JP4198952B2 - メチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩の晶析方法 - Google Patents

メチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩の晶析方法 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、DL−メチオニン(以下、「メチオニン」と略す。)のアルカリ金属塩を含む水溶液から、脱液性のよいメチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩の混合結晶を効率よく取得する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ヒダントインアナログであるメチオニン前駆体とカリウム塩とを含む水溶液を加熱し、メチオニンの前駆体を加水分解してメチオニンとカリウム塩を含む水溶液を得た後、この水溶液に炭酸ガスを導入して中和し、メチオニンを晶析させたスラリーを固液分離して、メチオニンを単離する方法が知られている。また、前記スラリーを固液分離して得られる母液は、溶解度分のメチオニンと結晶化しないカリウム塩を含んでいる。そのため、該母液をメチオニン前駆体とカリウム塩とを含む水溶液に添加して、メチオニン前駆体の加水分解反応を行なうことが行なわれている。
【0003】
しかしながら、前記母液にはメチオニン以外の不純物も含まれるため、母液の全量を加水分解反応に再利用すると、反応系に不純物が蓄積する問題がある。そこで、母液の一部から有用成分であるメチオニン及びカリウム塩を結晶として回収し、不純物は濾液として廃棄する方法が報告されている。
【0004】
例えば、アセトンやメチルアルコール等の貧溶媒を母液に添加し、炭酸ガスで中和してメチオニン及びカリウム塩の溶解度を下げて結晶化させ、メチオニンとカリウム塩を回収する方法(特公昭54−9174号公報)や、貧溶媒としてイソプロピルアルコールを母液に添加し、炭酸ガスで加圧下中和して、メチオニンとカリウム塩の混合結晶を取得する方法(特開平5−320124号公報)等が挙げられる。これらの方法においては、分離したメチオニンとカリウム塩の混合結晶は、母液へ再溶解させて、加水分解反応の原料として再利用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法においては、得られるメチオニンの結晶とカリウム塩の結晶の混合物(以下、「混合結晶」ともいう。)は、結晶群全体として粒径が小さく脱液性(固液分離性)が悪いため、混合結晶中に貧溶媒が多く残存するという問題がある。有機溶媒は加水分解反応に寄与せず、加水分解反応に好ましい影響を与えないため、混合結晶中の残存有機溶媒はできるだけ少ないことが望ましい。
【0006】
本発明は、上記した問題を解決すべくなされたものであり、脱液性のよいメチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩の混合結晶を効率よく取得できるメチオニン及びアルカリ金属塩の晶析方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、5−(2’−メチルチオエチル)ヒダントインを加水分解した後、メチオニンを晶析させ、晶析したメチオニンを固液分離して得られる母液の濃縮液(以下、「濃縮母液」という。)から、メチオニンと炭酸水素カリウムの混合結晶を取得する方法について鋭意検討した。
【0008】
その結果、1段階目として、濃縮母液に炭酸ガスを加圧下吸収させて中和し、炭酸水素カリウムを析出させ、2段階目として、炭酸水素カリウムを含むスラリーに、有機溶媒、濃縮母液及び炭酸ガスを同時に供給し、メチオニンと炭酸水素カリウムの結晶化を進行させ、3段階目として冷却して混合結晶の熟成を行なうことにより、脱液性に優れる混合結晶を得ることができることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0009】
かくして本発明によれば、メチオニンとアルカリ金属塩とを含む水溶液から、メチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩を中和晶析するメチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩の晶析方法であって、前記水溶液に炭酸ガスを供給してアルカリ金属炭酸水素塩のスラリーを得る工程と、得られたスラリーに、貧溶媒及び炭酸ガスを同時に供給する工程とを有するメチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩の晶析方法が提供される。
【0010】
本発明は、前記得られたスラリーに、前記水溶液、貧溶媒及び炭酸ガスを同時に供給するものであるのが好ましい。
また、前記水溶液が、5−(2’−メチルチオエチル)ヒダントインを加水分解した後、晶析したメチオニンを固液分離して得られる母液、又は該母液の濃縮液であるのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の晶析方法について、1)メチオニンとアルカリ金属塩を含む水溶液、及び2)メチオニンとアルカリ金属炭酸水素塩の晶析方法に項分けして詳細に説明する。
【0012】
(1)メチオニンとアルカリ金属塩を含む水溶液
本発明に用いる水溶液は、少なくともメチオニン及びアルカリ金属塩を含む水溶液であれば、メチオニン及びアルカリ金属塩の濃度、pH等に特に制約されない。
前記水溶液に含まれるアルカリ金属塩としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;等が挙げられる。また、前記水溶液に含まれるメチオニンは、遊離のメチオニンであっても、メチオニンのアルカリ金属塩であっても、これらの混合物であってもよい。
【0013】
前記水溶液としては、5−(2’−メチルチオエチル)ヒダントインを加水分解した後、晶析したメチオニンを固液分離して得られる母液であるのが好ましく、濃縮母液であるのがより好ましい。
【0014】
前記水溶液として濃縮母液を使用する場合、濃縮母液には、メチオニン及びアルカリ金属塩のほかに、未反応原料の5−(2’−メチルチオエチル)ヒダントイン、及び不純物として、下記式で表されるメチオニン誘導体(a)、(b)が含まれる。
【0015】
【化1】
Figure 0004198952
【0016】
濃縮母液の組成は、メチオニンが、通常2〜8重量%、好ましくは4〜6重量%、アルカリ金属塩が、通常10〜17重量%、好ましくは12〜15重量%である。
【0017】
また、濃縮母液は、メチオニンを晶析する際にメチオニンの結晶の形状を制御するグルテン、ポリビニルアルコール、半合成セルロース等の添加剤を併用してメチオニンを晶析後、メチオニンを固液分離して得られる母液の濃縮液であってもよい。
【0018】
(2)メチオニン及びアルカリ金属塩の晶析方法
本発明の晶析方法は、前記水溶液に炭酸ガスを供給してアルカリ金属炭酸水素塩のスラリーを得る工程と、得られたスラリーに、貧溶媒及び炭酸ガスを同時に供給する工程とを有する。
【0019】
本発明の晶析方法は、具体的には、先ず、メチオニン及びアルカリ金属塩を含む水溶液に、撹拌下冷却しながら炭酸ガスを供給して(吸収させて)中和して、アルカリ金属炭酸水素塩を析出させる(1段階目)。この段階でスラリーとなる。次いで、該スラリーを撹拌下冷却しながら、貧溶媒及び炭酸ガスを同時に供給して、メチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩の混合結晶を析出させる(2段階目)。さらに、全容を冷却することにより、溶解度分のメチオニンと炭酸水素カリウムを析出させる(3段階目)。
【0020】
本発明の晶析方法によれば、析出するメチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩の混合結晶は、全体として平均粒径の大きい結晶群となり、脱液性(固液分離性)を大幅に改善することができ、1回の固液分離での処理量を増加させることができる。また、得られる混合結晶中に含まれる貧溶媒量を減少させることができる。
【0021】
前記2段階目の操作においては、貧溶媒及び炭酸ガスに加えて、前記水溶液を同時にスラリーに供給するのがより好ましい。水溶液を供給することで、水溶液全体からのメチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩の回収効率を向上させることができる。また、水溶液を同時に供給することで、1段階目及び2段階目で析出したメチオニン及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩の微細な混合結晶を溶解させ、全体として平均粒径のより大きな結晶群となり、脱液性(固液分離性)をさらに改善することができ、1回の固液分離での処理量をより増加させることができる。
【0022】
1段階目と2段階目で使用する水溶液の割合は、1段階目と2段階目で使用する水溶液の総重量を100%とすると、1段階目で使用する水溶液の量は、通常30〜90%、好ましくは40%〜80%である。1段階目の水溶液の量が2段階目に添加する水溶液に比して多すぎると、析出する炭酸水素カリウムの量が少なく、混合結晶としての固液分離性が向上しない。逆にあまりに少ないと、2段階目で添加する水溶液による微結晶の溶解効果が得られない。
【0023】
前記2段階目に用いる貧溶媒としては、メチオニンの溶解度が小さい有機溶媒であれば特に制約されないが、水溶液から容易に蒸発除去することができる低沸点の有機溶媒が好ましく、低沸点で、水と相溶性のある有機溶媒がより好ましい。
【0024】
貧溶媒として用いることができる有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類;等が挙げられる。これらの有機溶媒は単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
これらの中でも、運転コスト及び効率よくメチオニンを晶析させることができる観点から、アルコール類の使用が好ましく、炭素数1〜3のアルコールの使用がより好ましく、メチルアルコール又はイソプロピルアルコールの使用がさらに好ましく、メチルアルコールの使用が特に好ましい。
【0026】
貧溶媒の使用量は、また1段階目と2段階目で使用する水溶液の総重量を100%とすると、2段目で使用する貧溶媒の重量は、通常50%〜200%、好ましくは150%に相当する量である。貧溶媒の使用量があまりに少ないと、メチオニンとアルカリ金属炭酸水素塩の溶解度が下がらないため、メチオニンとアルカリ金属炭酸水素塩の回収量が不十分となる。逆にあまりに多いと、混合結晶のスラリーを固液分離後、濾液より貧溶媒を回収する必要が生じるため、作業効率上好ましくない。
【0027】
操作pHは、1段階目では、通常pH8〜9、好ましくは8.3〜8.9である。1段階目の操作は、アルカリ金属炭酸水素塩の結晶を析出させるのが目的であり、pHで8〜9の範囲まで炭酸ガスで中和されるが、pH値があまりに高い場合には、アルカリ金属炭酸水素塩の析出量が少なくなる一方で、低い場合にはメチオニンの結晶が析出するため好ましくない。
【0028】
2段階目では、終了時でのpH値で、通常7〜9、好ましくは7.7〜8.2である。また、3段階目では、メチオニンと炭酸水素カリウムをできるだけ結晶として回収する必要があるため、pH値は、通常7〜8、好ましくは7.4〜7.8である。2段階目及び3段階目の水溶液のpH値があまりに低い場合には、炭酸ガスの圧力を上げる必要があるので装置的に負荷がかかり、高い場合には、メチオニンとアルカリ金属炭酸水素塩の回収量が減少する。
【0029】
操作温度は、1〜3段階目ともに0〜40℃、好ましくは5〜20℃である。操作温度があまりに高いときは、メチオニンとアルカリ金属炭酸水素塩の回収量が低下し、低いときは、不純物の溶解度が低下し、混合結晶へ混入量が増加する。
【0030】
操作圧力は、1〜3段階目ともにゲージ圧で0〜0.5MPa、好ましくはゲージ圧で0.1〜0.3MPaである。操作圧力があまりに低いと、メチオニンとアルカリ金属塩の水溶液のスラリーのpHが下がらず、あまりに高いと装置的に負荷がかかるため好ましくない。
【0031】
操作(晶析)に要する時間は、1段階目は、通常30〜90分、好ましくは45〜60分である。1段階目の操作時間があまりに短いと、アルカリ金属炭酸水素塩が結晶化が不十分となり、あまりに長いと工程の所要時間が延びるので、作業効率上好ましくない。2段階目は、通常30〜90分、好ましくは45〜60分である。2段階目の操作時間があまりに短いと、メチオニンの結晶化が不十分となる一方で、あまりに長いと、工程の所要時間が延びるので、作業効率上好ましくない。3段階目は冷却による結晶化を促進するのが目的であり、操作時間は、通常5〜80分、好ましくは20〜60分である。
【0032】
本発明の晶析方法においては、1段階目、2段階目、3段階目の操作を同じ撹拌槽で行なうことができるし、1段階目、2段階目、3段階目の操作をそれぞれ別々の撹拌槽で行なうこともできる。例えば、1段階目で、連続的ないしは断続的に前記水溶液と炭酸ガスとを供給して中和してアルカリ金属炭酸水素塩を結晶化させ、得られたスラリー(1)を2段階目の撹拌槽へ連続的ないしは断続的に輸送し、メチオニンとアルカリ金属塩とを含む水溶液、貧溶媒及び炭酸ガスを同時に供給してスラリー(2)を得る。次いで、スラリー(2)を3段階目の撹拌槽へ連続的ないしは断続的に供給して、3段目の撹拌槽を冷却する、というような連続操作としてもよい。
【0033】
3段階目の晶析が終了した後は、固液分離装置を使用してメチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩の混合結晶と水分とを分離することにより、メチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩の混合結晶を回収する。用いる固液分離装置は特に限定されるものではないが、例えば、遠心分離機、ヌッチェ式ろ過器、回転ドラム式連続ろ過器等、一般的なろ過装置を用いることができる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
容量700リットルの加圧型撹拌槽に、1段階目として、重量基準でメチオニン6%、カリウム塩14%、前記式(b)で表されるメチオニンのジペプチド体(以下、「DP」と略記する。)1.0%を含む濃縮母液210kgを仕込み、15〜20℃で撹拌しながら、炭酸ガスを22kg/hで45分間吹き込むことにより、前記濃縮母液のpH値を8.5として、炭酸水素カリウムを析出させ、炭酸水素カリウムのスラリー(A)を得た。得られた炭酸水素カリウムの結晶の体積平均径は240μmであった。
【0035】
2段階目として、炭酸水素カリウムのスラリーに、20℃で撹拌下、濃縮母液を70kg/h、メチルアルコールを350kg/h、炭酸ガスを22kg/hで同時に45分間供給し、メチオニンと炭酸水素カリウムの晶析を行ない、スラリー(B)を得た。スラリー(B)のpH値は8.0となった。1段階目と2段階目で仕込んだ濃縮母液の総量は263kg、メチルアルコールは263kgで、1段階目で仕込んだ濃縮母液は、1段階目と2段階目で仕込んだ濃縮母液の総量の80%であった。
【0036】
さらに、3段階目として、攪拌下、スラリー(B)をジャケット冷却により10℃まで冷却することにより、気相部の炭酸ガスを吸収させて、メチオニンと炭酸水素カリウムの混合結晶のスラリー(C)を得た。スラリー(C)のpH値は7.7となった。スラリー(C)450リットルの内、225リットルを遠心分離装置(バスケット容量100リットル)へ、330Gで給液し、510Gで10分脱液、混合結晶に対し0.5倍重量の蒸留水で洗浄し、510Gで10分脱水後、混合結晶を掻き取った。
得られた混合結晶の平均粒径は70μmであり、混合結晶中の残存メチルアルコールは重量で0.3%であった。使用した濃縮母液中のDPの量を100%とすると、混合結晶中にDPが3%混入していた。
【0037】
(比較例1)
容量700リットルの加圧型撹拌槽に、炭酸ガス加圧下、重量でメチオニン5.5%、カリウム塩13%、不純物のDP1.2%を含む濃縮母液を136kg、メチルアルコールを134kgを仕込み、15〜20℃で撹拌しながら、炭酸ガスを22kg/hで95分間供給し、濃縮母液のpH値を7.8まで下げ、メチオニンと炭酸水素カリウムの混合結晶を析出させた。得られた混合結晶のスラリー(D)の180リットルを、遠心分離装置へ330Gで給液し、510Gで10分脱液、混合結晶に対し1.5倍重量の蒸留水で330Gで洗浄し、510Gで10分脱水後、混合結晶を掻取った。
得られた混合結晶の平均粒径は30μmであり、混合結晶中の残存メチルアルコールは11%と高い値であった。また、使用した濃縮母液中のDPの量を100%とすると、混合結晶中にDPが13%が混入していた。
【0038】
実施例1と比較例1とから、1段階目として、濃縮母液に炭酸ガスを吹き込むことにより、炭酸水素カリウムのスラリー(A)を得たのち、2段階目として、炭酸水素カリウムのスラリーに、濃縮母液、メチルアルコール及び炭酸ガスを同時に供給すると、相対的に平均粒径の大きく、脱液性に優れる混合結晶が得られる事がわかった。
【0039】
(実施例2)
1段階目で仕込む濃縮母液の割合を変えた以外、実施例1と同様に実施し、遠心分離装置で固液分離し、得られたメチオニンと炭酸水素カリウムの混合結晶中のメチルアルコール濃度を図1に示す。図1から、1段階目の濃縮母液の重量)/(2段階目の濃縮母液の総重量)×100(%)の値が40〜80の範囲で、混合結晶中のメチルアルコール(残留メチルアルコール)が0.5重量%未満であることがわかった。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、脱液性のよいメチオニン及びアルカリ金属塩の混合結晶を効率よく取得できるメチオニン及びアルカリ金属塩の晶析方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例2で遠心分離して得られたメチオニンと炭酸水素カリウムの混合結晶中のメチルアルコール濃度を示す図である。図1中、縦軸は、混合結晶中のメチルアルコールの重量%を表し、横軸は、(1段階目の濃縮母液の重量)/(2段階目の濃縮母液の総重量)×100(%)の値を示す。

Claims (3)

  1. メチオニンとアルカリ金属塩とを含む水溶液から、メチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩を中和晶析するメチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩の晶析方法であって、前記水溶液に炭酸ガスを供給してアルカリ金属炭酸水素塩のスラリーを得る工程と、得られたスラリーに、貧溶媒及び炭酸ガスを同時に供給する工程とを有するメチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩の晶析方法。
  2. メチオニンとアルカリ金属塩とを含む水溶液から、メチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩を中和晶析するメチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩の晶析方法であって、前記水溶液に炭酸ガスを供給してアルカリ金属炭酸水素塩のスラリーを得る工程と、得られたスラリーに、前記水溶液、貧溶媒及び炭酸ガスを同時に供給する工程とを有するメチオニン及びアルカリ金属炭酸水素塩の晶析方法。
  3. 前記水溶液が、5−(2’−メチルチオエチル)ヒダントインを加水分解した後、晶析したメチオニンを固液分離して得られる母液、又は該母液の濃縮液であることを特徴とする請求項1又は2に記載のメチオニンの晶析方法。
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