JP4190937B2 - 熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性及び耐候性に優れ、ヘッドランプレンズ、サンルーフ、自動車窓及び透明なオフィスオートメーション、電気もしくは電子製品のハウジング等として好適な射出成形品を与える熱可塑性樹脂組成物及びその成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃特性や耐熱性に優れ、様々な分野において幅広く利用されているが、耐候性の面でやや問題を有しており、通常の太陽光源だけでなく、高圧水銀ランプやメタルハライドランプの光を照射した場合でも、有害な黄色変化等を起こすことがある。
このため、従来ではポリカーボネート樹脂に種々の光安定剤が単独あるいは複数種含有された樹脂組成物が使用されており、また提案されている。例えば、ポリカーボネート樹脂にベンゾトリアゾール化合物からなる紫外線吸収剤とクマリン化合物及びナフタルイミド化合物から選ばれる蛍光増白剤が添加されたポリカーボネート樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ポリカーボネート樹脂にトリアジン化合物からなる紫外線吸収剤とクマリン化合物及びナフタルイミド化合物から選ばれる蛍光増白剤が添加されたポリカーボネート樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、未だ十分な耐候性を有しているとは言えるものではない。
近年、透明性と耐候性とを併せ持つ熱可塑性樹脂組成物への要求が高まり、酸化チタン(TiO2 )や酸化亜鉛(ZnO)の微粉末を添加することにより耐候性の向上が図られている(例えば、特許文献3及び4参照)が、十分な透明性が得られてはいない。また、酸化亜鉛の微粉末を添加することにより透明性を確保したフィルムが提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、これらは、酸化チタンや酸化亜鉛の微粉末を添加しただけであり、酸化チタンや酸化亜鉛粉末を分散媒体に分散させたものと、紫外線吸収剤とを併用した具体例は示されていない。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−196904号公報
【特許文献2】
特開平10−176103号公報
【特許文献3】
特開平6−238829号公報
【特許文献4】
特開平7−173303号公報
【特許文献5】
特開2000−309100号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、透明性に優れ、かつ耐候性が向上した熱可塑性樹脂組成物及びその成形品を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性樹脂に、紫外線吸収剤、及び特定の平均一次粒子径を有する酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる一種以上を分散媒体中に分散させたものを配合することにより、透明性と耐候性とに優れた熱可塑性樹脂組成物及びその成形品が得られることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、透明性熱可塑性樹脂100質量部に対して、(B)紫外線吸収剤0.1〜2質量部及び(C)分散媒体中に分散させた、平均一次粒子径が10〜80nmの酸化チタン及び酸化亜鉛の中から選ばれる少なくとも一種0.01〜0.5質量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物。並びにこの熱可塑性樹脂組成物を射出成形してなる、透明性を有する射出成形品を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、(A)成分の透明性熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、エチレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、四フッ化エチレン−エチレン共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、透明ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等が挙げられ、本発明においては、透明性が良好な成形品が得られる点から、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0007】
ポリカーボネート樹脂としては、その化学構造や製造法については特に制限はなく種々のものを用いることができる。例えば、二価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネート樹脂が好適に用いられる。
この二価フェノールとしては、種々のものが用いられるが、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコールなどが好適なものとして挙げられる。これら二価フェノールの中でも、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕が好ましい。そして、これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
【0008】
また、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエステル、またはハロホルメートなどを用いることができる。さらに具体的には、ホスゲン、二価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどである。
そして、このポリカーボネート樹脂の化学構造は、その分子鎖が線状構造または環状構造もしくは分岐構造を有しているものを用いることができる。このうち、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂としては、分岐剤として、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ビドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログルシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などを用いて製造したものが好ましく用いられる。また、このポリカーボネート樹脂として、テレフタル酸などの2官能性カルボン酸、またはそのエステル形成誘導体などのエステル前駆体を用いて製造されたポリエステル−カーボネート樹脂を用いることもできる。さらに、これら種々の化学構造を有するポリカーボネート樹脂の混合物を用いることもできる。
【0009】
また、これらポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、通常10,000〜50,000、好ましくは13,000〜35,000、さらに好ましくは15,000〜25,000である。この粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、[η]=1.23×10-5Mv0.83の式により算出した値である。このようなポリカーボネート樹脂の分子量の調節には、フェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−ドデシルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−クミルフェノールなどが用いられる。
さらに、このポリカーボネート樹脂として、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を用いることもできる。この共重合体は、例えば、ポリカーボネートオリゴマーと、末端に反応性基を有するポリオルガノシロキサンとを、塩化メチレンなどの溶媒に溶解させ、これに二価フェノールの水酸化ナトリウム水溶液を加え、トリエチルアミンなどの触媒を用いて界面重縮合反応することにより製造することができる。この場合のポリオルガノシロキサン構造部分としては、ポリジメチルシロキサン構造、ポリジエチレンシロキサン構造、ポリメチルフェニルシロキサン構造、ポリジフェニルシロキサン構造を有するものが好適に用いられる。
【0010】
また、このポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体としては、そのポリカーボネート部分の重合度が3〜100であり、ポリオルガノシロキサン部分の重合度が2〜500程度であるものが好適に用いられる。また、このポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体におけるポリオルガノシロキサン部分の含有割合としては、0.5〜30質量%、好ましくは0.5〜20質量%であるものが好適である。さらに、このポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は、10,000〜50,000、好ましくは13,000〜35,000、さらに好ましくは15,000〜25,000である。
【0011】
本発明で用いる(B)成分の紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物及びトリアジン系化合物などが挙げられ、これらは一種を単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ベンゾフェノン系化合物として、具体的には、例えば2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−エトキシ−ベンゾフェノン等を挙げることができる。
ベンゾトリアゾール系化合物として、具体的には、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス〔4−メチル−6−(ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕等を挙げることができる。
シアノアクリレート系化合物として、具体的には、例えば2−エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、1,3−ビス−〔2’−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリロイルオキシ〕−2,2−ビス−〔(2−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ〕メチルプロパン等を挙げることができる。
トリアジン系化合物として、具体的には、例えば2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシ−フェノール、2−(4,6−ビス−2,4−ジメチルフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシ−フェノール等を挙げることができる。
これらの中では、ベンゾトリアゾール系化合物及びトリアジン系化合物が好ましい。
【0012】
本発明においては、アクリルポリマーに紫外線吸収ユニットがグラフト重合した化合物も、紫外線吸収剤として好ましく使用される。これは、アクリルポリマーのポリマー鎖に紫外線の吸収能を有する紫外線吸収ユニットをグラフト重合により導入した構造の化合物である(以下、「高分子型紫外線吸収剤」と称することもある。)。このアクリルポリマーを構成するアクリルモノマーとしては、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタアクリル酸アルキルエステル、アクリルアミド、メタアクリルアミド、これらのアクリルモノマーと共重合性の二重結合を有するビニル化合物との共重合ポリマー等が挙げられる。この共重合性ビニル化合物としては、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;酢酸ビニル、エチルビニル、2- エチルヘキシルビニル等のアルキルビニルエステル;スチレン、無水マレイン酸などが挙げられる。これらのアクリルポリマーの数平均分子量は、20,000〜200,000のものであり、50,000〜200,000のものが好ましい。
【0013】
このアクリルポリマーに導入する紫外線吸収ユニットとしては、紫外線吸収能を有する化合物であればよく、例えば上述したベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、及びトリアジン系化合物が挙げられる。これらの化合物をグラフト重合によりアクリルポリマーのポリマー鎖に導入する。この場合、アクリルポリマーに導入された紫外線吸収ユニットの割合は、紫外線吸収剤の全質量に対して40〜90質量%であり、好ましくは50〜80質量%である。
高分子型紫外線吸収剤としては、紫外線吸収ユニットがベンゾトリアゾール化合物又はトリアジン化合物であって、アクリルポリマーの数平均分子量が50,000〜200,000のものが好ましい。高分子型紫外線吸収剤は、一種を単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよく、また、上述した紫外線吸収剤と併用してもよい。
(B)紫外線吸収剤の配合量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.1〜2質量部であることを要し、好ましくは0.1〜1質量部である。この配合量が0.1質量部未満であると、所望の耐候性を得ることが難しく、2質量部を超えると、紫外線の吸収剤の種類によっては着色が激しく使用できないものもあるので好ましくない。
【0014】
本発明で用いる(C)成分は、平均一次粒子径10〜80nmの酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる一種以上を分散媒体中に分散させたものである。この平均一次粒子径が10nm未満であると、所望の耐候性を得ることが難しく、この平均一次粒子径が80nmを超えると、所望の透明性を得ることができない。この平均一次粒子径は、好ましくは15〜60nm、さらに好ましくは20〜50nmである。
本発明において用いる酸化チタン及び酸化亜鉛は、表面処理されたものが好ましく、表面処理剤としては、酸化アルミニウム(Al2 3 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )及びステアリン酸などから選ばれる一種以上が挙げられる。
上記分散媒体としては、官能基含有シリコーン化合物、ポリアルキレングリコール、ポリオレフィンワックス、カルボン酸エステルなどが挙げられ、官能基含有シリコーン化合物が好ましい。官能基としては、メトキシ基,エトキシ基等のアルコキシ基、水素原子、水酸基、エポキシ基及びビニル基などが挙げられる。官能基含有シリコーン化合物としては、これらの官能基の一種以上を有するオルガノポリシロキサンが好ましく、具体的にはジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン及び末端水酸基含有ジメチルポリシロキサン等のシリコーンオイルが挙げられる。これらは、一種を単独で用いても二種以上を混合して用いてもよい。
分散媒体中における酸化チタン及び/又は酸化亜鉛の比率は、40〜70質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。
酸化チタン及び/又は酸化亜鉛の配合量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.01〜0.5質量部であることを要し、好ましくは0.05〜0.5質量部、より好ましくは0.05〜0.3質量部である。この配合量は酸化チタン及び/又は酸化亜鉛の微粉末としての配合量であり、例えば分散媒体中における酸化チタン及び/又は酸化亜鉛の微粉末の比率が50質量%のとき、この微粉末と分散媒体との混合物の配合量は0.02〜1質量部であることを要する。
また、酸化チタンと酸化亜鉛とを併用する場合、質量比で酸化チタン:酸化亜鉛=1:0.5〜2が好ましい。
【0015】
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、安定剤(酸化防止剤、分散剤等)、離型剤、着色剤(染料、顔料)等の添加剤を配合することができる。酸化防止剤としては、ペンタエリスリチル−テトラキス[ 3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 等のフェノール系酸化防止剤、亜リン酸エステル、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系酸化防止剤及びジラウリル−3,3' −チオジプロピオネート等のイオウ系酸化防止剤等が挙げられる。分散剤としてはステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。離型剤としては、モノグリセリンステアレート、ポリエチレンテトラステアレート等が挙げられる。酸化防止剤及び離型剤には、ラジカル捕捉剤や酸中和剤が含まれていてもよい。
これらの添加剤の配合量は、熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して1質量部以下が好ましい。
本発明の射出成形体は、上記(A)〜(C)成分に、必要に応じて上記添加剤を混合して得られた樹脂組成物を、公知の方法によって射出成形することにより得ることができる。
【0016】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1〜7及び比較例1〜11
ポリカーボネート(PC)に、第1表に示す成分をブレンドし、50mm径の単軸押出機(プラエンジ社製,NVC50)にて280℃で溶融混練してペレット化した。得られたペレットを、45トン射出成形機(東芝機械社製,IS45PV)を用いて射出成形して30mm×40mm×2mmの試験片を得た。得られた試験片について耐候性を下記の要領で評価した。結果を第1表に示す。
なお、第1表において、各成分の配合量は質量部で示す。第1表において、C−1は、平均一次粒子径40nmの酸化チタンを酸化アルミニウム及びステアリン酸で表面処理したもの[石原産業社製,TTO−55(B)]、C−1−1は、上記C−1の50質量部をシリコーンオイル(信越化学工業社製,KR219)50質量部とブレンドし、ブレンドに用いた容器ごと超音波洗浄器中で2時間処理し、酸化チタンを均一分散させたもの、C−2は、平均一次粒子径30nmの酸化亜鉛を酸化アルミニウムで表面処理したもの[ユニケマ社製,C99/30]、C−2−1は、上記C−2の60質量部をシリコーンオイル(信越化学工業社製,KR219)40質量部とブレンドし、ブレンドに用いた容器ごと超音波洗浄器中で2時間処理し、酸化亜鉛を均一分散させたものである。
【0017】
(1)初期光線透過率
JIS K7105に準拠し、厚さ3mmの試験片について測定した。
(2)初期Haze(ヘイズ)
JIS K7105に準拠し、厚さ3mmの試験片について測定した。
(3)YI(イエローインデックス)
キセノンウェザーメーター[アトラス社製,CI65,出力6.5kW]のブラックパネルを63℃に設定し、このブラックパネル上に試験片を置いて63℃で1000時間曝露した後、JIS K7103に準拠して、色差計によりYIを測定した。また、曝露前の試験片についてもYIを測定し、曝露前後におけるYIの差(ΔYI)を求めた。
【0018】
【表1】
Figure 0004190937
【0019】
【表2】
Figure 0004190937
【0020】
第1表に示す結果から、紫外線吸収剤と、分散媒体に分散させた酸化チタン又は酸化亜鉛とを併用した実施例の樹脂組成物は、紫外線吸収剤を単独で配合した樹脂組成物(比較例1,2)、分散媒体に分散させない酸化チタン又は酸化亜鉛を単独で配合した樹脂組成物(比較例3,4)、紫外線吸収剤と、分散媒体に分散させない酸化チタン又は酸化亜鉛とを併用した樹脂組成物(比較例6〜9)、紫外線吸収剤と、分散媒体に分散させた酸化チタン又は酸化亜鉛とを併用してはいるものの、紫外線吸収剤の配合量が本発明の範囲外である樹脂組成物(比較例10,11)と比べて、耐候性に優れたものであることがわかる。
【0021】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、透明性に優れ、かつ耐候性が向上したものであり、この熱可塑性樹脂組成物により得られる透明性を有する射出成形品は、ヘッドランプレンズ、サンルーフ、自動車窓又は透明なオフィスオートメーション製品、電気製品もしくは電子製品のハウジングなどに好適である。

Claims (6)

  1. (A)ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、(B)紫外線吸収剤0.1〜2質量部及び(C)官能基含有シリコーン化合物中に分散させた、平均一次粒子径が10〜80nmの酸化チタン及び酸化亜鉛の中から選ばれる少なくとも一種0.01〜0.5質量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 官能基含有シリコーン化合物が、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン及び末端水酸基含有ジメチルポリシロキサンの中から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 紫外線吸収剤が、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、及びアクリルポリマーに紫外線吸収ユニットがグラフト重合した化合物の中から選ばれる少なくとも一種である請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 酸化チタン及び酸化亜鉛が、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム及びステアリン酸の中から選ばれる少なくとも一種で表面処理されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を射出成形してなる、透明性を有する射出成形品。
  6. 透明性を有する射出成形品が、ヘッドランプレンズ、サンルーフ、自動車窓又は透明なオフィスオートメーション製品、電気製品もしくは電子製品のハウジングである請求項に記載の射出成形品。
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