JP4180970B2 - 排便の検知及び自動吸引処理装置 - Google Patents

排便の検知及び自動吸引処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、赤ん坊や寝たきりの人(障害者・病人・高齢者など)などの自分だけの力では排尿・排便が処理できない人(以下「対象者」という)の排尿又は排便をすばやく(ほぼリアルタイムに)検知するための排尿・排便検知装置、及び、対象者の排尿又は排便を自動的に吸引処理できる排尿又は排便の自動吸引処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、寝たきりの人の排便を検知する装置は知られている。例えば、特開2001−314433は、湿度センサ、温度センサ、臭気センサ、及びカメラシステムにより排便を感知するシステムを提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特開2001−314433の提案する従来システムでは、前記の「湿度センサ、温度センサ、臭気センサ、及びカメラシステム」を、「おむつ」の内側に設けた「収容ポケット」の中に配置している。すなわち、この従来システムでは、前記の「湿度センサ、温度センサ、臭気センサ」は、いずれも、「収容ポケット」の中に配置されているため、排便が生じたとき、それを前記各センサで迅速に検知することは困難である。また、この従来システムでは、前述のように、前記カメラシステムは、「大便が収容ポケットに接触して大便の色成分が収容ポケットに徐々に浸透して行き(染み込んで行き)収容ポケットの色が徐々に変化していくこと」を検知して排便を検知するためにのみ使用されている(したがって、前記カメラシステムが「色の変化」を検知するのは、「大便により収容ポケットが徐々に変色していくこと(その間のある程度の時間の経過)」を待たねばならない)ため、排便が生じたとき、それを前記カメラシステムにより迅速に検知することはまず不可能である。
【0004】
つまり、前記の特開2001−314433のシステムでは、対象者が排尿又は排便を行ったとき、自動的に且つ直ちに(瞬時に)それを検知してその尿又は便を吸引して対象者の身体、下着又はオムツが前記尿又は便で汚れることを最小にするという課題は、全く予想されていない。また、前記の特開2001−314433のシステムにおける前記カメラシステムは、大便を直接に撮像すること、そして、これにより、対象者による排尿又は排便が開始されたことを直ちに(瞬時に)検知することは、全く予想されていない。
【0005】
本発明はこのような従来技術の課題に着目したもので、寝たきりの人などの対象者の排便又は排尿が生じたとき、自動的に且つ瞬時に(ほぼリアルタイムに)そのことを検知してその尿又は便を吸引して対象者の身体、下着又はオムツが前記尿又は便で汚れないようにすること又は仮に汚れてもその汚れを最小にすることを可能にする排尿・排便検知装置を提供することを目的とする。また、特に、本発明は、寝たきりの人などの対象者の排便又は排尿が生じたとき、瞬時に(ほぼリアルタイムに)そのことを検知できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(用語説明) 本発明において、「対象者」とは、赤ん坊、病人、高齢者、障害者などの自力では排尿又は排便を処理できない人を言う。
次に、本願の特許請求の範囲の発明の内容は、次のとおりである。
(請求項1) 対象者の便排出部又はその周辺に対向する位置に配置された赤外線カメラであって、前記便排出部又はその周辺の赤外線画像を取得するための赤外線カメラと、前記赤外線カメラにより取得された画像情報に基づいて、「対象者の身体の表面の温度よりも高い温度を有する大便」が前記便排出部又はその周辺に存在しているとき、排便が開始されたと判定する判定手段と、対象者の少なくとも便排出部及びその周辺を覆うためのカバーと、前記カバー内の大便を吸引できるように前記カバーと接続されたタンクと、前記カバー内の大便を前記タンクに吸引するための吸引部と、前記判定手段からの信号に基づいて前記吸引部を制御するための吸引制御部と、を備えたことを特徴とする排便自動処理装置。
(請求項2) 請求項1において、前記カバーの対象者側の先端部分に備えられている密着部であって、前記排便が行われていないときは、「対象者の、便排出部又はその周辺の身体の表面」から所定距離だけ離れた位置に配置されている密着部と、前記対象者の排便が開始されるとき、前記密着部を対象者の身体の表面に近づく方向に移動させるための密着駆動部と、を備えていることを特徴とする排便自動処理装置。
(請求項3) 請求項1において、排便により排出された大便を撮像して得られた画像を、マイクロコンピュータのメモリ又は外部記録装置に記録し、その記録した画像を解析することにより、対象者の健康状態を分析するようにした、ことを特徴とする排便自動処理装置。
【0007】
また、本願の特許請求の範囲の発明の内容ではないが、本明細書の中では、次のような発明も開示されている。
1.対象者の尿排出部又は便排出部から排出される尿又は便を検知するための排尿・排便検知部と、対象者の尿排出部又は便排出部を、そこから排出される尿又は便が外部に出ないように覆うためのカバーと、前記カバー内の尿又は便を吸引可能に接続されたタンクと、前記カバー内の尿又は便を前記タンクに吸引するための吸引部と、前記排尿・排便検知部からの信号に基づいて前記吸引部を制御するための吸引制御部と、を備えた排尿・排便自動処理装置において、前記排尿・排便検知部は、対象者の尿排出部又は便排出部に対向する位置に配置された赤外線カメラであって、前記尿排出部又は便排出部及びその周辺の熱源からの赤外線を検知するための赤外線カメラと、前記赤外線カメラが捉えた赤外線情報に基づいて、対象者の身体表面温度(例えば35.0℃)よりも所定温度(例えば0.5又は1.0℃)以上高い温度(例えば35.5以上又は36.0℃以上)を有する物体などの「対象者の尿排出部若しくは便排出部又はそれらの周辺の身体表面以外の熱源」が尿排出部若しくは便排出部又はそれらの周辺に存在しているとき、排尿又は排便が開始されたと判定する判定手段と、を備えている、ことを特徴とする排尿・排便自動処理装置。
2.対象者の尿排出部又は便排出部から排出される尿又は便を検知するための排尿・排便検知部と、対象者の尿排出部又は便排出部を、そこから排出される尿又は便が外部に出ないように覆うためのカバーと、前記カバー内の尿又は便を吸引できるように前記カバーと接続されたタンクと、前記カバー内の尿又は便を前記タンクに吸引するための吸引部と、前記排尿・排便検知部からの信号に基づいて前記吸引部を制御するための吸引制御部と、を備えた排尿・排便自動処理装置において、前記排尿・排便検知部は、対象者の尿排出部又は便排出部に対向する位置に配置された赤外線センサと、前記赤外線センサを対象者の尿排出部又は便排出部の周辺に向けてスキャンさせるスキャン機構と、前記スキャンされた赤外線センサからの情報に基づいて、対象者の身体表面温度よりも所定温度以上高い温度を有する物体などの「対象者の尿排出部若しくは便排出部又はそれらの周辺の身体表面以外の熱源」が尿排出部若しくは便排出部又はそれらの周辺に存在しているとき、排尿又は排便が開始されたと判定する判定手段と、を備えている、ことを特徴とする排尿・排便自動処理装置。
3.対象者の尿排出部又は便排出部から排出される尿又は便を検知するための排尿・排便検知部と、対象者の尿排出部又は便排出部を、そこから排出される尿又は便が外部に出ないように覆うためのカバーと、前記カバー内の尿又は便を吸引可能に接続されたタンクと、前記カバー内の尿又は便を前記タンクに吸引するための吸引部と、前記排尿・排便検知部からの信号に基づいて前記吸引部を制御するための吸引制御部と、を備えた排尿・排便自動処理装置において、前記排尿・排便検知部は、対象者の尿排出部又は便排出部に対向する位置に配置された可視光カメラと、対象者の尿排出部又は便排出部の近傍に配置された光源と、前記可視光カメラが捉えた情報に基づいて、所定の色彩の物体又は何らかの形状の物体が対象者の尿排出部又は便排出部又はその周辺に存在しているとき、排尿又は排便が開始されたと判定する判定手段と、を備えている、ことを特徴とする排尿・排便自動処理装置。
4.対象者の尿排出部又は便排出部から排出される尿又は便を検知するための排尿・排便検知部と、対象者の尿排出部又は便排出部を、そこから排出される尿又は便が外部に出ないように覆うためのカバーと、前記カバー内の尿又は便を吸引可能に接続されたタンクと、前記カバー内の尿又は便を前記タンクに吸引するための吸引部と、前記排尿・排便検知部からの信号に基づいて前記吸引部を制御するための吸引制御部と、を備えた排尿・排便自動処理装置において、前記排尿・排便検知部は、対象者の尿排出部又は便排出部に対向する位置に配置され、スポット光又は指向性のある電波を照射するためのスポット光源と、対象者の尿排出部又は便排出部に対向する位置に配置され、前記スポット光源から発生するスポット光又は電波を対象者の尿排出部又は便排出部の周辺に向けてスキャンさせるスキャン機構と、前記スキャンされたスポット光又は電波の反射波を受信する受信部と、この受信部からの情報に基づいて、何らかの形状の物体が対象者の尿排出部又は便排出部又はその周辺に存在しているとき、排尿又は排便が開始されたと判定する判定手段と、を備えていることを特徴とする排尿・排便自動処理装置。
5.上記1から4までのいずれかにおいて、さらに、前記カバーの対象者の尿排出部又は便排出部の身体表面側に形成され又は取り付けられている密着部であって、通常は「対象者の尿排出部又は便排出部の身体表面から離れた位置」に配置されている密着部と、前記対象者の排尿又は排便が開始されたとき、前記密着部を前記身体表面に密着させるための密着駆動部と、前記排尿・排便検知部からの信号に基づいて前記密着駆動部を制御するための密着制御部と、を備えていることを特徴とする排尿・排便自動処理装置。
6.上記1から5までのいずれかにおいて、前記カバーは、対象者が着用する下着又はオムツの中に備えられている、ことを特徴とする排尿・排便自動処理装置。
7.上記1から6までのいずれかにおいて、前記排尿・排便検知部は、前記カバーの内部に備えられている、ことを特徴とする排尿・排便自動処理装置。
8.上記1から7までのいずれかにおいて、前記排尿・排便検知部は、取得した画像を画像記録部に送信して記録するものであることを特徴とする排尿・排便自動処理装置。
【0008】
(補足)なお、上記の1−7の装置の構成について、次のとおり補足する。
(a)上記1又は2の装置において、前記判定手段には、例えば0.3秒毎などの所定間隔で定期的に前記の赤外線カメラ又は赤外線センサからの情報(熱源からの温度差を基に尿排出部又は便排出部及びその周辺の状況を映像化した情報)が送信されてくる。この定期的に送られてくる前記赤外線カメラ又は赤外線センサからの情報は、マイクロコンピュータなどのメモリに記録される。前記判定手段は、前記赤外線カメラ又は赤外線センサからの情報が送信されてくる毎に、前記判定手段は判定を行う。例えば、判定手段は、メモリに記録されている直近(前回)の前記赤外線カメラからの情報であって対象者の排尿又は排便が開始されていないときの尿排出部又は便排出部及びその周辺の温度分布情報(例えば全体が一様に35.0℃であるという情報)と、今回の赤外線カメラから送信されてきた情報とを比較し、今回の情報の中に直近の情報と異なったものがあり、その異なったものの中に、直近の温度状況(例えば35.0℃)よりも所定温度(例えば0.5℃)以上高い温度(例えば36.0℃)の物体が存在しているという情報(すなわち、尿排出部又は便排出部及びその周辺の全体の35.0℃の温度分布の中に一部だけ36℃の物体が存在しているという情報)がある場合は、排尿又は排便が開始されたと判定する。また、判定手段は、前記赤外線センサ(及びスキャン機構)からの情報の中に、排尿又は排便が開始されていないときの尿排出部又は便排出部及びその周辺(対象者の身体表面)の温度分布情報とは異なる情報(対象者の身体表面の温度よりも所定温度以上高い温度の物体(尿又は便)の存在を示す情報)が存在するときは、排尿又は排便が開始されたと判定する。
(b)上記3又は4の装置において、前記判定手段には、例えば0.3秒毎などの所定間隔で定期的に前記カメラ又は受信部からの情報が送信されてくる。この定期的に送られてくる前記カメラ又は受信部からの情報は、マイクロコンピュータなどのメモリに記録される。前記判定手段は、前記カメラ又は受信部からの情報が送信されてくる毎に、判定を行う。例えば、判定手段は、メモリに記録されている直近(前回)の前記カメラからの情報であって対象者の排尿又は排便が開始されていないときの尿排出部又は便排出部及びその周辺の情報と、今回のカメラから送信されてきた情報とを比較し、今回の情報の中に直近の情報と異なったものがあるかどうか(差分情報)を判定し、例えば、その異なったものがある場合は、排尿又は排便が開始されたと判定する。また、判定手段は、前記受信部からの情報の中に、排尿又は排便が開始されていないときの尿排出部又は便排出部及びその周辺の情報とは異なる情報(尿又は便の存在を示す情報)が存在するときは、排尿又は排便が開始されたと判定する。
(他の発明)また、さらに、本発明は、次のような内容をも含むものである。
1.「対象者の尿排出部又は便排出部に対向する位置」に配置されており、前記対象者の尿排出部又は便排出部から排出される尿又は便を、可視光を含む電磁波又は超音波を使用して検知するための排尿・排便検知手段と、前記排尿・排便検知手段からの検知信号に基づいて対象者の排尿又は排便の開始を判定するための判定手段と、を備えたことを特徴とする排尿・排便検知装置。
2.上記1において、前記排尿・排便検知手段は、可視光カメラと光源を含むことを特徴とする排尿・排便検知装置。
3.上記1において、前記排尿・排便検知手段は、赤外線カメラを含むことを特徴とする排尿・排便検知装置。
4.上記1において、前記排尿・排便検知手段は、レーザー光などのスポット光を周囲にスキャンしながら照射する発信部と前記発信部から照射されたスポット光の対象物からの反射光を受信する受信部とを含むことを特徴とする排尿・排便検知装置。
5.上記1において、前記排尿・排便検知手段は、電磁波又は超音波を発信する発信部と前記発信部から発信された電磁波又は超音波の対象物からの反射波を受信する受信部とを含むことを特徴とする排尿・排便検知装置。
6.上記2,3,又は4において、前記排尿・排便検知手段には、前記排尿・排便検知手段に前記対象者の尿排出部又は便排出部からの尿又は便が付着しないようにするための透明カバーが備えられており、前記透明カバーの前記尿排出部又は便排出部側の外表面には、紫外線又は可視光に反応して有機物から成る汚れを分解して前記透明カバーを清浄化する光触媒が付着させられている、ことを特徴とする排尿・排便検知装置。
7.上記1から6までのいずれかの排尿・排便検知装置と、対象者の尿排出部又は便排出部を尿又は便が外部に出ないように覆うための遮断部(カバー)と、前記遮断部と空気及び尿又は便が流通可能に接続されたタンクと、前記遮断部からの尿又は便を前記タンクに吸引するための吸引部と、前記排尿・排便検知装置からの信号に基づいて前記吸引部を制御するための吸引制御部と、を備えたことを特徴とする排尿・排便自動処理装置。
8.上記7において、さらに、前記遮断部は、通常は「対象者の尿排出部又は便排出部の身体表面の近傍の位置(より望ましくは、オムツ又はパンツの内側)」に配置されている密着部と、前記対象者の排尿又は排便が開始されたとき、前記密着部を前記身体表面に密着させるための密着駆動部と、前記排尿・排便検知装置からの信号に基づいて前記密着駆動部を制御するための密着制御部と、を備えたことを特徴とする排尿・排便自動処理装置。
9.上記6又は7において、さらに、前記遮断部の内壁面には、紫外線又は可視光に反応して有機物から成る汚れを分解して前記透明カバーを清浄化する光触媒が付着させられている、ことを特徴とする排尿・排便自動処理装置。
【0009】
【発明の実施の形態】
(実施形態1) 以下、本発明の実施形態1による排尿・排便検知装置について説明する。図1は本実施形態1の電気的構成を示すブロック図である。図1において、1は排尿又は排便の開始を検知するために定期的に対象者の尿排出部と便排出部及びその近傍の画像を取得するための画像センサ部(本実施形態1では、CCDカメラなどの可視光カメラ及び赤外線カメラなどの撮像手段により構成している)、2は前記画像センサ部1からの情報に基づいて排尿・排便の開始の有無を判定するための排尿・排便判定部、3は前記判定部2からの情報に基づいてアラーム発生部4を制御するための制御部、である。前記制御部3はマイクロコンピュータなどで構成され、内部のメモリ(又は外部のハードディスクなどの記録装置で構成されるデータベース)に前記画像センサ部1からの画像データを記録させる。なお、図1では、画像センサ部1からのデータは判定部2を介して制御部3に送信されるようにしているが、画像センサ部1から制御部3に直接にデータを送信するようにしてもよい。
【0010】
また、図2は図1の画像センサ部1を説明するための図である。図2において、11は対象者(例えば、赤ん坊とする)の人体10の尿排出部(局部)10aと便排出部(臀部)10bとを覆うオムツ、1aは対象者の人体10の尿排出部(局部)10aの近傍に配置されたカメラ(CCDカメラなどの可視光カメラ及び赤外線カメラ)、1bは前記人体10の便排出部(臀部)10bの近傍に配置されたカメラ(CCDカメラなどの可視光カメラ及び赤外線カメラ)である。本実施形態1では、前記CCDカメラなどの可視光カメラ及び赤外線カメラ1a,1bは、前記オムツ(又はパンツ)11の内壁面に設置されている。また、本実施形態1では、前記CCDカメラなどの可視光カメラ及び赤外線カメラ1a,1bはそれぞれ、一つのCCDカメラなどの可視光カメラに赤外線のみを透過させるフィルタとこのフィルタを前記CCDカメラなどの可視光カメラの対物レンズから離れた位置と前記対物レンズと対向する位置との双方の位置に短時間内に交互に移動配置(装着)させる移動部(モーターなどで構成される)とを備えることにより、対物レンズなどから成る1つの光学系が、前記フィルタが装着されるかどうかによりCCDカメラなどの可視光カメラと赤外線カメラとの両方の機能を果たすことができるように、構成している。
【0011】
また、本実施形態1では、前記CCDカメラなどの可視光カメラの撮像を可能にするための可視光の光源(図示せず)が前記オムツ(又はパンツ)11の内側(内壁面)の尿排出部10a又は便排出部10bの近傍の位置に設置されている。
【0012】
次に、本実施形態1の動作を図3に基づいて説明する。本実施形態1では、前記CCDカメラなどの可視光カメラ及び赤外線カメラ1a,1bは、所定時間毎に、例えば0.3秒(又は、0.1秒、0.2秒、0.4秒、0.5秒)毎に、対象者10の尿排出部10aと便排出部10b及びその近傍を撮像し、その撮像した画像を、順次、前記排尿・排便判定部2に送信しているものとする。
【0013】
また、本実施形態1では、前記判定部2は、前記の尿排出部10a側のCCDカメラなどの可視光カメラ及び赤外線カメラ1aから順次(前述のような0.3秒毎の撮像の度に)送られてきた画像(可視光画像と赤外線画像)を解析して、例えば、前回送られてきた画像の中には存在しなかった「薄茶色系統の色を有する液体」の画像(可視光画像)又は「体表面の温度(例えば35℃)よりも所定温度(例えば0.5℃−1.0℃)以上温度(例えば36℃以上)を有する液体」の画像(赤外線画像)が今回送られてきた画像の中に存在しているかどうかを解析して、それらの一方又は双方が存在していれば、排尿が開始されたと判定する。また、前記判定部2は、前記の便排出部10b側のCCDカメラなどの可視光カメラ及び赤外線カメラ1bから送られてきた各画像を解析して、例えば、前回送られてきた画像の中には存在しなかった「薄茶色系統の色を有する固体又は流動体」の画像(可視光画像)又は「体表面の温度(例えば35℃)よりも所定温度(例えば0.5℃−1.0℃)以上温度(例えば36℃以上)を有する固体又は流動体」の画像(赤外線画像)が今回送られてきた画像の中に存在しているかどうかを解析して、それらの一方又は双方が存在していれば、排便が開始されたと判定する。
【0014】
例えば、今、対象者10の尿排出部10a又は便排出部10bから、図3に示すように、尿12a又は便12bが「ほんの少量(尿なら一滴くらい)」でも排出されれば、そのときは、前述のように例えば0.3秒毎に撮像を行なっている前記カメラ1a,1bによりそのことを示す画像が取得され、その画像が前記排尿・排便判定部2に送られる。判定部2は、この送られてきた画像に基づいて、前述のような方法で、排尿・排便の開始の有無を判定する。
【0015】
すなわち、本実施形態1では、前記判定部2には、例えば0.3秒毎などの所定間隔で定期的に前記CCDカメラなどにより構成される可視光カメラ及び赤外線カメラ1aからの情報(可視光画像と、熱源からの温度差を基に尿排出部又は便排出部及びその周辺の状況を映像化した赤外線画像)が送信されてくる。この定期的に送られてくる前記CCDカメラなどの可視光カメラ及び赤外線カメラ1aからの情報は、マイクロコンピュータなどのメモリ(又は外部記録装置)に記録される。前記判定部2は、前記CCDカメラなどの可視光カメラ及び赤外線カメラ1aからの情報が送信されてくる毎に、メモリに記録されている直近(前回)のCCDカメラなどの可視光カメラ及び赤外線カメラ1aからの情報であって対象者の排尿又は排便が開始されていないときの尿排出部又は便排出部及びその周辺の情報(可視光画像と、例えば全体が一様に35.0℃であるという温度分布情報)と、今回のCCDカメラなどで構成される可視光カメラ及び赤外線カメラ1aからの情報(可視光画像と、例えば尿排出部又は便排出部及びその周辺の全体の35.0℃の温度分布の中に一部だけ36℃の物体が存在しているという温度分布情報)とを比較する。そして、前記判定部2は、この比較の結果、今回の情報の中に直近の情報と異なったものがあり、その異なったものの中に、例えば茶色の物体が存在しているとか、直近の温度状況(例えば35.0℃)よりも所定温度(例えば0.5℃)以上高い温度(例えば36.0℃)の物体が存在しているという情報がある場合は、排尿又は排便が開始されたと判定する。
【0016】
このようにして、判定部2が前記排尿・排便が開始されたと判定したときは、その判定信号が制御部3に送られ、制御部3は、この判定信号に基づいて、アラーム発生部4を制御して、保護者・看護者又は介護者に、排尿・排便が開始されたことを、所定の音響、音声メッセージ、光又はその点滅、振動などを出力することにより、前記排尿・排便が開始されたとき直ちに(ほぼリアルタイムに)報知(アラーム・警報)する。このアラームにより、保護者・看護者・介護者は、対象者に排尿・排便が発生したとき、迅速に対処できるようになる。
【0017】
(実施形態2) 次に本発明の実施形態2による排尿・排便の自動吸引処理装置を説明する。図4は本実施形態2の電気的構成を示すブロック図である。図4において、1は排尿・排便の開始を検知するために定期的に対象者の尿排出部と便排出部及びその近傍の画像を取得するための画像センサ部(可視光カメラ及び赤外線カメラなどの撮像手段などにより構成される)、2は前記画像センサ部1からの信号に基づいて排尿・排便の開始の有無を判定するための排尿・排便判定部、13は前記判定部2からの信号に基づいて後述の真空ポンプ14を制御するための制御部、である。前記制御部3はマイクロコンピュータなどで構成され、内部のメモリ(又は外部の記録装置)に前記画像センサ部1からの画像データを記録させる。なお、図1では、画像センサ部1からのデータは判定部2を介して制御部3に送信されるようにしているが、画像センサ部1から制御部3に直接にデータを送信するようにしてもよい。なお、本実施形態2においては、図4の画像センサ部1及び判定部2の構成及び動作は、実施形態1で説明した図1の画像センサ部1及び判定部2の構成及び動作とほぼ同様であるので、説明を省略する。
【0018】
次に、図5は本実施形態2の機械的構成を示す概略図である。図5において、16a,16bはそれぞれ、対象者10の尿排出部10a,便排出部10bの周囲の身体表面に常時密着されている密着部である。また、17a,17bはそれぞれ、前記密着部16a,16bと連続する透明素材により形成されている透明カバーで、対象者10の尿排出部(図の10aの近傍部分、以下では便宜上「尿排出部10a」と記す),便排出部(図の10bの近傍部分、以下では便宜上「便排出部10b」と記す)及びその周囲を覆うため(尿排出部10a,便排出部10bを覆って、後述の吸引を可能にするため、そして、尿・便が外部に出てしまうことを防止するため)の透明カバーである。本実施形態2においては、前記密着部16a,16bと前記透明カバー17a,17bとは、前記カメラ1a,1bと同様に、前記オムツ11の内側(内壁面)に配置されている。
【0019】
また、図5において、18a,18bはそれぞれ、対象者10の尿排出部10a,便排出部10bから排出された尿12a,便12bを一時的に収容しておくためのタンクである。また、19a,19bはそれぞれ、前記各透明カバー17a,17bと各タンク18a,18bとをそれぞれ接続して、前記尿排出部10a,便排出部10bから排出された尿12a,便12bをそれぞれ前記タンク18a,18bの方に移動させるための、例えば透明素材で形成された導管(ホース)である。
【0020】
また、図5において、20a,20bはそれぞれ、前記各タンク18a,18bに設けられた真空ポンプである。これらの真空ポンプ20a,20bはそれぞれ、前記各タンク18a,18b内の空間を減圧する(真空に近い状態にする)ことにより、前記対象者の尿排出部10a,便排出部10bから排出された尿12a,便12bを前記導管19a,19bを介して前記タンク18a,18b内に吸引するためのものである。
【0021】
また、図5において、21a,21bはそれぞれ、前記各タンク18a,18b内に備えられたフィルタであって、前記タンク18a,18b内の空気が前記真空ポンプ20a,20bの側に移動することを許容しながら且つ前記タンク18a,18b内に収容された尿や便が前記真空ポンプ20a,20bの側に移動する(前記真空ポンプ20a,20bに接触する)ことを防止するためのフィルタである。また、22a,22bはそれぞれ、前記各タンク18a,18b内の尿や便が前記導管19a,19b側(前記各透明カバー17a,17b側)に逆流することを防止するための逆流防止弁(逆止弁)である。
【0022】
次に、本実施形態2の動作を説明する。本実施形態2では、前述のように、前記各密着部16a,16bは、常時、対象者の身体表面に密着している(例えば、粘着テープなどで前記身体表面に接着されている)。今、対象者の尿排出部10a,便排出部10bから尿又は便がほんの少量でも排出されると、前記オムツ11内のカメラ1a,1b(定期的に尿排出部10a,便排出部10bを撮像している)からの映像に基づいて、前記判定部2が排尿又は排便が開始されたと判定し、所定の判定信号を制御部13に送る。制御部13は、前記判定部2からの信号に基づいて、直ちに、前記各真空ポンプ20a,20bの駆動を開始させる。前記真空ポンプ20a,20bが駆動を開始すると、直ちに、前記各タンク18a,18b内が急速に減圧されるため吸引力が発生し、前記尿排出部10a,便排出部10bからの尿又は便は、直ちに、前記各透明カバー17a,17bから、各導管19a,19bを介して、前記各タンク18a,18bに吸引される(バキュームの原理)。
【0023】
以上より、本実施形態2によれば、赤ん坊や寝たきりの人などの対象者の尿排出部10a,便排出部10bからほんの少量だけでも尿又は便が体内から体外に排出されたとき、そのことが、前記カメラ1a,1bからの映像(赤外線映像又は可視光映像)により瞬時に判定され、直ちに前述のようなバキュームの原理により、前記尿又は便が、勢いよく高速に、前記タンク18a,18b内に吸引・移動・収容されるので、対象者の尿排出部10a,便排出部10b又はその周囲の身体表面は、ほとんど尿や便により汚れることがない。よって、対象者は、保護者・介護者又は看護者の手をいちいち借りなくても、自分の尿や便を自動的に処理することができるようになる。
【0024】
(実施形態3) 次に、図6は本発明の実施形態3の電気的構成を示すブロック図である。図6において、図4と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図6において、15は、前記制御部13からの信号に基づいて作動を開始する密着用駆動部であって、「対象者の尿排出部10a,便排出部10bの周囲の身体表面」に(必要なときに)密着できるように構成されている密着部31(31a及び31b。詳細は図7a及び図7bを参照して後述する)を駆動するための密着用駆動部である。
【0025】
次に、図7a及び図7bを参照して、本実施形態3の密着部31及び密着用駆動部15の構成及び動作を説明する。図7a及び図7bにおいて、図5と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。また、説明の便宜のため、図7a及び図7bでは、対象者の尿排出部10a側に装着される密着部31a及び密着用駆動部15のみを図示しているが、その構成及び動作は、便排出部10b側の密着部及び密着用駆動部についても、同様である。したがって、以下では、尿排出部10a側に装着される密着部31a及び密着用駆動部15のみについて説明することとする。
【0026】
図7a及び図7bにおいて、32はゴムなどの弾性体で構成され、対象者の尿排出部10aの周囲の身体表面に密着可能に構成されたリング状の密着部(この密着部は、後述のように、常時には対象者の身体表面に密着されずに対象者の身体表面から例えば数mmの距離だけ離れた位置に配置されている)である。なお、前記密着部32は、例えば、図7a及び図7bに示すように、ゴム糸32aを介して粘着テープ32b(身体表面に貼る粘着テープ)に接続されることにより、対象者の身体表面に対して所定の距離以上は離れないように保持されている。また、33は前記透明カバー17aと前記密着部32との間に介設された密着用駆動部である。この密着用駆動部33は、前述のように常時は前記身体表面から少しだけ離れて配置されている密着部32を、必要なとき直ちに(すなわち、排尿又は排便が開始されたと前記判定部2が判定したとき瞬時に)、前記身体表面に密着させるように駆動するためのものである。
【0027】
図7aの(2)などに示すように、前記密着用駆動部33は、
(a)例えばビニール製のリング状シートが二重に対向させられて(合わせられて)成りその二重のビニールシートの間に空気が存在可能な空間を形成しておくための略リング状の空間形成部33aと、
(b)この二重のビニールシートにより形成された前記空間形成部33aの中に介設されている複数の糸状のゴムであって、通常は前記密着部32と前記透明カバー17aとを互いに近づけるように(つまり、前記空間形成部33aを形成する二重のビニールシートが図7a(2)及び(3)のように断面略ジャバラ状に縮められた状態になるように)付勢しているゴム33bと、
(c)排尿が開始されたと前記判定部2が判定したときに駆動を開始する空気ポンプ(外部の空気を前記空間形成部33a内に導入するためのポンプ)33cと、
により構成されている。
【0028】
なお、本実施形態では、通常は(排尿が行なわれていないときは)、図7a(1)(2)(3)に示すように、前記空間形成部33aの中には空気が少量しか入っておらず、前記二重のビニールシート33aはその断面が略ジャバラ状となっており図示縦方向に縮められた状態となっている。
【0029】
次に、本実施形態3における、前記の密着部32と密着用駆動部33との動作を、図7a及び図7bに基づいて説明する。図7aは通常(排尿が行なわれていないとき)の動作を示す図、図7bは排尿が開始されたときの動作を示す図である。
【0030】
通常(排尿が行なわれていないとき)は、図7aに示すように、前記空気ポンプ33cは停止しており、前記空間形成部33aの中には空気が少量しか入っておらず、前記ゴム33bにより、前記密着部32が前記透明カバー17a側に付勢されている(前記空間形成部33aを構成する二重のビニールシートは、断面ジャバラ状に図示縦方向に縮められている)ため、前記密着部32は対象者の尿排出部10aの身体表面から少し離れるように配置されている(図7a(3)に示す状態)。
【0031】
次に、排尿が開始されたと前記判定部2により判定されたときは、図7bに示すように、直ちに(瞬時に)、制御部13からの制御信号により前記密着用駆動部33の空気ポンプ33cが駆動を開始し、前記空間形成部33aの中に、外部の空気を導入し、充満させる。その結果、前記空間形成部33aの内部の容積が大きくなり、前記ゴム33bは図示縦方向に伸びる(前記空間形成部33aの図示上下方向の長さが、図7a(2)に示す”l(エル)”から、図7b(2)に示す”l(エル)+m”に伸びる)。その結果、前記空間形成部33aが、前記の断面がジャバラ状に縮んだ状態(図7a参照)から断面がほぼ直線状に伸ばされた状態(図7b参照)に変化する。これにより、前記密着部32は、前記排尿の開始から瞬時に、前記透明カバー17aから離れる方向(図7bの上方向、すなわち、対象者の尿排出部10aの身体表面に近づく方向)に移動する。そして、前記空気ポンプ33cの駆動が開始されて前記密着部32が前記身体表面から離れた位置から前記身体表面に近づく位置に移動するために必要な極めて僅かな時間、例えば、0.1−0.3秒後、前記制御部13が前記真空ポンプ14の駆動を開始させて、バキュームの原理による尿の前記タンク18a内への吸引を行なう。
【0032】
以上のように、本実施形態3では、通常(排尿又は排便が行なわれていないとき)は、前記密着部32が対象者の身体表面から離れているため、対象者は、前記密着部32が身体表面に密着していることからくる不快感を避けることができる。そして、本実施形態3では、前記排尿又は排便が開始されたときは、その開始から瞬時に、前記密着部32対象者の身体表面に密着させてバキュームの原理による尿又は便の前記タンク18a,18bへの吸引を行うようにしているので、前記密着部32を通常は身体表面から離しておいても、前記密着部を通常から身体表面に密着させておく場合と同様に、尿又は便の瞬時の吸引により尿又は便が対象者の身体などを汚すことを防止する(又は仮に汚れてもそれを最小に止める)ことができる。
【0033】
(実施形態4) 次に、本発明の実施形態4を説明する。本実施形態4は、前記の実施形態3と比較すると、密着用駆動部の構成と作用が異なるだけで、それ以外は全く同様であるので、以下では、この密着用駆動部の構成と作用(排尿開始時の動作)についてのみ、図8a,8bを参照して説明する。なお、以下では、本実施形態の排便開始時の動作については、排尿開始時の動作と同様なので説明を省略した。
【0034】
図8a及び図8bにおいて、図7a及び図7bと共通する部分には同一の符号を付している。図8a及び図8bにおいて、43は密着用駆動部である。この密着用駆動部43は、
(a)例えばビニール製のリング状シートが二重に対向させられて(合わせられて)成りその二重のビニールシートの間に空気が存在可能な空間を形成しておくための空間形成部43aと、
(b)この二重のビニールシートにより形成された前記空間形成部43aの中に介設されている形状記憶合金製のワイヤであって、通常は前記密着部32と前記透明カバー17aとが互いに近づくように(つまり、前記空間形成部33aを形成する二重のビニールシートが断面ジャバラ状に縮められた状態になるように)図8a(2)に示すように略ジクザク状にその形状を保持しているワイヤ43bと、
(c)排尿が開始されたと前記判定部2が判定したときに、前記ワイヤ43bに所定の電圧を印加して(又は前記ワイヤ43bに電流を流してジュール熱を発生させて前記ワイヤ43bの温度を上昇させて)、前記ワイヤ43bの形状を略ジグザグ状(図8a(2)参照)から略直線状(図8b(2)参照)に変化させるための電圧印加部(又は電流供給部)43cと、により構成されている。
【0035】
なお、前記空間形成部43aを形成する二重のビニールシートは、図8a(2)に示すように、通常は(排尿が行なわれていないときは)、断面がジャバラ状に図示縦方向に縮められた状態となっている。
【0036】
次に、本実施形態4における、前記の密着部32と密着用駆動部43との動作を図8a及び図8bに基づいて説明する。図8aは通常(排尿が行なわれていないとき)の動作を示す図、図8bは排尿が開始されたときの動作を示す図である。
【0037】
通常(排尿が行なわれていないとき)は、図8aに示すように、前記電圧印加部(電流供給部)43cは停止しており、前記ワイヤ43bは略ジグザグ状となっており、これにより、前記空間形成部33aを構成する二重のビニールシートは、断面ジャバラ状に図示縦方向に縮められており、前記密着部32が前記透明カバー17a側に近づけられている。これにより、前記密着部32は対象者の尿排出部10aの身体表面から所定距離だけ離れた位置に配置・保持されている(図8a(3)に示す状態)。
【0038】
次に、排尿が開始されたと前記判定部2により判定されたときは、図8bに示すように、直ちに(瞬時に)、制御部13からの制御信号により前記電圧印加部(電流供給部)43cが前記ワイヤ43bに電圧を印加して(又は、前記ワイヤ43bに電流を供給して前記ワイヤ43bを形成する形状記憶合金の温度を前記形状記憶合金が直線状に変化するための高い温度まで加熱させて)、前記ワイヤ43bを直線状に変化させる。その結果、前記二重のビニールシートが断面ジャバラ状から断面直線状に変化し、前記空間形成部43aが図示縦方向に伸ばされる(前記空間形成部43aの図示上下方向の長さが、図8a(2)に示す”l(エル)”から、図8b(2)及び(4)に示す”l(エル)+m”に伸びる)。その結果、前記密着部32が前記透明カバー17aから離れる方向(図8bの上方向、すなわち、対象者の尿排出部10aの身体表面に近づく方向)に移動する。そして、前記ワイヤ43bが直線状に変化して前記密着部32が前記身体表面から少し離れた位置から前記身体表面に近づく位置に移動するために必要な極めて僅かな時間、例えば、0.1−0.3秒の後に、前記制御部13が前記真空ポンプ14の駆動を開始させて、バキュームの原理による尿の前記タンク18a内への吸引を行なう。
【0039】
以上のように、本実施形態4では、前記実施形態3と同様に、通常(排尿又は排便が行なわれていないとき)は、前記密着部32が対象者の身体表面から少し離れるようにしているため、対象者は、前記密着部32が体表面に密着していることからくる不快感を避けることができる。
【0040】
(実施形態5) 次に、本発明の実施形態5を説明する。本実施形態5は、前記の各実施形態1−4と基本的な構成は同一である。実施形態5が前記各実施形態1−4と異なる部分は、排尿又は排便を検知するための「画像センサ部」(図1の符号1参照)の中身を、図1,図4及び図6の「CCDカメラなどで構成される可視光カメラ1a及び赤外線カメラ1b」から、図9に示すような、「対象物(熱源としての対象者の身体及び尿又は便)からの赤外線を検知するための赤外線センサ54、及び、前記赤外線センサ54の向き(位置)を『人体の尿又は便が排出される部分』の周囲に向けてスキャンさせるためのスキャン機構」に代替させている点である。
【0041】
すなわち、図9において、52はCPU(中央処理装置)及びメモリ(ROM及びRAM)を含むマイクロコンピュータ、53はこのマイクロコンピュータ52からの制御信号により走査が制御されるスキャン機構(回動機構)、54はこのスキャン機構53により『人体の尿又は便が排出される部分』の周囲の全体を順次向くように順次(逐次)スキャンされる赤外線センサ、である。前記赤外線センサ54からの赤外線検知データと前記スキャン機構53からの位置・角度データ(赤外線センサ54をスキャンするときの各位置・角度データ)とは、互いに同期してマイクロコンピュータ52に入力され、マイクロコンピュータ52のメモリ(又は外部記録装置)に、熱源の位置・角度データとして記録される。マイクロコンピュータ52は、前記の熱源の位置・角度データ(前記の赤外線データ及び位置・角度データ)に基づいて(公知の解析プログラムなどを使用して)、熱源物体(対象物である尿又は便)の存在(排尿又は排便が開始されたこと)を検知することができる。すなわち、マイクロコンピュータ52は、前記赤外線センサ54からの信号と前記赤外線センサ54の位置・向きデータ(前記スキャン機構53からのスキャンデータ)とを同期させて記録・解析し、熱源(対象物である尿又は便)の存在及び位置を判定し、アラーム発生部4(図1参照)を制御すると共に、密着用駆動部15(図6参照)を制御し、さらに吸引用真空ポンプ14(図4,図6参照)を制御する。このように、本実施形態5では、マイクロコンピュータ52は、図1、図4及び図6の判定部2と制御部3,13の機能をも果たしている。
【0042】
例えば、前記マイクロコンピュータ52は、前記赤外線センサ54及びスキャン機構53から所定間隔で定期的に送られてくる情報(対象者の尿排出部又は便排出部及びその周辺の熱源から発せられる遠赤外線の情報、すなわち温度分布情報)をその度にメモリに記録する。前記マイクロコンピュータ52は、前記赤外線センサ54及びスキャン機構53から送信されてくる情報の中に、対象者の排尿又は排便が開始されていないときの尿排出部又は便排出部及びその周辺の温度分布情報(例えば全体がほぼ一様に35.0℃であるという情報)と異なる温度分布情報があるかどうかを判定し、この異なる温度分布情報の中に、対象者の排尿又は排便が開始されていないときの尿排出部又は便排出部及びその周辺の温度分布情報(例えば35.0℃)よりも所定温度(例えば0.5℃)以上高い温度(例えば36.0℃)の物体が存在しているという情報(すなわち、尿排出部又は便排出部及びその周辺の全体の35.0℃の温度分布の中に一部だけ36℃以上の物体が存在しているという情報)がある場合は、排尿又は排便が開始されたと判定する。
【0043】
(実施形態6) 次に、本発明の実施形態6を説明する。本実施形態6は、前記の各実施形態1−4と基本的な構成は同一である。実施形態6が前記各実施形態1−4と異なる部分は、排尿又は排便を検知するための「画像センサ部」(図1の符号1参照)の中身を、図1,図4及び図6の「CCDカメラなどで構成される可視光カメラ1a及び赤外線カメラ1b」から、図10に示すような、「対象物(尿又は便)に向けてレーザー光などのスポット光をスキャンしながら照射させるスポット光源63及びスキャン機構64、及び、前記スポット光の対象物からの反射光を受光する光センサ65」に代替させている点である。
【0044】
すなわち、図10において、62はCPU及びメモリなどを含むマイクロコンピュータ、63はこのマイクロコンピュータ62により制御されてスポット光(レーザー光など)を『人体の尿又は便が排出される部分』の周囲に向けて逐次(順次)照射するためのスポット光源63(なお、このスポット光源63に代えて、指向性のあるアンテナを使用して発せられるマイクロ波やミリ波などの電波、指向性のある電波(パルス波)を照射する装置でもよい)、64は前記マイクロコンピュータ62により制御されながら前記スポット光源63から照射されるスポット光を『人体の尿又は便が排出される部分』の周囲の全体を逐次照射するように前記周囲に向けて順次(逐次)スキャンさせるためのスキャン機構(回動機構)、65は前記スポット光源63からのスポット光の反射光(身体表面や尿又は便からの反射光)を受光するための光センサ(受光素子)、である。
【0045】
前記光センサ65からの受光データと前記スキャン機構64からの位置・角度データ(前記スポット光源63からのスポット光を順次スキャンさせたときのそれぞれの位置・角度データ)とは、互いに同期して前記マイクロコンピュータ62に入力され、マイクロコンピュータ62内のメモリ(又は、外部の記録装置)に記録される。前記マイクロコンピュータ62は、このメモリに記録されたスキャンデータ(前記の受光データと位置・角度データ)に基づいて(公知の解析プログラムなどを使用して)、対象物体(尿又は便)の存在及び位置(排尿又は排便が開始されたこと)を判定し、アラーム発生部4(図1参照)を制御すると共に、密着用駆動部15(図6参照)を制御し、さらに吸引用真空ポンプ14(図4,図6参照)を制御する。このように、本実施形態6では、マイクロコンピュータ52は、図1、図4及び図6の判定部2と制御部3,13の機能をも果たしている。
【0046】
例えば、前記マイクロコンピュータ62は、前記光センサ65及びスキャン機構64からの情報の中に、排尿又は排便が開始されていないときの尿排出部又は便排出部及びその周辺の情報とは異なる情報(尿又は便の存在を示す情報)が存在するときは、排尿又は排便が開始されたと判定する。
【0047】
このように、本実施形態6では、前記スポット光(又は、指向性のある電波)を『人体の尿又は便が排出される部分』の周囲に逐次スキャンさせて、その反射光(反射波)を受光(受信)することにより、対象物(尿又は便)の存在及び位置(排尿又は排便が開始されたこと)を認識できるようにしている(なお、上記の「スポット光源63、スキャン機構64、及び、光センサ65の組み合わせ」は、一種のレーダー(レーザー・レーダーなど)とみてもよい)。
【0048】
(実施形態7) 次に、本発明の実施形態7を説明する。本実施形態7の基本的構成は、今までに説明してきた各実施形態1−6と同様である。異なる点は、本実施形態7は、前記各実施形態1−6に、次のような「カメラ・レンズ又は光センサの汚れを防止するための透明カバー」を付加していることである。
【0049】
すなわち、本実施形態7では、前記画像センサ部(図1の符号1参照)、すなわち、図1,図4及び図6の「CCDカメラなどで構成される、可視光カメラ1a、及び、赤外線カメラ1b」、図9の「赤外線センサ54」、又は、図10の「スポット光源63、及び、光センサ65」と『人体の尿又は便が排出される部分(身体表面)』との間の位置に、これら画像センサ部を覆う透明覆いであって、前記の「CCDカメラなどで構成される可視光カメラ1a、及び、赤外線カメラ1b(図1,4,6参照)」、「赤外線センサ54(図9参照)」、又は、「スポット光源63、及び、光センサ65(図10参照)」が、人体から排出された尿又は便が付着して汚れてしまうこと(汚れてしまうと、前記画像センサ部がセンサや光源としての機能を充分に果たせなくなってしまう)を防止するための透明覆いを取り付けている点で、前記各実施形態1−6と異なっている。
【0050】
図11はこの「透明覆い」を説明するための概略図である。図11は、実施形態2に関して説明した図5と基本的構成は同様であるが、カメラ(CCDカメラなどの可視光カメラ及び赤外線カメラ)1a,1bが、オムツ11の内壁面(図5参照)ではなく、オムツ11の内部に備えられた(例えば透明プラスチック製の)透明カバー17a,17bの内壁面にそれぞれ備えられている点、及び、このカメラ1a,1bの周囲(「人体の尿又は便が排出される部分」と対向する側)を覆う透明覆い70a,70bがそれぞれ前記透明カバー17a,17b(人体の尿又は便の排出部の周囲を覆って真空ポンプ等による前記排出部からの尿又は便の吸引作用を生じさせると共に尿又は便が外部に出てしまうことを防止するための透明カバー。なお、本実施形態では、カバー17a,17bは透明でなくてもよい)の内壁面に備えられている点が、異なっている。
【0051】
また、本実施形態7では、前記カメラ1a,1bを覆う透明覆い70a,70bの外表面に、酸化チタンなどから成る公知の光触媒が塗布されている。この光触媒は、紫外線(又は可視光)を受光すると活性化して有機物などから成る汚れを分解する作用を有している(最近は、可視光を受光するだけでも活性化して有機物を分解する光触媒も開発され、新聞などで報道されている)。また、本実施形態7では、前記光触媒に紫外線(又は可視光)を照射するための光源71a,71bが、前記透明覆い70a,70bの内部で且つ前記透明カバー17a,17bの内壁面に、図示しない電源と共に設置されている。
【0052】
したがって、本実施形態7では、「人体の尿又は便が排出される部分」から排出された尿又は便が前記透明カバー17a,17b(「人体の尿又は便が排出される部分」を覆って真空ポンプ等による尿又は便の吸引作用を発揮させると共に尿又は便が外部に出ないようにするための透明カバー)の中を吸引されて前記導管19a,19bの方に通過するときに、前記尿又は便が前記透明覆い70a,70b(カメラ1a,1bが尿又は便により汚れることを防止するためのもの)の外表面に付着して前記外表面が汚れてしまった場合でも(前記透明覆い70a,70bの外表面が汚れたままになっていると、カメラ1a,1bや赤外線センサ54や光センサ65などの画像センサは、尿又は便の排出を迅速・正確に検知することができなくなってしまう)、前記光源71a,71bからの光を受けて前記光触媒が尿又は便などの有機物を分解して前記透明覆い70a,70bの外表面を清浄化する(汚れを取って透明な状態に戻す)。よって、本実施形態7では、対象者が排尿・排便をする度に前記透明覆い70a,70bを交換する必要がなく、そのまま何回でも、前記カメラ1a,1bや赤外線センサ54や光センサ65により排尿・排便を検知することができる。
【0053】
なお、図11では、前記透明カバー17a,17bの内壁面にカメラ(CCDカメラなどで構成される可視光カメラ及び赤外線カメラ)1a,1bを設置し、このカメラ1a,1bを前記透明覆い70a,70bで覆うようにしているが、本発明では、前記カメラ1a,1bに代えて、前記透明カバー17a,17bの内壁面に、「赤外線センサ54及びスキャン機構53」(図9参照)や「スポット光源63、スキャン機構64、及び光センサ65」(図10参照)を設置してこれらを前記透明覆い70a,70bで覆うようにしても、ほぼ同様の作用効果が奏せられる。
【0054】
(実施形態8) 次に、本発明の実施形態8について説明する。本実施形態8の構成は、実施形態2に関して説明した図5の構成と基本的に同様である。ただ、本実施形態8では、図5の透明カバー17a,17b(「人体の尿又は便が排出される部分」を覆って、真空ポンプ等による尿又は便の吸引作用を発揮させると共に尿又は便が外部に漏れ出ることを防止するための透明カバー)の内壁面に、酸化チタンなどから成る公知の光触媒が塗布されている。この光触媒は、紫外線(又は可視光)を受光すると活性化して有機物などの汚れを分解する作用を有している(最近は、可視光を受光するだけでも活性化して有機物を分解する光触媒も開発され、新聞などで報道されている)。また、本実施形態8では、前記オムツ11の内壁面(例えば、前記カメラ1a,1bの近傍の位置)に、前記光触媒に紫外線(又は可視光)を照射するための光源(図示せず)が電源(図示せず)と共に設置されている。
【0055】
したがって、本実施形態8では、「人体の尿又は便が排出される部分」から排出された尿又は便が前記透明カバー17a,17b(「人体の尿又は便が排出される部分」と外部との間の空気の流通を遮断して真空ポンプ等による吸引作用を発揮させるための透明カバー)の中を吸引されて前記導管19a,19bの方に通過するときに、前記尿又は便が前記透明カバー17a,11bの内壁面に付着してこの内壁面を汚してしまった場合でも(前記透明カバー17a,17bの内壁面が汚れたままになっていると、カメラ1a,1bや赤外線センサ54や光センサ65などの画像センサは、尿又は便の排出を迅速・正確に検知することができなくなってしまう)、前記光源からの光を受けて前記光触媒が尿又は便などの有機物を分解して前記透明カバー17a,17bの内壁面を清浄化する(汚れを取って透明な状態に戻す)。よって、本実施形態8では、対象者が排尿・排便する度に前記透明カバー17a,17bを交換する必要がなく、そのまま何回でも、前記カメラ1a,1bや赤外線センサ54や光センサ65により排尿・排便を検知することができる。
【0056】
なお、この実施形態8(図5参照)の例では、前記オムツ11の内壁面にカメラ(CCDカメラなどで構成される可視光カメラ及び赤外線カメラ)1a,1bを設置するようにしているが、本発明では、前記カメラ1a,1bに代えて、前記オムツ11の内壁面に「赤外線センサ54及びスキャン機構53」(図9参照)や「スポット光源63、スキャン機構64、及び光センサ65」(図10参照)を設置するようにしても、ほぼ同様の作用効果が奏せられる。
【0057】
また、前記の実施形態7(図10)では、スポット光源からスポット光(レーザーなど)を照射してその反射光を検知・解析して対象者の排尿・排便の開始の有無を検知するようにしているが、本発明では、前記「スポット光」に代えて、「マイクロ波やミリ波などの電波、特に、指向性のある電波」を照射してその反射波を検知、解析することにより前記排尿・排便の開始の有無を検知するようにしてもよい。
【0058】
また、前記の実施形態7(図10)では、スポット光源からスポット光(レーザーなど)を照射してその反射光を検知・解析して対象者の排尿・排便の開始の有無を検知するようにしているが、本発明では、前記「スポット光」に代えて、「超音波」を照射してその反射波を検知・解析することにより前記排尿・排便の開始の有無を検知するようにしてもよい。
【0059】
また、前記の実施形態1−4などでは、カメラ(画像センサ部)1に可視光カメラと赤外線カメラとの両機能を兼用させることにより、「CCDカメラなどで構成される、可視光カメラと赤外線カメラとの両方」を併用して排便・排尿の開始を判定するようにしているが、本発明では、いずれか一方のみを使用してもよい(すなわち、可視光カメラのみを使用してもよいし、赤外線カメラのみを使用してもよい)ことはもちろんである。
【0060】
【発明の効果】
本発明の排尿・排便の検知装置によれば、寝たきりの人などの対象者の排便又は排尿が開始されたかどうかを、赤外線カメラ又は可視光カメラを使用して検知するようにしている。したがって、本発明によれば、対象者の排尿又は排便があったときは、瞬時に(ほぼリアルタイムに)、そのことを検知して自動的に吸引動作を開始し、尿又は便により対象者の身体、下着又はオムツがほとんど汚れないようにするか又はたとえ汚れてしまってもそれを最小に止めることが可能となる。
【0061】
これに対して、従来の排尿・排便の検知方法、すなわち、(1)尿・便の水分が布などに徐々に浸透して行く(染み込んで行く)ことによる電気抵抗の変化を検知する方法、(2)尿・便からその匂い成分(ガス)が周囲の空間に徐々に流れて行くことをガスセンサなどで検知する方法、(3)特開2001−314433が提案しているような、大便が接触して大便の色成分が収容ポケットに徐々に浸透して行き(染み込んで行き)収容ポケットの色が徐々に変化して行くことを収容ポケット内のカメラシステムで検知する方法では、上記(1)では尿・便の水分が布などに徐々に浸透する(染み込んでいく)時間を待つ必要があること、上記(2)では尿・便からその匂い成分(ガス)が周囲の空間に徐々に流れて行く時間を待つ必要があること、上記(3)では大便の色成分が収容ポケット(特開2001−314433)に徐々に浸透していき収容ポケットの色が徐々に変化していく時間を待つ必要があることから、いずれも、「対象者の排尿又は排 便があったとき、瞬時に(ほぼリアルタイムに)、そのことを検知して自動的に吸引動作を開始し、尿又は便により対象者の身体、下着又はオムツが汚れることを最小にすること」は、全く不可能であった。
【0062】
すなわち、従来のように排尿・排便を検知するために尿又は便の水分がセンサとしての布に徐々に染み込んで行くのを待つこと(布への水分の浸透による電気抵抗の変化などにより検知する方法)や尿又は便の匂い成分が空間を徐々に伝わって行くことを待つこと(尿や便からの匂いのガスを検知する方法)や大便の色成分が収容ポケット(特開2001−314433)に染み込んで行くのを待つこと(収容ポケットの色の変化をカメラで検知する方法)が必要な場合は、排尿又は排便の開始の瞬時の(ほぼリアルタイムの)検知が不可能なので、排尿・排便に対して仮に吸引の方法で対処しようとしても吸引の開始が間に合わず、オムツやパンツを尿や便で汚してしまっていた。
これに対して、本発明の排尿・排便検知装置を使用して対象者の排尿・排便の開始をほぼリアルタイムに検知する方法によるときは、排尿・排便が開始されたとき瞬時に(ほぼリアルタイムに)そのことを検知して瞬時に(ほぼリアルタイムに)吸引を開始できるので、対象者の身体表面や対象者が装着しているオムツやパンツが尿や便で汚れてしまうことがほとんどなくなる(汚れても最小に止められる)。よって、本発明によれば、オムツやパンツを排尿・排便の度に交換する必要がほとんどなくなる。
【0063】
また、従来より、防水性のオムツ型カバーを対象者に付けさせて、その状態で洗浄液を流して、対象者の尿又は便が付着した身体表面又はオムツ型カバー内壁面を洗浄するシステムが知られているが、このような洗浄が可能なシステムでは、洗浄のために多量の洗浄液と長い洗浄時間が必要であることが難点であった。しかし、このような洗浄機能を有する従来システムに本発明を適用すれば、前述のように対象者の身体表面や対象者が装着しているオムツやパンツが尿や便で汚れてしまうことがほとんどなくなる(汚れても最小に止められる)ので、洗浄がほとんど不要になり、また、仮に洗浄が必要な場合でも最小の洗浄液と洗浄時間で済むようになるので、前記の難点を解消することができる。
【0064】
また、例えば特開平4−225161号(特許第3204400号)公報などは、トイレにCCDカメラを備えておき、使用者の大便を撮像してその画像に基づいて使用者の健康状態を推論して使用者の健康状態をチェックするシステムを提案しているが、本発明の装置によっても、この公報の提案と同様に、排便が開始されてから瞬時の間にその排出された大便を撮像しており更にその大便が吸引されている間も吸引のために移動中の大便を撮像できるので、その画像をマイクロコンピュータのメモリや外部記録装置に記録し、その記録した画像を解析することにより、対象者の健康状態を分析することが可能になる。
【0065】
最後に本発明の進歩性について、本発明と本発明者が把握している関連の先行文献との関係について本発明者の見解を述べておく。
【0066】
(1)特開2001−314433公報(以下、公報A)の「カメラシステム」との関係
公報Aのカメラシステムは、「収納ポケットに挿入・取付けられており(公報Aの段落0022の5−6行目)、大便が収納ポケットの布に染み込むことにより収納ポケットの色が変化することを検知するためのもの」(公報Aの段落0026の1−3行目)である。また、公報Aは、排便が開始されたときに大便を吸引する」という課題については全く想定しておらず、したがって、「排便が開始されたとき、瞬時にそれを検知することにより、オムツの中が排便で汚れないようにするか又は汚れても最小に止めるようにしたい、そのために、排便が開始されたら瞬時に(ほぼリアルタイムに)それを検知するようにしたい」という問題意識(課題)は全く存在していない。
したがって、また、公報Aのカメラシステムは、前述のように、「収納ポケットに挿入・取付けられており、大便が収納ポケットの布に(徐々に)染み込むことにより収納ポケットの色が変化することを検知するもの」であるから、「排便が開始されたとき、瞬時にそれを検知すること」は、全く不可能である。
【0067】
(2)特開平8−322868公報(以下、公報B)の「近接センサ」との関係
公報Bは、その段落0017の14−16行目に「大便感知センサ109は、近接センサおよび照度センサで構成している。」と記載している。この公報Bは、この近接センサの中身については、全く述べてない。ただ、一般に、近接センサとは、赤外線又は高周波電波を周囲に照射してその反射波を受信して物体の存在を検出するもの、又は物体が近接したときの静電容量の変化を検出して物体の存在を検出するもの、である。
公報Bの近接センサは、「センサ」に過ぎない(「画像を取得するためのカメラ」ではない)から、単に「物体が在るか否か」という情報のみを取得するものに過ぎない(よって排便の開始を検知する精度は極めて低い)。これに対して、本発明の赤外線カメラは、画像を取得するものであるから、対象者の身体表面の温度と身体表面以外の物体(大便や尿など)との比較が可能になり、身体表面の温度よりも高い温度の物体(体内温度は身体表面温度よりも高いから、体内から排出される大便などは、身体表面温度よりも高い)を検知することができるので、(公報Bの近接センサを使用する場合に比べて)排便の開始をより高精度に行って、洗浄などの誤動作をほぼ防止することができる。また、本発明の可視光カメラを使用する場合でも、対象者の身体表面と排出された大便の画像を取得することができるので、前記の赤外線カメラを使用する場合と同様の高精度な検知が可能になる。
【0068】
(3)特開平11−47180公報(以下、公報C)の「フォトリフレクタ」との関係
公報Cは、その段落0011の6−8行目に「大便感知センサ109は、被看護人が***した汚物を検出するためのフォトリフレクタと、オムツカップ1の脱着を検出するためのCdsセルを使用したセンサであり、・・・」と記載している。この公報Cは、このフォトリフレクタの中身については、全く述べてない。ただ、一般に、フォトリフレクタとは、発光素子と受光素子とを備えて非接触により物体の有無を検出する光センサのことである。
公報Cのフォトリフレクタは、「センサ」に過ぎない(「画像を取得するためのカメラ」ではない)から、単に「物体が在るか否か」という情報のみを取得するものに過ぎない(よって排便の開始を検知する精度は極めて低い)。これに対して、本発明の赤外線カメラは、画像を取得するものであるから、対象者の身体表面の温度と身体表面以外の物体の温度との比較が可能になり、身体表面の温度よりも高い温度の物体(体内温度は身体表面温度よりも高いから、体内から排出される大便などは、身体表面温度よりも高い)を検知することができるので、(公報Cのフォトリフレクタを使用する場合に比べて)排便の開始をより高精度に行って、洗浄などの誤動作をほぼ防止することができる。また、本発明の可視光カメラを使用する場合でも、対象者の身体表面と排出された大便の画像を取得することができるので、対象者の身体表面の身体表面以外の物体との比較も可能であり、前記の赤外線カメラを使用する場合と同様に、排便開始についての高精度な検知が可能になる。
【0069】
(4)特開2002−153497公報(以下、公報D)の「集電型赤外線センサ」との関係
まず、この公報Dは2002年5月28日に公開されているが、この公開日は、本願の基礎となっている「先の出願」である特願2002−142128(出願日:2002年5月16日)の出願日よりも後である。よって、この公報Dは、少なくとも本願の「先の出願」である特願2002−142128の先行技術文献ではない。
次に、この公報Dの段落0011の8−10行目にあるように、この公報Dの集電型赤外線センサは、「おむつ5の外側に両面テープ等で固定する」ものである。すなわち、この公報Dの集電型赤外線センサは、オムツの内部で、排便の様子(大便など)を直接に検出するものではないし、また、「排便される部分の周囲の赤外線画像を取得するもの」でもない。よって、この公報Dの集電型赤外線センサによっては、上記の公報Aの「カメラシステム」と同様に、「排便が開始されたときそのことを瞬時に検知すること」は全く不可能である(この公報Dも、前記の公報Aと同様に、排便の開始をメロディなどで伝えるだけで大便を吸引することを全く予定していないので、排便が開始されたらそのことを瞬時に(ほぼリアルタイムに)検知したいという問題意識は、全く存在していない)。また、この公報Dの集電型赤外線センサによっては、上記の公報Bの「近接センサ」及び公報Cの「フォトリフレクタ」と同様に、単に「物体が存るか否か」のみの情報しか得られないので、排便の開始を高精度に検知することは全く不可能である。
これに対して、本発明の赤外線カメラは、画像を取得するものであるから、対象者の身体表面の温度と身体表面以外の物体の温度との比較が可能になり、身体表面の温度よりも高い温度の物体(体内温度は身体表面温度よりも高いから、体内から排出される大便などは、身体表面温度よりも高い)を検知することができるので、(公報Dの集電型赤外線センサを使用する場合に比べて)排便の開始をより高精度に行って、洗浄などの誤動作をほぼ防止することができる。また、本発明の可視光カメラを使用する場合でも、対象者の身体表面と排出された大便の画像を取得することができるので、対象者の身体表面の身体表面以外の物体との比較も可能であり、前記の赤外線カメラを使用する場合と同様に、排便開始についての高精度な検知が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を説明するためのブロック図。
【図2】実施形態1を説明するための図。
【図3】実施形態1を説明するための図。
【図4】本発明の実施形態2を説明するためのブロック図。
【図5】実施形態2を説明するための図。
【図6】本発明の実施形態3を説明するためのブロック図。
【図7a】実施形態3の密着部及び密着用駆動部を説明するための図。
【図7b】実施形態3の密着部及び密着用駆動部を説明するための図。
【図8a】本発明の実施形態4の密着部及び密着用駆動部を説明するための図。
【図8b】実施形態4の密着部及び密着用駆動部を説明するための図。
【図9】本発明の実施形態5を説明するための図。
【図10】本発明の実施形態6を説明するための図。
【図11】本発明の実施形態7を説明するための図。
【符号の説明】
1 画像センサ部
1a,1b カメラ(赤外線カメラ及びCCDカメラなどの可視光カメラ)
2 判定部
3,13 制御部
4 アラーム発生部
10b 便排出部
10a 尿排出部
10 対象者
11 オムツ
12b 便
12a 尿
14 真空ポンプ
14 吸引用真空ポンプ
14,20a,20b 真空ポンプ
15 密着用駆動部
16a,16b,31,31a,32 密着部
17a,17b 透明カバー
18a,18b タンク
19a,19b 管
32a ゴム糸
32b 粘着テープ
33,43 密着用駆動部
33a,43a 空間形成部(ビニールシート)
33b ゴム糸
33c 空気ポンプ
43b ワイヤ
43c 電圧印加部(電流供給部)
52,62 マイクロコンピュータ
53,64 スキャン機構
54 赤外線センサ
63 スポット光源
65 光センサ
70a,70b 透明覆い
71a,71b 光源

Claims (3)

  1. 対象者の便排出部又はその周辺に対向する位置に配置された赤外線カメラであって、前記便排出部又はその周辺の赤外線画像を取得するための赤外線カメラと、
    前記赤外線カメラにより取得された画像情報に基づいて、「対象者の身体の表面の温度よりも高い温度を有する大便」が前記便排出部又はその周辺に存在しているとき、排便が開始されたと判定する判定手段と、
    対象者の少なくとも便排出部及びその周辺を覆うためのカバーと、
    前記カバー内の大便を吸引できるように前記カバーと接続されたタンクと、
    前記カバー内の大便を前記タンクに吸引するための吸引部と、
    前記判定手段からの信号に基づいて前記吸引部を制御するための吸引制御部と、
    を備えたことを特徴とする排便自動処理装置。
  2. 請求項1において、
    前記カバーの対象者側の先端部分に備えられている密着部であって、前記排便が行われていないときは、「対象者の、便排出部又はその周辺の身体の表面」から所定距離だけ離れた位置に配置されている密着部と、
    前記対象者の排便が開始されるとき、前記密着部を対象者の身体の表面に近づく方向に移動させるための密着駆動部と、
    を備えていることを特徴とする排便自動処理装置。
  3. 請求項1において、
    排便により排出された大便を撮像して得られた画像を、マイクロコンピュータのメモリ又は外部記録装置に記録し、その記録した画像を解析することにより、対象者の健康状態を分析するようにした、ことを特徴とする排便自動処理装置。
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