JP4179431B2 - ワーク把持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、旋盤などの工作機械で使用されるワーク把持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
旋盤の主軸の先端部には、ワークを把持するためのワーク把持装置(チャックと称することもある)が装着されている。ワーク把持装置には、主軸の回転軸線回りに等間隔に配置されると共に、半径方向に移動可能に保持された複数個の爪部材が備えられている。爪部材の数は、一般に3個又は4個である。
【0003】
ワーク把持装置では、ワークの着脱時に爪部材を半径方向に動かす必要がある。爪部材の移動をチャック回しと呼ばれるスパナなどの工具を用いて作業者が手動で行うように構成したワーク把持装置があるが、着脱作業に手数がかかるため、爪部材の移動を自動的に行うように構成したワーク把持装置が用いられている。
【0004】
例えば、工作機械の主軸に当該主軸と同軸にピストンロッドが移動するように油圧シリンダを配置し、てこの原理又は楔の原理を利用してピストンロッドの軸方向の動きを爪部材の半径方向の移動に変換するように構成したいわゆるてこ形又は楔形のワーク把持装置がある。また、爪部材の後端側に配置したスクロール板にうず巻状の案内部(例えば、溝部)を形成すると共に、爪部材の後端面に上記案内部に係合する係合部(例えば、突部)を形成し、スクロール板をモータで回転させて爪部材を半径方向に移動するように構成したいわゆるスクロール形のワーク把持装置もある。
【0005】
しかし、上記のワーク把持装置は、主軸を回転させるための駆動源に加えて爪部材を移動させるための駆動源を必要とするため、ワーク把持装置を含めた工作機械の構成が大型化すると共に、製品コストが上昇するという問題がある。
【0006】
そこで、主軸の回転駆動と爪部材の駆動とを同一の駆動源で行うことができるワーク把持及び主軸駆動装置が特開平8−19903号公報に開示されている。図4は、上記装置を説明するための断面図であり、(a)は上記装置が適用された旋盤の主軸台41の断面図であり、(b)は上記主軸台41に装着されるスクロールチャック40の断面図である。
【0007】
この装置では、チャック40を作動させて工作物をつかむために、油圧源42から加圧された油圧を電磁切換弁43からシリンダ44に導入し、ピストン45を駆動しクランプ歯46の歯間に位置決めピン47を挿入し主軸48を回転しないように固定する。このときのピストン45の動きは近接スイッチ49で検出される。近接スイッチ49でピストン45の動きを検出し、主軸48のクランプが確認されると、制御装置はモータ50に起動指令をして起動させ、出力軸51が回転されて歯車52が回転される。
【0008】
歯車52の回転により環状歯車53が回転される。環状歯車53が回転駆動されると、この内歯54がピニオン55を回転駆動することになる。ピニオン55とピニオン56は一体であるから、この回転により内歯57を回転駆動させる。内歯57の駆動によりスクロール板58を回転させ、スクロール板58の回転によりマスタージョー59を半径方向に駆動し、ソフトジョー60により工作物をクランプする。
【0009】
主軸48を回転駆動するときは、シリンダ44に油圧を導入しピントン45をアンクランプ状態にして主軸48を解放する。次にモータ50を起動し、工作物をクランプした時と同じ方向に回転させると、チャック40は工作物と共に回転し(従って主軸48も回転する)、刃物台による工作物の切削加工が可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一般的な旋盤においては、主軸の後端側にモータなどの駆動源を配置し、例えば複数個の歯車などから成る伝動機構を使用して後端側から動力を伝達して主軸を回転駆動させている。これに対し、上述したワーク把持及び主軸駆動装置においては、主軸48の側部にモータ50を配置し、環状歯車53などから成る伝動機構を使用して先端側から動力を伝達して主軸48を回転駆動させている。従って、既存の旋盤に上記ワーク把持及び主軸駆動装置を適用しようとすると、主軸台全体を変更しなければならず、製造コストの上昇を招くと共に、汎用性に劣るという問題がある。
【0011】
この発明は上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、既存の工作機械の主軸に装着して使用できるようにして汎用性を向上することができるワーク把持装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び効果】
そこで請求項1のワーク把持装置は、正逆転駆動可能な工作機械2の主軸3に同軸に取着される本体12と、上記主軸3の軸線3a回りに回転可能に上記本体12に取着されると共に、その先端部には上記軸線3a回りに等間隔で配置された複数個の爪部材19・19を半径方向に移動可能に保持する保持部材15と、この保持部材15の先端部よりも後端側に配置されると共に、上記本体12の回転に連動して上記軸線3a回りに回転するスクロール部材20とを備え、上記スクロール部材20には先端面に上記軸線3aを中心としたうず巻状の案内部22を形成する一方、上記爪部材19には上記スクロール部材20に対面する後端面に上記案内部22に係合される係合部23を形成し、さらに、上記保持部材15の回転を許容又は制限する回転制動手段29と、上記保持部材15と上記本体12とを連結又は分離する連結分離手段30とを備え、上記連結分離手段30は、上記連結分離手段30は、上記保持部材15に連結して一体的に構成された筒状部材16に、先端側に向かうにつれて外径が小さくなるようなテーパ構造をなす内周面16bを設けると共に、上記本体12、先端側に向かうにつれて外径が小さくなるようなテーパ構造をなす圧接面31a設け、内周面16bと圧接面31aの摩擦抵抗を利用して上記保持部材15と上記本体12とを連結又は分離する構成として成り、ワークWを把持するために上記爪部材19を移動させるときは、上記回転制動手段29で上記保持部材15の回転を制限すると共に、上記連結分離手段30で上記保持部材15と上記本体12とを分離した状態で上記主軸3の回転によって上記スクロール部材20を回転させる一方、把持したワークWを回転させるときは、上記回転制動手段29で上記保持部材15の回転を許容すると共に、上記連結分離手段30で上記保持部材15と上記本体12とを連結した状態で上記主軸3の回転によって上記本体12と共に上記保持部材15を回転させるように構成したこと特徴としている。
【0013】
上記請求項1のワーク把持装置では、ワークWを把持するために爪部材19を移動させるときは、保持部材15の回転を制限すると共に、保持部材15と本体12とを分離する。この状態では、主軸3を回転させると本体12は回転するが、保持部材15は回転しない。そして、スクロール部材20は本体12の回転に連動して回転する。スクロール部材20の案内部22には爪部材19の係合部23が係合しており、スクロール部材20が回転することによって案内部22に対する係合部23の係合位置が案内部22に沿って移動する。爪部材19は半径方向にのみ移動可能に保持されており、かつ案内部22は軸線3aを中心としたうず巻状に形成されているため、爪部材19はスクロール部材20の回転に従って半径方向に移動する。従って、ワークWを外つかみ態様で把持するときは、まず主軸3を特定方向に回転させて半径方向外方側に爪部材19を移動させる。それから、ワークWを保持部材15の先端部の中心付近に配置してから主軸3を逆方向に回転させて半径方向内方側、即ち中心に向かって爪部材19を移動させてワークWを把持する。一方、ワークWを内張り態様で把持するときは、爪部材19の向きを外つかみ態様のときとは逆にし、また動作も逆に行う。
【0014】
一方、把持したワークWを回転させるときは、保持部材15の回転を許容すると共に、保持部材15と本体12とを連結する。この状態では、主軸3を回転させると本体12が回転すると共に、本体12と一体となって保持部材15も回転する。従って、保持部材15に把持されたワークWも回転する。
【0015】
このように工作機械2が備える主軸3の回転力を利用して爪部材19を移動させるようにしたので、主軸3にワーク把持装置を装着するだけでワークWの把持及び回転が可能となる。従って、既存の工作機械2の主軸3に対しても容易に適用することができ、汎用性に優れたワーク把持装置を実現することができる。また、爪部材19を移動させるための専用の駆動源が不要であるので、簡単な構造で構成することができると共に、小型化を図ることも可能となる。さらに、スクロール部材20を大きくして案内部22の長さを延ばすことによって、爪部材19の移動距離が長くなるので、1種類の爪部材19で把持できるワークWの外径又は内径の範囲を拡大することができる。また、主軸3のトルクを制御することによって、爪部材19によるワークWの把持力を変更することができるので、最適な把持力でワークWを把持することができる。特に、薄肉筒状部品のように変形しやすいワークWであっても、把持力を制御することによって変形させることなく把持して精度の高い心出しを行うことができるので、工作機械2による加工精度を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、この発明のワーク把持装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態であるワーク把持装置1の側断面図であり、図2はワーク把持装置1の正面図であり、図3はワーク把持装置1を旋盤2に装着した状態を示す斜視図である。
【0021】
ワーク把持装置1は、図3に示すように、旋盤2の主軸3の先端部に装着して使用される。主軸3は、主軸台4に設置されており、図示しない駆動機構によって軸線3a回りに回転駆動される。また、主軸3は円筒状の部材であり、内部に連結棒6が挿通されると共に、基端側には回転シリンダ5が配置され、この回転シリンダ5と連結棒6とは連結されている。さらに、回転シリンダ5の後端部には回転継手7が取着されており、この回転継手7には油圧ホース8、8が接続されている。そして、図示しない油圧源からの作動油は切換弁9及び油圧ホース8、8を介して回転シリンダ5に供給される。回転シリンダ5は、切換弁9の操作レバー10の切換に応答して、連結棒6を先端側に前進又は後端側に後退させる。
【0022】
次に、図1を参照しながら、ワーク把持装置1の具体的な構成を説明する。ワーク把持装置1は、主軸3の先端に複数本の取付ボルト11によって同軸に取着される本体12を備える。この本体12には、当該本体12の軸線12a(主軸3の軸線3a)回りに回転可能となるようにベアリング13を用いて外筒14が取着されている。外筒14は、本体12の先端側に配置される保持部材15と、本体12の基端側に配置される筒状部材16とを、複数本の固定ボルト17によって連結して一体的に構成されている。
【0023】
保持部材15は、その先端部に複数個(本実施形態では3個)の溝部18、18、18を有する(図2参照)。各溝部18は、本体12の線線12aを中心として半径方向に延びると共に、その形成方向が等間隔(本実施形態では120°)となるように形成されている。そして、各溝部18には、それぞれ爪部材19が長手方向に沿って摺動可能となるように嵌合されている。従って、保持部材15は、その先端部に軸線12回りに等間隔で配置された3個の爪部材19を半径方向に移動可能に保持する。
【0024】
爪部材19は、溝部18に嵌合されるベースジョー19aとベースジョー19aの前端面に取付けボルト(図示せず)によって固定されるトップジョー19bとから成る。トップジョー19bは、半径方向内方側にワークWに当接させる複数個の当接面S1、S2を有する。当接面S1、S2は、本体12の軸線12aからの距離が互いに異なる位置に形成されている。従って、ワークWを把持するときは、ワークWの外径に対応させて爪部材19の半径方向での位置とワークWを当接させる当接面とを選択する。また、トップジョー19bを別の種類のもの、即ちベースジョー19aに固定したときに当接面の位置が異なるものに交換することによって、より大きな外径のワークW又はより小さな外径のワークWを把持することができる。
【0025】
また、保持部材15の先端部よりも後端側には、スクロール部材20がベアリング21によって本体12の先端部に軸線12a回りに回転可能に取着されている。このスクロール部材20は、その先端面に軸線12aを中心としてうず巻き状の案内部であるスクロール歯22を有している。一方、爪部材19のベースジョー19aには、スクロール部材20に対面する後端面にスクロール歯22に歯合される複数個のラック歯23・23が半径方向に沿って形成されている。従って、保持部材15を含む外筒14を固定した状態でスクロール部材20を回転させれば、爪部材19は半径方向に移動する。
【0026】
さらに、スクロール部材20と本体12との間には減速機24が介設されている。従って、スクロール部材20は、本体12の回転速度よりも遅い速度で本体12の回転に連動して回転する。本実施形態では、減速機24は、ハーモニックドライブ(登録商標)で構成されている。即ち、入力軸となるウェーブジェネレータ25は本体12に固定されており、また固定軸となるサーキュラスプライン26は外筒14に固定されており、そして出力軸となるフレクスプライン27はウェーブジェネレータ25とサーキュラスプライン26にそれぞれ歯合すると共に、取付けボルト28・28によってスクロール部材20の後端側に固定されている。従って、サーキュラスプライン26(外筒14)を固定した状態で、ウェーブジェネレータ25(本体12)を回転させれば、フレクスプライン27(スクロール部材20)はウェーブジェネレータ25よりも遅い速度で回転する。尚、サーキュラスプライン26は、保持部材15と筒状部材16との間に介在されて固定ボルト17で固定されている。
【0027】
また、旋盤2の上面2aであって、外筒14の筒状部材16の外周面に近接した位置には、外筒14の回転を許容又は制限する回転制動手段29が配置されている。回転制動手段29は、外筒回転止めピン29aと、この外筒回転止めピン29aを外筒14の外周面に向けて突出又は後退させるピン作動シリンダ29bとから成る。そして、筒状部材16の外周部には凹部16aが形成されており、この凹部16aに外筒回転止めピン29aを嵌入させれば外筒14の回転が制限され、一方、外筒回転止めピン29aを凹部16aから抜き取れば外筒14の回転は許容される。
【0028】
さらに、筒状部材16の内側には、外筒14と本体12とを連結又は分離する連結分離手段30が配置されている。連結分離手段30は、コーンブレーキ板31と、ブレーキ作動用連結部材32と、これらを連結するブレーキ板支持ピン33とから成る。コーンブレーキ板31は、本体12と筒状部材16との間に形成される収納空間34内に配置され、本体12を内挿すると共に、本体12に沿って移動可能に取着され、その外周面31aが外筒14(筒状部材16)に圧接される圧接面となり、この圧接面31aは先端側に向かうにつれて外径が小さくなるように傾斜している。また、ブレーキ作動用連結部材32は、主軸3の先端側であって、本体12と主軸3との間に形成される収納空間35内に配置されると共に、取付けボルト36によって連結棒6の先端部に固定される。
【0029】
そして、ブレーキ板支持ピン33、33は、収納空間34から収納空間35まで軸線12aと平行に延びて本体12を貫通して配置されており、収納空間35側の端部には取付けボルト38、38によってブレーキ作動用連結部材32が固定され、収納空間34側の端部には取付けボルト37、37によってコーンブレーキ板31が固定される。これによって、連結分離手段30は、連結棒6の前進又は後退に従って、先端側に前進し又は主軸3側に後退する。また、主軸3が回転するときは、連結分離手段30は本体12と一体的に回転する。
【0030】
一方、筒状部材16において、コーンブレーキ板31の圧接面31aに対向する内周面16bは、先端側に向かうにつれて内径が小さくなるように傾斜しており、圧接面31aとの間でテーパ構造を成している。従って、連結分離手段30を前進させてコーンブレーキ板31の圧接面31aを筒状部材16の内周面16bに圧接させた状態では、圧接面間での摩擦抵抗によって連結分離手段30と外筒14とは一体となって回転可能な状態である。そして、上記のように連結分離手段30は本体12と一体となって回転するため、本体12と外筒14とは一体となって回転する。また、連結分離手段30を後退させてコーンブレーキ板31の圧接面31aを筒状部材16の内周面16bから離反させた状態では、本体12と外筒14とは分離される。
【0031】
このようなワーク把持装置1の動作を説明する。まず、ワークWを把持するときは、主軸3を回転させてワーク把持装置1を回転させながら、回転制動手段29の外筒回転止めピン29aと筒状部材16の凹部16aとの位置合わせをした後に、外筒回転止めピン29aを凹部16aに嵌入して外筒14の回転を制限すると共に、連結分離手段30を主軸3側に後退させて外筒14を本体12から分離する。この状態では、主軸3を回転させると本体12は回転するが、外筒14は回転せず、またスクロール部材20は本体12の回転に連動して回転する。スクロール部材20のスクロール歯22には爪部材19のラック歯23が歯合しており、スクロール部材20が回転することによってスクロール歯22に対するラック歯23の歯合位置がスクロール歯22に沿って移動する。爪部材19は半径方向にのみ移動可能に外筒14に保持されており、かつスクロール歯22は本体12の軸線12aを中心としたうず巻状に形成されているため、爪部材19はスクロール部材20の回転に従って半径方向に移動する。
【0032】
従って、ワークWを把持するときは、まず主軸3を特定方向に回転させて半径方向外方側に爪部材19を移動させる。それから、ワークWを外筒14の先端部の中心付近に配置してから主軸3を逆方向に回転させて爪部材19を半径方向内方側、即ち中心に向かって移動させて、当接面S1又はS2をワークWの外周面に当接させてワークWを把持する。ワークWの外径が小さければ内側の当接面S1を使用し、外径が大きければ外側の当接面S2を使用すればよい。
【0033】
一方、把持したワークWを回転させるときは、回転制動手段29の外筒回転止めピン29aを筒状部材16の凹部16aから抜き取って外筒14の回転を許容すると共に、連結分離手段30を先端側に前進させて外筒14と本体12とを連結する。この状態では、主軸3を回転させると本体12が回転すると共に、本体12と一体となって外筒14も回転する。従って、外筒14に把持されたワークWも回転する。そして、図示しない切削工具によってワークWに所望の切削加工を施す。
【0034】
尚、本体12とスクロール部材20との間には、減速機24が介在しているが、この減速機24はハーモニックドライブで構成されており、そして本体12と外筒14とが一体となって回転するときは、固定軸となるサーキュラスプライン26は外筒14と一体となって回転し、またウェーブジェネレータ25は本体12と一体となって回転し、さらにその回転速度は同じである。そのため、減速機24は機能せず、スクロール部材20は外筒14と同じ速度で回転して爪部材19は移動しないので、ワークWが抜け落ちたり、ワークWに過大な把持力が作用したりすることはない。
【0035】
以上のように本実施の形態によれば、旋盤2が備える主軸3の回転力を利用して爪部材19を移動させるようにしたので、主軸3にワーク把持装置1を装着するだけでワークWの把持及び回転が可能となる。従って、既存の旋盤2の主軸3に対しても容易に適用することができ、汎用性に優れたワーク把持装置1を実現することができる。
【0036】
また、爪部材19を移動させるための専用の駆動源が不要であるので、簡単な構造で構成することができると共に、小型化を図ることが可能となる。
【0037】
さらに、スクロール部材20の外径を大きくしてスクロール歯22の長さを延ばすことによって、爪部材19の移動距離が長くなるので、1種類のトップジョー19aで把持できるワークWの外径の範囲を拡大することができる。これによって、ワークWの外径に対応させて予め準備しておくトップジョーの種類が減少し、コストの低減を図ることができる。また、トップジョーの交換作業を行う頻度が減少し、作業者の負担が軽減すると共に、作業効率の向上を図ることができる。
【0038】
また、主軸3のトルクを制御することによって爪部材19によるワークWの把持力を変更することができるので、最適な把持力でワークWを把持することができる。特に薄肉筒状部品のように変形しやすいワークWであっても、把持力を制御することによって変形させることなく把持して精度の高い心出しを行うことができるので、旋盤2による加工精度を向上させることができる。
【0039】
さらに、旋盤2が予め備えている回転シリンダ5を連結分離手段30の駆動源として利用するので、旋盤2側の改造等をほとんど行う必要がなく、低コストでワーク把持装置1を適用することができる。また、旋盤2側の回転シリンダ5を利用することによって、ワーク把持装置1の構成の簡素化、小型化及び軽量化を図ることができる。
【0040】
また、スクロール部材20を主軸3(本体12)の回転速度よりも遅い速度で回転させるようにしたので、旋盤2の主軸3の回転角の最小制御量よりも小さい制御量でスクロール部材20の回転角を制御できるので、爪部材19を移動させる際の位置決め精度を向上させることができる。これはワークWを把持するときに有効である。
【0041】
尚、減速機24に代えて、増速機を用いても良い。この場合は、本体12の回転速度よりも速い速度でスクロール部材20が回転するので、爪部材19を速く移動させることができる。これは、ワークWを取り外すときに有効である。
【0042】
本実施の形態は、ワークWを外つかみする態様を述べているが、ワークWを内張りする場合は、爪部材19(トップジョー)の向きを逆にし、動作を外つかみと逆動作とすることにより、内張りの態様となる。また外つかみと同様の効果が得られることは、云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるワーク把持装置の側断面図である。
【図2】上記ワーク把持装置の正面図である。
【図3】上記ワーク把持装置を旋盤に装着した状態を示す斜視図である。
【図4】従来の技術を示す断面図であり、(a)は旋盤の主軸台を示し、(b)はスクロールチャックを示す。
【符号の説明】
1 ワーク把持装置
2 旋盤
3 主軸
3a 軸線
5 回転シリンダ
6 連結棒
12 本体
12a 軸線
14 外筒
15 保持部材
16 筒状部材
16a 凹部
19 爪部材
20 スクロール部材
22 スクロール歯
23 ラック歯
24 減速機
25 ウェーブジェネレータ
26 サーキュラスプライン
27 フレクスプライン
29 回転制動手段
29a 外筒回転止めピン
29b ピン作動シリンダ
30 連結分離手段
31 コーンブレーキ板
32 ブレーキ作動用連結部材
33 ブレーキ板支持ピン
W ワーク

Claims (1)

  1. 正逆転駆動可能な工作機械(2)の主軸(3)に同軸に取着される本体(12)と、上記主軸(3)の軸線(3a)回りに回転可能に上記本体(12)に取着されると共に、その先端部には上記軸線(3a)回りに等間隔で配置された複数個の爪部材(19・19)を半径方向に移動可能に保持する保持部材(15)と、この保持部材(15)の先端部よりも後端側に配置されると共に、上記本体(12)の回転に連動して上記軸線(3a)回りに回転するスクロール部材(20)とを備え、上記スクロール部材(20)には先端面に上記軸線(3a)を中心としたうず巻状の案内部(22)を形成する一方、上記爪部材(19)には上記スクロール部材(20)に対面する後端面に上記案内部(22)に係合される係合部(23)を形成し、さらに、上記保持部材(15)の回転を許容又は制限する回転制動手段(29)と、上記保持部材(15)と上記本体(12)とを連結又は分離する連結分離手段(30)とを備え、上記連結分離手段(30)は、上記保持部材(15)に連結して一体的に構成された筒状部材(16)に、先端側に向かうにつれて外径が小さくなるようなテーパ構造をなす内周面(16b)を設けると共に、上記本体(12)に、先端側に向かうにつれて外径が小さくなるようなテーパ構造をなす圧接面(31a)を設け、内周面(16b)と圧接面(31a)の摩擦抵抗を利用して上記保持部材(15)と上記本体(12)とを連結又は分離する構成として成り、ワーク(W)を把持するために上記爪部材(19)を移動させるときは、上記回転制動手段(29)で上記保持部材(15)の回転を制限すると共に、上記連結分離手段(30)で上記保持部材(15)と上記本体(12)とを分離した状態で上記主軸(3)の回転によって上記スクロール部材(20)を回転させる一方、把持したワーク(W)を回転させるときは、上記回転制動手段(29)で上記保持部材(15)の回転を許容すると共に、上記連結分離手段(30)で上記保持部材(15)と上記本体(12)とを連結した状態で上記主軸(3)の回転によって上記本体(12)と共に上記保持部材(15)を回転させるように構成したことを特徴とするワーク把持装置。
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