JP4192890B2 - ハイブリッド車のモード遷移制御装置 - Google Patents
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Description
前記駆動力合成変速機は、摩擦締結要素の締結・解放制御により、無段変速比を得る少なくとも1つの無段変速比モードと、固定変速比を得る少なくとも1つの固定変速比モードと、を有し、
前記無段変速比モードから前記固定変速比モードへのモード遷移時、変速比制御により2つのモータのうち一方のモータの回転数がゼロ近傍の設定値以下となったら、固定変速比モードにて締結される摩擦締結要素の締結を開始し、該摩擦締結要素のトルク容量が上がるまではモータのトルク出力を維持しておき、摩擦締結要素のトルク容量がモータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達するとモータのトルク出力を停止し、前記摩擦締結要素の締結開始から必要トルク容量となるまでの遷移過渡フェーズにおいて、摩擦締結要素の滑りを検知したら、滑りを減少するように前記モータのトルクを補正するモード遷移制御手段を設けた。
また第2の発明では、動力源としてエンジンと少なくとも2つのモータを有し、これらのエンジン及びモータと駆動出力部材とが接続される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
前記駆動力合成変速機は、摩擦締結要素の締結・解放制御により、無段変速比を得る少なくとも1つの無段変速比モードと、固定変速比を得る少なくとも1つの固定変速比モードと、を有し、
前記無段変速比モードから前記固定変速比モードへのモード遷移時、変速比制御により2つのモータのうち一方のモータの回転数がゼロ近傍の設定値以下となったら、固定変速比モードにて締結される摩擦締結要素の締結を開始し、該摩擦締結要素のトルク容量が上がるまではモータのトルク出力を維持しておき、摩擦締結要素のトルク容量がモータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達するとモータのトルク出力を停止し、前記摩擦締結要素の締結開始から必要トルク容量となるまでの遷移過渡フェーズにおいて、摩擦締結要素の滑りを検知したら、滑りを減少するように2つのモータのトルクを補正するモード遷移制御手段を設けた。
また第3の発明では、動力源としてエンジンと少なくとも2つのモータを有し、これらのエンジン及びモータと駆動出力部材とが接続される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
前記差動装置は、シングルピニオン型の第1遊星歯車と第2遊星歯車と第3遊星歯車により構成し、
前記駆動力合成変速機は、第1サンギヤと第2サンギヤとを第1回転メンバにより直結し、第1リングギヤと第3サンギヤとを第2回転メンバにより直結し、第2ピニオンキャリアと第3リングギヤとを第3回転メンバにより直結し、前記第1回転メンバと前記第2回転メンバと第3回転メンバと第1ピニオンキャリアと第2リングギヤと第3ピニオンキャリアとの6つの回転要素を有し、
前記第1回転メンバに、第2モータジェネレータを連結し、前記第3回転メンバに、第2クラッチを介してエンジンを連結すると共に第2クラッチを介して第1モータジェネレータを連結し、前記第1ピニオンキャリアに、第1クラッチを介して第2モータジェネレータを連結すると共に第1ブレーキを介して変速機ケースに連結し、前記第2リングギヤに、第1モータジェネレータを連結すると共に第2ブレーキを介して変速機ケースに連結し、前記第3ピニオンキャリアに、前記駆動出力部材を連結し、
摩擦締結要素の締結・解放制御により、無段変速比を得る少なくとも1つの無段変速比モードと、固定変速比を得る少なくとも1つの固定変速比モードと、を有し、
前記無段変速比モードから前記固定変速比モードへのモード遷移時、変速比制御により2つのモータのうち一方のモータの回転数がゼロ近傍の設定値以下となったら、固定変速比モードにて締結される摩擦締結要素の締結を開始し、該摩擦締結要素のトルク容量が上がるまではモータのトルク出力を維持しておき、摩擦締結要素のトルク容量がモータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達するとモータのトルク出力を停止するモード遷移制御手段を設けた。
図1は実施例1のモード遷移制御装置が適用されたハイブリッド車の駆動系を示す全体システム図である。実施例1のハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、第1モータジェネレータMG1(モータ)と、第2モータジェネレータMG2(モータ)と、出力軸OUT(駆動出力部材)と、これらの入出力要素E,MG1,MG2,OUTが連結される差動装置(第1遊星歯車PG1、第2遊星歯車PG2、第3遊星歯車PG3)を有する駆動力合成変速機と、を備えている。
前記第1回転メンバM1(S1,S2)には、第2モータジェネレータMG2が連結されている。
前記第2回転メンバM2(R1,R3)には、入出力要素の何れにも連結されていない。
前記第3回転メンバM3(PC2,R3)には、エンジンクラッチECを介してエンジンEが連結されている。また、エンジンクラッチEC及びシリーズクラッチSCを介して第1モータジェネレータMG1が連結されている。つまり、前記エンジンEと第1モータジェネレータMG1とは、シリーズクラッチSCを介して連結されている。
前記第1ピニオンキャリアPC1には、ハイクラッチHCを介して第2モータジェネレータMG2が連結されている。また、ローブレーキLBを介して変速機ケースTCに連結されている。
前記第2リングギヤR2には、モータジェネレータクラッチMGCを介して第1モータジェネレータMG1が連結されている。また、ハイローブレーキHLBを介して変速機ケースTCに連結されている。
前記第3ピニオンキャリアPC3には、出力軸OUTが連結されている。なお、出力軸OUTからは、図外のプロペラシャフトやディファレンシャルやドライブシャフトを介して左右の駆動輪に駆動力が伝達される。
実施例1におけるハイブリッド車の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、油圧制御装置5と、統合コントローラ6と、アクセル開度センサ7と、車速センサ8と、エンジン回転数センサ9と、第1モータジェネレータ回転数センサ10と、第2モータジェネレータ回転数センサ11と、第3リングギヤ回転数センサ12と、第2リングギヤ回転数センサ13と、を有して構成されている。
走行モードとしては、ローギヤ固定変速比モード(以下、「Lowモード」という。)と、ロー側無段変速比モード(以下、「Low-iVTモード」という。)と、2速固定変速比モード(以下、「2ndモード」という。)と、ハイ側無段変速比モード(以下、「High-iVTモード」という。)と、ハイギヤ固定変速比モード(以下、「Highモード」という。)と、の5つの走行モードを有する。
ここで、図2(a)は「EV-Lowモード」の共線図、図2(b)は「EV-Low-iVTモード」の共線図、図2(c)は「EV-2ndモード」の共線図、図2(d)は「EV-High-iVTモード」の共線図、図2(e)は「EV-Highモード」の共線図である。また、図3(a)は「HEV-Lowモード」の共線図、図3(b)は「HEV-Low-iVTモード」の共線図、図3(c)は「HEV-2ndモード」の共線図、図3(d)は「HEV-High-iVTモード」の共線図、図3(e)は「HEV-Highモード」の共線図である。
(1)「HEV-High-iVTモード」から「HEV-2ndモード」
「HEV-High-iVTモード」から「HEV-2ndモード」へモード遷移する際には、ローブレーキLB(摩擦締結要素)の締結時にショックを発生させないために、第2モータジェネレータ回転数N2がゼロとなるように変速比を制御して、ローブレーキLBを締結する。
(2)「HEV-Low-iVTモード」から「HEV-Lowモード」
「HEV-Low-iVTモード」から「HEV-Lowモード」へモード遷移する際には、ハイローブレーキHLB(摩擦締結要素)の締結時にショックを発生させないために、第1モータジェネレータ回転数N1がゼロとなるように変速比を制御して、ハイローブレーキHLBを締結する。
(3)「HEV-Low-iVTモード」から「HEV-2ndモード」
「HEV-Low-iVTモード」から「HEV-2ndモード」へモード遷移する際には、ハイクラッチHC(摩擦締結要素)の締結時にショックを発生させないために、第2モータジェネレータ回転数N2がゼロとなるように変速比を制御して、ハイクラッチHCを締結する。
(4) 「HEV-High-iVTモード」から「HEV-2ndモード」
「HEV-High-iVTモード」から「HEV-Highモード」へモード遷移する際には、ハイローブレーキHLB(摩擦締結要素)の締結時にショックを発生させないために、第1モータジェネレータ回転数N1がゼロとなるように変速比を制御して、ハイローブレーキHLBを締結する。
との4つのモード遷移パターンを有する。
「HEV-High-iVTモード(以下、「モード5」という。)」から「HEV-2ndモード(以下、「モード4」という。)」へのモード遷移を代表例とし、モード遷移制御作用を図7に示す実施例1のタイムチャートを用いて説明する。
「モード5」の制御則は次式であらわされる。
T1=k11ui+k12To+k13Te …(1)
T2=k21ui+k22To+k23Te+Tb …(2)
ここで、k11,k12,k13,k21,k22,k23は制御ゲイン、Toは目標駆動力、uiは目標変速速度、Teはエンジントルク、Tbはローブレーキトルクである。また、ローブレーキLBは、締結を開始していないので、Tb=0とする。目標変速速度uiは、目標変速比を達成するように、例えば、PI制御器等を用いて、目標回転数と実回転数との偏差から演算すると良い。
第1モータジェネレータトルクT1と、第2モータジェネレータトルクT2は、式(1),(2)を用いて、目標駆動力To、変速速度uiから算出する。
「遷移過渡フェーズ」は、時刻t2〜t3と時刻t3〜t4の2つのフェーズに分けて行う。時刻t2〜t3においては、時刻t1〜t2と同様に、第2モータジェネレータ回転数N2がゼロに収束するように、式(1),(2)を用いて第1モータジェネレータトルクT1と第2モータジェネレータトルクT2を算出する。ただし、「モード5」と異なり、Tb=0ではないので、推定するローブレーキトルクTbで、第1モータジェネレータトルクT1と第2モータジェネレータトルクT2を補正する。
ローブレーキトルクTbの推定は、滑っているときのローブレーキトルクTbはトルク容量に等しく、トルク容量は油圧に比例するので、予め実験等で求めた、指令値に対する実油圧の応答に基づくフィルタ等を用いることで、指令値に対して実油圧の応答遅れがあっても、精度良くローブレーキトルクTbを推定できる。
T1=k1To+k2Te …(3)
ここで、k1,k2は制御ゲインである。ただし、ローブレーキLBの回転差がゼロであっても、十分な油圧が立ち上がっていない可能性があるので、ローブレーキLBが十分なトルク容量になるまでは、第2モータジェネレータトルクT2は、次式を用いて演算する。
T2=k22To+k23Te …(4)
ここで、式(4)は、上記式(1)において、変速速度uiにゼロを代入した式であり、この式(4)から第2モータジェネレータトルクT2を算出する。この第2モータジェネレータトルクT2のおかげで、時刻t3の時点で、ローブレーキLBが締結するのに十分な油圧になっていなくても、ローブレーキLBが滑ることがないので、「モード4」の制御則で目標駆動力を達成でき、車両の加減速ショックや違和感をより確実に抑えることができる。そして、時刻t4で十分な油圧になったと判断したら、第2モータジェネレータトルクT2をゼロにして「モード4」の制御則へ移行する。
「モード4」では、「モード4」の制御則、すなわち、上記式(3)を用いて、目標駆動力を実現するように、第1モータジェネレータトルクT1を決定する。
また、例えば、外乱オブザーバ等で、ローブレーキトルクTbを推定すると、回転差がゼロbになった後でのローブレーキトルクTbの推定精度を上げられるので、時刻t3〜t4でも、式(1),(2)を用いて第1モータジェネレータトルクT1と第2モータジェネレータトルクT2を演算しても良い。
また、式(1)で時刻t3〜t4で、ローブレーキトルクTbがTb=0となるように制御できるならば、Tb=0とて、時刻t3〜t4でも式(1),(2)を用いて第1モータジェネレータトルクT1と第2モータジェネレータトルクT2を演算しても良い。
実施例1のハイブリッド車のモード遷移制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
「HEV-High-iVTモード(以下、「モード5」という。)」から「HEV-2ndモード(以下、「モード4」という。)」へのモード遷移を代表例とし、モード遷移制御作用を図8に示す実施例2のタイムチャートを用いて説明する。
また、ローブレーキLBが十分なトルク容量になるまでは、第2モータジェネレータトルクT2は、次式を用いて演算する。
T2=k22To+k23Te−Tb …(5)
ここで、式(5)は、上記式(4)の右辺からローブレーキトルクTbを減じた式であり、この式(5)から第2モータジェネレータトルクT2を算出する。この第2モータジェネレータトルクT2のおかげで、ローブレーキLbの油圧立ち上がり遅れなどにより、ローブレーキLBを締結するのに不足する締結力を、第2モータジェネレータトルクT2が補うので、ローブレーキLBが滑ることがなくなる。よって、「モード4」の制御則で目標駆動力を達成でき、車両の加減速ショックや違和感をより確実に抑えることができる。また、ローブレーキLBのトルク容量の上昇に応じて、第2モータジェネレータトルクT2を減らすので、第2モータジェネレータMG2の発熱量を抑制できる。そして、時刻t4で十分な油圧になったと判断したら、第2モータジェネレータトルクT2をゼロにして「モード4」の制御則へ移行する。
実施例2のハイブリッド車のモード遷移制御装置にあっては、実施例1の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
「HEV-High-iVTモード(以下、「モード5」という。)」から「HEV-2ndモード(以下、「モード4」という。)」へのモード遷移を代表例とし、モード遷移制御作用を図9に示す実施例3のタイムチャートを用いて説明する。この例では、「モード5」から「モード4」へ遷移する際に、ローブレーキLBのトルク容量を実トルク容量よりも大きく推定したため、第2モータジェネレータトルクT2が締結力を補うのに不足して、ローブレーキLBが滑ってしまった場合を例にとる。
また、ローブレーキLBが十分なトルク容量になるまでは、第2モータジェネレータトルクT2は、式(5)を用いて演算する。しかし、ローブレーキトルクTbの推定値が実トルクより大きく推定しまったために、ローブレーキLBが滑り出してしまっている。ローブレーキLBの滑りを検知したら、第2モータジェネレータトルクT2は、次式を用いて演算する。
T2=k22To+k23Te−Tb+Th …(6)
ここで、式(6)は、上記式(5)の右辺からローブレーキLBの滑りを減少させるための補正項Thを右辺に足したものである。補正項Thは、例えば、ローブレーキLBの回転差から、P制御器等を用いて演算すると良い。
実施例3のハイブリッド車のモード遷移制御装置にあっては、実施例1,2の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
「HEV-High-iVTモード(以下、「モード5」という。)」から「HEV-2ndモード(以下、「モード4」という。)」へのモード遷移を代表例とし、モード遷移制御作用を図10に示す実施例4のタイムチャートを用いて説明する。この例では、「モード5」から「モード4」へ遷移する際に、ローブレーキLBのトルク容量を実トルク容量よりも大きく推定したため、ローブレーキLBが滑ってしまった場合を例にとる。
また、ローブレーキLBが十分なトルク容量になるまでは、第2モータジェネレータトルクT2は、式(5)を用いて演算する。しかし、ローブレーキトルクTbの推定値が実トルクより大きく推定しまったために、ローブレーキLBが滑り出してしまっている。ローブレーキLBの滑りを検知したら、変速制御が可能な、式(1),(2)に示す制御則に戻して、第1モータジェネレータトルクT1と第2モータジェネレータトルクT2を算出し、第2モータジェネレータ回転数N2をゼロに収束させる。
実施例4のハイブリッド車のモード遷移制御装置にあっては、実施例1,2の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
「HEV-High-iVTモード(以下、「モード5」という。)」から「HEV-2ndモード(以下、「モード4」という。)」へのモード遷移を代表例とし、モード遷移制御作用を図11に示す実施例5のタイムチャートを用いて説明する。この例では、「モード5」から「モード4」へ遷移する際、時刻t3において、第2モータジェネレータMG2が発熱等により、十分なトルクを出力できない場合を例にとる。
実施例5のハイブリッド車のモード遷移制御装置にあっては、実施例1,2の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
MG1 第1モータジェネレータ(モータ)
MG2 第2モータジェネレータ(モータ)
OUT 駆動出力軸(駆動出力部材)
PG1 第1遊星歯車
PG2 第2遊星歯車
PG3 第3遊星歯車
HC ハイクラッチ(第1クラッチ)
EC エンジンクラッチ(第2クラッチ)
SC シリーズクラッチ
MGC モータジェネレータクラッチ
LB ローブレーキ(第1ブレーキ)
HLB ハイローブレーキ(第2ブレーキ)
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 油圧制御装置
6 統合コントローラ
7 アクセル開度センサ
8 車速センサ
9 エンジン回転数センサ
10 第1モータジェネレータ回転数センサ
11 第2モータジェネレータ回転数センサ
12 第3リングギヤ回転数センサ
13 第2リングギヤ回転数センサ
Claims (7)
- 動力源としてエンジンと少なくとも2つのモータを有し、これらのエンジン及びモータと駆動出力部材とが接続される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
前記駆動力合成変速機は、摩擦締結要素の締結・解放制御により、無段変速比を得る少なくとも1つの無段変速比モードと、固定変速比を得る少なくとも1つの固定変速比モードと、を有し、
前記無段変速比モードから前記固定変速比モードへのモード遷移時、変速比制御により2つのモータのうち一方のモータの回転数がゼロ近傍の設定値以下となったら、固定変速比モードにて締結される摩擦締結要素の締結を開始し、該摩擦締結要素のトルク容量が上がるまではモータのトルク出力を維持しておき、摩擦締結要素のトルク容量がモータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達するとモータのトルク出力を停止し、前記摩擦締結要素の締結開始から必要トルク容量となるまでの遷移過渡フェーズにおいて、摩擦締結要素の滑りを検知したら、滑りを減少するように前記モータのトルクを補正するモード遷移制御手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。 - 動力源としてエンジンと少なくとも2つのモータを有し、これらのエンジン及びモータと駆動出力部材とが接続される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
前記駆動力合成変速機は、摩擦締結要素の締結・解放制御により、無段変速比を得る少なくとも1つの無段変速比モードと、固定変速比を得る少なくとも1つの固定変速比モードと、を有し、
前記無段変速比モードから前記固定変速比モードへのモード遷移時、変速比制御により2つのモータのうち一方のモータの回転数がゼロ近傍の設定値以下となったら、固定変速比モードにて締結される摩擦締結要素の締結を開始し、該摩擦締結要素のトルク容量が上がるまではモータのトルク出力を維持しておき、摩擦締結要素のトルク容量がモータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達するとモータのトルク出力を停止し、前記摩擦締結要素の締結開始から必要トルク容量となるまでの遷移過渡フェーズにおいて、摩擦締結要素の滑りを検知したら、滑りを減少するように2つのモータのトルクを補正するモード遷移制御手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。 - 請求項1または2に記載されたハイブリッド車のモード遷移制御装置において、
前記モード遷移制御手段は、前記摩擦締結要素の締結開始から必要トルク容量となるまでの遷移過渡フェーズにおいて、モータのトルク補正によっても摩擦締結要素の滑りを抑制できない場合、目標駆動力を減少させることを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。 - 請求項1乃至3の何れか1項に記載されたハイブリッド車のモード遷移制御装置において、
前記差動装置は、シングルピニオン型の第1遊星歯車と第2遊星歯車と第3遊星歯車により構成し、
前記駆動力合成変速機は、第1サンギヤと第2サンギヤとを第1回転メンバにより直結し、第1リングギヤと第3サンギヤとを第2回転メンバにより直結し、第2ピニオンキャリアと第3リングギヤとを第3回転メンバにより直結し、前記第1回転メンバと前記第2回転メンバと第3回転メンバと第1ピニオンキャリアと第2リングギヤと第3ピニオンキャリアとの6つの回転要素を有し、
前記第1回転メンバに、第2モータジェネレータを連結し、前記第3回転メンバに、第2クラッチを介してエンジンを連結すると共に第2クラッチを介して第1モータジェネレータを連結し、前記第1ピニオンキャリアに、第1クラッチを介して第2モータジェネレータを連結すると共に第1ブレーキを介して変速機ケースに連結し、前記第2リングギヤに、第1モータジェネレータを連結すると共に第2ブレーキを介して変速機ケースに連結し、前記第3ピニオンキャリアに、前記駆動出力部材を連結したことを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。 - 動力源としてエンジンと少なくとも2つのモータを有し、これらのエンジン及びモータと駆動出力部材とが接続される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
前記差動装置は、シングルピニオン型の第1遊星歯車と第2遊星歯車と第3遊星歯車により構成し、
前記駆動力合成変速機は、第1サンギヤと第2サンギヤとを第1回転メンバにより直結し、第1リングギヤと第3サンギヤとを第2回転メンバにより直結し、第2ピニオンキャリアと第3リングギヤとを第3回転メンバにより直結し、前記第1回転メンバと前記第2回転メンバと第3回転メンバと第1ピニオンキャリアと第2リングギヤと第3ピニオンキャリアとの6つの回転要素を有し、
前記第1回転メンバに、第2モータジェネレータを連結し、前記第3回転メンバに、第2クラッチを介してエンジンを連結すると共に第2クラッチを介して第1モータジェネレータを連結し、前記第1ピニオンキャリアに、第1クラッチを介して第2モータジェネレータを連結すると共に第1ブレーキを介して変速機ケースに連結し、前記第2リングギヤに、第1モータジェネレータを連結すると共に第2ブレーキを介して変速機ケースに連結し、前記第3ピニオンキャリアに、前記駆動出力部材を連結し、
摩擦締結要素の締結・解放制御により、無段変速比を得る少なくとも1つの無段変速比モードと、固定変速比を得る少なくとも1つの固定変速比モードと、を有し、
前記無段変速比モードから前記固定変速比モードへのモード遷移時、変速比制御により2つのモータのうち一方のモータの回転数がゼロ近傍の設定値以下となったら、固定変速比モードにて締結される摩擦締結要素の締結を開始し、該摩擦締結要素のトルク容量が上がるまではモータのトルク出力を維持しておき、摩擦締結要素のトルク容量がモータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達するとモータのトルク出力を停止するモード遷移制御手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。 - 請求項1乃至5の何れか1項に記載されたハイブリッド車のモード遷移制御装置において、
前記モード遷移制御手段は、前記摩擦締結要素の締結開始からのトルク容量を推定し、該トルク容量推定値が、摩擦締結要素のみでケース固定するのに十分な必要容量となったら、前記モータのトルク出力を停止することを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。 - 請求項1乃至6の何れか1項に記載されたハイブリッド車のモード遷移制御装置において、
前記モード遷移制御手段は、前記摩擦締結要素の締結開始から前記モータの回転数がゼロとなった後の遷移過渡フェーズにおいて、前記摩擦締結要素のトルク容量を徐々に増加させ、前記モータは、摩擦締結要素のトルク容量の増加に応じ、摩擦締結要素が滑らない範囲でトルクを減少させることを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。
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