JP4177683B2 - スクライブ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平板形状のワークに刻線を形成するためのスクライブ装置およびスクライブシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
最も原始的なスクライブ装置は、ホルダと、このホルダの下端に回転可能に設けられたディスク形状をなすカッタとを有している。カッタの周縁は尖っている。このスクライブ装置では、カッタをワークの表面に押し付けた状態でホルダを移動させることにより、カッタの周縁でワーク表面に刻線を形成するようになっている。
【0003】
上記装置では、カッタからワークに強い押圧荷重が付与されるため、ワークの刻線の近傍が破損し易く、きれいな刻線を形成することができなかった。そこで、本出願人は特開平9−278473号のスクライブ装置を開発した。この装置は、ボデイと、ボデイに一端が連結された板ばね(弾性体)と、ボデイに設けられ板ばねに振動エネルギーを供給するピエゾアクチュエータと、板ばねの他端に固定されたスクライブ工具とを有している。この装置では、板ばねを弾性変形させた状態でスクライブ工具をワークに押し付けている。この押し付け状態でボデイをワークに沿って移動させながら、ピエゾアクチュエータを駆動させると、ピエゾアクチュエータの振動エネルギーが板ばねを介してスクライブ工具に伝達される。これにより、スクライブ工具は、ワーク面に沿って移動しながらワークをたたくことになり、ワークに連続した垂直クラックを発生させることができ、ひいては刻線を形成することができる。
【0004】
上記装置では、板ばねは、その先端でスクライブ工具を保持する役割と、スクライブ工具にワークへの押圧荷重を付与する役割と、ピエゾアクチュエータからの振動をスクライブ工具に伝達する役割を担っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記装置では、板ばねの役割が多いので、シリコンウエハーや、半導体化合物等の脆性材料からなる薄いワークをスクライブするのには適していない。すなわち、板ばねは、スクライブ工具を保持する役割と振動を伝達する役割をも担うので、ばね定数を大きくする必要がある。そのため、例えば薄いワークにとっては過大な押圧荷重が付与されてしまうことがある。また、スクライブ工具のワークの微小凹凸に対する追随性が悪く、押圧荷重の変動が大きい。さらに、ピエゾアクチュエータの振動が板ばねを介してスクライブ工具に伝達されるため、振動の伝達を安定して行えない。その結果、この装置では薄いワークにきれいな刻線を形成できない。
【0006】
また、本出願人は、特開2001−48562号公報に開示されたスクライブ装置も開発している。このスクライブ装置は、ボデイ,ホルダ,ピエゾアクチュエータ等を含む大きな質量をスライド機構で案内し、磁石で浮かすとともに弾性的に支持する構成となっている。しかし、この装置では、大きな質量でワークを叩くため、ワークへの衝撃が過大になってしまう。また、大きな質量を保持するため磁石のばね定数が大きくなってしまい、ワークの微小凹凸に対する追随性が悪く、押圧荷重の変動が大きい。その結果、これら装置でも薄いワークにきれいな刻線を形成できない。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のスクライブ装置は、(a)ボデイと、(b)ボデイに回転可能に支持されたホルダと、(c)ホルダの一端部に設けられたスクライブ工具と、
(d)ホルダの一端部に設けられ、スクライブ工具に振動エネルギーを供給する振動発生部材と、(e)一端部がホルダに固定された板ばねと、(f)ボデイに、板ばね方向への突出量を調節可能にして設けられ、板ばねを押して撓ませることにより板ばねに弾性力を生じさせ、これによりホルダに回動力を付与し、ひいてはスクライブ工具にワークに向かう押圧荷重を付与する押圧部材と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
上記構成では、板ばねは、スクライブ工具にワークへの押圧荷重を付与する役割だけを担い、スクライブ工具を保持する役割や、振動を伝達する役割を担わない。そのため、板ばねのばね定数を小さくすることが可能となり、押圧荷重を小さくすることが可能となる。またスクライブ工具はワーク面の微小の凹凸に追随することができ、押圧荷重の変動を小さくできる。さらに、振動発生部材からの振動を板ばねを介さずにホルダからスクライブ工具に安定して伝達できる。さらにまた、比較的小さな質量をもって衝撃荷重をワークに付与できる。その結果、ワークが薄い場合でもきれいな刻線を形成することができる。
さらに、押圧部材の突出量を調節することにより、板ばねの弾性力を調節でき、ひいてはスクライブ工具のワークへの押圧荷重を調節することができるので、ワークの厚さや材質等に応じた最適のスクライブを行うことができる。
また、板ばねを用いることにより、スクライブ工具への押圧荷重を一層安定して供給でき、スクライブ工具をワーク面の微小の凹凸に確実に追随することができる。
【0012】
好ましくは、上記ホルダは、上記ボデイに回転可能に支持される第1ホルダ部分と、この第1ホルダ部分の一端部に支持される第2ホルダ部分とを有し、上記板ばねの一端部は上記第1ホルダ部分に固定され、上記スクライブ工具は上記第2ホルダ部分に取り付けられており、上記第1ホルダ部分と第2ホルダ部分には互いに対峙する受部がそれぞれ設けられ、これら受部間に上記振動発生部材が設けられ、この振動発生部材の振動エネルギーを第2ホルダ部分を介して上記スクライブ工具に供給する。
【0013】
上記構成によれば、振動発生部材は、第1、第2のホルダの受部間に配置されているので、いかなる状況下でも板ばねの弾性力とスクライブ工具のワークへの押圧荷重との関係に影響を与えず、所望の押圧荷重が確実に得られる。
【0014】
好ましくは、上記第2ホルダ部分が上記第1ホルダ部分に回転可能に支持され、上記スクライブ工具が上記第2ホルダ部分の一端部に取り付けられており、上記第1ホルダ部分には予圧部材が設けられ、この予圧部材は、上記第2ホルダ部分の第1ホルダ部分に対する回転の中心から見て、上記振動発生部材の反対側に配置され、上記第2ホルダ部分に回動力を付与することにより上記振動発生部材に圧縮力となる予圧を付与する。これにより、振動発生部材は安定して第2ホルダ部分およびスクライブ工具に振動エネルギーを付与することができる。
【0015】
本発明装置において好ましくは、上記押圧部材が、先端部の突出量を調節可能な調節ねじにより構成され、この調節ねじの先端部が上記弾性体に当たる。この構成によれば、調節ねじの先端部の突出量を調節することにより、弾性体の弾性力を調節でき、ひいてはスクライブ工具のワークへの押圧荷重を調節することができるので、ワークの厚さや材質等に応じた最適のスクライブを行うことができる。
【0016】
さらに好ましくは、上記ホルダには当接部が設けられ、この当接部は、上記ホルダのボデイに対する回転の中心から見て、上記スクライブ工具の反対側に配置され、上記ボデイには、この当接部からの荷重を検出する荷重検出部材が設けられている。この構成によれば、荷重検出部材が当接部から受ける荷重を検出することによって、上記スクライブ工具のワークへの押圧荷重を正確に予想して調節できる。
【0017】
好ましくは、上記ホルダのボデイに対する回転の中心を基準にして、上記ホルダを含む回転系の一方側の質量とその重心の回転中心からの距離との積が、他方側の質量とその重心の回転中心からの距離との積と、ほぼ等しい。この構成により、スクライブ工具のワークへの押圧荷重に対するホルダの影響を無くすことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態をなすスクライブシステムについて、図1,図2を参照しながら説明する。スクライブシステムは、スクライブ装置1と、ワークWを載せる水平で平坦な保持面2aを有するテーブル2と、スクライブ装置1を移動させる移動機構3とを備えている。
【0020】
概略的に説明すると、上記スクライブ装置1は、ボデイ10と、このボデイ10に回転可能に支持されたホルダ20と、ホルダ20に取り付けられたスクライブ工具30と、ホルダ20に振動エネルギーを供給するピエゾアクチュエータ40(振動発生部材)と、ホルダ20に取り付けられた板ばね50(弾性体)と、板ばね50の弾性力を調節する調節ねじ60(押圧部材)と、を備えている。
【0021】
以下、スクライブ装置1を、水平X軸(保持面2aと平行をなし、図1において左右方向に延びる軸)と、水平Y軸(X軸と直交し、保持面2aと平行をなす軸)と、垂直Z軸(保持面2aと直交する軸)を参照しながら、詳細に説明する。上記ボデイ10は、X軸方向に延びて上記保持面2aと平行をなす水平基板部11と、この基板部11の中間位置の下面に設けられた支持部12とを有している。図2に示すように、この支持部12はY軸方向に延び、その両端に一対の軸受13を有している。また、基板部11の右端部の下面には、ロードセル15(荷重検出部材)が設けられており、左端部の上面には板ばね16(補助弾性部材)が設けられている。この板ばね16は、左方向に水平に延びて下方に直角に折られ、さらに右方向に直角に折られている。この板ばね16の下側の水平部16aが、上記ピエゾアクチュエータ40のための受部となっている。
【0022】
上記ホルダ20は、X軸方向に延びる第1部21と、Y軸方向に延びる第2部22とを有して十字形をなしている。これら第1部21,第2部22は下方が開放されるようにして中空をなしており、さらに第1部21には、図示しない孔を多数形成して軽量化を図っている。
【0023】
上記ホルダ20の第2部22の両端部には、Y軸方向に延びるシャフト23(回転軸)が貫通し、図示しないねじ等で固定されている。シャフト23の両端部は尖っていて第2部22から突出しており、上記軸受13に回転可能に支持されている。その結果、ホルダ20はシャフト23を回転中心として、ボデイ10に回転可能に支持されている。
【0024】
上記ホルダ20の右端部にはねじ25が取り付けられており、このねじ25の頭部が前述したロードセル15への当接部25aとなっている。
上記ホルダ20の左端部の上面には、受板26(ホルダ20の受部)が掛け渡されている。上記ピエゾアクチュエータ40は、その下端が受板26に固定されその上端が前述したボデイ10に取り付けられた板ばね16の下側水平部16aに固定されている。
【0025】
上記ホルダ20の左端部には保持機構35が設けられており、この保持機構35に上記スクライブ工具30が保持されている。スクライブ工具30は、棒形状をなしその下端が尖っている。このスクライブ工具30の尖端にはダイヤモンド粒が取り付けられている。保持機構35は、ワークWの材料に応じてスクライブ工具30の傾斜角度を調節できるようになっている。
【0026】
上記ホルダ20の下面には、上記シャフト23(回転中心)から右方に離れた位置において、X軸方向に細長い板ばね50の右端部がねじ55により固定されている。他方、ボデイ10には調節ねじ60(押圧部材)が設けられており、この調節ねじ60の下端部65(先端部)は、ホルダ20の第1部21においてシャフト23から左方に離れた位置に形成された孔21aを貫通し、ホルダ20の下面から突出して板ばね50に当たり、この板ばね50を押圧して撓ませることができるようになっている。上記説明から明かなように、板ばね50の固定点と押圧点はホルダ20の回転中心から見て反対側に位置している。
【0027】
調節ねじ60の操作リング61を回わすことにより、下端部65のホルダ20の下面からの突出量を調節することができる。下端部65の突出量がゼロの状態では、板ばね50は撓み量がゼロで第1部21の下面に接しており、下端部65の突出量が増大するにしたがって板ばね50の撓みが大きくなる。
【0028】
上記板ばね16は、後述するようにピエゾアクチュエータ40の振動がホルダ20に伝達されるように、十分にばね定数が大きい。板ばね50は、板ばね16に比べてばね定数が小さい。
本実施形態では、上記ホルダ20を含む回転系において、ホルダ20の回転中心より左側の部位(スクライブ工具30,保持機構35等の付属部材を含む)の質量Wとその重心の回転中心からの距離Dとの積W×Dは、回転中心より右側の部位(ねじ25,55等の付属部材を含む)の質量Wとその重心の回転中心からの距離Dとの積W×Dと、ほぼ等しくなっている。
【0029】
なお、ホルダ20はシャフト23を中心に回動可能であるが、この回動領域は微小である。すなわち、ピエゾアクチュエータ40と板ばね16でホルダ20の左端部がボデイ10に連結されているため、ホルダ20の大きな回動は禁じられている。
【0030】
次に、上記構成をなすスクライブシステムの作用を説明する。スクライブ装置1がワークWから離れている状態では、ホルダ20の左端部がピエゾアクチュエータ40および板ばね16を介してボデイ10の左端部に連結されているため、ホルダ20は静止状態を維持されている。下端部65の突出量がゼロで、板ばね50の撓みがゼロである状態では、ロードセル15の検出荷重は初期値(例えばゼロ)である。
【0031】
調節ねじ60の下端部65をホルダ20の下面から突出させると、板ばね50が撓み、突出量が増大するにしたがって板ばね50の撓みが大きくなる。撓んだ板ばね50の弾性力により、ホルダ20には図1において反時計回り方向の回転力が付与される。この状態では、板ばね16とロードセル15でホルダ20を受け止め、荷重を負担する。したがって、ロードセル15は、撓んだ板ばね50の弾性力に対応する荷重を検出することになる。作業者は、このロードセル15の検出荷重を見ながら調節ねじ60の下端部65の突出量を調節し、板ばね50の弾性力を調節する。
【0032】
次に、ボデイ10に連結された移動機構3を駆動させてスクライブ装置1を下降させ、スクライブ工具30の尖端をワークWの縁から外れた位置で、ワークWの上面より微小量(例えば数ミクロン)低い位置に配置させる。この状態で、スクライブ装置1を右方向(スクライブ工具30の傾斜方向)に移動させてスクライブ工具30の尖端をワークWの上面に乗り上げさせる。この乗り上げ状態では、スクライブ工具30は、板ばね50の弾性力に起因した押圧荷重で、ワークWを押圧する。上記スクライブ工具30がワークWに乗り上げる前と後では、スクライブ工具30のボデイ10に対する変位量が微少であるので、板ばね16の歪みは殆どなく、そのため、上記スクライブ工具30の押圧荷重は、この板ばね16の弾性力の影響を受けない。なお、上記スクライブ工具30の尖端がワークWに食い込む場合には、上記スクライブ工具30のボデイ10に対する変位量はより小さくなる。
【0033】
上述した状態で、移動機構3を駆動させてスクライブ装置1を右方向(スクライブ工具30の傾斜方向)に移動させながら、ピエゾアクチュエータ40を駆動させて振動を発生させると、この振動はホルダ20を介してスクライブ工具30に伝達される。その結果、スクライブ工具30がワークWを微小間隔をおいて叩き、連続した垂直クラックすなわちスクライブ線を形成する。
【0034】
上記板ばね50は、スクライブ工具30を保持する役割を担わず、ピエゾアクチュエータ40の振動を伝達する役割をも担わず、スクライブ工具30に押圧荷重を付与する役割だけを担う。そのため、上記板ばね50のばね定数を小さくすることができ、前述したシリコンウェハーや化合物半導体等の薄いワークWをスクライブする場合には、上記スクライブ工具30のワークWへの押圧荷重を小さくすることが容易である。また、板ばね50のばね定数を小さく設定することができるので、ワークWの表面の微小の凹凸に対してスクライブ工具30が追随し飛び跳ねが無く、押圧荷重の変動を抑制できる。さらに、ワークWへの衝撃の際、ボデイ10の質量が作用せず、ホルダ20およびこのホルダ20に取り付けられたスクライブ工具30等の付属物の質量が作用するだけであり、しかもこのホルダ20を軽量にすることにより、1回の衝撃荷重を小さくすることができる。さらにまた、ホルダ20を含む回転系は、回転中心の左右のバランスがとれているので、ホルダ20の自重がスクライブ工具30のワークWへの押圧荷重に影響を与えることもない。その結果、安定したスクライブを行うことができ、ワークWが薄くてもきれいな刻線を描くことができる。
【0035】
移動機構3は、スクライブ装置1を90°回転させてY軸方向にも同様の刻線を形成することができる。この際、上記と同様にスクライブ装置1をワークWの面に沿ってスクライブ工具30の傾斜方向に移動させる。
【0036】
次に、本発明の第2の実施形態をなすスクライブシステムについて図3、図4を参照しながら説明する。第2実施形態において、第1実施形態に対応する構成部には、図中同番号を付してその詳細な説明を省略する。また、テーブル2,移動機構3については、第1実施形態と同様なので図示を省略する。図3では、ボデイ10の基板部11を省略し、支持部12のみを示す。
【0037】
第2実施形態のスクライブ装置1’では、第1実施形態のホルダ20の代わりに、互いに別部材をなす第1ホルダ部分20Aと第2ホルダ部分20Bを備えたホルダ20’を用いる。第1実施形態のホルダ20と同様に、第1ホルダ部分20Aはシャフト23によりボデイ10に回動可能に支持されている。第1ホルダ部分20Aの平板部には、この回転中心より右側に板ばね50が取り付けられるとともに、右端部にはロードセル15への当接部となるねじ25が取り付けられている。さらに第1ホルダ部分20Aの平板部には、上記回転中心より左側に、調節ねじ60の先端部が貫通する孔21aが形成されている。
【0038】
上記第2ホルダ部分20Bは、上部が開口した箱形状をなしており、上記第1ホルダ部分20Aに回動可能に支持されている。詳述すると、第1ホルダ部分20Aの左端部の両側壁には一対の軸受24が設けられており、これら軸受24に上記シャフト23と平行をなすシャフト27(回転軸)が回転可能に支持されている。このシャフト27は、第2ホルダ部分20Bの両側壁を貫通し、この両側壁に固定されている。
【0039】
上記第2ホルダ部分20Bの左端部にスクライブ工具30が取り付けられている。上記第2ホルダ部分20Bの回転中心(シャフト27)とスクライブ工具30との間の位置には、ピエゾアクチュエータ40が配置されている。詳述すると、第2ホルダ部分20Bの底壁には凹部28(第2ホルダ部分の受部)が形成されており、この凹部28にピエゾアクチュエータ40の下端部が嵌っている。第1ホルダ部分20Aの平板部の左端部にはねじ29(第1ホルダ部分の受部)が垂直にねじ込まれており、このねじ29の下端がピエゾアクチュエータ40の上端に当たるようになっている。
【0040】
上記第2ホルダ部分20Bの回転中心(シャフト27)から見て、ピエゾアクチュエータ27の反対側、すなわちシャフト23,27間には、予圧機構70が配置されている。この予圧機構70は、第1ホルダ部分20Aの平板部に垂直にねじこまれた予圧ねじ71(予圧部材)と、この予圧ねじ71の下端と第2ホルダ部分20Bの後壁の上面との間に介在された皿ばね72(弾性部材)とを備えている。
【0041】
上記予圧ねじ71をねじ込むことにより、皿ばね72を介して第2ホルダ部分20Bに図3中時計回り方向の回動力が生じ、第2ホルダ部分20Bがピエゾアクチュエータ40を第1ホルダ部分20Aのねじ29に押し付ける。これにより、ピエゾアクチュエータ40に予圧が付与される。その結果、ピエゾアクチュエータ40は安定した振動を出力することができる。予圧ねじ71のねじ込み量を調節することにより、上記予圧を調節することができる。皿ばね72を介在させることにより、ピエゾアクチュエータ40への予圧を微調整できるが、この皿ばね72は無くてもよい。また、皿ばね72の代わりに弾性部材として鋼球を用いてもよい。鋼球でも数ミクロンの弾性変形が可能である。
【0042】
本実施形態では、上記第1ホルダ部分20A,第2ホルダ部分20Bを含む回転系において、第1ホルダ部分20Aの回転中心より左側の部位(スクライブ工具30,保持機構35等の付属部材を含む)の質量とその重心の回転中心からの距離との積は、回転中心より右側の部位(ねじ25,55等の付属部材を含む)の質量とその重心の回転中心からの距離との積と、ほぼ等しくなっている。
【0043】
上記構成のスクライブ装置1’の作用を説明する。スクライブ装置1’がワークから離れている状態では、第1ホルダ部分20A,第2ホルダ部分20Bを含む回転系は板ばね50の弾性力により反時計方向に回動力を付与されており、これをロードセル15で受け止めているため、静止状態を維持されている。
【0044】
次に、移動機構を駆動させてスクライブ装置1’を下降させ、スクライブ工具30の尖端をワークの縁から外れた位置で、ワークの上面より微小量(例えば数ミクロン)低い位置に配置させる。この状態で、スクライブ装置1’を移動させてスクライブ工具30の尖端をワークWの上面に乗り上げさせる。この乗り上げ状態では、スクライブ工具30は、板ばね50の弾性力に起因した押圧荷重で、ワークWを押圧する。上記スクライブ工具30がワークWに乗り上げる前と後では、スクライブ工具30がボデイ10に対して変位し、これに応じて板ばね50の弾性力が若干増大するが、板ばね50の弾性力のみに起因した押圧荷重をスクライブ工具30に付与することができる。ロードセル15で検出した荷重に、上記変位に対応した板ばね50の弾性力の増大分を勘定に入れることにより、正確に押圧荷重を算出することができる。なお、この増大分は微小であるので無視してもよい。
【0045】
上述した状態で、移動機構3を駆動させてスクライブ装置1を右方向(スクライブ工具30の傾斜方向)に移動させながら、ピエゾアクチュエータ40を駆動させて振動を発生させると、この振動は第2ホルダ部分20Bを介してスクライブ工具30に伝達される。その結果、スクライブ工具30がワークWを微小間隔をおいて叩き、連続した垂直クラックすなわちスクライブ線を形成する。上記振動は、第1ホルダ部分20A方向へも伝達されるが、第1ホルダ部分20Aの質量が第2ホルダ部分20Bより大きいため、その伝達量は小さい。
上記スクライブ装置1’の他の作用は、第1実施形態のスクライブ装置1と同様であるので、説明を省略する。
【0046】
本発明は上記実施形態に制約されず、種々の形態を採用可能である。例えば、第1実施形態のホルダ20または第2実施形態の第1ホルダ部分20Aには、その長手方向に沿って複数のねじ穴を形成しておき、ワークWの材質や厚さに応じて板ばね50の固定点を変え、これによりばね定数を変えるようにしてもよい。第1実施形態のボデイおよびホルダの形状はこの実施形態に制約されず、例えば水平部と起立部を有してL字形にし、ボデイの起立部にロードセルを設け、ホルダの起立部に当接部を設けてもよい。第2実施形態のボデイおよび第1ホルダ部分についても同様である。
第1実施形態において、板ばね16およびピエゾアクチュエータをホルダの回転中心に近づけてもよい。この場合、板ばね16は省略することも可能である。
移動機構は、テーブルをボデイに対して移動させるようにしてもよい。
本発明のスクライブ装置は、比較的厚いワークに用いることもできる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ワークが薄い場合でもきれいな刻線を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態をなすスクライブ装置を含むスクライブシステムの縦断面図である。
【図2】同スクライブ装置の図1中II−II矢視断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態をなすスクライブ装置の縦断面図である。
【図4】同スクライブ装置の図3中IV−IV矢視断面図である。
【符号の説明】
1、1’ スクライブ装置
2 テーブル
2a 保持面
3 移動機構
10 ボデイ
15 ロードセル(荷重検出部材)
16 板ばね(補助弾性部材)
16a 板ばねの下側水平部(受部)
20,20’ ホルダ
20A 第1ホルダ部分
20B 第2ホルダ部分
23 シャフト(ホルダの回転中心,第1ホルダ部分の回転中心)
27 シャフト(第2ホルダ部分の回転中心)
28 凹部(第2ホルダ部分の受部)
29 ねじ(第1ホルダ部分の受部)
30 スクライブ工具
40 ピエゾアクチュエータ(振動発生部材)
50 板ばね
60 調節ねじ(押圧部材)
65 調節ねじの下端部(先端部)
70 予圧機構
71 予圧ねじ(予圧部材)

Claims (7)

  1. (a)ボデイと、
    (b)ボデイに回転可能に支持されたホルダと、
    (c)ホルダの一端部に設けられたスクライブ工具と、
    (d)ホルダの一端部に設けられ、スクライブ工具に振動エネルギーを供給する振動発生部材と、
    (e)一端部がホルダに固定された板ばねと、
    (f)ボデイに、板ばね方向への突出量を調節可能にして設けられ、板ばねを押して撓ませることにより板ばねに弾性力を生じさせ、これによりホルダに回動力を付与し、ひいてはスクライブ工具にワークに向かう押圧荷重を付与する押圧部材と、
    を備えたことを特徴とするスクライブ装置。
  2. 上記ホルダは、上記ボデイに回転可能に支持される第1ホルダ部分と、この第1ホルダ部分の一端部に支持される第2ホルダ部分とを有し、上記板ばねの一端部は上記第1ホルダ部分に固定され、上記スクライブ工具は上記第2ホルダ部分に取り付けられており、上記第1ホルダ部分と第2ホルダ部分には互いに対峙する受部がそれぞれ設けられ、これら受部間に上記振動発生部材が設けられ、この振動発生部材の振動エネルギーを第2ホルダ部分を介して上記スクライブ工具に供給することを特徴とする請求項1に記載のスクライブ装置。
  3. 上記第2ホルダ部分が上記第1ホルダ部分に回転可能に支持され、上記スクライブ工具が上記第2ホルダ部分の一端部に取り付けられており、上記第1ホルダ部分には予圧部材が設けられ、この予圧部材は、上記第2ホルダ部分の第1ホルダ部分に対する回転の中心から見て、上記振動発生部材の反対側に配置され、上記第2ホルダ部分に回動力を付与することにより上記振動発生部材に圧縮力となる予圧を付与することを特徴とする請求項に記載のスクライブ装置。
  4. 上記押圧部材が、先端部の突出量を調節可能な調節ねじにより構成され、この調節ねじの先端部が上記板ばねに当たることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスクライブ装置。
  5. 上記板ばねが、上記ホルダにおいて、上記ボデイの調節ねじ取付け部の反対側を向く面に固定され、上記調節ねじが上記ホルダに形成された孔を貫通して上記板ばねに当たることを特徴とする請求項4に記載のスクライブ装置。
  6. 上記ホルダには当接部が設けられ、この当接部は、上記ホルダのボデイに対する回転の中心から見て、上記スクライブ工具の反対側に配置され、上記ボデイには、この当接部からの荷重を検出する荷重検出部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスクライブ装置。
  7. 上記ホルダのボデイに対する回転の中心を基準にして、上記ホルダを含む回転系の一方側の質量とその重心の回転中心からの距離との積が、他方側の質量とその重心の回転中心からの距離との積と、ほぼ等しいことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスクライブ装置。
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