JP4201639B2 - 人工皮革用補強材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工皮革を製造するために用いられる人工皮革用補強材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
先行技術(特許文献1参照)は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維から成る織物と、ポリエチレンテレフタレートまたはポリトリメチレンテレフタレートなどの短繊維とが、ニードルパンチまたは高圧水流によって交絡一体化した人工皮革用基布を開示する。この先行技術の問題は、ストレッチバック性に乏しく、また座屈性に劣ることである。したがって衣料の用途では、人体とのフィット性が劣る結果になる。また家具および自動車内装材の用途では、屈曲時、大きなしわが発生する。
【0003】
【特許文献1】
特許第3280302号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、風合い、触感に優れているのは勿論、ストレッチバック性に優れた人工皮革用補強材およびその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、繊維から成るウエブが高圧水流の噴射によって絡み合わされて固定されて人工皮革を構成し、
ウエブを構成する前記繊維は、ポリエステル繊維またはナイロン繊維であり、3〜5mmの繊維長を有し、坪量30〜60g/m 2 であり、繊維径2〜6μmφであり、0.05〜0.1dである人工皮革用補強材であって、
エアジェット織機によって製織される織物であり、
よこ糸は、伸縮性を有するストレッチ糸を、芯糸として2〜4倍に引き伸ばした状態で、ポリエステル糸を捲き付け、水溶性糊によって収縮を止めたカバードヤーンであり、
ストレッチ糸は、ポリウレタン糸の撚り糸であり、よこ糸の3〜10%であり、繊度は40〜60デシテックスであり、
前記ポリエステル糸は、15〜28本のフィラメントから成る撚り糸であり、繊度40〜60デシテックスであり、
水溶性糊は、ポリビニルアルコール24〜27%水溶液であり、
たて糸は、ポリエステル糸であり、
空気透過率150〜300cc/Lであることを特徴とする人工皮革用補強材である。
本発明は、たて糸は、無撚原糸に撚りをかけ、真空乾熱セットして撚りによるトルクの発生が抑えられていることを特徴とする。
本発明は、よこ糸は、ストレッチ糸を芯糸として引き伸ばした状態でポリエステル糸を捲き付け、さらに撚りをかけ、その後、水溶性糊によって収縮が止められていることを特徴とする。
【0006】
本発明は、人工皮革用補強材を準備し、この補強材は、織物であり、よこ糸は、伸縮性を有するストレッチ糸を、芯糸として2〜4倍に引き伸ばした状態で、ポリエステル糸を捲き付け、水溶性糊によって収縮を止めたカバードヤーンであり、
ストレッチ糸は、ポリウレタン糸の撚り糸であり、よこ糸の3〜10%であり、繊度は40〜60デシテックスであり、
前記ポリエステル糸は、15〜28本のフィラメントから成る撚り糸であり、繊度40〜60デシテックスであり、
水溶性糊は、ポリビニルアルコール24〜27%水溶液であり、付着量10〜15%であり、その付着された後に、乾燥固化し、
たて糸は、ポリエステル糸であり、
空気透過率150〜300cc/Lであり、
この補強材は、エアジェット織機によって製織され、
補強材の上にウエブを重ねて積層し、2層構造体を構成し、
ウエブを構成する繊維は、ポリエステル繊維またはナイロン繊維であり、3〜5mmの繊維長を有し、坪量30〜60g/m 2 であり、繊維径2〜6μmφであり、0.05〜0.1dであり、
2層構造体上に、高圧水流を柱状に噴射し、ウエブの繊維を、補強材に絡み合わせて固定した不織布を乾燥し、その乾燥した不織布の基布が坪量85〜97g/m 2 、厚み400〜450μm、密度0.2〜0.3であり、
基布をシンクロールによって溶液に浸漬し、
この溶液は、
水性化ポリウレタン樹脂原料を25〜30%と、
ポリビニルアルコールを5〜10%と、
有機溶剤としてのブチルグリコールを3〜4%と、
ポリイソシアネート0.5〜2%と、
非イオン界面活性剤を0.5〜1.5%と、
シリコーン樹脂を1〜5%とを含み、
この浸漬後、100〜150℃で乾燥して、
ウエブが固定された補強材上に、小孔が均一な分布で存在するポーラス状ポリウレタン樹脂の層4aを形成し、
ポーラス状ポリウレタン樹脂の層4aをバフ加工して研削してウエブの繊維を露出し、
その後、染色液に浸漬して染色し、ウレタン結合を完全に架橋するとともに、ポリウレタン樹脂の層内のポリビニルアルコールの水溶化、除去を行うことを特徴とする人工皮革の製造方法である。
本発明は、前記製造方法によって製造された衣料または自動車の座席シートに用いられる人工皮革である。
本発明は、人工皮革の製造方法において用いられる溶液であって、
前記人工皮革の製造方法は、
人工皮革用補強材を準備し、この補強材は、織物であり、よこ糸は、伸縮性を有するストレッチ糸を、芯糸として2〜4倍に引き伸ばした状態で、ポリエステル糸を捲き付け、水溶性糊によって収縮を止めたカバードヤーンであり、
ストレッチ糸は、ポリウレタン糸の撚り糸であり、よこ糸の3〜10%であり、繊度は40〜60デシテックスであり、
前記ポリエステル糸は、15〜28本のフィラメントから成る撚り糸であり、繊度40〜60デシテックスであり、
水溶性糊は、ポリビニルアルコール24〜27%水溶液であり、付着量10〜15%であり、その付着された後に、乾燥固化し、
たて糸は、ポリエステル糸であり、
空気透過率150〜300cc/Lであり、
この補強材は、エアジェット織機によって製織され、
補強材の上にウエブを重ねて積層し、2層構造体を構成し、
ウエブを構成する繊維は、ポリエステル繊維またはナイロン繊維であり、3〜5mmの繊維長を有し、坪量30〜60g/m 2 であり、繊維径2〜6μmφであり、0.05〜0.1dであり、
2層構造体上に、高圧水流を柱状に噴射し、ウエブの繊維を、補強材に絡み合わせて固定した不織布を乾燥し、その乾燥した不織布の基布が坪量85〜97g/m 2 、厚み400〜450μm、密度0.2〜0.3であり、
基布をシンクロールによって溶液に浸漬し、
この浸漬後、100〜150℃で乾燥して、
ウエブが固定された補強材上に、小孔が均一な分布で存在するポーラス状ポリウレタン樹脂の層4aを形成し、
ポーラス状ポリウレタン樹脂の層4aをバフ加工して研削してウエブの繊維を露出し、
その後、染色液に浸漬して染色し、ウレタン結合を完全に架橋するとともに、ポリウレタン樹脂の層内のポリビニルアルコールの水溶化、除去を行ない、
前記溶液は、水性化ポリウレタン樹脂原料を25〜30%と、
ポリビニルアルコールを5〜10%と、
有機溶剤としてのブチルグリコールを3〜4%と、
ポリイソシアネート0.5〜2%と、
非イオン界面活性剤を0.5〜1.5%と、
シリコーン樹脂を1〜5%とを含む人工皮革を製造するための溶液である。
【0007】
本発明に従えば、人工皮革用補強材は、織物であって、繊維から成るウエブが絡み合わされて固定されて構成され、この織物のよこ糸は、ストレッチ糸である伸縮性を有する芯糸を引き伸ばした状態で、ポリエステル糸を捲き付け、水溶性糊によって収縮を止めたカバードヤーンであり、水溶性糊が固化されることによって、芯糸が収縮することが阻止される。このようなよこ糸は、シングルカバード糸またはダブルカバード糸であってもよい。水溶性糊によって収縮が止められたよこ糸を、エアジェット織機において、よこ入れする際、図12に関連して後述されるように、よこ糸の飛形が一直線状に安定し、よこ入れ運動が確実に行われるとともに、芯糸と、その芯糸を被覆するポリエステル糸との固着が確実になり、織性能が向上される。
【0008】
水溶性糊は、本件補強材に高圧水流を用いてウエブを絡み合わせる際、瞬時に除去され、好都合である。水溶性糊は、その絡み合わせる工程の後、水溶性糊をたとえば染色液などの水によって容易に除去することができ、好都合である。
【0009】
水溶性糊は、約20℃の常温〜130℃で水に溶融し、したがって前述のように水溶性糊の除去が容易であるとともに、このような比較的低温度で水溶性糊を除去することができるので、補強材を構成するよこ糸およびたて糸、ウエブを構成する繊維の特性に悪影響を及ぼすことはない。
【0013】
本発明に従えば、カバードヤーンであるよこ糸は、芯になる糸にストレッチ糸を用い、芯糸に捲き付ける花糸をポリエステル糸とし、シングルカバードヤーンであってもよく、またはダブルカバードヤーンであってもよい。
【0014】
弾性を有するストレッチ糸は、2〜4倍、好ましくは3倍に引き伸ばされた状態であり、これによって水溶性糊が付着して固化しているにもかかわらず、後述の図12(3)および図12(4)に示されるようによこ入れ時、芯糸が収縮してしまうという問題を回避し、織特性を向上することができる。
【0015】
よこ糸としてストレッチ糸のみを用いるのではなく、ストレッチ糸を芯糸としてポリエステル糸を捲き付けるので、よこ糸が伸びすぎるという不都合はなく、織物の適度な弾性が得られる。よこ糸のストレッチ糸は、よこ糸の3〜10%である。よこ糸を構成するストレッチ糸およびポリエステル糸の繊度は、たとえば40〜60デシテックスが好ましく、これによって人工皮革の使用時の強度が得られるとともに、高圧水流によるウエブの絡み合わせを高品質で達成することができる。
【0016】
ウエブを構成する繊維は、3〜5mmの繊維長を有し、坪量10〜100g/m2であり、好ましくは30〜60g/m2であってもよい。ウエブを構成する繊維は、たとえばポリエステルまたはナイロンであり、繊維径は、2〜6μmφである。このようなウエブは、たとえば湿式抄造法およびそのほかの手法で製造することができる。
【0017】
芯糸となるストレッチ糸およびそれに捲き付けられるポリエステル糸はいずれも、より糸であり、ストレッチ糸はモノフィラメントまたはマルチフィラメントのいずれでもよく、ポリエステル糸はたとえば15〜28本、好ましくは24本のマルチフィラメントであってもよい。
【0020】
よこ糸の収縮を止めるための水溶性糊は、ポリビニルアルコール水溶液であり、固化した状態で水が接触することによって容易に除去することができる。したがって後工程の処理が容易であり、たとえば常温の軟化水に瞬時に溶けるという優れた特性を有する。したがってウエブを絡み合わせるための高圧水流によって、除去することが容易である。液体のポリビニルアルコールの濃度は、20〜30%が好ましく、後述のようにさらに好ましくは24〜27%であり、20%未満ではよこ糸の収縮を止めることが不充分であり、また30%を超えると、分散染料などを用いる染色によって、色汚れ、きわづきが生じる。
【0021】
また本発明は、空気透過率150〜300cc/Lであることを特徴とする。本発明に従えば、人工皮革用補強材の織物のフラジール通気度、すなわち空気透過率を、150〜300cc/L、好ましくは200cc/Lに選ぶ。Lは、リットルである。フラジール通気度は、日本工業規格JIS L 1096による。150cc/L未満では、ウエブを絡み合わせるための高圧水流の噴射によって、ウエブが損傷してしまうという問題がある。300cc/Lを超えると、ウエブの繊維を織物に強固に絡み合わせることが困難になり、ウエブが離脱しやすくなり、強度が劣る。
【0022】
織物は、平織りであってもよいが、朱子織などであってもよい。
【0023】
前述のストレッチ糸は、ポリウレタン糸であり、伸縮性を有する糸である。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の人工皮革の製造方法の各ステップを示す図である。図1のステップs1で本発明の人工皮革用補強材を準備し、ステップs2では繊維から成るウエブを準備し、補強材の上にウエブを重ねて積層し、ステップs3で2層構造体を構成する。この2層構造体に、ウエブの上方から高圧水流を噴射してウエブが補強材に絡み合わされて固定され、ステップs5で人工皮革用不織布が得られる。本発明の実施の他の形態では、補強材の表裏両面にウエブを設けた3層構造体であってもよく、表面側からおよび裏面側から、高圧水流によるウエブの絡み合わせ作業を行うようにしてもよい。ウエブの繊維は、ポリエステル繊維またはナイロン繊維であり、0.05〜0.1d、繊維長3〜5mmである。
【0025】
図2は、図1のステップs5で得られる人工皮革用不織布1の簡略化した断面図である。補強材2はスクリムと呼ぶことができ、この補強材2には、ウエブ3を構成する繊維が、ウォータパンチと呼ぶことができる高圧水流の噴射によって絡み合わされて交絡され、固定される。参照符3は、ウエブの繊維を示すためにも用いられる。
【0026】
再び図1を参照して、ステップs6では、図2に示される不織布1を、後述の溶液に浸漬して含浸し、その後、ステップs7でテンターに導いて加熱乾燥し、ポーラスなポリウレタン樹脂の層4が形成される。ステップs8ではバフ仕上げを行って研削し、ステップs9で染色液に浸漬して染色を行い、こうしてステップs10では、ストレッチバック性に優れた、かつ屈曲時のシワが少ない人工皮革が完成する。
【0027】
図3は、人工皮革用補強材2の製造方法を説明するための各ステップを示すフローチャートである。補強材2を含む人工皮革の製造方法を、本件発明者の実施例とともに述べる。図3のステップr1〜r3では、たて糸を準備し、図3のステップr4,r5では、よこ糸を準備し、図3のr6〜r9でエアジェット織機を用いて製織し、補強材2を完成する。
【0028】
図4は、図3のステップr1におけけるたて糸に撚りをかける作業を示す図である。図4のポリエステル繊維から成る無撚原糸6を、イタリー式撚糸機7によって撚りをかけ、糸の集束性を高め、チーズ8に捲き付ける。原糸6は、33T/6である。33T/6は、マルチフィラメント33デシテックス、6本のフィラメントから成ることを表し、この表示方法は、以下同じである。撚糸は、S撚800T(ターン)/M(メートル)である。
【0029】
図5は、図3のステップr2におけるセット作業を示す図である。前述の撚糸された糸は、真空式セット機11の釜に収納され、60℃×40分の条件で、真空乾熱セットを行い、撚りによるトルクの発生を抑える。この糸は、セット機11の釜に収納されてセットされる。
【0030】
図6は、図3のステップr3における部分整経の作業を示す図である。セット後の糸13を、部分整経機14においてワキシングし、エアジェット織機用ビーム15に捲き取る。固形ワックスは、たとえばデラックスOS(商品名)などであってもよい。こうしてたて糸16を完成する。
【0031】
図7は、図3のステップr4のカバリング機18の作業を示す図である。ポリウレタン原糸19を、ドラフト比3.0、すなわち3倍に引き伸ばした状態で芯糸にし、この状態で、ポリエステル原糸21を花糸として捲き付け、さらにS撚750T/Mに撚りをかける。ポリウレタン原糸44T/1であり、ポリエステル原糸55T/24−woolyである。カバリング機18は、たとえばKATAOKA社製商品名WH2−320であってもよい。こうしてチーズ22に捲き取られる。
【0032】
図8は、図3のステップr5における糊付け作業を示す図である。図7のカバリング機18で得られたチーズ22からのよこ糸24には、糊付け作業25が行われ、その糊の付着量が適切な値となるように絞り手段26で部分的に除去し、乾燥機27でたとえば70℃の熱風乾燥を行い、乾燥後、チーズ28に捲き取る。
【0033】
図9は、図8に示される糊付け作業を示すさらに詳細な図である。糊付け作業25は、容器29に貯留された水溶性糊31に、よこ糸24がシンクロール32を経て案内され、糊が表面に付着される。糊31は、本発明の実施の形態では、ポリビニルアルコール20%水溶液である。
【0034】
絞り手段26では、一対のロール33,34が糸35の移動方向に回転し、ロール33,34に挟持されて、適切な付着量が得られる。こうしてよこ糸24には、糊31が付着され、空気中で熱風乾燥されて固化する。これによって伸縮性を有する3倍に引き伸ばされた芯糸であるポリウレタン糸19が収縮することが止められる。図8および図9で用いられる糊付け機は、たとえばカキノキ社製(商品名)KHS−4であってもよい。糊31は、互応化学工業社製(商品名)プライスサイズMX−304であり、着量10〜15%である。
【0035】
図10は、図3のステップr6〜r8における製織作業を示す図である。ステップr6のエアジェット織機38において、前述の図6のたて糸ビーム15からのたて糸39は、綜絖41によって上下に2層に分けられ、筬42によって、たて糸の密度が決められ、前述の図8および図9のチーズ28からのよこ糸は、ステップr7でノズル43からのエアジェットによって、よこ入れされ、ステップr8でこうしてスクリム織物45が製織して得られ、クロスビーム46に捲き取られる。こうして図3のステップr9では、本発明によって得られたスクリム織物45である人工皮革用補強材の検査が行われ、出荷される。
【0036】
図11は、エアジェット織機38の一部の平面図である。製織速度の向上のために、一対のよこ糸チーズ28からよこ糸が一対の各ノズル43からのエアジェットによって交互に供給され、補助ノズル47によってよこ糸が導かれて打ち込まれる。エアジェット織機は、たとえばトヨタ自動織機製作所社製(商品名)JAT610であってもよい。
【0037】
図12は、前述の図10および図11に示されるエアジェット織機38におけるよこ糸48がノズル43からのエアジェットによって打ち込まれる状態を簡略化して示す図である。よこ糸48は前述の図8および図9に関連して述べたように、よこ糸48の表面には糊31が付着されて固化している。したがってよこ糸48のポリウレタン糸19の収縮が止められ、図12(1)に示されるように、よこ糸48の打ち込み時、直線状の飛形が安定する。またこの糊31がよこ糸48の表面に存在することによって、その表面の凹凸が固化した形状を保ち、したがってノズル43からのエアジェットによってよこ糸48が正確に打ち込まれることになる。
【0038】
もしも仮に、よこ糸48に前述の糊31が付着、固化されていなければ、図12(2)に示されるように、そのよこ糸48aにおけるポリウレタン糸19が収縮し、ノズル43からのエアジェットによる打ち込み時、よこ糸48aの飛形が正確な直線状とならず、不所望に側方にふれるおそれがあり、確実なよこ入れが困難となり、織性能が低下する結果になる。
【0039】
本件発明者の実験によれば、糊31として用いられるポリビニルアルコール水溶液は、前述のように20〜30%であり、好ましくは24〜27%である。この濃度未満では、引き伸ばされたポリウレタン糸19の収縮を止めることが不完全となり、図12(3)に示されるように捲き付けられたポリエステル糸21の不所望ないわばピリついたループ部分51が発生する。これによってノズル43からのエアジェットによってよこ入れされるとき、ループ部分51が途中でたて糸39に絡んでしまうおそれが生じる。また前記濃度が低いとき、図12(4)に示されるように、よこ糸48cのポリウレタン糸19が収縮し、それに捲き付けられているポリエステル糸21のみが残存した部分が生じる。こうして糊31の濃度が20%以上に選ばれる。この濃度を30%を超えた値に選ぶと、前述のように図1のステップs9における染色時の色汚れ、きわづきが生じてしまう。このような問題が生じないように糊31の濃度が選ばれるとともに、ポリウレタン糸19の引き伸ばしの倍率が2〜4倍、好ましくは3倍に選ばれる。
【0040】
こうして糊付けされたスクリム織物45である補強材は、織上後に放縮による収縮が止められ、また図1のステップs4におけるウエブ3の高圧水流によって打ち込んで絡み合わせやすい空気透過率150〜300cc/L、好ましくは200cc/Lを達成し、さらにその高圧水流による適切な収縮によって、商品の平面摩耗を得ることができ、さらに染め縮みを防ぐことができるという優れた効果が達成される。
【0041】
糊付けされたよこ糸を用いる補強材では、伸長率20〜70%を達成することができ、したがって衣料の用途および自動車の座席シートなどの内装材の用途に好適する。またこのような補強材のセット率は90〜97%を達成することができる。伸長率というのは、元の長さL1に対して引っ張り力を作用したときの伸びΔL1の比(=ΔL1/L1)である。セット率というのは、補強材のよこ糸の方向に作用した引っ張り力を開放した直後から10分間経過後の縮んだ長さL2の元の長さに対する比(=L2/L1)である。
【0042】
ウエブ3を構成する繊維は、前述のようにポリエステル繊維またはナイロン繊維であり、0.05〜0.1d、繊維長3〜5mmであり、坪量4〜80g/cm2であってもよく、湿式抄造法によって製造することができるが、そのほかの手法で製造されてもよい。
【0043】
図13は、図11のステップs4における高圧水流による補強材2とウエブ3との絡合を行う装置の簡略化した断面図である。水平に矢符55の方向に搬送される補強材2上に、前述の湿式抄造法で製造されたウエブ3が乗載され、無端状支持ベルト56に支持された状態で、上流側と下流側とにそれぞれ配置されたノズル57,58から高圧水流61,62が柱状に噴射される。
【0044】
図14は、図13に示されるノズル57,58のノズル孔63,64;65,66の簡略化した平面図である。各ノズル孔63〜66から、高圧力の柱状水流を、ウエブ3が乗載されて積層された補強材2が矢符55の方向に搬送される状態で、噴射されて打ち込まれる。ウエブ3の繊維が補強材2に絡み合った人工皮革用不織布68は、乾燥機69に導かれて人工皮革用不織布71が得られる。こうして得られた不織布71は、たとえば坪量85〜97g/cm2、厚み400〜450μm、密度0.2〜0.3である。ノズル間隔W1,W2およびノズル径D1,D2は、適宜選択される。
【0045】
図15は、図1のステップs6,s7の作業を行う設備の簡略化した系統図である。人工皮革用不織布71は、基布と呼ぶこともでき、マングル73から溶液付着装置74に導かれる。溶液付着装置74では、容器75に溶液76が浸漬され、人工皮革用不織布71は、シンクロール77を経て、溶液76に浸漬され、その溶液76が不織布71に含浸される。この溶液76が含浸された不織布は、一対のゴムロールから成るマングル78によって、溶液76の付着量が適切に設定される。マングル78を経た参照符79で示される人工皮革用不織布は、乾燥機81の乾燥室82に導かれ、たとえば約100℃で乾熱乾燥され、さらに図1のステップs7で示されるようにテンター83に導かれ、約130℃、1分間、乾熱乾燥され、参照符84で示される人工皮革用不織布が得られる。
溶液付着装置74の溶液76の組成は、次のとおりである。
【0046】
【表1】
【0047】
表1中、商品名エバファノールAP−6の組成は、ポリウレタン樹脂、非イオン界面活性剤、水であって、不揮発分約25%であり、エーテルタイプのウレタンである。
【0048】
商品名テキスポートBGは、有機溶剤BGであって、ブチルグリコールである。
【0049】
商品名NKアシストIS−80Dの組成は、脂肪族ポリイソシアネート、有機溶剤であり、不揮発分約80%と約20%グリコール系溶剤を含み、水、アルコール、アミン等の活性水素化合物と反応し、ウレタンエマルジョンなどの活性水素を有する樹脂と高度に架橋し、水性樹脂の耐久性、接着性、耐水性、強度を向上させ、好ましくは80〜100℃で短時間で架橋反応を完結する。表1の実施例1〜4では、テーパ摩耗4級が得られたが、比較例1,2では、テーパ摩耗1級程度であって不充分であった。
【0050】
商品名ネオステッカーNの組成は、非イオン界面活性剤、水であって、不揮発分約30%である。商品名ドライポン600Eの組成は、シリコーン樹脂、非イオン界面活性剤、水であり、不揮発分約54%であり、ポリ(オキシエチレン)=アルキル=エーテル(C=12〜15)を約2.5%含有する。商品名ドライポンZ−7は、前記商品名ドライポン600Eの触媒として働き、その組成は有機亜鉛塩、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、水を含み、不揮発分約18%、ステアリン酸亜鉛約14%含有し、ポリ(オキシエチレン)=アルキル=エーテル(C=12〜15)約4.3%含有する。溶液76の残部は水である。表1の前記各商品はすべて、日華化学社製である。
【0051】
人工皮革用不織布71が溶液付着装置74で含浸される溶液76のポリウレタン樹脂原料は、後述の段落[0080]〜[0086]のとおり、ポリビニルアルコールを、溶液76中に5〜20%、好ましくは5〜10%含む。
【0052】
図16は、前述の図15におけるテンター83内の処理後における不織布84の一部の拡大断面図である。補強材2の表面および裏面には、ポリウレタン樹脂とポリビニルアルコールの層4a,4bが形成される。この不織布84を、図1のステップs8でバフ加工し、層4aを、参照符87で示されるように、研削して除去し、ウエブの繊維3を露出する。ポリビニルアルコールは、加熱乾燥によって固化し、したがって弾性を有するポリウレタン樹脂のバフ加工による除去を容易にする。ポリビニルアルコールが5%未満では、完成した人工皮革の厚み感がなく、ウエブの量を多くする必要が生じる。これとは逆にポリビニルアルコール10%を超えると、ランニング加工時の液安定性が阻害され、また染色時の品質が低下するとともに、人工皮革の風合いが固くなり、さらに溶液76の粘度が上がり、不織布71への浸透性が悪化する。
【0053】
溶液76に含まれるポリウレタン樹脂原料は、人工皮革の平面摩耗を低下する働きをする。ポリウレタン樹脂原料が40%を超えると、染色時の染料のビルドアップが低下し、充分な染色が困難になる。
【0054】
図17は、本発明に従って製造された人工皮革の一部の拡大断面図である。ウエブの繊維3を囲むポリウレタン樹脂の層4aは、参照符88で示される多数の小孔が存在し、ポーラス状になっている。これによってポリウレタン樹脂の層4aは、適切な弾性を有し、また繊維3の毛羽が良好となり、いわゆるフィンガーマークが得られる。
【0055】
図18は、ポーラス状ポリウレタン樹脂の層4aを説明するための図である。本来、ポリウレタン樹脂フィルムは、通気性のない透明の膜であり、本発明では、水性化ウレタンにポリビニルアルコールを併用することによって、ポリビニルアルコールのほうがポリウレタン樹脂よりも水に馴染みやすいので、ポリウレタン樹脂89の外周にポリビニルアルコール91が存在し、さらにその外周に水92が存在する。テンター83による不織布79に含浸した溶液76を乾燥してセットすることによって、図18(2)に示されるように水分が蒸発する。この溶液76の乾燥によって、不織布84では、図18(3)に示されるように、ポリウレタン樹脂4a内に、小さな細長い隙間92が形成される。
【0056】
その後、染色ステップs9では、染色液に含まれる水に、ポリビニルアルコール91が水溶化され、ポリウレタン樹脂4aの膜からポリビニルアルコール91が無くなる。その後、乾燥することによって、ポリウレタン樹脂4a内に小孔88が存在することになり、ポーラス状となる。
【0057】
図19は、本件発明者の実験によるポリウレタン樹脂のテンター83における温度と固さとの関係を示す図である。本発明では、テンター83における乾熱温度は、前述のように約130℃未満に選び、参照符94で示されるようにせいぜい150℃未満に選び、これによって不織布84は、生機(きばた)の補強材2と同様なストレッチバック性を得ることができるようになる。
【0058】
図20は、溶液76に含まれるポリイソシアネートと不織布84の剛軟度との関係を示すグラフである。図20(1)では、乾燥室82およびテンター83の各温度はいずれも100℃であり、ポリイソシアネート2%未満で剛軟度が、人工皮革に好ましい値になることが確認された。図20(2)では、乾燥室82の温度100℃、テンター83によるセット温度130℃であり、ポリイソシアネート2%未満で、人工皮革に適切な剛軟度が得られることが確認された。
【0059】
図21は、溶液76に含まれる有機溶剤BGの濃度と不織布79のピックアップ率との関係を示すグラフである。有機溶剤BG2〜4%、好ましくは3%で、適切なピックアップ率が得られることが判り、したがって図21のグラフから3〜4%が好ましい。このピックアップ率はまた、前述のマングル78によっても、調整することができる。
【0060】
【表2】
【0061】
実施例4,5では、希望するピックアップ率が前述のように得られたが、比較例3,4ではピックアップ率が不充分であった。
【0062】
図22は、有機溶剤BGの濃度とテーパ摩耗度の関係を示す図である。有機溶剤BG2〜4%で適切なテーパ摩耗が達成されることが確認され、前述のように3〜4%とする。テーパ摩耗は、日本工業規格JIS L 1096に従って測定することができる。
【0063】
図23は、不織布84の一部の拡大断面図である。本発明では溶液76に非イオン界面活性剤を0.5〜1.5%、好ましくは1%含み、これによってポリウレタン樹脂が、図23(1)に示されるように均一に固着することができる。これによってポリウレタン樹脂内に小孔88を均一な分布で存在させ、ポーラスとし、ストレッチバック性、剛軟度の良好な特性を得ることができる。もしも非イオン界面活性剤が溶液76に含まれていないとき、図23(2)に示されるように表面にポリウレタン樹脂4aが固着してしまい、ウエブ繊維3の基端部にポリウレタン樹脂が存在せず、ポリウレタン樹脂が不均一に固着される結果になる。非イオン界面活性剤は、この問題を解決する。
【0064】
図24は、溶液76に含まれるシリコーン樹脂の作用を説明するための不織布84の一部の拡大断面図である。本発明ではシリコーン樹脂1〜5%、好ましくは1〜4%を含む。これによって図24(1)に示されるようにポリウレタン樹脂4a内のウエブ繊維3の集束を抑制し、各繊維3をばらばらにし、これによってフィンガマークの形成が容易になる。もしもシリコーン樹脂が溶液76に含まれないとき、図24(2)に示されるように、繊維3がポリウレタン樹脂4aで集束し、バフ加工時、分離することが困難になり、人工皮革の品質が低下する。
【0065】
図1のステップs8のバフ作業では、サンドペーパ120〜140番手を用い、溶液76の含浸による表面の斑、すなわち凹凸をなくし、次の染色時の染めの不良をなくし、本来の色素を出す。こうしてウエブがポリウレタン樹脂で固められている表面に、バフ作業によって歪みが入れられ、染め機での人工皮革の品位を上げる。
【0066】
図1のステップs9の染色作業では、分散染料を水にコロイド状に分散して染色液に浸漬する。
【0067】
図25は、染色作業を説明するための時間経過に伴う温度を示す。図25の染め最高温度というのは、130℃であり、その染色液に不織布を浸漬する時間は、約40分である。染色時、もみ効果のよい染色液中に近い条件を作る。含浸、乾燥した前述の不織布を、染色時の適切な温度の設定により、また不織布を染色液中で揉む作業を行うことによって、不織布がソフトでストレッチバック性が優れた品位を達成することができ、こうしてウレタン結合を、完全に架橋することができる。この染色液に不織布を浸漬することによってポリウレタン樹脂の層内のポリビニルアルコールの水溶化、除去が行われる。その後、ポリウレタン樹脂の汚染染料を取るために水洗し、またバフ作業を行って粗削りを均一にし、毛羽取りする。
【0068】
また本発明は、次の実施の形態が可能である。
(1)繊維から成るウエブと、織編物から成り、伸縮性を有する補強材とが絡み合わされた人工皮革用不織布を準備するステップと、前記人工皮革用不織布に、ポリウレタン樹脂原料とポリビニルアルコールとを含む溶液を、付着するステップと、その後、加熱して高重合度とするステップと、染色液に浸漬することによってポリビニルアルコールを水溶化して除去するステップとを含むことを特徴とする人工皮革の製造方法。
【0069】
(2)前記加熱乾燥ステップの後、ウエブ側の表面を研削し、前記繊維の先端部を、乾燥した層の表面から露出することを特徴とする人工皮革の製造方法。
【0070】
(3)ポリウレタン樹脂は、
【化1】
であることを特徴とする人工皮革の製造方法。
【0071】
(4)ポリウレタン樹脂は、
【化2】
であることを特徴とする人工皮革の製造方法。
【0072】
(5)ポリウレタン樹脂は、
【化3】
であることを特徴とする人工皮革の製造方法。
【0073】
(6)ポリウレタン樹脂は、
【化4】
であることを特徴とする人工皮革の製造方法。
【0074】
(7)染色液は、分散染料が水にコロイド状に分散されて構成されることを特徴とする人工皮革の製造方法。
【0075】
(8)脂肪族ポリイソシアネート、オリゴマーポリオール、およびポリビニルアルコールを含む溶液を、基布に含浸した後、80〜130℃で加熱乾燥することを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
【0076】
人工皮革用不織布は、ウエブが補強材に絡み合わされて構成され、補強材は伸縮性を有し、この不織布に、ポリウレタン樹脂原料とポリビニルアルコールとを含む溶液を付着して含浸し、加熱によって高重合度とし、弾性に優れたポリウレタン樹脂を不織布に形成し、このとき水性化ウレタンに含まれる水分が蒸発し、ポリウレタン樹脂層内に微小な隙間が形成される。その後、分散染料などの染色液に浸漬することによって、その染色液に含まれる水にポリビニルアルコールが水溶化し、ポリウレタン樹脂層からポリビニルアルコールが除去される。染色液から取出して乾燥することによって、ポリウレタン樹脂の層が、ポリビニルアルコールの除去によってポーラスとなり、ストレッチバック性に優れ、剛軟度、伸長率、セット率などの各種特性に優れた人工皮革を実現することができる。このポリウレタン樹脂によって、ウエブを構成する繊維が補強材から離脱することがなく、その強度が向上され、また耐摩耗性が向上される。
【0077】
ポリウレタン樹脂原料は、ポリイソシアネート、オリゴマーポリオール、鎖長延長剤、架橋剤をさらに含んでもよく、次式1〜4に示される各ポリウレタン樹脂I〜IVを得る。本発明では、たとえばポリイソシアネートを水分散し、使用し、乾熱の温度条件で、式1〜4の反応を制御し、衣料の用途における摩耗強度を維持し、残りの反応を、染色ステップで、完結し、ソフトなポリウレタン樹脂を得る。
【0078】
【化5】
【0079】
本実施の形態によれば、ストレッチバック性に優れ、剛軟度、伸長率、セット率に優れ、フィンガーマークが形成されやすく、さらに屈曲時のしわが生じにくい天然皮革の風合い、触感を有する高品質の人工皮革を製造することができるようになる。
【0080】
(9)前記ポリウレタン樹脂原料は、脂肪族ポリイソシアネートと、オリゴマーポリオールとを含み、前記加熱乾燥温度80〜130℃で架橋反応することを特徴とする人工皮革の製造方法。
【0081】
イソシアネートとポリオールとの反応は、比較的低い80〜130℃、たとえば100〜120℃で行い、これによってポリウレタン樹脂の破壊を防ぎ、適度な弾性を維持し、完成した人工皮革のストレッチバック性、剛軟度を適切に達成することができ、人工皮革の品質を向上することができる。
【0082】
(10)前記溶液は、ポリウレタン樹脂原料20〜40%と、ポリビニルアルコール5〜20%とを含むことを特徴とする人工皮革の製造方法。
【0083】
(11)ポリウレタン樹脂原料とポリビニルアルコールとの重量比は、1〜8(=40/40〜40/5)であることを特徴とする人工皮革の製造方法。
【0084】
イソシアネート、ポリオールなどを含むポリウレタン樹脂原料と、ポリビニルアルコールとの重量割合を適切に選び、これによって前述のように加熱乾燥の温度を比較的低くしてポリウレタン樹脂の重合反応を行うことができるとともに、ポリウレタン樹脂の弾性を適切に保ち、硬くならないようにし、さらにポリビニルアルコールによるポリウレタン樹脂のポーラス化を達成して、人工皮革の弾性を得ることができる。
【0085】
特に、溶液は、ポリウレタン樹脂原料20〜40%、好ましくは25〜30%を含み、比較的少ない割合とし、これに対して、ポリビニルアルコールを5〜20%、好ましくは5〜10%、さらに好ましくは7%含む。ポリウレタン樹脂原料が20%未満では、ウエブの繊維が補強材から剥離しやすく、付着強度が不充分になる。40%を超えると、形成されたポリウレタン樹脂の層からウエブの繊維が露出しにくくなり、したがっていわゆるフィンガマークが生じにくく、人工皮革の風合い、触感を充分に得ることができにくくなり、毛羽が不充分になってしまう。
【0086】
ポリビニルアルコールは加熱乾燥によって固化し、したがって染色液に染色する前に、バフ加工を施してポリウレタン樹脂の層を一部分、研削除去し、ポリウレタン樹脂層の表面からウエブの繊維を部分的に露出して毛羽を形成する加工作業を容易に行うことができる。もしもポリビニルアルコールが含まれていなければ、ポリウレタン樹脂は比較的柔らかく、高い強度を有するので、バフ加工によってウエブの繊維をポリウレタン樹脂の層の表面から露出するようにポリウレタン樹脂層を研削する作業が困難になる。ポリウレタン樹脂原料は、前述のように20〜40%であって比較的小さい混合割合を占めるので、前記溶液にポリビニルアルコール5〜20%を混合することが確実になり、したがってポリウレタン樹脂のバフ加工を容易とし、また染色乾燥後のポリウレタン樹脂をポーラス化することが確実になる。
【0087】
(12)前記溶液は、溶剤としてブチルグリコール2〜4%を含むことを特徴とする人工皮革の製造方法。
【0088】
溶液に含まれる溶剤として、ブチルグリコールBGを含み、前記溶液の取扱いを容易にする。2%未満では、溶剤としての働きが不充分であり、また4%を超えると、人工皮革用不織布を前記溶剤に浸漬した後におけるピックアップ率が低くなりすぎるとともに、その後の比較的低温度の前記加熱乾燥時、溶剤を蒸発除去することが困難になる。
【0089】
(13)前記溶液は、非イオン界面活性剤を含むことを特徴とする人工皮革の製造方法。
【0090】
(14)前記溶液は、シリコーン樹脂1〜5%を含むことを特徴とする人工皮革の製造方法。
【0091】
溶液中に非イオン界面活性剤を含むことによって、溶液中の凝集を防ぎ、染色後の染め斑の発生を防ぎ、良好な風合いの数を達成することができる。このような非イオン界面活性剤は、マイグレーションを防止する働きを果たす。
【0092】
溶液はさらに、シリコーン樹脂1〜5%、好ましくは約4%を含み、これによって人工皮革表面のスリップ性を良好にし、シリコーン樹脂が持つ平滑性によって耐摩耗性を向上し、またバフ効果を向上し、ウエブの繊維の集束を防ぎ、繊維毎にバラバラとしてフィンガマークが生じやすくする。シリコーン樹脂1%未満では、上述の優れた効果を達成することが不充分になり、5%を超えると、染色後の変色が大きいという問題が生じる。
【0093】
(15)繊維から成るウエブと、織編物から成り、伸縮性を有する補強材とが絡み合わされた帯状の人工皮革用不織布を供給する手段と、ポリウレタン樹脂原料とポリビニルアルコールとを含む溶液を貯留し、ポリウレタン樹脂原料は、脂肪族ポリイソシアネートと、オリゴマーポリオールとを含み、人工皮革用不織布が浸漬されて搬送される容器と、容器を通過した人工皮革用不織布を、その人工皮革用不織布の搬送中に、80〜130℃で加熱乾燥する加熱乾燥手段とを含むことを特徴とする人工皮革用不織布の加工装置である。
【0094】
(16)前記溶液は、溶剤としてブチルグリコール2〜4%を含み、容器と加熱乾燥手段との間に、人工皮革用不織布に付着した溶液の一部を除去するマングルが配置されることを特徴とする人工皮革用不織布の加工装置。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、ストレッチバック性に優れ、屈曲時のしわが生じにくい天然皮革の風合い、触感を有する高品質の人工皮革を製造するための補強材が実現される。これによって衣料の用途では、フィット感が優れ、また椅子および車両の内装材の用途では、立体成形した構成におけるしわの発生を抑制することができるようになる。こうして天然皮革の品位と風合いを得て、しかもストレッチバック性に優れた人工皮革を製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の人工皮革の製造方法の各ステップを示す図である。
【図2】図1のステップs5で得られる人工皮革用不織布1の簡略化した断面図である。
【図3】人工皮革用補強材2の製造方法を説明するための各ステップを示すフローチャートである。
【図4】図3のステップr1におけけるたて糸に拠りをかける作業を示す図である。
【図5】図3のステップr2におけるセット作業を示す図である。
【図6】図3のステップr3における部分整経の作業を示す図である。
【図7】図3のステップr4のカバリング機18の作業を示す図である。
【図8】図3のステップr5における糊付け作業を示す図である。
【図9】図8に示される糊付け作業を示すさらに詳細な図である。
【図10】図3のステップr6〜r8における製織作業を示す図である。
【図11】エアジェット織機38の一部の平面図である。
【図12】図10および図11に示されるエアジェット織機38におけるよこ糸48がノズル43からのエアジェットによって打ち込まれる状態を簡略化して示す図である。
【図13】図11のステップs4における高圧水流による補強材2とウエブ3との絡合を行う装置の簡略化した断面図である。
【図14】図13に示されるノズル57,58のノズル孔63,64;65,66の簡略化した平面図である。
【図15】図1のステップs6,s7の作業を行う設備の簡略化した系統図である。
【図16】図15におけるテンター83内の処理後における不織布84の一部の拡大断面図である。
【図17】本発明に従って製造された人工皮革の一部の拡大断面図である。
【図18】ポーラス状ポリウレタン樹脂の層4aを説明するための図である。
【図19】本件発明者の実験によるポリウレタン樹脂のテンター83における温度と固さとの関係を示す図である。
【図20】溶液76に含まれるイソシアネートと不織布84の剛軟度との関係を示すグラフである。
【図21】溶液76に含まれる有機溶剤BGの濃度と不織布79のピックアップ率との関係を示すグラフである。
【図22】有機溶剤BGの濃度とテーパ摩耗度の関係を示す図である。
【図23】不織布84の一部の拡大断面図である。
【図24】溶液76に含まれるシリコーン樹脂の作用を説明するための不織布84の一部の拡大断面図である。
【図25】染色作業を説明するための時間経過に伴う温度を示す。
【符号の説明】
1 人工皮革用不織布
2 補強材
3 ウエブ
4 ポリウレタン樹脂層
6 無撚原糸
7 イタリー式撚糸機
8,22 チーズ
13 糸
14 部分整経機
15 エアジェット織機用ビーム
16 たて糸
18 カバリング機
24 よこ糸
26 絞り部材
29 容器
31 水溶性糊31
32 シンクロール
42 筬
56 無端状支持ベルト
61,62 高圧水流
68,71 人工皮革用不織布
69 乾燥機
73 マングル
74 溶液付着装置
76 溶液
77 シンクロール
79 不織布
83 テンター
89 ポリウレタン樹脂
91 ポリビニルアルコール
Claims (6)
- 繊維から成るウエブが高圧水流の噴射によって絡み合わされて固定されて人工皮革を構成し、
ウエブを構成する前記繊維は、ポリエステル繊維またはナイロン繊維であり、3〜5mmの繊維長を有し、坪量30〜60g/m 2 であり、繊維径2〜6μmφであり、0.05〜0.1dである人工皮革用補強材であって、
エアジェット織機によって製織される織物であり、
よこ糸は、伸縮性を有するストレッチ糸を、芯糸として2〜4倍に引き伸ばした状態で、ポリエステル糸を捲き付け、水溶性糊によって収縮を止めたカバードヤーンであり、
ストレッチ糸は、ポリウレタン糸の撚り糸であり、よこ糸の3〜10%であり、繊度は40〜60デシテックスであり、
前記ポリエステル糸は、15〜28本のフィラメントから成る撚り糸であり、繊度40〜60デシテックスであり、
水溶性糊は、ポリビニルアルコール24〜27%水溶液であり、
たて糸は、ポリエステル糸であり、
空気透過率150〜300cc/Lであることを特徴とする人工皮革用補強材。 - たて糸は、無撚原糸に撚りをかけ、真空乾熱セットして撚りによるトルクの発生が抑えられていることを特徴とする請求項1記載の人工皮革用補強材。
- よこ糸は、ストレッチ糸を芯糸として引き伸ばした状態でポリエステル糸を捲き付け、さらに撚りをかけ、その後、水溶性糊によって収縮が止められていることを特徴とする請求項1または2に記載の人工皮革用補強材。
- 人工皮革用補強材を準備し、この補強材は、織物であり、よこ糸は、伸縮性を有するストレッチ糸を、芯糸として2〜4倍に引き伸ばした状態で、ポリエステル糸を捲き付け、水溶性糊によって収縮を止めたカバードヤーンであり、
ストレッチ糸は、ポリウレタン糸の撚り糸であり、よこ糸の3〜10%であり、繊度は40〜60デシテックスであり、
前記ポリエステル糸は、15〜28本のフィラメントから成る撚り糸であり、繊度40〜60デシテックスであり、
水溶性糊は、ポリビニルアルコール24〜27%水溶液であり、付着量10〜15%であり、その付着された後に、乾燥固化し、
たて糸は、ポリエステル糸であり、
空気透過率150〜300cc/Lであり、
この補強材は、エアジェット織機によって製織され、
補強材の上にウエブを重ねて積層し、2層構造体を構成し、
ウエブを構成する繊維は、ポリエステル繊維またはナイロン繊維であり、3〜5mmの繊維長を有し、坪量30〜60g/m 2 であり、繊維径2〜6μmφであり、0.05〜0.1dであり、
2層構造体上に、高圧水流を柱状に噴射し、ウエブの繊維を、補強材に絡み合わせて固定した不織布を乾燥し、その乾燥した不織布の基布が坪量85〜97g/m 2 、厚み400〜450μm、密度0.2〜0.3であり、
基布をシンクロールによって溶液に浸漬し、
この溶液は、
水性化ポリウレタン樹脂原料を25〜30%と、
ポリビニルアルコールを5〜10%と、
有機溶剤としてのブチルグリコールを3〜4%と、
ポリイソシアネート0.5〜2%と、
非イオン界面活性剤を0.5〜1.5%と、
シリコーン樹脂を1〜5%とを含み、
この浸漬後、100〜150℃で乾燥して、
ウエブが固定された補強材上に、小孔が均一な分布で存在するポーラス状ポリウレタン 樹脂の層4aを形成し、
ポーラス状ポリウレタン樹脂の層4aをバフ加工して研削してウエブの繊維を露出し、
その後、染色液に浸漬して染色し、ウレタン結合を完全に架橋するとともに、ポリウレタン樹脂の層内のポリビニルアルコールの水溶化、除去を行うことを特徴とする人工皮革の製造方法。 - 請求項4の製造方法によって製造された衣料または自動車の座席シートに用いられる人工皮革。
- 人工皮革の製造方法において用いられる溶液であって、
前記人工皮革の製造方法は、
人工皮革用補強材を準備し、この補強材は、織物であり、よこ糸は、伸縮性を有するストレッチ糸を、芯糸として2〜4倍に引き伸ばした状態で、ポリエステル糸を捲き付け、水溶性糊によって収縮を止めたカバードヤーンであり、
ストレッチ糸は、ポリウレタン糸の撚り糸であり、よこ糸の3〜10%であり、繊度は40〜60デシテックスであり、
前記ポリエステル糸は、15〜28本のフィラメントから成る撚り糸であり、繊度40〜60デシテックスであり、
水溶性糊は、ポリビニルアルコール24〜27%水溶液であり、付着量10〜15%であり、その付着された後に、乾燥固化し、
たて糸は、ポリエステル糸であり、
空気透過率150〜300cc/Lであり、
この補強材は、エアジェット織機によって製織され、
補強材の上にウエブを重ねて積層し、2層構造体を構成し、
ウエブを構成する繊維は、ポリエステル繊維またはナイロン繊維であり、3〜5mmの繊維長を有し、坪量30〜60g/m 2 であり、繊維径2〜6μmφであり、0.05〜0.1dであり、
2層構造体上に、高圧水流を柱状に噴射し、ウエブの繊維を、補強材に絡み合わせて固定した不織布を乾燥し、その乾燥した不織布の基布が坪量85〜97g/m 2 、厚み400〜450μm、密度0.2〜0.3であり、
基布をシンクロールによって溶液に浸漬し、
この浸漬後、100〜150℃で乾燥して、
ウエブが固定された補強材上に、小孔が均一な分布で存在するポーラス状ポリウレタン樹脂の層4aを形成し、
ポーラス状ポリウレタン樹脂の層4aをバフ加工して研削してウエブの繊維を露出し、
その後、染色液に浸漬して染色し、ウレタン結合を完全に架橋するとともに、ポリウレタン樹脂の層内のポリビニルアルコールの水溶化、除去を行ない、
前記溶液は、水性化ポリウレタン樹脂原料を25〜30%と、
ポリビニルアルコールを5〜10%と、
有機溶剤としてのブチルグリコールを3〜4%と、
ポリイソシアネート0.5〜2%と、
非イオン界面活性剤を0.5〜1.5%と、
シリコーン樹脂を1〜5%とを含む人工皮革を製造するための溶液。
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