JP4176921B2 - 帯電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真技術を利用した画像形成装置の帯電装置や転写装置、除電装置等に応用される帯電装置に係り、特に像担持体等の被帯電体を非接触で均一に帯電するための帯電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術を利用した複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置における作像プロセスでは、静電潜像担持体である感光体を帯電させるプロセスが存在する。この帯電プロセスとしては、従来は非接触で帯電安定性にも優れているコロナチャージャーによって行われていたが、この方式ではオゾンが多く発生するため、最近では接触帯電方式が検討されており、例えば、特開昭63−149669号公報に開示されているような接触帯電方法(導電性ローラを用いたローラ帯電方式であり、DC電圧にAC電圧を重畳させて導電性ローラに印加する方法)や、特開平6−175469号公報に開示されているようなブラシ帯電装置(導電性ブラシを用いたブラシ帯電方式であり、導電性ブラシと芯金の間に低抵抗の中間導電部材を設けて、帯電の環境依存性を無くし、被帯電物を一定に帯電させる)が実用化されてきている。
【0003】
しかし接触帯電方式では、帯電部材が感光体等の静電潜像担持体に接触しているために、帯電部材がトナーなどで汚れやすく、その結果、帯電ムラ等の帯電性能の劣化が生じてしまう。
以上のことから、オゾンレスの非接触帯電方式が帯電手段としては理想的であると言える。
【0004】
そこで本発明者らは、電磁波照射装置と電界形成手段を備え、電磁波照射装置により静電潜像担持体上の空間に電磁波を照射すると共に電界形成手段で電界を形成することによって、静電潜像担持体を所望の電位に帯電させる新規な帯電方式の帯電装置を提案している。
図9は本発明者らが先に提案した帯電装置の一例を示す図であり、帯電装置と被帯電体である静電潜像担持体(例えば感光体)2を、静電潜像担持体2の軸方向(側面)から見た状態を示している。図9に示す帯電装置では、被帯電体である静電潜像担持体2の上部に近接して電磁波照射装置1を配置し、この電磁波照射装置1の近傍に平板状の電界制御部品6a,6bを配置して静電潜像担持体2を均一に帯電させるものである。その帯電原理は、電磁波照射装置1から照射された電磁波によって空気中にイオンを発生させ、電界制御部品6a,6b及び/または静電潜像担持体2に電圧(Vc,Vp)を印加して電界を形成することで、上記の発生させたイオンを静電潜像担持体2に移動させ、付着させることで静電潜像担持体2を帯電するものである。この例の場合、電界制御部品6a,6bが静電潜像担持体2の上面側全体を覆うように配設されているため、静電潜像担持体2との間に比較的均一な電界を形成することができるので、静電潜像担持体2を均一にムラ無く帯電することができる。
また、図10は本発明者らが先に提案した帯電装置の別の例を示しており、図9の構成に加えて、電磁波照射装置1と静電潜像担持体2の間にグリッド3を追加したものであり、電界制御部品6a,6bとグリッド3によってイオンを静電潜像担持体2へ導くことにより、静電潜像担持体2のより均一な帯電を可能にしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図9や図10に示す構成の帯電装置では、電磁波によって生成されたイオンを電界の作用により効率よく静電潜像担持体に付着させ、静電潜像担持体を非接触で均一に帯電させることができる。
しかしながら、図9や図10に示す構成の帯電装置では、電磁波照射装置1からの電磁波が被帯電体である静電潜像担持体2に直接照射されてしまい、経時的に悪影響を与えるという不具合があることが判明した。すなわち本発明者らは、電磁波が静電潜像担持体に与える影響を調べるため、電磁波照射装置1からの電磁波を静電潜像担持体(例えば感光体)へ連続照射する実験を実施したところ、静電潜像担持体への照射部位において、正常な帯電ができなくなるという経時劣化の問題が発生した。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、静電潜像担持体等の被帯電体をオゾンレス・非接触でかつ均一に帯電することができると共に、電磁波が被帯電体に照射されるのを防止し、被帯電体の経時劣化の問題も解消した帯電装置を提供することを目的(課題)としている。
より具体的には、請求項1に係る発明は、電磁波の照射方向を制御して電磁波が被帯電体に照射されるのを防止すると共に、被帯電体を均一に帯電することができる帯電装置を提供することを目的としている。
請求項2に係る発明は、請求項1の目的に加え、一つ以上の電磁波照射装置を被帯電体と平行に配置した場合に、各電磁波の照射方向を制御して電磁波が被帯電体に照射されるのを防止すると共に、被帯電体をより均一に帯電することができる帯電装置を提供することを目的としている。
請求項3〜5に係る発明は、請求項1または2の目的に加え、より安価に電磁波の照射方向を制御すると共に、被帯電体を均一に帯電することを目的とし、さらには部品のコストダウンを図ることを目的としている。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか一つの目的に加え、部品のコストダウンを図ると共に、他部品への電磁波の影響を抑えることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、被帯電体を非接触で均一に帯電する帯電装置であって、上記被帯電体上の空間に電磁波を照射する少なくとも一つ以上の電磁波照射装置と、該電磁波照射装置から照射される電磁波の照射方向を制御する照射方向制御部材と、上記電磁波照射装置から照射された電磁波によって生成されたイオンを上記被帯電体に導くための電界制御部品と、上記被帯電体の帯電電位をより安定させるためのグリッドとを有し、上記照射方向制御部材によって電磁波が被帯電体へ照射されないようにし、上記電界制御部品及びグリッドによってイオンを被帯電体へ導くことにより、被帯電体を帯電させる帯電装置において、上記被帯電体の上部に近接して一つ以上の電磁波照射装置を電磁波照射方向が上記被帯電体の上部表面と平行になるように配置し、上記電磁波照射装置と一体に上記照射方向制御部材を配置し、上記電磁波照射装置の電磁波照射方向の上下に配設される平板状の電界制御部品とグリッドを上記被帯電体の上部表面及び上記電磁波照射装置の電磁波照射方向に対して平行に配置し、上記電界制御部品に印加される電圧をVc、上記グリッドに印加される電圧をVg、上記被帯電体に印加される電圧をVpとしたとき、各電圧Vc,Vp,Vgの大きさの関係が、
|Vc|>|Vg|>|Vp|
となる構成としたものである。このように被帯電体の上部に近接して一つ以上の電磁波照射装置を電磁波照射方向が被帯電体の上部表面と平行になるように配置し、電磁波照射装置と一体に照射方向制御部材を配置し、電磁波照射装置の電磁波照射方向の上下に配設される平板状の電界制御部品とグリッドを被帯電体の上部表面及び電磁波照射装置の電磁波照射方向に対して平行に配置し、上記の電圧関係を満たすようにすることにより、電磁波の照射方向を制御して電磁波が被帯電体に照射されるのを防止すると共に、被帯電体を均一に帯電することが可能となる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の帯電装置において、上記電磁波照射装置は上記被帯電体の軸方向に一つ以上平行に等間隔で配設され、各電磁波照射装置ごとに上記照射方向制御部材を配置した構成としたものである。このように電磁波照射装置は被帯電体の軸方向に一つ以上平行に等間隔で配設され、各電磁波照射装置ごとに照射方向制御部材を配置することにより、各電磁波照射装置ごとに電磁波の照射方向を制御して電磁波が被帯電体に照射されるのを防止すると共に、被帯電体をより均一に帯電することが可能となる。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2記載の帯電装置において、上記照射方向制御部材は、各電磁波照射装置と一体の部材でできている構成としたものである。このように照射方向制御部材を電磁波照射装置の一部の形状を変更した一体部品で作成することにより、コストダウンを図ることができ、より安価に電磁波の照射方向を制御して電磁波が被帯電体に照射されるのを防止すると共に、被帯電体を均一に帯電することが可能となる。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項2または3記載の帯電装置において、上記電磁波照射装置と一体に設けられた外装部品を変形して上記照射方向制御部材としての機能を持たせた構成としたものである。このように電磁波照射装置と一体に設けられた外装部品を変形して照射方向制御部材としての機能を持たせることにより、コストダウンを図ることができ、より安価に電磁波の照射方向を制御して電磁波が被帯電体に照射されるのを確実に防止すると共に、像担持体を均一に帯電することが可能となる。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項3または4記載の帯電装置において、上記照射方向制御部材は、上記電磁波照射装置の形状に対応した円弧状の形状をしている構成としたものである。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の帯電装置において、上記電界制御部品が電磁波遮蔽部品を兼ねる構成としたものである。このように電界制御部品が電磁波遮蔽部品を兼ねることで、部品のコストダウンを図るとともに、他部品への電磁波の影響を抑えることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成、動作を図面を参照して詳細に説明する。
まず本発明による非接触帯電方式の原理について述べる。電磁波が空気中に照射されると、照射された領域の空気が電離され、正負両極性のイオンが生成される。したがって静電潜像担持体等の被帯電体上の空間に電磁波照射装置により電磁波を照射して空気の電離を行い、その空間に電界形成手段(電界制御部品、グリッド、被帯電体側の電極、電源等)で電界を作用させることで、所望の極性のイオンのみを被帯電体に付着させることができ、被帯電体を非接触で帯電させることができる。
尚、電磁波照射装置により照射される電磁波としては紫外線、X線、軟X線、γ線等が使用できるが、電離効率や安全性の面を考慮するとX線か軟X線が好ましい。
【0014】
本発明に係る帯電装置は、例えば、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真技術を利用した画像形成装置の帯電部に応用され、被帯電体である静電潜像担持体(例えば感光体)を非接触で均一に帯電するものである。また、帯電部の他、転写部や除電部等にも応用可能である。ここで図8に本発明に係る帯電装置を帯電部に用いた画像形成装置の一例を示す。
【0015】
図8において、符号2は静電潜像担持体であるドラム状の感光体であり、例えば金属製の円筒からなる芯金2bの上に感光層2aを形成したものである。この感光体2の周囲には、帯電、露光、現像、転写、クリーニング及び除電の各機能を有する単体あるいは共通のユニットが配設されている。また、転写部より記録紙S搬送方向下流側には定着装置18が配設されている。
ここで帯電には、通常は帯電ローラや帯電チャージャが用いられていたが、本発明では電磁波照射装置1と電界制御部品6等を使用してオゾンレスの非接触帯電を行う帯電装置11を用いている。
露光には、例えばレーザ光12等で画像信号に応じた光書込を行う光書込装置が用いられ、感光体2上に静電潜像を形成する。
現像を行う現像装置13には一成分現像剤を用いるものや二成分現像剤を用いるものがあるが、いずれの場合も感光体2上の静電潜像に帯電したトナーを付着させることで、静電潜像を現像し顕像化する。
転写では、現像により感光体上で顕像化されたトナー像を、転写ローラ等の転写装置15で記録紙Sに転写する。
クリーニングでは、クリーニングブレードやクリーニングブラシ等を用いたクリーニング装置16により、転写後に感光体2上に残った残トナーを除去する。除電では、除電ランプや除電チャージャ等の除電装置17により、感光体2上の残電位を除去する。
【0016】
図8に示す構成の画像形成装置では、画像形成プロセスが開始されると、まず感光体2が帯電装置11により均一に帯電された後、図示しない光書込装置からのレーザ光12により感光体2上に静電潜像が形成され、感光体2上の静電潜像は、現像装置13のトナーにより現像され顕像化される。この潜像形成、現像のタイミングに合わせて、記録紙Sが図示しない給紙カセット等から給紙ローラや搬送ローラ等によりレジストローラ14まで搬送され、感光体上のトナー像が転写部に来るタイミングに合わせてレジストローラ14により記録紙Sが送り出され、ガイド板の間等を通り転写部へ搬送される。そして転写部の転写ローラ等からなる転写装置15により、感光体2上のトナー像が記録紙Sへ転写される。その後、トナー像が転写された記録紙Sは定着部に搬送され、定着装置18によりトナーを記録紙Sに定着した後、図示しない排紙トレイ等へ排出される。一方、転写後の感光体2はクリーニング装置16により残トナーを除去され、除電装置17により残電位を除電される。
【0017】
本発明では以上のような構成の画像形成装置に用いる帯電装置の一例として、感光体2上の空間に電磁波を照射する少なくとも一つ以上の電磁波照射装置1と、該電磁波照射装置1から照射される電磁波の照射方向を制御する照射方向制御部材4と、上記電磁波照射装置1から照射された電磁波によって生成されたイオンを感光体2に導くための電界制御部品6とを少なくとも有し(必要に応じて感光体の近傍にグリッドが配設される)、上記照射方向制御部材4によって電磁波が感光体2へ照射されないようにし、上記電界制御部品6によってイオンを感光体2へ導くことにより、感光体2を帯電させる構成の帯電装置11を用いている。以下、本発明に係る帯電装置の具体的な実施例を図1〜7を参照して詳細に説明する。尚、図1,2が請求項1に対応し、図4,5,6が請求項1〜5に対応し、図7が請求項6に対応した実施例を示す図である。
【0018】
(実施例1)
図1は本発明の一実施例を示す帯電装置の概略構成図であり、帯電装置11a及び感光体2を、感光体2の軸方向(側面)から見た状態を示している。また図2は図1の帯電装置を右手方向から見たときの正面図である。
図1に示す実施例の帯電装置11aでは、被帯電体である感光体2の上部に近接して少なくとも一つ以上の電磁波照射装置1を感光体2と平行に配置し(例えば図2に示すように、電磁波照射装置1は感光体2の軸方向に一つ以上平行に等間隔に配設されている)、この電磁波照射装置1の近傍に照射方向制御部材4aを配置して電磁波の照射方向を制限しつつ、電磁波照射装置1の電磁波照射方向の上下に配設された平板状の電界制御部品6とグリッド3によって所望の電界を形成して、感光体2を均一に帯電させるものである。その帯電原理は前述したように、電磁波照射装置1から照射された電磁波によって空気中にイオンを発生させ、電界制御部品6、グリッド3及び/または感光体2に電圧(Vc,Vg,Vp)を印加して電界を形成することで、上記の発生させたイオンを感光体2に移動させ、付着させることで感光体2を帯電するものである。本実施例の場合、電界制御部品6が感光体2の上面側を覆うように配設されているため、感光体2との間に比較的均一な電界を形成することができ、さらには感光体2の帯電電位をより安定させるためのグリッド3を設けているので、感光体2を均一にムラ無く帯電することができる。
【0019】
図1の実施例では、感光体2をマイナス帯電させるべく、電界制御部品6に直流電源5aによりマイナスのバイアス電圧Vcを印加し、グリッド3には直流電源5bによりマイナスのバイアス電圧Vgを印加し、感光体2の裏面側金属(芯金)2bにはVpなる電圧(図の例ではアース電位)を印加している。すなわち電磁波照射装置1の近くに電界制御部品6を配置し、例えば直流電源5aにより電界制御部品6にマイナス電位Vcを与えると共に、感光体2の芯金2bをアース電位(Vp=0)とし、さらにグリッド3に直流電源5bによりマイナスのバイアス電圧Vgを印加することで、電磁波照射装置1から照射された電磁波によって空気中に発生したマイナスイオンは、アース電位の感光体2側に引き寄せられて感光体2の表面に付着し、空気中に発生したプラスイオンはマイナス電位の電界制御部品6やグリッド3側に引き寄せられることになるので、感光体2はマイナスに帯電される。尚、上記の各電圧Vc,Vp,Vgの大きさの関係は以下のようになる。
|Vc|>|Vg|>|Vp| (但し、図1ではVp=0)
【0020】
また、当然ながら、極性が逆の電界をかければ、感光体2をプラスに帯電させることができる。すなわち、感光体2をプラス帯電させる場合は、電界制御部品6とグリッド3に直流電源5a,5bによりプラスのバイアス電圧Vc,Vgを印加して、電界制御部品6、グリッド3、感光体2間に極性が逆の電界を形成すればよく、電磁波によって空気中に発生したプラスイオンを感光体2に付着させることができる。
【0021】
ここで図3(a),(b)は、照射方向制御部材4aが無い場合と有る場合の電磁波照射装置1による電磁波の照射領域7a,7bを示したものであり、電界制御部品やグリッドの図示は省略している。図3(a)のように、電磁波照射装置1を感光体2と平行に配置しただけでは、電磁波が感光体2に照射されるので、感光体2への電磁波照射部位において、正常な帯電ができなくなるという経時劣化の問題が発生する。そこで図3(b)のように、電磁波照射装置1の下部近傍に照射方向制御部材4aを配置することで、電磁波が感光体2に照射されなくすることができる。ところで、電磁波照射装置1を感光体2から離せば、または電磁波の照射方向を上方向に変更すれば、照射方向制御部材4aを設けなくても電磁波が感光体2に当たらなくすることができるが、電磁波の照射角度が結構広く現状でも120度を超えているので、帯電効率を考えるとイオンを移動させる距離が長くなり得策ではない。従って、電磁波が感光体2に照射されないようにし、且つ帯電効率を向上させるには、図1、図3(b)のように、電磁波照射装置1の下部近傍に照射方向制御部材4aを配置する必要がある。尚、図2の例では、照射方向制御部材4aは複数の電磁波照射装置1とグリッド3の間に一つの部品として配設され、複数の電磁波照射装置1の保持部材を兼ねるように設けられているが、照射方向制御部材は、別に複数の部品であっても何ら構わない。
【0022】
(実施例2)
次に図4は本発明の別の実施例を示す帯電装置の概略構成図であり、帯電装置11b及び感光体2を、感光体2の軸方向(側面)から見た状態を示している。また、図5は図4に示す帯電装置の一つの電磁波照射装置と放射方向制御部材を拡大して示す図、図6は図4の帯電装置を右手方向から見たときの正面図である。
図4に示す実施例の帯電装置11bでは、被帯電体である感光体2の上部に近接して少なくとも一つ以上の電磁波照射装置1を感光体2と平行に配置し(例えば図6に示すように、電磁波照射装置1は感光体2の軸方向に一つ以上平行に等間隔に配設されている)、各電磁波照射装置1に一体に照射方向制御部材4bを配置して電磁波の照射方向を制限しつつ、電磁波照射装置1の電磁波照射方向の上下に配設された平板状の電界制御部品6とグリッド3によって所望の電界を形成して、感光体2を均一に帯電させるものである。尚、帯電原理は実施例1と同様であり、電磁波照射装置1から照射された電磁波によって空気中にイオンを発生させ、電界制御部品6、グリッド3及び/または感光体2に電圧(Vc,Vg,Vp)を印加して電界を形成することで、上記の発生させたイオンを感光体2に移動させ、付着させることで感光体2を帯電するものである。
【0023】
図4〜6に示す実施例の帯電装置11bでは、図1で示した照射方向制御部材4aと同様の役割を持つものとして、電磁波照射装置1と一体に設けられた外装部品を変形して照射方向制御部材4bとしての機能を持たせたものであり、このように照射方向制御部材4bを電磁波照射装置1の一部の形状を変更した一体部品で作成することによりコストダウンを図ることができる。
尚、照射方向制御部材4bの形状としては、図5や図6に示すように円筒を長手方向に切断した円弧状の形状をしているが、円筒を斜めに切断したような形でも良いし、他の形状でも構わない。要するに、電磁波照射装置1からの電磁波が感光体2に当たらないような形状であればよい。
【0024】
(実施例3)
次に図7は本発明のさらに別の実施例を示す帯電装置の概略構成図であり、帯電装置11c及び感光体2を、感光体2の軸方向(側面)から見た状態を示している。
図7に示す実施例の帯電装置11cでは、被帯電体である感光体2の上部に近接して少なくとも一つ以上の電磁波照射装置1を感光体2と平行に配置し、その電磁波照射装置1の近傍(あるいは一体)に照射方向制御部材4cを配置して電磁波の照射方向を制限しつつ、電磁波照射装置1の電磁波照射方向の上下に配設された電界制御部品6とグリッド3によって所望の電界を形成して、感光体2を均一に帯電させるものである。尚、帯電原理は実施例1と同様であり、電磁波照射装置1から照射された電磁波によって空気中にイオンを発生させ、電界制御部品6、グリッド3及び/または感光体2に電圧(Vc,Vg,Vp)を印加して電界を形成することで、上記の発生させたイオンを感光体2に移動させ、付着させることで感光体2を帯電するものである。
【0025】
図7に示す実施例の帯電装置11cでは、平板状の電界制御部品6の一端側に鉛直下方に向けて延在する電磁波遮蔽部品8を設けて、電磁波照射装置1からの電磁波が外部に洩れることを防止したものである。また、図7に示す構成の場合、電界制御部品6の一端側を鉛直下方に折り曲げて電磁波遮蔽部品8を兼ねる構成とすることができ、このように構成することにより、部品のコストダウンを図るとともに、他部品への電磁波の影響を抑えることができる。尚、図7において照射方向制御部材4cとしては、図1,2のような構成でも、図4〜6のような構成でもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の帯電装置においては、被帯電体の上部に近接して一つ以上の電磁波照射装置を電磁波照射方向が被帯電体の上部表面と平行になるように配置し、電磁波照射装置と一体に照射方向制御部材を配置し、電磁波照射装置の電磁波照射方向の上下に配設される平板状の電界制御部品とグリッドを被帯電体の上部表面及び電磁波照射装置の電磁波照射方向に対して平行に配置し、電界制御部品に印加される電圧をVc、グリッドに印加される電圧をVg、被帯電体に印加される電圧をVpとしたとき、各電圧Vc,Vp,Vgの大きさの関係が、
|Vc|>|Vg|>|Vp|
となる構成としたので、電磁波の照射方向を制御して電磁波が被帯電体に照射されるのを防止すると共に、被帯電体を均一に帯電することができる。
請求項2記載の帯電装置においては、請求項1の構成に加えて、電磁波照射装置は被帯電体の軸方向に一つ以上平行に等間隔で配設され、各電磁波照射装置ごとに照射方向制御部材を配置することにより、各電磁波照射装置ごとに電磁波の照射方向を制御して電磁波が被帯電体に照射されるのを防止すると共に、被帯電体をより均一に帯電することができる。
請求項3記載の帯電装置においては、請求項2の構成に加えて、照射方向制御部材を各電磁波照射装置の一部の形状を変更した一体部品で作成することにより、コストダウンを図ることができ、より安価に電磁波の照射方向を制御して電磁波が被帯電体に照射されるのを防止すると共に、被帯電体を均一に帯電することができる。
請求項4記載の帯電装置においては、請求項2または3の構成に加えて、電磁波照射装置と一体に設けられた外装部品を変形して照射方向制御部材としての機能を持たせることにより、コストダウンを図ることができ、より安価に電磁波の照射方向を制御して電磁波が被帯電体に照射されるのを確実に防止すると共に、像担持体を均一に帯電することができる。
請求項5記載の帯電装置においては、請求項3または4の構成に加えて、照射方向制御部材が電磁波照射装置の形状に対応した円弧状の形状をしていることにより、電磁波が被帯電体に照射されるのを確実に防止することができる。
請求項6記載の帯電装置においては、請求項1〜5のいずれか一つの構成に加えて、電界制御部品が電磁波遮蔽部品を兼ねることで、部品のコストダウンを図るとともに、他部品への電磁波の影響を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す帯電装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す帯電装置を右手方向から見たときの帯電装置の正面図である。
【図3】本発明に係る帯電装置において、照射方向制御部材が無い場合と有る場合の電磁波照射装置による電磁波の照射領域を示す図である。
【図4】本発明の別の実施例を示す帯電装置の概略構成図である。
【図5】図4に示す帯電装置の一つの電磁波照射装置と照射方向制御部材を拡大して示す図である。
【図6】図4に示す帯電装置を右手方向から見たときの帯電装置の正面図である。
【図7】本発明のさらに別の実施例を示す帯電装置の概略構成図である。
【図8】本発明に係る帯電装置を帯電部に用いた画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図9】電磁波照射装置を用いた帯電装置の従来例を示す概略構成図である。
【図10】電磁波照射装置を用いた帯電装置の別の従来例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1:電磁波照射装置
2:感光体(静電潜像担持体(被帯電体))
3:グリッド
4,4a,4b,4c:照射方向制御部材
5a,5b:直流電源
6:電界制御部品
7a,7b:電磁波照射領域
8:電磁波遮蔽部品
11,11a,11b,11c:帯電装置
Claims (6)
- 被帯電体を非接触で均一に帯電する帯電装置であって、上記被帯電体上の空間に電磁波を照射する少なくとも一つ以上の電磁波照射装置と、該電磁波照射装置から照射される電磁波の照射方向を制御する照射方向制御部材と、上記電磁波照射装置から照射された電磁波によって生成されたイオンを上記被帯電体に導くための電界制御部品と、上記被帯電体の帯電電位をより安定させるためのグリッドとを有し、上記照射方向制御部材によって電磁波が被帯電体へ照射されないようにし、上記電界制御部品及びグリッドによってイオンを被帯電体へ導くことにより、被帯電体を帯電させる帯電装置において、
上記被帯電体の上部に近接して一つ以上の電磁波照射装置を電磁波照射方向が上記被帯電体の上部表面と平行になるように配置し、上記電磁波照射装置と一体に上記照射方向制御部材を配置し、上記電磁波照射装置の電磁波照射方向の上下に配設される平板状の電界制御部品とグリッドを上記被帯電体の上部表面及び上記電磁波照射装置の電磁波照射方向に対して平行に配置し、上記電界制御部品に印加される電圧をVc、上記グリッドに印加される電圧をVg、上記被帯電体に印加される電圧をVpとしたとき、各電圧Vc,Vp,Vgの大きさの関係が、
|Vc|>|Vg|>|Vp|
となることを特徴とする帯電装置。 - 請求項1記載の帯電装置において、
上記電磁波照射装置は上記被帯電体の軸方向に一つ以上平行に等間隔で配設され、各電磁波照射装置ごとに上記照射方向制御部材を配置したことを特徴とする帯電装置。 - 請求項2記載の帯電装置において、上記照射方向制御部材は、各電磁波照射装置と一体の部材でできていることを特徴とする帯電装置。
- 請求項2または3記載の帯電装置において、上記電磁波照射装置と一体に設けられた外装部品を変形して上記照射方向制御部材としての機能を持たせたことを特徴とする帯電装置。
- 請求項3または4記載の帯電装置において、上記照射方向制御部材は、上記電磁波照射装置の形状に対応した円弧状の形状をしていることを特徴とする帯電装置。
- 請求項1〜5のいずれか一つに記載の帯電装置において、上記電界制御部品が電磁波遮蔽部品を兼ねることを特徴とする帯電装置。
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