JP4196611B2 - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半透過反射型のカラー液晶装置等の電気光学装置及びそのような電気光学装置を具備してなる電子機器の技術分野に属する。
【0002】
【背景技術】
この種の半透過反射型の電気光学装置として、明所では外光を用いた反射表示を行い、暗所ではバックライトから発せられる光を用いて透過表示を行うように、各画素に半透過反射型の画素電極を備える内面反射方式のものが開発されている。このような半透過反射型の画素電極は、素子アレイ基板上に、データ線、走査線、容量線等の各種配線、画素電極をスイッチング制御するための薄膜トランジスタ(以下適宜TFT(Thin Film Transistor)と称す)、薄膜ダイオード(以下適宜TFD(Thin Film Diode)と称す)等の電子素子などと共に設けられる。そして、この素子アレイ基板に対して、対向基板が対向配置され、両基板間に液晶層等の電気光学物質層が挟持されて構成されている。
【0003】
特にR(赤)G(緑)B(青)のカラー表示を行う半透過反射型の電気光学装置の場合、一般に対向基板側にRGBカラーフィルタが形成され、更に、透過表示及び反射表示の両者を最適表示する目的で、R用の画素内における透過領域には相対的に濃度が高いか又は厚みが厚い濃R(濃い赤)の色材が形成され、且つ反射領域には相対的に濃度が低いか又は厚みが薄い薄R(薄い赤)の色材が形成される。同様にG用の画素内における透過領域には濃G(濃い緑)の色材が形成され且つ反射領域には薄G(薄い緑)の色材が形成され、B用の画素内における透過領域には濃B(濃い青)の色材が形成され且つ反射領域には薄B(薄い青)の色材が形成される。即ち、透過領域ではカラーフィルタを1回のみ通過するの対し、反射領域ではカラーフィルタを往復で2回通過するので、透過表示時と反射表示時とで各色の濃度を等しくするためには、このように同一画素内における透過領域と反射領域とで色材の濃度を変えているのである。
【0004】
また、このように対向基板側にカラーフィルタを作り込む場合には、コントラスト比の向上や混色の防止等の観点から、当該対向基板側における各RGBの色材間の間隙領域に、マトリクス状のブラックマトリクス或いはブラックマスク等と称される遮光膜が形成されるのが一般的である。
【0005】
加えて、透過表示と反射表示との両者で良好なカラー表示を行うためには、液晶層での偏光特性を揃えることが望ましく、具体的には、表示用の光、即ち反射表示時の外光と透過表示時の光源光とが通過する電気光学物質層の合計厚さを揃えることが望ましい。このためには、反射領域での電気光学物質層の厚み或いは基板間ギャップを、透過領域より半分程度にするとよいので、両基板のうち少なくとも一方の表面には各画素内の透過領域と反射領域との間に段差が設けられる場合がある。即ち、所謂マルチギャップ型の液晶装置或いは電気光学装置が開発されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、対向基板側に遮光膜を形成すると、当該遮光膜の製造過程で例えば3〜6μm程度の寸法誤差或いは位置誤差が生じ、更に両基板の貼り合せの工程で例えば6〜9μm程度の組みずれが生じる。これらの結果、当該対向基板側の遮光膜を各画素間における光抜けを確実に防止するように幅広に形成すると、当該対向基板側の遮光膜によって各画素の開口領域を狭めることになり、最終的に、明るい画像表示を行うという当該電気光学装置における基本的な要請に沿うことが困難になるという技術的問題点が生じる。
【0007】
特に、6色カラーフィルタの場合、各画素内における濃淡2色の色材の概ね矩形の平面形状は、実際には各角が丸まっている。このため、各画素内における濃淡2色の色材の境界の両端部は、丸まった角同士が接した形となっており、これらの角付近に色材の存在しない領域が無視し得ない程度に発生してしまう。このような濃淡2色の色材の境界の両端部を覆うように対向基板側の遮光膜を形成すると、この幅はより一層広くなってしまい、より開口領域を狭めることに繋がる。
【0008】
このような問題点に対して、素子アレイ基板上に配線された例えばTi(チタン)、Cr(クロム)、Al(アルミニウム)等の導電性遮光膜からなる容量線を延設して、素子アレイ基板内に内蔵された内蔵遮光膜を各画素の間隙に形成する技術も考えられ得る。しかしながら、このように内蔵遮光膜を形成すると、通常各画素の間隙を縫って配線されたデータ線に重なることになり、データ線の寄生容量を増大させる。これにより、データ線に対する画像信号の書き込み負荷を増大させてしまう結果となる。因みに、特開昭61−235820号公報には、不透明な半導体膜やゲート材料を使って画素電極の周囲を遮光する技術が開示されているが、このような半導体膜やゲート材料で如何に上述の如き6色カラーフィルタにおける光抜けの問題や開口領域が狭まる問題に対処し得るかは定かでない。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、明るく高品位の透過表示及び反射表示が可能な半透過反射型の電気光学装置及びこれを具備してなる電子装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、一対の対向基板及び素子アレイ基板間に電気光学物質層が挟持されてなり、前記素子アレイ基板上に、透過領域及び反射領域を夫々有する複数の半透過反射型の画素電極と、該画素電極の間隙を縫って配線され且つ該画素電極に画像信号を供給するためのデータ線と、前記データ線に交差するように配線され且つ前記画素電極に蓄積容量を付与するための遮光性導電膜からなる容量線とを備えており、前記対向基板上に、各画素電極における前記透過領域及び前記反射領域に夫々対応する濃淡2色をR(赤)G(緑)B(青)夫々に対して有する合計6色の色材を含んでなるカラーフィルタと、前記画素電極の間隙に対応して形成された対向基板側遮光膜とを備えており、前記素子アレイ基板上に、前記容量線から延設されて又は切り離されて前記遮光性導電膜から形成されると共に平面的に見て前記データ線に交差する個所から前記データ線の両縁に沿って延び且つ前記濃淡2色の色材の境界の両端部を覆う第1の幅を有する第1の部分と前記透過領域において前記第1の幅よりも小さい第2の幅を有する遮光パターンを更に備え、前記対向基板側遮光膜は、平面的に見て前記データ線を覆うことを特徴とする。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、一対の対向基板及び素子アレイ基板間に電気光学物質層が挟持されてなり、前記素子アレイ基板上に、透過領域及び反射領域を夫々有する複数の半透過反射型の画素電極と、該画素電極の間隙を縫って配線され且つ該画素電極に画像信号を供給するためのデータ線と、前記データ線に交差するように配線され且つ前記画素電極に蓄積容量を付与するための遮光性導電膜からなる容量線とを備えており、前記対向基板上に、各画素電極における前記透過領域及び前記反射領域に夫々対応する濃淡2色をR(赤)G(緑)B(青)夫々に対して有する合計6色の色材を含んでなるカラーフィルタと、前記画素電極の間隙に対応して形成された対向基板側遮光膜とを備えており、前記素子アレイ基板上に、前記容量線から延設されて又は切り離されて前記遮光性導電膜から形成されると共に平面的に見て前記データ線に交差する個所から前記データ線の両縁に沿って延び且つ前記濃淡2色の色材の境界の両端部を覆う遮光パターンを更に備え、前記対向基板側遮光膜は、平面的に見て前記データ線を覆う。
【0011】
本発明の電気光学装置によれば、基板上において、画素毎に設けられた半透過反射型の画素電極に、データ線や例えばTFT、TFD等の電子素子を介して画像信号を供給することで、所謂アクティブマトリクス駆動が可能となる。そして、外光を利用しての内面反射方式による反射表示と光源光を利用しての透過表示とが可能となる。この際、蓄積容量によって画素電極における保持特性を向上させられる。ここで、対向基板上には、画素電極の間隙に対応して対向基板側遮光膜が形成されており、データ線を覆うストライプ状或いは格子状に形成されている。他方、素子アレイ基板上には、容量線から延設されて又は切り離されて遮光性導電膜から形成されると共に平面的に見てデータ線の両縁に沿って延び且つ濃淡2色の色材の境界の両端部を覆う遮光パターンを更に備える。よって、対向基板側遮光膜の製造過程で例えば3〜6μm程度の寸法誤差或いは位置誤差が生じ、更に両基板の貼り合せの工程で例えば6〜9μm程度の組みずれが生じても、データ線の中央付近については、上記寸法誤差や組ずれの影響がある対向基板側遮光膜によって遮光し、データ線の縁付近については上記寸法誤差が殆ど無く且つ上記組ずれの影響がない素子アレイ基板上に形成された幅数μm程度の遮光パターンによって高位置精度で遮光する構成が得られる。特にこの遮光パターンによって、6色カラーフィルタにおける、丸まった角同士が接した形となっている濃淡2色の色材の境界の端部で色材の存在しない領域についても遮光できる。同時に、このように素子アレイ基板上では、データ線の両縁に沿って遮光パターンが形成されており、データ線の中央付近或いは全域に遮光パターンが重なることは無いので、データ線と遮光パターンとの間で生じる寄生容量を低減できる。これにより、データ線に対する画像信号の書き込み負荷を低減可能となる。
【0012】
以上の結果、6色カラーフィルタの濃淡色材間の間隙を含めた各色材間の間隙や画素電極の間隙における光抜けを確実に防止しつつ、同時に、対向基板側遮光膜によって各画素の開口領域を狭めることを効果的に防止でき、しかもデータ線の寄生容量が遮光のために増大してしまうことも殆ど無い。従って、最終的には、光抜けが殆ど無いためにコントラスト比が高く、しかも明るく高品位の反射表示及び透過表示を行うことが可能となる。
【0013】
本発明の電気光学装置の一態様では、前記素子アレイ基板上に、前記データ線及び前記画素電極間に接続された薄膜トランジスタと、前記データ線に交差するように配線され且つ前記薄膜トランジスタに走査信号を供給する走査線とを更に備え、前記容量線は、前記走査線と同一層からなり、前記薄膜トランジスタは、平面的に見て前記反射領域に重なる位置に配置されている。
【0014】
この態様によれば、薄膜トランジスタにより、データ線からの画像信号を、走査信号が供給されるタイミングで画素電極に供給することで、アクティブマトリクス駆動を行える。ここで特に、反射領域の下側に隠れた領域を利用して作り込まれた薄膜トランジスタにより、余裕を持ってこのようなスイッチング制御が可能となる。そして係る反射領域から逸れた画素電極間の間隙については、遮光パターン及び対向基板側遮光膜により良好に遮光できる。
【0015】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記遮光性導電膜は、前記データ線の下側に少なくとも層間絶縁膜を介して積層されている。
【0016】
この態様によれば、遮光性導電膜は、データ線の下側に少なくとも層間絶縁膜を介して積層されているので、層間距離の増加に応じて遮光パターン及びデータ線間の寄生容量を、より確実に低減可能である。尚、両者間には、層間絶縁膜のみならず、他の導電膜、半導体膜、絶縁膜等が形成されていてもよい。
【0017】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記遮光パターンは、前記対向基板及び前記素子アレイ基板間の組ずれ量をマージンとして前記対向基板側遮光膜に重なるように形成されている。
【0018】
この態様によれば、遮光パターンは、対向基板及び素子アレイ基板間の組ずれ量をマージンとして対向基板側遮光膜に重なるように形成されているので、最大限に組みずれが発生した場合であっても、平面的に見て対向基板側遮光膜及び遮光パターン間に隙間が開いて光が漏れるような事態発生を防止できる。
【0019】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記遮光パターンは、前記容量線から切り離されて形成され、前記対向基板側遮光膜は、平面的に見て前記容量線及び前記遮光パターン間の間隙を更に覆う。
【0020】
この態様によれば、遮光パターンは、容量線から切り離されて形成されているので、浮遊電位とされる。よって、データ線及び遮光パターン間における寄生容量を、より一層低減できる。他方で、このように遮光パターンを容量線から切り離すことで発生する隙間については、対向基板側遮光膜によって覆われるので、当該隙間を介しての光抜けも殆ど生じない。
【0021】
或いは本発明の電気光学装置の他の態様では、前記遮光パターンは、前記容量線から切り離されて形成され、前記データ線は、平面的に見て前記容量線及び前記遮光パターン間の間隙を覆うように幅広部を含み且つ他の遮光性導電膜から形成される。
【0022】
この態様によれば、遮光パターンは、容量線から切り離されて形成されているので、浮遊電位とされる。よって、データ線及び遮光パターン間における寄生容量を、より一層低減できる。他方で、このように遮光パターンを容量線から切り離すことで発生する隙間については、他のAl膜等からなる遮光性導電膜によって覆われるので、当該隙間を介しての光抜けも殆ど生じない。
【0023】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記対向基板及び素子アレイ基板間における基板間ギャップは、前記反射領域と比べて前記透過領域で大きい。
【0024】
この態様によれば、例えば各画素内の透過領域と反射領域との間に段差を設けることによって、反射領域を通過する外光と透過領域を通過する光源光とが通過経路の合計長さを揃えることができ、例えば液晶層等の電気光学物質での偏光特性を揃えることができる。よって、即ち、各画素における開口領域が広く且つ光抜けが低減された、所謂マルチギャップ型の電気光学装置を構築できる。好ましくは、基板間ギャップを反射領域に比べて透過領域で2倍程度にすれば、光の通過経路の合計長さを揃えることができる。
【0025】
この態様では、前記遮光パターンは、前記濃淡2色の色材の境界の両端部を覆うことに代えて又は加えて、平面的に見て前記基板間ギャップが変化する段差部を少なくとも部分的に覆うように構成してもよい。
【0026】
この態様によれば、平面的に見て基板間ギャップが変化する段差部を少なくとも部分的に覆うので、段差部付近で生じやすい液晶の配向不良の如き電気光学物質の動作不良個所を、遮光パターンにより部分的に隠すことも可能となる。尚、このような電気光学物質の動作不良個所の大部分は、対向基板側遮光膜で覆うように当該対向基板側遮光膜を形成してもよい。
【0027】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記画素電極は、前記透過領域において透過電極から構成され且つ前記反射領域において前記透過電極に重ねて形成された反射膜又は反射電極から構成されており、前記蓄積容量は、前記反射領域における前記反射膜又は反射電極の下に隠れるように配置されている。
【0028】
この態様によれば、反射領域における反射膜又は反射電極の下側のスペースを有効利用して蓄積容量を増大できる。
【0029】
本発明の他の電気光学装置は上記課題を解決するために、一対の対向基板及び素子アレイ基板間に電気光学物質層が挟持されてなり、前記素子アレイ基板上に、透過領域及び反射領域を夫々有する複数の半透過反射型の画素電極と、該画素電極の間隙を縫って配線され且つ該画素電極に画像信号を供給するためのデータ線と、前記データ線に交差するように配線され且つ前記画素電極に蓄積容量を付与するための遮光性導電膜からなる容量線とを備えており、前記対向基板上に、前記画素電極の間隙に対応して形成された対向基板側遮光膜を備えており前記素子アレイ基板上に、前記容量線から延設されて前記遮光性導電膜から形成されると共に平面的に見て前記データ線に交差する個所から前記データ線の両縁に沿って延びる遮光パターンを更に備え、前記対向基板側遮光膜は、平面的に見て前記データ線を覆う。
【0030】
本発明の電気光学装置によれば、基板上において、画素毎に設けられた半透過反射型の画素電極に、データ線や例えばTFT、TFD等の電子素子を介して画像信号を供給することで、所謂アクティブマトリクス駆動が可能となる。そして、外光を利用しての内面反射方式による反射表示と光源光を利用しての透過表示とが可能となる。この際、蓄積容量によって画素電極における保持特性を向上させられる。ここで、対向基板上には、画素電極の間隙に対応して対向基板側遮光膜が形成されており、データ線を覆うストライプ状或いは格子状に形成されている。他方、素子アレイ基板上には、容量線から延設されて遮光性導電膜から形成されると共に平面的に見てデータ線の両縁に沿って延びる遮光パターンを更に備える。よって、対向基板側遮光膜の製造過程で例えば3〜6μm程度の寸法誤差或いは位置誤差が生じ、更に両基板の貼り合せの工程で例えば6〜9μm程度の組みずれが生じても、データ線の中央付近については、上記寸法誤差や組ずれの影響がある対向基板側遮光膜によって遮光し、データ線の縁付近については上記寸法誤差が殆ど無く且つ上記組ずれの影響がない素子アレイ基板上に形成された幅数μm程度の遮光パターンによって高位置精度で遮光する構成が得られる。同時に、このように素子アレイ基板上では、データ線の両縁に沿って遮光パターンが形成されており、データ線の中央付近或いは全域に遮光パターンが重なることは無いので、データ線と遮光パターンとの間で生じる寄生容量を低減できる。これにより、データ線に対する画像信号の書き込み負荷を低減可能となる。
【0031】
以上の結果、画素電極の間隙における光抜けを確実に防止しつつ、同時に、対向基板側遮光膜によって各画素の開口領域を狭めることを効果的に防止でき、しかもデータ線の寄生容量が遮光のために増大してしまうことも殆ど無い。従って、最終的には、光抜けが殆ど無いためにコントラスト比が高く、しかも明るく高品位の反射表示及び透過表示を行うことが可能となる。
【0032】
本発明の更に他の電気光学装置は上記課題を解決するために、一対の対向基板及び素子アレイ基板間に電気光学物質層が挟持されてなり、前記素子アレイ基板上に、透過領域及び反射領域を夫々有する複数の半透過反射型の画素電極と、該画素電極の間隙を縫って配線され且つ該画素電極に画像信号を供給するためのデータ線と、前記データ線に交差するように配線され且つ前記画素電極に蓄積容量を付与するための遮光性導電膜からなる容量線とを備えており、前記対向基板上に、前記画素電極の間隙に対応して形成された対向基板側遮光膜を備えており前記対向基板及び素子アレイ基板間における基板間ギャップは、前記反射領域に比べて前記透過領域で大きく、前記素子アレイ基板上に、前記容量線から延設されて又は切り離されて前記遮光性導電膜から形成されると共に平面的に見て前記データ線に交差する個所から前記データ線の両縁に沿って延び且つ前記基板間ギャップが変化する段差部を少なくとも部分的に覆う遮光パターンを更に備え、前記対向基板側遮光膜は、平面的に見て前記データ線を覆う。
【0033】
本発明の電気光学装置によれば、基板上において、画素毎に設けられた半透過反射型の画素電極に、データ線や例えばTFT、TFD等の電子素子を介して画像信号を供給することで、所謂アクティブマトリクス駆動が可能となる。そして、外光を利用しての内面反射方式による反射表示と光源光を利用しての透過表示とが可能となる。この際、蓄積容量によって画素電極における保持特性を向上させられる。ここで、対向基板上には、画素電極の間隙に対応して対向基板側遮光膜が形成されており、データ線を覆うストライプ状或いは格子状に形成されている。他方、素子アレイ基板上には、容量線から延設されて又は切り離されて遮光性導電膜から形成されると共に平面的に見てデータ線の両縁に沿って延び且つ基板間ギャップが変化する段差部を少なくとも部分的に覆う遮光パターンを更に備える。よって、対向基板側遮光膜の製造過程で例えば3〜6μm程度の寸法誤差或いは位置誤差が生じ、更に両基板の貼り合せの工程で例えば6〜9μm程度の組みずれが生じても、データ線の中央付近については、上記寸法誤差や組ずれの影響がある対向基板側遮光膜によって遮光し、データ線の縁付近については上記寸法誤差が殆ど無く且つ上記組ずれの影響がない素子アレイ基板上に形成された幅数μm程度の遮光パターンによって高位置精度で遮光する構成が得られる。特にこの遮光パターンによって、段差部付近で生じやすい液晶の配向不良の如き電気光学物質の動作不良個所を部分的に隠すことも可能となる。同時に、このように素子アレイ基板上では、データ線の両縁に沿って遮光パターンが形成されており、データ線の中央付近或いは全域に遮光パターンが重なることは無いので、データ線と遮光パターンとの間で生じる寄生容量を低減できる。これにより、データ線に対する画像信号の書き込み負荷を低減可能となる。尚、上述した段差部付近における電気光学物質の動作不良個所の大部分は、対向基板側遮光膜で覆うように当該対向基板側遮光膜を形成してもよい。
【0034】
以上の結果、段差部付近における画像不良領域や画素電極の間隙における光抜けを確実に防止しつつ、同時に、対向基板側遮光膜によって各画素の開口領域を狭めることを効果的に防止でき、しかもデータ線の寄生容量が遮光のために増大してしまうことも殆ど無い。従って、最終的には、光抜けが殆ど無いためにコントラスト比が高く、しかも明るく高品位の反射表示及び透過表示を行うことが可能となる。
【0035】
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(その各種態様も含む)を具備してなる。
【0036】
この態様によれば、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、特に明るく高品位の反射表示及び透過表示が可能である半透過反射型の電気光学装置を表示部として有する、携帯電話やページャの表示部、液晶テレビ、パソコンやモバイル或いは携帯端末のモニター部、カメラのファインダ部などの各種電子機器を実現できる。
【0037】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本発明の電気光学装置を、半透過反射型の液晶装置に適用したものである。
【0039】
(第1実施形態)
先ず、本発明の第1実施形態における電気光学装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここでは、電気光学装置の一例として、バックライトを備えており駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の半透過反射型の液晶装置を例にとる。
【0040】
図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図であり、図2は、図1のH−H’断面図である。
【0041】
図1及び図2において、本実施形態に係る電気光学装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
【0042】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。
【0043】
本実施形態では特に、画像表示領域10aの全域に渡って、基板間ギャップを規定するギャップ材として多数の貝柱部520が、液晶層50が封入されたセル内に設けられている。但し、このような貝柱部520に加えて又は代えて、シール材52中に、グラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材を散布してもよい。或いは、比較的大型の液晶装置の場合には、このような貝柱部520に加えて又は代えて、液晶層50中に、グラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材を散布してもよい。
【0044】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
【0045】
画像表示領域の周辺に広がる領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する周辺領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また図1に示すように、対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナーに対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
【0046】
図2において、TFTアレイ基板10は、その基板本体として、石英板、ガラス板等からなる透明な第2透明基板202を備えてなる。第2透明基板202の上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線、画素電極9aが形成され、更にその最上層部分に配向膜が形成されている。他方、対向基板20上は、その基板本体として、石英板、ガラス板等からなる透明な第1透明基板201を備えてなる。第1透明基板201上には、対向電極21及び格子状の遮光膜23が形成されており、更にその最上層部分に配向膜が形成されている。また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
【0047】
対向基板20は更に、第1透明基板201における液晶層50と反対側には、偏光板207及び位相差板208を備えて構成されている。
【0048】
TFTアレイ基板10は更に、第2透明基板202における液晶層50と反対側に、偏光板217及び位相差板218を備える。加えて、偏光板217の外側に、蛍光管220と蛍光管220からの光を偏光板217から液晶パネル内に導くための導光板219とを備えて構成されている。導光板219は、裏面全体に散乱用の粗面が形成され、或いは散乱用の印刷層が形成されたアクリル樹脂板などの透明体であり、光源である蛍光管220の光を端面にて受けて、図の上面からほぼ均一な光を放出するようになっている。尚、図1では説明の便宜上、このようなTFTアレイ基板10に対して外付けされる蛍光管220の図示を省略してある。
【0049】
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。更に、本実施形態では、データ線駆動回路101や走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape Automated bonding)基板上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。
【0050】
次に図3及び図4を参照して、図1及び図2に示した対向基板20について詳細に説明する。ここに、図3は、対向基板20の部分平面図であり、図4は、そのK−K’断面図である。尚、図4において、厚み関係の理解のため、高さ方向を拡大してある。また、図4は、図1に示した対向基板20を上下逆転して示したものであり、偏光板及び位相差板ついては省略してある。
【0051】
図3及び図4に示すように、対向基板20は、第1透明基板201、遮光膜23、カラーフィルタ500、段差形成膜510、対向電極21、貝柱部520及び配向膜22から構成されている。
【0052】
遮光膜23は、カラーフィルタ500における各色材部分の間隙を規定すべく格子状に、第1透明基板201上に形成されている。遮光膜23は、例えばCr(クロム)、Ni(ニッケル)等の金属から形成されている。前述したTFTアレイ基板側に形成される配線部や素子部は、概ね遮光膜23によって隠される。遮光膜23は、カラーフィルタ500における各色材部分の間隙における光抜けを防止し、更にカラーフィルタ500における混色防止の機能を有すると共に入射光に起因する電気光学装置の温度上昇を防ぐ機能を有する。
【0053】
カラーフィルタ500は、画像表示領域内に設けられており、各画素に対応してマトリクス状に、赤(R)、緑(G)及び青(B)に分けられており、更に各画素内において各色のカラーフィルタ部分は、更に、透過表示用の領域に形成された色が濃い部分と反射表示用の領域に形成された色が薄い部分とに分けられている。即ち、カラーフィルタ500は、赤、緑、青3色×2=6色のカラーフィルタとして構築されている。
【0054】
より具体的には、カラーフィルタ500において、カラーフィルタ部分RRは、赤色(R)の反射表示用であり、カラーフィルタ部分TRは、赤色(R)の透過表示用である。カラーフィルタ部分RGは、緑色(G)の反射表示用であり、カラーフィルタ部分TGは、緑色(G)の透過表示用である。カラーフィルタ部分RBは、青色(B)の反射表示用であり、カラーフィルタ部分TBは、青色(B)の透過表示用である。これらのカラーフィルタ部分RR〜TBのうち透過表示用のものは、反射表示用のものよりも、約半分の明るさが得られるように色度域としては広くなっている。
【0055】
カラーフィルタ500は、顔料分散法などのフォトリソグラフィを用いて製造され、各カラーフィルタ部分RR〜TBは、アクリル等の有機絶縁材料で作られる。各カラーフィルタ部分RR〜TBは、本例では、同一顔料で濃度を変える又は顔料成分を変えることにより、色度域を変えて形成されており、6色のカラーフィルタ部分は、相互に同一の膜厚となっている。
【0056】
カラーフィルタ500は、図3では、ストライプ配列とされているが、その他に、デルタ配列、モザイク配列、トライアングル配列等で配列されてもよい。
【0057】
段差形成膜510は、図4に示すように反射表示用の領域に形成されたカラーフィルタ部分RR、RG及びRB上に形成されており、その平面形状が、図3に示すように左右の画素の配列方向に沿って延びるストライプ状に形成されている。段差形成膜510は、後述の如く対向基板20をTFTアレイ基板10と対向配置して構成された電気光学装置における基板間ギャップのうち狭い方の第1ギャップを直接的に規定するものであり、これらのうち広い方の2ギャップの半分程度の高さを有する。より具体的には、段差形成膜510の高さは、例えば、2〜4μm程度であり、アクリル等の透明有機絶縁材料で形成されている。
【0058】
各画素内の領域のうち、このようにストライプ状の段差形成膜510が形成されることで相対的に凸状とされた段差部或いは土手部の上に存在する領域は、反射表示領域とされており、段差形成膜510が形成されないことで相対的に凹状とされた平坦部或いは底部にある領域は、透過表示用の領域とされている。即ち、このような段差部の存在によって、光源光が1回だけ液晶層50を通過する透過表示と、外光が2回液晶層50を通過する反射表示との間で、液晶層50における偏光特性を揃えることが可能とされている。これらの反射表示用の領域と透過表示用の領域との間の領域には、なだらかなスロープで形成されており、配向膜22に対するラビング処理を良好に施すことが可能とされている。
【0059】
対向電極21は、段差形成膜510及びカラーフィルタ500上の全面に渡って、ITO膜等の透明電極膜から形成されている。
【0060】
貝柱部520は、対向電極21上であって、段差形成膜510の形成された領域内に形成されている。貝柱部は、例えば、6色分のカラーフィルタ500部分に対して1個、つまり3画素に1個の割合で形成されている。貝柱部520の高さは、第2ギャップの半分程度で例えば2〜4μm程度であり、アクリル等の有機絶縁材料から形成されている。貝柱部520は、本例では、円柱の形状を有する。但し、これは、例えば八角や六角の角柱でもよく、また製造プロセル中のラビング処理を考慮して、ラビング方向に流線型をした形状でもよい。貝柱部520の径は、例えば10〜15μm程度である。貝柱部520は、透明ではないので、好ましくは、各画素の非開口領域内に配置されている。即ち遮光膜23によって表示時に観察者から見えないように隠されている。
【0061】
配向膜23は、貝柱部520及び対向電極21上の全面に渡って、形成されている。配向膜23は、例えば、ポリイミド樹脂による配向膜が塗布された後、焼成され、更にラビング処理が行われることで形成されている。
【0062】
本実施形態では特に、上述の如きカラーフィルタ500を、一般的な成膜方法であるフォトリソグラフィによる顔料分散法で形成した場合には、カラーフィルタ500の各色材部分の成膜時の位置合わせ精度は、例えば3〜5μm程度である。このため、隣り合った色材部分の縁は重なり合ったり、離れたりしやすい。そこで、図3に示したように、各角部では多重の重なりを避けるために、各色材部分の四つの角付近は夫々、例えば5μm程度の曲率半径を有するように丸められている。しかもこのように丸められた四つの角に囲まれた非成膜領域540は、カラーフィルタ500におけるいずれの色材部分も存在しない領域とされている。
【0063】
仮にカラーフィルタ500の間隙に形成される遮光膜23の幅550(図3参照)を広く取れば、特にカラーフィルタ部分TR及びRR間の境界、カラーフィルタ部分TG及びRG間の境界、カラーフィルタ部分TB及びRB間の境界といった、濃淡色材部分の境界の両端部における非形成領域540を含めて、非形成領域540における光抜けを防止することは可能である。但し、このような構成では、光抜け防止によりコントラスト比を向上させることは可能であるものの、各画素における開口領域を広げこれによって明るい表示を行うことが根本的に困難になる。そこで本実施形態では、後に詳述するように、TFTアレイ基板10上の容量線からデータ線に沿って延設した遮光パターンにより、特に各画素内における濃淡色材部分の境界の両端部における非形成領域540での光抜けを防止するように構成されている。
【0064】
次に、図5から図8を参照して、図1に示したTFTアレイ基板10について詳細に説明する。ここに、図5は、TFTアレイ基板上に構成される配線、電子素子等の等価回路図であり、図6は、TFTアレイ基板の部分平面図であり、図7は、図6の部分拡大図であり、図8は、図7に示したJJ’線に沿って切断したときの電気光学装置の断面図である。尚、図8においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0065】
図5において、本実施形態における電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素には夫々、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板20に形成された対向電極21(図2参照)との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極21との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。蓄積容量70は、容量線300の一部からなる固定電位側容量電極と、TFT30のドレイン側及び画素電極に9aに接続された画素電位側容量電極とを備える。
【0066】
次に図6及び図7に示すように、TFTアレイ基板10上には、半透過反射型の画素電極9aがマトリクス状に配列されており、画素電極9aに対応する画素の領域は、透過表示用の領域と反射表示用の領域とに二分されている。尚、図6は、図3に示した対向基板20の平面図に対応しているが、左右反転した平面図である。即ち、図3における線分ABが、図6における線分A’B’に対して平面図上で一致するように両基板は、対向配置される。加えて、図6では、6色のカラーフィルタ部分RR〜TBに夫々対応させる意味で、カラーフィルタ部分RR’〜TB’として表示している。
【0067】
図7に拡大して示すように、TFTアレイ基板10には、半透過反射型の画素電極9a(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。また、半導体層1aのうち図7中ハッチングで示したのがチャネル領域1a’である。角状のゲート電極405は、チャネル領域1a’において半導体層1aに対向するように走査線3aから突出して形成されている。尚、ゲート電極405は、走査線3aと同一導電材料から一体形成されてもよいし、別材料から形成されてもよい。このように、画素には夫々、チャネル領域1a’に走査線3aに接続するゲート電極405が対向配置された画素スイッチング用のTFT30が設けられている。
【0068】
図6から図8に示すように、蓄積容量70は、画素電極9aに重なるように配置された平面形状を有する。蓄積容量70の画素電位側容量電極は、半導体層1aのドレイン領域1eから延設された部分からなり、その固定電位側容量電極は、走査線3aと並んで配列された容量線300から延設された部分からなる。容量線300は、画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されて、固定電位とされる。半導体層1aのドレイン領域1eは、コンタクトホール83、中継層71及びコンタクトホール85を介して画素電極9aと電気的に接続されている。半導体層1aのソース領域1dはコンタクトホ−ル81を介してデータ線6aと接続されている。
【0069】
図7に示すように本実施形態では特に、半透過反射電極の一例を構成する画素電極9aに対応する画素の領域は、透過表示用の領域と反射表示用の領域とに二分されている。より具体的には、図7中LL’線の上側が、反射表示用の領域であり、カラーフィルタ部分RR’に対応している。他方、図7中LL’線の下側が、透過表示用の領域であり、カラーフィルタ部分TR’に対応している。
【0070】
図7及び図8に示すように、反射表示用の領域には、表面に多数の微小な略半球状の凹部420が形成されたAl(アルミニウム)膜からなる反射膜430が、画素電極9aの下に重なるように積層されている。これにより、反射表示用の領域には、画素電極9a及び反射膜430から反射電極が構築されることになる。尚、凹部420は、鏡面反射を避けるためのものであり、凸部であっても構わない。
【0071】
TFTアレイ基板10側には、画素単位で液晶層50部分を駆動可能となるように、画素電極9a及びこれに接続されたTFT30及び配線部が設けられている。対向基板20側には、画素電極9aに対向した全面ベタの透明な対向電極21が形成されている。
【0072】
画素スイッチング用のTFT30下には、下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12は、下側遮光膜11aからTFT30を層間絶縁する機能の他、第2透明基板202の全面に形成されることにより、その表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用のTFT30の特性変化を防止する機能を有する。
【0073】
図8において、画素スイッチング用のTFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、ゲート405、当該ゲート405からの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、ゲート405と半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えている。前述したようにゲート405は走査線3aに接続され、高濃度ソース領域1dは、データ線6aに接続され、高濃度ドレイン領域1eは、蓄積容量70の画素電位側容量電極に接続されている。
【0074】
データ線6aは、Al等の低抵抗な金属膜や金属シリサイド等の合金膜などから構成されている。
【0075】
走査線3a、ゲート405及び容量線300の上には、第1層間絶縁膜41が形成されている。第1層間絶縁膜41には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール81及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール83が各々開孔されている。
【0076】
第1層間絶縁膜41上には、中継層71とデータ線6aが形成されており、これらの上には、コンタクトホール85と反射光を散乱させるための凹部419とが開孔された第2層間絶縁膜42が形成されている。凹部419は、反射表示用の領域に形成され、すり鉢状をしており、凹部419の上縁における内径は、例えば1〜10μm程度である。
【0077】
第2層間絶縁層42の上には、コンタクトホール85が形成された第3層間絶縁膜43が形成されている。第3層間絶縁膜43では、第2層間絶縁膜42のすり鉢状の凹部419に起因して、略半球状の凹部420が形成されている。画素電極9aは、このように構成された第3層間絶縁膜43の上面に形成されており、コンタクトホール85を介して中継層71に接続されている。
【0078】
画素電極9aの上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。配向膜16は例えば、ポリイミド膜などの有機膜からなる。画素電極9aには前述したように、反射表示用の領域における反射膜430が下地側に重ねられた反射部と、透過表示用の領域における反射膜430が重ねられない透過部とを含んでなる。また、反射部には、多数の半球状の凹部420が形成されており、鏡面反射を避けた反射表示が可能とされている。
【0079】
尚、図8では、図2に示した如き第1透明基板201の外面に取り付けられる偏光板207及び位相差板208、並びに第2透明基板202の外面に取り付けられる偏光板217、位相差板218、導光板219及び蛍光管220については、説明の簡便化のために省略してある。
【0080】
次に本実施形態における遮光機能について、図6及び図8に加えて図9を参照して説明する。ここに図9は、図7に示したLL’線に沿って切断したときの電気光学装置の図式的な断面図である。尚、図9においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0081】
図7及び図9に示すように、データ線6aと交差する個所における容量線300から、遮光パタ−ン410及び410’が、データ線6aの両縁に沿って延設されている。そして、各段の容量線300と一体形成された遮光パターン410及び410’は、次段の走査線3a付近にまで延びている。
【0082】
図7には、対向基板20側に設けられたカラーフィルタ500における各画素内の濃淡2色の境界の両端部に位置する非成膜領域540及び遮光膜23のTFTアレイ基板10上における平面配置が重ねて示されている。このように、TFTアレイ基板10上の容量線300からデータ線6aに沿って延設した遮光パターン410及び410’によって、各画素内における濃淡2色の境界の両端部における非形成領域540での光抜けを防止するように構成されている。そして、遮光パターン410及び410’が、係る非成膜領域540で遮光することにより、この領域での光抜けを防止しつつ、対向基板20側に形成される遮光膜23の幅550を10μm程度以下に抑えることができる。よって、各画素における開口領域を広げて明るい表示を行うことが可能となる。
【0083】
データ線6aの中央付近については、このように対向基板20側の遮光膜23の製造過程で例えば3〜6μm程度の寸法誤差或いは位置誤差が生じ、更に両基板の貼り合せの工程で例えば6〜9μm程度の組みずれが生じても、遮光膜23によって遮光可能である。他方で、データ線6aの中央付近には、遮光パターン410及び410’を重ねて形成しないことにより、データ線6aの寄生容量を低減できる。特に、図9に示したように、遮光パターン410及び410’とデータ線6aとの間には、第1層間絶縁膜41が存在するので、両者間は3次元的に離間しており、その分だけ両者間の寄生容量を低減可能である。
【0084】
データ線6aの縁付近については、上記寸法誤差が殆ど無く且つ上記組ずれの影響がないTFTアレイ基板10上に形成された幅数μm程度の遮光パターン410及び410’によって高位置精度で遮光する。特にこの遮光パターン410及び410’によって、丸まった角同士が接した形となっている濃淡2色の色材の境界の端部に位置する非成膜領域540についても遮光できる。尚、係る濃淡2色の色材の境界の端部に位置する非成膜領域540以外の非成膜領域540については、各角は丸まっている。しかしながら、異なる画素間の間隙であれば、TFTアレイ基板10上に形成されたデータ線6a或いは走査線3aの存在によって幅広に遮光領域が規定されているので、このような非成膜領域540については、遮光パターン410及び410’によって高精度に遮光せずとも十分に遮光可能である。
【0085】
加えて、本実施形態では、遮光パターン410及び410’は、対向基板20及びTFTアレイ基板10間の組ずれ量をマージンとして、遮光膜23に重なるように形成されている。
【0086】
より具体的には図9において先ず、データ線6aの中心と遮光膜23の縦線の中心とが一致して、しかもカラーフィルタ500の成膜時の位置ズレが無いと仮定する。このとき、データ線6aの中心を通る中心線YY’からデータ線6a、遮光膜23並びに遮光パターン410及び410’までの左側の距離は、図9に示したように次の通りである。
【0087】
wa…データ線6aの左端から中心線YY’までの距離
wb…遮光パターン410の、中心線YY’に近い方の端から中心線YY’までの距離
wc…遮光膜23の左端から中心線YY’までの距離
wd…非成膜領域540の端Nから中心線YY’までの距離
we…遮光パターン410の、中心線YY’から遠い方の端から中心線YY’までの距離
このとき、図7に示す関係は、中心線YY’からの距離で記載すると、次式(1)となる。
【0088】
wa<wb<wc<wd<we …(1)
この適正の関係から遮光すべき各領域は、下記▲1▼〜▲3▼のように遮光されていることが分かる。
【0089】
▲1▼ データ線6aの左端と遮光パターン410の中心線YY’に近い方の端との間の領域(wb〜wa):
遮光膜23の端wcが遮光パターン410の中心線YY’に近い方の端よりも大きいという関係(wc>wb)により遮光可能とされる。
【0090】
▲2▼ 遮光膜23の左端と非成膜領域540の端Nとの間の領域(wd〜wc):
遮光パターン410の中心線YY’から遠い方の端までの距離weが非成膜領域540の端Nまでの距離wdよりも大きいという関係(we>wd)により遮光可能とされる。
【0091】
▲3▼ カラーフィルタ500の境界及びTFTアレイ基板10上の配線部:
これは遮光膜23で遮光可能とされる。
【0092】
尚、以上は、中心線YY’の左側についてのみ述べたが、データ線6aの中心線に対して左右対称であり、右側についてもほぼ同様である。
【0093】
しかしながら上記の仮定では、遮光の検討に際してカラーフィルタ500の成膜時の位置ズレと対向基板20とTFTアレイ基板10との組立ズレが考慮されていない。
【0094】
そこで、カラーフィルタ500の成膜時の位置ズレについては、中心線YY’から、遮光パターン410の中心線YY’から遠い方の端までの距離weの大きさを、中心線YY’から非成膜領域540の端Nまでの距離wdよりも予想される位置ズレ分以上大きくすることにより遮光可能とされる。
【0095】
次に、対向基板20とTFTアレイ基板10との組立ズレについては、上記▲1▼では、中心線YY’から、遮光膜23の端までの距離wcを中心線YY’から遮光パターン410の中心線YY’に近い方の端よりも予想される組立ズレ分以上大きくすることにより、遮光可能となる。
【0096】
逆に遮光膜23の幅は変えないとすれば、中心線YY’から遮光パターン410の中心線YY’に近い方の端までの距離wbを、中心線YY’から遮光膜23の端までの距離wcよりも予想される組立ズレ分以上小さくする。
【0097】
上記▲2▼については、これも、中心線YY’から遮光パターン410の中心線YY’から遠い方の端までの距離weの大きさを非成膜領域540の端Nまでの距離wdよりも予想される組立ズレ分以上大きくすることにより遮光可能となる。
【0098】
従って、通常起こり得るのであるが、カラーフィルタ500の成膜時の位置ズレと対向基板20及びTFTアレイ基板10の組立ズレが同時に発生する可能性を考慮して、遮光膜23と遮光パターン410及び410’の大きさを次のように設定するのが好ましい。
▲1▼ 次式(2)に示したように、中心線YY’から遮光パターン410の中心線YY’に近い方の端までの距離wbを、中心線YY’から遮光膜23の端wcよりも予想される組立ズレ分以上小さく設定する。
【0099】
wb<wc+予想される組立ズレ分 …(2)
▲2▼ 次式(3)に示したように、中心線YY’から遮光パターン410の中心線YY’から遠い方の端間での距離weを、中心線YY’から非成膜領域540の端Nまでの距離wdよりも予想される位置ズレ分と予想される組立ズレ分とを加えた大きさ以上に設定する。
【0100】
we>wd+予想される位置ズレ分+予想される組立ズレ分 …(3)
以上説明したように遮光機能を有するデータ線6a、遮光膜23並びに遮光パターン410及び410’の位置関係を適正にし、しかもその大きさをも適正化することにより、成膜時の位置ズレや両基板の組立ズレの際にも、カラーフィルタ500の非成膜領域540を表示から確実に隠すことが可能となる。
【0101】
以上の結果第1実施形態によれば、6色のカラーフィルタ500の濃淡2色間の間隙を含めた非成膜領域540における光抜けを確実に防止しつつ、同時に、寸法精度等が低い遮光膜23によって各画素の開口領域を狭めることを効果的に防止できる。しかも、データ線6aにおける寄生容量を低減できる。
【0102】
尚、本実施形態では、TFT30や蓄積容量70は、反射領域内に設けられており、反射膜下のスペースの有効利用が図られている。
【0103】
次に以上のように構成された半透過反射型の電気光学装置の動作について図2を参照して説明する。
【0104】
まず、反射表示について説明する。
【0105】
この場合には、図2において、偏光板207の側(即ち、図2で上側)から外光が入射すると、偏光板207、位相差板208、透明な第1基板201及び液晶層50等を介して、第2基板202上に設けられた半透過反射型の画素電極9aのうち反射表示用の領域により反射され、液晶層50等を介して、カラーフィルタ500によって所定色に着色され、更に位相差板208により色補正済みの反射光として偏光板207側から出射される。ここで、外部回路から所定タイミングでデータ線6aに画像信号を供給すると共に走査線3aに走査信号を供給すれば、画素電極9aにおける液晶層50部分には、画像信号に対応する電界が印加される。従って、この印加電圧により液晶層50の配向状態を各画素単位で制御することにより、偏光板207から出射する光量を変調し、カラーの階調表示が可能となる。
【0106】
次に透過表示について説明する。
【0107】
この場合には、図2において第2基板202の下側から導光板219、偏光板217等を介してバックライト220からの光源光が入射すると、半透過反射型の画素電極9aにおける透過表示用の領域を透過し、カラーフィルタ500によって所定色に着色され、更に位相差板208により色補正済みの透過光として、偏光板207側から出射される。ここで、外部回路から所定タイミングでデータ線6aに画像信号を供給すると共に走査線3aに走査信号を供給すれば、画素電極9aにおける液晶層50部分には、画像信号に対応する電界が印加される。従って、この印加電圧により液晶層50の配向状態を各画素単位で制御することにより、偏光板207から出射する光量を変調し、カラーの階調表示が可能となる。
【0108】
以上の結果、第1実施形態によれば、透過表示と反射表示との間で、液晶層50における偏光特性を揃えることが可能となると共に、カラーフィルタ500による色付け濃度についても揃えることが可能となる。そして特に、光抜けが殆ど無いためにコントラスト比が高く、しかも明るく高品位の反射表示及び透過表示を行うことが可能となる。
【0109】
尚、図2では、説明の便宜上、位相差板や偏光板を、TFTアレイ基板10及び対向基板20の外面側に夫々一枚ずつ配置しているが、偏光板や位相差板の光学特性、配置個所、枚数等については、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて各種の態様を採用可能である。
【0110】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態における電気光学装置の構成及び動作について図10を参照して説明する。ここに、図10は、第2実施形態における図7に対応する個所における拡大平面図である。図10においては、図1から図9に示した第1実施形態の場合と同様の構成要素については同様の参照符号を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0111】
第1実施形態では、遮光パターン410及び410’は、容量線300から延設され反射領域から透過領域へと同一幅で延びているが、第2実施形態では、遮光パターンを段差による液晶層50の配向不良が発生しやすい反射領域と透過領域との境界付近で少なくとも幅広に形成されており、これにより液晶層50の配向不良に基づく画像不良を隠すように構成されている。更に、遮光パターンの幅が画素の開口領域を狭めることになる透過領域においては、遮光パターンは、幅狭に形成されている。その他の構成については上述した第1実施形態の場合と同様である。
【0112】
即ち図10に示すように、遮光パターン415及び415’は、反射領域ではその幅が開口領域を狭める訳ではないので、幅広に形成されている。他方、透過領域では、その幅が開口領域を狭めることになるので、幅狭に形成されている。そして特に、遮光パターン415及び415’の幅を、非成膜領域540の最大幅となる境界付近たるN点までは、前述した第1実施形態に係る幅Weとし、それを超えたところは遮光膜23の幅に組立ズレを考慮した幅とする。より具体的には、即ち図10でLL’線とM点との中点ぐらいまでを前述の幅Weとし、それを超えたところは走査線3a’付近まで遮光膜23‘の幅に対向基板と素子アレイ基板との組立ズレ分を加えた大きさとすることで各画素の開口領域を狭めないようにする。
【0113】
そして特に、遮光パターン415及び415’は、濃淡2色の色材の境界の両端部に位置する非成膜領域540を覆うことに加えて、平面的に見て基板間ギャップが変化する段差部を少なくとも部分的に覆う。このため、段差部付近で生じやすい液晶層50の配向不良個所を、遮光パターン415及び415’により部分的に隠せる。更に、遮光パターン415及び415’で隠せない他の液晶層50の配向不良個所の大部分は、遮光膜23及びデータ線6aで覆うようにしてもよい。
【0114】
以上の結果第2実施形態によれば、6色のカラーフィルタ500の濃淡2色間の間隙を含めた非成膜領域540における光抜けを確実に防止しつつ、同時に、寸法精度等が低い遮光膜23によって各画素の開口領域を狭めることを効果的に防止できる。しかも、段差による液晶層50の配向不良に起因した悪影響を低減できる。
【0115】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態における電気光学装置の構成及び動作について図11を参照して説明する。ここに、図11は、第3実施形態における図7に対応する個所における拡大平面図である。図11においては、図1から図9に示した第1実施形態の場合と同様の構成要素については同様の参照符号を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0116】
第1実施形態では、遮光パターン410及び410’は、容量線300から延設されているが、第3実施形態では、容量線300とは同層で形成するものの、遮光パターンは、容量線300から切り離されている。そして、遮光パターンと容量線300との間に隙間430が開けられている。その他の構成については上述した第1又は第2実施形態の場合と同様である。
【0117】
即ち図11に示したように、隙間430遮光するためにデ−タ線6aを局所的に幅広に形成し、幅広パターン440とする。隙間430は、図11ではハッチング領域として示されており、その大きさは電気的接続が切れればよいので特に指定はない。ただし、幅広パターン440については、その大きさを対向基板20とTFTアレイ基板10との組立ズレを考慮して決めるのが好ましい。即ち、隙間430の四辺よりも予想される組立ズレ分以上大きく形成し、組立ズレが起きたときも遮光可能とするのが好ましい。
【0118】
そして特に、遮光パターン416及び416’は、容量線300から切り離されて形成されている。よって、遮光パターン416及び416’は、容量線300の電位に固定されることはなくなり、浮遊電位とされる。このため、データ線6a及び容量線300或いは遮光パターン416及び416’間における寄生容量を、より一層低減できる。しかも、このように遮光パターン416及び416’を容量線300から切り離すことで発生する隙間430については、遮光膜23によって覆われ且つデータ線6aにおける幅広部440によって覆われると共に遮光パターン416及び416’における幅広部分によっても覆われるので、当該隙間430を介しての光抜けも殆ど生じない。
【0119】
以上の結果第3実施形態によれば、6色のカラーフィルタ500の濃淡2色間の間隙を含めた非成膜領域540における光抜けを確実に防止しつつ、同時に、寸法精度等が低い遮光膜23によって各画素の開口領域を狭めることを効果的に防止できる。しかも、データ線6aにおける寄生容量をより低減できる。
【0120】
(電子機器)
次に、上述した各実施形態に係る半透過反射型の電気光学装置を電子機器に用いた例について図12から図14を参照して説明する。
【0121】
先ず、上述した電気光学装置を、モバイル型コンピュータの表示部に適用した例について説明する。図12は、この構成を示す斜視図である。図12において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、表示部として用いられる表示装置1005とを備えている。
【0122】
次に、上述した電気光学装置を、携帯電話の表示部に適用した例について説明する。図13は、この構成を示す斜視図である。図13において、携帯電話1250は、複数の操作ボタン1252のほか、受話口、送話口とともに、上述した電気光学装置を表示装置1005として備えるものである。
【0123】
次に、上述した電気光学装置を、ファインダに用いたデジタルスチルカメラについて説明する。図14は、この構成を背面から示す斜視図である。デジタルスチルカメラ1300におけるケース1302の背面には、上述した電気光学装置が表示装置1005として設けられ、ケース1302の前面に設けられたCCD1304による撮像信号に基づいて、表示を行うようになっている。即ち、表示装置1005は、被写体を表示するファインダとして機能することになる。
【0124】
なお、電子機器としては、これらの他、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーションシステム、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。
【0125】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう電気光学装置及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の平面図である。
【図2】 図1のH−H’断面図である。
【図3】 第1実施形態に係る対向基板の部分平面図である。
【図4】 図3のK−K’断面図である。
【図5】 第1実施形態に係るTFTアレイ基板上に構成される配線、電子素子等の等価回路図である。
【図6】 第1実施形態に係るTFTアレイ基板の部分平面図である。
【図7】 図6の部分拡大図である。
【図8】 図7に示したJJ’線に沿って切断したときの電気光学装置の断面図である。
【図9】 図7に示したLL’線に沿って切断したときの電気光学装置の図式的な断面図である。
【図10】 第2実施形態における図7に対応する個所における拡大平面図である。
【図11】 第3実施形態における図7に対応する個所における拡大平面図である。
【図12】 実施形態に係る電気光学装置を適用した電子機器の一例たるモバイル型コンピュータを示す斜視図である。
【図13】 実施形態に係る電気光学装置を適用した電子機器の他の例たる携帯電話を示す斜視図である。
【図14】 実施形態に係る電気光学装置を適用した電子機器の他の例たるデジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
6a…データ線
9a…画素電極
10…TFTアレイ基板
20…対向基板
21…透明電極
23…遮光膜
50…液晶層
201…第1透明基板
202…第2透明基板
300…容量線
410、415、416…遮光パターン
500…カラーフィルタ
510…段差形成膜

Claims (10)

  1. 一対の対向基板及び素子アレイ基板間に電気光学物質層が挟持されてなり、
    前記素子アレイ基板上に、透過領域及び反射領域を夫々有する複数の半透過反射型の画素電極と、該画素電極の間隙を縫って配線され且つ該画素電極に画像信号を供給するためのデータ線と、前記データ線に交差するように配線され且つ前記画素電極に蓄積容量を付与するための遮光性導電膜からなる容量線とを備えており、
    前記対向基板上に、各画素電極における前記透過領域及び前記反射領域に夫々対応する濃淡2色をR(赤)G(緑)B(青)夫々に対して有する合計6色の色材を含んでなるカラーフィルタと、前記画素電極の間隙に対応して形成された対向基板側遮光膜とを備えており、
    前記素子アレイ基板上に、前記容量線から延設されて又は切り離されて前記遮光性導電膜から形成されると共に平面的に見て前記データ線に交差する個所から前記データ線の両縁に沿って延び且つ前記濃淡2色の色材の境界の両端部を覆う第1の幅を有する第1の部分と前記透過領域において前記第1の幅よりも小さい第2の幅を有する遮光パターンを更に備え、
    前記対向基板側遮光膜は、平面的に見て前記データ線を覆うことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記素子アレイ基板上に、前記データ線及び前記画素電極間に接続された薄膜トランジスタと、前記データ線に交差するように配線され且つ前記薄膜トランジスタに走査信号を供給する走査線とを更に備え、
    前記容量線は、前記走査線と同一層からなり、
    前記薄膜トランジスタは、平面的に見て前記反射領域に重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記遮光性導電膜は、前記データ線の下側に少なくとも層間絶縁膜を介して積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. 前記遮光パターンは、前記対向基板及び前記素子アレイ基板間の組ずれ量をマージンとして前記対向基板側遮光膜に重なるように形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記遮光パターンは、前記容量線から切り離されて形成され、
    前記対向基板側遮光膜は、平面的に見て前記容量線及び前記遮光パターン間の間隙を更に覆うことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記遮光パターンは、前記容量線から切り離されて形成され、
    前記データ線は、平面的に見て前記容量線及び前記遮光パターン間の間隙を覆うように幅広部を含み且つ他の遮光性導電膜から形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記対向基板及び素子アレイ基板間における基板間ギャップは、前記反射領域と比べて前記透過領域で大きいことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記遮光パターンは、前記濃淡2色の色材の境界の両端部を覆うことに代えて又は加えて、平面的に見て前記基板間ギャップが変化する段差部を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする請求項7に記載の電気光学装置。
  9. 前記画素電極は、前記透過領域において透過電極から構成され且つ前記反射領域において前記透過電極に重ねて形成された反射膜又は反射電極から構成されており、
    前記蓄積容量は、前記反射領域における前記反射膜又は反射電極の下に隠れるように配置されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 請求項1からのいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
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