JP4175752B2 - 溝用ダイス及び転造ダイス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、止め輪が嵌着される止め輪溝とを被転造素材に転造する溝用ダイス、及び、止め輪溝とスプラインやセレーション等の複数条の歯形とを被転造素材に同時転造する転造ダイスに関し、特に、被転造素材に止め輪溝を転造するための下溝を予め加工せずに、止め輪溝の縁部の盛り上がり及び止め輪溝の内面に生じる表層剥離を抑制して、被転造素材の転造加工精度を向上することができる溝用ダイス及び転造ダイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数条の歯形であるスプラインが外周面に形成されるスプライン軸には、そのスプラインの先端外周面にスナップリング等の止め輪が嵌着される止め輪溝が形成されている。このような溝付きスプライン軸を転造により製造する場合には、スプラインを転造するための歯形用ダイスに止め輪溝を転造するための溝用ダイスが取り付けられた転造ダイス(以下、「溝付きスプライン転造ダイス」と称す。)が使用される。例えば、特許2876366号公報に記載される溝付きスプライン転造ダイスでは、スプラインを転造する歯形面を有する平ダイスに板状の溝用ダイスが填め込まれ、この溝用ダイスによりワークの外周面に止め輪溝が転造される。
【0003】
ところで、溝深さが大きな止め輪溝を転造する場合には、止め輪溝の溝深さとワークの外径との比率である圧下量(圧下率)が大きくなる。このように圧下量が大きくなると、止め輪溝の転造に伴ってワーク内部に過剰な応力が生じてしまい、かかる応力により止め輪溝の内面に表層剥離が生じ、止め輪溝の加工精度が低下してしまう。
【0004】
そこで、特開平6−190483号公報に記載される溝用ダイスでは、食付き部始端に所定の導入角(食付き角)を有する導入刃部と、その導入刃部の導入角より小さな傾斜角を有する予成形刃部と、均一な高さを有する仕上げ刃部とを設け、食付き部始端から仕上げ部にかけて導入刃部、予成形刃部の刃幅を徐々に漸増させている。このように予成形刃部の高さ及び幅を漸減させることにより、ワークに転造される止め輪溝の塑性変形が徐々に進行されるので、ワーク内部での過剰な応力が抑制され、止め輪溝の内面に生じる表層剥離が抑制される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許2876366号公報に記載される溝付きスプライン転造ダイスでは、溝深さが大きな止め輪溝を転造する場合にワークの塑性変形量が大きくなるため、止め輪溝の縁部が盛り上がり、スプラインの外形が変形してしまうという問題点があった。また、溝深さが大きな止め輪溝を転造加工する場合には圧下量(圧下率)が大きくなるため、止め輪溝の内面に表層剥離が生じ、かかる表層剥離により止め輪溝の加工精度が低下してしまうという問題点があった。かかる場合には、止め輪溝が転造されるワークの外周面に下溝を切削加工等により予め加工することで、転造後の止め輪溝の縁部の盛り上がりや止め輪溝内面の表層剥離を抑制できるが、下溝を加工する工程が必要となり、その分、溝付きスプライン軸の製造工程が増加してしまうという問題点があった。
【0006】
また、特開平6−190483号公報に記載される溝用ダイスでは、止め輪溝の内面に生じる表層剥離を抑制できるが、転造された止め輪溝の縁部が盛り上がってしまい、スプラインの外形が変形して溝付スプライン軸の転造加工精度が低下してしまうという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、被転造素材に止め輪溝を転造するための下溝を予め加工せずに、止め輪溝の縁部の盛り上がりや止め輪溝の内面に生じる表層剥離を抑制して、被転造素材の転造加工精度を向上することができる溝用ダイス及び転造ダイスを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載の溝用ダイスは、スナップリング等の止め輪が嵌着される止め輪溝を被転造素材の外周面に転造するための板状体を備え、前記板状体の長手方向一端側から他端側へ向けて所定の食付き角度で傾斜されその傾斜方向へ連続して頂部が尖形状に形成された導入食付き部と、前記板状体の長手方向他端側に頂部が略平坦状に形成された仕上げ部と、その仕上げ部の頂部と面一な略平坦状に形成され、前記導入食付き部の終端から前記仕上げ部へ向けて頂部幅が漸増される拡幅食付き部と、前記仕上げ部の幅方向一側面を構成するとともにその仕上げ部 の頂部幅方向と略直交して形成された立面と、前記仕上げ部の幅方向他側面を構成するとともに前記立面に対して所定の角度で傾斜され前記仕上げ部の頂部へ向けてその頂部幅を漸減させる勾配面とを備え、前記導入食付き部の頂部先端の稜線が前記立面に対して平行に連続しており、前記稜線が前記勾配面よりも前記立面側に偏倚されている。
【0009】
また、請求項2記載の転造ダイスは、被転造素材を挟持して、その被転造素材の外周面を塑性変形させてスプラインやセレーション等の複数条の歯形を転造する歯形面を有する一対の歯形用ダイスと、その一対の歯形用ダイスによる複数条の歯形の転造と同時に被転造素材の外周面にスナップリング等の止め輪が嵌着される止め輪溝を転造する溝用ダイスとを備え、前記溝用ダイスは、前記一対の歯形用ダイスの歯形面にそれぞれ立設される一対の板状体と、その板状体の長手方向一端側から他端側へ向けて所定の食付き角度で傾斜されその傾斜方向へ連続して頂部が尖形状に形成された導入食付き部と、前記板状体の長手方向他端側に頂部が略平坦状に形成された仕上げ部と、その仕上げ部の頂部と面一な略平坦状に形成され、前記導入食付き部の終端から前記仕上げ部へ向けて頂部幅が漸増される拡幅食付き部と、前記仕上げ部の幅方向一側面を構成するとともにその仕上げ部の頂部幅方向と略直交して形成された立面と、前記仕上げ部の幅方向他側面を構成するとともに前記立面に対して所定の角度で傾斜され前記仕上げ部の頂部へ向けてその頂部幅を漸減させる勾配面とを備え、前記導入食付き部の頂部先端の稜線が前記立面に対して平行に連続しており、前記稜線が前記勾配面よりも前記立面側に偏倚されている。
【0010】
請求項1記載の溝用ダイス、又は、請求項2記載の転造ダイスによれば、溝用ダイスは、板状体の導入食付き部の頂部が尖形状に形成され、かつ、所定の食付き角度で傾斜されるので、被転造素材に転造される止め輪溝の溝幅及び溝深さが徐々に拡大される。また、仕上げ部の頂部と面一な略平坦状に形成された拡幅食付き部の頂部は、その頂部幅が導入食付き部の終端から仕上げ部へ向けて漸増されるので、導入食付き部の終端から仕上げ部の始端にかけて止め輪溝の底部における溝幅が徐々に拡大される。更に、溝用ダイスの仕上げ部は、その立面が被転造素材の止め輪溝の1の内側面に当接する一方、勾配面が止め輪溝における他の内側面に当接して、止め輪溝の両内側面の仕上げが行われる。
【0011】
また、請求項2記載の転造ダイスでは、一対の歯形用ダイスにより被転造素材が挟持され、一方の歯形用ダイスが他方の歯形用ダイスに対して相対的に移動される。この歯形用ダイスの移動に伴って、被転造素材の外周面が歯形面により塑性変形され、被転造素材の外周面にスプラインやセレーション等の複数条の歯形が転造される。一方、かかる複数条の歯形の転造と同時に、歯形用ダイスの歯形面に立設された溝用ダイスの一対の板状体により被転造素材が挟持され、被転造素材の外周面が塑性変形されて止め輪溝が転造される。
【0012】
請求項3記載の転造ダイスは、請求項2記載の転造ダイスにおいて、前記溝用ダイスは、前記仕上げ部の頂部に施される略円弧状の面取り面を備えている。
【0013】
この請求項3記載の転造ダイスによれば、請求項2記載の転造ダイスと同様に作用する上、溝用ダイスの仕上げ部は、その面取り面が止め輪溝の底面に当接して、止め輪溝の底面の仕上げを行うのである。
【0014】
請求項4記載の転造ダイスは、請求項3記載の転造ダイスにおいて、前記歯形用ダイスの一端面は、前記溝用ダイスの前記勾配面の傾斜方向と略同方向に傾斜され、その溝用ダイスが前記歯形用ダイスの前記歯形面に立設された場合に前記勾配面と対向され、その勾配面に当接可能に形成されている。
【0015】
請求項5記載の転造ダイスは、請求項4記載の転造ダイスにおいて、前記歯形用ダイスの歯形面は、その歯形面に立設される前記板状体の長手方向他端側の延長部分に更に延設されている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例である溝付きスプライン転造ダイス(以下、単に「転造ダイス」と称す。)11(図3参照)に使用される溝用ダイス1の外観斜視図である。溝用ダイス1は、円柱状の軸状素材の外周面にスナップリング等の止め輪を嵌着するための止め輪溝を転造する工具であり、図5(b)に示すワークWの外周面を塑性変形させて、その外周面に止め輪溝22を転造することができる。
【0017】
図1に示すように、溝用ダイス1は、転造に適した合金工具鋼又は高速度工具鋼等の金属材料で形成された略平板状体(板状体)で構成されている。溝用ダイス1の一端側(図1左側)には、導入食付き部2が設けられており、その導入食付き部2の終端には、導入食付き部2と連続して拡幅食付き部3が設けられている。また、拡幅食付き部3の終端には、拡幅食付き部3と連続して仕上げ部4が設けられており、その仕上げ部4の終端には、仕上げ部4に連続して逃げ部5が設けられている。
【0018】
導入食付き部2は、溝用ダイス1をワークWの外周面に食い付かせるための部位であり、その上端には断面形状が略逆V字の尖形状に形成された刃先2aが設けられている。この尖形状の刃先2aは、溝用ダイス1の長手方向一端側(図1左側)から他端側(図1右側)へ向けて連続して形成されており、その刃先2aの両側面は、その刃先2aの頂部から側面視略逆V字状に下降傾斜された一対の傾斜面6,7で形成されている(図2(c)参照)。この一対の傾斜面6,7により導入食付き部2の刃先2aは、その刃先角θ1が略46°とされている。このような導入食付き部2がワークWの外周面に食い付くことにより、ワークWに断面視略V字状の下溝が転造されるのである。なお、刃先2aの先端は曲率半径が略0.1mmの曲面状に形成されている。
【0019】
拡幅食付き部3は、導入食付き部2によりワークWの外周面に転造された断面視略V字状の下溝の底面幅を拡幅するための部位であり、その上端には導入食付き部2の刃先2aと連続して刃先3aが設けられている。刃先3aの頂部の刃先幅は、拡幅食付き部3の始端から終端へ向けて所定の開き角θ2で漸増されており、この刃先3aの両側面は、上述した一対の傾斜面6,7によって、その刃先3aの頂部から側面視略八の字状に下降傾斜されている。また、刃先3aの上端面は、溝用ダイス1の下端面に対して略平行な略平坦状に形成されている。
【0020】
仕上げ部4は、拡幅食付き部3により底面幅が拡幅されたワークWの下溝を仕上げて止め輪溝22を形成する部位であり、その上端には拡幅食付き部3の刃先3aと連続して刃先4aが設けられている。刃先4aは、その頂部の刃先幅t1が刃先3aの終端の刃先幅t1と略等しくされ、且つ、刃先3aの上端面と面一な略平坦状に形成されている。
【0021】
また、仕上げ部4の終端には、その仕上げ部4の終端から溝用ダイス1の長手方向他端へ向けて(即ち、図1の左側から右側へ向けて)下降傾斜された逃げ部5が設けられ、この逃げ部5の上端には仕上げ部4の刃先4aと連続して刃先5aが設けられている。更に、拡幅食付き部3、仕上げ部4及び逃げ部5の各刃先3a〜5aには、その各刃先3a〜5aの頂部側から溝用ダイス1の側端面9側へ下降傾斜された勾配面8が設けられている。
【0022】
図2(a)は、溝用ダイス1の上面図であり、図2(b)は、その側面図であり、図2(c)は、その前面図である。ここで、溝用ダイス1の前面とは、図2(a),(b)に示す溝用ダイス1の右端面のことである。図2(a)に示すように、溝用ダイス1は、その導入食付き部2の刃先2aの頂部先端の稜線が側端面9,10に対して略平行に連続しており、この刃先2aの頂部先端の稜線は溝用ダイス1の幅方向中心線Lに対して幅e分だけ側端面10側に偏倚されている。即ち、導入食付き部2の刃先2aの頂部先端は、図2(c)に示すように、溝用ダイス1の幅方向中心線Lに対して幅eだけズレており、左右非対称に形成されている。
【0023】
また、図2(b)に示すように、導入食付き部2の刃先2aは、拡幅食付き部3及び仕上げ部4の刃先3a,4aの上端面(図2(b)の上側)に対して、刃先2aの始端(図2(b)右側)から終端(図2(b)左側)へ向けて所定の食付き角κで上昇傾斜されている。よって、このように食付き角κで刃先2aを傾斜させることによって、かかる刃先2aをワークWの外周面に徐々に食い付かせることができるのである。
【0024】
更に、図2(c)に示すように、溝用ダイス1の側端面10は、拡幅食付き部3及び仕上げ部4の刃先3a,4aの上端面に対して略直交するように形成されており、この側端面10の反対側に側端面10と略平行な側端面9が形成されている。側端面9の上部には、上述した勾配面8が刃先3a,4aの上端面の一側(図2(c)右側)から側端面9の上端へ向けて下降傾斜して設けられている。
【0025】
図3(a)は、上述した溝用ダイス1を使用した転造ダイス11の上面図であり、図3(b)は、図3(a)のB−B線における側断面図であって、転造ダイス11における溝用ダイス1の仕上げ部4の側断面を示している。転造ダイス11は、円柱状の軸状素材の外周面を塑性変形させて、複数条の断面視略山形状または略凸状の歯形を転造すると同時に、軸状素材の外周面に止め輪溝を転造仕上げする工具である。図5(b)は、転造前の無垢な状態のワークW、及び、転造後の溝付きスプライン軸20の部分側面図であり、転造ダイス11によれば、図5(b)に示す複数条の歯形であるスプライン21と、スナップリング等の止め輪を嵌着するための止め輪溝22とを円柱状のワークWに同時に転造することができる。
【0026】
図3(a)に示すように、転造ダイス11は、平面視略長方形状に形成されており、主に、溝付きスプライン軸20のスプライン21を転造する歯形用ダイス12,13と、この歯形ダイス12,13の間に挟持されつつ配設される溝用ダイス1とを備えている。歯形用ダイス12,13は、溝用ダイス1と同様に、転造に適した合金工具鋼又は高速度工具鋼等の金属材料で形成されており、その上面にはスプライン21を転造する歯形面12a,13aが形成されている。
【0027】
これらの歯形面12a,13aには、歯形用ダイス12,13の始端側(図3(a)右側)から終端側(図3(a)左側)へ向けて、スプライン食付き部、スプライン仕上げ部および逃げ部が順に連続して設けられており、歯形用ダイス12,13の始端側から終端側へ向けてワークWが相対的に転動移動されることにより、溝付きスプライン軸20が製造されるのである。
【0028】
歯形用ダイス12は、溝付きスプライン軸20のスプライン21におけるスプライン端部21b(図5(b)参照)を転造するためのものであり、歯形用ダイス13は、スプライン21におけるスプライン基部21a(図5(b)参照)を転造するためのものである。歯形用ダイス12の歯形用ダイス13との対向面側には、歯形用ダイス12の始端(図3(a)右端)から終端側近傍(図3(a)左側)にかけて切欠部12bが設けられ、この切欠部12bにより両ダイス12,13の対向面間には所定幅の間隙11aが設けられている。この間隙11aには、上述した溝用ダイス1が填め込まれており、この填め込みにより、溝用ダイス1が転造ダイス11の長手方向(図3(a)の左右方向)沿って設けられている。
【0029】
図3(b)に示すように、歯形用ダイス12,13はそれぞれの歯形面12a,13aが面一になるように配設され、歯形用ダイス12,13の対向面間には上述した間隙11aが設けられている。間隙11aに填め込まれた溝用ダイス1は、歯形用ダイス12,13の対向面間に挟持され、かかる溝用ダイス1の上端部が歯形用ダイス12,13の歯形面12a,13aから上方へ突出するように立設されている。
【0030】
また、歯形用ダイス12には、その幅方向(図3(b)の左右方向)に貫通するねじ穴12cが設けられ、歯形用ダイス13にはねじ穴12cに対応して幅方向に貫通する通穴13bが設けられている。しかも、溝用ダイス1には、ねじ穴12c及び通穴13bに対応して通穴1aが設けられ、通穴13b,1aに通されたボルト14がねじ穴12cにねじ込まれることにより、歯形用ダイス12,13に挟持された溝用ダイス1が両歯形用ダイス12,13間に共締めされている。
【0031】
図4は、図3(b)に示す転造ダイス11における溝用ダイス1の仕上げ部4の拡大断面図である。図4に示すように、溝用ダイス1の仕上げ部4の刃先4aの幅方向(図4左右方向)両端には、上述した勾配面8の上端と側端面10の上端とが連設されており、かかる連設部分には、曲率半径が略1.2mmの断面視円弧状の曲面4b,4cが設けられている。この曲面4b,4cによって、仕上げ部4の刃先4aが止め輪溝20の底面22aを仕上げる際に、曲面4b,4cとワークWとの接触部分に加わる負荷を低減して、転造を行い易くすることができる。
【0032】
溝用ダイス1の側端面9,10は、仕上げ部4の刃先4aの上端面及び歯形面12a,13aに対して略垂直に形成されている。側端面9の上端には勾配面8の下端が連設されており、その勾配面8の上端には曲面4bが連設されている。この勾配面8は、側端面9に対して所定の傾斜角θ3で傾斜されており、この傾斜角θ3は略10°にされている。
【0033】
このように傾斜された勾配面8によって、溝用ダイス1の幅tは、仕上げ部4の刃先4aへ向かうに従って漸減されており、この刃先4aの上端部の刃先幅t1は溝用ダイス1の幅tより小さくされている(t1<t)。溝用ダイス1の仕上げ部4の刃先4aの刃先幅t1を溝用ダイス1における側端面9,10間の幅tより小さく形成することにより、仕上げ部4の刃先4aをワークWに食い込み易くすることができるのである。尚、本実施例では、溝用ダイス1の幅tが略3mmとされ、刃先幅t1が略1.9mmとされている。
【0034】
溝用ダイス1の両側端面9,10は、歯形用ダイス12,13の側端面12d,13cにそれぞれ当接されており、更に、歯形用ダイス12の側端面12dの上端には、溝用ダイス1の勾配面8の傾斜角θ3に沿って傾斜された傾斜端面12eが形成されている。この傾斜端面12eには、溝用ダイス1の勾配面8が当接されており、かかる当接により歯形面12aの端面と溝用ダイス1の勾配面8との間に隙間ができることが防止されている。
【0035】
次に、図5を参照して、上記のように構成された転造ダイス11による転造方法について説明する。図5(a)は、本実施例の転造ダイス11の使用態様を模式的に示した側面図であり、図5(b)は、転造前の無垢な状態のワークW、及び、転造後の溝付きスプライン軸20の部分側面図である。まず、図5(b)に示すように、円柱状の軸状素材であるワークWの端面に面取りMが切削加工等により形成される。一方、上述した転造ダイス11が転造盤(図示せず)に一対取り付けられる。
【0036】
この一対の転造ダイス11,11は、図5(a)に示すように、それぞれの歯形面12a,13a(溝用ダイス1の立設面)が対向するように転造盤に取り付けられる。その後、一対の転造ダイス11,11の歯形面12a,13aによりワークWが挟持され、両転造ダイス11,11が相対的に反対方向(図5(a)の矢印X1,X2方向)へ等速度で移動されることにより、スプライン21及び止め輪溝22が一度に(同時に)ワークWに転造され、溝付きスプライン軸20が製造される。
【0037】
ここで、各転造ダイス11,11に取り付けられた溝用ダイス1,1による止め輪溝22の転造過程について説明する。一対の転造ダイス11,11が相対的に移動されると、まず、一対の溝用ダイス1,1の各導入食付き部2,2の始端がワークWの外周面に当接され、その外周面に各刃先2a,2aがそれぞれ食い付き、一対の溝用ダイス1,1の刃先2a,2a間にワークWが挟持される。各刃先2a間に挟持されたワークWは、転造ダイス11,11の相対移動に伴って、溝用ダイス1,1間で回転される。
【0038】
導入食付き部2,2の刃先2a,2aがワークWの外周面に食い付くと、刃先2aの幅方向断面形状に適合した溝、即ち、ワークWの軸方向断面形状略V字状の溝が転造される。しかも、導入食付き部2,2は始端側から終端側へ向けて食付き角κで傾斜されるので、転造ダイス11,11の移動に伴って、ワークWに転造される溝の深さが徐々に拡大するように塑性変形される。一方、この溝深さ方向への塑性変形に伴って、ワークWに加工される溝幅が徐々に拡大するように塑性変形される。
【0039】
次に、この導入食付き部2,2の終端、即ち、拡幅食付き部3,3の始端がワークWに到達すると、かかる拡幅食付き部3,3による溝加工が開始される。この拡幅食付き部3,3は、その刃先3a,3aの刃先幅が始端から終端へ向けて開き角θ2で漸増されるので、転造ダイス11,11の移動に伴って、ワークWに加工される溝の底面部分の溝幅が徐々に拡大するように塑性変形される。その後、拡幅食付き部3,3の終端、即ち、仕上げ部4,4の始端がワークWに到達すると、かかる仕上げ部4,4によるの止め輪溝22の仕上げが行われる。
【0040】
仕上げ部4は、歯形用ダイス12側に勾配面8が形成され、この勾配面8により刃先4aの刃先幅が先端側へ向かうに従って漸減されるので、かかる刃先4aをワークWに食い付き易くすることができる。しかも、刃先4aの歯形用ダイス13側の側端面10は刃先4aの上端面と略直交するように形成されるので、止め輪溝22の内側面(内面)22bが溝付きスプライン20の軸方向に対して略垂直に仕上げられる。
【0041】
このため、止め輪溝22に嵌着されるスナップリングが止め輪溝22内でガタつくことが防止される。更に、刃先4aの幅方向両端には曲面4b,4cが形成されるので、かかる曲面4b,4cとワークWとの接触部分に加わる負荷が低減されるのである。その後、この仕上げ部4,4により止め輪溝22が仕上げられ、ワークWは逃げ部5を経て一対の転造ダイス11,11の間から外れる。この結果、ワークWから溝付きスプライン軸20が転造により製造されるのである。
【0042】
以上説明したように、本実施例の転造ダイス11では、溝付きスプライン軸20の止め輪溝22を転造する溝用ダイス1は、転造ダイス11,11にそれぞれ一対設けられ、この一対の溝用ダイス1,1によりワークWを挟持して止め輪溝22を転造するので、ワークWの1回転当たりの圧下量を低減することができる。よって、溝深さが大きな止め輪溝22を転造加工する場合に、止め輪溝22の底面22a及び内側面22b,22cに表層剥離が生じることを抑制して、溝付きスプライン軸20の止め輪溝22の転造加工精度を向上することができる。
【0043】
また、導入食付き部2の刃先2aは、尖形状に形成され、且つ、所定の食付き角κで傾斜されるので、溝用ダイス1がワークWに食い付く際の抵抗負荷を低減して、ワークWの1回転当たりの圧下量を更に低減することができる。よって、従来の転造ダイスのように、止め輪溝22を転造するためにワークWの外周面に下溝の加工を予め加工することなく、止め輪溝22の縁部の急激な盛り上がりを抑制することができる。
【0044】
よって、かかる盛り上がりによりスプライン21の外形が変形することを防止して、溝付きスプライン軸20のスプライン21の転造加工精度を向上することができるのである。しかも、上記のように導入食付き部2の刃先2aを形成することにより、止め輪溝22の底面22a及び内側面22b,22cに生じる表層剥離を更に抑制することができるのである。
【0045】
仕上げ部4の刃先4aには略円弧状の曲面4b,4cが形成されるので、仕上げ部4の刃先4aをワークWの外周面に食い込み易くすることができる。しかも、仕上げ部4の刃先4aの刃幅は、勾配面8により刃先4aの頂部へ向けて漸減されるので、かかる刃先4aをワークWの外周面に更に食い込み易くすることができる。よって、仕上げ部4によるワークWの塑性変形に伴う抵抗負荷を低減して、ワークWの1回転当たりの圧下量を更に低減することができる。
【0046】
また、側端面10は仕上げ部4の刃先幅方向と略直交するように形成されるので、かかる側端面10と当接して仕上げられる止め輪溝22の内側面22bの縁部の捲れ込みや垂れ込み(バリ)を抑制し、スプライン21や止め輪溝22の転造加工精度を向上することができる。歯形用ダイス12の傾斜端面12eは、溝用ダイス1の勾配面8と同方向に傾斜され、その勾配面8に当接されるので、かかる勾配面8と歯形用ダイス12との対向面間に隙間が生じることがない。このため、止め輪溝22の縁部の捲れ込みや垂れ込みを抑制して、スプライン21や止め輪溝22の転造加工精度を向上することができる。
【0047】
更に、図3に示すように、歯形用ダイス12の歯形面12aは、その歯形面12aに立設される溝用ダイス1の長手方向他端(図3左側)の延長部分、即ち、溝用ダイス1の逃げ部5の延長部分に更に延設されるので、かかる延設された歯形面12aにより止め輪溝22の縁部の捲れ込みや垂れ込みを抑制して、スプライン21や止め輪溝22の転造加工精度を更に向上することができるのである。
【0048】
次に、図6及び図7を参照して、前記した実施例の変形例について説明する。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明する。図6は、第2実施例の転造ダイス30における溝用ダイス31の仕上げ部4の拡大断面図である。図6に示すように、溝用ダイス31の仕上げ部4の刃先32の幅方向(図4左右方向)両端には、上述した勾配面8の上端と側端面10の上端とが連設されており、この刃先32は断面視円弧状に形成されている。このように、第2実施例の転造ダイス30によれば、溝用ダイス31の仕上げ部4における刃先32は、その全体が断面視略円弧状に形成されるので、溝用ダイス31の仕上げ部4が止め輪溝20の底面22aを仕上げる際に、刃先32とワークWとの接触部分に加わる負荷を低減して、転造を行い易くすることができるのである。
【0049】
図7は、第3実施例の転造ダイス40の上面図である。図7に示すように、転造ダイス40は、主に、溝付きスプライン軸20のスプライン21を転造する歯形用ダイス41,42と、溝用ダイス1とを備えている。歯形用ダイス41,42は、溝用ダイス1と同様に、転造に適した合金工具鋼又は高速度工具鋼等の金属材料で形成されており、その上面にはスプライン21を転造する歯形面12a,13aが形成されている。
【0050】
歯形用ダイス41,42の対向する端面には、歯形用ダイス41,42の始端(図7右端)から終端側近傍(図7左側)にかけて切欠部41a,42aがそれぞれ設けられ、この切欠部41a,42aにより両ダイス41,42の対向面間には溝用ダイス1を填め込むための所定幅の間隙40aが設けられている。一方、歯形用ダイス41,42における切欠部41a,42aの非形成部分の端面41b,42bは互いに当接されている。この端面41b,42bの境界面は、溝用ダイス1の幅方向(図7の上下方向)略中央に位置されており、溝用ダイス1の長手方向(図7左右方向)と略同一方向へ延びている。このように、溝用ダイス1が填め込まれる間隙40aは、歯形用ダイス41,42に切欠部41a,41bをそれぞれ設けることにより形成することもできる。
【0051】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0052】
本実施の実施例では、導入食付き部2の刃先角θ1は略46°、刃先2aの先端の曲率半径は略0.1mmとされたが、かかる刃先角θ1、刃先2aの先端の曲率半径の数値はこれに限定されるものではなく、例えば、刃先角θ1は略30°〜100°の範囲内で、刃先2aの先端の曲率半径を略0.1〜0.5mmの範囲で設定することにより、実用上、ワークWに止め輪溝22を転造するための下溝を予め加工することなく、止め輪溝22の縁部の盛り上がりや止め輪溝22の内面に生じる表層剥離を抑制することができる転造ダイスを得ることができるのである。
【0053】
また、本実施例では、溝付きスプライン軸20を転造する転造ダイス11を例に説明したが、例えば、本発明を溝付きセレーション軸を転造する転造ダイスに適用することは当然に可能である。
【0054】
【発明の効果】
請求項1記載の溝用ダイス、又は、請求項2記載の転造ダイスによれば、溝用ダイスは、板状体の導入食付き部の頂部が尖形状に形成され、かつ、所定の食付き角で傾斜されるので、被転造素材に転造される止め輪溝の溝幅及び溝深さを徐々に拡大することができる。しかも、仕上げ部の頂部と面一な略平坦状に形成された拡幅食付き部の頂部は、その頂部幅が導入食付き部の終端から仕上げ部へ向けて漸増されるので、導入食付き部の終端から仕上げ部の始端にかけて止め輪溝の底部における溝幅を徐々に拡大することができる。
【0055】
このように、転造される止め輪溝の溝幅及び溝深さは、導入食付き部および拡幅食付き部により徐々に拡大されるので、被転造素材の1回転当たりの圧下量を更に低減することができる。従って、溝深さが大きな止め輪溝を転造する場合には、被転造素材に止め輪溝を転造するための下溝を予め加工せずに、転造される止め輪溝の縁部の大きな盛り上がりを抑制することができ、更に、止め輪溝の内面に生じる表層剥離を抑制して、被転造素材の転造加工精度を更に向上することができるという効果がある。しかも、仕上げ部の頂部幅は、立面と勾配面により頂部へ向けて漸減されるので、仕上げ部を被転造素材の外周面に食い込み易くすることができる。よって、仕上げ部による被転造素材の塑性変形に伴う抵抗負荷を低減することができるという効果がある。また、立面は仕上げ部の頂部幅方向と略直交して形成されるので、かかる立面と当接して仕上げられる止め輪溝の内側面の縁部の捲れ込みや垂れを抑制して、止め輪溝および複数条の歯形の転造加工精度を向上することができるという効果がある。
【0056】
また、請求項2記載の転造ダイスでは、止め輪溝を転造する溝用ダイスは一対の板状体により被転造素材を挟持して止め輪溝を転造するので、被転造素材の1回転当たりの圧下量を低減することができる。よって、溝深さが大きな止め輪溝を転造する場合には、被転造素材に止め輪溝を転造するための下溝を予め加工せずに、止め輪溝の内面に生じる表層剥離を抑制して、止め輪溝の転造加工精度を向上することができるという効果がある。
【0057】
請求項3記載の転造ダイスによれば、請求項2記載の転造ダイスの奏する効果に加え、仕上げ部の頂部には略円弧状の面取面が形成されるので、仕上げ部の頂部を被転造素材の外周面に食い込み易くすることができるという効果がある
【0058】
請求項4記載の転造ダイスによれば、請求項3記載の転造ダイスの奏する効果に加え、歯形用ダイスの一端面は、溝用ダイスが歯形用ダイスの歯形面に立設された場合に勾配面と対向され、その勾配面に当接されるので、かかる勾配面と歯形用ダイスの一端面との間に隙間が生じることが無く、止め輪溝の縁部の捲れ込みや垂れを抑制して、止め輪溝および複数条の歯形の転造加工精度を向上することができるという効果がある。
【0059】
請求項5記載の転造ダイスによれば、請求項4記載の転造ダイスの奏する効果に加え、歯形用ダイスの歯形面は、その歯形面に立設される溝用ダイスの板状体における長手方向他端側の延長部分に更に延設されるので、かかる延設された歯形面により止め輪溝の縁部の捲れ込みや垂れを抑制して、止め輪溝および複数条の歯形の転造加工精度を更に向上することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である溝付きスプライン転造ダイスに使用される溝用ダイスの外観斜視図である。
【図2】 (a)は、溝用ダイスの上面図であり、(b)は、その側面図であり、(c)は、その前面図である。
【図3】 (a)は、溝用ダイスを使用した溝付きスプライン転造ダイスの上面図であり、(b)は、(a)のB−B線における側断面図である。
【図4】 図3(b)における溝付きスプライン転造ダイスにおける溝用ダイスの仕上げ部の拡大断面図である。
【図5】 (a)は、溝付きスプライン転造ダイスの使用態様を模式的に示した側面図であり、(b)は、転造前の無垢な状態のワーク、及び、転造後の溝付きスプライン軸の部分側面図である。
【図6】 第2実施例の転造ダイスにおける溝用ダイスの仕上げ部の拡大断面図である。
【図7】 第3実施例の転造ダイスの上面図である。
【符号の説明】
1 溝用ダイス
2 導入食付き部
2a 刃先(導入食付き部の頂部)
3 拡幅食付き部
3a 刃先(拡幅食付き部の頂部)
4 仕上げ部
4a 刃先(仕上げ部の頂部)
4b,4c 曲面
8 勾配面
9 側端面
10 側端面(立面)
11 溝付きスプライン転造ダイス(転造ダイス)
12,13 歯形用ダイス
12a,13a 歯形面
12e 傾斜端面(勾配面と当接可能な歯形用ダイスの一端面)
20 溝付きスプライン軸
21 スプライン(複数条の歯形)
22 止め輪溝
32 刃先(面取り面、仕上げ部の頂部)
W ワーク(被転造素材)
κ 食付き角

Claims (5)

  1. スナップリング等の止め輪が嵌着される止め輪溝を被転造素材の外周面に転造するための板状体を備えた溝用ダイスにおいて、
    前記板状体の長手方向一端側から他端側へ向けて所定の食付き角度で傾斜されその傾斜方向へ連続して頂部が尖形状に形成された導入食付き部と、
    前記板状体の長手方向他端側に頂部が略平坦状に形成された仕上げ部と、
    その仕上げ部の頂部と面一な略平坦状に形成され、前記導入食付き部の終端から前記仕上げ部へ向けて頂部幅が漸増される拡幅食付き部と
    前記仕上げ部の幅方向一側面を構成するとともにその仕上げ部の頂部幅方向と略直交して形成された立面と、
    前記仕上げ部の幅方向他側面を構成するとともに前記立面に対して所定の角度で傾斜され前記仕上げ部の頂部へ向けてその頂部幅を漸減させる勾配面とを備え
    前記導入食付き部の頂部先端の稜線が前記立面に対して平行に連続しており、前記稜線が前記勾配面よりも前記立面側に偏倚されていることを特徴とする溝用ダイス。
  2. 被転造素材を挟持して、その被転造素材の外周面を塑性変形させてスプラインやセレーション等の複数条の歯形を転造する歯形面を有する一対の歯形用ダイスと、その一対の歯形用ダイスによる複数条の歯形の転造と同時に被転造素材の外周面にスナップリング等の止め輪が嵌着される止め輪溝を転造する溝用ダイスとを備えた転造ダイスにおいて、
    前記溝用ダイスは、前記一対の歯形用ダイスの歯形面にそれぞれ立設される一対の板状体と、その板状体の長手方向一端側から他端側へ向けて所定の食付き角度で傾斜されその傾斜方向へ連続して頂部が尖形状に形成された導入食付き部と、前記板状体の長手方向他端側に頂部が略平坦状に形成された仕上げ部と、その仕上げ部の頂部と面一な略平坦状に形成され、前記導入食付き部の終端から前記仕上げ部へ向けて頂部幅が漸増される拡幅食付き部と、前記仕上げ部の幅方向一側面を構成するとともにその仕上げ部の頂部幅方向と略直交して形成された立面と、前記仕上げ部の幅方向他側面を構成するとともに前記立面に対して所定の角度で傾斜され前記仕上げ部の頂部へ向けてその頂部幅を漸減させる勾配面とを備え、前記導入食付き部の頂部先端の稜線が前記立面に対して平行に連続しており、前記稜線が前記勾配面よりも前記立面側に偏倚されていることを特徴とする転造ダイス。
  3. 前記溝用ダイスは、前記仕上げ部の頂部に施される略円弧状の面取り面を備えていることを特徴とする請求項2記載の転造ダイス。
  4. 前記歯形用ダイスの一端面は、前記溝用ダイスの前記勾配面の傾斜方向と略同方向に傾斜され、その溝用ダイスが前記歯形用ダイスの前記歯形面に立設された場合に前記勾配面と対向され、その勾配面に当接可能に形成されていることを特徴とする請求項3記載の転造ダイス。
  5. 前記歯形用ダイスの歯形面は、その歯形面に立設される前記板状体の長手方向他端側の延長部分に更に延設されていることを特徴とする請求項4記載の転造ダイス。
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