JP4201943B2 - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はゴム組成物および空気入りタイヤに関し、特に、作業性良く、弾性率の高いゴム組成物および空気入りタイヤを得る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の高馬力化、高速化に伴い、タイヤ性能にも従来より高い操縦安定性および高グリップ性が求められるようになってきている。
一方、ビスマレイミドは架橋剤としてゴム業界で実地検討されてきたが、特開昭63−99251号には、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)にビスマレイミドを配合することで耐熱性と高運動性とを両立できることが報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、最近になって、特に、SBRを50重量%以上含有するゴムにビスマレイミドを配合すると、耐熱性が上がるばかりでなく、動的貯蔵弾性率(E’)が高くなり、ビスマレイミドを配合したゴム組成物をトレッドに用いると、操縦安定性が上がることを見出した。
【0004】
しかし、前記のようなSBR含有ゴムにビスマレイミドを多量に配合した場合、ビスマレイミドにより加硫反応が阻害され、加硫に長時間かかることに加え、同一加硫度におけるブローポイント(ゴム中での気泡の発生しやすさ)が大きくなるため、ゴム製品に気泡を残さず加硫するためには、さらに長時間の加硫が必要となって、生産性は大きく低下する欠点があり実用的でない。
【0005】
この問題に対して、加硫反応を早くする促進剤、いわゆる超促進剤、例えば、グアニジン類、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類を使用することが当然考えられるが、これらの化合物は同時に加硫の立ち上がりを早くして、未加硫ゴムの焦け時間(スコーチタイム)を短縮させる割にはブローポイントをあまり改良できない。
【0006】
そこで、本発明者は、ビスマレイミドによる加硫反応阻害の原因を探究した結果、その原因として、特に、SBR配合系では加硫反応よりも早く加硫促進剤とビスマレイミドとの反応が起こり、その結果、加硫が阻害されることが判明した。これは、特にチアゾール系およびチウラム系加硫促進剤を用いたときにより顕著である。さらに、ビスマレイミドと加硫促進剤との反応により、ビスマレイミドの一部は分解し、ガス化するため、通常よりも多量のガスがゴム中で発生することとなり、ブローポイントが悪化することも判明した。
そこで、本発明は、上記不都合を解消して、ビスマレイミドによる高弾性化のメリットをさらに向上させると共に、加硫遅延による生産性のデメリットを回避できる技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のように、ビスマレイミドの使用による生産性悪化は、ビスマレイミドと加硫促進剤との反応によるものであることがわかったため、この反応を抑制し、かつ本来の目的である動的貯蔵弾性率の増加によるタイヤ性能の向上を達成する化合物を検討した結果、特定のビスマレイミドとアミン化合物とを配合することにより目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明は以下の構成とする。
(1)本発明のゴム組成物は、天然ゴムおよび合成ジエン系ゴムのうち少なくとも一種のゴムからなるゴム成分に、下記の一般式〔化4〕で表されるビスマレイミドのうち少なくとも1種、および下記の一般式〔化5〕および〔化6〕で表されるアミン化合物のうち少なくとも1種を含んでなることを特徴とする。
【0009】
【化4】
Figure 0004201943
(式中、Rは炭素数6〜18の芳香族基、または炭素数7〜24のアルキル芳香族基を表し、xおよびyは0〜3のいずれかの整数をそれぞれ独立に表す。)
【0010】
【化5】
Figure 0004201943
(式中、R 1 は炭素数8〜24の飽和または不飽和のアルキル基、または炭素数7〜24のアラルキル基を表し、R 2 およびR 3 は、水素原子、炭素数1〜12の飽和もしくは不飽和のアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、−(CH2O)pH、−(CH2CH2O)pH、−(CH(CH3)CH2O)pH、または−(CH2CH2CH2O)pHをそれぞれ独立に表し、R2およびR3中のpの合計値は1〜4のいずれかの整数である。)
【0011】
【化6】
Figure 0004201943
(式中、R1 〜R3 は前記と同様であり、R4 は炭素数6〜24の飽和もしくは不飽和のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基、または炭素数7〜24のアラルキル基を表す。)
【0012】
チアゾール系加硫促進剤およびチウラム系加硫促進剤のうち少なくとも1種をさらに含むゴム組成物において本発明は一層効果的である。
前記アミンおよびアミン付加塩の一般式中のR2 およびR3 が、炭素数1〜8の飽和または不飽和のアルキル基をそれぞれ独立に表し、アミンおよびアミン付加塩のそれぞれについて、R1 、R2 およびR3 が有する炭素数の合計値が10〜24であると好ましい。
【0013】
前記ビスマレイミドが、ゴム成分100重量部に対して0.1〜30重量部の割合で配合されるとより好ましく、さらに、前記アミン化合物がビスマレイミドの50〜400重量%の割合で配合されるとより一層好ましい。また、ビスマレイミドが、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミドであり、また、アミン付加塩が、ジメチルステアリルアミン・ステアリン酸塩、またはメチルステアリルアミン・ステアリン酸塩であるとさらに好ましい。また、ゴム成分中、50重量%以上がスチレン・ブタジエン共重合体ゴムである場合により効果的である。
【0014】
(2)本発明の空気入りタイヤは、上記のゴム組成物をゴム部材として適用したことを特徴とする。
前記ゴム部材がトレッドであると好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で好適に使用できるビスマレイミドとしては、N,N′−1,2−フェニレンジマレイミド、N,N′−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N′−1,4−フェニレンジマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン等を例示できる。
なお、ビスマレイミドの前記一般式中、xまたはyが4以上では、分子量が大きくなり、配合量の割に、目的とする動的貯蔵弾性率の増加効果が得られないため不都合である。
【0016】
また、アミン化合物としては以下のとおりである。
前記アミンおよびアミン付加塩の前記一般式中、R1 がとりうる前記特定のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、各種ベへニル基、各種オクテニル基、各種デセニル基、オレイル基、シクロオチクル基、シクロドデシル基、各種シクロオクテニル基、各種シクロドデセニル基などが挙げられる。
また、前記アミンおよびアミン付加塩の前記一般式中、R1 がとりうる前記特定のアリール基は、芳香環上に、直鎖状、分岐状、環状の低級アルキル基などの適当な置換基を有していてもよく、その例としては、フェニル基、各種トリル基、各種キシリル基、α−またはβ−ナフチル基、各種メチルナフチル基、各種ジメチルナフチル基などが挙げられる。
また、前記アミンおよびアミン付加塩の前記一般式中、R1 がとりうる前記特定のアラルキル基は、芳香環上に、直鎖状、分岐状、環状の低級アルキル基などの適当な置換基を有していてもよく、その例としては、ベンジル基、各種メチルベンジル基、フェネチル基、各種メチルフェネチル基、各種ナフチルメチル基、各種(メチルナフチル)メチル基などが挙げられる。
【0017】
また、前記アミンおよびアミン付加塩の前記一般式中、R2 およびR3 がとりうる前記特定のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、各種ドデシル基、プロペニル基、アリル基、各種ペンテニル基、各種ヘキセニル基、各種オクテニル基、各種デセニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオチクル基、各種シクロペンテニル基、各種シクロヘキセニル基、各種シクロオクテニル基などが挙げられる。
また、前記アミンおよびアミン付加塩の前記一般式中、R2 およびR3 がとりうる前記特定のアリール基は、芳香環上に、直鎖状、分岐状、環状の低級アルキル基などの適当な置換基を有していてもよく、その例としては、フェニル基、各種トリル基、各種キシリル基、α−若しくはβ−ナフチル基、各種メチルナフチル基などが挙げられる。
また、前記アミンおよびアミン付加塩の前記一般式中、R2 およびR3 がとりうる前記特定のアラルキル基は、芳香環上に、直鎖状、分岐状、環状の低級アルキル基などの適当な置換基を有していてもよく、その例としてはベンジル基、各種メチルベンジル基、フェネチル基、各種メチルフェネチル基、各種ナフチルメチル基などが挙げられる。
【0018】
一方、前記アミン付加塩の前記一般式中、R4 がとり得る前記特定のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その例としては、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、各種ベヘニル基、各種ヘキセニル基、各種オクテニル基、各種デセニル基、オレイル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、各種シクロヘキセニル基、各種シクロオクテニル基、各種シクロドデセニル基などが挙げられる。
また、前記アミン付加塩の前記一般式中、R4 がとり得る前記特定のアリール基およびアラルキル基は、芳香環上に、直鎖状、分岐状、環状の低級アルキル基などの適当な置換基をそれぞれ有していてもよく、それらの例としては、前記R1 の説明において、アリール基及びアラルキル基として例示したものと同じものを挙げることができる。
【0019】
本発明のアミンおよびアミン付加塩を構成するアミン類の好ましい例としては、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン、オレイルアミン、モノメチルデシルアミン、モノメチルラウリルアミン、モノメチルミリスチルアミン、モノメチルパルミチルアミン、モノメチルステアリルアミン、モノメチルオレイルアミン、モノエチルデシルアミン、モノエチルラウリルアミン、モノエチルミリスチルアミン、モノエチルパルミチルアミン、モノエチルステアリルアミン、モノエチルオレイルアミン、モノプロピルデシルアミン、モノプロピルラウリルアミン、モノプロピルミリスチルアミン、モノプロピルパルミチルアミン、モノプロピルステアリルアミン、モノプロピルオレイルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルオレイルアミン、ジエチルデシルアミン、ジエチルラウリルアミン、ジエチルミリスチルアミン、ジエチルパルミチルアミン、ジエチルステアリルアミン、ジエチルオレイルアミン、メチルエチルデシルアミン、メチルエチルラウリルアミン、メチルエチルミリスチルアミン、メチルエチルパルミチルアミン、メチルエチルステアリルアミン、メチルエチルオレイルアミン、ジ(ヒドロキシエチル)デシルアミン、ジ(ヒドロキシエチル)ラウリルアミン、ジ(ヒドロキシエチル)ミリスチルアミン、ジ(ヒドロキシエチル)パルミチルアミン、ジ(ヒドロキシエチル)ステアリルアミン、ジ(ヒドロキシエチル)オレイルアミンなどが挙げられる。これらの中で、特にR2 及びR3 がそれぞれ炭素数1〜8の飽和または不飽和のアルキル基であって、R1 、R2 およびR3 が有する炭素数の合計値がそれぞれ10〜24の第三級アルキルアミンが特に好適である。
【0020】
一方、本発明のアミン付加塩を構成するカルボン酸としては、R4 の炭素数が10〜20の飽和または不飽和の直鎖脂肪酸が好ましい。このカルボン酸の例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、オレイン酸などが挙げられる。
本発明のアミン付加塩としては、分子量が400〜800の範囲にあるものが好ましい。
なお、アミン付加塩にはフレークや粒の強度を向上させ、夏場の高温時に起こりやすい融着を防ぐ目的で、リン酸塩、亜リン酸塩等の無機塩をアミン付加塩の0.1〜10重量%程度含ませてもよい。
また、本発明において、ビスマレイミドの配合量は、ゴム成分100重量部に対して、0.1〜30重量部であると好ましいが、これは、0.1重量部未満では配合の効果が充分得られないことがあり、30重量部を超えると破壊物性が低下する傾向があるからである。同様の観点から、好ましくは0.5〜5.0重量部である。
さらに、アミン化合物の配合量は、ビスマレイミドの50〜400重量%であると好ましいが、これは、50重量%未満ではビスマレイミドとの組み合わせによる相乗効果が得られず、400重量%を超えると加硫が早くなり、ゴムが焦け易くなるからである。同様の観点から、好ましくは100〜200重量%である。
【0021】
また、 本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、好ましくはMBT(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジサルファイド) 、 CBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−t−ブチル−2ーベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBSI(N−t−ブチル−2ーベンゾチアジルスルフェンイミド)等のベンゾチアゾール系の加硫促進剤、DPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤、テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド等のチウラム系加硫促進剤、ジアルキルジチオリン酸亜鉛などの加硫促進剤等を例示でき、その使用量は、ゴム成分100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.2〜3重量部である。
【0022】
本発明は、チアゾール系加硫促進剤および/またはチウラム系加硫促進剤を配合してなる硫黄加硫系ゴム組成物およびタイヤに対して極めて効果的である。
本発明では、天然ゴムおよび合成ジエン系ゴムを使用できるが、合成ジエン系ゴムでは、シス−1,4−ポリイソプレン、スチレンブタジエン共重合体、低シス−1,4−ポリブタジエン、高シス−1,4−ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、クロロプレン、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム等を例示でき、天然ゴムおよび合成ジエン系ゴムは、単独使用のみならずブレンドして使用できる。
【0023】
好ましいゴムは、天然ゴム、シス−1,4−ポリイソプレン、スチレンブタジエン共重合体、ポリブタジエンである。
なお、ゴム成分中、スチレン・ブタジエン共重合体ゴムが50重量%以上含まれていると、本発明の目的であるビスマレイミドとアミン類との組み合わせによる改良効果が最も明確になる点で好ましい。
また、本発明では、補強性充填剤として、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの少なくとも1種を使用することができ、好ましくはカーボンブラックおよびシリカである。
【0024】
補強性充填剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対して、20〜150重量部が好ましい。これは、20重量部未満では、加硫物の破壊特性および耐摩耗性などが十分でなく、150重量部を超えると、作業性等において好ましくないからである。同様の観点から、25〜80重量部がより好ましい。
補強性充填剤として用いるカーボンブラックを例示すると、HAF、ISAF、SAF等が挙げられ、カーボンブラックとシリカとを併用する場合の配合比は、配合目的に応じて任意に変化させることができる。
【0025】
本発明におけるゴム組成物には、上記ゴム成分、補強性充填剤、ビスマレイミド、アミン化合物の他に、必要に応じて、ゴム工業で通常使用されているシランカップリング剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、老化防止剤、プロセス油、亜鉛華(ZnO)、ステアリン酸、等を配合することができる。
【0026】
本発明で使用できる加硫剤としては、例えば、硫黄等が挙げられ、これらの使用量は、ゴム成分100重量部に対して、硫黄分として0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5.0重量部である。0.1重量部未満では加硫ゴムの破壊特性、耐摩耗性が低下し、10重量部を超えるとゴム弾性が失われる傾向があるからである。
【0027】
本発明で使用できるプロセス油としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、アロマチック系等を挙げることかでき、破壊特性、耐摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、また、低発熱性、低温特性を重視する用途にはナフテン系またはパラフィン系がそれぞれ好ましく用いられる。その使用量は、ゴム成分100重量部に対して100重量部以下が好ましく、これは、100重量部を越えると加硫ゴムの破壊特性、低発熱性が低下する傾向があるからである。
【0028】
本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分、ビスマレイミド、ヒドラジド、補強性充填剤等をロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることにより得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部等のゴム部材としてのタイヤ用途を始め、防振ゴム、ベルト、ホースその他工業品等の用途にも好適に使用できる。
【0029】
【実施例】
以下に本発明をより具体的に説明する。
表1および、表2〜表4記載の各配合成分を、500mlのラボプラストミルおよび3インチロールを使用して、混練り配合し、未加硫のゴム組成物を得た。各ゴム組成物について、下記(1)(2)の方法によりキュラスト試験およびブローポイント試験を行い、また、これらの配合ゴムの加硫後の引張試験、動的粘弾性試験を下記(3)、 (4)の方法により測定した。これらの結果を表2〜表4に示す。
【0030】
(1)キュラスト試験
米国フレキシス社製、MDR2000を用い145℃で測定した。
H 、ML はそれぞれトルクの最大値、最小値であり、T10、T90 は加硫反応によるトルクの上昇が全体のそれぞれ10%、90%に達した時間を表す。各データは比較例1、6または8をそれぞれ100として指数で表す。
【0031】
(2)ブローポイント試験
東洋精機(株)製、ブローポイント測定機を使用して、170℃で、活性化エネルギー20kcalの条件で測定した。各データは比較例1、6または8をそれぞれ100として指数で表す。この指数が大きい程ブローポイント値が大きく、より長い加硫時間が必要で生産性が悪化することを表す。
【0032】
(3)引張試験
145℃で(1)で得たT90の1.5倍にあたる加硫時間で加硫後、JISK6301−1975に基づいて引張試験を行い(3号試験片使用)、300%伸長時弾性率(M300 )を測定した。同様に、各データは比較例1、6または8をそれぞれ100として指数で表す。
【0033】
(4)動的粘弾性試験
東洋精機(株)製、スペクトロメーター(動的粘弾性測定試験機)を用い、周波数52Hz、測定温度30℃、歪1%でE’(動的貯蔵弾性率)、 tanδ(損失係数)を測定した。同様に、各データは比較例1、6または8をそれぞれ100として指数で表す。
【0034】
さらに、実施例2、4、10、11、13、14、15、比較例1、3、6、7、8、9のゴム組成物をトレッドゴムとして用いて、185/70R14サイズのトレッド(一層構造)の空気人りタイヤを試作し、各タイヤの性能を実車走行にて操縦性について評価した。
(5)操縦性
水を撒いてウェット路としたテストコースにて、 各新品タイヤを装着したFF4ドアセダンを用いて実車走行を行い、駆動性、制動性、ハンドル応答性、操縦時のコントロール性を、比較例1、6または8のタイヤをそれぞれコントロールタイヤとして、テストドライバーが総合評価した。
+1:コントロールタイヤに比べてプロテストドライバーが微妙に分かる程度に良いと感じる場合
+2:コントロールタイヤに比べてプロテストドライバーが明確に分かる程度に良いと感じる場合
+3:コントロールタイヤに比べて一般ドライバーのうち熟練したドライバーが分かる程度に良いと感じる場合
+4:コントロールタイヤに比べて一般ドライバーが分かる程度に良いと感じる場合
【0035】
【表1】
Figure 0004201943
【0036】
ノクセラーD:DPG
ビスマレイミド:N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド(三井化学ファイン(株)製BMI−S)
化合物A:ジメチルステアリルアミン・ステアリン酸塩
化合物B:ステアリルアミン・ステアリン酸塩
化合物C:ジメチルステアリルアミン
【0037】
【表2】
Figure 0004201943
【0038】
【表3】
Figure 0004201943
【0039】
【表4】
Figure 0004201943
【0040】
上記の結果より、比較例1〜4はビスマレイミドの添加により、M300 値をほぼ維持したまま、E′値を大幅に増加でき、ウェット路面での操縦性が向上したが、加硫反応終了時間(T90)は大幅に増加し、生産性は大幅に低下した。
比較例5は、アミン付加塩自身は加硫反応を早める傾向にあるが、比較例1に対して10%以下であり、大きな効果ではない。
これに対して実施例1〜9はビスマレイミドとアミン化合物を併用することで、加硫の遅れが大幅に改善されると共に、ブローポイントが大幅に改良される。
さらに、実施例10〜15のシリカ配合量を多くした系においても、ビスマレイミドとアミン化合物を併用することで、同様の相乗効果を示した。
【0041】
【発明の効果】
本発明によると、作業性を高めて、生産性良く、弾性率の高いトレッドゴム等に適したゴム組成物を提供できる。また、このようなゴムをトレッドに使用した空気入りタイヤは、操縦性に優れている。

Claims (10)

  1. 天然ゴムおよび合成ジエン系ゴムのうち少なくとも一種のゴムからなるゴム成分に、下記の一般式〔化1〕で表されるビスマレイミドのうち少なくとも1種、および下記の一般式〔化2〕で表されるアミンおよび一般式〔化3〕で表されるアミン付加塩からなるアミン化合物のうち少なくとも1種を含んでなることを特徴とするゴム組成物。

    Figure 0004201943
    (式中、Rは炭素数6〜18の芳香族基、または炭素数7〜24のアルキル芳香族基を表し、xおよびyは0〜3のいずれかの整数をそれぞれ独立に表す。)
    Figure 0004201943
    (式中、R 1 は炭素数8〜24の飽和または不飽和のアルキル基、または炭素数7〜24のアラルキル基を表し、R 2 およびR 3 は、水素原子、炭素数1〜12の飽和もしくは不飽和のアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、−(CH2O)pH、−(CH2CH2O)pH、−(CH(CH3)CH2O)pH、または−(CH2CH2CH2O)pHをそれぞれ独立に表し、R2およびR3中のpの合計値は1〜4のいずれかの整数である。)
    Figure 0004201943
    (式中、R1〜R3は前記と同様であり、R4は炭素数6〜24の飽和もしくは不飽和のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基、または炭素数7〜24のアラルキル基を表す。)
  2. 請求項1記載のゴム組成物が、さらに、チアゾール系加硫促進剤およびチウラム系加硫促進剤のうち少なくとも1種を含むことを特徴とするゴム組成物。
  3. 前記アミンおよびアミン付加塩の一般式中、R2およびR3が、炭素数1〜8の飽和または不飽和のアルキル基をそれぞれ独立に表し、アミンおよびアミン付加塩のそれぞれについて、R1、R2およびR3が有する炭素数の合計値が10〜24であることを特徴とする請求項1または2記載のゴム組成物。
  4. ビスマレイミドが、ゴム成分100重量部に対して、0.1〜30重量部の割合で配合されることを特徴とする請求項1、2または3記載のゴム組成物。
  5. アミン化合物が、ビスマレイミドの50〜400重量%の割合で配合されることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. ビスマレイミドが、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミドであることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載のゴム組成物。
  7. アミン付加塩がジメチルステアリルアミン・ステアリン酸塩、またはメチルステアリルアミン・ステアリン酸塩であることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載のゴム組成物。
  8. ゴム成分中、50重量%以上がスチレン・ブタジエン共重合体ゴムであることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載のゴム組成物。
  9. 請求項1〜8のうちいずれか1項に記載のゴム組成物をゴム部材として適用したことを特徴とする空気入りタイヤ。
  10. ゴム部材がトレッドであることを特徴とする請求項9記載の空気入りタイヤ。
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