JP4188320B2 - ファンブレード基部の保持装置 - Google Patents

Description

本発明は、ファンブレードの基部を保持する装置に関する。

より詳細には、本発明は、ファンにおけるブレードの基部を、ロータディスクの外周に配置された湾曲したソケット内に保持するためのパッキング部材に関し、前記ブレードは、凸型側面と凹型側面とを有し、前記パッキング部材は、半硬質のエラストマ材料でのオーバーモールドにより充填された窪み部分を有する金属構造体で構成された曲線から成るプレートの形態を有し、前記窪み部分は、特に、全体が金属構造体で構成される上流側端部ゾーンと下流側端部ゾーンとの間のブレードの凹状側部に位置する側縁、前記上流側および下流側端部ゾーンと本質的に金属構造体である金属中央ゾーンとの間のブレードの凸状側部に位置する側縁、および、前記金属中央ゾーンの両側の前記２つのエラストマ側縁の間に延びる、前記パッキング部材の２つの頂部に存在する。

このようなパッキング部材は、本発明に最も類似性の高い従来技術を示す、フランス特許第２７４６４５６号明細書に記載されている。ブレード基部の下で係合されるこれらのパッキング部材は、ブレード振動を減衰すべく機能し、これにより、遠心力が低い際にはブレード基部が傾斜することを防止し、また、例えばファンによって吸い込まれた物体によりブレードが衝撃を受けた場合のように、力が最大である際には、ブレードの基部の破損を防止するために、ブレード基部がある程度向きを変えることを可能にする。この目的のために、金属中央ゾーンは、ソケットの外形に対して後退された機械工作を施した外形を有する。

該文献では、パッキング部材は、ソケットの底部に配置された底部金属部分を備えており、前記底部部分は、金属中央ゾーンの両側でエラストマから形成される２つの側縁の間に配置されている。

ブレードが激しい衝撃を受けた場合、金属構造体の高い剛性のために、プレートは、非常に制限された角度だけで旋回することができる。

本発明の目的は、パッキング部材が、従来技術のパッキング部材で可能であった向きの変更を超えて、衝撃エネルギーの幾らかを確実に吸収することにより、衝撃を受けたブレードの挙動を向上させることである。

本発明は、金属構造体が、上流側端部ゾーンと下流側端部ゾーンとの間の表面全体にわたって延びる底部窪みをさらに備えることによって、この目的を達成する。

したがって、ブレードが激しい衝撃を受けた場合、パッキング部材は、板バネの原理に基づいて機能する。

パッキング部材の可撓性をさらに向上するために、底部窪みを、三日月形状部分によって、上流側端部ゾーンおよび下流側端部ゾーンに有利に接続する。

底部窪みは、半硬質のエラストマ材料でのオーバーモールドによって充填されることが好ましい。

必要であれば、中央ゾーンを、ソケットの外形に対して後退された外形にする。

本発明のこれ以外の特徴および利点は、添付の図面を参照し、例として示される以下の記述を読むことで明白になる。

図１および図２は、円周部に曲線から成る複数のソケット２を有するファンロータディスク１を示しており、各々のソケットは、滑動によって内部で係合するブレード４の基部３を有する。基部３は、鳩尾型に広がった断面を呈している。弾性パッキング部材５が、ブレード４の基部３とソケット２の底部との間で係合されており、前記パッキング部材は、基部３をソケット２の壁に対して保持している。

図３、図４、および図５に示すパッキング部材５は、長手軸ＸＸ’の湾曲したプレートの形状である。パッキング部材は、半硬質のエラストマ材料のオーバーモールドにより充填された、窪み部分を有する金属構造体によって構成されている。

パッキング部材５は、全体的に金属で構成され、断面が異なる中間金属部分によって相互に接続された、上流側端部ゾーン１０と下流側端部ソーン１１とを有しており、
ブレード４の凹側に位置したその面に、上流側端部ゾーン１０と下流側端部ゾーン１３との間に延びる側方縁を形成する、エラストマ材料で充填された窪み１３を呈し、
ブレード４の凸側に位置するその面に、金属構造体の金属中央ゾーン１２の両側に設けられ、さらにエラストマ材料で充填された２つの窪み１４、１５を呈し、
窪み１３と窪み１４、１５との間の金属中間ゾーン１２の両側のその頂面に、エラストマ材料で充填された２つの窪み１８、１９を呈し、さらに、
上流側端部ゾーン１０と下流側端部ゾーン１１との間のその底面２０に、この表面全体にわたって延び、また、特に金属中央ゾーン１２の下に延びる窪み２１を呈する。

そのため、上流側端部ゾーン１０と下流側端部ゾーン１１との間を接続する、全体が金属から成る金属中間部分の底面２０が、上流側端部ゾーン１０と下流側端部ゾーン１１の底面を含む平面と実質的に平行する平面内にある。これにより、金属中間部分が、圧縮力にさらされた場合、特に、圧縮力が金属中央ゾーン１２にわたって印加された場合に、該金属中間部分がバネブレードのように動作する。

底部窪み２１を、任意にエラストマ材料によって充填することができるが、しかし、必須ではない。

金属構造体が、エラストマ材料のオーバーモールディングを、金属部分よりも若干厚い厚みになるまで受ける。このような構成によって、パッキング部材５と、ディスク１のソケット２内のブレード基部との間の残留する遊びを削減するために、ブレード４の基部３下において圧縮状態で、パッキング部材５を組み立てることが可能になる。

底部窪み２１をエラストマ材料で充填した場合、パッキング部材５の断面は、パッキング部材５の一端から他端にかけて実質的に均一である。

それにもかかわらず、必要であれば、ブレード４の凹側が激しい衝撃を受けた場合に、ブレード４の基部３が軸ＢＢ’を中心に旋回できるようにするために、金属中央ゾーン１２は、ソケット２の外形２３に対して後退された機械工作を施された外形２２を呈することができる。

軸ＢＢ’は、図２および図４で参照符号Ｑで示す地点において、パッキング部材５の横断中間面と交差し、また、ソケット２が湾曲しているために、ブレード４から離れてオフセットされる。ブレード４が衝撃を受けた場合、ブレード４の旋回中に最も遠くに移動するのは、金属中間ゾーン１２の端部Ｐである。ポイントＰからの移動は、パッキング部材５の金属中間部分がより薄型に形成されており、その底面２０に窪み２１を設けているため、従来技術よりも容易に行える。

図６は、ブレード４が激しい衝撃を受けた場合に、パッキング部材５の金属中間部分が受ける変形を示している。

窪み２１の深さは、パッキング部材５が、その弾性を持続しながらバネのように機能するように決定されることができる。この深さは、さらに、パッキング部材５が塑性変形を受け、衝撃からのエネルギーの幾らかを吸収するように決定することも可能である。

パッキング部材５の可撓性をさらに増加するために、図７に示されるように、中間部分の底面を、三日月形状１６、１７によって、上流側端部ゾーン１０および下流側端部ゾーン１１と接続することができる。

ファンのブレード基部を保持する装置の径方向断面図である。 ソケット内に収納され、かつ本発明のパッキング部材の手段によって保持されたブレード基部の横断面図である。 本発明のブレード基部を保持するパッキング部材の長手断面図である。 図３のパッキング部材の平面図である。 図４中の線Ｖ−Ｖに沿った断面図である。 ブレード回転に従って圧縮力にさらされた、本発明による保持パッキング部材の縦断面図である。 本発明による保持パッキング部材の変形形態の長手断面図である。

Claims (4)

1. ファンにおけるブレードの基部を、ロータディスクの外周に配置された湾曲したソケット内に保持するためのパッキング部材であって、前記ブレードは、凸型側面と凹型側面とを有し、前記パッキング部材は、半硬質のエラストマ材料でのオーバーモールドにより充填された窪み部分を有する金属構造体で構成された曲線から成るプレートの形態を有しており、前記窪み部分は、特に、全体が金属構造体で構成される上流側端部ゾーンと下側流端部ゾーンとの間のブレードの凹状側部に位置する側縁、前記上流側および下流側端部ゾーンと本質的に金属構造体である金属中央ゾーンとの間のブレードの凸状側部に位置する側縁、および、前記金属中央ゾーンの両側の前記２つのエラストマ側縁の間に延びる、前記パッキング部材の２つの頂部に存在し、金属構造体がさらに、上流側端部ゾーン（１０）と下流側端部ソーン（１１）との間の表面全体にわたって延びる底部窪み（２１）を備えていることを特徴とする、パッキング部材。
2. 底部窪み（２１）が、三日月形状部分（１６、１７）によって、上流側端部ゾーン（１０）および下流側端部ゾーン（１１）に接続されていることを特徴とする、請求項１に記載のパッキング部材。
3. 底部窪み（２１）が、半硬質のエラストマ材料でオーバーモールディングすることにより充填されていることを特徴とする、請求項１または２に記載のパッキング部材。
4. 金属中央ゾーン（１２）が、ソケットの外形（２３）に対して後退された外形（２２）を有することを特徴とする、請求項１から３のいずれか一項に記載のパッキング部材。

Images