JP4200192B2 - 二重床上の間仕切り壁支持構造 - Google Patents

Description

本発明は、コンクリートスラブなどの下床の上に上床を施工する二重床の上に設ける間仕切り壁の支持構造に関する。

従来から、コンクリートスラブなどの下床の上に床支持具を配置し、その上にパーティクルボードなどの上床パネルを貼付する二重床が知られている（特許文献１〜５参照）。
特開昭５７−１１９０５５号公報 特開平１０−２４５９６４号公報 特開２００１−９８７４７号公報 実開昭５６−１５５０４２号公報 実開昭５６−１７４６３６号公報

図４は二重床上の間仕切り壁の略平面説明図、図５は図４におけるＡＡ線断面図で、従来の二重床上の間仕切り壁の構造を説明するものである。

図４において、間仕切り壁１は二重床上に設けられ、同図の上側がＡ室、下側がＢ室となっている。

図５において、Ａ、Ｂ室の二重床は鉄筋コンクリートなどの下床１７上に床支持具２、３を適宜に配置し、その上にパーティクルボードなどの上床ベースパネル１５を貼付する。さらにその上にはフローリン材など任意の仕上げ材１６を貼付する。間仕切り壁１の下部において、下床１７上に床支持具２を壁の長さ方向に沿って配置し、その床支持具２で両側のＡ、Ｂ室の上床ベースパネル１５の端部を支持している。

この場合、間仕切り壁１は木材で組み立てた軸組１２の両側に壁材１３（プラスターボード、ベニヤ合板など）を貼付したもので、下部には巾木１４が設けられている。間仕切り壁１は上床ベースパネル１５の上に組み立てられている。

従来の二重床上の間仕切り壁構造は、下床上から間仕切り壁を立設する構造に比べて、施工が簡単で工期、コスト上有利である反面、上床上で発生した騒音や振動が上床ベースパネルから間仕切り壁へ直接伝わり、さらには間仕切り壁から隣室に伝わる（図５の波形参照）ので、騒音防止性能がきわめて悪いという問題があった。本発明は、この問題点を解決し、騒音防止効果に優れた二重床上の間仕切り壁支持構造を開発することを課題とするものである。

本発明は、下床上に間仕切り壁の長さ方向に沿って壁支持具を配置し、該壁支持具***にベースパネルを該壁の長さ方向に沿って設け、該ベースパネル上に間仕切り壁を立設し、前記壁支持具の両端で間仕切り壁の両側の部屋の二重床の上床ベースパネルを支持し、該ベースパネルと該上床ベースパネルの間に緩衝材を設けた壁支持構造であって、前記壁支持具が、ボルトと該ボルト下部に取り付けた弾性体でなる脚部とボルト上部に高さ調整可能に取り付けた支持板部とを有する床支持具と、前記支持板部の上面に前記間仕切り壁の長さ方向に配設した根太であり、前記根太が前記ボルトを挟んで平行に２本配設されていることを特徴とする二重床上の間仕切り壁支持構造である。

本発明において、間仕切り壁の両側の部屋の二重床は、上床が下床上に間隔をあけて形成されているもの全てを意味し、上床を支持する床支持具は、上床を下床から浮かせて支持できるものであればよい。図２は単足の床支持具２の例で、支持板部５、受金具７、ボルト６、脚部８からなる。支持板部５は木質の板でボルト孔を有し、下面に受金具７が固定されている。受金具７は雌ねじ孔にボルト６が螺着される。脚部８は防振ゴムでボルト６の下端が挿入されている。ボルト６の上面には直径方向の溝があり、上からドライバーで回転して高さ調整が可能である。図３は複足の床支持具３で、図２と同じ機能の部材に同じ符号を付している。床支持具としては、図２の単足床支持具、図３の複足の床支持具、これらの組み合わせ、又古来の大引・根太など種々のものを用いることができる。なお、図２、３は上段に平面図、下段に断面図を示している。

間仕切り壁が、両側の部屋の上床ベースパネルと分離したペースパネル上に立設され、上床ベースパネルとペースパネルとの間に緩衝材が設けられているので、双方の部屋の上床の騒音、振動が間仕切り壁及び他方の部屋に伝わりにくく、騒音防止効果が向上する。

本発明において、壁支持具を、ボルトと該ボルト下部に取り付けた弾性体でなる脚部とボルト上部に高さ調整可能に取り付けた支持板部とを有する床支持具と、前記支持板部の上面に間仕切り壁の長さ方向に配設した根太とから構成することが望ましい。ここにおいて、床支持具としては、例えば図２、３の床支持具２、３を用いることができる。このような床支持具は、弾性体の脚部によって振動が下床に伝わるのを防ぎ、簡単に高さ調整ができるので施工が簡単である。根太としては、例えば長尺の木材を用いることができる。根太は壁の全長に亘って設けることが望ましい。

根太は前記床支持具のボルトを挟んで平行に２本配設することが望ましい。根太を左右に分離することで、一方の部屋の上床の振動、騒音が根太を通じて他方の部屋に伝わるのを低減することができる。また、２本の根太の隙間からボルトを回転して高さ調整を容易に行うことができる。

上床ベースパネルは上床を構成する構造材（上床の荷重を受け止めて床支持具に伝達するもの）であれば良く、一般的にはパーティクルボード又は合板である。

間仕切り壁の下部のベースパネルは上床ベースパネルと同じ材質、同じ厚さのものを用いることが望ましいが、それに限るものではない。

緩衝材は、コーキング材、スポンジなどの発泡材、ゴムなど、振動や騒音を伝えにくい軟質のものであればよい。

図１は実施例の二重床上の間仕切り壁支持構造の断面説明図である。Ａ室及びＢ室は、下床１７上に適宜間隔で配置した床支持具３の上に上床ベースパネル１５を貼付し、さらにその上に仕上げ材１６（フローリングパネル）を貼付している。Ａ室とＢ室とは異なる仕上げ材、例えば一方をフローリングパネルとし、他方を捨て貼りベニヤの上に絨毯仕上げとすることもできる。間仕切り壁１は木材で組み立てた軸組１２の両側に壁材１３を貼付し、下部に巾木１４を設けたもので、下床１７上に壁１の長さ方向に沿って壁支持具９を配置し、壁支持具９の上の中央にベースパネル１１を壁１の長さ方向に沿って設け、その上に間仕切り壁１を立設している。

壁支持具９は下床１７の上に適宜間隔で配置した単足の床支持具２と、その上に床支持具２のボルト６を挟んで平行に２本配設した根太１０とからなる。床支持具２は図２に示すもので、ボルト６とボルト６下部に取り付けた弾性体でなる脚部８とボルト６上部に高さ調整可能に取り付けた支持板部５を有する。２本の根太１０の間からドライバーでボルト６を回転し、容易に高さ調整をすることができる。床支持具は単足のものに限らず、複足のものを用いることもできる。壁支持具９は間仕切り壁１を支持すると共に、両端で間仕切り壁１の両側の部屋（Ａ室、Ｂ室）の二重床の上床ベースパネル１５の端部を支持する。ベースパネル１１と上床ベースパネル１５の間には緩衝材４を設けている。

本発明は、マンション、事務所建築などの二重床の間仕切り壁に適用して有効なものである。下床としては、主にコンクリートスラブであるが、これに限るものではない。

実施例の二重床上の間仕切り壁支持構造の断面説明図である。 床支持具２の説明図である。 床支持具３の説明図である。 二重床上の間仕切り壁の略平面説明図である。 図４におけるＡＡ線断面図で、従来の二重床上の間仕切り壁支持構造の説明図である。

符号の説明

１ 間仕切り壁
２ 床支持具
３ 床支持具
４ 緩衝材
５ 支持板部
６ ボルト
７ 受金具
８ 脚部
９ 壁支持具
１０ 根太
１１ ペースパネル
１２ 軸組
１３ 壁材
１４ 巾木
１５ 上床ベースパネル
１６ 仕上げ材
１７ 下床

Claims (1)

1. 下床上に間仕切り壁の長さ方向に沿って壁支持具を配置し、該壁支持具***にベースパネルを該壁の長さ方向に沿って設け、該ベースパネル上に間仕切り壁を立設し、前記壁支持具の両端で間仕切り壁の両側の部屋の二重床の上床ベースパネルを支持し、該ベースパネルと該上床ベースパネルの間に緩衝材を設けた壁支持構造であって、前記壁支持具が、ボルトと該ボルト下部に取り付けた弾性体でなる脚部とボルト上部に高さ調整可能に取り付けた支持板部とを有する床支持具と、前記支持板部の上面に前記間仕切り壁の長さ方向に配設した根太であり、前記根太が前記ボルトを挟んで平行に２本配設されていることを特徴とする二重床上の間仕切り壁支持構造

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