JP4180208B2 - センターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造 - Google Patents

センターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用のセンターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造に関し、さらに詳しくは、タイロッド取付け部の緩み止めを改善するとともに、タイロッドのレイアウトの自由度を向上させた、センターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造に関する。
【0002】
【従来技術、発明が解決しようとする課題】
従来のセンターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造は、例えば、実開昭61−84078号公報に記載のものの場合には、タイロッドの内方端がラックシャフトの端部に揺動自在に連結される部分に、ボールジョイントが使用され、このボールジョイントのジョイント本体部がラックシャフトの端部にねじ結合されることにより、タイロッドの内方端がラックシャフトの端部に揺動自在に連結されている。
【0003】
この場合に、ボールジョイントのジョイント本体部がラックシャフトの軸心回りに回転してねじ結合が緩むようなことがないように、ボールジョイントのジョイント本体部とラックシャフトの端部との間に、緩み止め用のロックワッシャーが介装されている。
【0004】
このロックワッシャーは、ジョイント本体部とは六角面嵌合し、ラックシャフトの端部とは円筒面嵌合している。そして、この円筒面嵌合する部分の一部がラックシャフトの端部の外周面に形成された切欠き内に打ち込まれることにより、ジョイント本体部がラックシャフトの軸心回りに回転することがないようにされ、これにより、ラックシャフトの端部に対するボールジョイントのジョイント本体部の緩み止めが図られている。
【0005】
しかしながら、このような手段は、センターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け部に採用することができない。その理由は、センターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け部には、部品が多くあり、ロックワッシャーの円筒面を相手側部品の切欠き内に打ち込むための工具を挿入することが容易でないからである。
【0006】
また、特開平11−99954号公報に記載のものの場合には、左右一対のタイロッドの各内方端が、ギヤボックスハウジングの長さ方向に沿って形成された切欠き溝内を摺動するガイドシューを貫通する1本のボルトにより、それぞれラックシャフトに連結されているので、左右一対のタイロッドのレイアウトの自由度が制限される。のみならず、このものの場合には、左右一対のタイロッドの各内方端がダストブーツに接触する虞も生じてくる。
【0007】
本発明は、従来のセンターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造が有する前記のような問題点を解決して、タイロッド取付け部の緩み止めを簡単な構造により安価に行なうとともに、タイロッドのレイアウトの自由度を向上させることができる、センターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および効果】
本発明は、前記のような課題を解決したセンターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造に係り、その請求項1に記載された発明は、センターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造において、左右一対のタイロッドの各内方端が、脚部と両腕部からなるT字状連結部材の脚部に揺動自在に連結され、前記T字状連結部材の両腕部が、ギヤボックスハウジングの長さ方向に沿って形成された切欠き溝内を摺動するガイドシューを左右一対のタイロッドと交差する方向に貫通するボルトにより、それぞれ、ギヤボックスハウジング内のラックシャフトに連結され、前記ボルトの抜き方向が、左右一対の前記タイロッドの各内方端と交差するようにされ、前記左右一対のタイロッドの各内方端が、前記ガイドシューによりガイドされながら、前記ラックシャフトの左右動に応じて左右動するようにされたことを特徴とするセンターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造である。
【0009】
請求項1に記載された発明は、前記のように構成されているので、左右一対のタイロッドの各内方端をラックシャフトに連結するのに、T字状連結部材が使用される。そして、左右一対のタイロッドの各内方端が、T字状連結部材の脚部に揺動自在に連結され、T字状連結部材の両腕部が、ボルトによりそれぞれラックシャフトに連結される。
【0010】
この結果、左右一対のタイロッドの各内方端のT字状連結部材の脚部への連結方向と、T字状連結部材の両腕部のラックシャフトへの連結方向とは、交差するようになり、T字状連結部材の両腕部をラックシャフトに連結する各ボルトの抜き方向は、左右一対のタイロッドの各内方端と交差するようになるので、ボルトの抜け落ちの虞がなくなり、タイロッドの取付け部における緩み止めは、左右一対のタイロッドの各内方端のT字状連結部材の脚部への連結部についてのみ考慮すればよいことになる。これにより、タイロッドの取付け部における緩み止め構造が簡単化されて、製作コストが低減される。
【0011】
また、T字状連結部材の脚部の長さを適宜調節することにより、タイロッドをラックシャフトと平行に配置したり、タイロッドの外方端をラックシャフトに対して上方もしくは下方に傾斜して配置したり、各種の姿勢に配置することができ、タイロッドのレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0012】
また、請求項2記載のように請求項1記載の発明を構成することにより、ガイドシューとT字状連結部材の両腕部との間に、ダストブーツの中央部が、ボルト(ガイドシューを貫通するボルト)により貫通されて挟持され、ガイドシューとボルトとの間およびダストブーツとボルトとの間に、カラーが、ラックシャフトとガイドシューとダストブーツとに跨がって嵌装され、カラーの一端部が、ダストブーツから突出してT字状連結部材の腕部に当接するようにされる。
【0013】
この結果、カラーにより、ラックシャフトとガイドシューとダストブーツとT字状連結部材との相互間が位置決めされ、ボルトにより、これらが一体組立体とされて、ラックシャフトの左右動が滑らかに左右一対のタイロッドの各内方端に伝達されるようになる。
【0014】
さらに、請求項3記載のように請求項1または請求項2記載の発明を構成することにより、左右一対のタイロッドの各内方端がT字状連結部材の脚部に揺動自在に連結される部分には、ボールジョイントが介設されており、ボールジョイントのジョイント本体部の軸受凹部に、左右一対のタイロッドの各内方端の球体部が離脱不能に挿入され、ボールジョイントのジョイント本体部が、第1のロックワッシャーを介してT字状連結部材の脚部にねじ連結され、ボールジョイントのジョイント本体部のねじ連結用のねじが形成された側の端面には、平行な2面を有する段部が形成され、第1のロックワッシャーの中央部には、該段部に嵌合する孔が形成され、第1のロックワッシャーの孔が、ボールジョイントのジョイント本体部の段部に嵌合させられて、第1のロックワッシャーが、ボールジョイントのジョイント本体部とT字状連結部材の脚部との間に介装され、第1のロックワッシャーの外周縁部が、T字状連結部材の脚部側にカシメられて、ボールジョイントのジョイント本体部の緩み止めがなされるようにされる。
【0015】
この結果、第1のロックワッシャーの中央部の孔がボールジョイントのジョイント本体部の段部に嵌合させられ、第1のロックワッシャーの外周縁部がT字状連結部材の脚部側にカシメられることにより、ボールジョイントのジョイント本体部のT字状連結部材に対する緩み止めがなされるので、第1のロックワッシャーが介装されるいずれの側の部材(ボールジョイントのジョイント本体部もしくはT字状連結部材の脚部)にも緩み止め用の切欠きを形成する必要がなく、この切欠き内に第1のロックワッシャーの嵌合面の一部を打ち込む必要がない。また、第1のロックワッシャーの外周縁部は、T字状連結部材の脚部側にカシメられるので、カシメ位置が安定化される。これらにより、タイロッド取付け部の緩み止め構造がさらに簡単化されて、製作の自動化にも容易に対応することができ、製作コストがさらに低減される。
【0016】
また、請求項4記載のように請求項1または請求項2記載の発明を構成することにより、左右一対のタイロッドの各内方端がT字状連結部材の脚部に揺動自在に連結される部分には、ボールジョイントが介設されており、ボールジョイントのジョイント本体部の軸受凹部に、左右一対のタイロッドの各内方端の球体部が離脱不能に挿入され、ボールジョイントのジョイント本体部が、第1のロックワッシャーを介してT字状連結部材の脚部にねじ連結され、T字状連結部材の脚部のねじ連結用のねじが形成された側の端面には、平行な2面を有する段部が形成され、第1のロックワッシャーの中央部には、該段部に嵌合する孔が形成され、第1のロックワッシャーの孔が、T字状連結部材の脚部の段部に嵌合させられて、第1のロックワッシャーが、ボールジョイントのジョイント本体部とT字状連結部材の脚部との間に介装され、第1のロックワッシャーの外周縁部が、ボールジョイントのジョイント本体部側にカシメられて、ボールジョイントのジョイント本体部の緩み止めがなされるようにされる。
【0017】
この結果、第1のロックワッシャーの中央部の孔がT字状連結部材の脚部の段部に嵌合させられ、第1のロックワッシャーの外周縁部がボールジョイントのジョイント本体部側にカシメられることにより、ボールジョイントのジョイント本体部のT字状連結部材に対する緩み止めがなされるので、第1のロックワッシャーが介装されるいずれの側の部材(ボールジョイントのジョイント本体部もしくはT字状連結部材の脚部)にも緩み止め用の切欠きを形成する必要がなく、この切欠き内に第1のロックワッシャーの嵌合面の一部を打ち込む必要がない。これにより、タイロッド取付け部の緩み止め構造がさらに簡単化されて、製作コストがさらに低減される。
【0018】
また、請求項5記載のように請求項1ないし請求項4のいずれか記載の発明を構成することにより、T字状連結部材の両腕部がガイドシューを貫通するボルトによりそれぞれラックシャフトに連結される部分には、T字状連結部材の両腕部のうちの少なくともいずれかの腕部とボルトの頭部との間に、面方向に突起のある第2のロックワッシャーが介装され、該第2のロックワッシャーの突起が、該第2のロックワッシャーが回転したとき、T字状連結部材の脚部に当接することができるようにされる。
【0019】
この結果、T字状連結部材の両腕部をそれぞれラックシャフトに連結するボルトの緊締が緩んだとしても、T字状連結部材の両腕部のうちの少なくともいずれかの腕部とボルトの頭部との間に介装された第2のロックワッシャーがボルトとともに1回転よりも少なく回転して、その突起がT字状連結部材の脚部に当接するので、第2のロックワッシャーはそれ以上に回転せず、ボルトの緊締の緩みもそれ以上に進行しない。
【0020】
このようにして、第2のロックワッシャーに何らの加工(カシメ、打ち込み等)を施すことなくして、T字状連結部材の両腕部がボルトによりそれぞれラックシャフトに連結される部分の緩み止めを図ることができ、その緩み止め構造がきわめて簡単化されて、製作コストをさらに低減することができる。
【0021】
さらに、請求項6記載のように請求項5記載の発明を構成することにより、T字状連結部材の腕部とボルトの頭部との間に、シール部材が介装され、第2のロックワッシャーが、該シール部材とボルトの頭部との間に介装される。
【0022】
この結果、T字状連結部材の両腕部がボルトによりそれぞれラックシャフトに連結される部分の緩み止めを図りながら、同時に、T字状連結部材の腕部のボルト貫通部からダストブーツ内、牽いてはギヤボックスハウジング内に水が浸入するのを防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図10に示される本発明の一実施形態(実施形態1)について説明する。
【0024】
図1は、本実施形態1におけるタイロッドの取付け構造が適用されたセンターテイクオフ型パワーステアリング装置の正面断面図であって、一部を外面視して示す図、図2は、図1の要部拡大図、図3は、図2において、左右一対のタイロッドの各内方端がT字状連結部材の脚部に連結される部分を外面視して示した図、図4は、図3のA方向から見た側面図であって、左右一対のタイロッドの各内方端がT字状連結部材の脚部に連結される部分のみをカバーを除去して示した図、図5は、左右一対のタイロッドの各内方端がT字状連結部材の脚部に連結される部分に使用されるボールジョイントの正面図、図6は、図5の右側面図、図7は、左右一対のタイロッドの各内方端がT字状連結部材の脚部に連結される部分に使用される第1のロックワッシャーの使用状態における正面図、図8は、図7の左側面図、図9は、T字状連結部材の両腕部がラックシャフトにボルト連結される部分の正面図、図10は、同部分に使用される第2のロックワッシャーの正面図である。
【0025】
図1において、本実施形態1におけるタイロッドの取付け構造が適用されたセンターテイクオフ型油圧式パワーステアリング装置1は、ラックアンドピニオン式パワーステアリング装置であって、図示されない車両のハンドルに連結された操舵入力軸2が、ギヤボックスハウジング3のロータリーバルブ収容部分3a 内において、図示されない出力軸とトーションバーを介して連結されており、該出力軸に形成されたピニオンと噛み合うラック4a を有するラックシャフト4が、ギヤボックスハウジング3のラックシャフト収容部分3b 内に、図1において左右摺動自在に収容されている。
【0026】
そして、左右一対のタイロッド5、5が、それらの各内方端部がギヤボックスハウジング3のラックシャフト収容部分3b の中央部寄り(車体の中央部寄り)に位置するようにして、備えられている。
【0027】
ギヤボックスハウジング3のラックシャフト収容部分3b には、その長さ方向略中央部に、切欠き溝6が所定長にわたって形成されており、この切欠き溝6内をガイドシュー7がラックシャフト4と一体に左右動し得るようになっている。このガイドシュー7は、詳細には図示されないが、両端部が半円形に輪郭付けられ、左右一対のタイロッド5、5の各内方端間にまたがる細長の板体であって、その中央部分には、円孔が打ち抜かれているので、図1ないし図3において、その部分が白抜きで示されている。
【0028】
このガイドシュー7は、左右一対のタイロッド5、5の各内方端部をラックシャフト4と一体に左右動するようにガイドする。そのために、タイロッド5、5の各内方端部は、断面T字状の金属製連結部材8の脚部8a に揺動自在に連結されており、連結部材8の両腕部8b 、8b は、ガイドシュー7を貫通する左右一対のボルト9、9により、カラー10を介してラックシャフト4に締結されている。タイロッド5、5の各内方端部、連結部材8、ガイドシュー7およびラックシャフト4のこのような連結・結合構造により、これらは、一体となって左右動する。
【0029】
連結部材8の両腕部8b 、8b とガイドシュー7との間には、図1ないし図3に図示されるように、ダストブーツ11の中央部が、ボルト9、9により貫通されて挟着されており、これにより、ダストブーツ10の左右各半部が、ラックシャフト4およびタイロッド8、8の左右動に応じて伸縮し得るようになっている。なお、ダストブーツ11の中央部がボルト9、9により貫通される部分には、ダストブーツ11とボルト9、9との間に、前記したカラー10、10の伸長部分がそれぞれ介装されている。
【0030】
ダストブーツ11は、ギヤボックスハウジング3のラックシャフト収容部分3b の中央部分を覆っている。この中央部分は、ギヤボックスハウジング3のロータリーバルブ収容部分3a と後述するパワーシリンダ13の図1において左端近傍の部分とに挟まれた領域である。
【0031】
カラー10は、ラックシャフト4とガイドシュー7とダストブーツ11とに跨がって嵌装され、これらラックシャフト4、ガイドシュー7、ダストブーツ11および連結部材8の両腕部8b 、8b の相互間を位置決めしている。カラー10の一端部(図2において下端部)は、ダストブーツ11から突出していて、その平坦な下端面が連結部材8の腕部8b の平坦な上面(ダストブーツ11に面する側の端面)に当接して、水の浸入を阻止する1つのシール部を構成している。
【0032】
タイロッド5、5の各内方端部が連結部材8に揺動自在に連結される部分の構造は、次のようになっている。
図1ないし図3に図示されるように、断面T字状の連結部材8の脚部8a の両側面には、ボールジョイント12の本体をなす軸受体(ジョイント本体部)12a が左右対称にそれぞれ螺着されていて、これらの軸受体12a 、12a の軸受凹部に、タイロッド5、5の各内方端の球体部12b 、12b が離脱不能に挿入されている。これにより、タイロッド5、5の各内方端部は、連結部材8に揺動自在に連結される。なお、この部分の緩み止め構造については、後で詳しく説明される。軸受体12a の軸受凹部と球体部12b との結合部には、該結合部を覆うように、カバー12c が被冠されている。
【0033】
ギヤボックスハウジング3のラックシャフト収容部分3b の図1において右方端寄りの部分は、パワーシリンダ13とされている。そして、このパワーシリンダ13を、パワーピストンロッドを兼ねるラックシャフト4の一端が、車両のホイールハウス(図示されず)の方向に貫通して突出している。このように、ラックシャフト4の一端がパワーシリンダ13を貫通して突出することにより、パワーシリンダ13の室内において、ラックシャフト4に一体に設けられたピストン14の左右の受圧面積は等しくされる。
【0034】
パワーシリンダ13から突出するラックシャフト4の一端と、該一端と同じ側のパワーシリンダ13のハウジングの一端とには、ダストブーツ15の各端部が固着されていて、ラックシャフト4の一端がパワーシリンダ13を貫通して突出する部分が、このダストブーツ15により被冠されている。ダストブーツ15は、ギヤボックスハウジング3内に水が浸入するのを防止するとともに、身体の安全を図る。
【0035】
ラックシャフト4の一端には、また、ラックエンドプラグ18の端面にボルト17により締着されて、ブーツガード16が一体に取り付けられている。このブーツガード16は、金属製の円板からなり、ダストブーツ15が最大に伸びた場合の最大径と略同じ外径を有し、ダストブーツ15のホイールハウスに面する側を遮蔽して、ホイールハウスの室壁の内外面に付着・凍結した雪壁からダストブーツ15を保護する。
【0036】
パワーシリンダ13の室内のピストン14により左右に仕切られて形成された油室20、21には、操舵補助力を生成する圧油が、ギヤボックスハウジング3のロータリーバルブ収容部分3a 内に収容された図示されないロータリーバルブにより切換制御されて、流出入する。
【0037】
したがって、いま、車両のハンドルが操舵されて、ラックシャフト4のラック4a がハンドル軸と連動連結された出力軸のピニオンと噛み合って左右動したときには、該左右動に従って、ガイドシュー7とタイロッド5、5とが一体に左右動して、左右車輪の転舵が行なわれる。同時に、車輪の操舵抵抗に応じた操舵補助力がピストン14に作用して、ラックシャフト4、タイロッド5、5の左右動を介して車輪に伝えられる。
【0038】
次に、タイロッド5、5の各内方端部のラックシャフト4への取付け部のシール構造について説明する。
このシール構造は、ガイドシュー7と連結部材8の両腕部8b 、8b との間にダストブーツ11の中央部がボルト9、9により貫通されて挟着される部分において実現されている。
【0039】
ダストブーツ11の中央部がボルト9、9により貫通される部分には、T字状連結部材8の両腕部8b 、8b が丁度嵌入し得る広さの段付き凹部24が形成されている。この段付き凹部24は、詳細には図示されないが、両端に半円部を有する長円形状に形成されており、この形状は、連結部材8の両腕部8b 、8b のダストブーツ11側端面の輪郭形状に合致する。
【0040】
ダストブーツ11とボルト9、9との間に介装されるカラー10、10の各小径側一端部は、前記のとおり、ダストブーツ11の中央部の段付き凹部24の底面から突出して、連結部材8の両腕部8b 、8b のダストブーツ11側端面にそれぞれ当接している。
【0041】
ダストブーツ11の中央部がボルト9、9により貫通される部分には、また、カラー10、10の各小径側一端部を囲み、T字状連結部材8の腕部8b 、8b のダストブーツ11側端面に当接するようにして、環状突壁25、25がそれぞれ形成されている。そして、この環状突壁25を囲むようにして、Oリングからなるシール部材(図示されず)が介装されている。
【0042】
したがって、タイロッド5、5の各内方端部のラックシャフト4への取付け部のシール構造は、カラー10、10の一端部と連結部材8の両腕部8b 、8b のダストブーツ11側端面との当接、環状突壁25、25と連結部材8の腕部8b 、8b のダストブーツ11側端面との当接およびダストブーツ11の段付き凹部24の底面と連結部材8の両腕部8b 、8b のダストブーツ11側端面との間に介装されたシール部材とによって構成されている。
【0043】
T字状連結部材8の両腕部8b 、8b が段付き凹部24に丁度嵌入する部分は、シール機能も部分的に発揮するが、主として、ラックシャフト4の左右動によりカラー11を介してダストブーツ11に力が伝達されたとき、該ダストブーツ11から圧縮方向の反力を受ける部分として機能する。これにより、前記したシール構造を構成する各部にストレスが発生することが抑制される。特にダストブーツ11のボルト貫通孔(カラー10の嵌合孔)の変形が防がれるので、シールの信頼性が大幅に向上する。
【0044】
次に、タイロッド5、5の各内方端部のラックシャフト4への取付け部の緩み止め構造について、詳細に説明する。
先ず、タイロッド5、5の各内方端部がボールジョイント12を介して連結部材8の脚部8a に揺動自在に連結される部分の緩み止め構造について説明する。
【0045】
断面T字状の連結部材8の脚部8a の両側面には、前記のとおり、ボールジョイント12の本体をなす軸受体(ジョイント本体部)12a が左右対称にそれぞれ螺着(ねじ連結)されているが、この場合において、脚部8a の各側面とボールジョイント12の軸受体12a との間には、図2ないし図4により良く図示されるように、第1のロックワッシャー30が介装されている。
【0046】
この第1のロックワッシャー30は、図7および図8に図示されるように、中央孔開きの環状板状のものであって、これの左右外周縁部30c 、30c が軸心を通る面に対称に折曲(図7の矢印参照)されて使用される。中央孔30a は、同じ軸心を通る面に対称に平行な2面30b 、30b を有する。
【0047】
第1のロックワッシャー30の左右外周縁部30c 、30c は、前記のようにして折曲された状態において、それぞれの面が正面視テーパが付されたように傾斜させられて、対面している(図7参照)。このテーパの角度は、連結部材8の脚部8a の図4において上下面が脚部8a の基端部から先端部にかけてなすテーパの角度に符号している(図4参照)。脚部8a は、横断面が矩形状をなしている。
【0048】
ボールジョイント12の軸受体12a を連結部材8の脚部8a の一方側面に螺着させるために軸受体12a に雄ねじ32が形成された側の端面には、図5および図6に図示されるように、平行な2面31a 、31a を有する段部31が形成されている。この段部31の段の高さは、第1のロックワッシャー30の板厚に丁度符号し、この段部31の正面視平行な2辺31a 、31a を有する外周面の輪郭形状は、第1のロックワッシャー30の中央孔30a に丁度合致する。
【0049】
したがって、第1のロックワッシャー30がボールジョイント12の軸受体12a の端面に当てがわれた場合には、中央孔30a が段部31に丁度嵌合して、平行な2面30b 、30b が平行な2面31a 、31a と重なり合い、第1のロックワッシャー30は、ボールジョイント12の軸受体12a に対して回転不能にされる。
【0050】
ボールジョイント12は、その軸受体12a の端面に第1のロックワッシャー30が前記のようにして当てがわれた状態において、その軸受体12a の雄ねじ32が連結部材8の脚部8a の一方側面に形成された雌ねじにねじ込まれることにより、連結部材8の脚部8a に連結される。このねじ込みは、ボールジョイント12が組み立てられた状態においても、軸受体12a の同端面側に形成された六角面33に図示されないスナッパーが当てがわれることにより、容易に行なうことができる。
【0051】
このようにして、タイロッド5、5の各内方端部がボールジョイント12を介して連結部材8の脚部8a に揺動自在に連結されるが、最後に、第1のロックワッシャー30の左右外周縁部30c 、30c が、連結部材8の脚部8a の上下面に重なるようにして、それぞれ折曲される。これにより、ボールジョイント12および該ボールジョイント12を含むタイロッド5、5の各内方端部側の連結部材8の脚部8a に対する緩み止めがなされる。
【0052】
なお、第1のロックワッシャー30の左右外周縁部30c 、30c の前記折曲加工は、連結部材8の脚部8a の上下面間が前記のようにテーパを付されて脚部8a の基端部から先端部にかけて先細になっているので、パワーステアリング装置1の本体部分(ダストブーツ11により被覆される部分)から比較的離れても実施することができ、その加工は容易である。
【0053】
次に、T字状連結部材8の両腕部8b 、8b がボルト9、9によりそれぞれラックシャフト4に連結される部分の緩み止め構造について説明する。
T字状連結部材8の両腕部8b 、8b がボルト9、9によりそれぞれラックシャフト4に連結される部分には、両腕部8b 、8b のうちの少なくともいずれかの腕部8b (本実施形態1においては、図2および図3において左方の腕部8b )とボルト9の頭部9a との間に、第2のロックワッシャー35が介装されている。
【0054】
この第2のロックワッシャー35は、図9および図10に図示されるように、幅の比較的狭い環状板体からなり、その円周方向1個所からは、板面方向外方に指向して突起35a が形成されている。また、その内周部には、複数のスリット35b 、35b ・・・が放射方向に切り落とされており、これらのスリット35b 、35b ・・・のうち、隣接するスリット35b 、35b 間には、弾発片部35c が形成されている。
【0055】
隣接する弾発片部35c 、35c は、相互に反対方向にわずかに折曲させられていて、第2のロックワッシャー35が連結部材8の腕部8b とボルト9の頭部9a との間に介装されてボルト9が緊締されたとき、ボルト9の緊締を強める方向にボルト9を弾発する。これにより、ボルト9の部分的なロック(緩み止め)がなされる。
【0056】
このボルト9の部分的なロックにもかかわらず、ボルト9の緊締が緩んで、ボルト9がその緊締を解く方向に回転し、これとともに、第2のロックワッシャー35が同方向に回転したとしても、第2のロックワッシャー35の突起35a が連結部材8の脚部8a の基端部に当接する(図9の2点鎖線参照)ので、第2のロックワッシャー35は、それ以上回転することはなく、ボルト9は確実に緩み止めされる。第2のロックワッシャー35は、1回転以上回転することはない。このようにして、T字状連結部材8の両腕部8b 、8b がボルト9、9によりそれぞれラックシャフト4に連結される部分の緩み止めがなされている。
【0057】
T字状連結部材8の腕部8b とボルト9の頭部9a との間への第2のロックワッシャー35のこのような介装は、T字状連結部材8の両腕部8b 、8b のうちのいずれかの腕部8b とボルト9の頭部9a との間に実施されればよい。その理由は、両ボルト9、9ともラックシャフト4から脱落しない限りは、T字状連結部材8がラックシャフト4から脱落することはないからである。
【0058】
T字状連結部材8の脚部8a が比較的短く設計される場合には、ボルト9の頭部9a は、ボルト9がラックシャフト4から脱落する前にボールジョイント12の軸受体12a の外周面に当接する。したがって、このような場合には、T字状連結部材8がラックシャフト4から脱落することはあり得ない。
【0059】
T字状連結部材8の腕部8b とボルト9の頭部9a との間には、必要に応じてOリング等のシール部材36が介装されてもよい。この場合には、第2のロックワッシャー35は、シール部材36とボルト9の頭部9a との間に介装される。シール部材36は、腕部8b のボルト貫通部からダストブーツ11内、牽いてはギヤボックスハウジング3内に水が浸入するのを防止する。
【0060】
本実施形態1のセンターテイクオフ型パワーステアリング装置1におけるタイロッド5の取付け構造は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
左右一対のタイロッド5、5の各内方端が、T字状連結部材8の脚部8a に揺動自在に連結され、T字状連結部材8の両腕部8b 、8b が、ギヤボックスハウジング3の長さ方向に沿って形成された切欠き溝6内を摺動するガイドシュー7を貫通するボルト9、9により、それぞれラックシャフト4に連結されて、左右一対のタイロッド5、5の各内方端が、ガイドシュー7によりガイドされながら、ラックシャフト4の左右動に応じて左右動するようにされている。
【0061】
このように、本実施形態1におけるタイロッド5の取付け構造においては、左右一対のタイロッド5、5の各内方端をラックシャフト4に連結するのに、T字状連結部材8が使用されている。そして、左右一対のタイロッド5、5の各内方端が、T字状連結部材8の脚部8a に揺動自在に連結され、T字状連結部材8の両腕部8b 、8b が、ボルト9、9により、それぞれラックシャフト4に連結されている。
【0062】
この結果、左右一対のタイロッド5、5の各内方端のT字状連結部材8の脚部8a への連結方向と、T字状連結部材8の両腕部8b 、8b のラックシャフト4への連結方向とは、交差するようになり、T字状連結部材8の両腕部8b 、8b をラックシャフト4に連結する各ボルト9の抜き方向は、左右一対のタイロッド5、5の各内方端、具体的に言えば、ボールジョイント12の軸受体12a と交差するようになるので、ボルト9の抜け落ちの虞がなくなり、タイロッド5の取付け部における緩み止めは、左右一対のタイロッド5、5の各内方端のT字状連結部材8の脚部8a への連結部についてのみ考慮すればよいことになる。これにより、タイロッド5の取付け部における緩み止め構造が簡単化されて、製作コストを低減することができる。
【0063】
また、T字状連結部材8の脚部8a の長さを適宜調節することにより、タイロッド5をラックシャフト4と平行に配置したり、タイロッド5の外方端をラックシャフト4に対して上方もしくは下方に傾斜して配置したり、各種の姿勢に配置することができ、タイロッド5のレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0064】
また、ガイドシュー7とT字状連結部材8の両腕部8b 、8b との間に、ダストブーツ11の中央部が、ボルト9、9により貫通されて挟持され、ガイドシュー7とボルト9、9との間およびダストブーツ11とボルト9、9との間に、カラー10、10が、ラックシャフト4とガイドシュー7とダストブーツ11とに跨がって嵌装され、各カラー10の一端部が、ダストブーツ11から突出してT字状連結部材8の腕部8b に当接するようにされている。
【0065】
この結果、カラー10、10により、ラックシャフト4とガイドシュー7とダストブーツ11とT字状連結部材8との相互間が位置決めされ、ボルト9、9により、これらが一体組立体とされて、ラックシャフト4の左右動が滑らかに左右一対のタイロッド5、5の各内方端に伝達される。
【0066】
さらに、左右一対のタイロッド5、5の各内方端がT字状連結部材8の脚部8a に揺動自在に連結される部分には、ボールジョイント12が介設されており、ボールジョイント12の軸受体(ジョイント本体部)12a の軸受凹部に、左右一対のタイロッド5、5の各内方端の球体部12b が離脱不能に挿入され、ボールジョイント12の軸受体12a が、第1のロックワッシャー30を介してT字状連結部材8の脚部8a にねじ連結され、しかも、ボールジョイント12の軸受体12a のねじ連結用のねじ32が形成された側の端面には、平行な2面を有する段部31が形成され、第1のロックワッシャー30の中央部には、該段部31に嵌合する孔30a が形成され、第1のロックワッシャー30の孔30a がボールジョイント12の軸受体12a の段部31に嵌合させられて、第1のロックワッシャー30が、ボールジョイント12の軸受体12a とT字状連結部材8の脚部8a との間に介装され、第1のロックワッシャー30の外周縁部30c 、30c が、T字状連結部材8の脚部8a 側にカシメられて、ボールジョイント12の軸受体12a の緩み止めがなされるようにされている。
【0067】
この結果、第1のロックワッシャー30の中央部の孔30a がボールジョイント12の軸受体12a の段部31に嵌合させられ、第1のロックワッシャー30の外周縁部30c 、30c がT字状連結部材8の脚部8a 側にカシメられることにより、ボールジョイント12の軸受体12a のT字状連結部材8に対する緩み止めがなされるので、第1のロックワッシャー30が介装されるいずれの側の部材(ボールジョイント12の軸受体12a もしくはT字状連結部材8の脚部8a )にも従来のような緩み止め用の切欠きを形成する必要がなく、この切欠き内に第1のロックワッシャー30の嵌合面の一部を打ち込む必要がない。また、第1のロックワッシャー30の外周縁部30c 、30c は、T字状連結部材8の脚部8a 側にカシメられるので、カシメ位置が安定化される。これらにより、タイロッド取付け部の緩み止め構造がさらに簡単化されて、製作の自動化にも容易に対応することができ、製作コストをさらに低減することができる。
【0068】
また、T字状連結部材8の両腕部8b 、8b がガイドシュー7を貫通するボルト9、9によりそれぞれラックシャフト4に連結される部分には、T字状連結部材8の両腕部8b 、8b のうちの少なくともいずれかの腕部8b とボルト9の頭部9a との間に、面方向に突起35a のある第2のロックワッシャー35が介装され、該第2のロックワッシャー35の突起35a が、該第2のロックワッシャー35が回転したとき、T字状連結部材8の脚部8a に当接することができるようにされている。
【0069】
この結果、T字状連結部材8の両腕部8b 、8b をそれぞれラックシャフト4に連結するボルト9、9の緊締が緩んだとしても、T字状連結部材8の両腕部8b 、8b のうちの少なくともいずれかの腕部8b とボルト9の頭部9a との間に介装された第2のロックワッシャー35がボルト9とともに1回転よりも少なく回転して、その突起35aがT字状連結部材8の脚部8a に当接するので、第2のロックワッシャー35はそれ以上に回転せず、ボルト9の緊締の緩みもそれ以上に進行しない。
【0070】
このようにして、第2のロックワッシャー35に何らの加工(カシメ、打ち込み等)を施すことなくして、T字状連結部材8の両腕部8b 、8b がボルト9、9によりそれぞれラックシャフト4に連結される部分の緩み止めを図ることができ、その緩み止め構造がきわめて簡単化されて、製作コストをさらに低減することができる。
【0071】
また、T字状連結部材8の腕部8b とボルト9の頭部9a との間にシール部材36が介装され、第2のロックワッシャー35が該シール部材36とボルト9の頭部9a との間に介装される場合には、T字状連結部材8の両腕部8b 、8b がボルト9、9によりそれぞれラックシャフト4に連結される部分の緩み止めを図りながら、同時に、T字状連結部材8の腕部8b のボルト貫通部からダストブーツ11内、牽いてはギヤボックスハウジング3内に水が浸入するのを防止することができる。
【0072】
次に、本発明他の実施形態(実施形態2)について説明する。
本実施形態2においては、ボールジョイント12の軸受体12a が第1のロックワッシャー30を介してT字状連結部材8の脚部8a にねじ連結される部分の緩み止め構造が、実施形態1と異なっている。
【0073】
すなわち、実施形態1においては、段部31がボールジョイント12の軸受体12a 側に形成され、第1のロックワッシャー30の外周縁部30c 、30c が、T字状連結部材8の脚部8a 側にカシメられたが、本実施形態2においては、段部31がT字状連結部材8の脚部8a 側に形成され、第1のロックワッシャー30の外周縁部30c 、30c が、ボールジョイント12の軸受体12a 側にカシメられている。そのために、次のような構造が採用されている。
【0074】
詳細な図示は省略するが、T字状連結部材8の脚部8a のねじ連結用の雌ねじが形成された側の端面には、図6に図示されると同様の平行な2面を有する段部31が形成され、第1のロックワッシャー30の中央部には、該段部31に嵌合する孔30a が形成され、第1のロックワッシャー30の孔30a が、T字状連結部材8の脚部8a の段部31に嵌合させられて、第1のロックワッシャー30が、ボールジョイント12の軸受体12a とT字状連結部材8の脚部8a との間に介装され、第1のロックワッシャー30の外周縁部30c 、30c が、ボールジョイント12の軸受体12a 側にカシメられて、ボールジョイント12の軸受体12a のT字状連結部材8に対する緩み止めがなされるようにされている。
その他の点については、実施形態1と異なるところはないので、詳細な説明を省略する。
【0075】
本実施形態2のセンターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造は、前記のように構成されており、実施形態1と同様の緩み止めの作用をすることは明らかであるので、詳細な説明を省略する。実施形態1と比較して、第1のロックワッシャー30の外周縁部30c 、30c のカシメ位置がやや安定しない不利はあるが、実施形態1と略同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態(実施形態1)におけるタイロッドの取付け構造が適用されたセンターテイクオフ型パワーステアリング装置の正面断面図であって、一部を外面視して示す図である。
【図2】図1の要部拡大図である
【図3】図2において、左右一対のタイロッドの各内方端がT字状連結部材の脚部に連結される部分を外面視して示す図である。
【図4】図3のA方向から見た側面図であって、左右一対のタイロッドの各内方端がT字状連結部材の脚部に連結される部分のみをカバーを除去して示す図である。
【図5】左右一対のタイロッドの各内方端がT字状連結部材の脚部に連結される部分に使用されるボールジョイントの正面図である。
【図6】図5の右側面図である。
【図7】左右一対のタイロッドの各内方端がT字状連結部材の脚部に連結される部分に使用される第1のロックワッシャーの使用状態における正面図である。
【図8】図7の左側面図である。
【図9】T字状連結部材の両腕部がラックシャフトにボルト連結される部分の正面図である。
【図10】同部分に使用される第2のロックワッシャーの正面図である。
【符号の説明】
1…センターテイクオフ型油圧式パワーステアリング装置、2…入力軸、3…ギヤボックスハウジング、3a …ロータリーバルブ収容部分、3b …ラックシャフト収容部分、4…ラックシャフト(パワーピストンロッド)、4a …ラック、5…タイロッド、6…切欠き溝、7…ガイドシュー、8…T字状連結部材、8a …脚部、8b …腕部、9…ボルト、9a …頭部、10…カラー、11…ダストブーツ、12…ボールジョイント、12a …軸受体(ジョイント本体部)、12b …球体部、12c …カバー、13…パワーシリンダ、14…ピストン、15…ダストブーツ、16…ブーツガード、17…ボルト、18…ラックエンドプラグ、20、21…油室、24…段付き凹部、25…環状突壁、30…第1のロックワッシャー、30a …中央孔、30b …面、30c …左右外周縁部、31…段部、31a …面、32…雄ねじ、33…六角面、35…第2のロックワッシャー、35a …突起、35b …スリット、35c …弾発片部、36…シール部材。

Claims (6)

  1. センターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造において、
    左右一対のタイロッドの各内方端が、脚部と両腕部からなるT字状連結部材の脚部に揺動自在に連結され、
    前記T字状連結部材の両腕部が、ギヤボックスハウジングの長さ方向に沿って形成された切欠き溝内を摺動するガイドシューを左右一対のタイロッドと交差する方向に貫通するボルトにより、それぞれ、ギヤボックスハウジング内のラックシャフトに連結され
    前記ボルトの抜き方向が、左右一対の前記タイロッドの各内方端と交差するようにされ、
    前記左右一対のタイロッドの各内方端が、前記ガイドシューによりガイドされながら、前記ラックシャフトの左右動に応じて左右動するようにされたことを特徴とするセンターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造。
  2. 前記ガイドシューと前記T字状連結部材の両腕部との間に、ダストブーツの中央部が、前記ボルトにより貫通されて挟持され、
    前記ガイドシューと前記ボルトとの間および前記ダストブーツと前記ボルトとの間に、カラーが、前記ラックシャフトと前記ガイドシューと前記ダストブーツとに跨がって嵌装され、
    前記カラーの一端部が、前記ダストブーツから突出して前記T字状連結部材の腕部に当接するようにされたことを特徴とする請求項1記載のセンターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造。
  3. 前記左右一対のタイロッドの各内方端が前記T字状連結部材の脚部に揺動自在に連結される部分には、ボールジョイントが介設されており、
    前記ボールジョイントのジョイント本体部の軸受凹部に、前記左右一対のタイロッドの各内方端の球体部が離脱不能に挿入され、
    前記ボールジョイントのジョイント本体部が、第1のロックワッシャーを介して前記T字状連結部材の脚部にねじ連結され、
    前記ボールジョイントのジョイント本体部の前記ねじ連結用のねじが形成された側の端面には、平行な2面を有する段部が形成され、
    前記第1のロックワッシャーの中央部には、前記段部に嵌合する孔が形成され、
    前記第1のロックワッシャーの前記孔が、前記ボールジョイントのジョイント本体部の前記段部に嵌合させられて、前記第1のロックワッシャーが、前記ボールジョイントのジョイント本体部と前記T字状連結部材の脚部との間に介装され、
    前記第1のロックワッシャーの外周縁部が、前記T字状連結部材の脚部側にカシメられて、前記ボールジョイントのジョイント本体部の緩み止めがなされるようにされたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のセンターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造。
  4. 前記左右一対のタイロッドの各内方端が前記T字状連結部材の脚部に揺動自在に連結される部分には、ボールジョイントが介設されており、前記ボールジョイントのジョイント本体部の軸受凹部に、前記左右一対のタイロッドの各内方端の球体部が離脱不能に挿入され、
    前記ボールジョイントのジョイント本体部が、第1のロックワッシャーを介して前記T字状連結部材の脚部にねじ連結され、
    前記T字状連結部材の脚部の前記ねじ連結用のねじが形成された側の端面には、平行な2面を有する段部が形成され、
    前記第1のロックワッシャーの中央部には、前記段部に嵌合する孔が形成され、
    前記第1のロックワッシャーの前記孔が、前記T字状連結部材の脚部の前記段部に嵌合させられて、前記第1のロックワッシャーが、前記ボールジョイントのジョイント本体部と前記T字状連結部材の脚部との間に介装され、
    前記第1のロックワッシャーの外周縁部が、前記ボールジョイントのジョイント本体部側にカシメられて、前記ボールジョイントのジョイント本体部の緩み止めがなされるようにされたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のセンターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造。
  5. 前記T字状連結部材の両腕部が前記ガイドシューを貫通するボルトによりそれぞれラックシャフトに連結される部分には、前記T字状連結部材の両腕部のうちの少なくともいずれかの腕部と前記ボルトの頭部との間に、面方向に突起のある第2のロックワッシャーが介装され、
    前記第2のロックワッシャーの突起が、前記第2のロックワッシャーが回転したとき、前記T字状連結部材の脚部に当接することができるようにされたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか記載のセンターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造。
  6. 前記T字状連結部材の腕部と前記ボルトの頭部との間に、シール部材が介装され、
    前記第2のロックワッシャーが、前記シール部材と前記ボルトの頭部との間に介装されたことを特徴とする請求項5記載のセンターテイクオフ型パワーステアリング装置におけるタイロッドの取付け構造。
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