JP4191970B2 - コネクタ−内への異物侵入防止キャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として給水あるいは給湯等に使用するパイプを接続するための金属製のアダプタ−、樹脂製のコネクタ−あるいはヘッダ−等のパイプ接続具(以下、「コネクタ−」で代表する)に用いられるキャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物内の給水、給湯あるいは空調機器用のパイプとしては、従来から金属配管が使用されていたが、このような配管は錆や腐食による、水の汚染や漏水などが懸念されており、最近では樹脂製のパイプが使用される傾向にある。そして、このパイプを接続するための、アダプタ−、コネクタ−、水や湯を分配するためのヘッダ−もワンタッチにて接続できるように工夫されたものが採用されている(特許文献1)。以下、本発明をコネクタ−を代表として説明するが、コネクタ−も金属製のものから樹脂製のものに切り替わりつつあり、このコネクタ−の内部にパイプの表面に食い込むグラブリングと漏水を防ぐためのO−リングが内蔵されている。
【0003】
即ち、配管の作業現場にコネクタ−とパイプとを夫々接続しない部品の状態で搬入し、パイプを適当な長さに切断しつつコネクタ−と接続し、配管作業がなされている。しかるに、配管作業現場は作業環境としては余り好ましい状態になっていないのが通常であり、塵やごみが散らかり、場合によってはこれが空気中に浮遊している。従って、これらの塵やごみが例えばコネクタ−の内部に入り易いことは言うまでもなく、これらが入ってしまった状態でパイプを接続した場合には漏水の原因となり、場合によっては、内部を流れる流体を変質させたり、十分な流れを保つことができなくなる。
【0004】
従って、コネクタ−におけるパイプの差し込み口に対しては塵やごみ等の異物の侵入を防止する対策を講ずる必要がある。通常考えられる簡便な方法としては、粘着材を付与したテ−プにて差し込み口を封止することが考えられるが、取れ易いことも事実であり、また、場合によっては粘着材がコネクタ−側に残ってしまい、パイプの接続等に悪影響をもたらす場合が考えられる。
【0005】
一方、パイプ側の問題としては、コネクタ−との接続に当たって、パイプの先端にサポ−トスリ−ブを嵌め込み、その後コネクタ−内に差し込むこととなるが、パイプにサポ−トスリ−ブを嵌め込んだと錯覚してコネクタ−に差し込んでしまうケ−スがある。このように、サポ−トスリ−ブを使用しない場合には、パイプの径方向の強力が弱いため変形し易く、グラブリングの食い込みが十分でなく、漏水の発生は避けられない。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−106773号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の従来技術に鑑みてなされたものであって、コネクタ−内に塵やごみ等の異物の侵入を防止するとともに、パイプに対してサポ−トスリ−ブを確実に嵌め合わせるようにしたキャップを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、コネクタ−のパイプ差し込み口を保護するキャップは、当該差し込み口前面を覆う環状プレ−ト部と、その中央で差し込み口内に向かう窪み部と、環状プレ−ト部の周囲に形成されパイプ差し込み口の外形に添う略筒状のスカ−ト部と、よりなり、環状プレ−ト部と窪み部とを差し込み口と反対側に向かう環状膨出部にて連結し、当該環状膨出部はパイプに嵌め込まれるサポ−トスリ−ブの先端に形成されるフランジ部を収納する大きさとしたことを特徴とするコネクタ−内への異物侵入防止キャップであり、該キャップは、ポリプロピレンにて代表される合成樹脂製のもので、全体が真空成形によって得られるのが通常である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明におけるキャップは、コネクタ−のパイプ差し込み口を覆う機能とともに、パイプに差し込まれるサポ−トスリ−ブを保持する機能を合わせ持つものである。即ち、窪み部がコネクタ−へパイプ差し込み口内に納まることにより異物の侵入を阻止し、かつサポ−トスリ−ブのフランジを環状膨出部内に納めることによってコネクタ−のパイプ差し込み口一つに対してサポ−トスリ−ブ一つを必ず対応させたものであり、これをそのままパイプの先端に差し込めば良いことになる。このため、サポ−トスリ−ブを挿入しないでパイプをコネクタ−内に差し込んでしまうというミスが大きく低減できたものである。
【0010】
【実施例】
以下、本発明を実施例をもって更に詳細に説明する。
図1は、本発明のコネクタ−内への異物侵入防止キャップ1の正面図であり、図2は半裁断面図である。当該キャップ1はポリプロピレン製であって、2はコネクタ−におけるパイプの差し込み口の前面を覆う環状プレ−ト部、3はこの周囲に形成されたスカ−ト部、4は環状プレ−ト部2の中央に形成された窪み部である。そして、環状プレ−ト部2と窪み部3とを差し込み口と反対側に向かう環状膨出部5にて連結したものである。
【0011】
図3は、サポ−トスリ−ブ10をキャップ1に組み合わせた半裁断面図であり、サポ−トスリ−ブ10のフランジ11が環状膨出部5内に納められた状態を示すものである。
【0012】
図4は、エルボ型のコネクタ−20と本発明のキャップ1との関係を示す半裁断面図である。コネクタ−20にあって、コネクタ−20にはその内部に二つの段差部21、22が形成され、深部側の段差部21は挿入されるパイプの先端を確定する位置に備えられている。一方、浅部側の段差部22にはO−リング23、グラブリング24が嵌め込まれており、このグラブリング24の内側にはパイプの表面に食い込む爪部25が形成されている。このグラブリング24の外周側は傾斜面26をなしている。そして、コネクタ−20にこれらを囲ってソケット27が螺合されているものであり、ソケット27の内周側に形成された傾斜面28と前記したグラブリング24の傾斜面26とが対向して備えられる。尚、コネクタ−20はこの例ではポリブテン樹脂製のものであった。
【0013】
さて、コネクタ−20とキャップ1にあって、キャップ1の環状膨出部5内にサポ−トスリ−ブ10のフランジ11を納めた状態で、サポ−トスリ−ブ10をソケット27内に挿入しつつこれを覆うようにしてキャップ1のスカ−ト部3を嵌め込む。この場合、サポ−トスリ−ブ10の長さは段差部21に先端が届く長さとしておくものである。
【0014】
即ち、図4にて示すように、使用前のコネクタ−20にはサポ−トスリ−ブ10を内包したキャップ1がそのパイプ差し込み口を覆ったものであり、このため、コネクタ−20内には保管時等にあって異物が侵入することはない。そして、コネクタ−20を使用するに当たっては、初めてキャップ1を外し、挿入されるパイプの先端にキャップ1に内包されていたサポ−トスリ−ブ10を差し込み、サポ−トスリ−ブ10のフランジ11をパイプ30の先端に露出させて差し込みが行われるものであり、サポ−トスリ−ブ10をパイプ30内に挿入し忘れという事態が極めて減少することとなったものである。
【0015】
尚、サポ−トスリ−ブ10は接続されるパイプ30内に差し込まれてグラブリング24の爪25がパイプ30の表面に食い込み易くされ、フランジ11はパイプ30の先端部に引っ掛かりその位置を特定するものである。
【0016】
キャップ1とサポ−トスリ−ブ10との関係で言えば、環状膨出部5内にフランジ11を嵌め合わせ、更にその内側より窪み部3の表面が接触して保持されることになる。このサポ−トスリ−ブ10はキャップ1内より簡単に取り出せることは勿論であり、サポ−トスリ−ブ10を嵌めたままでキャップ1をパイプ30の先端に持って行き、サポ−トスリ−ブ10をパイプ30内に差し込むことも可能である。この場合には、サポ−トスリ−ブ10を手で直接掴むことがないのでより好ましいこととなる。
【0017】
本発明の異物侵入防止キャップはコネクタ−のみならず、例えば、ヘッダ−、蛇口栓にも使用することができる等広くその他のパイプ接続具へも使用が可能であることは前述した通りである。図5はポリブテン製のヘッダ−40を示すもので、図6はその分解説明図である。これらは各ヘッダ−部材40a、40b、‥にて構成され、夫々の差し込み口41aに各ヘッダ−の突出口42を差し込んで組み立てるが、この差し込み口41aに本発明のキャップ1(及びサポ−トスリ−ブ10)を採用することができ、サポ−トスリ−ブ10もそのまま突出口42内に差し込むことになる。勿論、各ヘッダ−部材におけるパイプ差し込み口41bにこのキャップ1(及びサポ−トスリ−ブ10)が適用され、パイプ30の先端にサポ−トスリ−ブ10が嵌め込まれることは言うまでもない。43は保護用ピ−スである。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明のキャップを用いることによりコネクタ−等内部への異物の混入は完全に阻止できるとともに、キャップ内にサポ−トスリ−ブを差し込むことによってパイプへのサポ−トスリ−ブの差し込み忘れをなくすことができることとなったもので、その異物の混入を阻止できることのみでなく、漏水の発生をも防止できることとなったもので、パイプの接続作業に極めて便ならしめるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の異物侵入防止キャップ1の正面図である。
【図2】図2は図1の半裁断面図である。
【図3】図3はサポ−トスリ−ブをキャップに組み合わせた半裁断面図である。
【図4】図4はコネクタ−とキャップとの関係を示す半裁断面図である。
【図5】図5はヘッダ−とキャップとの関係を示す半裁断面図である。
【図6】図6は図5の分解説明図である。
【符号の説明】
1‥異物侵入防止キャップ、
1a‥パイプ差し込み口、
2‥環状プレ−ト部、
3‥スカ−ト部、
4‥窪み部、
5‥環状膨出部、
10‥サポ−トスリ−ブ、
11‥フランジ、
20‥コネクタ−、
21、22‥コネクタ−内部の段差部、
23‥O−リング、
24‥グラブリング、
25‥爪、
26‥グラブリングの外周側の傾斜面、
27‥ソケット、
28‥ソケットの内周側の傾斜面、
30‥パイプ、
31‥フランジ、
40‥ヘッダ−、
40a、40b、‥‥ヘッダ−構成部材、
41a、41b‥差し込み口、
42‥突出口、
43‥保護ピ−ス。
Claims (3)
- コネクタ−のパイプ差し込み口を保護するキャップは、当該差し込み口前面を覆う環状プレ−ト部と、その中央で差し込み口内に向かう窪み部と、環状プレ−ト部の周囲に形成されパイプ差し込み口の外形に添う略筒状のスカ−ト部と、よりなり、環状プレ−ト部と窪み部とを差し込み口と反対側に向かう環状膨出部にて連結し、当該環状膨出部はパイプに嵌め込まれるサポ−トスリ−ブの先端に形成されるフランジ部を収納する大きさとしたことを特徴とするコネクタ−内への異物侵入防止キャップ。
- キャップは、合成樹脂製である請求項1記載のコネクタ−内への異物侵入防止キャップ。
- キャップは、ポリプロピレン製である請求項2記載のコネクタ−内への異物侵入防止キャップ。
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