JP4206136B2 - 1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物およびその合成中間体 - Google Patents

1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物およびその合成中間体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬、農薬等の生理活性物質の合成中間体、写真用シアンカプラー、熱転写色素供与材料用色素及び固体撮像管やカラー液晶テレビ用フィルター色素の前駆体として有用な新規な1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物及びこれを効率良く合成するための中間体である1H−1,2,4−トリアゾール化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール誘導体は、一般的にはUkrainski Khimicheskii Zhurnal, 第41巻、第2号、第181〜185頁(1975年)や、Khimiya Geterotsiklicheskikh Scedine nii, 第2号、第261〜267頁(1974年)においてその反応性が論じられ、米国特許第4,358,457 号、同第4,962,202 号において医薬等としての用途が記載されている。また、日本写真学会昭和60年度年次大会講演要旨集、特開昭62-278552 号、同62-279339 号、特開平1-288835号、米国特許第4,910,127 号、欧州特許491,197 号において、写真用マゼンタカプラー及びマゼンタ染料として記載されている。
更に、米国特許5,256,526 号、同5,384,236 号、同5,547,826 号において、1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール誘導体の6 位及び7 位に電子吸引性基を導入することにより写真用シアンカプラーとして有用な化合物となし得ることが開示されている。また、6 位及び7 位に電子吸引性基を有する1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール誘導体の合成法に関しては、特開平5-202,004 号、同5-255,333 号に1H−1,2,4−トリアゾール誘導体を出発原料とする合成法が記載されている。更に、特開平7-48,376号及び特開平8-109,172 号に写真用シアンカプラーとして有用な化合物及び合成法が開示されており、その効率的な合成方法が示されている。
本発明者らは、更に、写真用シアンカプラーとして有用な1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物を開発するため鋭意研究を重ね、ピロロトリアゾール骨格の2 位及び5 位に特定の置換基を導入した化合物が写真用カプラーとして、色相、カップリング活性、写真処理中及び処理後のステイン、カプラーとしての保存安定性、色素の堅牢性等の点で優れた性質を示すことを見い出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の第一の目的は、写真用シアンカプラーとして有用な後記一般式(I)で示される化合物を提供することにある。
本発明の第二の目的は、その一般式(I)で示される化合物を合成するために必要な合成中間体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
下記一般式で表される化合物により上記目的を達成することができた。
(1)下記一般式(I)で表される1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物。
【0005】
【化3】
Figure 0004206136
【0006】
(一般式(I)中、Rは、炭素数4〜8の分岐アルキル基を表し、R1、R2、R3、R1'、R2'及びR3'は、水素原子若しくはアルキル基を表し、R1とR2及びR1'とR2'は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。R4は、水素原子若しくはアルキル基を表し、Xは、ヘテロ環基、置換アミノ基又はアリール基を表す。)
(2)前記Xが、C ( =O ) と窒素原子で結合した5員もしくは6員のヘテロ環基、又は窒素原子に2個の置換基が置換した置換アミノ基であることを特徴とする(1)項に記載の1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物。
(3)前記置換アミノ基の置換基が、シアノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、クロル原子、水酸基およびカルボキシル基から選択された置換基で置換されていてもよい、炭素数1〜8の直鎖のアルキル基であることを特徴とする(2)項に記載の1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物。
(4)前記のC ( =O ) と窒素原子で結合した5員または6員のヘテロ環基が、モルホリン環基であることを特徴とする(2)項に記載の1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物。
(5)前記Rがt−ブチル基であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物。
(6)前記R 1 、R 2 、R 3 、R 1 ' 、R 2 ' 及びR 3 ' がいずれもメチル基であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物。
(7)前記R 4 がメチル基であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物。
下記一般式(II)で表される1H−1,2,4−トリアゾール化合物。
【0007】
【化4】
Figure 0004206136
【0008】
(一般式(II)中、Rは、炭素数4〜8の分岐アルキル基を表し、R1、R2、R3、R1'、R2'及びR3'は水素原子若しくは、アルキル基を表し、R1とR2及びR1'とR2'は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。R4は、水素原子若しくはアルキル基を表し、R5は、水素原子若しくは、アルキル基を表す。)
(9)前記Rがt−ブチル基であることを特徴とする(8)項に記載の1H−1,2,4−トリアゾール化合物。
(10)前記R1、R2、R3、R1'、R2'及びR3'がいずれもメチル基であることを特徴とする(8)又は(9)項に記載の1H−1,2,4−トリアゾール化合物。
(11)前記R4がメチルであることを特徴とする(8)〜(10)のいずれか1項に記載の1H−1,2,4−トリアゾール化合物。
(12)前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の前記一般式(I)で表される1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物を製造するための合成中間体であることを特徴とする(8)〜(11)のいずれか1項に記載の1H−1,2,4−トリアゾール化合物。
なお、下記一般式(III)で表される化合物を合成中間体として、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物を製造することができる。
【0009】
【化5】
Figure 0004206136
【0010】
(一般式(III)中、Rは、炭素数4〜8の分岐アルキル基を表し、R1、R2、R3、R1'、R2'及びR3'は水素原子若しくは、アルキル基を表し、R1とR2及びR1'とR2'は、それぞれ結合して環を形成してもよい。R4は、水素原子若しくはアルキル基を表す。Wは、ハロゲン原子を表す。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について詳しく述べる。
一般式(I)〜(III)中、Rは、炭素数4から8の分岐のアルキル基を表す。特に好ましいアルキル基はt-ブチル基である。
一般式(I)〜(III)中、R1、R2、R3、R1'、R2'及びR3'は、水素原子若しくは、炭素数1から24の直鎖もしくは分岐鎖または環状(好ましくは炭素数3〜8)のアルキル基を表し、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。好ましくは、炭素数1から12の直鎖もしくは分岐鎖または環状(好ましくは炭素数3〜8)のアルキル基を表し、より好ましくは、炭素数1から6の直鎖もしくは分岐鎖または環状(好ましくは炭素数3〜8)のアルキル基を表し、例えば、メチル、エチル、プロピル、シクロヘキシルである。R1とR2及びR1'とR2'は互いに結合して、環を形成してもよい(例えば、好ましくはR1とR2及びR1'とR2'とは炭素数1〜12の低級アルキレン基、好ましくはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレンを形成する)。R1、R2、R3、R1'、R2'、R3'の特に好ましい基は、メチル基である。
一般式(I)〜(III)中、R4は、水素原子若しくは、炭素数1から36の直鎖もしくは分岐鎖または環状(好ましくは炭素数3〜8)のアルキル基を表し、好ましくは、炭素数1から24の、更に好ましくは炭素数1から12の直鎖もしくは分岐鎖または環状(好ましくは炭素数3〜8)のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1から4の直鎖若しくは分岐のアルキル基である。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、t-ブチル、オクチル、オクタデシル、シクロヘキシルを表す。特に好ましいアルキル基はメチル基である。
【0012】
一般式(II)中、R5は、水素原子若しくは、炭素数1 から4 の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表し、好ましくは、炭素数1 から2の直鎖のアルキル基を表し、特に好ましいアルキル基は、メチル基である。
一般式(III)中、W は、ハロゲン原子を表し、好ましくは、クロル原子、ブロム原子、ヨウ素原子を表し、特に好ましくは、ブロム原子である。
【0013】
一般式(I)中、Xは、ヘテロ環基、置換アミノ基又はアリール基を表し、ヘテロ環としては、窒素原子、酸素原子、またはイオウ原子を有する5〜8員環で置換基を含めた総炭素数1〜36(より好ましくは1〜8)のものが好ましい。更に好ましくは、窒素原子で結合した5員または6員環で、そのうち6員環が特に好ましい。
Xの具体例として、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ラクタム化合物、ピペリジン、ピロリジン、ピロール、モルホリン、ピラゾリジン、チアゾリジン、ピラゾリンなどが挙げられ、好ましくは、モルホリン、ピペリジンが挙げられ、特にモルホリンが好ましい。
置換アミノ基の置換基としては、脂肪族基、アリール基若しくはヘテロ環基が挙げられる。この脂肪族基としては、炭素数1から12の直鎖もしくは分岐または環状(好ましくは炭素数3〜8)のアルキル基を表し、好ましくは、炭素数1から8の直鎖のアルキル基を表し、更にこれらは、シアノ基、アルコキシ基(例えばメトキシ)、アルコキシカルボニル基、クロル、水酸基、カルボキシル基等で置換されていても良い。置換アミノ基としては、1置換よりも2置換の方が好ましい。
置換アミノ基の具体例としては、ジシアノエチルアミノ、ジメトキシエチルアミノ、ジアリルアミノ、ジフェニルアミノ、ジオクチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ等が挙げられる。
Xがアリール基としては、炭素数6〜36のものが好ましく、フェニル基またナフチル基がより好ましい。具体例としては、フェニル、4ーt-ブチルフェニル、2ーメチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2ーメトキシフェニル、4ーメトキシフェニル、2,6-ジクロロフェニル、2ークロロフェニル、2,4ージクロロフェニル、ナフチル等が挙げられる。
以下に、本発明の一般式(I)で表される化合物および本発明の一般式(II)で表される化合物の具体的化合物例を示すが、これらに限定されるものではない。
また、一般式(III)で表される化合物の具体例を参考までに例示する。
【0014】
【化6】
Figure 0004206136
【0015】
【化7】
Figure 0004206136
【0016】
【化8】
Figure 0004206136
【0017】
【化9】
Figure 0004206136
【0018】
【化11】
Figure 0004206136
【0019】
【化12】
Figure 0004206136
【0020】
【化13】
Figure 0004206136
【0021】
【化14】
Figure 0004206136
【0022】
【化15】
Figure 0004206136
【0023】
【化16】
Figure 0004206136
【0024】
【化17】
Figure 0004206136
【0025】
【化18】
Figure 0004206136
【0026】
【化19】
Figure 0004206136
【0027】
【化20】
Figure 0004206136
【0028】
【化21】
Figure 0004206136
【0029】
【化22】
Figure 0004206136
【0030】
【化23】
Figure 0004206136
【0031】
次に、一般式(I)、(II)及び(III)で表される化合物の全般的な合成法をスキームを参照して説明する。後記のスキーム1は一般式(IV)の化合物として化合物eを、一般式(III)の化合物として化合物(III)−(1)を、シアノ酢酸エステル類としてシアノ酢酸メチルを、一般式(II)の化合物として化合物(II)−(1)を、一般式(I)の化合物として化合物(I)−(1)を用いて示したスキームである。このスキーム1に示すように、一般式(III)で表される化合物は、下記の一般式(IV)で表される化合物をハロゲン化することによって得ることができる。(以下この工程をステップ1と言う)
また、一般式(II)で表される化合物は、一般式(III)で表される化合物とシアノ酢酸エステル類とを適当な有機塩基を用いて反応させて得ることができる。(ステップ2)
R5が水素原子のものは、上記の方法で得られたエステル体を加水分解することにより、容易に得ることができる。(ステップ3)
【0032】
この様にして得られた一般式(II)で表される化合物(R5が水素)に対して、塩基の存在下、酸ハロゲン化物(下記一般式(V))を作用させることにより、一般式(I)で表される1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール誘導体を得ることができる。(ステップ4)
【0033】
【化24】
Figure 0004206136
【0034】
式中、R1、R2、R3、R4、R1' 、R2' 、R3' 、R 、およびXは、一般式(I)のそれらと同義である。
次にそれぞれの工程について詳しく述べる。
まず、ステップ1について詳しく述べる。ステップ1において、一般式(IV)で表されるトリアゾール誘導体は、公知の方法、例えば、J.C.S.,1961 年、第518 頁、J.C.S.,1962 年、第5149頁、Angew,Chem.,第72巻、第956 頁(1960年)、Berichte.,第97巻、第3436頁(1964年)等に記載の方法及びそれらに引用されている文献または、類似の方法によって合成することができる。
ステップ1のハロゲン化におけるハロゲン化剤の例としては、塩化スルフリル、塩化銅(II)、N-クロロこはく酸イミド、N-ブロモこはく酸イミド、1,3-ジブロモ-5,5- ジメチルヒダントイン、臭素、ピリジニウムブロミドペルブロミド等が挙げられる。好ましくは、塩化スルフリル、臭素、1,3-ジブロモ-5,5- ジメチルヒダントイン、ピリジニウムブロミドペルブロミドであり、より好ましくは、臭素、1,3-ジブロモ-5,5- ジメチルヒダントインである。
ステップ1におけるハロゲン化剤の一般式(IV)に対するモル比は、0.5 〜5 であり、好ましくは、0.5 〜2.0 である。
【0035】
ステップ1で用いられる溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、好ましい溶媒としては、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリルである。
【0036】
ステップ1において、適当な塩基を用いて反応させると、収率良く得られる。この時、塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2,6-ルチジン、2,4-ルチジン、2,3-ルチジン、2,5-ルチジン、2,4,6-コリジン、2-ピコリン、3-ピコリン、4-ピコリン、イミダゾール、ジエチルアニリン、ピペリジン、モルホリン、N-メチルモルホリン、テトラメチルグアニジン、テトラフェニルグアニジン等があげられ、好ましくは、ピリジン、2,6-ルチジン、2,4,6-コリジン、2-ピコリンである。
塩基の量としては、一般式(IV)で表される化合物に対して、モル比で0.5 〜5.0 であり、好ましくは、0.5 〜2.0 である。
ステップ1において、反応温度は、-10 ℃〜80℃、好ましくは、0 ℃〜30℃である。反応時間は、1 分〜24時間、好ましくは、10分〜10時間、更に好ましくは、30分〜6 時間である。
【0037】
次にステップ2について詳しく述べる。
一般式(III)で表される化合物とシアノ酢酸エステル類との求核置換反応に用いられる塩基としては、n-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、t-ブトキシカリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド、テトラメチルグアニジン、テトラフェニルグアニジン、DBU 、DBN 、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、好ましくは、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、t-ブトキシカリウムである。
【0038】
ステップ2で用いられる塩基のシアノ酢酸エステル類に対するモル比は、1.0 〜10であり、好ましくは、1.0 〜5.0 であり、更に好ましくは、1.5 〜3.0 である。
ステップ2で用いられるシアノ酢酸エステル類の一般式(III)で表される化合物に対するモル比は、1.0 〜10であり、好ましくは、1.0 〜5.0 であり、更に好ましくは、1.5 〜3.0 である。
ステップ2で用いられる溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、好ましくは、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、酢酸エチルである。
ステップ2において、反応温度は、-78 ℃〜150 ℃、好ましくは、-40 ℃〜60℃更に好ましくは、-20 ℃〜30℃である。
反応時間は、1 分〜24時間、好ましくは、10分〜10時間更に好ましくは、30分〜6 時間である。
ステップ2の反応において、添加順序は、次の様に行うのが好ましい。即ち、シアノ酢酸エステル類及び塩基を含む溶媒中に、予め、溶媒に溶解しておいた一般式(III)の化合物を滴下していく方法である。
【0039】
ステップ3について詳しく説明する。
一般式(II)で表される化合物のエステル部位の加水分解は、常法によって、容易に行うことができる。一般的な方法としては、塩基を用いる方法である。この時、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化バリウム、炭酸アンモニウム等である。好ましい塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。
反応溶媒としては、上記に挙げた溶媒が好ましく、より好ましくは水- メタノール混合溶媒である。
反応温度は、0 ℃〜100 ℃、好ましくは、15℃〜80℃更に好ましくは、40℃〜80℃である。
反応時間は、1 分〜24時間、好ましくは、10分〜10時間、更に好ましくは、30分〜3 時間である。
【0040】
次に、ステップ4について詳しく説明する。
ステップ4で用いられる塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2,6-ルチジン、2,4-ルチジン、2,3-ルチジン、2,5-ルチジン、2,4,6-コリジン、2-ピコリン、3-ピコリン、4-ピコリン、イミダゾール、ジエチルアニリン、ピペリジン、モルホリン、N-メチルモルホリン、テトラメチルグアニジン、テトラフェニルグアニジン、DBU 、DBN 、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられ、好ましくは、ピリジン、トリエチルアミン、ルチジン類、コリジン、ピコリン類である。
ステップ4で用いられる塩基の一般式(II)(R5=H) で表される化合物に対するモル比は、0.1 〜10、好ましくは、1.0 〜8.0 、更に好ましくは、2.0 〜6.0 である。
【0041】
ステップ4で用いられる一般式(V)で表される酸ハロゲン化物の具体例としては、例えば、ベンゾイルクロリド、2-メチルベンゾイルクロリド、2-メトキシベンゾイルクロリド、2,6-ジクロロベンゾイルクロリド、ジメチルカルバミン酸クロリド、ジエチルカルバミン酸クロリド、ジフェニルカルバミン酸クロリド、ジシクロヘキシルカルバミン酸クロリド、ジシアノエチルカルバミン酸クロリド、ジメトキシエチルカルバミン酸クロリド、ジアリルカルバミン酸クロリド、モルホリンカルボニルクロリド、4-メトキシカルボニルイソニペコチンカルボニルクロリド等が挙げられる。
【0042】
ステップ4で用いられる一般式(V)で表される酸ハロゲン化物の一般式(II)で表される化合物に対するモル比は、0.1 〜10、好ましくは、1 〜5 であり、更に好ましくは、2 〜4である。
ステップ4で用いられる溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、好ましくは、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、酢酸エチルである。
ステップ4において、反応温度は、-78 ℃〜100 ℃、好ましくは、-20 ℃〜80℃、更に好ましくは、0 ℃〜50℃である。
反応時間は、1 分〜24時間、好ましくは、15分〜10時間、更に好ましくは、30分〜6 時間である。
【0043】
【実施例】
次に本発明を合成例に基づき更に詳細に説明する。
合成例1. 化合物(I)-(1)、(II)-(1)及び(III)-(1)の合成
以下のスキームに従って、(I)-(1)、(II)-(1)及び(III)-(1)を合成した。
【0044】
【化25】
Figure 0004206136
【0045】
化合物dの合成
酢酸ナトリウム20.5gをメタノール25mlに溶解し、撹拌している中に、p−t−ブチルベンズヒドラジドaを38.4g添加した。その後、メタノール125mlに溶解したシアノ酢酸エチルのイミダートb、41.1gを内温20℃に保ち、1時間かけて滴下した。30分反応させた後、53.0gの炭酸ナトリウムを粉末で添加し、内温を50℃に保ち、50℃の温水、150mlをゆっくり滴下した。その後、内温を80℃に保ち、メタノールを留去した。反応後、35℃で、酢酸エチル200mlを添加し、更に、濃塩酸水86mlを添加し、中和した。水相のpH=4を確認した後、反応液を冷却し、晶析させた。得られた結晶を濾過、乾燥することにより、目的の化合物dを42.4g得た。収率は、75.0%であった。
【0046】
化合物eの合成
100.0gの化合物dと87.3gの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルシクロヘキサノール及び5.3gの炭酸カリウムにトルエン200ml溶液に、室温下、182.3mlの無水酢酸を滴下した。反応後、酢酸エチルを300ml添加し、濃塩酸水99.3mlをゆっくり添加した。その後、内温を65℃に保ち、0.5時間、撹拌した。反応後、水300mlを加え、分液し、更に、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を30ml加え、抽出した。有機相を濃縮し、残留物にアセトニトリルを120ml、トルエンを180ml加え、晶析した。
得られた結晶を濾過、乾燥することにより、化合物eを156.7g得た。収率は、86.8%であった。
【0047】
化合物(III)−(1)の合成
化合物e、100.0gを酢酸エチル430mlに溶解し、2,6−ルチジンを25.2g添加し、氷冷下、11.6mlの臭素を滴下した。滴下後、1時間反応させた後、水430ml添加し、分液した。更に水洗浄した後、有機相を濃縮し、残留物にアセトニトリル、645ml添加し、晶析させた。得られた結晶を濾過、乾燥することにより、107.4gの化合物(III)−(1)を得た。収率は、91.8%であった。
【0048】
例示化合物(I)−(1)の合成
17.1gのナトリウムメトキシド28%メタノール溶液をジメチルアセトアミド30mlに溶解し、−10℃〜−5℃下、シアノ酢酸メチル8.1mlを添加した。続いて、ジメチルアセトアミド30mlに溶解した20.0gの化合物(III)−(1)を内温−10℃〜−5℃に保ち、ゆっくり滴下し反応させ、(II)−(1)を得た。次いで、水15mlに溶解した水酸化カリウム8.5g、メタノール15mlを反応液中に添加し、反応温度を60℃付近に保ち、1時間反応させ、(II)−(1)−hを得た。反応液に、酢酸エチル100ml、ヘキサン50ml添加、濃塩酸14.6ml更に水100ml添加し、抽出、更に2回、水洗浄した後、有機相を濃縮し、残留物にジメチルホルムアミド40ml、ピリジン15.0ml加え、内温を25℃に保ち、4−モルホリノカルボニルクロリド、12.2gを滴下した。1時間反応させた後、反応液にメタノール100mlを加え、濃塩酸11.2ml及び水10mlを滴下した。滴下後、1時間加熱還流し、結晶を濾過、乾燥することにより、目的の例示化合物(I)−(1)を20.2g得た。(III)−(1)からの収率は84.7%であった。融点は、260℃であった。
【0049】
例示化合物(I)−(13)の合成
8.6gのナトリウムメトキシド28%メタノール溶液をジメチルアセトアミド15mlに溶解し、−10℃〜−5℃下、シアノ酢酸メチル4.0mlを添加した。続いて、ジメチルアセトアミド15mlに溶解した10.0gの化合物(III)−(1)を内温−10℃〜−5℃に保ち、ゆっくり滴下し反応させ、(II)−(1)を得た。次いで、水8mlに溶解した水酸化カリウム4.8g、メタノール8mlを反応液中に添加し、反応温度を60℃付近に保ち、1時間反応させ、(II)−(1)−hを得た。反応液に、酢酸エチル50ml、ヘキサン25ml添加、濃塩酸7.3ml更に水50ml添加し、抽出、更に2回、水洗浄した後、有機相を濃縮し、残留物にピリジンを100ml加え、ジシアノエチルカルバミン酸クロリド4.5gのメチレンクロリド30ml溶液を氷却下、滴下した。反応後、酢酸エチル300ml及び濃塩酸水125ml加え、中和した後、水洗浄2回した。有機相を濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィーを用い精製し、アセトニトリルで再結晶した。結晶を濾過、乾燥することにより目的の例示化合物(I)−(13)を6.5g得た。収率は、54.7%であった。融点は、245〜246℃であった。
【0050】
例示化合物(I)−(14)の合成
23.6gのナトリウムメトキシド28%メタノール溶液をジメチルアセトアミド40mlに溶解し、−10℃〜−5℃下、シアノ酢酸メチル11.2mlを添加した。続いて、ジメチルアセトアミド40mlに溶解した27.6gの化合物(III)−(1)を内温−10℃〜−5℃に保ち、ゆっくり滴下し反応させ、(II)−(1)を得た。次いで、水21mlに溶解した水酸化カリウム11.7g、メタノール20mlを反応液中に添加し、反応温度を60℃付近に保ち、1時間反応させ、(II)−(1)−hを得た。反応液に、酢酸エチル140ml、ヘキサン70ml添加、濃塩酸20ml更に水140ml添加し、抽出、更に2回、水洗浄した後、有機相を濃縮し、残留物にジメチルアセトアミド100mlを加え、ピリジン20.2mlを添加し、ジアリルカルバミン酸クロリド15.9gを滴下した。反応後、酢酸エチル300ml及び濃塩酸水25ml加え、中和した後、水洗浄2回した。有機相を濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィーを用い精製し、アセトニトリルで再結晶した。結晶を濾過、乾燥することにより目的の例示化合物(I)−(14)を20.5g得た。収率は、65.6%であった。融点は、217〜218℃であった。
【0051】
例示化合物(I)−(15)の合成
4.3gのナトリウムメトキシド28%メタノール溶液をジメチルアセトアミド8mlに溶解し、−10℃〜−5℃下、シアノ酢酸メチル2.0mlを添加した。続いて、ジメチルアセトアミド8mlに溶解した5.0gの化合物(III)−(1)を内温−10℃〜−5℃に保ち、ゆっくり滴下し反応させ、(II)−(1)を得た。次いで、水4mlに溶解した水酸化カリウム2.4g、メタノール4mlを反応液中に添加し、反応温度を60℃付近に保ち、1時間反応させ、(II)−(1)−hを得た。反応液に、酢酸エチル25ml、ヘキサン12ml添加、濃塩酸3.7ml更に水25ml添加し、抽出、更に2回、水洗浄した後、有機相を濃縮し、残留物にピリジン30mlを添加し、ジメチルカルバミン酸クロリド2.0gを氷却下、滴下した。反応後、酢酸エチル100ml及び濃塩酸水38ml加え、中和した後、水洗浄2回した。有機相を濃縮した後、残留物にアセトニトリルを加え、再結晶した。結晶を濾過、乾燥することにより目的の例示化合物(I)−(15)を2.5g得た。収率は、45.7%であった。融点は、240〜241℃であった。
【0052】
例示化合物(I)−(18)の合成
4.3gのナトリウムメトキシド28%メタノール溶液をジメチルアセトアミド8mlに溶解し、−10℃〜−5℃下、シアノ酢酸メチル2.0mlを添加した。続いて、ジメチルアセトアミド8mlに溶解した5.0gの化合物(III)−(1)を内温−10℃〜−5℃に保ち、ゆっくり滴下し反応させ、(II)−(1)を得た。次いで、水4mlに溶解した水酸化カリウム2.4g、メタノール4mlを反応液中に添加し、反応温度を60℃付近に保ち、1時間反応させ、(II)−(1)−hを得た。反応液に、酢酸エチル25ml、ヘキサン12ml添加、濃塩酸3.7ml更に水25ml添加し、抽出、更に2回、水洗浄した後、有機相を濃縮し、残留物に、ジメチルアセトアミド30ml、ピリジン10mlを添加し、2−メチルベンゾイルクロリド3.1gを滴下した。反応後、酢酸エチル100ml及び濃塩酸水12ml加え、中和した後、水洗浄2回した。有機相を濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィーを用い精製し、アセトニトリルで再結晶した。結晶を濾過、乾燥することにより目的の例示化合物(I)−(18)を3.2g得た。収率は、54.2%であった。融点は、210〜211℃であった。
【0053】
例示化合物(I)−(19)の合成
17.1gのナトリウムメトキシド28%メタノール溶液をジメチルアセトアミド30mlに溶解し、−10℃〜−5℃下、シアノ酢酸メチル8.1mlを添加した。続いて、ジメチルアセトアミド30mlに溶解した20.0gの化合物(III)−(1)を内温−10℃〜−5℃に保ち、ゆっくり滴下し反応させ、(II)−(1)を得た。次いで、水15mlに溶解した水酸化カリウム8.5g、メタノール15mlを反応液中に添加し、反応温度を60℃付近に保ち、1時間反応させ、(II)−(1)−hを得た。反応液に、酢酸エチル100ml、ヘキサン50ml添加、濃塩酸14.6ml更に水100ml添加し、抽出、更に2回、水洗浄した後、有機相を濃縮し、残留物に、ジメチルアセトアミド60ml、ピリジン14.8mlを添加し、2−メトキシベンゾイルクロリド13.7gを添加した。反応後、酢酸エチル200ml及び濃塩酸水11ml加え、中和した後、水洗浄2回した。有機相を濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィーを用い精製し、アセトニトリルで再結晶した。結晶を濾過、乾燥することにより目的の例示化合物(I)−(19)を10.3g得た。収率は、42.6%であった。融点は、225〜226℃であった。
他の化合物についても上記に示した合成法と全く同様にして合成することができる。
【0054】
参考例
下塗りをしたポリエチレンテレフタレート支持体を用いて、以下に示す層構成の評価用の単層感光材料101を作成した。
(乳剤層塗布液調製)
カプラー1.85mmol、酢酸エチル10ml及びジブチルフタレート(溶媒、トリクレジルホスフェート(溶媒)をカプラーに対してそれぞれ100重量%加えて溶解した。この溶液を10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3mlを含む14%ゼラチン水溶液33gに乳化分散させた。一方、塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.65μmの大サイズ乳剤と0.55μmの小サイズ乳剤との3:7混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の変動係数はそれぞれ0.08と0.10。各サイズ乳剤とも臭化銀0.3モル%を塩化銀粒子表面の一部に局在含有)を調製した。この乳剤の化学熟成は硫黄増感剤と金増感剤を添加して行った。前記乳化分散物とこの乳剤とを混合溶解し、以下に示す組成となるように乳剤層塗布液を調製した。なお硬膜剤として1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジン酸ナトリウムを用いた。
(層構成)
以下に、本実験に用いた試料の層構成を示す。(数字はm2 当たりの塗布量を示す。)
【0055】
Figure 0004206136
【0056】
以下に、本実施例で使用した比較カプラー及び本発明のカプラーの構造を示す。
【0057】
【化26】
Figure 0004206136
【0058】
以下のようにして作製した試料101に対してシアンカプラーおよび高沸点有機溶媒を表1に示すように変更した他は試料101とまったく同様にして試料102〜108を作製した。但し、カプラーは1/2モル量で置き換え、かつハロゲン化銀量も1/2になるように変更した。上記の試料に対して光学ウエッジを使って階調露光を与えた後、以下の処理工程、処理液を使って処理を行った。
【0059】
(処理工程)
処理工程 温 度 時 間
カラー現像 35℃ 40秒
漂白定着 35℃ 40秒
水 洗 35℃ 90秒
【0060】
(処理液組成)
[発色現像液]
蒸留水 800ml
トリエタノールアミン 8.1g
ジエチルヒドロキシルアミン 4.2g
臭化カリウム 0.05g
塩化ナトリウム 0.5g
炭酸水素ナトリウム 3.9g
亜硫酸ナトリウム 0.13g
N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)
−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 5.0g
炭酸カリウム 18.7g
水を加えて 1000ml
pH 10.15
【0061】
[漂白定着液]
蒸留水 400ml
チオ硫酸アンモニウム(700g/リットル) 150ml
硫酸ナトリウム 18.0g
エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 55.0g
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム 5.0g
水を加えて 1000ml
pH 6.70
【0062】
処理後の試料の赤色光光学濃度を測定し、最大発色濃度Dmax を求めた。また、シアン濃度1.0を与える点のイエロー濃度をX−Rite310濃度計(X−Rite Company製)で測定した。このイエロー濃度が低い程、副吸収が少なく、色相的に優れることを示す。次にこれらの試料を20万ルックスのXe光源(5時間明/1時間暗の間欠照射)下で、380nmで約50%をカットできるシャープカットフィルターを通して5日間光照射を行った。光照射後の試料の赤色光光学濃度を再び測定し光照射後の色像残存率を求めた。
色像残存率はDmax 部とDmax の1/5の発色濃度を示す低濃度部の2点について評価し、初濃度を100%としたときの百分率で表1に示した。
【0063】
【表1】
Figure 0004206136
【0064】
表1より明らかなように試料101に対し試料102〜108は色相が優れている。しかしながら、試料102〜104は低濃度部での光堅牢性が著しく悪く、比較試料101に対して明らかに劣っている。一方、本発明のカプラーを使用した試料105〜108は色相が優れているのはもちろんであるが、低濃度部の光堅牢性が改良され、高濃度部の残存率とほとんど変わらなくなっていることがわかる。本発明のカプラーは、色相および光堅牢性の点で明らかに優れていると言える。
【0065】
【発明の効果】
本発明の一般式(I)で表される1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物は、新規化合物で各種の用途に用いられ、例えば写真用カプラーとして、保存安定性、カップリング活性、色素の色相及び堅牢性、処理中及び処理後のステイン防止などに優れる。なお、一般式(I)で示される化合物は、一般式(III) から単離工程を必要とせずに合成することができる。このことは、製造を考えた場合、コスト的に大きなメリットがある。
また一般式(II)または(III)で表される1H−1,2,4−トリアゾール化合物は一般式(I)で表される化合物の合成中間体として有用である。
本発明の一般式(I)の化合物は写真用シアンカプラーとして優れている。特にこの化合物から形成されるシアン色素は色相に優れ、更に光堅牢性にも優れている。

Claims (12)

  1. 下記一般式(I)で表される1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物。
    Figure 0004206136
    (一般式(I)中、Rは、炭素数4〜8の分岐アルキル基を表し、R1、R2、R3、R1'、R2'及びR3'は、水素原子若しくはアルキル基を表し、R1とR2及びR1'とR2'は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。R4は、水素原子若しくはアルキル基を表し、Xは、ヘテロ環基、置換アミノ基又はアリール基を表す。)
  2. 前記Xが、C(=O)と窒素原子で結合した5員もしくは6員のヘテロ環基、又は窒素原子に2個の置換基が置換した置換アミノ基であることを特徴とする請求項1記載の1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物。
  3. 前記置換アミノ基の置換基が、シアノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、クロル原子、水酸基およびカルボキシル基から選択された置換基で置換されていてもよい、炭素数1〜8の直鎖のアルキル基であることを特徴とする請求項2記載の1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物。
  4. 前記のC(=O)と窒素原子で結合した5員または6員のヘテロ環基が、モルホリン環基であることを特徴とする請求項2記載の1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物。
  5. 前記Rがt−ブチル基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物。
  6. 前記R1、R2、R3、R1'、R2'及びR3'がいずれもメチル基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物。
  7. 前記R4がメチル基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物。
  8. 下記一般式(II)で表される1H−1,2,4−トリアゾール化合物。
    Figure 0004206136
    (一般式(II)中、Rは、炭素数4〜8の分岐アルキル基を表し、R1、R2、R3、R1'、R2'及びR3'は水素原子若しくは、アルキル基を表し、R1とR2及びR1'とR2'は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。R4は、水素原子若しくはアルキル基を表し、R5は、水素原子若しくは、アルキル基を表す。)
  9. 前記Rがt−ブチル基であることを特徴とする請求項8記載の1H−1,2,4−トリアゾール化合物。
  10. 前記R1、R2、R3、R1'、R2'及びR3'がいずれもメチル基であることを特徴とする請求項8又は9に記載の1H−1,2,4−トリアゾール化合物。
  11. 前記R4がメチルであることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の1H−1,2,4−トリアゾール化合物。
  12. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の前記一般式(I)で表される1H−ピロロ−[1,2−b][1,2,4]トリアゾール化合物を製造するための合成中間体であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の1H−1,2,4−トリアゾール化合物
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