JP4178495B2 - 耐熱性感光性樹脂組成物及びパターンの製造法並びに電子部品 - Google Patents

耐熱性感光性樹脂組成物及びパターンの製造法並びに電子部品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等として有用な耐熱性感光性樹脂組成物、これを用いたパターンの製造法及び電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
感光性樹脂組成物は、UVインキ、印刷用刷版、また近年はレーザーを用いたホログラム、ドライフィルム、半導体の微細加工用のレジストなど幅広い産業分野で用いられている。
これらの感光性樹脂組成物は、一般的に樹脂と橋架け剤、さらに光重合開始剤から形成される。従ってこの感光性樹脂組成物の硬化膜物性は樹脂によって、光像形成能は橋架け剤と光重合開始剤によって決定されることになる。すなわち、造形性に用いる光源、樹脂構造、橋架け剤の種類、その他使用する条件によって適切な光重合開始剤を選択しなくてはならない。
【0003】
例えば、半導体保護膜として感光性ポリイミド前駆体等の耐熱材料の加工には、半導体の製造ラインに用いられているステッパと呼ばれる縮小投影露光機が用いられている。これまでステッパとしては、超高圧水銀灯のg−lineと呼ばれる可視光(波長:435nm)を使ったg線ステッパが主流であったが、さらに加工ルール微細化の要求に対応するため、i線ステッパ(波長:365nm)に移行しつつある。
【0004】
しかしながら、これらの感光性ポリイミド前駆体は耐熱性、機械特性に優れる芳香族系モノマに基本骨格を用いており、そのポリイミド前駆体自体の吸収のため、紫外領域での透光性が低く、i線(波長:365nm)での透過率は非常に低くなる。従って、露光部における光化学反応を充分に行うことができず、低感度であったり、パターンの形状が悪化するという問題が見られた。
【0005】
さらに半導体素子の高密度実装方式であるLOC(リードオンチップ)に対応して表面保護用ポリイミド膜はさらに厚膜であることが求められているため、透過性が底部に行くほど悪くなり、問題はさらに深刻になる。したがってi線ステッパーによる照度が非常に低くなる底部においても充分な感度を有し、良好なパターン形状の得られる感光性樹脂組成物が強く求められている。
【0006】
このような感光性樹脂組成物の高感度な光開始剤として、1−フェニル−1、2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどのオキシムエステル化合物、さらに2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール(o−Cl−HABI)が用いられてきた。しかしながらオキシムエステル化合物は一般に熱安定性が充分でなく、o−Cl−HABIは半導体プロセスにおいてClイオンの遊離が問題となっていた。さらにどちらの開始剤も感度として現状では、不充分であった。またテトラエチルアンモニウムテトラフェニルボレートなどのボレート化合物やジフェニルヨードニウムトリフレートなどのオニウム塩も開始剤として知られているが、i線における感度が低いこと、および感光性樹脂組成物に配合したときの化合物の安定性に欠けるため開始剤として満足できるものでなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来のものに比べて高感度であり、優れた感光特性を有し、低露光量でも形状に優れる良好なパターンが得られる耐熱性感光性樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は従来のものに比べて高感度であり、優れた感光特性を有し、低露光量でも形状に優れる良好なパターンが得られるパターンの製造法を提供するものである。
さらに本発明は、前記パターンを有することにより、信頼性に優れる電子部品を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(I)で示されるビススルホニウムボレート化合物及び熱分解温度が300℃以上の耐熱性樹脂を含有してなる耐熱性感光性樹脂組成物に関する
【化4】
Figure 0004178495
(式中、個々のXは独立に炭素原子数1〜12のアルキル基、水酸基で置換された前記アルキル基又はハロゲン原子であり、R1、R2、R3及びR4は、各々独立に炭素原子数1〜12のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、置換フェニル基又は置換ベンジル基である
【0009】
また本発明は、前記ビススルホニウムボレート化合物が、一般式(II)
【化5】
Figure 0004178495
で示される化合物(式中、個々のXは独立に炭素原子数1〜12のアルキル基、水酸基で置換された前記アルキル基又はハロゲン原子である)である耐熱性感光性樹脂組成物に関する。
【0010】
また本発明は、前記ビススルホニウムボレート化合物が、一般式(III)
【化6】
Figure 0004178495
で示される化合物(式中、個々のXは独立に炭素原子数1〜12のアルキル基、水酸基で置換された前記アルキル基又はハロゲン原子である)である耐熱性感光性樹脂組成物に関する。
【0011】
また本発明は、前記耐熱性樹脂が、ポリイミド前駆体である耐熱性感光性樹脂組成物に関する。
また本発明は、前記ポリイミド前駆体が、炭素炭素不飽和二重結合を有するものである耐熱性感光性樹脂組成物に関する。
【0012】
また本発明は、前記の何れかに記載の耐熱性感光性樹脂組成物を用いて被膜を形成する工程、該被膜に所定のパターンのマスクを介して光を照射する工程、及び該光照射後の被膜を有機溶媒又は塩基性水溶液を用いて現像する工程を含むパターンの製造法に関する。
さらに本発明は、前記の製造法により得られるパターンを膜として有してなる電子部品に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明では、光重合開始剤としてビススルホニウムボレート化合物を用いる。これは、従来から知られていたオニウムカチオンとボレートアニオンを組み合わせることにより得られるものである。
このビススルホニウムボレート化合物としては、前記一般式(I)で示されるビススルホニウムボレート化合物が感度が高く好ましいものとしてあげられ、中でも、前記一般式(II)及び前記一般式(III)のものが特に好ましいものとしてあげられる。
【0014】
一般式(I)で表わされるビススルホニウムボレート化合物における個々のXとしては、独立に、炭素原子数1〜12のアルキル基、水酸基で置換された前記アルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子である。また、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、置換フェニル基、置換ベンジル基である。前記アルキル基としては炭素数1〜12の直鎖状または分岐状アルキル基を例示でき、さらに具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデニル基、ドデニル基等を例示することができる。置換フェニル基および置換ベンジル基は、これら置換基のフェニル環上の任意の1つまたは複数の位置が炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状アルキル基や炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状アルキルオキシ基、炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状アルキルアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、フッ素原子、塩素原子あるいは臭素原子等で置換されているものが挙げられる。
【0015】
前記ビススルホニウムボレート化合物の製造方法に特に制限はなく、例えば、酸性条件下(例えば、メタンスルホン酸存在下、五酸化リンを触媒として)に、ジアリールスルホキシド2当量に、ジフェニルスルフィド1当量を反応させ、その溶液に相当するテトラアリールボレートのナトリウム塩の水溶液を滴下することにより得ることができる。この方法によれば、1ポットによる合成も可能である。
【0016】
本発明においては、耐熱性樹脂が用いられる。耐熱性樹脂としては、一般に、熱分解温度が300℃以上のものであることが好ましく、具体的な樹脂の種類としては、ポリイミド、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミド酸アミドなど)、ポリオキサゾール、ポリオキサゾール前駆体(ポリヒドロキシアミド)、ポリアミド、ポリアミドイミドなどが挙げられるが、半導体装置の保護膜又は絶縁膜として良好な特性を示す、ポリイミド前駆体であることが好ましい。
【0017】
中でも良好な感光性を示す、光重合可能な炭素−炭素二重結合を有するポリイミド前駆体を用いることが好ましい。
光重合可能な炭素−炭素二重結合を有するポリイミド前駆体としては、光重合可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物がポリアミド酸の側鎖に共有結合した構造を有するポリアミド酸不飽和エステル又はポリアミド酸不飽和アミド、ポリアミド酸に炭素−炭素二重結合を有するアミン化合物を混合して、カルボキシル基とアミノ基のイオン結合により炭素−炭素二重結合を導入したイオン結合型ポリイミド前駆体などが挙げられる。炭素−炭素不飽和二重結合は、アクリロイル基又はメタクリロイル基の形で含まれることが好ましい。
【0018】
これらの中で、本発明で使用するビススルホニウムボレート化合物と組み合わせ用いることにより優れた感度と現像時間の短縮が図れることから、下記一般式(IV)で示される繰り返し単位を有するポリアミド酸不飽和エステルが好ましいものとして挙げられる。
【化7】
Figure 0004178495
(式中、R5は4価の有機基、R6は2価、3価または4価の有機基、R7は炭素−炭素二重結合を有する1価の有機基、Aは酸性を示す1価の基、mは2、nは0、1または2である)
【0019】
一般式(IV)で示される繰り返し単位において、R5で示される4価の有機基は、通常、ジアミンと反応してポリイミド前駆体を形成することができるテトラカルボン酸又はその誘導体の残基であり、硬化して得られるポリイミド膜の機械特性、耐熱性及び接着性の観点から、炭素数4以上の4価の有機基であることが好ましい。炭素数4以上の4価の有機基の中では、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環等)を含む総炭素数6〜30の有機基であることがより好ましい。また、テトラカルボン酸の4つのカルボキシル基の結合部位は、芳香環のオルト位又はペリ位に存在する2つの結合部位を1組として、その2組からなることが好ましい。なお、1分子のポリアミド酸エステル中、複数存在する前記繰り返し単位において、全てのR は、同じであってもよく異なっていてもよい。
【0020】
一般式(IV)において、nが1または2であるものは、塩基性水溶液に対する溶解性に優れる点で好ましい。Aで示される酸性を示す基としては、スルホン酸基(−SO3H)、スルフィン酸基(−SO2H)、カルボキシル基(−COOH)及びフェノール性水酸基のいずれかとすることが良好な可溶性を示すので好ましく、カルボキシル基及びフェノール性水酸基が、ポリイミド前駆体の合成が容易なのでより好ましく、特にカルボキシル基が好ましい。なお、1分子のポリアミド酸エステル中、複数存在する前記繰り返し単位において、全てのAは、同じであってもよく異なっていてもよい。
また、nが0である場合において、塩基性水溶液に対する溶解性を付与するためには、前記一般式(IV)の繰り返し単位以外に、前記一般式(IV)で示される繰り返し単位のR7が水素原子の単位を有すること、すなわちポリアミド酸の部分エステルであることが好ましい。
【0021】
一般式(IV)において、酸性を示す基Aの結合している基R6は、通常、テトラカルボン酸又はその誘導体と反応してポリイミド前駆体を形成できるジアミン残基であり、硬化して得られるポリイミド膜の機械特性、耐熱性及び接着性の観点から、芳香族環を含む有機基であることが好ましく、硬化して得られるポリイミド膜の機械特性、耐熱性及び接着性の観点から、芳香族環を含む総炭素数6〜30の有機基であることがより好ましい。なお、ポリイミド前駆体分子中、複数存在する前記繰り返し単位において、全てのR7は、同じであってもよく異なっていてもよい。
【0022】
前記一般式(IV)において、R7で示される炭素−炭素二重結合を有する基としては、下記一般式(V)
【化8】
Figure 0004178495
(但し、R8、R9及びR10は、各々独立に、水素、アルキル基、フェニル基、ビニル基及びプロペニル基から選択された基であり、R11は2価の有機基を示す)で表される有機基が高感度の感光性を付与できるため好ましい。前記アルキル基としては炭素原子数1〜4のものが挙げられる。また、R11で示される2価の有機基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素原子数1〜20のアルキレン基が挙げられる。
【0023】
これらの中で、メタクリロイルオキシアルキル基及びアクリロイルオキシアルキル基(アルキルの炭素数が1〜20のもの)は、高い感度を実現するのみならず、合成も容易であるため本発明に好適である。
前記ポリアミド酸エステルは、前記一般式(IV)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。
【0024】
本発明のポリイミド前駆体において、一般式(IV)で示される繰り返し単位の割合としては、nが1または2である場合は全繰り返し単位中のモル百分率で、10〜100モル%であることが、塩基性水溶液での現像性及び良好なパターン形状のバランスに優れるので好ましく、80〜100モル%であることがより好ましい。この調整は、材料として使用するテトラカルボン酸二無水物、ジアミン、炭素−炭素二重結合含有化合物の種類と量により調整することが可能である。
【0025】
また、nが0である場合は、一般式(IV)で示される繰り返し単位の割合としては、10〜100モル%であることが、パターン形状に優れるので好ましく、30〜100モル%であることがより好ましい。塩基性水溶液での現像性を与えるためには、それ以外の単位、例えば、ポリアミド酸又はそのカルボキシル基の一方がエステルの繰り返し単位が、15〜50モル%であることが好ましい。
【0026】
前記ポリアミド酸エステルは、テトラカルボン酸二無水物と不飽和基を有するヒドロキシ基含有化合物を混合して反応させ、テトラカルボン酸のハーフエステルを製造した後、塩化チオニルにより酸クロリド化し、ついで、ジアミンと反応させる方法や、前記テトラカルボン酸ハーフエステルをカルボジイミド類を縮合剤としてジアミンと反応させる酸クロライド法、カルボジイミド縮合剤を用いる方法、イソイミド法等により合成することができる。
【0027】
前記テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、オキシジフタル酸、ピロメリット酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、スルホニルジフタル酸、m−ターフェニル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸、p−ターフェニル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス {4′−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス{4′−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン、下記一般式(VI)
【化9】
Figure 0004178495
(式中、R12及びR13は、各々独立に一価の炭化水素基(好ましくは炭素原子数1〜10のアルキル基又はフェニル基)を示し、sは1以上(好ましくは1〜30)の整数である)
で表されるテトラカルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸の二無水物が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0028】
また、一般式(IV)で示される繰り返し単位におけるジアミン残基(R6−(A)n)のうちnが1又は2のものを与えるジアミンとしては、3,5−ジアミノ安息香酸、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジアミノビフェニル、3,4−ジアミノ安息香酸、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,3−ジアミノ−4−ヒドロキシピリジン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,4−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノ安息香酸、3−カルボキシ−4,4′−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3′−ジカルボキシ−4,4′−ジアミノジフェニルエ−テル、3−カルボキシ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジカルボキシ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジカルボキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′,5,5′−テトラカルボキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3−カルボキシ−4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジカルボキシ−4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−カルボキシ−4−アミノフェニル)プロパン等が挙げられる。
【0029】
一般式(IV)で示される繰り返し単位において、nが0のジアミン残基を与えるジアミンとしては、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)ジアミノジフェニルメタン、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)ジアミノジフェニルスルフィド、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、o−トリジン,o−トリジンスルホン、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジイソプロピルアニリン)、2,4−ジアミノメシチレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4′−ベンゾフェノンジアミン、ビス−{4−(4′−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス{4−(4′−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ビス{4−(3′−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0030】
その他、ジアミン残基としては接着性向上のために、下記一般式(VII)
【化10】
Figure 0004178495
(式中、R14及びR15は二価の炭化水素基(好ましくは炭素原子数1〜10のアルキレン基)を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R16及びR17は一価の炭化水素基(好ましくは炭素原子数1〜10のアルキル基又はフェニル基)を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、tは1以上の整数である)
で表されるジアミノポリシロキサン等のジアミンを使用することもできる。
14及びR15としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基、それらの結合基などが挙げられ、R16及びR17としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基などが挙げられる。これらを用いる場合、全アミン成分に対して、1〜30モル%用いることが好ましい。
【0031】
また、ジアミンとして、耐熱性向上のために、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−4−スルホンアミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3′−スルホンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル−4−スルホンアミド、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3−カルボキサミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−4−カルボキサミド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3′−カルボキサミド、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル−4−カルボキサミド等のスルホンアミド基又はカルボキサミド基を有するジアミン化合物を使用することもできる。これらを用いる場合、全アミン成分に対して、1〜30モル%用いることが好ましい。
これらの、ジアミンは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0032】
本発明において、ポリイミド前駆体(A)の分子量としては、イミド化後の硬化膜特性の点から、重量平均分子量で、10,000〜200,000が好ましく、20,000〜80,000がより好ましい。分子量が10,000未満であると、機械強度が劣る傾向にあり、200,000を超えると現像性が劣る傾向がある。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)で測定し、ポリスチレン換算で算出することができる。
【0033】
本発明の耐熱性感光性樹脂組成物において、前記ビススルホニウムボレート化合物の含有量は、耐熱性樹脂100重量部に対して、0.1〜15重量部とすることが好ましく、0.1〜10重量部とすることがより好ましく、0.5〜10重量部とすることがさらに好ましい。
【0034】
また本発明の耐熱性感光性樹脂組成物において、さらに常圧において100℃以上の沸点を有する付加重合性化合物を含むことが好ましく、これは、前記耐熱性樹脂100重量部に対して5〜50重量部の割合で使用することが好ましい。
【0035】
これらの具体的な例としては、多価アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とを縮合して得られる化合物、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(ジアクリレートまたはジメタクリレートの意味、以下同じ)、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(1,2−プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、トリ(1,2−プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、テトラ(1,2−プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等を挙げることができ、さらに、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0036】
さらに本発明においては、アミンなどの水素供与体を加えることにより、さらに高感度化することが可能となる。水素供与体として特に好ましい化合物としては、アリールグリシン系化合物およびメルカプト化合物が挙げられる。
【0037】
アリールグリシン系化合物としては、N−フェニルグリシン(NPG)、N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−(p−ブロモフェニル)グリシン、N−(p−シアノフェニル)グリシン、N−(p−メチルフェニル)グリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−(p−ブロモフェニル)−N−メチルグリシン、N−(p−クロロフェニル)−N−エチルグリシン等が挙げられる。これらの含有量は、耐熱性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部とすることが好ましく、0.5〜6.0重量部にすることがより好ましい。
【0038】
またメルカプト化合物としては、メルカプトベンゾキサゾール、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンゾイミダゾール、2、5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾ−ル、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール等が挙げられる。これらの含有量は、耐熱性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部とすることが好ましく、0.5〜6.0重量部にすることがより好ましい。
【0039】
本発明の耐熱性感光性樹脂組成物においては、必要に応じて増感剤を含有してもよい。増感剤としては、例えば7−N,N−ジエチルアミノクマリン、7−ジエチルアミノ−3−テノニルクマリン、3,3′−カルボニルビス(7−N,Nージエチルアミノ)クマリン、3,3′−カルボニルビス(7−N,Nージメトキシ)クマリン、3−チエニルカルボニル−7−N,Nージエチルアミノクマリン、3−ベンゾイルクマリン、3−ベンゾイル−7−N,Nーメトキシクマリン、3−(4′−メトキシベンゾイル)クマリン、3,3′−カルボニルビス−5,7−(ジメトキシ)クマリン、ベンザルアセトフェノン、4′−N,Nージメチルアミノベンザルアセトフェノン、4′−アセトアミノベンザル−4−メトキシアセトフェノン、ジメチルアミノベンゾフェノン、ジエチルアミノベンゾフェノン(EAB)、4,4′−ビス(N−エチル,N−メチル)ベンゾフェノン (MEAB)等が挙げられる。これらの含有量は、それぞれの365nmにおけるモル吸光係数と分子量によって異なるが、一般に、耐熱性樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部とすることが好ましい。本発明の感光性樹脂組成物は他の添加物、例えば、可塑剤、接着促進剤等の添加物を含有しても良い。
【0040】
本発明の耐熱性感光性樹脂組成物は、一般に有機溶剤を用いて希釈され粘度を調整することができる。有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、トルエン、クロロホルム、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンタノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、Nーアセチルー2ーピロリドン、N−ベンジル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、スルホラン、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、Nーアセチル−ε−カプロラクタム、ジメチルイミダゾリジノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等が好適な例として挙げられる。これらは単独で用いても良いし、混合系として用いることも可能である。その使用量に特に制限はないが、一般に組成物の総量に対して10〜90重量%であることが好ましい。
【0041】
本発明の感光性組成物は他の添加物、例えば、可塑剤、接着促進剤等の添加物を含有しても良い。
【0042】
本発明のパターン製造法は、本発明の感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィ技術により該組成物の硬化物からなる樹脂膜を形成するものである。
耐熱性感光性樹脂組成物からなる被膜は、例えば、耐熱性感光性樹脂組成物のワニスの膜を形成した後、これを乾燥させることにより形成される。ワニスの膜の形成は、ワニスの粘度などに応じて、スピンナを用いた回転塗布、浸漬、噴霧印刷、スクリーン印刷などの手段から適宜選択された手段により行うことができる。なお、被膜の膜厚は、塗布条件、本組成物の固形分濃度等によって調節できる。また、あらかじめ支持体上に形成した被膜を支持体から剥離して耐熱性感光性樹脂組成物からなるシートを形成しておき、このシートを上記支持基板の表面に貼り付けることにより、上述の被膜を形成してもよい。
【0043】
つぎに、この被膜に、所定のパターンのフォトマスクを介して光(通常は紫外線を用いる)を照射した後、有機溶剤または塩基性水溶液により未露光部を溶解除去して、所望のレリーフパターンを得ることができる。照射する光は、紫外線、電子線等を用いることができるが、本発明の組成物は特に365nmのi線を単色光として照射するi線露光(例えば装置としてi線ステッパを用いる)に好適である。現像に用いる溶液としては、有機溶媒、塩基性水溶液等を用いることができるが、耐環境性等の面から、塩基性水溶液が好ましいものとして挙げられる。
【0044】
有機溶媒としては、γ−ブチロラクトン、シクロペンタノン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、これらの混合溶液などが挙げられる。
塩基性水溶液は、通常、塩基性化合物を水に溶解した溶液である。塩基性化合物の濃度は、通常0.1〜50重量%とするが、支持基板等への影響などから好ましく、0.1〜30重量%とすることがより好ましい。なお、ポリイミド前駆体の溶解性を改善するため、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の水溶性有機溶媒を、さらに含有していてもよい。
【0045】
上記塩基性化合物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムイオンの、水酸化物または炭酸塩や、アミン化合物などが挙げられ、具体的には、2−ジメチルアミノエタノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、4−ジメチルアミノ−1−ブタノール、5−ジメチルアミノ−1−ペンタノール、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノール、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−ジメチルアミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノール、2−ジエチルアミノエタノール、3−ジエチルアミノ−1−プロパノール、2−ジイソプロピルアミノエタノール、2−ジ−n−ブチルアミノエタノール、N,N−ジベンジル−2−アミノエタノール、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エタノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、1−ジエチルアミノ−2−プロパノール、N−メチルジエタノ−ルアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−アミノブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、アミノメタノール、2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、2−アミノプロパノール、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミンなどを用いることが好ましいが、水に可溶であり、水溶液が塩基性を呈するものであれば、これら以外の化合物を用いても構わない。
【0046】
ポリイミド前駆体を含む感光性樹脂組成物を用いる場合、得られたレリーフパターンは、好ましくは150℃〜450℃の範囲から選ばれた温度で加熱処理することにより、ポリイミドからなるパターンとすることができる。このパターンは、高解像度であり、また、耐熱性が高く、機械特性に優れる。
【0047】
本発明の耐熱性感光性樹脂組成物は、半導体装置や多層配線板等の電子部品に使用することができ、具体的には、半導体装置の表面保護膜(バッファーコート膜、パッシベーション膜、α線遮蔽膜など)や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等の形成に好適である。
【0048】
本発明の電子部品は、前記組成物を用いて形成される表面保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
【0049】
以下に、電子部品として半導体装置の製造工程の一例を説明する。
図1は多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。図において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層が形成されている。前記半導体基板上にスピンコート法等で層間絶縁膜としてのポリイミド樹脂等の膜4が形成される(工程(a))。
【0050】
次に塩化ゴム系、フェノールノボラック系等の感光性樹脂層5が前記層間絶縁膜4上にスピンコート法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられている(工程(b))。
前記窓6Aの層間絶縁膜4は、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、窓6Bがあけられている。ついで窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光樹脂層5が完全に除去される(工程 (c))。
【0051】
さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完全に行われる(工程(d))。
3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成することができる。
【0052】
次に表面保護膜8が形成される。この図の例では、この表面保護膜を前記耐熱性感光性樹脂組成物をスピンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形成するパターンを描いたマスク上から光を照射した後、現像液にて現像してパターンを形成する。前記耐熱性感光性樹脂組成物がポリイミド前駆体を含む場合、加熱してポリイミド膜とする。このポリイミド膜は、導体層を外部からの応力、α線などから保護するものであり、得られる半導体装置は信頼性に優れる。
なお、上記例において、層間絶縁膜を本発明の耐熱性感光性樹脂組成物を用いて形成することも可能であり、これによりレジスト塗布及びエッチング工程を省略することができる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例および参考例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0054】
合成例−1 ビススルホニウム・ボレート化合物の調製
(1)トリフェニルベンジルボレート・ナトリウム塩の合成
トリフルオロボロン−ジエチルエーテル錯体(4.02g、0.0282モル)のジエチルエーテル(10ml)溶液を氷浴で冷却しつつ、フェニルリチウムの0.86Nシクロヘキサン−ジエチルエーテル溶液(100ml、0.086モル)を滴下した。滴下終了後、室温下で2時間、さらに40℃で2時間かくはんした。減圧下溶媒を留去し、テトラヒドロフラン(10ml)を加えることにより溶媒を変換後、ベンジルマグネシウムクロリドの1.25Nジエチルエーテル溶液(30ml、0.0375モル)を氷温下で滴下した。滴下終了後、室温下で2時間かくはんし、水酸化ナトリウムの13%水溶液(230ml)を加えた。反応溶液に飽和食塩水(300ml)を加え、有機層を分離し、水層をテトラヒドロフラン(50ml)で抽出した。有機層を合わせて、減圧下乾燥した後、飽和食塩水 (130ml)を加え、酢酸エチル(30ml×5)で抽出した。有機層を減圧下濃縮することにより、白色固体の目的物を8.28g(収率75.0%)で得た。
【0055】
(2)ビススルホニウム・テトラフェニルボレート(S−1)の合成
メタンスルホン酸31.71g(0.33モル)、五酸化リン3.41g(0.024モル)を仕込み、70℃に加熱し、3時間撹拌して得られた均一溶液を室温まで冷却した。この溶液中に4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド7.86g(0.033モル)、ジフェニルスルフィド3.07g(0.0165モル)を仕込み、室温で5時間撹拌した。この反応混合物を撹拌しながら3重量%テトラフェニルボレート・ナトリウム水溶液380ml(0.0333モル)に少しずつ滴下し、室温で3時間撹拌した。析出した固体をろ別、乾燥し、次いでイソプロパノールに加熱(70℃)溶解し、0℃まで冷却し、次いでろ別、乾燥後、白色固体の目的物を14.18g(0.0112モル)得た。
【0056】
【化11】
Figure 0004178495
【0057】
なお、生成物の同定を次の手法により行い、目的物の生成を確認した。
Figure 0004178495
〔赤外吸収スペクトル〕(添付の図2)
νB−C=705cm-1、735cm-1
〔FD−MS〕 m/z=629
【0058】
(3)ビススルホニウム・トリフェニルベンジルボレート(S−2)の合成
メタンスルホン酸24.70g(0.16モル)、五酸化リン1.56g(0.011モル)を仕込み、70℃に加熱し、3時間撹拌して得られた均一溶液を室温まで冷却した。この溶液中に4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド3.81g(0.016モル)、ジフェニルスルフィド1.49g(0.008モル)を仕込み、室温で5時間撹拌した。この反応混合物を水300mlに少しずつ滴下し、次いで(1)で得られたトリフェニルベンジルボレート・ナトリウム塩5.70g(0.016モル)を仕込み、室温で3時間撹拌した。析出した固体をろ別、乾燥し、次いでイソプロパノールに加熱(70℃)溶解し、0℃まで冷却し、次いでろ別、乾燥後、白色固体の目的物を6.73g(0.0052モル)得た。
【0059】
【化12】
Figure 0004178495
【0060】
なお、生成物の同定を次の手法により行い、目的物の生成を確認した。
Figure 0004178495
〔赤外吸収スペクトル〕(添付の図3)
νB−C=705cm-1、735cm-1
〔FD−MS〕 m/z=629
【0061】
合成例−2 ポリイミド前駆体の合成
(1)酸クロライドの合成
200mlの四つ口フラスコに、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)9.42g(0.032モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)8.32g(0.064モル)、ピリジン5.06g(0.064モル)、t−ブチルカテコール0.03g、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)70mlを入れ、60℃で攪拌すると、2時間で透明な溶液になった。この溶液を室温でその後7時間攪拌した後、フラスコを氷で冷却し、塩化チオニル9.88g(0.083モル)を10分で滴下した。その後室温で1時間攪拌し、酸クロライドを含む溶液を得た。
【0062】
(2)ポリイミド前駆体(ポリアミド酸エステル)の合成
別の200mlの四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸4.72g(0.031モル)、ピリジン5.06g(0.064モル)、t−ブチルカテコール0.03g、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)50mlを入れフラスコを氷で冷却し攪拌しながら(10℃以下を保って)、上記で得た酸クロライド溶液を1時間でゆっくりと滴下した。その後室温で1時間攪拌し、1リットルの水へ投入して、析出したポリマを濾取して水で2度洗い、真空乾燥したところ、ポリアミド酸エステルが22g得られた。このポリアミド酸エステルの重量平均分子量をGPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィー)で測定したところ、ポリスチレン換算で44,000であった。
【0063】
実施例−1、2、3
(1)ポリイミド前駆体組成物の調製1
前記ポリイミド前駆体樹脂10gをγーブチロラクトン(13.8g)に溶解し、テトラエチレングリコールジアクリレート(2.0g)及び表1に示す感光剤を配合した後、3μm孔のフィルタを用いて加圧濾過して、溶液状の感光性樹脂組成物を得た。
【0064】
【表1】
Figure 0004178495
【0065】
表1の量は、感光性ポリイミド前駆体100重量部、架橋剤(テトラエチレングリコールジアクリレート)20重量部に対しての光開始剤の配合(重量部)。
S−1:ビススルホニウム・テトラフェニルボレート、
S−2:ビススルホニウム・トリフェニルベンジルボレート、
PDO:1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、
EMK:4,4′−ビスジエチルアミノミヒラーケトン、
NPG:N−フェニルグリシン
【0066】
(2)パターンの形成
(1)で調製した感光性樹脂組成物を、シリコンウエハ上に回転塗布し、ホットプレート上85℃で100秒、さらに95℃で100秒加熱して12μm厚の塗膜を得た。この塗膜をi線ステッパにより50(mJ/cm2)ステップで50〜850(mJ/cm2)露光を行った。その際マスクパターンには、解像性評価のための開口パターンを用いて評価した。その後水酸化テトラメチルアンモニウム2.38重量%水溶液で現像を行い、水でリンスした。
現像後のパターンの膜厚と形状を測定、観察した。パターン形成に必要な露光量、感度(mJ/cm2)およびそのときの解像度(μm)を表2に示した。
【0067】
【表2】
Figure 0004178495
【0068】
(3)ポリイミド膜の形成
上記(2)で得られた実施例−3のパターンを用いて、窒素雰囲気下で、100℃で30分間、200℃で30分間、350℃で60分間加熱し、ポリイミドパターンを得た。得られたポリイミドパターンの膜厚は9.0μmであり、良好なポリイミドパターンが得られた。
【0069】
【発明の効果】
本発明の耐熱性感光性樹脂組成物は、従来のものに比べて高感度であり、優れた感光特性を有し、低露光量でも形状に優れる良好なパターンが得られるものである。特にi線単色による露光に好適である。
また、本発明のパターンの製造法によれば、従来のものに比べて高感度であり、優れた感光特性を有し、低露光量でも形状に優れる良好なパターンが得られる。
さらに本発明の電子部品は、前記パターンを有することにより、信頼性に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。
【図2】本発明のビススルホニウムボレート化合物の赤外吸収スペクトルである。
【図3】本発明のビススルホニウムボレート化合物の赤外吸収スペクトルである。
【符号の説明】
1…半導体基板
2…保護膜
3…第1導体層
4…層間絶縁膜層
5…感光樹脂層
6A、6B、6C…窓
7…第2導体層
8…表面保護膜層

Claims (7)

  1. 一般式(I)で示されるビススルホニウムボレート化合物及び熱分解温度が300℃以上の耐熱性樹脂を含有してなる耐熱性感光性樹脂組成物。
    Figure 0004178495
    (式中、個々のXは独立に炭素原子数1〜12のアルキル基、水酸基で置換された前記アルキル基又はハロゲン原子であり、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は、各々独立に炭素原子数1〜12のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、置換フェニル基又は置換ベンジル基である)
  2. 一般式(I)で示されるビススルホニウムボレート化合物が、一般式(II)
    Figure 0004178495
    で示される化合物である請求項1記載の耐熱性感光性樹脂組成物。
    (式中、個々のXは独立に炭素原子数1〜12のアルキル基、水酸基で置換された前記アルキル基又はハロゲン原子である)
  3. 一般式(I)で示されるビススルホニウムボレート化合物が、一般式(III)
    Figure 0004178495
    で示される化合物である請求項1記載の耐熱性感光性樹脂組成物。
    (式中、個々のXは独立に炭素原子数1〜12のアルキル基、水酸基で置換された前記アルキル基又はハロゲン原子である)
  4. 耐熱性樹脂が、ポリイミド前駆体である請求項1、2又記載の耐熱性感光性樹脂組成物。
  5. ポリイミド前駆体が、炭素炭素不飽和二重結合を有するものである請求項記載の耐熱性感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜の何れかに記載の耐熱性感光性樹脂組成物を用いて被膜を形成する工程、該被膜に所定のパターンのマスクを介して光を照射する工程、及び該光照射後の被膜を有機溶媒又は塩基性水溶液を用いて現像する工程を含むパターンの製造法。
  7. 請求項記載の製造法により得られるパターンを膜として有してなる電子部品。
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