JP4196164B2 - 2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の製造法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、両末端にフェノール性水酸基を有する2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の製造法に関するもので、アミン付加体のない2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気・電子用途の材料には、高度情報化社会での大量データを高速で処理するための低誘電特性、熱衝撃等でマイクロクラックが発生しないための強靭性が必要とされている。これに対し、ポリフェニレンエーテル(PPE)などのエンジニアリングプラスチックスの利用が提案されている。
【0003】
しかし、PPEは優れた高周波特性を有する反面、エポキシ樹脂やシアネート樹脂等の熱硬化性樹脂との相溶性が悪いこと、溶融粘度が高く成形加工性が悪いこと、溶解する溶媒がトルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系あるいはメチレンクロライド、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系に限定され作業性が悪いこと等の問題点をもつことが知られている。
【0004】
相溶性改善のためには、相溶化剤として他の樹脂とのブレンドにより改善する方法やPPEとシアネート樹脂の擬似IPN構造化の検討(例えば、特許文献1参照。)等がなされているが、成形加工性・耐熱性までは解決されていない。また、成形性改善のためには、高分子PPEを低分子にする方法等の検討がなされている。例えば、高分子PPEと2価のフェノールをラジカル触媒下で再分配させる方法(例えば、特許文献2参照。)、あるいは2価のフェノールと1価のフェノールを酸化重合する方法(例えば、特許文献3参照。)等が知られている。しかしながら、いずれの方法でも高分子体が存在し、所望する分子量を有する2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体を効率良く得ることができなかった。
【0005】
またフェノール類の酸化重合で得られるポリフェニレンエーテル樹脂は、酸化重合反応の際に使用される脂肪族2級アミンが末端フェノールのオルト位のベンジル位に付加することが広く知られている(例えば、特許文献4参照。)。ポリフェニレンエーテル樹脂の末端フェノール性水酸基を他の官能基に誘導する際、この付加したアミンが反応を阻害したり、官能基の安定性を低下させたりする問題があった。アミン付加体の生成量を減らす方法として、特定のアミンを使用する方法が提案されている(例えば、特許文献5参照。)が、その効果は不十分であった。更に、ポリフェニレンエーテル樹脂に付加したアミンをアルコール類で置換する方法が提案(例えば、特許文献6参照。)されているが、工程が増える等の問題点があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平11-21452号公報(第1−6頁)
【特許文献2】
特開平9-291148号公報(第1−3頁)
【特許文献3】
特公平8-011747号公報(第1−3頁)
【特許文献4】
特開昭52-897号公報(第1−7頁)
【特許文献5】
特開昭62-131022号公報(第1−4頁)
【特許文献6】
特開平5-148357号公報(第1−5頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の事実に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、PPEの優れた電気特性・強靭性を有し、熱硬化性樹脂との相溶性、成形加工性を改善し、更には汎用ケトン系溶媒に溶解し、末端フェノール性水酸基の修飾が容易であるアミン付加体のない2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体を製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の製造法について鋭意研究を重ねた結果、銅系触媒および、3級アミンまたは2級アルキル基、3級アルキル基あるいはアリール基を有する2級アミンまたは両者の混合系を用いて、下記構造式(2)で表される2価のフェノール体と下記構造式(3)で表される1価のフェノール体との酸化重合反応を行うことで、アミン付加体のない下記構造式(1)で表される2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体を安定的に効率よく製造できる事を発見し、本発明を完成するに至った。以下に、本発明を詳細に説明する。
【0009】
【化2】
Figure 0004196164
【0010】
(上記式中、R1、R2、R3、R7、R8、R9、R10は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を示す。R4、R5、R6、R11、R12は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を示す。m、nは、少なくともいずれか一方が0でない0〜25の整数を示す。)
【0011】
本発明の2価のフェノール体とは、下記構造式(2)で表される2価のフェノールである。
【化3】
Figure 0004196164
【0012】
ここで、構造式(2)の2価のフェノール体とは、R1、R2、R3、R7、R8は同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R4、R5、R6は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基であり、R1、R2、R3、R7、R8が水素原子でないことが必須の2価のフェノールであり、2,3,3',5,5'-ペンタメチル-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジオール、2,2',3,3',5,5'-ヘキサメチル-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジオールなどが好ましい。
【0013】
本発明の1価のフェノール体とは、下記構造式(3)で表される1価のフェノールである。
【化4】
Figure 0004196164
【0014】
構造式(3)において、R9、R10は同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R11、R12は同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。特に、2,6位に置換基を有するもの単独、またはこれと2,3,6位あるいは2,3,5,6位に置換基を有するものが併用されることが好ましい。更には、単独では2,6-ジメチルフェノールが好ましく、併用では2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールが好ましい。
【0015】
本発明の構造式(1)で示される2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体は、構造式(2)で表される2価のフェノール体と、構造式(3)で表される1価のフェノール体とを酸化重合することによって得られる。酸化の方法については直接酸素ガス、空気を使用する方法がある。また電極酸化の方法もある。いずれの方法でも良く、特には限定されない。設備投資が安価である事から空気酸化が好ましいが、安全性から反応器中の酸素濃度を爆発限界の限界酸素濃度以下で酸化重合反応を実施することが更に好ましい。限界酸素濃度以下での酸化重合反応方法としては、気相中に不活性ガスを供給しながら空気で酸化重合反応を行う方法、または不活性ガス等と空気を混合して酸素濃度を3〜15%に調整した混合ガスで酸化重合反応を行う方法がある。酸化重合反応を実施するには、圧力は通常大気圧から20kg/cm2までの圧力が選ばれる。
【0016】
酸化重合反応を実施する場合の触媒としては、CuCl、CuBr、Cu2SO4、CuCl2、CuBr2、CuSO4、CuI等の銅塩等の一種または二種以上が用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。上記触媒に加えて、ジイソプロピルアミン、ジ-sec-ブチルアミン、ジ-t-ブチルアミン、ジ-t-アミルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジフェニルアミン、p,p'-ジトリルアミン、m,m'-ジトリルアミン、エチル-t-ブチルアミン、N,N'-ジ-t-ブチルエチレンジアミン、メチルシクロヘキシルアミン、メチルフェニルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、n-ブチルジメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、フェニルジメチルアミン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、トリフェニルアミン、N,N'-ジメチルピペラジン、2,6-ジメチルピリジン等から一種または二種以上が併用される。3級アミン及び2級アルキル基、3級アルキル基あるいはアリール基を有する2級アミンであれば、特にこれらに限定されるものではない。上記のアミンを使用することで、アミン付加体のない2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体を得ることができる。このアミン付加体のない2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体は、付加したアミンに官能基変換を阻害されることがないので、フェノール性水酸基を他の官能基へ容易かつ効率的に変換することができる。
【0017】
本発明では、構造式(2)で表される2価のフェノール体と構造式(3)で表される1価のフェノール体とを一定のモル比で供給して反応させることで、所望する数平均分子量を有する構造式(1)で表される2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体を効率的に製造することが出来る。例えば、2価のフェノールとして2,2',3,3',5,5'-ヘキサメチル-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジオール、1価のフェノールとして2,6-ジメチルフェノールを選び、1:3のモル比とした場合には数平均分子量が600〜700、1:5のモル比とした場合には数平均分子量が850〜950、1:10のモル比とした場合には数平均分子量が1,450〜1,550の2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体をそれぞれ得ることができる。
【0018】
本発明では、原料フェノールの供給終了後も未反応のフェノールが残存している間は、酸化重合反応を継続することは可能である。但し、原料フェノールが全て反応した後も酸化重合反応を継続することは、反応時間が長くなり経済的でない。
【0019】
次に、本発明に使用される溶媒について説明する。酸化重合において貧溶媒と考えられていて、従来のPPEの酸化重合において使用が限られていたケトン系溶媒及びアルコール系溶媒を本発明では用いることができる。従来この種の反応は、有機溶媒に溶け難いポリマーが生成するため、反応溶媒としてケトンやアルコールを用いることができなかったが、本発明の生成物は、ケトン及びアルコールにも容易に溶解し、使用できる溶媒の範囲が大きく広がった。それらを単独、あるいは従来の溶媒であるトルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチレンクロライド、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶剤等と併用することができる。ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
本発明の製造法における反応温度については、用いる溶媒の爆発限界に入らなければ、特には限定されないが、30〜50℃が好ましい。酸化重合が発熱反応のため、50℃以上では温度制御が難しくなり、分子量制御が困難となる。30℃以下では使用する溶媒によっては爆発限界の範囲に入り、安全な製造ができない。
【0021】
【実施例】
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により特に限定されるものではない。なお、数平均分子量及び重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めた。試料のGPC曲線と分子量校正曲線よりデータ処理を行った。分子量校正曲線は、標準ポリスチレンの分子量と溶出時間の関係を次の式に近似して分子量校正曲線を得た。
LogM = A0X3+ A1X2 + A2X + A3 + A4/X2
ここで、M:分子量、X:溶出時間−19(分)、A:係数である。また、水酸基当量は2,6-ジメチルフェノールを標準物質としてIR分析(液セル法;セル長=1mm)を行い、3,600cm-1の吸収強度より求めた。
【0022】
(実施例1) 攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr2 2.77g(12.5mmol)、N,N'-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.54g(3.1mmol)、n-ブチルジメチルアミン20.03g(198.3mmol)、トルエン 2,600gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ2,300gのメタノールに溶解させた2,2',3,3',5,5'-ヘキサメチル-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジオール(以下HMBPと記す) 129.32g(0.48mol)、2,6-ジメチルフェノール175.31g(1.44mol)、N,N'-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.36g(2.1mmol)、n-ブチルジメチルアミン7.79g(77.1mmol)、の混合溶液(構造式(2)で表される2価のフェノール体と構造式(3)で表される1価のフェノールのモル比率1:3)を、窒素と空気とを混合して酸素濃度8%に調整した混合ガスを5.2 L/minの流速でバブリングを行いながら230分かけて滴下し、攪拌を行った。滴下終了後、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム14.20g(37.4mmol)を溶解した水1,500gを加え、反応を停止した。水層と有機層を分液し、有機層を1.0Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体295.6gを得た。このものの数平均分子量は650、重量平均分子量は1,040、水酸基当量が325であった。尚、1H-NMRを測定したところ、アミンに相当するピークは検出されず、アミン付加体は生成していないことが確認された。
【0023】
(実施例2) 攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr2 3.88g(17.4mmol)、N,N'-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.75g(4.4mmol)、n-ブチルジメチルアミン28.04g(277.6mmol)、トルエン 2,600gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ2,300gのメタノールに溶解させたHMBP 129.32g(0.48mol)、2,6-ジメチルフェノール292.19g(2.40mol)、N,N'-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.51g(2.9mmol)、n-ブチルジメチルアミン10.90g(108.0mmol)の混合溶液(構造式(2)で表される2価のフェノール体と構造式(3)で表される1価のフェノール体のモル比率1:5)を、窒素と空気とを混合して酸素濃度8%に調整した混合ガスを5.2 L/minの流速でバブリングを行いながら230分かけて滴下し、攪拌を行った。滴下終了後、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム19.89g(52.3mmol)を溶解した水1,500gを加え、反応を停止した。水層と有機層を分液し、有機層を1.0Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体414.2gを得た。このものの数平均分子量は930、重量平均分子量は1,460、水酸基当量が465であった。尚、1H-NMRを測定したところ、アミンに相当するピークは検出されず、アミン付加体は生成していないことが確認された。
【0024】
(実施例3) 攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr2 6.64g(29.9mmol)、N,N'-ジ-t-ブチルエチレンジアミン1.29g(7.5mmol)、n-ブチルジメチルアミン48.07g(475.9mmol)、トルエン 2,600gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ2,300gのメタノールに溶解させたHMBP 129.32g(0.48mol)、2,6-ジメチルフェノール584.38g(4.79mol)、N,N'-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.87g(5.1mmol)、n-ブチルジメチルアミン18.69g(185.1mmol)の混合溶液(構造式(2)で表される2価のフェノール体と構造式(3)で表される1価のフェノール体のモル比率1:10)を、窒素と空気とを混合して酸素濃度8%に調整した混合ガスを5.2 L/minの流速でバブリングを行いながら230分かけて滴下し、攪拌を行った。滴下終了後、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム34.09g(89.7mmol)を溶解した水1,500gを加え、反応を停止した。水層と有機層を分液し、有機層を1.0Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体702.2gを得た。このものの数平均分子量は1,490、重量平均分子量は2,320、水酸基当量が750であった。尚、1H-NMRを測定したところ、アミンに相当するピークは検出されず、アミン付加体は生成していないことが確認された。
【0025】
(実施例4) 攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr2 3.88g(17.4mmol)、N,N'-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.75g(4.4mmol)、n-ブチルジメチルアミン28.04g(277.6mmol)、メチルエチルケトン 2,600gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ2,300gのメチルエチルケトンに溶解させたHMBP 129.32g(0.48mol)、2,6-ジメチルフェノール292.19g(2.40mol)、N,N'-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.51g(2.9mmol)、n-ブチルジメチルアミン10.90g(108.0mmol)の混合溶液(構造式(2)で表される2価のフェノール体と構造式(3)で表される1価のフェノール体のモル比率1:5)を3.5 L/minの空気のバブリングを行いながら95分かけて滴下し、攪拌を行った。この際、気相中に3.5L/minの窒素ガスを流通させた。滴下終了後、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム19.89g(52.3mmol)を溶解した水1,500gを加え、反応を停止した。水層と有機層を分液し、有機層を1.0Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、フェニレンエーテルオリゴマー体413.1gを得た。このものの数平均分子量は920、重量平均分子量は1,440、水酸基当量が460であった。尚、1H-NMRを測定したところ、アミンに相当するピークは検出されず、アミン付加体は生成していないことが確認された。
【0026】
(比較例1) 攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr2 3.88g(17.4mmol)、N,N'-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.85g(4.9mmol)、n-ブチルジメチルアミン10.40g(102.8mmol)、ジ-n-ブチルアミン8.21g(63.5mmol)、トルエン 2,600gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ2,300gのメタノールに溶解させたHMBP 129.32g(0.48mol)、2,6-ジメチルフェノール292.19g(2.40mol)、N,N'-ジ-t-ブチルエチレンジアミン1.70g(9.9mmol)、n-ブチルジメチルアミン20.80g(205.6mmol)、ジ-n-ブチルアミン16.43g(127.1mmol)の混合溶液(構造式(2)で表される2価のフェノール体と構造式(3)で表される1価のフェノール体のモル比率1:5)を、窒素と空気とを混合して酸素濃度8%に調整した混合ガスを5.2 L/minの流速でバブリングを行いながら230分かけて滴下し、攪拌を行った。滴下終了後、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム19.84g(52.2mmol)を溶解した水1,500gを加え、反応を停止した。水層と有機層を分液し、有機層を1.0Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体408.4gを得た。このものの数平均分子量は930、重量平均分子量は1,370、水酸基当量が470であった。尚、H1-NMRを測定したところ、ジ-n-ブチルアミンに相当するピークが検出され、そのメチル基のピーク(0.89ppm)の積分比からアミン付加体が22%存在することが確認された。
【0027】
(比較例2) 攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr2 10.85g(48.8mmol)、ジ-n-ブチルアミン286.83g(2.22mol)、トルエン 2,600gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ2,300gのメタノールに溶解させたHMBP 129.32g(0.48mol)、2,6-ジメチルフェノール292.19g(2.40mol)の混合溶液(構造式(2)で表される2価のフェノール体と構造式(3)で表される1価のフェノール体のモル比率1:5)を、窒素と空気とを混合して酸素濃度8%に調整した混合ガスを5.2 L/minの流速でバブリングを行いながら230分かけて滴下し、攪拌を行った。滴下終了後、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム55.68g(146.5mmol)を溶解した水1,500gを加え、反応を停止した。水層と有機層を分液し、有機層を1.0Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体404.6gを得た。このものの数平均分子量は910、重量平均分子量は1,310、水酸基当量が455であった。尚、H1-NMRを測定したところ、ジ-n-ブチルアミンに相当するピークが検出され、そのメチル基のピーク(0.89ppm)の積分比からアミン付加体が15%存在することが確認された。
【0028】
【表1】
Figure 0004196164
【0029】
【発明の効果】
本発明の製造法により、所望する分子量を有し、アミン付加体のない2官能性フェニレンエーテルのオリゴマー体を効率的に製造することが可能となる。本発明で得られる2官能性フェニレンエーテルのオリゴマー体は、アミンが付加していないので、末端フェノール性水酸基を容易に他の官能基に誘導できる。更に基本骨格がポリフェニレンエーテル構造であるので、耐熱性、誘電特性等に優れ、電気・電子材料に応用することができる。

Claims (7)

  1. 銅系触媒および、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、 n- ブチルジメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、 N,N - ジメチルピペラジン、 2,6- ジメチルピリジンから選ばれる 1 種または 2 種以上の3級アミンおよびジイソプロピルアミン、ジ -sec- ブチルアミン、ジ - - ブチルアミン、ジ - - アミルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチル -t- ブチルアミン、 N,N - -t- ブチルエチレンジアミン、メチルシクロヘキシルアミンから選ばれる 1 種または 2 種以上の2級アミンからなる混合系を用いた、下記構造式(2)で表される2価のフェノール体と下記構造式(3)で表される1価のフェノール体との酸化重合反応による、アミン付加体のない下記構造式(1)で表される2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の製造法。
    Figure 0004196164
    (上記式中、R1、R2、R3、R7、R8、R9、R10は、同一炭素数6以下のアルキル基を示す。R4、R5、R6、R11、R12は、同一または異なってもよく、水素原子または炭素数6以下のアルキル基を示す。m、nは、少なくともいずれか一方が0でない0〜25の整数を示す。)
  2. 上記構造式(3)で表される1価のフェノールが、2,6-ジメチルフェノール単独である請求項1記載の2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の製造法。
  3. 上記構造式( 2 )で表される 2 価のフェノール体が 2,2 ,3,3 ,5,5 - ヘキサメチル -(1,1 - ビフェニル )-4,4 - ジオールである、請求項1記載の 2 官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の製造法。
  4. 上記構造式(2)で表される2価のフェノール体と上記構造式(3)で表される1価のフェノール体とのモル比率が1:1〜1:15である請求項1記載の2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の製造法。
  5. 上記 2 級アミンが N,N - -t- ブチルエチレンジアミンである、請求項1〜4のいずれかに記載の 2 官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の製造法。
  6. 上記 3 級アミンがトリエチルアミン、メチルジエチルアミン、 n- ブチルジメチルアミン、 N,N - ジメチルピペラジンから選ばれる 1 種または 2 種以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の 2 官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の製造法。
  7. 上記 3 級アミンがn - ブチルジメチルアミンである、請求項6記載の 2 官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の製造法。
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