JP4176120B2 - 車両用ロック装置 - Google Patents
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Description
図9に記載のものは、バックドアのロック装置であり、ストライカ50が進入するストライカ進入口52が形成された基板51と、ストライカ進入口52に進入したストライカ50に係合するラッチ53と、ラッチ53を係止するロッキングプレート59と、ストライカ50を進入方向へ押し戻す押し戻しレバー61と、ラッチ53に係合されたストライカ50を離脱させる回動方向へラッチ53を付勢する巻きばね54と、ロック状態を解除するための解除レバー63と、解除レバー63を解除方向に付勢するばね57と、押し戻しレバー61の腕部61aによってストライカ50を押し戻す方向に押し戻しレバー61を付勢するばね58と、腕部61aの先端に設けられた突片55と、突片55に設けられたローラ56と、ロッキングプレート59をラッチ53に係止する方向に付勢する巻きばね60とを備える。
ストライカ50がさらにストライカ進入口52の奥に進入すると、解除レバー63のストッパ片63aが突片55の窓孔62内における回動軌跡から外れ、ストッパ片63aによって停止されていた押し戻しレバー61が時計回りに回動し、その腕部61aによってストライカ50を押し戻し、ストライカ50がフルラッチ位置で拘束される。
また、ストライカ50がストライカ進入口52に進入するときから押し戻しレバー61に当接し、押し戻しレバー61による押し戻し力を受けるため、ストライカ50を進入させる際に大きな力が必要となる。
さらに、巻きばね54、ばね57、ばね58および巻きばね60の計4個のばねを必要とするため、ばね力の低下に起因する故障の発生率が高くなる。さらに、製造コストに占めるばねのコストの割合が多い。
また、付勢手段は、押圧用付勢手段、係止用付勢手段および空転阻止用付勢手段の計3個で済むため、従来(特許文献1)のものよりも付勢手段を1個減らすことができる。
従って、付勢手段が1個少ない分、付勢手段の付勢力の低下に起因する故障率を低下させることができる。また、付勢手段が1個少ない分、車両用ロック装置の製造コストに占める付勢手段の製造コストの割合を少なくすることができる。
さらに、ロックプレート、押圧部材および操作部材は同じロック側軸部材に軸支されており、ラッチプレートおよびガタ取り部材は同じラッチ側軸部材に軸支されているため、軸部材の個数を最小限に抑えることができるので、装置を小型軽量化することができる。
つまり、ラッチ側凹部がストライカによって押されるときは、ガタ取り部材がストライカを押し戻す方向に作用しないため、ラッチ側凹部へストライカを進入させるときの力が小さくて済む。
図1は車両用ロック装置の正面図、図2は図1に示す車両用ロック装置の正面斜視図、図3は図1に示す車両用ロック装置の背面図、図4,5は図1に示す車両用ロック装置の内部構造を示す正面斜視図、図6,7は図1に示す車両用ロック装置の内部構造を示す背面斜視図、図8(1)〜(5)は図1に示す車両用ロック装置の動作を説明するための動作説明図である。
なお、以下の説明では、図8に示すように、ストライカ20は車両のフロアーに配置されており、車両用ロック装置30は、車両用シートの底面の端部に配置されているものとする。
図4〜図7に示すように、車両用ロック装置30は、板状の前部ベースプレート1と、板状の後部ベースプレート9とを備える。前部ベースプレート1および後部ベースプレート9の外形は、略相似形に形成されている。前部ベースプレート1の周縁には、ストライカ20を進入させるための溝状に形成された前部進入溝1cが形成されており、その前部進入溝1cの底部には、棒状で縦断面形状が円形のストライカ20の周面に係合する前部ベース側凹部1dが形成されている。
後部進入溝9cは、ストライカ20の縦断面の直径よりも大きい幅に形成されており、開口部から奥に進むほど幅が次第に狭くなる形状に形成されている。後部ベース側凹部9dは、ストライカ20の周面と合致した形状(この実施形態では、円弧状)に形成されている。後部ベースプレート9の角部には、この車両用ロック装置30を車両用シートの底面の端部に取付けるための取付部材を挿通する挿通孔9h,9iが貫通形成されている。
前部ベースプレート1には、上記の収容空間1kに収容されたプレート押さえカム7の腕部7aを突出させるとともに、プレート押さえカム7の回動に伴う腕部7aの回動領域を確保するための窓1gが開口形成されている。
窓1jの下方の膨出部には、後述するラッチプレート4から突出した係止部材4fを挿通するための窓1nが開口形成されている。窓1nは、ラッチプレート4の回動に伴う係止部材4fの回動軌跡に対応した円弧状の長孔に形成されている。また、前部ベースプレート1の左下には、後述する空転阻止部材8の軸部材8aの先端を挿通するための挿通孔1pが貫通形成されている。
図5〜図7に示すように、車両用ロック装置30は、ロック側軸部材10およびラッチ側軸部材11を備える。ロック側軸部材10は、基部10aと、胴部10cと、先端10bとから構成される。胴部10cは、断面が非円形(この実施形態では、略四角形)に形成されている。ラッチ側軸部材11は、基部11aと、胴部11cと、先端11bとから構成される。胴部11cは、断面が円形に形成されている。
車両用ロック装置30は、ストライカ20に対してロック状態(係合状態)およびロックオフ状態(係合解除状態)を作り出すためのラッチプレート4およびロックプレート5を備える。図6および図7に示すように、ラッチプレート4には、後部ベースプレート9の軸孔9fに挿通されたラッチ側軸部材11を背面から挿通するための軸孔4eが貫通形成されている。ラッチプレート4は、軸孔4eに挿通されたラッチ側軸部材11を回動中心にして時計回りまたは反時計回りに回動する。
ロックプレート5には、後部ベースプレート9の軸孔9eに挿通されたロック側軸部材10を背面から挿通するための軸孔5bが貫通形成されている。ロックプレート5は、軸孔5bに挿通されたロック側軸部材10を回動中心にして時計回りまたは反時計回りに回動する。軸孔5bは、ロック側軸部材10の胴部10cの外形に合致した形状に形成されており、ロックプレート5がロック側軸部材10に対して空転しないようになっている。
図4および図5に示すように、車両用ロック装置30は、プレート押さえカム7を備える。プレート押さえカム7は、後述するガタ取りプレート6の先端6cを下方に押圧するための部材である。プレート押さえカム7は、基部7b(図5)と、基部7bから上方に延びた腕部7aとを有する。基部7bには、ロックプレート5の軸孔5bに挿通されたロック側軸部材10を背面から挿通するための軸孔7f(図5)が貫通形成されている。プレート押さえカム7は、ロックプレート5と共通のロック側軸部材10を回動中心にして回動するが、軸孔7fは、ロック側軸部材10の胴部10cの外形とは異なる形状(この実施形態では円形)に形成されており、ロック側軸部材10とは非連動で回動するようになっている。
この実施形態では、プレート押さえカム7は板状に形成されており、基部7bは、略円板状に形成されている。腕部7aは細長い板状に形成されており、係止部7cおよび押圧制御部7dは、それぞれ折曲加工されている。
車両用ロック装置30は、この発明の特徴の1つであるガタ取りプレート6を備える。図4および図5に示すように、ガタ取りプレート6は、基端6aと、基端6aからロックプレート5の方向へ延出した腕部6bと、腕部6bからロックプレート5の方向であってプレート押さえカム7の押圧側カム部7eの下部へ延出した先端6cとを有する。腕部6bは、下方に湾曲しており、その下面には、ストライカ20の周面に係合する凹部であるガタ取り側凹部6dが形成されている。
基端6aには、ラッチプレート4に挿通されたラッチ側軸部材11を挿通するための軸孔6e(図5)が貫通形成されている。ガタ取りプレート6は、ラッチプレート4と共通のラッチ側軸部材11を回動中心にして回動するが、ラッチプレート4とは連動して回動しない。
この実施形態では、ガタ取りプレート6は板状に形成されているが、腕部6bおよび先端6cは棒状であってもよい。この場合、ガタ取り凹部6dは、ストライカ20の周面との接触面積を大きくするために、ストライカ20の周面に合致する形状に形成する方が望ましい。
車両用ロック装置30は、ガタ取りプレート6の空転を阻止するための空転阻止部材8を備える。図4〜図7に示すように、空転阻止部材8は、筒状の本体8dと、この本体8dの内部に装填された巻きバネと、この巻きバネを本体8dの内部に固定するための軸部材8aとを有する。図4に示すように、巻きバネの一端8bは、ガタ取りプレート6の先端6cの左側面に挿入されており、他端8cは、後部ベースプレート9の下端に形成された係止部9mに係止されている。
なお、空転阻止部材8としてコイルスプリングを用い、そのコイルスプリングを、後部ベースプレート9の正面のうち、ガタ取りプレート6の先端6cの下方に位置する箇所に設け、そのコイルスプリングの復元力によってガタ取りプレート6の空転を阻止するように構成することもできる。
車両用ロック装置30は、ロックプレート5およびラッチプレート4のロック状態(係止状態)を解除するための操作レバー2を備える。図1,2,4,5に示すように、操作レバー2は、基部2bと、基部2bから右斜め上方へ延出した腕部2aとを有する。図5に示すように、基部2bには、前部ベースプレート1の軸孔1eから突出したロック側軸部材10を挿通するための軸孔2fが貫通形成されている。軸孔2fは、ロック側軸部材10の胴部10cの外形に合致した形状に形成されており、操作レバー2の回動操作によってロック側軸部材10が回動するとともに、ロックプレート5が回動するようになっている。
車両用ロック装置30は、コイルスプリング3,12を備える。コイルスプリング3の左端の係止部3aは、操作レバー2の係止部2dに係止されており、右端の係止部3bは、前部ベースプレート1の窓1nから突出した係止部材4fに係止されている。つまり、操作レバー2が反時計回りに回動操作されていない状態において、ラッチプレート4は、コイルスプリング3の復元力によって反時計回りに回動する方向に付勢されている。これにより、ロックプレート5のロック側カム部5aがラッチプレート4のラッチ側第2係止部4gに係止された状態、つまりロック状態が維持される。
なお、コイルスプリング3,12に代えて巻きバネをそれぞれ用いることもできる。
次に、車両用ロック装置30がロック状態になるときの各部材の動作について説明する。今、車両用ロック装置30は、図8(1)に示すように、ロックプレート5のロック側カム部5aが、ラッチプレート4のラッチ側第1係止部4iに係止されており、ラッチプレート4のラッチ側凹部4dがストライカ20の周面に係合していない状態であるとする。
また、プレート押さえカム7の押圧制御部7dは、ロックプレート5の左側面5fに係止されており、コイルスプリング12の復元力によるプレート押さえカム7の時計回りの回動が規制されている。この規制により、プレート押さえカム7の押圧側カム部7eがガタ取りプレート6の先端6cを押圧しない状態が維持されている。
このとき、ロックプレート5は、ロック側カム部5aが回動するラッチプレート4の周縁に接触しているだけで回動しない。
そして、図8(4)に示すように、ロックプレート5がさらに時計回りに回動すると、これに伴ってプレート押さえカム7も時計回りに回動し、押圧側カム部7eによるガタ取りプレート6の先端6cに対する押圧がさらに進む。
車両用シートのシートバック(背もたれ)を前方へ倒すと、操作レバー2のワイヤー固定部2cに固定されているワイヤーが引っ張られ、操作レバー2(図1)が、コイルスプリング3の復元力に抗して反時計回りに回動する。これと同時に、操作レバー2と連動するロックプレート5が反時計回りに回動を開始し(図8(4))、ロックプレート5のロック側カム部5aがラッチプレート4の凸部4aを上方に押し上げ、ラッチプレート4がコイルスプリング3の復元力に抗して時計回りに回動する。
(1)上記実施形態に係る車両用ロック装置30を実施すれば、ガタ取りプレート6のガタ取り側凹部6dは、ストライカ20の周面に合致した形状に形成されているため、ストライカ20との係合面積が大きく、その係合部分における摩擦が大きいので、ガタ取り側凹部6dに係合されたストライカ20が動き、ガタが発生するおそれがない。
従って、付勢手段が1個少ない分、付勢手段の付勢力の低下に起因する故障率を低下させることができる。また、付勢手段が1個少ない分、車両用ロック装置の製造コストに占める付勢手段の製造コストの割合を少なくすることができる。
1d・・前部ベース側凹部(ベース側凹部)、2・・操作レバー(操作部材)、
3・・コイルスプリング(係止用付勢手段)、4・・ラッチプレート、
4d・・ラッチ側凹部、4g・・ラッチ側第2係止部、4i・・ラッチ側第1係止部、
5・・ロックプレート、5a・・ロック側カム部、6・・ガタ取りプレート、
6a・・基端、6c・・先端、6d・・ガタ取り側凹部、7・・プレート押さえカム、
7d・・押圧制御部(押圧制御手段)、7e・・押圧側カム部、8・・空転阻止部材、
9・・後部ベースプレート(ベースプレート)、
9d・・後部ベース側凹部(ベース側凹部)、10・・ロック側軸部材、
11・・ラッチ側軸部材、12・・コイルスプリング(押圧用付勢手段)、
20・・ストライカ。
Claims (3)
- 車両に配置されたストライカに係合する凹部であるベース側凹部を周縁に有する板状のベースプレートと、
前記ストライカに係合する凹部であるラッチ側凹部と、第1の係止部であるラッチ側第1係止部と、第2の係止部であるラッチ側第2係止部とを周縁に有する板状のラッチプレートと、
前記ラッチ側第1係止部に係止することにより、前記ラッチ側凹部が前記ストライカに係合していない状態を維持し、かつ、前記ラッチ側第2係止部に係止することにより、前記ラッチ側凹部が前記ストライカに係合している状態を維持するカム部であるロック側カム部を周縁に有する板状のロックプレートと、
先端を前記ベースプレートの一方の板面から突出させて配置されており、前記ラッチプレートを軸支する軸部材であるラッチ側軸部材と、
先端を前記ベースプレートの一方の板面から突出させて配置されており、前記ロックプレートを軸支する軸部材であるロック側軸部材と、
前記ラッチプレートの一方の板面から突出した前記ラッチ側軸部材に軸支された基端と、前記ロックプレートの方へ延出した先端と、前記先端と前記基端との間に形成されており、かつ、前記ストライカの周面に合致した形状に形成されており、前記ストライカの周面に係合する凹部であるガタ取り側凹部とを有するガタ取り部材と、
前記ロックプレートの一方の板面から突出した前記ロック側軸部材に軸支されており、前記ガタ取り部材の先端を押圧するカム部である押圧側カム部を周縁に有し、前記ラッチ側第1係止部と前記ロック側カム部とが係止された状態から、前記ラッチ側第2係止部と前記ロック側カム部とが係止された状態に変化するときに回動して前記押圧側カム部が前記ガタ取り部材の先端を押圧する押圧部材と、
前記押圧部材を、前記押圧側カム部が前記ガタ取り部材の先端を押圧する方向へ回動するように付勢する付勢手段である押圧用付勢手段と、
前記押圧部材の一方の面から突出した前記ロック側軸部材に基端が軸支されており、前記ロックプレートと連動して回動する操作部材と、
前記ラッチ側第1係止部と前記ロック側カム部とが係止された状態では、前記押圧側カム部が前記ガタ取り部材の先端を押圧しないように前記押圧部材の回動を規制し、かつ、前記ラッチ側第2係止部と前記ロック側カム部とが係止された状態が解除されるときの前記ロックプレートの回動に伴い、前記ガタ取り部材の先端に対する前記押圧側カム部の押圧が解除される方向に前記押圧部材を回動させる押圧制御手段と、
前記操作部材および前記ラッチプレートを、前記ラッチ側第1係止部または前記ラッチ側第2係止部と、前記ロック側カム部とが係止された状態が保持される方向へそれぞれが回動するように付勢する付勢手段である係止用付勢手段と、
前記押圧部材により押圧されていない状態において前記ガタ取り部材が空転しないように前記ガタ取り部材の先端を付勢する付勢手段である空転阻止用付勢手段と、
を備えており、前記ベース側凹部、前記ラッチ側凹部および前記ガタ取り側凹部が前記ストライカに係合されるように構成されたことを特徴とする車両用ロック装置。 - 前記ラッチ側第1係止部と前記ロック側カム部とが係止されており、かつ、前記ベース側凹部、ラッチ側凹部およびガタ取り側凹部がそれぞれ前記ストライカに係合していない状態において、前記ベース側凹部に前記ストライカを挿入すると、前記ラッチ側凹部が前記ストライカによって押され、前記ラッチプレートが前記係止用付勢手段の付勢力に抗して回動し、前記ラッチ側第1係止部と前記ロック側カム部との係止状態が解除されると、前記係止用付勢手段の付勢力により、前記ラッチプレートが、前記ラッチ側第2係止部と前記ロック側カム部とが係止する方向に回動し、この回動と同時に、前記押圧部材は前記押圧制御手段による前記規制が解除されるとともに、前記押圧用付勢手段の付勢力によって回動し、前記ラッチ側第2係止部と前記ロック側カム部とが係止されて前記ラッチ側凹部が前記ストライカに係合され、前記押圧側カム部が前記ガタ取り部材の先端を押圧して前記ガタ取り側凹部が前記ストライカの周面に係合されるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用ロック装置。
- 前記ガタ取り側凹部は、前記ストライカの周面のうち、前記ラッチ側凹部が係合する周面と対向する周面に係合されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ロック装置。
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