JP4182780B2 - インジェクタ検査装置およびインジェクタ検査方法 - Google Patents

インジェクタ検査装置およびインジェクタ検査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インジェクタの不具合を正確に判断できるインジェクタ検査装置およびインジェクタ検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多くの自動車のエンジンは燃料を供給する手段としてインジェクタを用いている。インジェクタの性能はエンジンの性能と密接な関係を持つことから、すべてのインジェクタの動作は自動車の出荷前に厳密に検査される。
【0003】
インジェクタの検査方法にはいくつかの種類がある。たとえば、下記の特許文献1では、自動車に搭載されているエンジンをモータによって駆動し、インジェクタには圧縮空気を供給してその流量を測定し、測定された流量に基づいてインジェクタの状態を判定するという検査方法を開示している。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−197405号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この検査方法によれば、圧縮空気の流量に基づいてインジェクタの状態を判定しているため、インジェクタの詰まりやインジェクタコイルの断線など、流量が大きく変化する不具合は確実に判定できる。ところが、インジェクタの噴射口のつぶれ、僅かな詰まり、僅かな漏れといった流量が少ししか変化しない不具合や噴射流量はほぼ同じであるが噴射口の形状が異なる異種のインジェクタの誤取り付け、その他の噴射特性異常などの不具合に対する判定は困難である。
【0006】
本発明は、このような従来の不具合を解消するために成されたものであり、インジェクタの不具合を正確に判断できるインジェクタ検査装置およびインジェクタ検査方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に記載の発明にかかるインジェクタ検査装置は、圧縮された気体をエンジンに取り付けられたインジェクタに供給する気体供給手段と、インジェクタを駆動するインジェクタ駆動手段と、音響エネルギーを検出するAEセンサ、エンジンのインジェクタ近傍に接触させてインジェクタから放射される音響エネルギーをAEセンサに伝達させる、AEセンサに取り付けられた導波棒、導波棒の押付圧力を調整するためにAEセンサをエンジンのインジェクタに対して進退移動させる移動手段、AEセンサから出力される音響エネルギーに関する信号を処理する信号処理手段、を有し、気体を噴出するときにインジェクタから放射される音響エネルギーを測定するAE測定手段と、インジェクタから噴射される気体の流量を測定する流量測定手段と、インジェクタ駆動手段に開弁指令が付与されてから開弁音が検出されるまでの開弁遅延時間が開弁許容時間内にあるか否かを判定する手段、インジェクタの開弁中に測定された音響エネルギーが、最も大きい第1基準レベル内、中間の第2基準レベル内、最も小さい第3基準レベル内のいずれのレベル内にあるのかを判定する手段、インジェクタの開弁中に測定された流量が、最も大きい第1基準レベル内、中間の第2基準レベル内、最も小さい第3基準レベル内のいずれの基準レベル内にあるのかを判定する手段、インジェクタ駆動手段に閉弁指令が付与されてから閉弁音が検出されるまでの閉弁遅延時間が閉弁許容時間内にあるか否かを判定する手段、インジェクタの閉弁中に測定された音響エネルギーと流量がともに0であるか否かを判定する手段、開弁遅延時間が開弁許容時間内にあり、閉弁遅延時間が閉弁許容時間内にあり、インジェクタの開弁中に測定された音響エネルギーと流量がともに第2基準レベル内にあり、インジェクタの閉弁中に測定された音響エネルギーと流量がともに0であるときにのみ、インジェクタに不具合はないと判断し、それ以外ではインジェクタに不具合があると判断する手段、を有し、測定された音響エネルギーと流量に基づいてインジェクタの不具合の有無を判断する不具合有無判断手段と、を有し、不具合有無判断手段は、さらに、インジェクタの開弁中に測定された音響エネルギーと流量がともに第2基準レベル内にないときには、音響エネルギーと流量がそれぞれどの基準レベルに属するかによってインジェクタの不具合の種類を推定する手段を有する。
【0008】
このため、インジェクタの詰まりやインジェクタコイルの断線など、流量が大きく変化する不具合はもちろんのこと、インジェクタの噴射口のつぶれ、僅かな詰まり、僅かな漏れといった流量が少ししか変化しない不具合や噴射流量はほぼ同じであるが噴射口の形状が異なる異種のインジェクタの誤取り付け、その他の噴射特性異常などの不具合も正確に判断できる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明にかかるインジェクタ検査方法は、圧縮された気体をインジェクタに供給する気体供給段階と、インジェクタを駆動するインジェクタ駆動段階と、気体を噴出するときにインジェクタから放射される音響エネルギーと気体の流量とを測定する測定段階と、測定された音響エネルギーが、最も大きい第1基準レベル内、中間の第2基準レベル内、最も小さい第3基準レベル内のいずれのレベル内にあるのかを判定するとともに、測定された流量が、最も大きい第1基準レベル内、中間の第2基準レベル内、最も小さい第3基準レベル内のいずれの基準レベル内にあるのかを判定する段階、音響エネルギーと流量がともに第2基準レベル内にあるときにのみ、インジェクタに不具合はないと判断し、音響エネルギーと流量がともに第2基準レベル内になければ、インジェクタに不具合があると判断する段階、を含む、測定された音響エネルギーと流量に基づいてインジェクタの不具合の有無を判断する不具合有無判断段階と、測定段階で測定された音響エネルギーと流量がともに第2基準レベル内にないときには、音響エネルギーと流量がそれぞれどの基準レベルに属するかによってインジェクタの不具合の種類を推定する段階と、を含み、インジェクタの不具合は、音響エネルギーと流量がともに第1基準レベル内であれば「漏れ」があると推定し、音響エネルギーが第1基準レベル内または第3基準レベル内であり流量が第2基準レベル内であれば「噴霧特性異常」があると推定し、音響エネルギーが第1基準レベル内または第2基準レベル内であり流量が第3基準レベル内であれば「詰まりによる噴霧特性異常」があると推定し、音響エネルギーが第2基準レベル内または第3基準レベル内であり流量が第1基準レベル内であれば「漏れによる噴霧特性異常」があると推定し、音響エネルギーと流量がともに第3基準レベル内であれば「詰まり」があると推定する
【0014】
このため、インジェクタの詰まりやインジェクタコイルの断線など、流量が大きく変化する不具合、インジェクタの噴射口のつぶれ、僅かな詰まり、僅かな漏れといった流量が少ししか変化しない不具合や噴射流量はほぼ同じであるが噴射口の形状が異なる異種のインジェクタの誤取り付け、その他の噴射特性異常などの不具合、インジェクタに指令が出されてから実際にインジェクタが動作するまでの応答が遅いという応答性の不具合のいずれをも正確に判断できる。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、インジェクタから放射される音響エネルギーとインジェクタから噴射される気体の流量という2つの物理量に基づいてインジェクタの不具合の有無を判断するようにしたので、良品のインジェクタと比較してインジェクタの流量が大きく異なる不具合、インジェクタの流量がごく僅かしか異ならない不具合、流量は異ならないが気体噴射時のAE(アコースティックエミッション)が異なる不具合のいずれの不具合をも正確に判断できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるインジェクタ検査装置およびインジェクタ検査方法の実施の形態を[実施の形態1]から[実施の形態3]に分けて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明にかかるインジェクタ検査装置の概略構成図であり、図2は、インジェクタ検査装置の構成をブロック化した図である。
【0018】
図1および図2に示すように、エンジン部品保持装置5には、4気筒エンジン用のインテークマニホールドやシリンダーヘッドなどのエンジン部品10が取り付けられる。エンジン部品10には、ポンプ20で圧縮された気体を噴射するインジェクタ30a〜30dが取り付けられている。気体は、燃料配管25介してポンプ20からインジェクタ30に供給される
また、基台15の上部には、音響エネルギーを検出するAEセンサ(アコースティックエミッションセンサ)40がエンジン部品10に対して進退自在に取り付けられられている。音響エネルギーは、インジェクタ30が駆動されるときの開弁音および閉弁音、インジェクタ30から気体が噴出するときのAE(アコースティックエミッション)および振動が含まれる。
【0019】
AEセンサ40には、インジェクタ近傍に接触させてインジェクタ30から放射される音響エネルギーをインジェクタ30に伝達させる導波棒45が取り付けられている。AEセンサ40には、それを進退移動させるシリンダ50が取り付けられている。したがって、シリンダ50に設けられているロッド55の進退位置を調整することによって導波棒45の押付圧力が変わりAEセンサ40の検出特性を調整することができる。
【0020】
導波棒45の押付圧力とAEセンサ40の出力との関係は、図3に示したグラフの曲線で示される。この曲線を見れば解かるが、押付圧力が変化してもAEセンサ40の出力があまり変わらないゾーンがある。したがって、安定した音響エネルギーの測定を行うため、本実施の形態では、図に示すように、押付圧力変化による出力変化が小さいゾーンの中央値を目標押付圧力として設定している。この中央値は、シリンダ駆動部60に設けられている記憶装置に記憶させておく。シリンダ駆動部60は、記憶装置に記憶されている押付圧力となるようにロッド55の進退位置を調整し、AEセンサ40の位置を設定する。なお、ロッド55の位置と押付圧力の関係は実験などによってあらかじめ求めておき、シリンダ駆動部60はその関係に基づいてロッド55の位置を設定する。
【0021】
図4は、本発明にかかるインジェクタ検査装置の概略構成ブロック図である。ポンプ20を含む気体供給源22から供給される気体(たとえば空気)は、供給圧力を調整するレギュレータ23を介して制御弁24に供給される。レギュレータ23と制御弁24との間には気体の供給圧力を検出する圧力センサ35が設けられている。制御弁24と燃料配管25との間にはインジェクタ30に供給される気体の流量を検出する流量センサ26が設けられている。気体供給源22から供給される気体は、インジェクタ30から大気26中に噴射される。
【0022】
本発明にかかるインジェクタ検査装置は、インジェクタ30が開閉するときの遅延時間、インジェクタ30が大気中に気体を噴射するときの噴射音、振動などを含むAE(アコースティックエミッション)に基づいて正常に動作しているか否かを判断できるように構成している。
【0023】
圧力センサ35の検出値と流量センサ26の検出値は流量測定部72、AE測定部74に出力される。流量測定部72では、図5(a)に示すような、流量−圧力特性に基づいて、正常な動作をするインジェクタの流量を求める。図では2本の曲線が描かれているが、四角のプロットで描かれている曲線は従来から一般的に用いられている従来型のインジェクタの流量−圧力特性を示し、三角のプロットで描かれている曲線は燃料を従来のものよりも微粒化して噴射するタイプの微粒型のインジェクタの流量−圧力特性を示す。
【0024】
たとえば、圧力センサ35によって検出された圧力値が0.2Mpaであるときには、従来型のインジェクタであれば8.5l/minが、微粒型のインジェクタであれば8.2l/minがそれぞれ正常値である。
【0025】
AEセンサ40はインジェクタ30の音響エネルギーや振動を、導波棒45を介して検出する。AEセンサ40から出力された信号はAEセンサアンプ76によって増幅され、その増幅された信号は、クリッピング部78によって波形変換される。クリッピング部78では、信号に含まれる基準レベル以下の信号を除去する処理が行われる。波形成形後の信号は、ローパスフィルタ80でその信号に含まれる基準周波数以上の信号が除去される。
【0026】
ローパスフィルタ80から出力される平滑化された信号は、AE測定部74に出力される。AE測定部74では、前述の圧力と流量に基づいて、正常なインジェクタ30が放射する音響エネルギーの値と、AEセンサ40の平滑化された信号に基づいて測定される音響エネルギーの値とが比較される。たとえば、上記のように、従来型のインジェクタにおいて、0.2Mpaの圧力で気体が供給されると、正常なインジェクタからは8.5l/minの流量で気体が噴出されるが、図5(b)のグラフを見ると、その時(8.5l/min)のAEセンサ40によって検出されるAE値は0.32Vであることが解かる。したがって、AEセンサ40から検出されている検出値が0.32Vから大きく外れていれば、現在測定中のインジェクタには不具合があることがわかる。
【0027】
なお、図5(b)に示したグラフは、AE−流量特性を示すグラフであり、正常なインジェクタからある流量で気体を噴射したときにAEセンサ40からどの程度の電圧が出力されるのかを示した線図である。図では2本の曲線が描かれているが、四角のプロットで描かれている曲線は従来から一般的に用いられている従来型のインジェクタのAE−流量特性を示し、ひし形のプロットで描かれている曲線は燃料を従来のものよりも微粒化して噴射するタイプの微粒型のインジェクタのAE−流量特性を示す。
【0028】
インジェクタ駆動信号発生部82は、インジェクタ30に開弁指令と閉弁指令を出力する。開弁指令を出力すると、インジェクタ30が開弁し、気体を大気中に噴射する。閉弁指令を出力すると、インジェクタ30が閉弁し、気体の噴射を停止する。
【0029】
インジェクタ動作遅れ時間測定部84は、インジェクタ駆動信号発生部82が開弁指令を出力してからインジェクタ30が実際に開弁するまでの開弁遅延時間、および、インジェクタ駆動信号発生部82が閉弁指令を出力してからインジェクタ30が実際に閉弁するまでの閉弁遅延時間を測定する。実際にインジェクタの弁が開閉したか否かの判断は、AEセンサ40によって検出された開閉音に基づいて行う。
【0030】
流量測定部72で測定された流量、AE測定部で測定された音響エネルギー(電圧値)、インジェクタ動作遅れ時間測定部84で測定された遅延時間は、判定結果演算部86に出力される。判定結果演算部86では、測定された流量をその大きさに基づいて第1〜第3の基準レベルに分け、また、測定された音響エネルギーをその大きさに基づいて第1〜第3の基準レベルに分ける。これらの基準レベルの境界値は実験などによってあらかじめ設定しておく。また、判定結果演算部86には、インジェクタの不具合の有無および不具合の種類を判断するために、インジェクタの開弁許容時間、閉弁許容時間、図6に示すような不具合判定マップが記憶されている。
【0031】
判定結果演算部86は、遅延時間や不具合判定マップに基づいて具体的には次のような処理をする。
【0032】
インジェクタ30に開弁指令が付与されてから開弁音が検出されるまでの開弁遅延時間が開弁許容時間内にあるか否かの判定、インジェクタ30の開弁中に測定された音響エネルギーが、最も大きい第1基準レベル内、中間の第2基準レベル内、最も小さい第3基準レベル内のいずれのレベル内にあるのかの判定、インジェクタ30の開弁中に測定された流量が、最も大きい第1基準レベル内、中間の第2基準レベル内、最も小さい第3基準レベル内のいずれの基準レベル内にあるのかの判定、インジェクタ30に閉弁指令が付与されてから閉弁音が検出されるまでの閉弁遅延時間が閉弁許容時間内にあるか否かの判定、インジェクタ30の閉弁中に測定された音響エネルギーと流量がともに0であるか否かの判定を行い、開弁遅延時間が開弁許容時間内にあり、閉弁遅延時間が閉弁許容時間内にあり、インジェクタ30の開弁中に測定された音響エネルギーと流量がともに第2基準レベル内にあり、インジェクタ30の閉弁中に測定された音響エネルギーと流量がともに0であるときにのみ、インジェクタ30に不具合はないと判断する。
【0033】
一方、インジェクタ30の開弁中に測定された音響エネルギーと流量がともに第2基準レベル内にないときには、音響エネルギーと流量がそれぞれどの基準レベルに属するかによってインジェクタ30の不具合の種類を推定する。すなわち、音響エネルギーと流量がともに第1基準レベル内であれば「漏れ」があると推定し、音響エネルギーが第1基準レベル内または第3基準レベル内であり流量が第2基準レベル内であれば「噴霧特性異常」があると推定し、音響エネルギーが第1基準レベル内または第2基準レベル内であり流量が第3基準レベル内であれば「詰まりによる噴霧特性異常」があると推定し、音響エネルギーが第2基準レベル内または第3基準レベル内であり流量が第1基準レベル内であれば「漏れによる噴霧特性異常」があると推定し、音響エネルギーと流量がともに第3基準レベル内であれば「詰まり」があると推定する。
【0034】
判定結果演算部86によって得られた不具合の有無や不具合の種類は表示部88に表示される。
【0035】
以上のような処理は、各気筒のインジェクタに対して1つずつ順番に行われる。本実施の形態では、4気筒のエンジンを例示しているので、上記の処理が4つのインジェクタに対して行われることになる。
【0036】
次に、本発明にかかるインジェクタ検査方法について説明する。このインジェクタ検査方法は、上述のインジェクタ検査装置によって実施される。
[実施の形態1]
この実施の形態は、気体の流量と音響エネルギーによってインジェクタの不具合の有無を判定するものであって、その手順は図7のフローチャートによって示される。なお、本実施の形態は、請求項9、12、17に対応するものである。
【0037】
まず、判定結果演算部86に、図6に示すような、インジェクタの不具合判定マップを各気筒に対して設定する(S1)。次に、気筒数を数えるためnに1を設定する(S2)。インジェクタ駆動信号発生部82がインジェクタ30に開弁指令を付与する(S3)。
【0038】
開弁指令が与えられると、インジェクタ30が開弁し、インジェクタ30から気体が噴射されるが、そのときの噴射音と振動も音響エネルギーとしてAEセンサ40によって検出される。また、そのときの流量が流量センサ26によって検出される。
【0039】
AEセンサ40によって検出された音響エネルギーに関する信号はAEセンサアンプ76によって増幅され、クリッピング部78によって波形整形される。波形整形後の信号はローパスフィルタ80によって高周波分が取り除かれ、AE測定部74に送られる。流量センサ26から出力された信号は流量測定部72に送られる。
【0040】
したがって、AE測定部74によって音響エネルギーが、流量測定部72によって流量がそれぞれ測定される(S4)。
【0041】
判定結果演算部86は、流量測定部72から出力された流量に関する信号、AE測定部74によって出力された音響エネルギーに関する信号のそれぞれレベルが、第1〜第3のそれぞれどのレベルに属するのかを判定する。すなわち、測定された音響エネルギーが、最も大きい第1基準レベル内、中間の第2基準レベル内、最も小さい第3基準レベル内のいずれのレベル内にあるのかを判定するとともに、測定された流量が、最も大きい第1基準レベル内、中間の第2基準レベル内、最も小さい第3基準レベル内のいずれの基準レベル内にあるのかを判定する。
【0042】
そして、前記音響エネルギーと前記流量がともに前記第2基準レベル内にあるときにのみ、前記インジェクタに不具合はないと判断し、前記音響エネルギーと前記流量がともに前記第2基準レベル内になければ、インジェクタ30に不具合があると判断する(S5)。
【0043】
以上の処理が終了したら、次の気筒のインジェクタの検査を行うために、nの値を1だけインクリメントする(S6)。
【0044】
以上の処理がすべての気筒に対するインジェクタについて終了すれば、処理を終了する(S7)。
【0045】
以上のように本実施の形態によれば、インジェクタ30から噴射される気体の流量と噴射音に基づいて、インジェクタ30の不具合の有無が正確に判断できるようになる。なお、AEセンサ30によって検出される音響エネルギーには、人間の可聴域の音に関するエネルギー、可聴域外の音に関するエネルギー、その他インジェクタの噴射時に生じる振動に関するエネルギーが含まれる。したがって、流量の大小を見ただけでは判断できない、インジェクタの噴出口のつぶれや形状異常といった不具合も容易に見つけることができる。
[実施の形態2]
この実施の形態は、インジェクタの動作遅延時間に基づいてインジェクタの不具合の有無を判定するものであって、その手順は図8のフローチャートによって示される。なお、本実施の形態は、請求項10、13、17に対応するものである。
【0046】
まず、判断結果演算部86には、インジェクタ30の開弁を開弁音で検出するための、開弁音検出閾値VO、同じくその閉弁を閉弁音で検出するための、開弁音検出閾値VC、インジェクタ30の不具合の有無を判断するための、開弁許容時間tO、閉弁許容時間tCを各気筒のインジェクタに対して設定する(S11)。
【0047】
次に、気筒数を数えるためnに1を設定する(S12)。インジェクタ駆動信号発生部82がインジェクタ30に開弁指令を付与する。図9(a)、(b)に示すように、開弁指令はインジェクタ30に駆動電圧が印加されることによって行われる(S13)。
【0048】
駆動電圧が与えられても、インジェクタ30は可動部の慣性の影響で直ぐには開弁しない。開弁時には、インジェクタ30から開弁音が出るので、図9(a)に示すように、その音をAEセンサ30で検出する。AEセンサからは図に示すようなパルス状の信号が出力される。この信号の大きさが開弁音検出閾値VOを越えていれば、インジェクタ30が開弁したと判断する(S14)。次に、開弁指令が付与されてから開弁音が検出されるまでの開弁遅延時間を測定する。この時間は、インジェクタ30に駆動電圧を印加してから開弁音が検出されるまでの時間である(S15)。
【0049】
次に、インジェクタ駆動信号発生部82がインジェクタ30に閉弁指令を付与する。図9(a)、(b)に示すように、開弁指令はインジェクタ30への駆動電圧を遮断することによって行われる(S16)。閉弁時もインジェクタ30は可動部の慣性の影響で直ぐには動かない。閉弁時にも、インジェクタ30から閉弁音が出るので、図9(a)に示すように、その音をAEセンサ30で検出する。AEセンサからは図に示すようなパルス状の信号が出力される。この信号の大きさが開弁音検出閾値VCを越えていれば、インジェクタ30が閉弁したと判断する(S17)。次に、閉弁指令が付与されてから閉弁音が検出されるまでの閉弁遅延時間を測定する。この時間は、インジェクタ30への駆動電圧を遮断してから閉弁音が検出されるまでの時間である(S18)。
【0050】
判定結果演算部86は、測定された開弁遅延時間と閉弁遅延時間を開弁許容時間tO、閉弁許容時間tCと比較し、測定された開弁遅延時間が開弁許容時間tO内にあるか否かおよび測定された閉弁遅延時間が閉弁許容時間tC内にあるか否かを判定する。
【0051】
開弁遅延時間が開弁許容時間tO内にあり、かつ、閉弁遅延時間が閉弁許容時間tC内にあるときにのみ、インジェクタ30に不具合はないと判断し、前記開弁遅延時間または前記閉弁遅延時間のいずれか一方でもそれぞれの基準時間を外れていれば、前記インジェクタに不具合があると判断する(S19)。
【0052】
以上の処理が終了したら、次の気筒のインジェクタの検査を行うために、nの値を1だけインクリメントする(S20)。
【0053】
以上の処理がすべての気筒に対するインジェクタについて終了すれば、処理を終了する(S21)。
【0054】
以上のように本実施の形態によれば、インジェクタ30の開弁遅延時間と閉弁遅延時間が基準時間を超えていれば、インジェクタ30に不具合が有ると判断する。遅延時間に基づいてインジェクタの不具合を判断するので、遅延時間が大きいとインジェクタの応答性が悪く、所望のエンジン性能を引き出すことができなくなるからである。
【0055】
なお、以上の実施の形態では、気体を噴射させずに開弁時間と閉弁時間を判断するようにしたが、気体を噴射させながらこれらの時間を求めるときには、図9(b)に示すように、閉弁の検出をするときのみ、そのサーチ方向を反対にする。そうしなければ、閉弁音が噴射音に紛れ込んでしまうからである。
[実施の形態3]
この実施の形態は、気体の流量と音響エネルギー、インジェクタの動作遅延時間に基づいてインジェクタの不具合の有無を判定するものであって、その手順は図10及び図11のフローチャートによって示される。なお、本実施の形態は、請求項11、14、15、16、17に対応するものである。
【0056】
まず、判断結果演算部86には、インジェクタ30の開弁を開弁音で検出するための、開弁音検出閾値VO、同じくその閉弁を閉弁音で検出するための、開弁音検出閾値VC、インジェクタ30の不具合の有無を判断するための、開弁許容時間tO、閉弁許容時間tC、噴射音の検出を開始するための計測待ち時間tS、ti、噴射音の計測時間tm、インジェクタの不具合判定マップを設定する(S41)。
【0057】
次に、気筒数を数えるためnに1を設定する(S42)。インジェクタ駆動信号発生部82がn気筒目のインジェクタ30に開弁指令を付与する(S43)。開弁時には、インジェクタ30から開弁音が出るので、図9(a)に示すように、その音をAEセンサ30で検出する。AEセンサからは図9(a)に示すようなパルス状の信号が出力される。この信号の大きさが開弁音検出閾値VOを越えていれば、インジェクタ30が開弁したと判断する(S44)。次に、開弁指令が付与されてから開弁音が検出されるまでの開弁遅延時間を測定する(S45)。
【0058】
インジェクタ30の開弁が検知されたら、図12に示すように、測定待ち時間tSが経過するのを待って(S46)、tm秒間の計測区間における音響エネルギーと流量を測定する。開弁時には、インジェクタ30から気体が噴射されるが、そのときの噴射音と振動も音響エネルギーとしてAEセンサ40によって検出される。AEセンサ40からは図12に示すようなパルス状の交流が出力される。AEセンサ40によって検出された音響エネルギーに関する信号はAEセンサアンプ76によって増幅され、クリッピング部78によって正側だけを残す波形整形が行われる。波形整形後の信号はローパスフィルタ80によって高周波分が取り除かれ、平滑化された波形となってAE測定部74に送られる。一方、流量センサ26から出力された信号は流量測定部72に送られる(S47)。そして、n気筒目のインジェクタ30に閉弁指令を付与する(S48)。閉弁時にも、インジェクタ30から閉弁音が出るので、図9(a)に示すように、その音をAEセンサ30で検出する。AEセンサからは図9(a)に示すようなパルス状の信号が出力される。この信号の大きさが開弁音検出閾値VCを越えていれば、インジェクタ30が閉弁したと判断する(S49)。次に、閉弁指令が付与されてから閉弁音が検出されるまでの閉弁遅延時間を測定する(S50)。そして、測定待ち時間tiが経過するのを待って(S51)、tm秒間の計測区間における音響エネルギーと流量を測定する(S52)。また、判定結果演算部86は、測定された開弁遅延時間と閉弁遅延時間を開弁許容時間tO、閉弁許容時間tCと比較する(S53)。
【0059】
判定結果演算部86は、流量測定部72から出力された流量に関する信号、AE測定部74によって出力された音響エネルギーが、最も大きい第1基準レベル内、中間の第2基準レベル内、最も小さい第3基準レベル内のいずれのレベル内にあるのかの判定をし、また、気体の噴射時に測定された流量が、最も大きい第1基準レベル内、中間の第2基準レベル内、最も小さい第3基準レベル内のいずれの基準レベル内にあるのかの判定をする。そして、図6に示した不具合判定マップに音響エネルギーと流量の判定結果をマッピングする(S54)。
【0060】
そして、判定結果演算部86は、測定された開弁遅延時間が開弁許容時間tO内にあるか否かおよび測定された閉弁遅延時間が閉弁許容時間tC内にあるか否かを判定、インジェクタ30の閉弁時に測定された音響エネルギーと流量が0であるか否かの判定を行う。
【0061】
その判定の結果、開弁遅延時間が開弁許容時間tO内にあり、閉弁遅延時間が閉弁許容時間tC内にあり、気体の噴射中に測定された音響エネルギーと流量がともに第2基準レベル内にあり、インジェクタが閉弁されている状態で測定された音響エネルギーと流量がともに0であるときにのみ、インジェクタ30に不具合はないと判断し、それ以外ではインジェクタ30に不具合があると判断する。
【0062】
そして、気体の噴射中に測定された音響エネルギーと流量がともに第2基準レベル内にないときには、音響エネルギーと流量がともに第1基準レベル内であれば「漏れ」があると推定し、音響エネルギーが第1基準レベル内または第3基準レベル内であり流量が第2基準レベル内であれば「噴霧特性異常」があると推定し、音響エネルギーが第1基準レベル内または第2基準レベル内であり流量が第3基準レベル内であれば「詰まりによる噴霧特性異常」があると推定し、音響エネルギーが第2基準レベル内または第3基準レベル内であり前記流量が第1基準レベル内であれば「漏れによる噴霧特性異常」があると推定し、音響エネルギーと前記流量がともに第3基準レベル内であれば「詰まり」があると推定する(S55)。
【0063】
以上の処理が終了したら、次の気筒のインジェクタの検査を行うために、nの値を1だけインクリメントする(S56)。
【0064】
以上の処理がすべての気筒に対するインジェクタについて終了すれば、処理を終了する(S57)。
【0065】
以上のように、本実施の形態によれば、インジェクタ30の開弁遅延時間と閉弁遅延時間が基準時間を超えているか否かによって、インジェクタ30に不具合があるか否かが判断できるようになる。また、インジェクタ30から噴射される気体の流量と噴射音がそれぞれどの基準レベルにあるかによって、インジェクタ30の不具合の有無および不具合の種類が正確に判断できるようになる。さらに、インジェクタ30の閉弁時に漏れがあるか否かも判断できるようになる。
【0066】
本発明にかかる実施の形態は以上の通りである。なお、各請求項にかかる発明は次のような効果を奏する。
【0067】
請求項1にかかる発明によれば、音響エネルギーと流量に基づいてインジェクタの不具合の有無を判断するようにしたので、良品と比較して流量が僅かしか変化しないような不具合でも音響エネルギーの変化から正確に把握することができる。
【0068】
請求項2にかかる発明によれば、インジェクタから放射される音響エネルギーを進退自在に取り付けられたAEセンサが導波棒を介して検出できるようにしたので、特定の種類のエンジンだけでなく、あらゆる種類のエンジンのインジェクタを検査することができる。
【0069】
請求項3にかかる発明によれば、導波棒を音響エネルギーが安定して伝達する最適な押付圧力でエンジンに接触させることができるので、種類の異なるエンジンのインジェクタの検査ばらつきを低減することができる。
【0070】
請求項4にかかる発明によれば、AEセンサによって検出された音響エネルギーに関する信号の波形を成形するようにしたので、信号処理手段は、波形が平滑化された信号を処理すればよく、超高速サンプリング処理など高速演算の必要性がなくなる。
【0071】
請求項5にかかる発明によれば、開弁音、閉弁音、噴射音のいずれもAEセンサによって可聴域および可聴域外の音(アコースティックエミッション)が検出できるので、AEセンサのみ(加速度センサを設けることなく)で音響エネルギーの検出が可能になる。
【0072】
請求項6にかかる発明によれば、指令が与えられてからインジェクタが実際に動作するまでの時間が基準時間内にあるか否かを判定し、さらに、開弁中に測定された音響エネルギーと流量をそれぞれ3つの基準レベルに分けそれぞれどの基準レベルに属するかを判定し、さらに閉弁中に測定された音響エネルギーと流量が0であるかを判定するようにしたので、インジェクタの応答性の不具合の有無と、インジェクタの流量が僅かしか変化しないような不具合の有無を正確に判断することができる。
【0073】
請求項7にかかる発明によれば、音響エネルギーと流量が3つの基準レベルのどれに属するかを判定し、その属する基準レベルに基づいて不具合の種類を推定するようにしたので、不具合の種類を細かく推定することができる。
【0074】
請求項8にかかる発明によれば、音響レベルと流量の属する基準レベルに不具合の種類を振り分けたので、測定された音響レベルと流量がどの基準レベルに属するのかを判定することで不具合の種類を正確に推定することができる。
【0075】
請求項9にかかる発明によれば、音響エネルギーと流量に基づいてインジェクタの不具合の有無を判断するようにしたので、良品と比較して流量が僅かしか変化しないような不具合でも音響エネルギーの変化から正確に把握することができる。
【0076】
請求項10にかかる発明によれば、開弁指令が与えられてからインジェクタが実際に開弁するまでの時間と閉弁指令が与えられてからインジェクタが実際に閉弁するまでの時間を測定するようにしたので、インジェクタに指令が与えられてから実際にインジェクタが動作するまでの応答性の不具合が正確に把握できる。
【0077】
請求項11にかかる発明によれば、指令が与えられてからインジェクタが実際に動作するまでの時間を測定し、また、インジェクタの開弁中および閉弁中の音響エネルギーと流量を測定するようにしたので、前述したインジェクタの応答性の不具合と、流量が僅かしか変化しないような不具合の両方を正確に把握できる。
【0078】
請求項12にかかる発明によれば、測定された音響エネルギーと流量をそれぞれ3つの基準レベルに分けそれぞれどの基準レベルに属するかを判定するようにしたので、インジェクタの不具合の有無が正確に把握できるようになる。
【0079】
請求項13にかかる発明によれば、指令が与えられてからインジェクタが実際に動作するまでの時間が基準時間内にあるか否かによってインジェクタの応答性の不具合の有無を判断するようにしたので、その不具合の有無が正確に把握できるようになる。
【0080】
請求項14にかかる発明によれば、指令が与えられてからインジェクタが実際に動作するまでの時間が基準時間内にあるか否かを判定し、さらに、開弁中に測定された音響エネルギーと流量をそれぞれ3つの基準レベルに分けそれぞれどの基準レベルに属するかを判定し、さらに閉弁中に測定された音響エネルギーと流量が0であるかを判定するようにしたので、インジェクタの応答性の不具合の有無と、インジェクタの流量が僅かしか変化しないような不具合の有無を正確に判断することができる。
【0081】
請求項15にかかる発明によれば、音響エネルギーと流量が3つの基準レベルのどれに属するかを判定し、その属する基準レベルに基づいて不具合の種類を推定するようにしたので、不具合の種類を細かく推定することができる。
【0082】
請求項16にかかる発明によれば、音響レベルと流量の属する基準レベルに不具合の種類を振り分けたので、測定された音響レベルと流量がどの基準レベルに属するのかを判定することで不具合の種類を正確に推定することができる。
【0083】
請求項17にかかる発明によれば、エンジンに取り付けられるインジェクタの不具合の有無を1つずつ判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるインジェクタ検査装置の概略構成図である。
【図2】インジェクタ検査装置の構成をブロック化した図である。
【図3】導波棒の押付圧力とAEセンサの出力との関係を示すグラフである。
【図4】本発明にかかるインジェクタ検査装置の概略構成ブロック図である。
【図5】(a)は従来型および微粒型インジェクタの流量−圧力特性を示すグラフであり、(b)は従来型および微粒型インジェクタのAE−流量特性を示すグラフである。
【図6】インジェクタの不具合の有無と不具合の種類を判定するために使用される不具合判定マップである。
【図7】第1の実施の形態にかかる手順を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態にかかる手順を示すフローチャートである。
【図9】図8のフローチャートの説明に供する図である。
【図10】第3の実施の形態にかかる手順を示すフローチャートである。
【図11】第3の実施の形態にかかる手順を示すフローチャートである。
【図12】図10、図11のフローチャートの説明に供する図である。
【符号の説明】
10…エンジン部品、
20…ポンプ、
22…気体供給源、
26…流量センサ、
30、30a〜30d…インジェクタ、
35…圧力センサ、
40…AEセンサ、
45…導波棒、
50…シリンダ、
72…流量測定部、
74…AE測定部、
78…クリッピング部、
80…ローパスフィルタ、
82…インジェクタ駆動信号発生部、
84…インジェクタ動作遅れ時間測定部、
86…判断結果演算部、
88…表示部。

Claims (3)

  1. 圧縮された気体をエンジンに取り付けられたインジェクタに供給する気体供給手段と、
    当該インジェクタを駆動するインジェクタ駆動手段と、
    音響エネルギーを検出するAEセンサ、前記エンジンのインジェクタ近傍に接触させて当該インジェクタから放射される音響エネルギーを前記AEセンサに伝達させる、前記AEセンサに取り付けられた導波棒、前記導波棒の押付圧力を調整するために前記AEセンサを前記エンジンのインジェクタに対して進退移動させる移動手段、前記AEセンサから出力される音響エネルギーに関する信号を処理する信号処理手段、を有し、前記気体を噴出するときに前記インジェクタから放射される前記音響エネルギーを測定するAE測定手段と、
    前記インジェクタから噴射される気体の流量を測定する流量測定手段と、
    前記インジェクタ駆動手段に開弁指令が付与されてから開弁音が検出されるまでの開弁遅延時間が開弁許容時間内にあるか否かを判定する手段、前記インジェクタの開弁中に測定された音響エネルギーが、最も大きい第1基準レベル内、中間の第2基準レベル内、最も小さい第3基準レベル内のいずれのレベル内にあるのかを判定する手段、前記インジェクタの開弁中に測定された流量が、最も大きい第1基準レベル内、中間の第2基準レベル内、最も小さい第3基準レベル内のいずれの基準レベル内にあるのかを判定する手段、前記インジェクタ駆動手段に閉弁指令が付与されてから閉弁音が検出されるまでの閉弁遅延時間が閉弁許容時間内にあるか否かを判定する手段、前記インジェクタの閉弁中に測定された音響エネルギーと流量がともに0であるか否かを判定する手段、当該開弁遅延時間が開弁許容時間内にあり、当該閉弁遅延時間が閉弁許容時間内にあり、前記インジェクタの開弁中に測定された当該音響エネルギーと当該流量がともに第2基準レベル内にあり、前記インジェクタの閉弁中に測定された前記音響エネルギーと前記流量がともに0であるときにのみ、前記インジェクタに不具合はないと判断し、それ以外では前記インジェクタに不具合があると判断する手段、を有し、測定された音響エネルギーと流量に基づいて前記インジェクタの不具合の有無を判断する不具合有無判断手段と、を有し、
    前記不具合有無判断手段は、さらに、前記インジェクタの開弁中に測定された前記音響エネルギーと前記流量がともに前記第2基準レベル内にないときには、前記音響エネルギーと前記流量がそれぞれどの基準レベルに属するかによって前記インジェクタの不具合の種類を推定する手段を有することを特徴とするインジェクタ検査装置。
  2. 前記不具合の種類は、
    前記音響エネルギーと前記流量がともに第1基準レベル内であれば「漏れ」があると推定し、前記音響エネルギーが第1基準レベル内または第3基準レベル内であり前記流量が第2基準レベル内であれば「噴霧特性異常」があると推定し、前記音響エネルギーが第1基準レベル内または第2基準レベル内であり前記流量が第3基準レベル内であれば「詰まりによる噴霧特性異常」があると推定し、前記音響エネルギーが第2基準レベル内または第3基準レベル内であり前記流量が第1基準レベル内であれば「漏れによる噴霧特性異常」があると推定し、前記音響エネルギーと前記流量がともに第3基準レベル内であれば「詰まり」があると推定することを特徴とする請求項1記載のインジェクタ検査装置。
  3. 圧縮された気体をインジェクタに供給する気体供給段階と、
    当該インジェクタを駆動するインジェクタ駆動段階と、
    前記気体を噴出するときに前記インジェクタから放射される音響エネルギーと当該気体の流量とを測定する測定段階と、
    測定された音響エネルギーが、最も大きい第1基準レベル内、中間の第2基準レベル内、最も小さい第3基準レベル内のいずれのレベル内にあるのかを判定するとともに、測定された流量が、最も大きい第1基準レベル内、中間の第2基準レベル内、最も小さい第3基準レベル内のいずれの基準レベル内にあるのかを判定する段階、前記音響エネルギーと前記流量がともに前記第2基準レベル内にあるときにのみ、前記インジェクタに不具合はないと判断し、前記音響エネルギーと前記流量がともに前記第2基準レベル内になければ 、前記インジェクタに不具合があると判断する段階、を含む、測定された音響エネルギーと流量に基づいて前記インジェクタの不具合の有無を判断する不具合有無判断段階と、
    前記測定段階で測定された前記音響エネルギーと前記流量がともに前記第2基準レベル内にないときには、前記音響エネルギーと前記流量がそれぞれどの基準レベルに属するかによって前記インジェクタの不具合の種類を推定する段階と、を含み、
    前記インジェクタの不具合は、前記音響エネルギーと前記流量がともに第1基準レベル内であれば「漏れ」があると推定し、前記音響エネルギーが第1基準レベル内または第3基準レベル内であり前記流量が第2基準レベル内であれば「噴霧特性異常」があると推定し、前記音響エネルギーが第1基準レベル内または第2基準レベル内であり前記流量が第3基準レベル内であれば「詰まりによる噴霧特性異常」があると推定し、前記音響エネルギーが第2基準レベル内または第3基準レベル内であり前記流量が第1基準レベル内であれば「漏れによる噴霧特性異常」があると推定し、前記音響エネルギーと前記流量がともに第3基準レベル内であれば「詰まり」があると推定することを特徴とするインジェクタ検査方法。
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