JP4176936B2 - 端子台 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、照明器具等に用いる電源端子台等の端子台に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来例（例えば実開平２−８７３８０号）の電源端子台を図８から図９に示す。５０、５０′は端子、５１は収納凹部５２を有するボディ、５３はそのうちの一対の収納凹部５２間を仕切る絶縁壁、５４はボディ５１に被さるカバーである。
【０００３】
端子５０は速結端子部５５と、圧接および速結用端子部５６からなり、速結端子部５５は電線を受ける側片５７と、電線に食い込む鎖錠片５８と、電線を押圧する押圧片５９を有する。
【０００４】
カバー５４に速結端子部５５および端子５０′用に電線挿入孔６０および解錠穴６１を形成し、圧接および速結用端子部５６用に圧接用電線挿通溝６２および電線挿通孔６３を形成し、ボディ５１に電線挿通孔６３と整合する電線挿入孔６４を形成している。
【０００５】
速結端子部５５では、電線を側片５７と鎖錠片５８との間に挿入すると、鎖錠片５８が電線を側片５７に押付けながら抜止め係止し、押圧片５９が電線を側片５７に押圧接触する。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、絶縁壁５３では端子５０の異極間の沿面距離を十分に確保できない。
【０００７】
そこで、ボディ５１の異極の端子５０間に形成している絶縁壁５３の両面に縦に複数の絶縁リブ６５を収納凹部５２の開口側に位置した鎖錠片５８よりも高く形成し、鎖錠片５８および押圧片５９に当接させて沿面距離を長くすることが考えられた。
【０００８】
しかしながら、電線挿入孔６０や解錠穴６１より水滴が浸入した場合に異極間の沿面距離が十分でなく、まだ短くてトラッキング現象が生じやすくなる。
【０００９】
したがって、この発明の目的は、沿面距離をより一層長くし異極間における耐トラッキング性能を向上することができる端子台を提供することである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載の端子台は、電線を受ける側片を有しこの側片に前記電線を押付けて抜止め係止する鎖錠片を有し前記鎖錠片に係止された前記電線の先端側を前記側片に押圧する押圧片を有する一対の速結端子と、この一対の速結端子を前記電線の挿入方向に収納させる収納凹部を絶縁壁を介して並設したボディと、このボディに取付けられて前記速結端子を被覆するものであって前記鎖錠片と前記側片との間に対向する電線挿入孔を有するカバーとを備え、前記絶縁壁の前記電線の挿入方向の上端が前記鎖錠片よりも高く、前記絶縁壁の両面に前記電線の挿入方向に延びて上端が前記鎖錠片よりも低く前記押圧片よりも高い位置にある絶縁リブを設け、前記絶縁リブが前記押圧片の側縁に当接し、かつ前記鎖錠片の側縁に当接しないで前記鎖錠片と絶縁壁との間にスペースを形成するものである。
【００１１】
請求項１記載の端子台によれば、水滴の浸入しやすいカバーの電線挿入孔に近い異極端子間に絶縁壁と鎖錠片を離間させるスペースを設けたので、沿面距離をより一層長くでき異極間における耐トラッキング性が向上する。電線鎖錠片と絶縁リブの間にスペースを設けたため、絶縁リブが電線挿入時の鎖錠片の動作を阻害せず、電線の挿入性が安定する。またボディが樹脂の場合絶縁リブの削れ等も生じない。また端子の組立挿入時にスペースを挿入ガイドとして利用することができるので組立性が向上する。
【００１２】
請求項２記載の端子台は、請求項１において、前記絶縁壁の両面の絶縁リブは非対称に形成されているものである。
【００１３】
請求項２記載の端子台によれば、請求項１と同様な効果のほか、絶縁リブが千鳥配置となるのでより一層沿面距離を長くできる。
【００１４】
請求項３記載の端子台は、請求項１または請求項２において、前記速結端子は、前記絶縁壁と平行な平板部を有し、前記側片が前記平板部の両側に半筒状に折曲され、前記鎖錠片が前記平板部の端部中央に片持支持されて前記平板部と前記絶縁壁の間に位置し前記側片に向けて傾斜して前記側片に対向し、前記押圧片が前記平板部の前記絶縁壁側に設けられているものである。
【００１５】
請求項３記載の端子台によれば、請求項１または請求項２と同様な効果がある。
【００１６】
請求項４記載の端子台は、請求項３において、前記鎖錠片は解錠片を有し、前記解錠片を操作するための解錠穴を前記カバーに有するものである。
【００１７】
請求項４記載の端子台によれば、請求項３と同様な効果がある。
【００１８】
請求項５記載の端子台は、請求項１において、前記押圧片が前記平板部にかしめ取り付けまたは一体形成されているものである。
【００１９】
請求項５記載の端子台によれば、請求項１と同様な効果がある。
【００２０】
【発明の実施の形態】
この発明の第１の実施の形態を図１から図６により説明する。すなわち、この電源端子台は、一対の速結端子１、２と、ボディ３と、カバー４とを有する。
【００２１】
一対の速結端子１、２は、電線を受ける側片５を有し、この側片５に電線を押付けて抜止め係止する鎖錠片６を有し、鎖錠片６を挿通した電線を側片５に押圧する押圧片７を有する。実施の形態では、ボディ３の絶縁壁８と平行な平板部９を有し、側片５が平板部９の両側に電線挿入方向に軸線を有する半筒状例えば半円筒状に折曲され、鎖錠片６が平板部９の端部中央に折曲により片持支持されて平板部９と絶縁壁８の間に位置するとともに側片５に向けて傾斜し先端が側片５に対向し、押圧片７が平板部９の絶縁壁８側に設けられている。鎖錠片６は解錠片１０を有する。押圧片７は平板部９にリベット等のかしめ具によりかしめ取り付けまたは一体形成されている。なお、１ａ、２ａは位置決め孔、１１は速結端子１、２に一体に設けられた別の速結部、１２はアース用速結端子、１３はアース用速結端子の下縁が接触するアース片である。
【００２２】
ボディ３は、一対の速結端子１、２を電線の挿入方向に収納させる一対の収納凹部１５を絶縁壁８を介して並設し絶縁壁８の両面に押圧片７の側縁に当接しかつ鎖錠片６と絶縁壁８との間に非接触の空間すなわちスペース３０を形成する絶縁リブ１６を例えば図１に示すように縦に直線状に両面にそれぞれ複数設けている。絶縁リブ１６は従来の絶縁リブと比較して上端が低くなっている。絶縁壁８は端子板１、２の上端よりも高く形成されている。なお、３ａは位置決め孔１ａ、２ａに嵌合する位置決め突起、１７はアース用速結端子１２の収納凹部、１８は速結部１１の電線挿入孔、１９はカバー取付爪、２０は器具取付爪である。
【００２３】
カバー４は、ボディ３に取付けられて速結端子１、２を被覆するものであって鎖錠片６と側片５との間に対向する電線挿入孔２２を有する。また解錠片１０を操作するための解錠穴２３をカバー４に有する。２４はアース用速結端子１２のための電線挿入孔、２５はその電線解錠穴、２６は電線挿入孔１８に整合する電線挿通孔、２７はカバー取付爪１９に係止する係止孔である。
【００２４】
この実施の形態によれば、水滴の浸入しやすい電線挿入孔２２側の異極端子１、２間に絶縁壁８と鎖錠片６を離間させるスペース３０を設けたので、沿面距離をより一層長くでき異極間における耐トラッキング性が向上する。また鎖錠片６と絶縁リブ１６の間にスペース３０を設けたので、電線挿入時の鎖錠片６の動作を阻害せず、挿入性が安定する。すなわち、電線挿入時に鎖錠片６は図６に示すように想像線の状態から実線の状態に矢印Ｃのように弾性変形するが、鎖錠片６の基部側すなわち一対の鎖錠片６を結ぶ中央側が平板部９の上端部より９０度折曲されて片持支持されているため、その基部が９０度以上に若干変形する。またボディ３が樹脂の場合削れ等も生じない。また端子１、２の組立挿入時にスペース３０を挿入ガイドとして利用することができるので組立性が向上する。
【００２５】
この発明の第２の実施の形態を図７に示す。すなわち、この端子台は、第１の実施の形態において、絶縁壁８の両面の絶縁リブ１６が非対称に形成されている。絶縁リブ１６が千鳥配置となるのでより一層沿面距離を長くできる。その他は第１の実施の形態と同様である。
【００２６】
【発明の効果】
請求項１記載の端子台によれば、水滴の浸入しやすいカバーの電線挿入孔に近い異極端子間に絶縁壁と鎖錠片を離間させるスペースを設けたので、沿面距離をより一層長くでき異極間における耐トラッキング性が向上する。電線鎖錠片と絶縁リブの間にスペースを設けたため、絶縁リブが電線挿入時の鎖錠片の動作を阻害せず、電線の挿入性が安定する。またボディが樹脂の場合絶縁リブの削れ等も生じない。また端子の組立挿入時にスペースを挿入ガイドとして利用することができるので組立性が向上する。
【００２７】
請求項２記載の端子台によれば、請求項１と同様な効果のほか、絶縁リブが千鳥配置となるのでより一層沿面距離を長くできる。
【００２８】
請求項３記載の端子台によれば、請求項１または請求項２と同様な効果がある。
【００２９】
請求項４記載の端子台によれば、請求項３と同様な効果がある。
【００３０】
請求項５記載の端子台によれば、請求項１と同様な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の第１の実施の形態の端子台の分解斜視図である。
【図２】カバーを外したボディの平面図である。
【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。
【図４】ボディの正面図である。
【図５】端子台の斜視図である。
【図６】鎖錠片の動作を説明する部分斜視図である。
【図７】第２の実施の形態の部分平面図である。
【図８】従来例の分解斜視図である。
【図９】そのカバーを外した状態の平面図である。
【符号の説明】
１、２ 端子
３ ボディ
４ カバー
５ 側片
６ 鎖錠片
７ 押圧片
８ 絶縁壁
９ 平板部
１０ 解錠片
１５ 収納凹部
１６ 絶縁リブ
２２ 電線挿入孔
２３ 解錠穴
３０ スペース

Claims (5)

1. 電線を受ける側片を有しこの側片に前記電線を押付けて抜止め係止する鎖錠片を有し前記鎖錠片に係止された前記電線の先端側を前記側片に押圧する押圧片を有する一対の速結端子と、この一対の速結端子を前記電線の挿入方向に収納させる収納凹部を絶縁壁を介して並設したボディと、このボディに取付けられて前記速結端子を被覆するものであって前記鎖錠片と前記側片との間に対向する電線挿入孔を有するカバーとを備え、前記絶縁壁の前記電線の挿入方向の上端が前記鎖錠片よりも高く、前記絶縁壁の両面に前記電線の挿入方向に延びて上端が前記鎖錠片よりも低く前記押圧片よりも高い位置にある絶縁リブを設け、前記絶縁リブが前記押圧片の側縁に当接し、かつ前記鎖錠片の側縁に当接しないで前記鎖錠片と絶縁壁との間にスペースを形成する端子台。
2. 前記絶縁壁の両面の絶縁リブは非対称に形成されている請求項１記載の端子台。
3. 前記速結端子は、前記絶縁壁と平行な平板部を有し、前記側片が前記平板部の両側に半筒状に折曲され、前記鎖錠片が前記平板部の端部中央に片持支持されて前記平板部と前記絶縁壁の間に位置し前記側片に向けて傾斜して前記側片に対向し、前記押圧片が前記平板部の前記絶縁壁側に設けられている請求項１または請求項２記載の端子台。
4. 前記鎖錠片は解錠片を有し、前記解錠片を操作するための解錠穴を前記カバーに有する請求項３記載の端子台。
5. 前記押圧片は前記平板部にかしめ取り付けまたは一体形成されている請求項１記載の端子台。

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