JP4181362B2 - 空調システムの最適起動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、多目的インテリジェントビル、オフィスビル、住居ビルなどの各種ビルに用いて好適な空調システムの最適起動制御装置に関し、予め定められたスケジュール時刻に室内温度が目標室内温度となるように空調機およびこの空調機への熱源水を供給する熱源機を前倒し運転する空調システムの最適起動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7に従来の空調システムの最適起動制御装置を使用した空調システムの計装図を示す。同図において、1は熱源機、2は熱源機側の管路(熱源機側管路)、3はサプライヘッダ、4はレターンヘッダ、5は空調機、6は空調機5への熱源水の供給通路に設けられた空調機バルブ、7は往水管路、8は還水管路、9は空調機5へのサプライヘッダ3からの往水の温度TSを検出する温度計、10は空調機5からのレターンヘッダ4への還水の温度TRを検出する温度計、11は空調機コントローラ、12は熱源コントローラ、13はサプライヘッダ3とレターンヘッダ4との間に設けられたバイパス管路、14は空調機最適起動時刻演算装置である。空調機5は冷温水用のコイル(空調機コイル)5Aとファン5Bとを備えている。
【0003】
〔通常の空調制御〕
この空調システムにおいて、熱源機1からの送水は、熱源機側管路2からサプライヘッダ3を経て往水管路7により往水として空調機5のコイル5Aへ供給され、空調機バルブ6を通り、還水管路8により還水としてレターンヘッダ4へ至り、再び熱源機1より圧送され、以上の経路を循環する。なお、熱源機1は、ポンプを含んでいるものとする。
【0004】
この際、熱源機1の運転が熱源コントローラ12によって制御され、空調機バルブ6の開度や空調機5の運転(ファン5Bの起動や停止)が空調機コントローラ11によって制御される。空調機コントローラ11は、空調機5からの給気が供給される空調制御対象室(図示せず)の室内温度(計測値)tpvと目標室内温度tspとが一致するように空調機バルブ6の開度および空調機5の運転を制御する。
【0005】
この空調システムでは、上述した通常の空調制御に入る前に、予め定められた時刻に室内温度tpvが目標室内温度tspとなるように空調機5および熱源機1の運転を予め定められた時刻より前に開始する。このように予め定められた時刻より前の運転を「前倒し運転」という。前倒し運転では、次のようにして空調機5および熱源機1の起動時刻を決定してそれぞれを起動する最適起動制御が行われる。
【0006】
空調機コントローラ11には予め空調機スケジュール時刻TSSH が設定されている。空調機コントローラ11は、この空調機スケジュール時刻TSSHを空調機最適起動時刻演算装置14へ送り、予め定められた空調機スケジュール時刻TSSH に室内温度tpvが目標室内温度tspとなるように、空調機5およびこの空調機5への熱源水を供給する熱源機1を前倒し運転する。
【0007】
〔最適起動制御▲1▼〕
最適起動制御の一例を図8に示すタイムチャートを用いて説明する。なお、このタイムチャートは、冷房を行う際のタイムチャートである。
【0008】
空調機最適起動時刻演算装置14は、空調機スケジュール時刻TSSH に達する以前の所定時刻から定期的に、室内温度tpvと目標室内温度tspと還水温度(熱源水の配管内保有水温度)TRpv(計測値)とに基づき、現在の室内温度tpvを目標室内温度tspとするために必要な空調機5の運転時間を空調機最適起動時間toss として求める。そして、この求めた空調機最適起動時間toss を空調機スケジュール時刻TSSH から差し引いて空調機最適起動時刻TAoss を求める。
【0009】
空調機コントローラ11は、現時刻が空調機最適起動時刻TAoss に達すると、空調機バルブ6を開くとともに(図8(d)に示すt1点)、熱源機(冷凍機)1を起動し(図8(e)に示すt1点)、空調機5の運転を開始する(図8(a)に示すt1点)。これにより、熱源機1により冷却された熱源水が空調機5のコイル(冷水コイル)5Aに供給され、熱源水と空気との熱交換によって得られた空調機5からの冷気によって空調制御対象室内の予冷が開始される。そして、現時刻が空調機スケジュール時刻TSSH に達した時点より(図8に示すt2点)、通常の空調制御に入る。
【0010】
〔最適起動制御▲2▼〕
最適起動制御の他の例を図9に示すタイムチャートを用いて説明する。なお、このタイムチャートも、上述した最適起動制御▲1▼と同様、冷房を行う際のタイムチャートである。
【0011】
空調機最適起動時刻演算装置14は、室内温度tpvと目標室内温度tspと熱源水の配管内保有水温度TRpvとに基づき、現在の室内温度tpvを目標室内温度tspとするために必要な空調機最適起動時間toss を求める。そして、この求めた空調機最適起動時間toss を空調機スケジュール時刻TSSH から差し引いて空調機最適起動時刻TAoss を求める。また、空調機最適起動時刻TAoss から予め固定時間として定められた熱源機前倒運転時間tGを差し引いて熱源機前倒起動時刻TGを求める。
【0012】
熱源コントローラ12は、現時刻が熱源機前倒起動時刻TGに達すると、熱源機(冷凍機)1を起動する(図9(e)に示すt0点)。これにより、熱源機側管路2およびバイパス管路13を通してサプライヘッダ3とレターンヘッダ4との間を熱源水が循環し、熱源機側の管路内保有水の予冷が行われる。
【0013】
そして、空調機コントローラ11は、現時刻が空調機最適起動時刻TAoss に達すると、空調機バルブ6を開くとともに(図9(d)に示すt1点)、空調機5の運転を開始する(図9(a)に示すt1点)。これにより、熱源機1により冷却された熱源水が空調機5のコイル(冷水コイル)5Aに供給され、熱源水と空気との熱交換によって得られた空調機5からの冷気によって空調制御対象室内の予冷が開始される。そして、現時刻が空調機スケジュール時刻TSSH に達した時点より(図9に示すt2点)、通常の空調制御に入る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
〔最適起動制御▲1▼の課題〕
上述した最適起動制御▲1▼では、空調機最適起動時刻TAoss に達した時点で空調機バルブ6を開くと同時に熱源機1および空調機5の運転を開始するようにしているため、空調機5への熱源水が充分冷えるまでの間、空調機5は空気を循環するだけの運転となってしまい、ファン5Bの搬送動力が無駄となる。
【0015】
図8(f)はサプライヘッダ3内の水温(往ヘッダ温度)、図8(g)は空調機5のコイル5Aに入る直前の往水管路7内の水温(空調機コイル温度)の変化を示している。空調機最適起動時刻TAoss に達するまでは空調機バルブ6が閉じており、往水管路7および還水管路8内には水が溜まっている。この配管内保有水は、夏場であれば夜間に暖められ、温度が上昇している。この配管内保有水温度をまず目標熱源水温度まで下げる必要がある。
【0016】
すなわち、空調機最適起動時刻TAoss に達した時点で空調機バルブ6を開くと同時に熱源機1および空調機5の運転を開始した場合、配管内保有水温度TRpvを目標熱源水温度TRspまで下げる予冷時間(熱源水の予冷時間)が必要であり、これに室内温度tpvを目標室内温度tspに下げる予冷時間(室内の予冷時間)が加わることになる。このため、空調機最適起動時間toss が結果的に長くなって、熱源水の予冷が完了するまでの間、ファン5Bの搬送動力が無駄となる。
【0017】
図7では、熱源機を1台とした例で説明したが、熱源機を複数台とし、この複数台の熱源機を台数制御するような方式とした場合、熱源機の制御が安定しないという問題が生じる。すなわち、熱源には、空調機最適起動時刻TAoss に達した時点において、室内予冷負荷と配管内保有水予冷負荷がかかり、この負荷を元に熱源機の運転台数が制御されることになる。この場合、空調機最適起動時刻TAoss に達した時点では過大な負荷がかっていると判断され、熱源機が増段して用いられることがある。配管内保有水予冷負荷が少なくなってくると、熱源機は減段されることになり、負荷の変動によって熱源機が増段と減段とが繰り返され、熱源機の制御が安定しないという事態が生じる。
【0018】
なお、一度停止した熱源機を一定時間再起動できないようにすることによって熱源機の増段と減段との繰り返し(ハンチング)を防ぐことが可能ではあるが、室内の予冷が終了したときに、すなわち空調機スケジュール時刻TSSH に達し通常の制御時間帯に移行したときに、本来起動すべき熱源機を起動することができないということが起こり得る。
【0019】
〔最適起動制御▲2▼の課題〕
最適起動制御▲2▼では、空調機5よりも熱源機1をさらに前倒して運転することにより熱源機側の配管内保有水の予冷を行っているが、この予冷ではバイパス管路13を通して熱源水が循環するので、往ヘッダ温度が下がって行くのみで(図9(f)に示すt0〜t1点)、空調機コイル温度は下がらず(図9(g)に示すt0〜t1点)、空調機側の配管内保有水負荷は依然として残る。このため、最適起動制御▲1▼の場合と同様に、空調機最適起動時間toss が結果的に長くなって、熱源水の予冷が完了するまでの間、すなわち配管内保有水温度TRpvが目標熱源水温度TRspまで下がるまでの間、ファン5Bの搬送動力が無駄となる。
【0020】
また、最適起動制御▲2▼では、熱源機前倒運転時間tGが固定時間であるので、予冷開始時の往ヘッダ温度に対して熱源機前倒運転時間tGが長かったり、短かったりすると、往ヘッダ温度が低くなり過ぎたり、高すぎたりする。往ヘッダ温度が低くなり過ぎると、エネルギーが無駄に費やされる。また、熱源機1が異常停止することもある。往ヘッダ温度が高すぎた場合、熱源機側の配管内保有水の予冷が不十分となり、その分前倒し運転時(空調制御対象室内の予冷時)における冷房負荷が増え、空調機スケジュール時刻TSSH での室内温度tpvと目標室内温度tspとのずれが大きくなり、居住者の快適性が損なわれる。
【0021】
なお、上述においては、冷房を行う場合を例にとって説明したが、暖房を行う場合、すなわち予熱を行う場合にも、同様の問題が生じる。
【0022】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、予冷・予熱を行う際の省エネルギーを促進するととも、空調機スケジュール時刻での居住者の快適性を確実に確保することのできる空調システムの最適起動制御装置を提供することにある。
また、省エネルギーを促進するとともに、空調機スケジュール時刻での居住者の快適性を確実に確保することができ、かつ、予冷・予熱中の熱源機の台数制御の安定化を図ることができ、通常の制御時間帯に移行したときにすぐに熱源機の台数制御が可能となる空調システムの最適起動制御装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、第1発明(請求項1に係る発明)は、予め定められたスケジュール時刻に室内温度が目標室内温度となるように空調機およびこの空調機への熱源水を供給する熱源機を前倒し運転する空調システムの最適起動制御装置において、第1〜第N(N≧2)の空調機と、1つ以上の熱源機と、第1〜第Nの空調機からの給気がそれぞれ供給される第1〜第Nの空調制御対象室の室内温度とこの第1〜第Nの空調制御対象室に対して設定される第1〜第Nの目標室内温度との差に基づいて、この1〜第Nの空調制御対象室の室内温度を第1〜第Nの目標室内温度にするために必要な第1〜第Nの空調機の運転時間を空調機最適起動時間として求め、この第1〜第Nの空調機の空調機最適起動時間をぞれぞれ第1〜第Nの空調機のスケジュール時刻から差し引いて第1〜第Nの空調機の空調機最適起動時刻を求める空調機最適起動時刻演算手段と、この空調機最適起動時刻演算手段により求められた第1〜第Nの空調機の空調機最適起動時刻のうち最早の空調機最適起動時刻を選択する空調機最適起動時刻選択手段と、前記熱源機のうち予め定められた熱源機を前倒運転熱源機とし、第1〜第Nの空調機への熱源水の配管内保有水温度と目標熱源水温度との差に基づいてこの熱源水の配管内保有水温度を目標熱源水温度とするために必要な前倒運転熱源機の運転時間を熱源機最適起動時間として求め、この熱源機最適起動時間を空調機最適起動時刻選択手段によって選択された最早の空調機最適起動時刻から差し引いて熱源機最適起動時刻を求める熱源機最適起動時刻演算手段と、現時刻が熱源機最適起動時刻に達した場合、前倒運転熱源機を起動するとともに第1〜第Nの空調機のうち配管路の末端の空調機への熱源水の供給通路に設けられている空調機バルブだけを開き、現時刻が第1〜第Nの空調機のスケジュール時刻のうち少なくとも最早のスケジュール時刻に達するまで熱源機最適起動時刻に起動された前倒運転熱源機のみを運転する熱供給制御手段と、現時刻がその空調機最適起動時刻に達する毎に第1〜第Nの空調機の運転を開始する空調機制御手段とを設けたものである。
【0027】
この発明によれば、第1〜第Nの空調制御対象室の室内温度と第1〜第Nの目標室内温度との差に基づいて第1〜第Nの空調機の空調機最適起動時間toss1 〜tossN が求められ、この空調機最適起動時間toss1 〜tossN を第1〜第Nの空調機のスケジュール時刻TSSH1 〜TSSHN から差し引いて第1〜第Nの空調機の空調機最適起動時刻TAoss1 〜TAossN が求められ、この空調機最適起動時刻TAoss1 〜TAossN の中から最早の空調機最適起動時刻TAossS が選択される。
【0028】
そして、予め定められた熱源機(複数台でも1台でもよい)が前倒運転熱源機とされ、第1〜第Nの空調機への熱源水の配管内保有水温度と目標熱源水温度との差に基づいて前倒運転熱源機の熱源機最適起動時間tGoss が求められ、この熱源機最適起動時間tGoss を最早の空調機最適起動時刻TAossS から差し引いて熱源機最適起動時刻TGoss が求められる。そして、現時刻が熱源機最適起動時刻TGoss に達すると、前倒運転熱源機が起動されるとともに第1〜第Nの空調機のうち配管路の末端の空調機に付設されている空調機バルブだけが開かれる。これにより、配管路(熱源機側配管路と空調機側配管路とを合わせた管路)内を熱源水が循環し、熱源機側,空調機側ともにその配管内保有水の予冷・予熱が行われる。
【0029】
そして、熱源機最適起動時間tGoss が経過し、現時刻が空調機最適起動時刻tAoss1 〜tAossN に達する毎に、第1〜第Nの空調機の運転が開始される。すなわち、熱源機による予冷・予熱によって配管内保有水温度(空調機コイル温度)が目標熱源水温度に達するであろうと予測される時刻から早い順に第1〜第Nの空調機の運転が次々に開始され、従来の最適空調機制御▲1▼や▲2▼で必要としていた配管内保有水温度を目標熱源水温度にするために必要な時間が第1〜第Nの空調機最適起動時間toss1 〜tossN から除去される。また、配管内保有水温度を目標熱源水温度とする熱源機最適起動時間tGoss を求めることにより、空調機の運転よりも前倒して起動する前倒運転熱源機の運転時間が適切に定められ、第1〜第Nの空調機のスケジュール時刻TSSH1 〜TSSHN において、第1〜第Nの空調制御対象室の室内温度を目標室内温度に正確に一致させることが可能となる。
【0030】
この第1発明において、前倒運転熱源機の運転台数は、第1〜第Nの空調機のスケジュール時刻TSSH1 〜TSSHN のうち少なくとも最早のスケジュール時刻TSSHS に達するまでは変更されることがなく、この間の負荷変動によって熱源機が増段されたり、減段されたりすることがない。また、少なくとも最早のスケジュール時刻TSSHS が経過し、通常の制御時間帯に移行した場合には、すぐに熱源機の台数制御が可能となる。
【0031】
なお、第2発明(請求項2に係る発明)では、第1発明において、現時刻が熱源機最適起動時刻に達した場合、前倒運転熱源機を起動するとともに第1〜第Nの空調機のうち配管路の末端の空調機への熱源水の供給通路に設けられている空調機バルブだけを一定開度開き、その状態を少なくとも最早の空調機最適起動時刻まで保持する。このように、空調機バルブを一定開度開くことにより、制御が簡単となるとともに、熱源機最適起動時間も求め易くなる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
〔参考例〕
図1は本発明に係る最適起動制御装置の実施の形態の説明に入る前の参考例を示す空調システムの計装図である。同図において、図7と同一符号は同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。なお、この例では、説明を簡単とするために、熱源機1台、空調機1台としている。
【0033】
この空調システムでは、空調機最適起動時刻演算装置14と熱源コントローラ12との間に熱源最適起動時刻演算装置15を設けている。空調機コントローラ11や熱源コントローラ12,空調機最適起動時刻演算装置14,熱源最適起動時刻演算装置15は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種の機能を実現させるプログラムとによって実現される。
【0034】
〔最適起動制御〕
図2に冷房を行う際の最適起動制御時のタイムチャートを示す。空調機最適起動時刻演算装置14は、空調機スケジュール時刻TSSH に達する以前の所定時刻から定期的に、室内温度tpvと目標室内温度tspとの差に基づき、室内温度tpvを目標室内温度tspとするために必要な空調機5の空調機最適起動時間toss を求める。
【0035】
例えば、空調機最適起動時刻演算装置14は、毎日の実績を元に、室内温度tpvが目標室内温度tspに達するまでの時間や温度差から指数平滑によりゲインβ(℃/H)を学習し、この学習したゲインβで現在の室内温度tpvと目標室内温度tspとの差を除して空調機最適起動時間toss を求める。
【0036】
この際、空調機最適起動時刻演算装置14は、すでに配管内保有水温度TRpvが目標熱源水温度TRspまで達しているものとして、空調機最適起動時間toss を求める。この空調機最適起動時間toss には配管内保有水温度TRpvを目標熱源水温度TRspまで下げる熱源水の予冷時間は含まれない。
【0037】
そして、空調機最適起動時刻演算装置14は、この求めた空調機最適起動時間toss を空調機スケジュール時刻TSSH から差し引いて空調機最適起動時刻TAoss を求め、熱源最適起動時刻演算装置15へ送る。
【0038】
熱源最適起動時刻演算装置15は、毎日の実績を元に、配管内保有水温度TRpvが目標熱源水温度TRspに達するまでの時間や温度差から指数平滑によりゲインα(℃/H)を学習し、この学習したゲインαで現在の配管内保有水温度TRpvと予め設定されている目標熱源水温度TRspとの差を除して熱源機最適起動時間tGoss を求める。そして、この熱源機最適起動時間tGoss を空調機最適起動時刻演算装置14から供与される空調機最適起動時刻TAoss から差し引いて熱源機最適起動時刻TGoss を求める。
【0039】
なお、目標熱源水温度TRspは、一定であるとは限らず、季節や負荷状況に応じて変化する。すなわち、冷房と暖房、すなわち季節によって目標熱源水温度TRspは変更される。また、負荷の少ない時期に、目標熱源水温度TRspを省エネ方向へ変えることもある。すなわち、基本的には熱源水の温度は一定であるが、負荷の少ない時期に負荷のピークの時期と同じ送水温度を保つのはもったいない。このため、負荷の少ない時期には、省エネ方向へ目標熱源水温度TRspを変えるような制御が行われることがある。具体的には、空調機のバルブ状態(全開に近いのか、閉方向なのか)により熱源に余裕があると判断される場合、目標熱源水温度TRspを省エネ側に変化させる。この目標熱源水温度TRspの変更は、日中の空調負荷がある時間帯に行われるが、翌日にその温度を引き続き使うようにする。
【0040】
熱源最適起動時刻演算装置15は、現時刻が熱源機最適起動時刻TGoss に達すると、熱源コントローラ12を介して熱源機(冷凍機)1を起動する(図2(e)に示すt0点)。また、これと同時に、空調機コントローラ11へ熱源機1を最適起動していることを示す熱源最適起動中信号を送る。これにより、空調機コントローラ11から空調機バルブ6へバルブ開度を一定とする開度指令が送られ、空調機バルブ6が一定開度θC(例えば、θC=30%開度)で開く(図2(d)に示すt0点)。
【0041】
これにより、熱源機側管路2,往水管路7,空調機コイル5A,空調機バルブ6,還水管路8の経路でサプライヘッダ3とレターンヘッダ4との間を熱源水が循環し、熱源機側,空調機側ともにその配管内保有水の予冷が行われる。この予冷によって、往ヘッダ温度と空調機コイル温度が同時に低下して行く(図2(f),(g)参照)
【0042】
熱源機最適起動時間tGoss が経過し、現時刻が空調機最適起動時刻TAoss に達すると、熱源最適起動時刻演算装置15は空調機コントローラ11への熱源最適起動中信号を解除する。これにより、空調機バルブ6の開度保持動作が終了する。なお、熱源最適起動中信号は、この信号が空調機コントローラ11へ送られている間は、配管内保有水温度TRpvが目標熱源水温度TRspに向けて変化していることを意味する。
【0043】
熱源機最適起動時間tGoss の間の空調機バルブ6を開いての熱源機1の起動により、現時刻が空調機最適起動時刻TAoss に達した時点では、配管内保有水温度TRpvは目標熱源水温度TRspに達している(図2(g)に示すt1点)。また、空調機コントローラ11は、現時刻が空調機最適起動時刻TAoss に達すると、空調機5の運転を開始する(図2(a)に示すt1点)。この空調機コントローラ11の機能が本発明の空調機制御手段に相当する。これにより、熱源機最適起動時間tGoss が経過し空調機最適起動時刻TAoss に達し、配管内保有水温度TRpvが目標熱源水温度TRspに一致した時点から、空調機5の運転が開始される。
【0044】
したがって、従来の最適空調機制御▲1▼や▲2▼で必要としていた配管内保有水温度TRpvを目標熱源水温度TRspにするまでに必要な時間が空調機最適起動時間toss から除去されるものとなり、空調機最適起動時間toss の短縮化が図られ、空調機ファンの搬送動力の無駄が生じなくなる。また、配管内保有水温度TRpvを目標熱源水温度TRspとするために必要な熱源機最適起動時間tGoss を求めることにより、空調機5の運転よりも前倒して起動する熱源機1の運転時間が適切に定められ、空調機5のスケジュール時刻TSSH において、空調制御対象室の室内温度tpvを目標室内温度tspに正確に一致させることが可能となり、居住者の快適性を確実に確保することができる。
【0045】
なお、この参考例では、熱源機最適起動時刻TGoss に達した時点で空調機バルブ6を開き、そのバルブ開度を一定としたが、必ずしも一定としなくてもよく、変化させるようにしてもよい。空調機バルブ6のバルブ開度を一定とすることにより、制御が簡単となり、最適熱源機起動時間TGoss も求め易くなる。また、空調機最適起動時刻TAoss に達した時点で空調機バルブ6の開度保持動作を終了するようにしたが、例えば空調機5のスケジュール時刻TSSH に達するまでに空調機バルブ6の開度保持動作を継続するようにしてもよい。
【0046】
〔実施の形態:第1発明、第2発明〕
図3は本発明に係る空調システムの最適起動制御装置の実施の形態を使用した空調システムの計装図である。同図において、図1と同一符号は同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。
【0047】
この実施の形態では、空調機5として複数(N個)の空調機5−1〜5−Nを、熱源機1として複数(M個)の熱源機1−1〜1−Mを設けている。また、空調機5−1〜5−Nへの熱源水の供給通路に空調機バルブ6−1〜6−Nを設けている。なお、この実施の形態において、空調機5−1〜5−Nからの給気は、図示されていない第1〜第Nの空調制御対象室に各個に供給されるものとする。また、通常の空調制御において、空調機コントローラ11は、第1〜第Nの空調制御対象室の室内温度tpv1〜tpvNと目標室内温度tsp1〜tspNとがそれぞれ一致するように、空調機バルブ6−1〜6−Nの開度および空調機5−1〜5−Nの運転を制御する。熱源コントローラ12は熱源機1−1〜1−Mの運転を制御する。
【0048】
〔最適起動制御〕
図4に冷房を行う際の最適起動制御時のタイムチャートを示す。空調機最適起動時刻演算装置14は、室内温度tpv1と目標室内温度tsp1との差に基づき、室内温度tpv1を目標室内温度tsp1とするために必要な空調機5−1の空調機最適起動時間toss1 を求める。同様にして、空調機最適起動時刻演算装置14は、空調機5−2〜5−Nの空調機最適起動時間toss 2〜tossN を求める。この空調機最適起動時刻演算装置14の機能が本発明の空調機最適起動時刻演算手段に相当する。
【0049】
この際、空調機最適起動時刻演算装置14は、すでに配管内保有水温度TRpvが目標熱源水温度TRspまで達しているものとして、空調機最適起動時間toss1 〜tossN を求める。この空調機最適起動時間toss1 〜tossN には配管内保有水温度TRpvを目標熱源水温度TRspまで下げる熱源水の予冷時間は含まれない。
【0050】
そして、空調機最適起動時刻演算装置14は、この求めた空調機最適起動時間toss1 〜tossN を空調機スケジュール時刻TSSH1 〜TSSHN から差し引いて空調機最適起動時刻TAoss1 〜TAossN を求め、この求めた空調機最適起動時刻TAoss1 〜TAossN のうち最早の空調機最適起動時刻TAossS を選択し、この選択した最早の空調機最適起動時刻TAossS を熱源最適起動時刻演算装置15へ送る。図4の例では、空調機最適起動時刻TAoss1 が最早の空調機最適起動時刻TAossS として熱源最適起動時刻演算装置15へ送られる。この空調機最適起動時刻演算装置14の機能が本発明の空調機最適起動時刻選択手段に相当する。
【0051】
熱源最適起動時刻演算装置15は、毎日の実績を元に、配管内保有水温度TRpvが目標熱源水温度TRspに達するまでに必要な時間や温度差から指数平滑によりゲインα(℃/H)を学習し、この学習したゲインαで現在の配管内保有水温度TRpvと目標熱源水温度TRspとの差を除して熱源機最適起動時間tGoss を求める。そして、この熱源機最適起動時間tGoss を空調機最適起動時刻演算装置14から供与される最早の空調機最適起動時刻TAossS から差し引いて熱源機最適起動時刻TGoss を求める。この熱源最適起動時刻演算装置15の機能が本発明の熱源機最適起動時刻演算手段に相当する。
【0052】
熱源最適起動時刻演算装置15は、現時刻が熱源機最適起動時刻TGoss に達すると、熱源コントローラ12を介して熱源機1−1〜1−Mのうち前倒運転熱源機として予め定められた熱源機(冷凍機)を起動する(図4(h)に示すt0点)。この前倒熱源機の運転台数は最早の空調機スケジュール時刻TSSHS (図4の例では、TSSH1 )に達するまで変更しない。この実施の形態では、前倒運転熱源機として、熱源機1−1〜1−Mのうち熱源機1−1と1−2が定められているものとする。また、これと同時に、熱源最適起動時刻演算装置15は、空調機最適起動時刻演算装置14を介して空調機コントローラ11へ熱源最適起動中信号を送る。これにより、空調機コントローラ11から空調機バルブ6−1〜6−Nへバルブ開度を一定とする開度指令が送られ、空調機バルブ6−1〜6−Nが一定開度θC(例えば、θC=30%開度)で開く(図4(g)に示すt0点)。この熱源最適起動時刻演算手段14の機能が本発明の熱源供給制御手段に相当する。
【0053】
これにより、熱源機側管路2,往水管路7,空調機5−1〜5−Nの空調機コイル5A,空調機バルブ6−1〜6−N,還水管路8の経路でサプライヘッダ3とレターンヘッダ4との間を熱源水が循環し、熱源機側,空調機側ともにその配管内保有水の予冷が行われる。これにより、往ヘッダ温度と空調機コイル温度が同時に低下して行く(図4(i),(j)参照)
【0054】
熱源機最適起動時間tGoss が経過し、現時刻が最早の空調機最適起動時刻TAossS すなわちTAoss1 に達すると、熱源最適起動時刻演算装置15は空調機コントローラ11への熱源最適起動中信号を解除する。これにより、空調機バルブ6−1〜6−Nの開度保持動作が終了する。
【0055】
熱源機最適起動時間tGoss の間の空調機バルブ6−1〜6−Nを開いての前倒運転熱源機1−1,1−2の起動により、現時刻が空調機最適起動時刻TAoss に達した時点では、配管内保有水温度TRpvは目標熱源水温度TRspに達している(図4(j)に示すt1点)。また、空調機コントローラ11は、現時刻が最早の空調機最適起動時刻TAoss1 に達すると、空調機5−1の運転を開始する(図4(a)に示すt1点)。この空調機コントローラ11の機能が本発明の空調機制御手段に相当する。これにより、熱源機最適起動時間tGoss が経過し最早の空調機最適起動時刻TAoss1 に達し、配管内保有水温度TRpvが目標熱源水温度TRspに一致した時点から、空調機5の運転が開始される。
【0056】
以下、同様にして、現時刻が空調機最適起動時刻tAoss 2〜tAossN に達する毎に、空調機5−2〜5−Nの運転が開始される。すなわち、前倒運転熱源機1−1,1−2による予冷によって配管内保有水温度TRpvが目標熱源水温度TRspに一致した時刻から早いもの順に空調機5−1〜5−Nの運転が次々に開始される。
【0057】
したがって、従来の最適空調機制御▲1▼や▲2▼で必要としていた配管内保有水温度を目標熱源水温度にするために必要な時間が空調機5−1〜5−1の空調機最適起動時間toss1 〜tossN から除去されるものとなり、空調機最適起動時間toss1 〜tossN の短縮化が図られ、空調機ファンの搬送動力の無駄が生じなくなる。また、配管内保有水温度TRpvを目標熱源水温度TRspとするために必要な熱源機最適起動時間tGoss を求めることにより、空調機5−1〜5−Nの運転よりも前倒して起動する熱源機1−1,1−2の運転時間が適切に定められ、空調機5−1〜5−Nのスケジュール時刻TSSH1 〜TSSHN において、第1〜第Nの空調制御対象室の室内温度tpv1〜tpvNを目標室内温度tsp1〜tspNに正確に一致させることが可能となり、居住者の快適性を確実に確保することができる。
【0058】
この実施の形態では、熱源機1−1,1−2を前倒運転熱源機として熱源機最適起動時刻TGoss から運転する。この場合、前倒熱源機の運転台数は空調機5−1〜5−Nのスケジュール時刻TSSH1 〜TSSHN のうち少なくとも最早のスケジュール時刻TSSHS 、図4の例では空調機5−1のスケジュール時刻TSSH 1 に達するまでは変更しない。したがって、この間の負荷変動によって熱源機が増段されたり、減段されたりすることがなく、熱源機の制御の安定化が図られる。また、最早のスケジュール時刻TSSH1 が経過し、通常の制御時間帯に移行した場合には、すぐに熱源機の台数制御が可能となる。
【0059】
なお、この実施の形態では、熱源機最適起動時刻TGoss に達した時点で空調機バルブ6−1〜6−Nを開き、そのバルブ開度を一定としたが、必ずしも一定としなくてもよく、変化させるようにしてもよい。空調機バルブ6−1〜6−Nのバルブ開度を一定とすることにより、制御が簡単となり、最適熱源機起動時間TGoss も求め易くなる。
【0060】
また、この実施の形態では、熱源機最適起動時刻TGoss に達した時点で開かれる空調機バルブ6−1〜6−Nのバルブ開度θCを30%開度としたが、必ずしも30%開度としてなくてもよい。θCは全開の方が前倒し時間は短くなる。しかし、熱源機を全台運転することになり、その後通常の台数制御に移った時に熱源機が減段することが予想される。それでは安定した熱源制御とは言えない。配管内の負荷はある程度予想がつくため、この実施の形態では、その負荷を処理する時間が30分から60分で通常制御に移った時に減段しない台数を求め、そのために必要な開度を逆算して求めている。
【0061】
また、必ずしも全ての空調機バルブ6−1〜6−Nを開かなくてもよく、配管路の末端の空調機5−1に付設されている空調機バルブ6−1を開くだけでもよい。空調機バルブ6−1を開くだけでも、全ての空調機のバルブ6−1〜6−Nを開く場合と同様、配管内保有水を予冷するという目的は達せられる。上述した説明では、空調機バルブ6−1〜6−Nを開くようにしたが、これはあくまでも参考例として示したものであって、本実施の形態では、配管路の末端の空調機5−1に付設されている空調機バルブ6−1を開くだけとする。この場合、配管内保有水温度TRpvの計測点は、必ずしも温度計10が計測するレターンヘッダ4の手前温度としなくてもよく、空調機バルブ6−1の出口温度としてもよい。
【0062】
また、この実施の形態では、最早の空調機最適起動時刻TAoss1 に達した時点で空調機バルブ6−1〜6−Nの開度保持動作を終了するようにしたが、例えば空調機5−1〜5−Nのスケジュール時刻TSSH1 〜TSSHN に達するまで空調機バルブ6−1〜6−Nの開度保持動作を継続するようにしてもよい。また、その後、さらに一定時間経過するまで、空調機バルブ6の開度保持動作を継続するようにしてもよい。このようにすると、空調機バルブ6−1〜6−Nが順次閉じられて行き、一度に全てが閉じられるということがなくなり、システム全体の制御への影響が小さくなる。
【0063】
また、この実施の形態では、熱源機を複数としたが、熱源機は1台であってもよい。
また、この実施の形態では、前倒運転熱源機を2台としたが、2台に限られるものではなく、空調システムの規模に応じて熱源機1−1〜1−Mまでの任意の熱源機を選ぶことができる。
【0064】
また、この実施の形態では、冷房を行う場合を例にとって説明したが、暖房を行う場合、すなわち予熱を行う場合にも、同様の最適起動制御が行われる。
参考として、図5に図2に対応する暖房を行う際の最適起動制御時のタイムチャートを、図6に図3に対応する暖房を行う際の最適起動制御時のタイムチャートを示す。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように本発明によれば、予め定められた熱源機を前倒運転熱源機とし、配管内保有水温度と目標熱源水温度との差に基づいて前倒運転熱源機の熱源機最適起動時間を求め、この熱源機最適起動時間を最早の空調機最適起動時刻から差し引いて熱源機最適起動時刻を求め、現時刻が熱源機最適起動時刻に達した場合に前倒運転熱源機を起動するとともに第1〜第Nの空調機のうち配管路の末端の空調機に付設されている空調機バルブだけを開くようにしたことにより、第1〜第Nの空調機への配管路(熱源機側配管路と空調機側配管路とを合わせた管路)内を熱源水が循環し、熱源機側,空調機側ともにその配管内保有水の予冷・予熱が行われ、配管内保有水温度を目標熱源水温度にするために必要な時間が第1〜第Nの空調機最適起動時間から除去されるものとなり、第1〜第Nの空調機最適起動時間の短縮化が図られ、空調機ファンの搬送動力の無駄が生じず、省エネルギーを促進することができる。
また、配管内保有水温度を目標熱源水温度とする熱源機最適起動時間を求めることにより、空調機の運転よりも前倒して起動する前倒運転熱源機の運転時間が適切に定められ、第1〜第Nの空調機のスケジュール時刻において、第1〜第Nの空調制御対象室の室内温度を目標室内温度に正確に一致させることが可能となり、居住者の快適性を確実に確保することができるようになる。
また、前倒運転熱源機の運転台数は、第1〜第Nの空調機のスケジュール時刻のうち少なくとも最早のスケジュール時刻に達するまでは変更されることがないので、この間の負荷変動によって熱源機が増段されたり、減段されたりすることがなく、熱源機の制御の安定化を図ることができる。また、少なくとも最早のスケジュール時刻が経過し、通常の制御時間帯に移行した場合には、すぐに熱源機の台数制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る空調システムの最適起動制御装置の実施の形態の説明に入る前の参考例を示す空調システムの計装図である。
【図2】 この空調システムにおいて冷房を行う際の最適起動制御時のタイムチャートである。
【図3】 本発明に係る空調システムの最適起動制御装置の実施の形態を使用した空調システムの計装図である。
【図4】 この空調システムにおいて冷房を行う際の最適起動制御時のタイムチャートである。
【図5】 図2に対応する暖房を行う際の最適起動制御時のタイムチャートである。
【図6】 図6に対応する暖房を行う際の最適起動制御時のタイムチャートである。
【図7】 従来の空調システムの最適起動制御装置を使用した空調システムの計装図である。
【図8】 この空調システムにおいて冷房を行う際の最適起動制御の一例を説明するタイムチャートである。
【図9】 この空調システムにおいて冷房を行う際の最適起動制御の他の例を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1、1−1〜1−M…熱源機、2…熱源機側管路、3…サプライヘッダ、4…レターンヘッダ、5、5−1〜5−N…空調機、5A…コイル(空調機コイル)、5B…ファン、6、6−1〜6−N…空調機バルブ、7…往水管路、8…還水管路、9,10…温度計、11…空調機コントローラ、12…熱源コントローラ、13…バイパス管路、14…空調機最適起動時刻演算装置、15…熱源最適起動時刻演算装置。
Claims (2)
- 予め定められたスケジュール時刻に室内温度が目標室内温度となるように空調機およびこの空調機への熱源水を供給する熱源機を前倒し運転する空調システムの最適起動制御装置において、
第1〜第N(N≧2)の空調機と、
1つ以上の熱源機と、
前記第1〜第Nの空調機からの給気がそれぞれ供給される第1〜第Nの空調制御対象室の室内温度とこの第1〜第Nの空調制御対象室に対して設定される第1〜第Nの目標室内温度との差に基づいて、この1〜第Nの空調制御対象室の室内温度を前記第1〜第Nの目標室内温度にするために必要な前記第1〜第Nの空調機の運転時間を空調機最適起動時間として求め、この第1〜第Nの空調機の空調機最適起動時間をぞれぞれ前記第1〜第Nの空調機のスケジュール時刻から差し引いて前記第1〜第Nの空調機の空調機最適起動時刻を求める空調機最適起動時刻演算手段と、
この空調機最適起動時刻演算手段により求められた前記第1〜第Nの空調機の空調機最適起動時刻のうち最早の空調機最適起動時刻を選択する空調機最適起動時刻選択手段と、
前記熱源機のうち予め定められた熱源機を前倒運転熱源機とし、前記第1〜第Nの空調機への熱源水の配管内保有水温度と目標熱源水温度との差に基づいてこの熱源水の配管内保有水温度を目標熱源水温度とするために必要な前記前倒運転熱源機の運転時間を熱源機最適起動時間として求め、この熱源機最適起動時間を前記空調機最適起動時刻選択手段によって選択された前記最早の空調機最適起動時刻から差し引いて熱源機最適起動時刻を求める熱源機最適起動時刻演算手段と、
現時刻が前記熱源機最適起動時刻に達した場合、前記前倒運転熱源機を起動するとともに前記第1〜第Nの空調機のうち配管路の末端の空調機への熱源水の供給通路に設けられている空調機バルブだけを開き、現時刻が前記第1〜第Nの空調機のスケジュール時刻のうち少なくとも最早のスケジュール時刻に達するまで前記熱源機最適起動時刻に起動された前記前倒運転熱源機のみを運転する熱供給制御手段と、
現時刻がその空調機最適起動時刻に達する毎に前記第1〜第Nの空調機の運転を開始する空調機制御手段と
を備えたことを特徴とする空調システムの最適起動制御装置。 - 請求項1に記載された空調システムの最適起動制御装置において、
前記熱供給制御手段は、現時刻が前記熱源機最適起動時刻に達した場合、前記前倒運転熱源機を起動するとともに前記第1〜第Nの空調機のうち配管路の末端の空調機への熱源水の供給通路に設けられている空調機バルブだけを一定開度開き、その状態を少なくとも前記最早の空調機最適起動時刻まで保持する
ことを特徴とする空調システムの最適起動制御装置。
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