JP4181970B2 - マグネシウム合金材の低電気抵抗皮膜化成処理方法 - Google Patents

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本発明は、マグネシウム合金材の低電気抵抗皮膜化成処理方法に関するものである。
近年、軽量化、リサイクル等の観点から、マグネシウム合金材を携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ、PDA(Personal Disital Assistants)等の電子機器の筐体に適用する事例が多くなり、実用化がなされている。電子機器の筐体は、その表面の意匠性や耐食性維持の点から、塗装を施されていることが多い。このため、筐体表面については、塗装下地としての防食性付与が要求され、さらに塗装を施さない裏面や内部部品についても防食性の機能が要求されている。これらの防食性を満足させるために、従来は、クロム系処理が施されていたが、現在では、有害なクロムを含有しないノンクロム系処理が主流となっている。
さらに、携帯電話、ノートパソコン、PDA等に電磁波シールド性が要求される電子機器においては、その筐体における基板についても接地点からアースをとる必要性がある。
本来、塗装下地として防食性を与えるために無機質の皮膜を形成する化成処理においては、原理的に低電気抵抗値と防食性を両立させることは困難であった。しかし、特許文献1、特許文献2等におけるように、AZ91Dマグネシウム合金材については、エッチング工程を設けることやリン酸塩皮膜の改良等により、複数の特許出願がなされ特許として成立し、さらにその実用化がなされている。
一方、従来のダイカストやチクソモールド法に代表される製法により、マグネシウム合金材については、成型時の歩止まり率の低さ、二次加工の人件費、コスト高等の点から、製造拠点が海外に流出するという現象が起きている。このため、現在、これらの問題を一挙に解決できるプレス加工が可能な展伸材として、AZ31Bに代表されるアルミニウムの含有率が低いマグネシウム合金の押出材、圧延材についての開発が盛んになっている。
特開平11−131255号公報 特開2000−096255号公報
しかし、アルミニウムの含有率が低いマグネシウム合金材は、展伸、塑性加工を行い得る反面、AZ91系マグネシウム合金材と比較して、アルミニウム含有率が少ないことから、腐食性が非常に大きいという難点がある。このため、これまで提案されてきた従来の方法をアルミニウムの含有率が低いマグネシウム合金材に適用しても、皮膜耐食性を有すると共に、電磁波シールド性の保持に必要な低電気抵抗の化成皮膜を表面に安定して形成することが難しい。
さらに現在の段階では、プレス素材として供給されるアルミニウムの含有率が低いマグネシウム合金材は、部材メーカーや製造ロットによっては、腐食性が著しく大きい場合があり、従来の化成処理や陽極酸化等の防錆処理のいずれかの方法によっても、その極端な低耐食性の改善は難しいのが現状である。
今回、アルミニウムの含有率が低いマグネシウム合金材の低耐食性について鋭意研究を行った結果、その原因が、合金材表面における微量の鉄やニッケル等の微量固着物が散在することによるものであることを発見し、その由来は、圧延時のロールからの付着やプレス加工時の金型からのものであることが判明した。また電位差腐食の原理により、これらの鉄やニッケル等の微量固着物を除去できない限り、腐食性の改善は見込めないと推測される。
さらに、現時点において、マグネシウム合金材の圧延材製造メーカーでは、需要の面から、マグネシウム合金材専用の圧延ラインを設けることが難しく、また表面のブラッシング等による機械的除去方法では鉄やニッケル等の微量固着物の除去が困難であることも確認されている。従って、市場に供給されるアルミニウムの含有率が低いマグネシウム合金材の展伸材については、その合金表面に鉄やニッケル等が微量散在して付着しているものがほとんどを占めることを免れない。
そこで、本発明は、これらのアルミニウムの含有率が低いマグネシウム合金材表面における化成処理皮膜の低電気抵抗性、塗装耐食性及び腐食性を改善することができるマグネシウム合金材の低電気抵抗皮膜化成処理方法を提供することを目的とした。
上記した目的を達成するため、本発明のマグネシウム合金材の低電気抵抗皮膜化成処理方法は、アルミニウムの含有率が2.5〜3.5重量%のマグネシウム合金材の低電気抵抗皮膜化成処理方法であって処理温度を20℃〜70℃、処理時間を15秒〜240秒とした有機酸水溶液によるエッチング処理と、処理温度を20℃〜70℃、処理時間を30秒〜180秒としたフッ化物を含有する水溶液による浸漬処理と、強アルカリ水溶液によるスマット除去を行う浸漬処理とを順に行い、その後リン酸塩による皮膜化成処理を行うことを特徴とする。
さらに、本発明のマグネシウム合金材の低電気抵抗皮膜化成処理方法は、前記皮膜化成処理は、リン固着量が10〜100mg/m 2 の範囲内にあるように制御されることを特徴とする
本発明における有機酸によるエッチング処理によれば、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸等の無機酸によるエッチング処理とは異なり、アルミニウムの含有率が低いマグネシウム合金材について、その表面の荒れが非常に少なく、後に行う皮膜化成処理工程での皮膜重量の低電気抵抗を満足する小さい範囲に収めることが可能となる。
この皮膜重量の低減効果は、有機酸によるエッチング処理に特有のものである。例えば、温度低下や濃度低減のような条件緩和によっても、前記した無機酸によるエッチング処理では、例えば、温度低下や濃度低減のような条件緩和がなされる場合でも得られない。
これは、AZ91系マグネシウム合金材と比べて、特にアルミニウムの含有率が低いマグネシウム合金材では酸による溶解性が大きいので、通常の無機酸ベースでのエッチング処理では、表面粗度が大きくなり、後の皮膜化成工程での皮膜重量が過大となってしまうので、電気抵抗性の小さい皮膜が得られないからである。
また、有機酸によるエッチング処理後に、さらに強アルカリ等でスマット除去して後、リン固着量を10〜100mg/m2 の範囲にあるように制御してリン酸塩等による皮膜を形成する化成処理を行うことにより、電気抵抗値の低い超薄膜皮膜が形成し、これにより皮膜耐食性と塗装性能とを同時に満足する化成皮膜を得ることが可能となる。
ただし、有機酸によるエッチング工程のみの処理では、一般に市場に供給されているアルミニウムの含有率が低いマグネシウム合金の圧延材表面に散在する鉄やニッケル等を除去することができない。また通常の無機酸や縮合リン酸塩等によるアルカリエッチングでは、マグネシウムと比べて、電位の高い鉄やニッケル等の固着物は、エッチング反応のカソード点となり、永久に残存することになる。
アルミニウムの含有率が低いマグネシウ合金材に対し有機酸によるエッチング工程のみの処理が行われる場合、無処理の場合より、鉄やニッケル等がさらに表面にむき出しの形態で残存することが推測される。この鉄やニッケル等がさらに表面にむき出しの形態で残存することは、電子顕微鏡による状態観察でも確認されている。
前記した有機酸によるエッチング処理後のアルミニウムの含有率が低いマグネシウ合金材をさらにフッ化物を含む水溶液に浸漬すると、スマットが溶解すると共に、むき出し形態にある鉄やニッケル等の固着物がフッ化物含有水溶液により溶解除去される。この際、アルミニウムの含有率が低いマグネシウ合金材はフッ化物水溶液と反応して、化学的に非常に安定なフッ化マグネシウムを合金材の表面に形成してエッチング反応は停止する。フッ化物含有水溶液による処理工程で形成されたフッ化マグネシウム層は後工程のリン酸塩等による皮膜処理によっても残存し、最終的に形成された皮膜の裸耐食性をさらに向上する効果が発揮される。
前記した2段階処理は、有機酸によるエッチング処理とフッ化物含有水溶液による処理の順序で行うことによってのみ、鉄やニッケル等の固着物を除去する効果がある。
なお、前記した2段階処理における順序を逆に行う場合、鉄やニッケル等の固着物に対する除去効果は得られない。またフッ化物含有水溶液による処理単独処理の場合でも、鉄やニッケル等の固着物に対する除去効果は得られず、しかも、エッチング処理による処理量が不足するため、低電気抵抗皮膜が得られない。
本発明方法の皮膜化成処理方法では、AZ31Bマグネシウム合金材に代表されるアルミニウムの含有率が低いマグネシウ合金材表面を、先ず、界面活性剤を含んだ苛性ソーダ等を含有する強アルカリ水溶液、あるいは軽エッチングを伴う縮合リン酸塩等のアルカリ水溶液により、プレス潤滑油の除去を行った後、水洗を経て、酒石酸、クエン酸、マロン酸、シュウ酸等の有機酸水溶液によるエッチング処理を行うことが好ましい。
有機酸によるエッチング処理は、処理温度20℃〜70℃、処理時間15秒〜240秒の条件下で行われることが望ましい。
エッチング処理時の温度が、20℃未満であると、エッチング不足となり、合金表面の電気抵抗値が高くなり、十分な塗膜密着性、塗膜耐食性が得られず、また70℃を超えると、エッチングが過剰となり、合金表面の荒れやスマットの残留したり、皮膜耐食性が低下する。またエッチング処理時間が、15秒未満であると、エッチング不足により、合金の表面抵抗値が高くなり、十分な塗膜密着性、塗膜耐食性が得られず、また240秒を超えると、エッチングが過剰となり、合金表面の荒れやスマットが残留することにより、皮膜耐食性が低下する。
次いで、水洗後、フッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、ホウフッ化水素酸、酸性フッ化アンモニウム、酸性フッ化ナトリウム等から選択されるいずれかのフッ化物含有水溶液により処理を行う。
上記フッ化物含有水溶液による処理は、処理温度が20℃〜70℃、処理時間が30秒〜180秒の条件下で行われることが望ましい。
フッ化物含有水溶液による処理の温度が、20℃未満であると、合金表面に散在している鉄やニッケル等の微量固着物の除去が不十分となり、最終的に生成する皮膜の耐食性が低下する。また処理の温度が70℃を超えると、合金材の表面抵抗値の上昇を招く。またフッ化物含有水溶液による処理の時間が、30秒未満であると、合金材の表面に散在している鉄やニッケル等の微量固着物の除去が不十分となり、最終的に生成する皮膜の耐食性が低下する。また処理時間が180秒を超えると、合金材の表面抵抗値の上昇を招く。
上記フッ化物含有水溶液による処理後、水洗を経て、苛性ソーダ等の強アルカリ水溶液により、スマット除去を行う。これにより、最初のエッチング工程で生成された黒色のスマットのほとんどがフッ化物水溶液による処理工程で除去される。
前記した2段階処理後、そのまま皮膜化成工程に移っても、その皮膜性能および塗膜性能を発揮できるが、より好ましくは、さらに強アルカリ水溶液によるスマット除去工程を施すことにより、主に合金表面の塗装耐食性が高くなるので好ましい。従って、フッ化物水溶液による処理を行い、水洗を経て、強アルカリによるスマット除去の工程を終えた後、水洗後、最後にリン酸マンガンあるいはリン酸カルシウム−マンガン等のリン酸塩系皮膜化成処理を行い、塗装下地としての化成皮膜を形成させて皮膜化成処理を完結させることができる。
この際、リン酸カルシウム−マンガン塩等のリン酸塩等による皮膜処理における化成処理の条件を制御することにより、リン固着量が10〜100mg/m2 の範囲で形成し、低電気抵抗性と塗膜下地の皮膜性能をより一層高めることができる。
上記リン固着量が10mg/m2 未満であると、塗装下地としての皮膜量が十分でないことにより、塗膜密着性及び耐食性を満足することができず、またリン固着量が100mg/m2 を超えると、塗膜下地としては良好であるが、電子機器筐体の皮膜として要求される低電気抵抗値を満足させることができず、1Ω以上の高電気抵抗値の皮膜となってしまう。
なお、表面に鉄やニッケル等が散在していないアルミニウムの含有率が低いマグネシウム合金材に対する場合、前記したフッ化物含有水溶液による工程を省いても、耐食性についてはある程度維持される。
本発明は、上述したような各処理過程を含む化成処理皮膜の形成方法であり、上記した各処理工程に続いて、水洗を行うのが好ましく、さらに引き続いて、前記した脱脂処理2以下については、一般的方法に従い、水洗、乾燥させる。これらの諸工程を図1のフロー図に示すように処理される。
次いで、塗装処理を行うことができる。塗装処理としては、吹き付け塗装、電着塗装等の方法によりエポキシ樹脂等の塗料を下塗りし、さらにメラミン樹脂等の塗料を上塗りすることができる。その他にも、各種の樹脂による粉体塗料を静電塗装することもできる。
以下に、本発明のマグネシウム合金材の低電気抵抗皮膜化成処理方法を実施例に基づいてより具体的に説明する。
実施例1〜6及び比較例1〜6
A〜C社製のAZ31Bマグネシウム合金材(Al:2.5〜3.5重量%、Zn:0.6〜1.4重量%、Mn:0.20〜1.0重量%、その他微量成分)を押出し後、圧延を行い、0.7mm×50mm×150mmの圧延材とし、これらを処理対象物とした。なお、A社製及びB社製の処理対象物の表面には、鉄やニッケル等の固着物が散在するものであり、C社製のAZ31Bマグネシウム合金材の表面には、鉄やニッケル等の固着物が散在しないものである。
Figure 0004181970
先ず、脱脂剤として強アルカリ15%水溶液(ミリオン化学(株)製、商品名:GFMG15SX)を用い、この液温を70℃に保ち、この溶液中に前記処理対象物を5分間浸漬した(脱脂処理)。
上記脱脂処理後の処理対象物に、水洗の後、次のエッチング処理及びフッ化物含有水溶液による処理の2段階処理を順に行った。
すなわち、エッチング剤として、表1に示す濃度に調製した各種の有機酸水溶液を用い、この有機酸水溶液に前記処理対象物を60秒間浸漬してエッチング処理を行い(表面調整1)、水洗の後、さらにエッチング処理後の処理対象物を表1に示す濃度のフッ化物含有水溶液中に120秒間浸漬する処理を行った(表面調整2)。
次いで、実施例2〜6については、水洗後、表面調製3として、強アルカリ45%水溶液(ミリオン化学(株)製、商品名:GRMG15SX)を用い、この液温を60℃に保ち、フッ化物含有水溶液による処理後の処理対象を5分間浸漬を行った(表面調整3)。
実施例2〜6については、上記表面調整3の後、水洗を経て、2.5%リン酸カルシウム−マンガン皮膜化成処理剤(ミリオン化学(株)製の皮膜化成処理剤、商品名:GRMC1000)を用い、この皮膜化成処理剤を35℃の温度に保ち、この化成処理剤液に60秒間浸漬し、前記後処理後の処理対象物表面に化成処理を行った。
上記化成処理後の処理対象物に対し、水洗後、さらに脱イオン水洗し、その後、100℃、10分の条件で水切り乾燥した。
表1の比較例1〜4は、エッチング処理のみを行った場合、比較例5は、無機酸によるエッチング処理を行った場合、比較例6は前記本発明方法における2段階処理の順序を逆に行った場合である。なお、比較例1〜6における、処理対象、処理薬剤、処理条件、塗装方法、及び評価基準は、前記実施例の場合と同様である。
しないノンクロム系処理が主流となっている。
前記水切り乾燥後の処理対象物を試料とし、各試料の処理表面に皮膜電気抵抗及び塩水噴霧(SST)試験を24時間あるいは72時間の条件で行い、その皮膜耐食性を次の評価基準で判定し、その結果を表2に示した。比較例1〜6の場合についても同様である。
Figure 0004181970
皮膜電気抵抗値は、(株)ダイアインスツルメント製のロレスターEP(二探針プローブ)を用いて測定した。
皮膜耐食性の評価基準は、××:溶損有、×:表面腐食有、△:一部腐食有、○:ごく一部腐食有、◎:腐食無、の場合である。
表2の結果から、比較例1〜6の場合、皮膜電気抵抗値及びSST試験による皮膜耐食性が非常に悪いのに対し、実施例1〜6の場合、皮膜電気抵抗値がいずれも1Ω以下と低く、また皮膜耐食性について、いずれも良好であることが分かる。
実施例1〜6及び比較例1〜6の各試料について、試料表面の皮膜処理に基づくCa、P固着量を蛍光X線分析装置により測定し、その測定結果を表3に示した。
Figure 0004181970
表3の測定結果から、比較例1、2及び5の場合、試料表面のCa、P量が非常に高く、不安定であるのと対比して、実施例1〜6の試料表面のCa、P量が比較的に少なく、安定的であることが分かる。また比較例3、6の結果から、有機酸水溶液のエッチング処理により、試料表面のCa、P量は低いことが分かる。なお、表面調整3のスマット除去を行なっていない実施例1では、皮膜処理後の試料表面のCa、P量が幾分低くなっていることが分かる。
次いで、AZ31Bマグネシウム合金材の表面処理後の表面にマグネシウム合金用一般焼付け塗装を下記の要領で行った。
下塗りをエポキシ系塗料により塗装後160℃、20分間焼付け、上塗りをアクリル系焼き付け塗料により塗装後、160℃、20分間焼き付け、総合膜厚を40±5μmとした。
上記上塗り塗装後の対象について、その塗装面に対しSST試験及び沸騰水試験を行い、塗装性能の結果を表4に示した。SST試験は120時間の条件で塩水噴霧後、また沸騰水試験は、塗装表面に沸騰水を1時間噴霧した後における1mm×1mm角の碁盤目における剥離したマス目数をそれぞれ計数し、次の評価基準に基づき判定した。比較例1〜6についても同様である。
Figure 0004181970
表4において、SST試験の評価基準は、××:腐食膨れ多数有、×:一部腐食膨れ有、△:膨れ2以上有、○:膨れ1〜2箇所有、◎:膨れ無、の場合である。また沸騰水試験の評価基準は、××:100箇所剥離有、×:99〜50箇所剥離有、△:49〜6箇所剥離有、○:5〜1箇所剥離有、◎:剥離無の場合である。
表4の結果から、比較例1〜4のエッチング処理のみの工程による場合、いずれもSST試験又は沸騰水試験における塗膜性能が低いのに対し、実施例2〜6の場合、SST試験又は沸騰水試験における塗膜性能について、いずれも良好な結果であることが分かる。
なお、表面調整3によるスマット除去を行わなかった実施例1では、皮膜処理後の試料表面におけるCa、P固着量が幾分低くなることで、塗膜性能が幾分低下している。また比較例6の結果から、表面調整1と2との処理を逆にした場合、良好な塗膜性能が得られないことが分かる。
本発明のマグネシウム合金材の低電気抵抗皮膜化成処理方法を説明するフロー図である。

Claims (2)

  1. アルミニウムの含有率が2.5〜3.5重量%のマグネシウム合金材の低電気抵抗皮膜化成処理方法であって
    処理温度を20℃〜70℃、処理時間を15秒〜240秒とした有機酸水溶液によるエッチング処理と、
    処理温度を20℃〜70℃、処理時間を30秒〜180秒としたフッ化物を含有する水溶液による浸漬処理と、
    強アルカリ水溶液によるスマット除去を行う浸漬処理とを順に行い、
    その後リン酸塩による皮膜化成処理を行うこと
    を特徴とするマグネシウム合金材の低電気抵抗皮膜化成処理方法。
  2. 請求項1に記載のマグネシウム合金材の低電気抵抗皮膜化成処理方法であって、
    前記皮膜化成処理は、リン固着量が10〜100mg/m 2 の範囲内にあるように制御されることを特徴とするマグネシウム合金材の低電気抵抗皮膜化成処理方法。
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