない搬送モータによって回転駆動される搬送ローラ対31及び32に挟持され、図示A方向に搬送されるようになっている。
【0018】
搬送ローラ対31と32の間には、ノズル面が記録媒体Pの記録面PSと対向するようにラインヘッド2が設けられている。このラインヘッド2は、記録媒体Pの幅方向に亘って配設されており、その長さ(記録媒体Pの幅方向に沿う距離)は、インクジェット記録装置1において使用される記録媒体Pの最大幅に適用可能な長さに設けられている。
【0019】
ラインヘッド2の一例を図2に示す。ラインヘッド2は、例えばYMCKの各色のインクを吐出する4つのヘッド2a〜2dを一つにまとめて構成されており、そのノズル面には、ラインヘッド2の長さ方向に沿ってそれぞれ多数のノズル21a、21b、21c、21dが配列されている。これらノズル21a、21b、21c、21dは、後述する縁なし画像を記録可能とするため、使用される記録媒体Pの最大幅よりも外側にはみ出す領域にまで形成されている。図2において矢印で示す方向Aは記録媒体の搬送方向である。
【0020】
かかるラインヘッド2は、不図示のフレキシケーブル等を介して、後述するインクを吐出する駆動信号やインクメニスカスをインクが飛翔しない範囲で振動させる微振動パルスの発生を制御する不図示の駆動制御手段に電気的に接続されており、搬送ローラ対31、32の回転駆動により搬送される記録媒体Pの記録面PSに向けてインク滴を吐出することによって、所望のインクジェット画像を記録するようになっている。
【0021】
図1において、4はラインヘッド2により画像記録される記録媒体Pの裏面に当接して支持するプラテンである。本実施形態に示すインクジェット記録装置1では、幅の異なる複数サイズ(ここでは2サイズ)の記録媒体Pの使用を可能としており、このプラテン4は、このインクジェット記録装置1において使用される記録媒体Pの最大幅以上の幅を有して構成されている。
【0022】
図3(a)はプラテン4の平面図である。ボックス状に形成されたプラテン4の表面には、記録媒体Pの裏面に当接する保持板41が設けられており、保持板41には多数の吸引口42が開設されている。プラテン4の内部は、吸引ファン等からなる不図示の吸引手段と連通しており、この吸引手段の作動により吸引口42から吸引を行うことで、記録媒体Pを保持板41表面に吸引吸着させ、ラインヘッド2による画像記録時の記録面PSの平滑性を保つようにしている。
【0023】
保持板41には、記録媒体Pの両側縁にそれぞれ対応する位置にインク受け用の開口部43a〜43cが設けられている。本実施形態に示すインクジェット記録装置1では、図示右端位置P1を基準として、P1−P2幅の記録媒体とP1−P3幅の記録媒体との2種類の幅サイズを有する記録媒体を使用可能としており、開口部43a、43bがP1−P2幅の記録媒体Pの両側縁に対応し、開口部43a、43cがP1−P3幅の記録媒体Pの両側縁に対応している。
【0024】
なお、図1における51、52は、それぞれ記録媒体Pの幅サイズを検知するための検知手段であり、インクジェット記録装置1において使用可能な記録媒体Pの幅(P1−P2幅とP1−P3幅)の一方端部にそれぞれ対応する位置に配設されている。これら検知手段51、52としては、例えば光学式センサ等の公知の検知手段を用いることができる。
【0025】
このインクジェット記録装置1は、ラインヘッド2によって記録媒体Pの幅一杯の全面に対して画像を記録する縁なし画像を記録するモードと、記録媒体Pの周縁部を残して画像を記録する縁あり画像を記録するモードとのいずれかを、選択手段である不図示のモード選択スイッチの操作により選択可能とされており、各開口部43a〜43cの記録媒体Pの搬送方向に沿う長さは、ラインヘッド2の記録媒体Pの搬送方向に沿う長さと同一又は若干長く形成されている。従って、選択手段により縁なし画像を記録するモードが選択された場合、ラインヘッド2によって縁なし画像を記録するために記録媒体Pの幅よりも大きな範囲にインク滴を吐出した際に、該記録媒体Pの両側縁からはみ出した余剰インクを受け入れるようになっている。
【0026】
次に、ラインヘッド2のインク吐出のメカニズムについて説明する。なお、ラインヘッド2を構成する複数のライン状のヘッド2a〜2dは同一構造であるため、ここではそのうちの一つのヘッド(以下、符号20で示す)を例に挙げて説明する。
【0027】
図4は、ヘッド20の概略構成を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は断面図、図5はその作動を示す図である。同図において、21はノズル、22はノズル形成部材、Sは側壁、23はカバープレート、24はインク供給口、25は基板である。そして、図4に示すようにインクチャネルAが側壁Sとカバープレート23及び基板25によって形成されている。
【0028】
図4(b)には1個のノズル21を有する1個のインクチャネルAの断面図が示されているが、実際のせん断モードで動作するヘッドでは、図5(a)に示すようにカバープレート23と基板25との間には複数の側壁S、即ち、S1、S2、…Sn+1で隔てられたインクチャネルA、即ち、A1、A2、…Anが多数構成されている。インクチャネルA1、A2、…Anの一端(以下、これをノズル端という場合がある)はノズル形成部材22に形成されたノズル21につながり、他端(以下、これをマニホールド端という場合がある)はインク供給部を構成するインク供給口25から不図示のインクタンクに接続されていて、ノズル21にはインクによるインクメニスカスを形成している。
【0029】
各側壁S1、S2、…は、図3の矢印で示すように分極方向が異なる2個の圧電材料からなる側壁SaとSb、すなわち、S1a、S2a、…とS1b、S2b、…とから構成されており、側壁S1には密着形成された電極Q1、Q2が、側壁S2には密着形成された電極Q3、Q4が設けてある。同様に各側壁にそれぞれ電極が密着形成されており、各電極Q1、Q2、…は駆動制御手段としての駆動パルス発生回路に接続している。
【0030】
かかるヘッドにおいては、図5(a)に示す状態において、例えば、電極Q1及びQ4をアースに接続すると共に電極Q2及びQ3に駆動パルスを印加すると、側壁S1、S2を構成する圧電材料の分極方向に直角な方向の電界が生じ、側壁S1a、S1bともに側壁の接合面にズリ変形を生じ、また側壁S2a、S2bも同様に反対方向にズリ変形を生じて、図5(b)に示すように側壁S1a、S1b及び側壁S2a、S2bは互いに外側に向けて変形し、インクチャネルA1の容積を拡大してインクチャネルA1内に負の圧力が生じてインクが流れ込む。同時にマニホールド端とノズル端から圧力が上がり始め、音響波がインクチャネル中央に向かって伝わり、1AL経過すると、その音響波が反対端に達し、インクチャネル内が正圧となる。
【0031】
なお、AL(Acoustic Length)とは、インクチャネルの長さをL(図4(b)参照)、インク中の音速をCとした時、L/Cで表される時間(単位:μs)であり、インクチャネルの音響的共振周期の1/2である。このALは、側壁Sに矩形波を印加して出射するインク滴の速度を測定し、矩形波の電圧値を一定にして矩形波のパルス幅を変化させたときに、インク滴の飛翔速度が最大になるパルス幅として求められる。
【0032】
ノズル端とマニホールド端に達した音響波は、それぞれ反射して、位相が180°反転した負の圧力波となって、インクチャネルの中央に向かって伝搬する。更に、1AL経過すると、負の圧力波がそれぞれ他端に達して、インクチャネル内部が負圧となる。このように、側壁を移動させて発生した圧力波は、AL時間毎に圧力の反転を繰り返す。ノズル端は、音響インピーダンスの小さい空気と接しているので、ほぼ100%反射されるが、マニホールド端は、インクチャネルの断面積とマニホールドの断面積の比率により、部分的に反射されるので、次第に圧力が減衰してゆく。
【0033】
最初の駆動パルスの印加から1AL経過後に電位を0に戻すと、側壁S1、S2は膨張位置から図5(a)に示す中立位置に戻り、インクに高い圧力が掛かる。次いで、図5(c)に示すように、側壁S1a、S1b及びS2a、S2bを互いに逆方向に変形するように駆動パルスを印加して、インクチャネルA1の容積を縮小すると、インクチャネルA1内に正の圧力が生じる。これによりインクチャネルA1を満たしているインクの一部によるノズル21内のインクメニスカスがノズル21から押し出される方向に変化する。この正の圧力がインク滴をノズル21から射出する程に大きくなると、インク滴はノズル21から吐出する。この状態を2AL保持した後、電位を0に戻し、側壁S1、S2を収縮位置から中立位置に戻すと、残留する圧力波がキャンセルされるので、次のインク滴の吐出が可能になる。0から7滴までの小液滴を連続的に吐出して、飛翔中あるいは記録媒体上で合体させ、8階調を形成する場合には、画像データに応じて0〜7回これを繰り返す。また、各インクチャネルも同様に駆動パルスの印加によって上記と同様に動作する。
【0034】
前記のようにインクチャネルA1の側壁S1及びS2が変形の動作をすると、隣のインクチャネルA2が影響を受けるため、通常、インクチャネルを3チャネル毎に3群に分けて吐出するいわゆる3サイクル吐出が行われる。例えば、A1、A4、A7…を同一周期のパルスで駆動し、次の周期でA2、A5、A8…を駆動する方法が行われる。
【0035】
かかるヘッド20は、一つの側壁Sはその両隣のインクチャネルAで共有しているため、例えば図5に示すインクチャネルA1から吐出を行う場合、インクチャネルA1の電極Q2、Q3に、図6に示すように1AL幅の正電圧の駆動パルスを印加し、続いて、このインクチャネルA1の電極Q2、Q3に2AL幅の負電圧を印加するが、インクチャネルA1の電極Q2、Q3に負電圧を印加する代わりに、図7に示すように、隣接するインクチャネルA0及びA2の各電極Q1、Q4に、2AL幅の正電圧の駆動パルスを印加する態様とすることで、側壁Sに掛かる差電圧を利用して、図6の駆動パルスを印加した場合と同一の駆動を行うようにすることもできる。特にこの態様では、図6に示す駆動パルスを印加する場合のように正負の2電源を使用する煩雑さがないために好ましい。
【0036】
なお、図6、図7において、インクチャネルを膨張させる引きの電圧(1AL)とインクチャネルを収縮させる押しの電圧(2AL)との比は、2:1とされている。
【0037】
次に、かかるインクジェット記録装置1において、ラインヘッド2に対してインクメニスカスをインクが飛翔しない範囲で振動させる構成について説明する。
【0038】
本発明では、ラインヘッド2おける記録媒体P上の記録領域からはみ出た部分のノズルのインクメニスカスを、インクが飛翔しない範囲で振動させる(以下、これを微振動という場合がある。)ことを特徴としている。この記録領域からはみ出た部分のノズルはインクの吐出が行われないため、画像記録中に、この記録領域からはみ出た部分のノズルのインクメニスカスを微振動させることで、ノズル開口付近でのインクの増粘を抑制し、この部分のノズルの使用が再開された際にも、直ちに安定したインク吐出が可能となる。従って、メンテナンス処理のために画像記録を中断する必要なく、常に高品質の画像記録を行うことができる。
【0039】
ラインヘッド2における記録媒体P上の記録領域からはみ出た部分のノズルとしては、本実施形態に示すインクジェット記録装置1のように、縁なし画像を記録するモードと縁あり画像を記録するモードとを有する場合、縁ありモードが選択された際の記録媒体P上において画像が記録されない「縁」の領域に対応するノズルや、幅の異なる記録媒体Pに対して画像記録を行う場合に、記録媒体Pの幅が、例えば図3(b)に示すように、P1−P3幅からP1−P2幅へとサイズ変更された際のP2−P3幅の領域に対応するノズルが該当する。
【0040】
これら記録媒体P上の記録領域からはみ出た部分のノズルは、画像記録に寄与しないノズルであるため、ヘッドの側壁の電極に、ノズルからインク滴を飛翔させずに当該ノズルに対応するインクチャネル内のインクメニスカスを微振動させるための微振動パルスを印加する。
【0041】
このときの微振動パルスの一例を図8に示す。この微振動パルスは、偶数チャネル(例えばA2、A4、A6・・・)の側壁(S2、S3、S4、S5、S6、S7・・・)の電極に4AL幅の矩形波を12AL間隔で繰り返し印加し、一方、奇数チャネル(例えばA1、A3、A5・・・)の側壁(S1、S2、S3、S4、S5、S6・・・)の電極には、上記偶数チャネルに印加される微振動パルスと同一の4AL幅、12AL間隔の矩形波を、該偶数チャネルに対して4ALずらせて繰り返し印加する。微振動パルスを印加する時間は100ms以上あれば良い。ここで、インクチャネルを膨張させる引きの電圧(4AL)と、4ALの休止区間を介してインクチャネルを収縮させる押しの電圧(4AL)との比は、2:1とされている。
【0042】
なお、ここで矩形波とは、電圧の0−90%までの立ち上がり時間、立ち下がり時間のいずれもがALの1/4以内であるような波形のことをいう。但し、ALが長い場合でも、上記時間は1μs以内とする。
【0043】
本実施形態に示すラインヘッド2では、各インクチャネルは隣接する両隣のインクチャネルと側壁Sを共有しているため、一つのインクチャネルの側壁Sの駆動による影響はその両隣のインクチャネルにも及ぶ。このため、偶数チャネルの側壁Sの電極Qに微振動パルスを印加すると、自チャネルのインクメニスカスのみならず、その両隣の奇数チャネルのインクメニスカスも微振動させることができる。この図8に示す微振動パルスは、図6に示す駆動パルスの波形に対してピーク電圧を同じにすることができ、パルス幅を長くすることでインクは非吐出となる。
【0044】
また、4AL駆動、12AL休止を、偶数チャネルと奇数チャネルとでタイミングを4ALずらせて交互に繰り返しているので、各インクチャネルの側壁は4AL駆動、4AL休止を繰り返すようになり、全インクチャネルのインクメニスカスを微振動させることができる。
【0045】
記録媒体Pの記録領域外にはみ出た部分のノズルに与える微振動パルスは、連続的ではなく、目詰まりを起こさない間隔で間欠的に与えるようにしてもよい。
【0046】
なお、ラインヘッド2における記録媒体Pの記録領域に対応するノズルのインクメニスカスも、駆動制御手段としての駆動パルス発生回路の制御により、インクが飛翔しない範囲で振動させることが好ましい。
【0047】
記録媒体Pの記録領域にあるノズルは、画像形成のために駆動するノズルであるため、このノズルのインクメニスカスを微振動させるには、駆動信号から非吐出ノズルを検出して、選択的にインクメニスカスの微振動を行うようにするとよい。ヘッドのデータバッファには1ライン分の記録データが送られているため、この記録データから画像記録に寄与しないインク滴不吐出のインクチャネルを検出することが可能である。
【0048】
この場合、画像記録に寄与しないインクチャネルAの側壁Sの電極Qに、ノズル21からインク滴を飛翔させずに該インクチャネルA内のインクメニスカスを微振動させるための矩形波からなる微振動パルスを印加する。従って、記録媒体Pの記録領域に対応するノズルの場合でも、この画像記録に寄与しないインクチャネルA内のインクメニスカスに微振動を与えることで、記録中の極く僅かな吐出中断が生じてもインクの増粘を抑えることが可能となる。
【0049】
本実施形態に示すラインヘッド2では、一つの側壁Sを両隣のインクチャネルと共有しているため、一つのインクチャネルからインク滴を吐出すると、その両隣の非吐出のインクチャネル内にも自動的に微振動がかかる。従って、非吐出のインクチャネルのすべてに微振動を与える必要はない。効率良くインクの増粘を抑え、ヘッドの発熱を抑える上では、例えば図5(a)に示す隣接する3つのインクチャネルA1、A2、A3のすべてが非吐出のインクチャネルであって画像記録に寄与しない場合に、そのうちの中央のインクチャネルA2の側壁S2、S3の電極にのみ印加することが好ましい。
【0050】
この微振動パルスの印加例を図9及び図10を用いて説明する。ここでは図5(a)に示す隣接するインクチャネルA1、A2、A3を例に挙げ、インクチャネルA2において2発のインク滴を吐出して、その後微振動させる場合について説明する。
【0051】
本実施形態に示すラインヘッド2のように3サイクル吐出を行うヘッドの場合、記録領域内においては、図9に示すように、常に全インクチャネルに同じタイミングで2AL幅の矩形波からなる駆動パルスPAが印加されている。このとき各インクチャネル間(A2−A1、A2−A3)の側壁Sには、同図に示すように電圧差が生じないため、せん断変形を生じることはない。
【0052】
そして、吐出データが来ると、図10に示すように、インクチャネルA2に掛ける2AL幅の信号を取り除き、その代わりに1AL幅の信号をタイミングを1AL早くして掛ければ、図7において説明した如く、隣接するインクチャネルA1、A3間の側壁S2、S3との電位差によってインクチャネルA2からインク滴を吐出することができる。また、微振動させる場合は、2AL幅の信号を取り除くだけで良い。この図10に示す記録領域内の微振動パルスは、図6に示す駆動パルスの波形に比べて、ピーク電圧が小さくなるため、インクは非吐出となる。
【0053】
このように記録媒体Pの記録領域に対応するノズルのインクメニスカスをも微振動させる場合、記録媒体Pの記録領域からはみ出た部分のノズルのインクメニスカスの振動の振幅は、記録領域に対応するノズルのインクメニスカスの振動の振幅よりも大きくすることが好ましい。これは、画像記録領域内に対応するノズルでは、インクメニスカスを大きく振動させると、吐出に影響するので、インクメニスカスの振動振幅を抑えなければならないが、画像記録領域外のノズルでは、吐出への影響は関係ないため、より大きくインクメニスカスを振動させることによって、ノズル内のインクを効率よく攪拌し、より高い目詰まり防止効果を得ることができるようになる。この振動の振幅は、1つのパルス印加における最大振幅である。
【0054】
記録媒体Pの記録領域からはみ出た部分のノズルのインクメニスカスの振動の振幅を、記録領域に対応するノズルのインクメニスカスの振動の振幅よりも大きくするには、微振動パルスを構成する電圧パルスの振幅を変えるようにしてもよいし、また、図10に示すように、記録領域に印加される2AL幅の矩形波を利用し、記録領域における電圧よりも大きくした2AL幅の矩形波を印加するようにしてもよく、要するに、パルス幅を変えたり電圧を変えることで調整可能である。
【0055】
本実施形態に示すインクジェット記録装置1では、縁なし画像を記録するモードと縁あり画像を記録するモードとを有すると共に、幅の異なる記録媒体に対して画像記録を行うように構成されるものについて説明したが、いずれか一方の機能のみを備えるものであってもよいことはもちろんである。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、ラインヘッドの記録動作を中断することなく、記録媒体の記録領域からはみ出たノズルの目詰まりの発生を防止することができ、ノズルが画像記録に使用される際に常に安定してインクを吐出することのできるインクジェット記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の概略構成を示す図
【図2】ラインヘッドの一例を示す図
【図3】(a)はプラテンの平面図、(b)は記録領域とラインヘッドのノズルとの関係を示す図
【図4】(a)はヘッドの概略構成を示す外観斜視図、(b)はその断面図
【図5】(a)〜(c)はヘッドの作動を示す図
【図6】駆動パルスの一例を示す図
【図7】駆動パルスの他の一例を示す図
【図8】記録領域からはみ出たノズルの微振動パルスの一例を示す図
【図9】記録領域内のノズルに掛かるパルスを示す図
【図10】記録領域内のノズルの微振動パルスを示す図
【符号の説明】
1:インクジェット記録装置
2:ラインヘッド
2a〜2d:ヘッド
21a〜21d:ノズル
31、32:搬送ローラ対
4:プラテン
41:保持板
42:吸引口
43a〜43c:インク受け用の開口部
51、52:検知手段
P:記録媒体
PS:記録面

Claims (5)

  1. 記録媒体の幅方向に亘って設けられたラインヘッドの前記記録媒体の記録領域に対応するノズルからインクを飛翔させて画像記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記ラインヘッドは、各インクチャネルが隣接する側壁を共有しており、前記側壁は両面に電極が形成された圧電材料からなり、前記電極に電圧を印加することによって前記側壁を変形させ、前記インクチャネル内のインクをノズルから飛翔させる駆動制御手段を備え、
    前記駆動制御手段は、前記ラインヘッドにおける前記記録媒体の記録領域からはみ出た部分のノズルに対応する複数のインクチャネルのうち、偶数チャネルの前記側壁の前記電極に4AL(音響的共振周期の1/2)幅の矩形波を12AL間隔で印加し、奇数チャネルの前記側壁の前記電極に前記偶数チャネルに印加される矩形波と同一の矩形波を4ALずらせて印加することにより、当該インクチャネルのインクメニスカスを、インクが飛翔しない範囲で振動させることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録媒体に対して縁なし画像を記録するモードと、縁あり画像を記録するモードとを選択する選択手段を有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記ラインヘッドは、幅の異なる記録媒体に対して画像記録を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記駆動制御手段は、前記記録媒体の記録領域に対応するノズルのうち、非吐出ノズルのインクメニスカスを、インクが飛翔しない範囲で振動させることを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記駆動制御手段は、前記記録媒体の記録領域からはみ出た部分のノズルのインクメニスカスの振動の振幅を、記録領域に対応するノズルのうちの非吐出ノズルのインクメニスカスの振動の振幅よりも大きくすることを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置。
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