JP4196896B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

この発明は、腕時計、自動車などのメーターパネル、電子手帳、コンピュータやテレビなどの情報機器端末、または情報掲示板の示示部などに用いる反射型の明るい表示素子および電子装置の構造と構成に関する。
腕時計においては針式のアナログ時計、液晶表示素子を備えたデジタル時計に加えて、最近では表示する情報が多種多様化したため液晶の小窓を備えたハイブリッド時計、さらには針式のアナログ時計の表面に液晶表示素子を重ねた2層式の時計まで開発されてきた。
特開昭54−94940 特開昭54−136718 特開昭55−26986 特開昭55−46845 特開昭55−188786 特開昭56−23024 特開昭56−65618
このほか時計や電子手帳の分野においては、様々な機能を搭載した多機能型の機種が開発されつつある。このような用途においても新しい時計の顔となるような目新しい表示素子の開発が待たれている。
また特殊用途の電子機器の表示部、たとえば自動車のメーターパネルなどでは、限られたスペースに多種多様な情報を表示する必要がある。また自動車のメーターパネルにおいてはアナログ式とデジタル式のモデルをどちらか選ばなければならなかった。
また時計も含めた情報機器分野においては小型携帯化が進行し、それに登載する表示装置も省電力化が求められている。またこのような携帯型の情報表示装置または情報処理装置においては電池を用いることが一般的であり、従って装置を使用する上で電池の寿命が極めて重要な要素となる。この為最近、太陽電池を組み合わせた装置が開発されつつある。例えば特公平3−61930などでは、液晶表示素子と太陽電池を重ね合わせて装置の省スペース化を図っている。また特開昭63−106725などでは液晶表示素子の周辺に太陽電池を配置する構成、およびこの時の液晶表示素子として高分子中に液晶がカプセル状に分散している表示素子を用いた例を提示している。
一方でこのような課題を解決する、あるいはこれらの用途に合うような、偏光板を用いない、明るい反射型表示素子が開発されつつある。例えば電界印加で透明、電界無印加で散乱するモード(PDLCと略記、特公昭58−501631など)や、電界印加で散乱、電界無印加で光吸収あるいは透明となるもの(リバースPDLCと略記、ゲルネットワーク型としては特開平4−227684など、粒子配向分散型としては特開平5−119302など、液晶の液滴分散型としてはアメリカ特許4,994,204など)などが開発されている。いずれも用いる液晶や高分子の屈折率異方性を高めて散乱度を向上させるためにターフェニル骨格またはヘテロ原子を含むターフェニル骨格を有する液晶または高分子を用いている。
ところが従来のハイブリッド時計ではアナログ表示部とデジタル表示部を別に設ける必要があるためそれそれの表示面積が狭くなり、視認性が落ちる課題があった。またデジタル表示部は偏光板を用いるツイストネマチック型であるため表示が暗くさらに視認性が落ちる課題も有していた。さらにこうしたハイブリッド時計に太陽電池を組み合わせるようなことはその面積的制約により極めて困難であった。このような課題を解決するために、ハイブリッド時計や電子計算機などに太陽電池と液晶表示素子を重ねて用いる構成は、特許としては成立しているが、太陽電池に組み合わせる液晶表示素子の透過率が悪いため(偏光板を用いるツイストネマチック型では透過率3 0%以下、ゲストホスト型液晶を用いる場合では透過率60%以下)であるために発電効率が落ち、またその表示モードが、背景として太陽電池のような色の暗い反射板を用いると、視認性が極めて低下するなどの課題を有している。また動的散乱効果を用いた液晶表示素子と太陽電池を重ねる場合は、その表示原理がイオン流動を伴うため消費電力が大きく、太陽電池と組み合わせることが難しかった。
また車載用のメーターパネルなど特殊用途の電子装置の表示部においては、限られたスペースにアナログ表示とデジタル表示の両方を組み込む場合もあり、このような場合には表示スペースを大きくとる必要があった。
また最近カーナビゲーションシステム、車載テレビ及びビデオが普及しているが、通常ディスプレイがセンターコンソールボックス付近についており、ディスプレイを見る度に視線を助手席側に向ける必要があり、極めて危険であった。
また従来の車載用のメーターパネルなどでは自発光あるいはパックライト式だったため、周囲が明るくなる昼間では極めて見にくくなる欠点があった。またユーザーによってはその日の気分でアナログ式あるいはデジタル式のメーターパネルを選びたい人もいる。
また従来のPDLCやリバースPDLCにおいては、屈折率異方性を高めるためにターフェニル骨格などの可視領域に蛍光を持つ化合物を用いていたため、また液晶と高分子の屈折率のミスマッチのため、透明状態に於て蛍光やヘイズが目立ち、そのため良好な透明状態が得られず、表示のコントラストが低下するという課題を有している。たとえばPDLCにおいては電圧印加時の透明度が低下し、背景に光吸収層を配置した時背景色が液晶層の蛍光やヘイズのため濁って見える。
またリバースPDLCの場合、液晶層の蛍光およびヘイズのため、電圧無印加時の透明度が低下し、背景に光吸収層を配置したとき背景色が濁って見えるという課題を有している。
2色性色素を液晶中に混合し光反射層を背景に配置したリバースPDLCにおいても、電界無印加時の2色性色素による着色状態が液晶から発せられる蛍光やヘイズにより濁って見えてコントラストが低下するという課題を有している。
また従来の技術では、散乱度を向上させるために液晶中に低分子カイラル成分を含有させており、その製造過程において液晶中の高分子前駆体が重合して液晶中の低分子カイラル成分の含有比率が高まるにつれて、液晶中のカイラルピッチが短くなり、重合初期の高分子のツイスト構造と重合後の液晶中のツイスト構造にミスマッチが生じ、電界無印加時の透明状態におけるヘイズを引き起こすという課題も有していた。さらにこうした低分子カイラル成分によるカイラルピッチは温度特性を有しており、ヘイズの原因となっていた。
このようなヘイズは2色性色素を含有しない透明−散乱を切り換えるモードにおいて深刻な課題であり、例えば時計のカバーガラスや文字盤として用いる場合には、表示素子の透明状態におけるヘイズは商品価値を著しく低下させる。また2色性色素を含有し、裏面に反射層を配置する構成の場合には表示素子は光吸収と光散乱を切り換えるモードになるのであるが、この場合においても光吸収状態における蛍光およびヘイズは、コントラストを低下させる。
そこで本発明はこのような課題を解決するものであり、その目的とするところはPDLC及びリバースPDLCにおいて、散乱状態の明るさを従来並以上として、透明状態に於ける蛍光やヘイズを抑え、コントラストを向上させ、同時に信頼性の高い液晶、高分子を用いることにより信頼性の高め、アクティブ素子またはカラーフィルターを用い様々な用途に対応できる表示素子を提供することにある。さらにリバースPDLC任意の表示装置または太陽電池を備えた電子装置と組み合わせて、低消費電力で全く新しい価値を持つ電子装置を提供することと併せて、その際の視認性向上技術を提供することも目的とする。
本発明は、表示部と、前記表示部に重ねて配置され、電極を対向する側の面に備えた一対の基板間に液晶及び高分子が互いに相分離した液晶−高分子層を封入した表示素子と、前記表示素子の下層に配置された屈折率が1.8以上の高屈折率層と、を有することを特徴とする。
このような構成により、表示部上に表示装置によって重ねて表示を行うことができる。さらに高屈折率層を重ねて配置したことで、表示の明るさを向上することができる。
また、本発明では、前記表示素子と前記表示部との間に前記高屈折率層が配置されたことを特徴とする。
また、前記表示部は、前記表示素子に対して前記高屈折率層が配置された側と反対側に配置されていることを特徴とする。
さらに、前記液晶−高分子層は印加電圧に応じて光の透過状態及び散乱状態が制御されることを特徴とする。
さらに、前記液晶−高分子層に電圧を印加しないとき、前記表示素子は光の透過状態に制御され、前記液晶−高分子層に電圧を印加したとき、前記表示素子は光の散乱状態に制御されることを特徴とする。
また、前記高屈折率層がITO層であることを特徴とする。
また、前記表示素子の前記高屈折率層が配置された側と反対側の前記基板の表面には、ノングレア処理そして/または減反射処理が施されていることを特徴とする。
また、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の前記液晶に対向する側の面にカラーフィルターが形成されていることを特徴とする。
また、一対の基板のうち少なくとも一方の基板の液晶に対向する側の面にアクティブ素子が形成されていることを特徴とする。
また、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の液晶に対向する側の面にアクティブ素子が形成されていることを特徴とする。
また、前記表示素子に用いる前記液晶中に

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(nは整数、 Rはアルキル基またはアルコキシ基またはシクロアルキル基またはシクロアルコキシ基、R1、R2は独立でアルキル基またはシクロアルキル基またはアルコキシ基またはシクロアルコキシ基またはHまたはF、XはHまたはFまたはC1またはCN)なる化合物を含むことを特徴とする。

また、前記表示素子に用いる前記高分子が

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(R、R’はそれそれ独立でH、またはCH3である。B、B’、B”はそれぞれ独立で、OCO、COO、OCONH、NHCOO、CONH、NHCO、−C=C−、各種アルキル、O、N、Sの中から選ばれる。A1、A2はそれそれ独立で芳香環を含む。例えばフェニル、ビフェニル、ターフェニル、クォーターフェニル、ナフタレン、アントラセンなどであり、1部ハロゲン、アルキル基、シアノ基などで置換されていてもよい。)なる高分子前駆体を少なくとも1成分として重合して成ることを特徴とする。
本発明をより詳細に説述するために、漆付の図面に従ってこれを説明する。本発明の構成によれば、リバースPDLCにおいて2色性色素を適量添加するか、または蛍光量子収率の小さい液晶または高分子を用いることにより、電界無印加時の表示の濁りを目立たなくすることが可能である。
2色性色素の添加量は用いる用途により異なり、電界無印加時において透明である必要がある場合でヘイズを低減したい場合、例えば背面に太陽電池や他の表示装置を配置するような場合には、本発明の表示素子の光吸収率が1%から20%、望ましくは5%から10%程度となるように色素を混合するとヘイズが目立たなくなり、透明感も揖なわれない。表示素子の背面に反射層を配置して電界無印加時に光吸収を主とするような場合は、2色性色素を混合して表示素子の光吸収率が20%以上になるようにするとコントラストが良好となる。
蛍光量子収率の小さな液晶または高分子を用いることにより、電界無印加時における表示の濁りを小さくすることができる。具体的な構造としては蛍光量子収率が概ね0.3以下である骨格を持つ液晶や高分子前駆体、例えばトラン、ヒフェニルなどを用いるとよい。蛍光量子収率が0.3以上であるような化合物、例えばターフェニル骨格などを液晶や高分子前駆体として用いると、無電界下の表示状態において蛍光が観察されてコントラストが低下する。
また、リバースPDLCの製造過程において、液晶中の高分子前駆体が重合して高分子化することにより液晶中の低分子カイラル成分の含有比率が高まり、その一方で液晶中のカイラル高分子前駆体が高分子中に取り込まれて液晶中における含有比率が低下するため、液晶中のカイラル成分の含有比率は重合が進んでも一定に保たれ、カイラルピッチも一定に保たれる。そのため重合初期の高分子のツイスト構造と重合後の液晶中のツイスト構造は一致しており、電界無印加時の透明状態におけるヘイズは極めて小さくなるのである。
またカイラルピッチの温度変化の少ないカイラル成分を用いた場合、リバースPDLCを作製した後は、液晶の配向状態が温度変化し難くなるため、温度変化によるヘイズの発生を防ぐことができるのである。この場合カイラルピッチの温度依存性において、使用温度領域でカイラルピッチの変化が20%以下であるものが好ましい。
またリバースPDLCは電界無印加でほぼ透明であるため、この表示素子を任意の表示装置の表面に配置した場合、真に配置した表示装置の表示を見ることができる。表のリバースPDLCに電界を印加すると、下に配置した表示装置の表示と、光散乱による白い表示を同時に見ることができる(図10)。
下に配置した表示装置と上に配置したリバースPDLCの間に、反射性の層、特に屈折率の高い透明な層を配置すると、周囲から表示装置に入射する光が効率的にリバースPDLCに入射して明るく、コントラスト良く見える(図12)。正面から入射する光は、それほど反射されないため、裏側の表示を読みとることができる。このことは平坦な基板表面に光を入射した際の反射率の入射角依存性を示した図18を見ると良く理解できる。図18は基板の層折率が2で空気(屈折率1)に接している場合のフレネルの公式による計算結果である。自然光を2つの直交する偏光に分解して計算してある。この反射性の層は透明であるため、下に配置した表示装置が見にくくなることはない。もちろん、これらの表示素子を多層化しても同様の表示を実現することができる。
また、下に配置した表示装置と上に配置したリバースPDLCとの間に、2枚の電極間に挟んだ2色性色素を含有した液晶層を配置することにより、表側の表示素子を見やすくしたいときには、電界を制御して2色性色素を含有した液晶層を光吸収状態として、光散乱による表示が浮きでるようにすることができる(図9参照)。もちろん、高屈折層を挿入するとより表示を見やすくできる(図8参照)。この時用いるリバースPDLCの替わりに通常のPDLCを用いることもできる。裏側の表示装置を見やすくしたいときは、電界を先と逆に制御して2色性色素を含有した層を透明とすればよい。
また本発明に関わるリバースPDLCは無電界下で透明であるために、太陽電池の表面にこの表示素子を配置しても太陽電池の発電効率を損なうことが少ない。太陽電池と表示素子を重ねることができるためにこの表示素子を用いる電子装置については省スペース化でき、装置を小型化でき、デザインの自由度も向上する。
以上の構成において、リバースPDLCに用いる少なくとも一方の基板にアクティブ素子やカラーフィルターを形成しておくと、さらに表示容量を増やし、カラー化することができる。最近開発された自動車のナビゲーションシステムのディスプレイとして用いると、顔を正面に向けたまま地図を読みとることができるので運転に際して極めて安全である。もちろんテレビなどの表示も行うことができるようになる。また電子手帳などに用いると、電池の消耗とは無縁の小型の高機能電子手帳を実現できる。
また以上の構成において、表面の基板に無反射処理あるいはノングレア処理を施すと極めて視認性が向上する。
本実施例では、リバースPDLCのヘイズを目立たなくするために2色性色素をわずか混合する例を示す。特に実施例2から実施例4で用いる液晶組成物について説明する。液晶としてメルク社製TL202とBL007の7:3混合物を99.25重量%、2色性色素としてG470(日本感光色素研究所製)を0.25重量%、SI512(三井東圧染料社製)を0.1重量%、MIM137(三井東圧染料社製)を0.1重量%混合してゲストホスト液晶とした。さらにこの液晶98重量%にカイラル成分として旭電化社製CN617を2重量%を混合してカイラルゲストホスト液晶とした。
液晶の骨格としては、表示素子をアクティブ素子と組み合わせる場合には信頼性の高いものを用いる必要があり、例えばメルク社製TL202、TL205、TL213、TL215、TL216などに代表される塩素系ビフェニル液晶を用いるとよい。この他高信頼性液晶としてロディク社製RDP80616、RDP80616、RDP10248など、チッソ社製SS5004など、高複屈折性液晶としてはメルク社製BL007などを用いることができる。そのほかの用途では駆動電圧と複屈折率さえ満足すれぱどのような骨格の液晶を用いても構わない。具体的な液晶化合物としては例えば

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などの化合物を含む液晶を用いることができる。ここでRはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基またはシクロアルコキシ基、 R1はアルキル基、アルコキシ基、水素またはフツ素、Xはシアノ基、ハロゲン基、水素またはニトロ基、nは整数である。またこのほか液晶としては誘電異方性が負のものも用いることができる。この時、基板表面に施す配向処理は垂直配向処理とすることが望ましい。
用いる2色性色素は、2色性を示すものであればどのようなものでも用いることができるが、耐光性の観点から本実施例で示したような、アントラキノン系、ナフトキノン系、ぺリレン系のものが好ましい。またヘイズを低減する目的から暗い色調が好ましく蛍光の量子収率の小さいものが好ましい。混合する量については、太陽電池を背面に用いる場合には発電効率を低下させないためヘイズを抑える最小限の2色性色素を添加するとよい。ヘイズの大きさは用いる液晶、高分子前駆体、カイラル成分、重合条件棟により左右されるため、実状に合わせて2色性色素の濃度を調整する。
用いるカイラル成分は液晶の配向をねじる力のあるものを適量用いればよい。望ましくは顔晶層の厚み方向に90°以上、さらに望ましくは270°以上液晶層の配向をねじるようにするとよい。用いるカイラル剤としてはたとえばメルク社製S811、 R811、S1011、R1011、CB15、C15、CE2など、チッソ社製CMシリーズ、旭電化社製CNLシリーズなどを用いることができる。
ここで示した液晶に混合して用いる高分子前駆体としては、液晶中において光、電子線、熱などで重合できるもので後屈折性の大きなメソゲンを有するものであれば用いることができる。たとえば重合部はアクリレート、メタクリレート、クロトネート、シンナメート、エポキシなど、メソゲン部はフェニル、ピフェニル、ターフェニル、クォーターフェニルなどを用いることができる。これに後屈折性や相溶性を改善するために適当な置換基を導入してもよい。特に重合部とメソゲン部を直接結合した前駆体では形成される高分子は粒子状になる傾向があり、重合部とメソゲン部をアルキル鎖などのスベーサで繋いだ前駆体、または1分子中に重合部を複数持つような前駆体では形成される高分子はゲルネットワーク状になりやすい。前者の例として

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などを用いることができる。ここでR、R’はそれそれ独立でH、またはCH3である。B、B’、B”はそれそれ独立で、 OCO、COO、OCONH、NHCOO、CONH、NHCO、−C≡C−、各種アルキル、O、N、Sの中から選ばれる。A1、A2はそれぞれ独立で芳香環を含む。例えばフェニル、ヒフェニル、ターフェニル、クォーターフェニル、ナフタレン、アントラセンなどであり、1部ハロゲン、アルキル基、シアノ基などで置換されていてもよい。
後者の例としては先に挙げたモノマーの内、2官能のものや重合部とメソゲン部の間にアルキル基などのスベーサの入った構造のものを用いることができる。また市販品としてはフイリップス社製C6Hや東亜合成社製のアロニックスおよびレゼダマクロモノマー、日本化薬社製のKAYARADおよびKAYAER、サンノブコ社製のノブコマー、SICOMETおよびフォトマー、東都化成社製のエポトート、ネオトート、トーブレンおよびダップトート、油化シェル社製のエビコート、旭電化社製のアデカレジン、アデカオプトマーおよびアデカオプトン、スリーボンド社製の2200シリーズ、昭和高分子社製のリボキシおよびスピラック、日本ポリウレタンの製品などを用いることができる。これらのモノマーを前者(高分子が粒子状となる例)に1部混合して用いてもよい。他の高分子としてエチルセルロースのような熱可塑性の高分子を用いることもできる。
(比較例1)
実施例1に示した液晶組成物において、2色性色素を入れないものを用意した。他の材料条件等は実施例1と同様である。
本実施例では実施例1で作製した液晶組成物を用いて高分子粒子分散型のリバースPDLCを作製してそのヘイズを調べた例を示す。
実施例1で示した高分子前駆体にヒフェニルメタクリレートを液晶に対して7重量%用いた液晶混合物を、図1に示した空パネルに封入した。まず空パネルの製造方法を示す。基板1に透明電極2を形成した後、電極2表面を配向処理を施した。次に基板8にアクティブ素子としてTFT素子を形成した。具体均にはゲート電極15、ゲート絶縁層18、半導体層16、ソース電極14、ドレイン電極17、さらに反射性電極7としてアルミニウムを蒸著した。さらに電極面を配向処理した。これら2枚の基板を電極面を内側にして間隙5μmを保ちつつ周囲を接着した。液晶層の厚さは5μmとしたが 3μmから10μmの間で用途に応じて最適化すると良い。この液晶/高分子前駆体混合層に液晶相にて波長300nm〜400nm、強度3. 5mW/cm2なる紫外線を照射して液晶中から高分子粒子を析出させた。この表示素子の背面に光吸収性の反射板として太陽電池を配置し、表面にノングレア処理、減反射処理を施した。もちろんこのような処理を施さなくても良いし、どちらか一方のみでも十分視認性は向上する。
こうして作製した表示素子の液晶/高分子層に駆動電圧5V印加して、表示素子表面の法線から20度傾いた方向から光を入射して、法線方向への反射光強度を測定した場合に、白い紙と比べて30%の明るさが得られた。また駆動電圧を0Vとして黒表示状態における反射率を測定したところ、4%であった。
配向処理についてはここではポリイミド配向膜を形成してその表面をラビング処理したが、他の配向膜を形成してラピンク処理してもよい。また配向膜を形成せず、ラビングだけしてもよい。LB膜や、斜方蒸着膜を用いてもよい。
背面に配置する光吸収性反射板は太陽電池でなくてもよい。光吸収板の表面に電光反射処理を施したものも望ましい。また光吸収性反射板でなくてもよい。例えばアルミニウム、クロムなどの反射板でもよい。反射率の高い反射板を用いる場合には加える2色性色素の量を増やすと視認性を向上することができる。
基板にカラーフィルターを形成しておけば,カラー表示も行うことができる。この場合、カラーフィルターに用いる色はフルカラーを再現できる色の組合せに限らず、用途に応じて視認性のよい色を選べばよい。また紫外線領域に吸収の無いカラーフィルター材料が好ましい。
本実施例では表示素子表面にノングレア処理と減反射処理を施したが、必ずしもこれらの処理を施す必要はなく、施さなくても表示を行うことはできる。
時計などの中小容量の用途においてはアクティブ素子を形成しなくても十分な情報を表示できる。
アクティブ素子についてはここで示したTFT素子の他、他の構成のTFT素子、トランジスター、MIM素子、強誘電体素子などを用いることができる。またこれらのアクティブ素子を形成する基板はガラスの他、シリコン、ガリウムヒ素、ゲルマニウムなどの半導体、そのほか無機物質、プラスチックなど有機物質を用いることができる。基板として半導体を用いると、駆動用ドライバーやコントローラを基板内にすべて作り込むことができるので極めて安価に表示装置を作製することができる。
(比較例2)
実施例2に於て液晶組成物として比較例1の材料を用いた。この時実施例2と同様の測定方法にて電気光学特性を測定したところ、電界印加時で白い紙と比べて35%の明るさが得られた。また電界無印加時での反射率は8%であった。
本実施例では実施例1の液晶組成物を用いて高分子ゲルネットワーク配向型液晶表示素子を作製してそのヘイズを調べた例を示す。
実施例1の液晶組成物と、高分子前駆体として東亜合成化学社製M6200を5重量%、光重合開始剤としてイルガキュア184を2重量%用いた。そのほかについては実施例2と全く同様に表示素子を作製した。
こうして作成した表示素子の液晶/高分子層に駆動電圧10V印加して、表示素子表面の法線かち20度傾いた方向から光を入射して、法線方向への反射光強度を測定した場合に、白い紙の28%の明るさが得られた。また電圧無印加で黒表示状態での反射率を測定したところ、3%であった。
用いる高分子前駆体については、実施例1で示したゲルネットワークを作り安いものを用いることができる。
そのほかの条件は実施例2と同様である。
(比較例3)
比較例1の液晶組成物を用いて実施例3の構成の表示素子を作製して同様の白表示状態での反射率を測定すると33%、黒表示状態での反射率を測定すると、5%であった。
本実施例では実施例1の液晶組成物を用いて高分子中に液晶液滴が配向して分散した表示素子を作製してそのヘイズを調べた例を示す。
実施例1の液晶高分子前駆体混合物において、高分子前駆体として東亜合成化 学社製M6200を30重量%、光重合開始剤としてイルガキュア184を2重量%用いた。そのほかについては実施例2と全く同様に表示素子を作製した。
こうして作製した表示素子の液晶/高分子層に駆動電圧20V印加して、表示素子表面の法線から20度傾いた方向から光を入射して、法線方向への反射光強度を測定した場合に、白い紙の28%の明るさが得られた。また電圧無印加で黒表示状態での反射率を測定したところ、10%であった。
用いる高分子前駆体については、実施例1で示したゲルネットワークを作り安いものを用いることができる。
そのほかの条件は実施例2と同様である。
(比較例4)
比較例1の液晶組成物を用いて実施例4の構成の表示素子を作製して同様の白表示状態での反射率を測定すると33%、黒表示状態での反射率を測定すると、15%であった。
本実施例ではリバースPDLCに於てトラン系液晶とトラン系高分子を用いた例を示す。図2に本実施例の表示素子の簡単な1部断面図を示した。
まず液晶/高分子前駆体を封入するためのパネルについて説明する。基板に所望のパターンの透明電極を形成して、更にその表面にラピンク処理を施した。電極面を内側にして2枚の基板を間隙4μmを保って周囲を固定した。
次にこのパネルに封入する液晶及び高分子前駆体について説明する。先ず液晶は、トラン系液晶として、化合物群I

Figure 0004196896
(R、R'は炭素数1から12までのアルキル基)
化合物群II

Figure 0004196896
(R, R'は炭素数1から12までのアルキル基)
化合物群III

Figure 0004196896
(Rは炭素数1から12までのアルキル基、Arはフェニル、ビリジン、ピリミジンを示し、XはFまたはHを示す)
をそれぞれ47重量%:33重量%:20重量%で混合した物を用いた。各化合物群のアルキル基の炭素数については化合物群Iでは
(R=1、R' =11)2%
(R=3、R' =2)8%
(R=4、R' =1)8%
(R=4、R' =2)9%
(R=4、R' =3)5%
(R=5、R' =1)8%
(R=5、R’=3)5%
(R=5、R' =11)2%
化合物群IIでは
(R=3、R' =2)21%
(R=4、R' =2)12%
化合物群IIIでは
(R=4)6%
(R=5)7%
(R=7)7%
なる化合物を混合して用いた。ここではアルキル基として直鎖の物を用いたが、これに限らず分岐のあるアルキル基でも用いることができる。この液晶98.5重量%にカイラル成分としてメルク社製R1011を1. 5重量%混合した。更にこのカイラル液晶95重量%に高分子前駆体として

Figure 0004196896
をそれぞれ3. 3重量%:1.7重量%混合して液晶/高分子前駆体混合物とした。
次にこうして得られた混合物を先に示したパネルに真空中にて封入した。更に、高分子前駆体を重合させるために波長300nm〜400nm、強度3. 5mW/cm2なる紫外線を10分間照射した。
こうして作製した表示素子の背面に黒い光吸収板を配置して、表示素子表面の法線から20度傾いた方向から光を入射して、法線方向に反射した光を検知して図3に示した電気光学特性図を作製した。本実施例の電気光学特性は実線で示してある。しきい電圧以下では極めて透過率が高いために背面に配置した光吸収板による黒が再現されており、そのためコントラストが27であった。
用いる液晶及び高分子前駆体としては実施例1で示したような材料を用いることができるが、その中でも可視領域で蛍光量子収率が小さく、かつ屈折率異方性の大きなものが好ましく、その骨格としてトラン、ヒフェニル等が好ましい。逆に好ましくないものとして、アントラセン、ターフエニル、クォーターフェニル、そのほかフェニル基のつながった物など、可視領域での蛍光量子収率の大きいものが挙げられる。また先に示した化合物群中のRとR’のアルキル基の組合せや混合比についてはこれに限らず、液晶相の温度範囲、駆動電圧などにより決めればよい。またこれ以外の化合物を混合してもよい。
カイラル成分の種類及び混合量はここに示した物および混合量に限らず、実施例1で示したものも用いることができ用途に応じて決めればよい。
液晶/高分子層の厚さは4μmでなくてもよく、2μmから20μmの範囲で用途に応じて決めればよい。薄くなると電圧無印加時の透明度は増すが、散乱度は低下する。また厚くなると散乱度は増すが、駆動電圧と電圧無印加時の濁りが増す。
電極表面に施す配向処理については、配向膜を設けてラピンク処理してもよい。表示素子の背面に配置する黒い吸収板は、太陽電池でもよく、また反射性の材料でもよい。
(比較例5)
実施例5に対する比較例を説明する。ここではターフェニル骨格化合物を含有する液晶として、メルク社製TL202を80重量%、4−シアノ14”−ペンチルーターフェニル(T15)を20重量%混合した物を用いた。この液晶組成物95重量%に対して、高分子前駆体4−夕−フェ二ルメタクリレートとターフェニル−4, 4”−ジメタクリレートをそれぞれ3. 3重量%及び1.7重量%混合した。他の条件は実施例5と同様とした。
こうして作製した表示素子の電気光学特性を実施例5と同様の方法により測定し、図3中の破線にて示した。しきい電圧以下では透明状態なのだが可視領域に蛍光が見られるため、黒い背景色が白っぽく見えてコントラストが低下している(およそ3)ことがわかる。
本実施例では可視光領域に蛍光を持たないトラン系液晶および蛍光を有するターフェニル系高分子前駆体を用いた例を示す。液晶としては実施例5に示した液晶を用い、高分子前駆体としてはターフェニルメタクリレート、およびターフェニルジメタクリレートを用いた。そのほかの構成条件については実施例5に従って表示素子を作製した。
こうして作製した表示素子の電気光学特性を図4中に実線で示した。実施例5と比べるとしきい電圧以下での黒い表示がわずか白味を帯びてコントラストが低下(コントラストはおよそ12)していることがわかる。
本実施例では可視光領域に蛍光を持たないトラン系高分子および蛍光を有するターフェニル系液晶を用いた例を示す。液晶としては比較例5に示した液晶を用い、高分子前駆体としては実施例5に示したトラン系の物を用いた。そのほかの構成条件については実施例5に従って表示素子を作製した。
こうして作製した表示素子の電気光学特性を図4中に破線で示した。実施例5と比べるとしきい電圧以下での黒い表示がわずか白味を帯びてコントラストが低下(コントラストはおよそ6)していることがわかる。
本実施例では可視光領域での蛍光の少ない液晶及び高分子前駆体を用い、高分子がゲルネットワーク構造となる例を示す。用いる液晶は実施例5に示した物を用いた。高分子前駆体はフイリップス社製C6H

Figure 0004196896
を用いた。実施例5と同様にして素子を作製し、電気光学特性を測定した(図5中の実線参照)。
ここで用いる高分子前駆体は重合した際にゲルネットワーク構造を形成するものなら何でも用いることができる。特にゲルネットワーク構造をとりやすい化学構造としては、重合部を2つ持ち、その重合部同士が長いアルキルスベーサを介して結合した構造を持つことが望ましい。実施例1における2官能モノマーが好ましい。
以上の実施例は本発明の他の実施例にも同様に応用できるものである。
(比較例6)
本比較例では実施例8において、可視領域における蛍光の大きな液晶を用いた場合の例を示した。用いた液晶は蛍光を発するベンチルターフェニルカルポニトリルを含むメルク社製のE7である。
実施例8と同様にして表示素子を作製して電気光学特性を測定して図5中の破線で示した。この比較例に比べて実施例8はコントラストが改善されていることがわかる。
本実施例では実施例5において液晶中に2色性色素を混合し、さらに基板上に形成する電極を反射性材料で形成した例、すなわち電界無印加で光吸収するモードについての例を示す。実施例2に従って空パネルを作製した。
このパネル間隙を真空にした後、実施例5で示した液晶/高分子前駆体混合物に2色性色素としてM361:SI512:M137(何れも三井東圧染料社製)=1. 5 : 1. 7 : 0. 43 (重量%)を混合して封入した。さらにこのパネルに波長300から400nm、強度3.5mW/cm2なる紫外線を40℃にて10分照射して、高分子前駆体を重合して液晶中から高分子を析出させた。
この表示素子の表面に減反射処理を施したノングレアフィルムを張り付け、さらにこの表示素子の背面に光吸収層を配置して本発明の表示素子を応用した表示装置を完成した。この表示装置に駆動用ドライバー、コントローラー、表示素子駆動用電源、およびコンピューター(何れも図示せず)を接続してコンピューター画面を表示することができた。もちろんテレビチューナーヒ接続すればテレビも見られる。
ここで用いる2色性色素は、耐光性の良好なアントラキノン系色素が好ましく、さらに2色比と溶解性の良いものが好ましい。またその混合量については十分なコントラストを確保できるように配慮する。
本実施例では液晶/高分子層の裏側に鹿置する反射層を電極と兼ねたが、電極を透明として表示素子背面に反射層を配置しても良い。
またアクティブ素子を形成した基板は液晶/高分子層の表側に配置しても裏側に配置しても良い。
ノングレア処理、減反射処理は必要に応じて施せば良い。
本実施例では実施例8の液晶と高分子前駆体を用い、2色性色素を混合して実施例9の構成のパネルに封入した例を示す。用いる液晶及び高分子は実施例8に示した物を用いた。 ただし液晶96.7重量%に対して、2色性色素として三井東圧染料社製M361、SI512、M34をそれそれ1.3:1.6:0.4(重量%)混合した。実施例9で作製したパネルに液晶/高分子前駆体混合物を封入して、さらに紫外線を照射して表示素子を作製した。この表示素子の表面に減反射処理を施したノングレアフィルムを張り付け、さらにこの表示素子の背面に光吸収層を配置して本発明の表示素子を応用した表示装置を完成した。この表示装置に駆動用ドライバー、コントローラー、表示素子駆動用電源、およびコンピューター(何れも図示せず)を接続してコンピューター画面を表示することができた。もちろんテレビチューナーと接続すればテレビも見られる。
本実施例では本発明におけるヘイズ低減技術を融合した例を示す。まず液晶について示す。液晶としては可視光域における蛍光の小さい液晶としてロデイツク社製RDP80616−2とメルク社製ML1009を7:3で混合して用いた。この液晶に2色性色素としてG470(日本感光色素研究所製)を0.25重量%、SI512 (三井東圧染料社製)を0.4重量%、M137(三井東圧染料社製)を0.1重量%先の液晶に混合してゲストホスト液晶とした。これにカイラルピッチの温度依存性の小さいCNL611(旭電化社製)を2重量%混合してカイラルゲストホスト液晶とした。この液晶に高分子前駆体としてプチルフェニルトランメタクリレートとビフェニルジメタクリレートおよびカイラル高分子前駆体として

Figure 0004196896
をそれそれ3.3重量%、1.7重量%、0.3重量%混合した。これを先の空パネルに封入して50℃にて紫外線を照射した。この表示素子表面にノングレア処理または減反射処理を施してもよい。
こうして作製した表示素子の背面に太陽電池を配置して反射型の表示素子として実施例2と同様の方法により電界無印加時の反射率を測定した。20℃にて反射率1%であった。電界を印加してここでは時計用のセグメント表示を行うことができた。しかも液晶駆動電源として背面に配置した太陽電池を用いることができた。
ここではアクティブ素子を用いなかったが、アクティブ素子を用いても同様の効果がある。その際、液晶として実施例1で示したような保持率のよい液晶を用いる必要がある。カラーフィルターを組み合わせれば明るいカラー表示が可能である。アクティブ素子を用いない場合はネマチック液晶相を持つ材料であれば用いることができる。
液晶/高分子層の厚さは3μmから10μmが好ましい。これより薄いと散乱が薄くなり、これより厚いと駆動電圧が高くなり、コントラストも低下して実用的でない。
表示素子の背面に配置した太陽電池の替わりに、光吸収層、光反射層を配置してもよい。また表示素子の背面に何も配置せず、透明なガラス上に白い散乱として表示を行うこともできる。
そのほかの部材、製造条件等は参考例1と同様である。実施例15に示したカイラル成分も用いることができる。
(参考例1)
本参考例では2色性色素入り液晶中に高分子が粒子状又は粒子連結体として分散する表示素子をアクティブ素子と組み合わせた表示装置にカイラル高分子前駆体を応用した例を示した。図6に本発明の表示装置に用いるMIM素子を形成した空パネルの簡単な断面図を示した。まず液晶/高分子を封入する空パネルを作製する。基板1に透明電極2を形成して配向処理を施した。配向処理は通常TN型液晶表示素子に利用されている方法を用いることができ、ここではポリイミド配向膜を形成してその表面をラビングした。次にこれに対向する基板8にアクティブ素子として480×640個のMIM素子および反射電極7を形成して表面にさきに示した様に配向処理を施した。表面にアクティブ素子を保護する層を設けてもよい。次にこれらの基板を互いに5μmの間隙を保って向かい合わせて封入ロを残し周囲を接着固定した。次にこの空パネルに封入する液晶/高分子前駆体混合物について説明する。液晶としてメルク社製TL213とMJ91261の8:2混合物を用い、この液晶97重量%にカイラル成分として、メルク社製S811を3重量%混合してカイラル液晶とした。この液晶96.3重量%に2色性色素として三井東圧染料社製M361、SI512、M34をそれそれ1.5重量%、1.7重量%、0.5重量%混合した。このゲストホストカイラル液晶93重量%に高分子前駆体としてヒフェニルメタクリレートとカイラル高分子前駆体として

Figure 0004196896
をそれぞれ6.86重量%および0.14重量%溶かして先に作製した空パネルに封入した。50℃にてこのパネルに基板1側から紫外線(300nm〜400nm、3.5nW/cm2)を照射して液晶中の高分子前駆体を重合して表示装置とした。さらにこの表示素子の表面にノングレア処理及び減反射処理を施した。この処理はなくてもよい。
この表示素子の無電界下での反射率を測定したところ、20℃では3%であった。また液晶駆動用ドライバーとコントローラ回路を接続して、コンピュータの画面を明るくコントラストの良好な状態で表示することができた。もちろんテレビやゲーム機の端末として用いることもできる。カラーフィルターを組み合わせれば明るいカラー表示が可能である。
本参考例で用いるカイラル成分、液晶、高分子前駆体は、実施例1及び実施例15に示したものを用いることができる。
2色性色素の含有量については、無電界下で透過を主とする用途、例えば反射板として太陽電池を用いたり、他の表示装置を配置したりする場合には、2色性色素の含有量を減らして、太陽電池の発電効率を向上させ、または裏側に配置した表示装置の視認製を向上するようにする。その他の用途についてはここに示したように、無電界下で光吸収を十分に行い、コントラストを十分にとるようにする。
またカイラル高分子前駆体としてはここで用いたものはカイラル能力がS811程度のものを用いたが、その他のカイラル高分子前駆体としては、

Figure 0004196896

Figure 0004196896
など、およびこれらの化合物のフェニル、ビフェニル、をフェニル、ビフェニルターフェニルなどの骨格に変えたものや、アルキル基の構造を変えたものなとも用いることができる。何れにしてもその混合量については、液晶部分のカイラルピッチと高分子前駆体部分のカイラルピッチが同じになるようにカイラル高分子前駆体の混合量を決める。例えば低分子カイラル成分S811では液晶に対して1重量%混合したときのカイラルピッチは10μm程度である。一方先の実施例中で用いたカイラル高分子前駆体は液晶に対して1重量%混合したときのカイラルピッチは20μm程度である。 そこで液晶をツイストするための低分子カイラル成分S811を液晶に対して3重量%混合してカイラルピッチを3μm程度として、前記カイラル高分子前駆体を高分子前駆体に対して、6重量%混合して高分子前駆体のカイラルピッチを3μmに揃えるのである。すなわち重合前においては高分子前駆体は液晶中に溶けており液晶の量は低分子液晶と高分子前駆体の和であり、これをツイストするためのカイラル成分の量は、低分子カイラル成分とカイラル高分子前駆体の和になる。次に重合手段にて高分子前駆体を重合すると、高分子前駆体及びカイラル高分子前駆体は重合して液晶層から相分離して液晶中から除外される。そのため液晶中に残るカイラル成分は塩分子カイラル成分だけとなる。このため液晶中のカイラルピッチは変化しない。
これに比べて従来は、カイラル高分子前駆体を用いないため、重合前においては高分子前駆体は液晶中に溶けており液晶の量は低分子液晶と高分子前駆体の和であり、これをツイストするためのカイラル成分の量は、低分子カイラル成分のみとなる。次に重合手段にて高分子前駆体を重合すると、高分子前駆体は重合して液晶層から相分離して液晶中から除外される。そのため液晶の量は高分子前駆体の量だけ減るにもかかわらず、中に残る低分子カイラル成分の量は変わらない。このため液晶中のカイラルピッチは短くなり、高分子と液晶との間に配向のミスマッチが生じる。
液晶/高分子層の厚さは3μmから10μmが好ましい。これより薄いと散乱が薄くなり、これより厚いと駆動電圧が高くなり、コントラストも低下して実用的でない。
ここで用いるアクティブ素子としては、ここで示したMIM素子の他、ポリシリコンTFTまたはアモルファスシリコンTFT素子などトランジスター構造を持つもの、 MIM構造を持つもの、強誘電体素子などを用いることができる。アクティブ素子の個数についてはここに示した数に限らず用途に応じて決めればよい。もちろんアクティブ素子を形成せず、以下に示すような時計や電子手帳として表示を行うこともできる。
反射電極7を透明電極として表示素子背面に反射層を配置してもよい。この反射層については光散乱性を付与してもよい。もちろんその反射層として太陽電池を用いてもよい。
(比較例7)
ここでは参考例1において、カイラル成分としてS811のみを用いた例を示した。具体的には実施例1で示したゲストホストカイラル液晶に対して高分子前駆体としてヒフェニルメタクリレートを7重量%混合して参考例1と同様にして表示素子を作製した。こうして作製した表示素子の無電界下での反射率を測定したところ、20℃で5%であった。
(参考例2)
本参考例では2色性色素を含まない、液晶中に高分子を粒子状又は粒子連結体として分散した表示素子にカイラル高分子前駆体を応用した例を示す。 実施例5に従って空パネルを作製した。次にこの空パネルに封入する液晶と高分子前駆体混合物について説明する。液晶としてロディック社製RDP80616−2を98重量%にカイラル成分として旭電化社製CNL611を2重量%混合してカイラル液晶とした。このカイラル液晶に高分子前駆体としてプチルフェニルトランメタクリレートとヒフェニルジメタクリレートおよびカイラル高分子前駆体として実施例11の化合物をそれそれ3.3重量%、1.7重量%、0.3重量%混合した。これを先の空パネルに封入して50℃にて紫外線を照射した。この表示素子表面にノングレア処理または減反射処理を施してもよい。
こうして作製した表示素子の背面に太陽電池を配置して反射型の表示素子として実施例2と同様の方法により電界無印加時の反射率を測定した。 20℃にて反射率1. 8%であった。電界を印加してここでは時計用のセグメント表示を行うことができた。しかも液晶駆動電源として背面に配置した太陽電池を用いることができた。
ここではアクティブ素子を用いなかったが、アクティブ素子を用いても同様の効果がある。その際、液晶として実施例1で示したような保持率のよい液晶を用いる必要がある。カラーフィルターを組み合わせれば明るいカラー表示が可能である。アクティブ素子を用いない場合はネマチック液晶相を持つ材料であれば用いることができる。
液晶/高分子層の厚さは3μmから10μmが好ましい。これより薄いと散乱が薄くなり、これより厚いと駆動電圧が高くなり、コントラストも低下して実用的でない。
表示素子の背面に配置した太陽電池の替わりに、光吸収層、光反射層を配置してもよい。また表示素子の背面に何も配置せず、透明なガラス上に白い散乱として表示を行うこともできる。
そのほかの部材、製造条件等は参考例1と同様である。実施例15に示したカイラル成分も用いることができる。
(比較例8)
ここでは参考例2において、低分子カイラル成分のみを用いた例を示す。具体的には参考例2で示したカイラル液晶に対して高分子前駆体としてプチルフェニルトランメタクリレートとビフェニルジメタクリレートをそれぞれ3.4重量%及び1.6重量%混合した。そのほかの部材条件を参考例2と同様にして表示素子を作製した。こうして作製した表示素子の無電界下での反射率を測定したところ、 20℃で3%であった。
(参考例3)
本参考例では、2色性色素入り液晶が高分子ゲルネットワーク中に配向分散している表示素子とアクティブ素子を組み合わせた表示装置に、カイラル高分子前駆体を応用した例を示した。実施例9に習ってTFT素子を形成した空パネルを作製した。次にこの空パネルに封入する液晶/高分子前駆体混合物について説明する。液晶としてメルク社製TL205とBL007の7:3混合物を用い、この液晶98重量%にカイラル成分として旭電化社製CNL611を2重量%混合してカイラル液晶とした。この液晶96.3重量%に2色性色素ヒして三井東圧染料社製M361、 M370、M483をそれそれ1.2重量%、2重量%、0.5重量%混合した。このゲストホストカイラル液晶97重量%に高分子前駆体としてフイリップス社製C6Hを3重量%、カイラル高分子前駆体として

Figure 0004196896
を0.1重量%混合して先に作製した空パネルに封入した。50BCにてこのパネルに基板1側から紫外線(300nm〜400nm、3.5mW/cm2)を照射して液晶中の高分子前駆体を重合して表示装置とした。さらにこの表示装置の表面にノングレア処理及び減反射処理を施した。この処理はなくてもよい。
この表示装置の無電界下での反射率を実施例1に従い測定したところ、20℃では3%であった。また液晶駆動用ドライバーとコントローラ回路を接続してコンピュータの画面を明るくコントラストの良好な状態で表示することができた。もちろんテレビやゲーム機の端末として用いることもできる。カラーフィルターを組み合わせれば明るいカラー表示が可能である。
本実施例で用いるカイラル成分、液晶、高分子前駆体、アクティブ素子および製造条件等は、参考例1で示したものを用いることができる。カイラル成分については実施例15に示したものも用いることができる。
2色性色素の含有量については、無電界下で透過を主とする用途、例えば反射板として太陽電池を用いたり、他の表示装置を配置したりする場合には、 2色性色素の含有量を減らして、太陽電池の発電効率を向上させ、または裏側に配置した表示装置の視認製を向上するようにする。その他の用途についてはここに示したように、無電界下で光吸収を十分に行い、コントラストを十分にとるようにする。
液晶/高分子層の厚さは3μmから10μmが好ましい。これより薄いと散乱が薄くなり、これより厚いと駆動電圧が高くなり、コントラストも低下して実用的でない。
(比較例9)
ここでは参考例3において、低分子カイラル成分のみを用いた例を示す。具体的には参考例3で示したゲストホストカイラル液晶に対して高分子前駆体としてC6Hを3重量%混合した。そのほかの部材条件を参考例3と同様にして表示素子を作製した。
こうして作製した表示素子の無電界下での反射率を測定したところ、20℃で4%であった。
(参考例4)
本実施例では2色性色素を含まない液晶を高分子ゲルネットワーク中に配向分散した表示素子にカイラル高分子前駆体を応用した例を示した。まず液晶/高分子前駆体を封入する空パネルを実施例5に従って作製した。次にこの空パネルに封入する液晶と高分子前駆体混合物について説明する。液晶としてメルク社製BL 007にカイラル成分としてチッソ社製CM22を10重量%、メルク社製CB15を2. 5重量%混合してカイラル液晶とした。このカイラル液晶に高分子前駆体として参考例3で用いたC6Hを3重量%、カイラル高分子前駆体として

Figure 0004196896
を0.1重量%混合した。これを先の空パネルに封入して50℃にて紫外線を照射した。この表示素子表面にノングレア処理または減反射処理を施してもよい。
こうして作製した表示素子の背面に太陽電池を配置して反射型の表示素子として実施例1と同様の方法により電界無印加時の反射率を測定した。20℃にて反射率1. 5%であった。
本実施例で用いるカイラル成分は、C=22およびCB15については液晶を右に旋回きせる能力を持ち、CB15は温度が上昇するとカイラルピッチが長くなる傾向を持ち(温度依存性が正)、CM22は温度が上昇するとカイラルピッチが短くなる傾向を持つ(温度依存性が負)。このように、カイラルピッチの温度依存性が互いに逆の傾向を持つ2種類以上のカイラル成分を添加することが望ましい。他の温度依存性が負のカイラル成分の例としてはチッソ社製CM22や、

Figure 0004196896
旭電化社製FL519、CNL621、CNL617、CNL616、CNL623、CNL637、CNL638、CNL639などがある。温度依存性が正のカイラル成分の例としては、チッソ社製CM19、CM20、メルク社製CB15、C15、S811、R811、S1011、R1011、S1082、R1082などがある。もちろんこの他のカイラル成分も利用できる。またここでは2種頬のカイラル成分を用いたが、3種類以上混合してもよい。もちろん実施例1に示したようなカイラルピッチの温度依存性の極めて小さいカイラル成分を用いてもよい。
ここで用いる液晶、高分子前駆体、空パネル、その他の部材製造条件等は参考例2を用いることができる。またここで示したカイラル成分の構成は、高分子が粒子または粒子連結体である場合にも応用できる。
(比較例10)
ここでは実施例15において、低分子カイラル成分のみを用いた例を示す。具体的には実施例15で示したカイラル液晶に対して高分子前駆体としてC6Hを3重量%混合した。そのほかの部材条件を実施例15と同様にして表示素子を作製した。
こうして作製した表示素子の無電界下での反射率を測定したところ、20℃で3%であった。
(参考例5)
本実施例では2色性色素入り液晶が高分子マトリックス中に配向分散している表示素子においてカイラル高分子前駆体とアクティブ素子を組み合わせた例を示した。液晶/高分子を封入する空パネルを参考例1と同様の方法により作製した。次にこの空パネルに封入する液晶/高分子前駆体混合物について説明する。液晶としてメルク社製TL213とTL213とMJ91261の8:2混合物を用い、この液晶98重量%にカイラル成分として旭電化社製CN617を2重量混合してカイラル液晶とした。この液晶96.4重量%に2色性色素として三井東圧染料社製M361、SI512、M34をそれそれ1.5重量%、1.7重量%、0.4重量%混合した。このゲストホストカイラル液晶77.6重量%に高分子前駆体として東亜合成化学社製M6200を20重量%、カイラル高分子前駆体

Figure 0004196896
を0.4重量%および光重合開始剤としてチバガイギー社製イルガキュア184を2重量%混合して先に作製した空パネルに封入した。50℃にてこのパネルに基板1側から紫外線(300nm〜400nm、30mW/cm2)を照射して液晶中の高分子前駆体を重合して表示装置とした。きらにこの表示装置の表面にノングレア処理及び減反射処理を施した.この処理はなくてもよい。
この表示装置の無電界下での反射率を参考例2に従って測定したところ、20℃では8%であった。また液晶駆動用ドライバーとコントローラ回路を接続してコンピュータを接続して表示を行ったところ、コントラストの良好な状態で表示することができた。もちろんテレビ、ゲーム機の端末などとして用いることもできる。カラーフィルターを組み合わせれば明るいカラー表示が可能である。
本参考例で用いるカイラル成分は、参考例1及び参考例4で示した単成分系または多成分系を用いることができる。
液晶、高分子前駆体、2色性色素、アクティブ素子、そのほかの部材条件等は実施例1及び参考例1で示したものを用いることができる。
2色性色素の含有量については、無電界下で透過を主とする用途、例えば反射板として太陽電池を用いたり、他の表示装置を配置したりする場合には、 2色性色素の含有量を減らして、太陽電池の発電効率を向上させ、または裏側に配置した表示装置の視認製を向上するようにする。その他の用途についてはここに示したように、無電界下で光吸収を十分に行い、コントラストを十分にとるようにする。
液晶/高分子層の厚さは3μmから10μmが好ましい。これより薄いと散乱が薄くなり、これより厚いと駆動電圧が高くなり、コントラストも低下して実用的でない。
(比較例11)
ここでは参考例5において、低分子カイラル成分のみを用いた例を示す。具体的には参考例5で示したカイラル液晶に対して高分子前駆体および光重合開始剤のみを混合してカイラル高分子前駆体を用いないで、そのほかの部材条件を参考例5と同様にして表示素子を作製した。こうして作製した表示装置の無電界下での反射率を測定したところ、20℃で10%であった。
(参考例6)
本実施例では2色性色素を含まない、液晶を高分子マトリックス中に配向分散した表示、素手にカイラル高分子前駆体を用いた例を示す。まず液晶/高分子前駆体を封入する空パネルを実施例5に従って作製した。この空パネルに封入する液晶と高分子前駆体混合物について説明する。液晶としてメルク社製BL007にカイラル成分としてメルク社製R811を3重量%混合してカイラル液晶とした。 このカイラル液晶に高分子前駆体として東亜合成化学社製M7100を30重量%、カイラル高分子前駆体として

Figure 0004196896
を1重量%、さらに光重合開始剤として日本化薬社製D ETXを2重量%混合した。これを先の空パネルに封入して50℃にて紫外線を照射した。この表示素子表面にノングレア処理または減反射処理を施してもよい。
こうして作製した表示素子の背面に太陽電池を配置して反射型の表示素子として実施例1と同様の方法により電界無印加時の反射率を測定した。20℃にて反射率6%であった。
本参考例で用いるカイラル成分は、参考例1及び参考例4で示したものを用いることができる。
ここで用いる液晶、高分子前駆体、空パネル、その他の部材製逸条件等は参考例1を用いることができる。
(比較例12)
ここでは参考例6において、低分子カイラル成分のみを用いた例を示す。具体的には参考例6で示したカイラル液晶に対して高分子前駆体および光重合開始剤のみを混合してカイラル高分子前駆体を用いないで、そのほかの部材条件を参考例6と同様にして表示素子を作製した。こうして作製した表示素子の無電界下での反射率を測定したところ、20℃で10%であった。
(参考例7)
本参考例では2色性色素入り液晶中に高分子が粒子状又は粒子連結体として分散する表示素子をアクティ7素子と組み合わせた表示装置にカイラルピッチの温度依存性の少ないカイラル成分を用いた例を示した。参考例1と同様の空パネルを用いた。次にこの空パネルに封入する液晶/高分子前駆体混合物について説明する。液晶としてメルク社製TL205とMJ91261の8:2混合物を用い、この液晶98重量%にカイラル成分として、

Figure 0004196896
を2重量%混合してカイラル液晶とした。この液晶96.3重量%に2色性色素として三井東圧染料社製M361、M370、M483をそれぞれ1.2重量%、2重量%、 0.5重量%混合した。このゲストホストカイラル液晶に高分子前駆体としてビフェニルメタクリレートを7重量%溶かして先に作製した空パネルに封入した。50℃にてこのパネルに基板1側から紫外線(300nm〜400nm、3.5mW/cm2)を照射して準晶中の高分子前駆体を重合して表示装置とした。さらにこの表示素子の表面にノングレア処理及び減反射処理を施した。この処理はなくてもよい。
この表示素子の無電界下での反射率を測定したところ、50℃では2%、20℃では3%であった。また液晶駆動用ドライバーとコントローラ回路を接続してコンピュータの画面を明るくコントラストの良好な状態で表示することができた。もちろんテレビやゲーム機の端末として用いることもできる。カラーフィルターを組み合わせれば明るいカラー表示が可能である。
本実施例で用いるカイラル成分は、カイラルピッチの温度依存性の小さいもので有ればよく、さらに好ましくは使用温度領域でカイラルピッチの変化率が20%以内のものが好ましい。この範囲から外れると使用中に温度変化によりコントラストが著しく低下する。本実施例で用いることのできるカイラル成分としては、

Figure 0004196896

Figure 0004196896

Figure 0004196896

Figure 0004196896

Figure 0004196896
などを用いることができる。また旭電化社製CNL611、CNL621、CNL6 17、CNL616、CNL623等も同様に用いることができる。また参考例4で示すような多成分系のカイラル成分も用いることができる。
液晶、高分子前駆体は実施例1に示したものを用いることができる。液晶/高分子層の厚さは3μmから10μmが好ましい。これより薄いと散乱が薄くなり、これより厚いと駆動電圧が高くなり、コントラストも低下して実用的でない。
ここで用いるアクティブ素子としては、ここで示したMIM素子の他、ポリシリコンTFTまたはアモルファスシリコンTFT素子などトランジスター構造を持つもの、 MIM構造を持つもの、強誘電体素子などを用いることができる。アクティブ素子の個数についてはここに示した数に限らず用途に応じて決めればよい。もちろんアクティブ素子を形成せずとも表示を行うことができる。もちろんアクティブ素子を形成せず、単純マトリックスまたはスタティツク駆動することもできる。
反射電極7を透明電極として表示素子背面に反射層または太陽電池などを配置してもよい。この反射層については光散乱性を付与してもよい。
(比較例13)
ここでは参考例7において、カイラル成分としてカイラルピッチの温度依存性が正のもののみを用いた場合を示す。具体的にはカイラル成分としてメルク社製C B15を液晶に対して2.5重量%混合した。そのほかの部材条件を参考例7と同様にして表示装置を作製した。
こうして作製した表示素子の無電界下での反射率を測定したところ、50℃で2%、 20℃で5%であった。
(参考例8)
本参考例では2色性色素を含まない、液晶と高分子を互いに配向分散した表示素子にカイラルピッチの温度依存性の少ないカイラル成分を用いた例を示す。アクティブ素子を形成しない空パネルは実施例5に習った。次にこの空パネルに封入する液晶と高分子前駆体混合物について説明する。液晶としてロディック社製RDP80616−2とメルク社製ML1009を7:3で混合したものにカイラル成分としてCNL617(旭電化社製)を2重量%混合してカイラル液晶とした。このカイラル液晶に高分子前駆体としてメチルターフェニルジメタクリレートを4重量%混合した。これを先の空パネルに封入して50℃にて紫外線を照射した。この表示素子表面にノングレア処理または減反射処理を施してもよい。
こうして作製した表示素子の背面に太陽電池を配置して反射型の表示素子として参考例7と同様の方法により電界無印加時の反射率を測定した。50℃にて反射率1%、20℃にて反射率3%であった。電界を印加してここでは時計用のセグメント表示を行うことができた。
ここではアクティブ素子を用いなかったが、アクティブ素子を用いても同様の効果がある。その際、液晶として実施例1で示したような保持率のよい液晶を用いる必要があり、たとえばメルク社製TL202、TL204、TL205、TL213、TL215、TL216などをベースとして用いるとよい。カラーフィルターを組み合わせれば明るいカラー表示が可能である。アクティブ素子を用いない場合はネマチック液晶相を持つ材料であれば用いることができる。
液晶/高分子層の厚さは3μmから10μmが好ましい。これより薄いと散乱が薄くなり、これより厚いと駆動電圧が高くなり、コントラストも低下して実用的でない。
表示素子の背面に配置した太陽電池の替わりに、光吸収層、光反射層を配置してもよい。また表示素子の背面に何も配置せず、透明なガラス上に白い散乱として表示を行うこともできる。
そのほかの部材、製造条件等は参考例7と同様である。カイラル成分については参考例4に示す多成分系も用いることができる。
(比較例14)
ここでは参考例8において、カイラル成分としてカイラルピッチの温度依存性が正のもののみを用いた場合を示す。具体的にはカイラル成分としてメルク社製CB15を液晶に対して5重量%混合した。そのはかの部材条件を参考例8と同様にして表示素子を作製した。こうして作製した表示素子の無電界下での反射率を測定したところ、50℃で1%、 20℃で3%であった。
(参考例9)
本参考例では、2色性色素入り液晶が高分子ゲルネットワーク中に配向分散している表示素子とアクティブ素子を組み合わせた表示装置に、カイラルピッチの温度依存性の小さいカイラル成分を用いた例を示した。TFT素子を形成した空パネルを実施例2に習って作製した。次にこの空パネルに封入する液晶/高分子前駆体混合物について説明する。液晶としてメルク社製TL205とBL007の7:3混合物を用い、この液晶98重量%にカイラル成分として旭電化社製CNL611を2重量%混合してカイラル液晶とした。この液晶96.3重量%に2色性色素として三井東圧染料社製M361、M370、M483をそれぞれ1.2重量%、2重量%、0. 5重量%混合した。このゲストホストカイラル液晶97重量%に高分子前駆体としてフイリップス社製C6Hを3重量%混合して先に作製した空パネルに封入した。50℃にてこのパネルに基板1側から紫外線(300nm〜400nm、3.5mW/cm2)を照射して液晶中の高分子前駆体を重合して表示装置とした。さらにこの表示装置の表面にノングレア処理及び減反射処理を施した。この処理はなくてもよい。
この表示装置の無電界下での反射率を測定したところ、50℃では2%、20℃では3%であった。また液晶駆動用ドライバーとコントローラ回路を接続してコンピュータの画面を明るくコントラストの良好な状態で表示することができた。もちろんテレビやゲーム機の端末として用いることもできる。カラーフィルターを組み合わせれば明るいカラー表示が可能である。
本参考例で用いるカイラル成分、液晶、高分子前駆体、アクティブ素子および製造条件等は、実施例2で示したものを用いることができる。カイラル成分については参考例4に示す多成分系も用いることができる。
液晶/高分子層の厚さは3μmから10μmが好ましい。これより薄いと散乱が薄くなり、これより厚いと駆動電圧が高くなり、コントラストも低下して実用的でない。
(比較例15)
ここでは参考例9において、カイラル成分としてカイラルピッチの温度依存性が正のもののみを用いた場合を示す。具体的にはカイラル成分としてメルク社製CB15を液晶に対して2重量%混合した。そのほかの部材条件を参考例9と同様にして表示装置を作製した。こうして作製した表示装置の無電界下での反射率を刺したところ、50℃で3%、20℃で10%であった。
(参考例10)
本参考例では2色性色素を含まない液晶を高分子ゲルネットワーク中に配向分散した表示素子に、カイラルピッチの温度依存性の小さいカイラル成分を用いた例を示した。まず液晶/高分子前駆体を封入する空パネルを実施例5に従って作製した。次にこの空パネルに封入する液晶と高分子前駆体混合物について説明する。液晶としてメルク社製CB1007にカイラル成分としてチッソ社製CM22を10重量%、メルク社製CB15を2.5重量%混合してカイラル液晶とした。このカイラル液晶に高分子前駆体ヒして実施例3で用いたC6Hを3重量%混合した。これを先の空パネルに封入して50℃にて紫外線を照射した。この表示素子表面にノングレア処理または減反射処理を施してもよい。
こうして作製した表示素子の背面に太陽電池を配置して反射型の表示素子として実施例1と同様の方法により電界無印加時の反射率を測定した。50℃にて反射率2%、 20℃にて反射率5%であった。
本参考例で用いるカイラル成分は、参考例4に示したものを用いることができる。ここで用いる液晶、高分子前駆体、空パネル、子の他の部材製造条件等は参考例8を用いることができる。
(比較例16)
ここでは参考例10において、カイラル成分としてカイラルピッチの温度依存性が正のもののみを用いた場合を示す。具体的にはカイラル成分としてメルク社製CB15を液晶に対して5重量%混合した。そのほかの部材条件を参考例10と同様にして表示素子を作製した。こうして作製した表示素子の無電界下での反射率を測定したところ、50℃で1%、20℃で3%であった。
本実施例では先に示した実施例・参考例をカラーフィルターを用いたカラー表示装置に応用した例を示した。図7に本実施例で用いたカラーフィルター10を形成した空パネルの簡単な1部断面図を示した。カラーフィルター以外の部材及び製造条件については、各実施例・参考例の部材、条件を用いた。但しここでは2色性色素を添加していない。コントラストを高めるために2色性色素を添加してもよい。このカラー表示装置にカラー表示用液晶ドライバーを接続してコンピュータ端末として用いたところコントラストの良好なカラー表示を行うことができた。もちろん時計、テレビやゲーム機の表示も可能である。
ここで用いるカイラル成分、液晶/高分子層、空パネルの構成および製造条件等については、実施例1から実施例11及び参考例1から参考例10に示した構成のものを用いることができる。また以下に示す電子装置にも同様に応用できる。
カラーフィルターについては、一般的に用いられる透過型カラーフィルターよりも色濃度を薄くすると明るい表示が得られる。またその色については、赤青緑の3原色の他、イエロー、シアン、マジェンタなどカラー表示可能な色の組合せから自由に選ぶことができる。
またカラーフィルターを挿入する位置については表示装置の表示側の基板1の液晶と接する側にカラーフィルターを形成したが、カラーフィルターを基板8上に形成してもよい。またカラーフィルターは基板と電極の間に形成することが駆動電圧の点から好ましいが、カラーフィルターの上に透明電極を形成してもよい。
カラーフィルターを基板1に形成する場合には、高分子前駆体を重合するための紫外線を透過する材料でカラーフィルターを形成する必要がある。
アクティブ素子についてはここで示したTFT素子の他、他の構成のTFT素子、トランジスター、 MIM素子、強誘電体素子などを用いることができる。またこれらのアクティブ素子を形成する基板はガラスの他、シリコン、ガリウムヒ素、ゲルマニウムなどの半導体、そのほか無機物質、プラスチックなど有機物質を用いることができる。基板として半導体を用いると、駆動用ドライバーやコントローラを基板内にすべて作り込むことができるので極めて安価に表示装置を作製することができる。
先に述べた実施例および比較例で作製した表示素子を情報処理装置である電子手帳の表示部分に用いた実施例を示す。図8に本実施例の情報処理装置の簡単な断面図を示した。先に示した実施例または比較例に沿って表示素子を作製してその背面に太陽電池を配置し、その太陽電池の電力を電子手帳の電源に接続して用いたところ、極めて視認性を向上する事ができ、しかも使用時間を大幅に延長することが可能となった。
また太陽電池を電子装置に内蔵した蓄電池に接続して、太陽電池で発電した電力を蓄電池で蓄えておき、暗いところでも十分装置を働くようにすることができた。
このように従来では太陽電池が場所をとってデザイン及び大きさに制約があったのだが、表示素子が概ね透明であるために太陽電池に表示パネルを重ねることができるようになり、極めてコンパクトでしかも電池切れの心配の無い電子手帳を実現することが可能となった。この表示装置の表面または裏面にタプレットまたはクツチパネルのような情報入力装置を配置してもよい。
先に述べた実施例または比較例で作製した表示素子を情報表示装置としての時計に応用した例を示した。特にここでは文字盤に表示素子を用いた例を示す。図9に本実施例の情報表示装置の簡単な断面図を示す。中心に穴の開いた表示素子を、先に示した実施例または比較例に沿って作製して、背面に太陽電池を配置して、アナログ時計の軸を通して針をつけてハイブリッド腕時計を作製したところ、極めて視認性の高い表示を行うことが可能であった。
また太陽電池を電子装置に内蔵した蓄電池に接続して、太陽電池で発電した電力を蓄電池で蓄えておき、暗いところでも十分装置を働くようにすることができた。
また太陽電池の電圧では十分に表示素子を駆動できないので、昇圧回路を組み込んで太陽電池の電圧を5Vまで昇圧したところ、極めて明るい表示を得ることができた。
また駆動方法として、液晶ドライバーのグラウンドを駆動タイミングに合わせて転ることにより、実質的に電源電圧の2倍の電圧を印加することができ、これによれば先の実施例に挙げた表示素子を十分駆動することができ、極めて明るい表示を得ることができた。
先の実施例で挙げた表示素子は十分低消費電力ではあるが、時計としてさらに電池寿命を伸ばすために、スイッチを押したときだけ表示素子で表示を行うようにすることもできる。
もちろん太陽電池の替わりに光吸収板を配置しても同様の表示を行うことができる。 この時駆動電源は内蔵電池のみとなる。
先に述べた実施例または比較例で作製した表示素子を情報表示装置としての時計に応用した例を示した。特にここでは時計のカバーガラスに表示素子を用いた例を示す(図10参照)。表示素子を先に示した実施例または比較例に治って作製一して、文字盤として太陽電池を用い、アナログ時計の軸を通して針をつけてハイブリッド腕時計を作製したところ、極めて視認性の高い表示を行うことが可能であった。他の構成については実施例14で述べたものをそのまま用いることができる。
先に述べた実施例または比較例で作製した表示素子を情報表示装置としての携帯型テレビに応用した例を示した(図11)。表示素子を先に示した実施例または比較例に沿って作製して、背面に太陽電池を配置して、携帯型テレビの箇体に組み込んだところ、極めて視認性の高い表示を行うことが可能であり、かつ使用時間を大幅に延長することができた。
他の構成については実施例14で述べたものをそのまま用いることができる。
従来では太陽電池が場所をとってデザイン及び大きさに制約があったのだが、表示素子が概ね透明であるために太陽電池に表示パネルを重ねることができるようになり、極めてコンパクトでしかも電池切れの心配の無い携帯型情報表示装置を実現することが可能となった。
本実施例では、先に述べた実施例または比較例で作製した表示素子を任意の表示装置または太陽電池と重ね合わせ、これらの間に高屈折率層を配置した例を示した。図12に本実施例の電子装置の簡単な図を示す。時計の上に配置する表示素子としては先に示した実施例または比較例に沿って作製して用いた。この表示素子は従来の時計用のICで十分駆動できるものであった。この表示素子を暗い色の文字盤の時計に重ねた。この時平滑な暗い色の文字盤の表面に高屈折率の層としてITO(屈折率1. 8)を蒸著して用いた。こうして製造した2層型表示装置に日付、時刻、計時機能を表示させたところ、従来のアナログ時計の顔の上に大きな字でデジタル表示を行うことができ、とても機能的でおしゃれであった。また、明るさについては、高屈折率の層を蒸着しない場合に比べて1. 5倍明るくなった。他の構成については実施例14で述べたものをそのまま用いることができる。
ここで用いる表示装置は腕時計、置き時計に限らず機械のメーター、家庭用電気製品や電子機器の表示部などでも構わないし、アナログ式でもデジタル式でもあるいはハイブリッド式でも、どのようなものでも良い。ただ文字盤は、表示を見やすくするために暗い色、あるいは反射性のものが好ましい。この文字盤として太陽電池を用い、発電される電力を装置の駆動用電源として用いると、装置の電池寿命を大幅に延長することができる。また自動車などのメーターパネルにも同様に応用できる。
高屈折率の層の材料としてはITOのほか、高屈折率のガラス(たとえばHOYA社製FDS1(屈折率2)など)、無機酸化物、金属の薄膜、有機物や高分子の薄膜(ターフェニル、べリレン、テトラセンなど芳香環を多く含むことが好ましい)など、屈折率の高いものであれば用いることができる。高屈折率層を挿入する位置としては図13や図14に示したような位置も同様に効果がある。
本実施例は時計や車載用メーターパネル、機械式メーターや家庭用電気製品、電子機器の表示部などに応用でき、アナログ表示とデジタル表示を1つの表示部で実現できる。特にアナログ表示の質感を損なうことが全く無いため、高級感を要求される用途には最適である。もちろんデジタル表示装置(ツイストネマチック型液晶素子、 LED、VFD、プラズマディスプレイなど)に本発明を応用しても同様の効果が得られる。
本実施例では、実施例13において下側に配置した表示装置と上側に配置した表示素子の間に2色性色素を含む液晶層を配置した例を示す(図15参照)。2色性色素を含む層について説明する。2枚の透明な電極付き基板を配向処理した後に7μm(用途に応じ調整する)の間隙を保ち張り合わせた。この間隙に液晶(ZLI1840(メルク社製)、S344(三井東圧染料社製)およびCB15(メルク社製)を95:3:2で混合したもの、用いる材料と混合比を用途に応じ最適化すると良い)を封入した。こうして作ったパネルを図15に示したように配置した。
表側の表示素子を見やすくしたいときには、電界を制御して2色性色素を含有した液晶層を光吸収状態として、光散乱による表示が浮きでるようにすることができる。 この時用いるリバースPDLCの替わりに通常のPDLCを用いることもできる。 裏側の表示装置を見やすくしたいときは、電界を先と逆に制御して2色性色素を含有した層を透明とすればよい。
2色性色素を含む液晶層は、ここに示した誘電異方性が正の液晶を用いるほか、誘電異方性が負の液晶を用いることもできる。このときこの液晶を挟む基板表面に垂直配向処理を施すとよい。こうすることにより、先の例とは逆に電界無印加で透明、電界印加で光吸収を生じさせることができる。
図15では高屈折層を配置したが、図16に示したようにこれを配置しなくても表示は可能である。
本実施例は時計や車載用メーターパネル、その他機械式メーター、家庭用電器製品、電子機器などの表示部に応用でき、アナログ表示とデジタル表示を1つの表示窓で実現できる。特にアナログ表示の質感を損なうことが全く無いため、高級感を要求される用途には最適である。応用例として図17に示したように、アナログメーターの上に、実施例2や比較例2で反射電極を透明電極に置き換えたパネルを重ね合わせて用いると、カーナビゲーション、テレビまたはビデオのディスプレイとして用いることができ、運転中において頭を進行方向に向けたままディスプレイを見ることができるので極めて安全である。デジタル表示装置(ツイストネマチック型液晶素子、LED、VFD、プラズマディスプレイなど)に本発明を応用しても同様の効果が得られる。
以上本発明によれば、PDLCやリバースPDLCをヘイズの目立ちやすい用途に用いるに際して、液晶中に2色性色素を適量添加し、蛍光量子収率の小さい材料または液晶層のツイストを重合前と後で補正する材料、温度依存性の小さい材料を用いることにより、ヘイズを目立たなくさせ、視認性を向上することができるようになった。本発明の表示素子のヘイズ低減技術は、時計などのファッション性デザイン性を重視する用途には極めて有効である。たとえば腕時計において、文字盤またはカバーガラスとしてリバースPDLCを配置する場合には、PDLCパネルにおけるヘイズがほとんど目立たなくなり、コントラストが著しく高くなる。もちろん他の電子装置、例えば電子手帳やテレビ、メーターパネルなどにおいても同様の効果が得られる。また従来の表示装置または太陽電池の上にリバースPDLCをそのまま、または高屈折率な層を介して重ねることにより、明るく見やすい多機能電子装置を提供することが可能となった。
本発明を用いると、極めて表示容量が大きい、かつ極めて見やすい腕時計、置き時計、家庭用電器製品、電子機器などの電子装置を製造することが可能となる。
また太陽電池を内蔵する場合、極めて見やすい、低消費電力でコンパクトな表示素子及び電子装置を作製することが可能となった。たとえば太陽電池付アナログ時計のカバーガラスまたは文字盤としてリバースPDLCを応用することができるようになり、アナログ時計の美しさとデジタル時計の多機能性を合わせ持つことも可能となる。
また電子手帳や携帯型テレビの表示部分に用いることにより、太陽電池内蔵にも関わらず極めてコンパクトな見やすいセットを作製することができるようになった。太陽電池内蔵により電池切れを気にすることなく装置を使用することができるようになった。
また視認性の良好な車載用メーターパネルとしても用いることができよう。たとえば裏側に配置するパネルを従来のアナログ式の表示装置として、表側にリバースPD LCを配置して、裏側の表示をバックライトで照明して、表側の表示素子を表側から照明(昼間では必要がないかもしれない)すると、表側の表示が裏側の表示に浮きでる、極めて視認性の良い表示を得ることができる。このように本発明は従来の機械式メーターの上に配置することができるためその応用範囲は広い。本発明の電子装置は基本的に反射型であり、周囲が明るいほど良く見えるので自発光型やバックライト型のような欠点がない。また、従来のバックライト型あるいは反射型のツイストネマチック液晶を用いた表示素子を裏側に配置しても同様の効果が得られる。本発明を最近開発された自動車のナビゲーションシステム、テレビまたはビデオのデイスプレイとして用いると、顔を正面に向けたまま地図を読みとることができるので運転に際して極めて安全である。
実施例2に用いたTFTT素子を形成したパネルの構成を示す図である。 実施例5に用いたパ示ルの構成を示す図である。 実施例5と比較例5における表示素子の電気光学特性を示す図である。 実施例6と実施例7における表示素子の電気光学特性を示す図である。 実施例8と比較例6における表示素子の電気光学特性を示す図である。 参考例1に用いたMIM素子を形成したパネルの構成を示す図である。 実施例12に用いたカラーフィルター及びMIM素子を形成したパネルの構成を示す図である。 実施例13の情報処理装置の簡単な構成を示す断面図である。 実施例14の情報表示装置の簡単な構成を示す図である。 実施例15の情報表示装置の簡単な構成を示す図である。 実施例16の情報表示装置の簡単な構成を示す断面図である。 実施例17の電子装置を示す図である。 実施例17の電子装置を示す図である。 実施例17の電子装置を示す図である。 実施例18の電子装置の簡単な構成を示す図である。 実施例18の電子装置の簡単な構成を示す図である。 実施例18の電子装置の簡単な構成を示す図である。 平坦な基板表面に光を入射した際の反射率の入射角依存性を示した図である。
符号の説明
1 基板
2 電極
3 液晶/高分子層
7 反射性電極
8 基板
9 ノングレア/減反射層
10 カラーフィルター
12 絶縁層
13 信号電極
14 ソース電極
15 ゲート電極
16 半導体層
17 ドレイン電極
18 ゲート絶稼層
21 表示素子
22 太陽電池
23 クツチパネル
24 情報処理装置
25 情報表示装置
26 時計の針
27 保護パネル
28 従来の表示装置
29 高屈折率層
30 従来のメーターパネル
31 2色性色素を含む液晶層

Claims (11)

  1. 表示部と、
    前記表示部に重ねて配置され、電極を対向する側の面に備えた一対の基板間に液晶及び高分子が互いに相分離した液晶−高分子層を封入した表示素子と、
    前記表示素子の下層に配置された屈折率が1.8以上の高屈折率層と、
    を有することを特徴とする電子機器。
  2. 前記表示素子と前記表示部との間に前記高屈折率層が配置されたことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記表示部は、前記表示素子に対して前記高屈折率層が配置された側と反対側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  4. 前記液晶−高分子層は印加電圧に応じて光の透過状態及び散乱状態が制御されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子機器。
  5. 前記液晶−高分子層に電圧を印加しないとき、前記表示素子は光の透過状態に制御され、前記液晶−高分子層に電圧を印加したとき、前記表示装置は光の散乱状態に制御されることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
  6. 前記高屈折率層がITO層であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子機器。
  7. 前記表示素子の前記高屈折率層が配置された側と反対側の前記基板の表面には、ノングレア処理そして/または減反射処理が施されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子機器。
  8. 前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の前記液晶に対向する側の面にカラーフィルターが形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に電子機器。
  9. 前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の液晶に対向する側の面にアクティブ素子が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に電子機器。
  10. 前記表示装置に用いる前記液晶中に

    Figure 0004196896

    Figure 0004196896

    (nは整数、 Rはアルキル基またはアルコキシ基またはシクロアルキル基またはシクロアルコキシ基、R1、R2は独立でアルキル基またはシクロアルキル基またはアルコキシ基またはシクロアルコキシ基またはHまたはF、XはHまたはFまたはC1またはCN)なる化合物を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に電子機器。
  11. 前記表示素子に用いる前記高分子が

    Figure 0004196896

    Figure 0004196896

    (R、R’はそれそれ独立でH、またはCH3である。B、B’、B”はそれぞれ独立で、OCO、COO、OCONH、NHCOO、CONH、NHCO、−C=C−、各種アルキル、O、N、Sの中から選ばれる。A1、A2はそれそれ独立で芳香環を含む。例えばフェニル、ビフェニル、ターフェニル、クォーターフェニル、ナフタレン、アントラセンなどであり、1部ハロゲン、アルキル基、シアノ基などで置換されていてもよい。)なる高分子前駆体を少なくとも1成分として重合して成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に電子機器。
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